JPH07287705A - 数式の編集装置 - Google Patents

数式の編集装置

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JPH07287705A
JPH07287705A JP6080618A JP8061894A JPH07287705A JP H07287705 A JPH07287705 A JP H07287705A JP 6080618 A JP6080618 A JP 6080618A JP 8061894 A JP8061894 A JP 8061894A JP H07287705 A JPH07287705 A JP H07287705A
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formula
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JP6080618A
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Takumi Shida
卓巳 志田
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】数式の表示構造を用いた数式の編集処理に際
し、数式の表示構造中の所望の数式の構成要素を効率的
に選択して編集処理にかかる時間と労力を短縮する。 【構成】数式特有の表示構造を有した該数式の出力イメ
ージを示すイメージ表示および該数式の構成要素の選択
領域を示す補助表示を表示するCRTディスプレイ4a
と、補助表示を参照して数式中の所望の構成要素に対す
る選択指示を入力する入力部1と、前記選択指示に対応
する構成要素を特定する操作処理部5と、操作処理部5
により特定された構成要素に対応する表示画面上の表示
領域を該構成要素に対応して強調表示する表示処理部8
と、操作処理部5により特定された構成要素に対する編
集処理を行う編集処理部6とを有して、効率的な数式の
選択処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、数式を構成する1また
は複数の構成要素の横方向の接続関係を示す並びリンク
で該1または複数の構成要素が結合され、該並びリンク
で結合される複数の構成要素を示す構成リンクで該複数
の構成要素が分岐された数式の表示構造をもとに割り付
けられて表示画面上に表示出力された前記数式の編集時
に、該表示画面上に表示出力された該数式中の編集すべ
き所望の構成要素を自在に選択できる数式の編集装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般文書中の文字に対し、コピー
・移動・挿入・削除等の編集処理を行う場合、編集処理
に対応する命令をキーボードあるいはマウス等の入力デ
バイスから入力した後、編集処理すべき対象部分を指示
することにより各種の編集処理を行っていた。
【0003】例えば、一般文書中の所定の文字を該一般
文書中の所望の位置にコピーする場合、まずコピーすべ
き対象部分を指示すると、該対象部分の文字が反転し、
ユーザが指示した対象部分でよいと判断した場合は、コ
ピー命令を入力し、その後該対象部分の文字をコピー先
である所望の位置に指示することにより、コピーが行わ
れる。
【0004】ところで、一般文書の処理に比較して数式
そのものの構成は一般に複雑であり、また特殊な構成を
有しているため、一般文書中において、体裁よく数式を
割り付けるのは容易ではなかった。
【0005】例えば、分数を作成するときは、一般文書
編集装置が有する罫線、あるいはアンダーライン等の修
飾機能を利用し、この罫線等を分数罫線としたり、平方
根を有する数式を作成するときは、数式専用の外字を予
め準備し、罫線等の直線との組み合わせを行う等、工夫
して数式を作成していた。また、行ごとに適切な改行幅
に変更して体裁のよい数式を工夫して編集していた。
【0006】このような数式を含む文書を編集する場
合、一般文書に対する編集機能の最大限の機能を応用す
ることにより編集を行っていた。
【0007】しかし、この数式を含む文書処理は、数式
の編集処理のために時間がかかり、複雑な構成の数式を
作成する場合は、種々の機能を応用しても必ずしも体裁
のよい数式が作成されるとは限らなかった。
【0008】このような問題点を解決するため、特開平
3−92926号公報では、数式を画像として取扱い、
数式の構成要素を任意の順序で入力、出力配置すること
ができるコンピュータシステムが記載されている。
【0009】また、特願平2−64851号公報には、
数式等の記号の組版のための基準点と、ベースラインを
設定し、数式コマンドにより入力された分数、行列、平
方根、Σ等の数式記号と、その上付文字、下付文字を、
該基準点とベースラインをもとに、それぞれ出力位置を
決定し、自動的にバランスよく配置し、表示できる文書
処理装置が記載されている。
【0010】一方、数式を構成する1または複数の構成
要素の横方向の接続関係を示す並びリンクで該1または
複数の構成要素を結合し、該並びリンクで結合される複
数の構成要素を示す構成リンクで該複数の構成要素を分
岐した数式の表示構造を用いて、数式の割付処理を行う
方法が考えられた。
【0011】この数式特有の表示構造は、ユーザの編集
に適合する構造であるため、数式を構成する1つの構成
要素を削除する編集を行った場合、該表示構造をもとに
1つの構成要素が削除された数式として表示構造が組み
直され、自動的に体裁のよいまとまった数式としてその
都度、表示処理されることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た数式の表示構造は、体裁のよい数式を生成することが
できる反面、一般に編集すべき数式は複雑であるため、
数式の表示構造も複雑となり、使い勝手が悪くなり、ユ
ーザインターフェース上、問題があった。
【0013】すなわち、ユーザは一般に数式の構成すな
わち組立を考えながら編集処理を行うが、数式の表示構
造が複雑になると、該数式の表示構造を把握し難くな
り、このため、所望の数式の編集処理に時間がかかると
いう問題点があった。
【0014】そこで、本発明は、かかる問題点を除去
し、数式の表示構造を用いた数式の編集処理に際し、数
式の表示構造中の所望の数式の構成要素を効率的に選択
でき、これにより編集処理にかかる時間の短縮を可能と
する数式の選択装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、数式を構成す
る1または複数の構成要素の横方向の接続関係を示す並
びリンクで該1または複数の構成要素が結合され、該並
びリンクで結合される複数の構成要素を示す構成リンク
で該複数の構成要素が分岐された数式の表示構造をもと
に割り付けられて表示画面上に表示出力された前記数式
の編集時に、該表示画面上に表示出力された該数式中の
編集すべき所望の構成要素を自在に選択できる数式の編
集装置において、前記数式の出力イメージを示すイメー
ジ表示および該数式の構成要素の選択領域を示す補助表
示を表示する表示手段と、前記表示手段の補助表示を参
照して前記数式中の所望の構成要素に対する選択指示を
入力する入力手段と、前記選択指示に対応する構成要素
を特定する選択処理手段と、前記選択処理手段により特
定された構成要素に対応する前記表示手段の表示画面上
の表示領域を該構成要素に対応して強調表示する表示処
理手段と、前記選択処理手段により特定された構成要素
に対する編集処理を行う編集処理手段とを具備すること
を特徴とする。
【0016】
【作用】本発明では、まず編集すべき数式が読み込まれ
ると、該数式が表示手段の表示画面上に出力イメージと
して表示出力されるとともに、該数式の表示構造に基づ
く構成要素の選択領域を示す補助表示が該表示画面上に
表示出力される。そして、ユーザは、表示画面上に表示
された補助表示を参照して、該数式中の所望の構成要素
に対する選択指示を入力手段を用いて入力する。この選
択指示の入力を受けると、選択処理手段は、該選択指示
に対応する該数式の表示構造に基づいた構成要素を特定
する処理を行う。さらに、表示処理手段は、特定された
構成要素に対応する表示領域を前記表示手段の表示画面
上に強調表示し、ユーザの選択指示結果を表示する。そ
の後、さらに前記入力手段による選択指示、前記選択処
理手段による構成要素の特定、前記表示処理手段により
強調表示を繰り返し行い、最終的な数式の1または複数
の構成要素の選択を終了する。そして、編集処理手段に
より、該選択された1または複数の構成要素に対するコ
ピー、移動、削除等の編集処理を行う。
【0017】これにより、一般的に複雑な表示構造を有
する数式の構成要素に対する編集処理を効率的に行うこ
とができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施例である数式の編
集装置の構成を示す図である。図1において、数式の編
集装置は、種々の数式に関する情報を入力、指示するマ
ウス1a,キーボード1bを有する入力部1、入力部1
から入力された情報をもとに所定の表示構造の数式を生
成する処理部2、処理部2が数式を生成するために必要
な情報および処理に必要なために生成した情報を格納す
る記憶部3、処理部2が生成した数式を表示出力するC
RTディスプレイ4aあるいは印刷出力するプリンタ4
bを有する出力部4から構成される。なお、本数式の編
集装置は、数式のみならず一般文書の編集を行うことが
できるものであるが、ここでは、一般文書中の数式の編
集のみに着目して説明する。
【0020】記憶部3は、数式の情報、および数式の作
成のために必要なフォント情報等が格納されているメモ
リ3a、および2次記憶装置3bを有している。
【0021】処理部2は、操作処理部5、編集処理部
6、割付処理部7、および表示処理部8を有している。
【0022】操作処理部5は、入力部1からの操作指示
に基づいて記憶部3からの読み込み、編集処理部6、お
よび表示処理部8に対する処理の指示を行う。
【0023】編集処理部6は、数式の表示構造の編集処
理を行う。
【0024】割付処理部7は、編集処理された数式の割
付処理、すなわち編集処理された数式の表示構造に基づ
いた該数式のレイアウト処理を行う。この割付処理の結
果は、記憶部3に格納される。
【0025】表示処理部8は、割付処理された数式の表
示処理を行う。
【0026】ここで、本実施例で用いられる数式の表示
構造について説明する。図2は、数式の表示構造の構成
の概念を示す図であり、図3は、図2の表示構造のもと
になった数式の一例を示す図である。一般に、「a+
(d^e/(b−c))」を意味する数式は、図3に示
すような数式として表示される。
【0027】図2は、図3に示した数式の表示構造の概
念を示し、この表示構造は、節(ノード)である「式の
要素」と枝(ブランチ)である「リンク」からなる木構
造で構成される。
【0028】ところで、数式である「式」は、一般に
「a」あるいは「+」などの文字あるいは記号、および
この「式」を構成する小さな式から構成される。この
「式」の最も基本的な要素である文字あるいは記号、お
よび小さな式を「式の要素」と呼ぶ。
【0029】また、この「式の要素」を1つの「式」と
して配置するとき、各「式の要素」は、その前後の「式
の要素」に対して特定の位置をもち、この特定の位置を
その「式の要素」の「接続点(conjunction point)」
と呼び、この「接続点」が接続されてなす線を「式の要
素」の「接続線(conjunction line)」と呼ぶ。
【0030】この接続点は、欧文組み版において、一般
に使用されるPP点(positioningpoint)やEP点(es
capement point)であり、接続線は、基準線(base lin
e)である。なお、分数や行列などの縦方向の構造を有
するものには、文字あるいは記号などのように一般化さ
れた接続点(PP点、EP点)や接続線(基準線)はな
いが、これらの場合には、分数や行列などの式に、固有
の接続点、あるいは式の接続点を設けている。これによ
り、数式特有の構造を体裁よく表示出力することができ
る。
【0031】さて、この「式の要素」は、大きく「式の
要素の並び」、「式」、「描体」、および「制御記号」
に分けられる。「式の要素の並び」は、上述した1つの
接続線上に配置された、「式」、「描体」、あるいは
「制御記号」をまとめたものである。また、「式」は、
複数の式の要素から構成されるものであり、「描体」
は、表示されるイメージを有するものである。さらに、
「制御記号」は、制御のために用いられるものであり、
例えば、改行記号、タブ記号、プロンプト記号等であ
る。ここで、「描体」には、空白文字も含まれ、この場
合”空”のイメージをもつことになる。例えば、図2に
おいて、図3に示す数式に対応する「式の要素」は、式
の要素の並びn1〜n5、式d1,d2、描体b1〜b
8である。
【0032】一方、「リンク」は、「並びリンク」と
「構成リンク」との2つに分けられる。
【0033】「並びリンク」は、1つの接続線に配置さ
れた、「式」、「描体」、および「制御記号」を結合す
るものであり、「構成リンク」は、式を構成する「式の
要素」を結合するものである。例えば、図2において、
図3に示す数式に対応する「リンク」は、式の要素の並
びn1〜n5内にある、並びリンクcl1−1,cl1
−2あるいは並びリンクcl2−1,cl2−2上の配
置された複数の描体あるいは式の配置関係、または単独
の描体あるいは式(d2,b3,b4)の横並びの接続
関係を示す並びリンクと、構成リンクbb1−1〜bb
1−3,bb2−1,bb2−2からなる。
【0034】このような式の要素とリンクから構成され
た表示構造を用いて1つの数式が把握され、表示処理に
用いられることになる。
【0035】ところで、図2に示す表示構造をもとに計
算機処理を行う場合、具体的には次の様な構造として取
り扱われる。すなわち、図4は、計算機処理する場合に
おける図2に示す数式の表示構造に対応する数式の表示
構造の模式図である。なお、計算機処理に適合する表示
構造としても、表示構造そのものの概念が変わらないの
は言うまでもない。
【0036】図4における表示構造は、同位リンクと下
位リンクとにより結合されている。ここで、同位リンク
とは、節と節とを左右に結合する枝をいい、下位リンク
とは、節と節とを上下に結合する枝をいう。
【0037】図4の表示構造と図2の表示構造との対応
関係について説明すると、図2の表示構造における並び
リンクは、式の要素の並びから出る下位リンク(l1
1,l14,l15,l18,l19)、および式の要
素の並びの第1親等の子孫を結合する同位リンク(l1
2,l13,l16,l17)に相当する。
【0038】また、図3の表示構造における構成リンク
は、式から出た下位リンク(ll11,ll14)、お
よび式の第1親等の子孫を結合する同位リンク(ll1
2,ll13,ll15〜ll18)に相当する。な
お、図4に示す表示構造では、原則として、描体とこの
描体の内容とを分離し、下位リンクで結合している。例
えば、図2に示す描体b1は、図4において描体BY1
と、この描体の内容BY2との結合として示されてい
る。但し、図2に示す描体b5に対応する図4の描体B
Y11は、描体の内容である分数罫線「−」を含んでい
る。これは、分数罫線は必ず分母と分子との間に設定さ
れるため、簡略化したものである。また、分母および分
子を示す式の要素の並びと同位リンクで最後に接続され
るようになっている。
【0039】また、左右添字を行う場合は、その添字が
行われる基準文字の左右の上下に添字が行われて組み立
てられるのが通常であるため、基準文字の左右とそれに
対する上下の計4つの配置位置を予め式の要素の並びn
11〜n14として確保している。そして、この式の要
素の並びに対応する位置に添字の描体(n12)が下位
リンクで該当する描体を結合している。
【0040】このようにして、添字がない部分は、描体
およびその内容を省略することにより、記憶部3が効率
的に使用されることになる。その他、例えば、括弧記号
「(」等についても同様にして、省略すべき節を省略す
る効率的な表示構造としている。
【0041】なお、図5は、図4に示す表示構造をさら
に糸付き2分木を用いて表した表示構造を示すものであ
り、この表示構造は、リンクL1〜L8を用い、さらに
節が辿りやすいものとなっている。
【0042】次に、一般的な表示構造における式の要素
の接続順序について説明する。図6は、図4の表示構造
における下位リンクで接続される式の要素の接続順序を
示す図である。ここで、図6(a)は、下位リンクによ
り接続が可能な式の要素(節)の順序を示し、図6
(b)は、図6(a)に示した図を拡張したBNF記法
(Backus Naul Form notation)で示したものである。
【0043】この図6(b)の記述をもとに下位リンク
で接続される式の要素の接続順序を説明する。まず、端
子T1から、式の要素の並びS1か描体S6かのいずれ
かが接続される。描体S6が接続される場合は、そのま
ま終了する(端子T2)。
【0044】一方、式の要素の並びS1が接続される場
合は、その後、式S2からさらに下位リンクで接続され
る式の要素の並びS1の順序となるか、描体S3からそ
の内容S4となるか、制御記号S5かのいづれかが接続
され、あるいはそのまま接続されずに終了する(端子T
2)。
【0045】例えば、図4の表示構造において、式の要
素の並びn50→描体BY1→描体の内容BY2を接続
する下位リンクは、図6(a)において、式の要素の並
びS1→描体S3→内容S4の順序で接続されているこ
とになる。このようにして、下位リンクによる式の要素
の接続順序が一般化される。
【0046】次に図7は、図4の表示構造における同位
リンクで接続される式の要素の接続順序を示す図であ
る。ここで、図6と同様に、図7(a)は、同位リンク
により接続が可能な式の要素(節)の順序を示し、図7
(b)は、図7(a)に示した図を、拡張したBNF記
法で示したものである。
【0047】この図7(b)の記述をもとに同位リンク
で接続される式の要素の接続順序を説明する。まず、端
子T11から、次の4つのいずれかの順序で式の要素が
同位リンクで接続される。第1には、式の要素の並びS
11が少なく「1」回以上繰り返された後、内容を含む
描体S12を「0」回以上繰り返す接続を行って終了す
る(端子T12)。
【0048】第2には、式S13、描体S14、改行や
タブ等の制御記号S15のいずれかの接続がなされ、こ
のいづれかの接続が少なくとも「1」回以上繰り返され
て、同位リンクの接続が終了する(端子T12)。
【0049】第3には、プロンプト等の制御記号S16
が接続されて、同位リンクの接続が終了する(端子T1
2)。
【0050】第4には、内容S17が接続されて、その
まま終了する(端子T12)。
【0051】例えば、図4の表示構造において、式の要
素の並びn51→式の要素の並びn52→分数罫線の内
容を含む描体BY11を接続する同位リンクは、図7
(a)において、式の要素の並びS11→式の要素の並
びS11→内容を含む描体S12の順序で接続されてい
ることになる。
【0052】このようにして、同位リンクによる式の要
素の接続順序が一般化された。ところで、この式の要素
(節)は大きく「組立」と「割付」の2つの情報に区分
することができる。
【0053】図8は、式の要素の情報構成を示す図であ
る。図8において、式の要素は、上述したように「組
立」と「割付」の2つの情報に区分され、「組立」に関
する情報とは、数式の表示構造を組み立てるための構造
に関する情報であり、「種別」、「同位リンク」、「下
位リンク」、および「属性リンク」に分けられる。ここ
で、属性リンクとは式の要素毎に固有な情報に結合する
リンクをいう。
【0054】一方、「割付」に関する情報とは、数式の
表示、編集等に際し、個々に用いられる情報であり、
「接続点」、「幅」、および「領域」に分けられる。こ
こで、「幅」とは、1つの式の要素の接続点間の距離を
いい、「領域」とは、式の要素が表示、印刷において占
める大きさとその位置をいう。
【0055】ここで、「組立」に関する情報の1つであ
る種別は範疇(カテゴリー)と種類に分けられて管理さ
れる。
【0056】また、「割付」に関する情報で、接続点
は、文字(記号)のX,Y座標の位置と式のX,Y座標
の位置として管理され、幅は、文字(記号)と式とに分
けられて管理され、領域は、位置に関するX,Y座標と
大きさに関する縦と横の長さとに分けられて管理され
る。
【0057】図9は、種別のカテゴリーと種類に関する
構成の一例を示す図である。図9において、種別のカテ
ゴリーは、式の要素の並び、式、描体、制御記号等であ
り、このカテゴリーにより管理される。ここで、式のカ
テゴリーにおける種類としては、上下添字、括弧、左右
添字、分数、除、ベクトル、対応、n乗根、行列等があ
り、描体のカテゴリーにおける種類としては、文字(記
号)、分数罫線、括線等があり、制御記号のカテゴリー
の種類としては、プロンプト、改行、タブ等がある。
【0058】さらに、式の要素の並び等は詳細な情報を
有して、上述した表示構造として管理されている。
【0059】そして、このような表示構造の「組立」と
「割付」に関する情報は、数式の編集の都度、変更管理
されて該編集、割付処理された数式が表示出力される。
【0060】次に、ユーザが所望の数式を表示画面上に
呼び出して、編集操作を行う場合の該数式中の編集対象
の選択処理について説明する。
【0061】一般文書中における文字あるいは段落等の
所望の編集対象を特定するための選択指示は、一般文書
そのものの構造が簡易であることと、ユーザが該選択指
示の要領を熟知していることのため、比較的容易な操作
となっている。
【0062】しかし、一般に、数式の構成は複雑である
ため、ユーザが思うような数式中の編集対象を特定する
のは、容易ではない。一般に、数式の構成は2次元構造
であり、印刷イメージ上では重複した多重構造を有して
いるため、該数式中の所望の構成要素に対する選択指示
は一意に決定されないため、該数式の選択指示は容易で
はない。
【0063】まず、ユーザは、操作処理部5に対して入
力部1から所望の数式を操作する指示を行うと、該操作
処理部5は、表示処理部8に対して数式の表示の指示を
送る。該表示処理部8は記憶部3から、指示された数式
を読み出し、該読み出した数式をCRTディスプレイ4
aに表示する。
【0064】ここで、ユーザが数式の編集操作を行うた
めの入力部1の入力デバイスについて説明する。上述し
たように、入力デバイスとしては、マウス1aとキーボ
ード1bが一般的であり、これらの入力デバイスを用い
ることとする。
【0065】ところで、マウスには、1つボタン、2つ
ボタン、3つボタン、あるいは多数のボタンを有する多
種類のマウスが存在するが、ここでは、2つボタンのマ
ウスを用いた場合について説明する。なお、1つボタン
のマウスの場合には、キーボードの特定のキーを併用し
て選択指示を行うの通常である。
【0066】次に、ユーザはCRTディスプレイ上に表
示出力された数式に対する所望の構成部位に対する編集
指示を行うことになる。
【0067】ここで、上述したように数式の構成は複雑
であるため、ユーザの選択指示を容易にするため、表示
処理部8が行う数式の表示構造の表示方法には次のよう
な方法が考えられる。
【0068】第1の表示方法は、数式の印刷イメージの
表示領域とは別の表示領域に数式の表示構造を表示出力
するものである。図10は、数式の印刷イメージの表示
領域とは別領域に数式の表示構造を表示出力した場合の
画面表示例を示す図である。図10(a)は、表示画面
上に表示出力された数式の印刷イメージであり、図10
(b)は、表示画面上に表示出力された図10(a)の
数式のもとになった表示構造の補助表示を示す図であ
る。そして、ユーザは、図10(b)に表示された数式
の表示構造を参照し、該表示構造の所望の階層に対する
選択指示を行うことができる。例えば、式である節「d
^e」を選択指示する場合は、図10(b)の領域E1
を選択指示することになる。また、葉「d」を選択指示
する場合は、図10(b)の領域E2を選択指示するこ
とになる。
【0069】これにより、全ての単位の構成要素に対す
る選択指示を行うことができる。しかし、この第1の表
示方法は、表示構造を直接ユーザに示すような方法であ
るため、直感的に分かりにくい面も有する。
【0070】第2の表示方法は、数式の印刷イメージの
表示領域上に該数式の全ての単位の構成要素の領域を矩
形の外縁として重複表示するものである。図11は、第
2の表示方法による画面表示例とその概念を示す図であ
る。図11(b)は、第2の表示方法の概念を示してお
り、全ての単位の構成要素に対し、矩形の外縁すなわち
補助表示を与えることにより、表示構造を簡易に認識す
ることができる。すなわち、実際の数式の印刷イメージ
上においては、このウィズウィグ(what you see is wh
at you get)表示を損なうことになるため、図11
(a)に示すように外縁の重複を認めるように補助的に
画面表示される。しかし、この第2の表示方法は、数式
の表示構造の階層関係を認識することが難しい場合もあ
る。
【0071】第3の表示方法は、表示構造における部分
的な構成要素の外縁のみを補助表示するものである。図
12は、第3の表示方法による画面表示例とその概念を
示す図である。図12(b)は、表示構造の1構成要素
が指示された場合に、該1構成要素の最も近い直系の先
祖(親)を示すものであり、ここでは、文字(記号)
「−」に対応する親が式「d^e/(b−c)」である
ことを示している。
【0072】図12(a)は、画面上の表示状態を示す
ものであり、カーソルP1により、文字(記号)「−」
が選択されると、その文字(記号)の親である「d^e
/(b−c)」の外縁ET1が数式の印刷イメージ上に
重複して表示される。(また、キャレットC1が配置さ
れる。) これにより、部分的ではあるが、編集対象である式の構
成要素に対する階層関係を認識することができる。
【0073】なお、上述した第1〜第3の表示方法は、
ユーザが任意に選択でき、適宜切替使用が可能である。
そして、ユーザが頻繁に使用する表示方法は、デフォル
トとして記憶され、該デフォルトの表示方法が操作処理
部5により用いられ、表示処理部8が該デフォルトの表
示方法によって表示処理することになる。
【0074】以下、最も実用的な第3の表示方法がデフ
ォルトとなっている場合で、2つボタンのマウスとキー
ボードを有している場合の数式の選択処理について説明
する。
【0075】まず、マウスの左ボタンの選択機能につい
て説明する。マウス1aの左ボタンを押下すると、該マ
ウスのカーソル上の葉の構成要素、すなわち描体あるい
は制御記号等が選択される。すなわち、図13は、マウ
スの左ボタンによる選択対象を説明する図である。図1
3(a)は、表示画面上の印刷イメージを示している
が、便宜上実際に表示画面に表示されない数式の葉の要
素の外縁をも示している。また、図13(b)は、数式
の表示構造における葉の要素を示している。
【0076】従って、例えば表示画面上のカーソルをカ
ーソルP2の位置におき、マウスの左ボタンを押下する
と、領域E13に対応する葉「−」の要素ELが選択さ
れたことになる。このようにマウスの左ボタンを押下す
ることにより、基本的に、式の全ての葉の要素を選択す
ることができる。
【0077】しかし、これだけでは表示構造の節を選択
することができず不便である。すなわち、一般文書にお
いてコピーの編集処理を行う場合に文字のコピーのみで
なく、段落等のまとまった領域をコピーの編集対象とす
る方が効率的な編集処理を可能とするように、表示構造
を用いた数式を編集する場合においても、節を編集対象
とできることが望ましい。
【0078】この表示構造の節を編集対象とする選択方
法には次のようなものがある。第1の選択方法には、節
が作る領域のうち、節に最も近い直系の子孫すなわち第
1親等の子の領域を除いた領域を、該節の選択領域とす
る方法である。
【0079】具体的に、第1の選択方法を説明する図1
4を用いて説明する。図14(a)は、表示画面上の印
刷イメージを示しているが、便宜上実際には表示画面に
表示されない矩形の領域E13−1〜E13−6をも示
している。また、説明の便宜上、対応する領域は同一符
号を用いている。ここで、カーソルP3を領域E13−
2(または領域E13−1)内の位置に移動して、マウ
スの左ボタンを押下すると、領域E13−2を含む節E
L1が選択対象となる。また、領域E13−3または領
域E13−5の位置にカーソルP3を移動して、マウス
の左ボタンを押下すると、節EL2が選択対象となる。
同様に、領域E13−4または領域E13−6内にカー
ソルP3を移動して、マウスの左ボタンを押下すると、
節EL3が選択対象となる。このように、葉の選択対象
領域とは異なる領域で割付対象領域となる矩形領域の残
り領域を有効に利用して一定の規則に従って節を選択対
象とすることができる。
【0080】この場合、葉の選択と節の選択とが表示画
面上において、重複した領域とはなっていない。また、
節の第1の選択方法では、3つの節EL1〜EL3のみ
が選択可能となる。
【0081】次に、第2の選択方法について説明する。
この第2の選択方法は、キーボードの特定のキーとマウ
スの左ボタンとを同時に押下することにより、所定の節
が選択対象となるものである。すなわち、特定のキーを
押下した状態のまま、マウス1aの左ボタンを押下する
ことにより、節が選択対象となり、特定のキーを押下せ
ず、マウスの左ボタンの押下のみでは葉が選択対象とな
る。なお、特定のキーは予め用意されている機器もあ
る。用意されていない機器は、適当なキーを特定のキー
として設定する。例えば、「CRTL」キーを特定のキ
ーとして認識するようにする。そして、特定のキーの押
下とマウスの左ボタンの押下を同時に行うと、該マウス
のカーソルが指示した領域を含む最も低い階層の節を選
択する。
【0082】具体的に図を参照して説明すると、図15
は、第2の選択方法を説明する図であり、図15(a)
は表示画面上のイメージを示すとともに、表示画面には
表示されない矩形の領域を便宜上示している。また、図
15(b)は、表示構造を示している。なお、説明の便
宜上対応する領域は同一符号を用いている。
【0083】ここで、カーソルP4を領域E14−1内
の位置に移動して特定のキーとともにマウスの左ボタン
を押下すると、節EL11が選択対象となる。また、領
域E14−2を選択すると、節EL12が選択対象とな
る。同様に、領域E14−3,E14−6の選択は、節
EL13が、領域E14−4は、節EL14が、領域E
14−5は、節EL15が、領域E14−7は、節EL
16が、それぞれ選択対象となる。従って、第2の選択
方法によれば、第1の選択方法では選択対象にできなか
った節、例えば式の要素の並び「b−c」を選択するこ
とができる。
【0084】次に、第3の選択方法について説明する。
上述した第1および第2の選択方法では、直系の子孫等
に関する節のみが選択対象となるが、第3の選択方法で
は、表示構造の階層関係を認識させながら、所望の選択
対象を特定するものである。
【0085】この第3の選択方法は、マウスの左ボタン
により葉の選択をした後、特定のキーの繰り返し押下に
より、順次、上の階層の節を選択対象とするものであ
る。
【0086】具体的に、図を参照して説明する。図16
は、第3の選択方法を説明する図であり、図16(a)
は、葉「d]が選択された場合における特定のキー押下
による選択対象の変化を示し、図16(b)は、図16
(a)の選択対象の変化に伴う表示構造の対応箇所を示
す図である。
【0087】図16(a)の(1)において、まず領域
E16−1内にカーソルを移動してマウスの左ボタン押
下により、描体「d」を選択する。その後、(2)にお
いて、特定のキーを1回押下すると、1つ階層が上の式
の要素の並び「d」が選択される。さらに(3)におい
て、特定のキーを1回押下すると、1つ階層が上である
式「d^e」が選択される。以下、同様に特定のキーを
押下する毎に、図16(b)に示す表示構造における1
つ上の階層が選択される。なお、どの階層が選択されて
いる状態であるかをユーザが知らせるため、表示画面に
おいては、選択状態の階層の強調表示が行われる。図1
6(a)の例では、描体、制御記号あるいは式が選択さ
れている場合は、シャドウがかかり、式の要素の並びが
選択されている場合は、該式の要素の並びの矩形領域の
外縁が表示される。なお、CRTディスプレイがカラー
表示可能な場合は、特定の色あるいは飾りにより選択さ
れた階層に対応する領域を強調表示するようにしてもよ
い。また、反転表示あるいはブリンクさせるようにして
もよい。
【0088】なお、この強調表示は、ユーザが参照する
ための表示であり、印刷出力する場合に出力されること
はない。従って、表示画面上において、印刷イメージを
表示出力させると、この強調表示は出力されない。な
お、上述した補助表示も印刷出力されることはない。
【0089】また、上述した第1〜第3の選択方法は、
独立した機能であり、第1から第3の選択方法を重複し
て使用することもできる。例えば、第3の選択方法に第
2の選択方法を併用するようにしてもよい。すなわち、
図16(a)の(2)の選択を直接、第2の選択方法に
より行い、その後特定のキーを押下することにより、1
つ階層が上のものを選択する第3の選択方法を用いるよ
うにしてもよい。
【0090】さて、これまでは、マウスの左ボタンによ
り、表示構造における葉を基本的に選択することについ
て説明し、その応用として節を選択する選択方法につい
て説明した。
【0091】次に、マウスの左ボタンによる多重選択機
能について説明する。この多重選択とは、例えば一般文
書において、文字の選択→単語の選択→文の選択→段落
の選択を繰り返すように、数式において、葉の要素の選
択から節の選択に移行する拡張機能をいう。
【0092】図17は、マウスの左ボタン押下による多
重選択の一例を示す図であり、図17(a)の(1)に
おいて、描体「−」の選択の後、(5)に示す5回目の
多重選択により、節である式の要素の並び「b−c」が
選択される。5回目に節が選択されることにしたのは、
一般文書における多重選択との共通性を持たせるためで
あり、この場合、1回目から4回目までのマウスの左ボ
タン押下によっても、描体「−」の選択状態に変化はな
い。従って、図17(b)の葉である「−」の選択指示
を含めてマウスの左ボタンを5回押下することにより、
該葉「−」の節「b−c」を選択することができる。
【0093】このようにして、多重選択を行うことによ
り、一般に、葉からは節である式の要素の並びを選択す
ることになるが、式の要素の並びでなく式を選択する場
合もある。
【0094】これは、葉の要素の直系の先祖すなわち第
1親等の親が、節である式の要素の並びでなく、節であ
る式となる場合があるからである。例えば、図18は、
描体「(」あるいは「)」に対する多重選択を示す図で
あり、描体「(」あるいは描体「)」を選択した後、マ
ウスの左ボタン押下により多重選択を行うと、式「(b
−c)」が選択される。
【0095】また、図19は、分数罫線である描体
「−」に対する多重選択を示す図であり、描体「−」を
選択した後、マウスの左ボタン押下により多重選択を行
うと、式「d^e/(b−c)」が選択される。
【0096】さらに、図20は、根号あるいは括線に対
する多重選択を示す図であり、根号である描体EL20
aあるいは括線である描体「−」EL20bを選択した
後、マウスの左ボタン押下により多重選択を行うと、式
「SQRT(b−c)」を意味する式EL20が選択され
る。ここで、「SQRT」は平方根を意味する。
【0097】次に、このマウスの左ボタン押下による多
重選択は、多重選択の対象が節である場合、最も近い直
系の先祖すなわち親である節に、順次遡り、1つ上の階
層が選択される。ここで、最上層の根が選択された後、
さらに多重選択を行うと、多重選択は取り消される。そ
して、マウスのカーソルが表示画面上に位置する葉が選
択される。
【0098】例えば、図21は、最上層の選択後の選択
状態を示す図であり、図21(a)では、マウスのカー
ソルが位置する葉である「d」が選択され、図21
(b)では、マウスのカーソルが位置する葉である
「−」が選択されている。
【0099】また、図22は、最上層の選択後に対応す
る葉がない場合を示す図であり、図22において、最上
層が選択された後、対応する葉がない部分の領域にマウ
スのカーソルが置かれているため、たとえマウスの左ボ
タンを押下しても選択されることはない。そして、この
場合キャレットは数式の最後尾に設定される。
【0100】ここで、一連の多重選択の一例について説
明する。図23は、一連の多重選択状態の移行を示す図
である。図23(a)は、マウスの左ボタン押下による
一連の多重選択の移行状態を示し、図23(b)は、選
択状態の変化を、樹状に図示したものである。図中の矢
印は、選択の状態が変化する方向を示す。
【0101】図23において、まず(1)でカーソルを
描体「d」の位置に置いて、マウスの左ボタンを押下す
ると、描体「d」が選択される。さらに(2)におい
て、マウスの左ボタンを押下すると、式の要素の並び
「d」が選択される。同様にして順次、1つ階層が上の
描体あるいは式の要素の並びが選択される。そして、
(6)の最上層の式の要素の並びが多重選択された後、
さらにマウスの左ボタンを押下すると、このときのマウ
スのカーソルが位置する葉が選択され、上述した(1)
の選択状態に移行し、多重選択が繰り返されることにな
る。
【0102】なお、図16による特定のキーを用いた選
択方法と同様に、選択された対象が式か式の要素の並び
かを峻別しやすくするため、選択された式等の表示領域
に対する強調表示を行う。
【0103】次に、マウスの右ボタンによる調整選択機
能について説明する。この調整選択とは、複数の式の要
素を選択することである。この調整選択は、マウスの右
ボタンの押下により行われ、基本的に一般文書における
文字の選択と同様な機能である。図24は、葉の要素の
調整選択の一例を示す図である。図24は、葉の要素が
並んでいる数式「abc+def」であり、ここで、
「bc+de」を調整選択する場合、先頭の分限文字
「b」をマウスの左ボタンの押下等により選択し、カー
ソルを「e」の位置に移動してマウスの右ボタンを押下
することにより、「b」〜「e」までの葉の要素が選択
される。もちろん、選択された複数の葉の要素に対して
は、選択されたことを示す強調表示がなされる。
【0104】図25は、節に対する調整選択の一例を示
す図である。図25において、式の要素の並びにおける
節は、あたかも1つの葉として認識される。すなわち、
図25において、式の要素の並び「abc+gf/de
f」の節「gf/def」は、調整選択ではまとまった
1つのものとして取り扱われる。このため、「bc+g
f/def」を調整選択する場合、まずカーソルを
「b」の位置に置いてマウスの左ボタンを押下して選択
し(図25(a))、その後カーソルを「gh/de
f」の位置に移動してマウスの右ボタンを押下すること
により、調整選択が行われることになる(図25
(b))。ここで、注意を要するのは、たとえカーソル
が「gh/def」の「e」の位置にあるからといっ
て、図25(c)のごとく、「bc+de」が選択され
ることはない。以上は、並びリンクに対応する調整選択
である。
【0105】また、構成リンクいわば階層に対応する調
整選択を行うこともできる。図26は、階層に対応する
調整選択の一例を示す図であり、図26(a)において
は、既に選択された式の要素「d」に対して、カーソル
を「e」の位置においてマウスの右ボタンを押下するこ
とにより、表示構造における共通の先祖すなわち式であ
る節「d^e」を調整選択することができる。また、図
26(b)では、既に選択された式の要素「d」に対し
て、カーソルを「b−c」の「−」の位置においてマウ
スの右ボタンを押下することにより、表示構造における
共通の先祖である節「d^e/(b−c)」が調整選択
される。このようにして、並びリンクに対応する調整選
択のみならず、構成リンクに対応する調整選択をも行う
ことができる。
【0106】ここで、調整選択の非可逆性について説明
する。この調整選択の非可逆性は、構成リンクに対応す
る調整選択が行われた場合に階層が変化するが、この階
層の変化は、上の階層へ移り、一度選択された後に下の
階層へは移らないことである。このような状況は、調整
選択を連続して行う場合に生じる。
【0107】図27は、調整選択の非可逆性を説明する
図であり、図27(a)でカーソルを「d」の位置に置
いてマウスの左ボタンを押下して「d」を選択した後、
図27(b)でカーソルを「a」の位置においてマウス
の右ボタンを押下して調整選択を行うと階層が2つ上が
って選択されることなる。さらに、図27(c)で、カ
ーソルを「e」の位置において、調整選択を行っても階
層が下に戻ることがないため、「d^e」が選択される
ことはなく、図27(b)で選択された階層の「d^e
/(b−c)」が選択されることになる。
【0108】次に、マウスの左ボタンおよび右ボタンに
基づく操作処理部5の処理についてフローチャートを参
照して説明する。最初に、マウスの左ボタン押下に基づ
く選択処理について説明する。図28は、マウスの左ボ
タン押下による操作処理部5の処理手順を示すフローチ
ャートである。図28において、まずマウスの左ボタン
押下に基づいて、現時点における始めの選択の式の要素
EFfrom、終わりの選択の式の要素EFto、カーソルの
示す描体もしくは制御記号であるEFcursor、カーソル
の示す表示画面上の位置Pcursor、および選択の型ST
とする定義設定を行う(ステップ101)。その後、E
FfromまたはEFtoのいづれかかが「null」すなわち設
定されていないか否かを判断する(ステップ102)。
なお、始めの選択、終わりの選択は、選択の操作の手順
によって決定される。例えば、始めの選択は、図24中
の分限文字である。
【0109】ステップ102で、EFfromおよびEFto
のいづれもが設定されていない場合、すなわち「null」
の場合には、さらにEFcursorが「null」でないか否か
を判断する(ステップ103)。そして、EFcursorが
「null」である、すなわち設定されていない場合は、キ
ャレットの設定処理を行った(ステップ104)後、本
処理を終了する。一方、ステップ103で、EFcursor
が「null」でない場合、すなわち設定されている場合
は、キャレットおよび単選択の設定処理を行った(ステ
ップ105)後、本処理を終了する。なお、単選択と
は、多重選択でなく、例えば図12の葉「−」のみを選
択することをいう。
【0110】一方、ステップ102で、EFfromまたは
EFtoのいづれかが「null」でない場合は、すなわち少
なくともいずれかが設定されている場合は、さらにPcu
rsorが、EFfromからEFtoまでの矩形領域に含まれて
いるか否かを判断する(ステップ106)。そして、矩
形領域に含まれていない場合は、さらにEFcursorが
「null」でないか否かを判断し(ステップ107)、
「null」である場合は、そのまま本処理を終了し、「nu
ll」でない場合は、キャレットおよび単選択の設定処理
を行った(ステップ108)後、本処理を終了する。
【0111】ステップ106で矩形領域に含まれている
場合は、さらに選択の型STを判別し(ステップ10
9)、この判別の結果に基づいた処理を行う。
【0112】すなわち、STが、「描体,制御記号」で
ある場合は、ステップ110において、EFfromの1つ
祖先(親)の式の要素をEF01とする設定を行い、この
EF01にキャレットを設定するとともに、始めの選択、
終わりの選択として、EF01を設定し、さらに「式の要
素の並び,式」をSTとして設定する。その後、ステッ
プ110の設定により、キャレットおよび選択の強調表
示を表示画面上に表示する(ステップ111)。そし
て、本処理を終了する。
【0113】また、STが、「式の要素の並び,式」で
ある場合は、ステップ112でEFfromは根の節である
か否かを判断する。
【0114】その結果、根でない場合は、ステップ11
3において、ステップ110と同じ設定処理を行い、さ
らにこの設定に基づいてキャレットおよび選択の強調表
示を表示画面上に表示し(ステップ114)、本処理を
終了する。
【0115】一方、ステップ112で、EFfromが根で
ある場合は、さらにEFcursorが「null」でないか否か
を判断し(ステップ115)、「null」である場合は、
ステップ104と同様なキャレットの設定処理を行った
(ステップ116)後に、本処理を終了する。また、
「null」でない場合は、ステップ105,108と同様
なキャレットおよび単選択の設定処理を行った(ステッ
プ117)後、本処理を終了する。
【0116】次に、ステップ105,108,117に
おけるキャレットおよび単選択の設定処理についてフロ
ーチャートに基づいて説明する。なお、ステップ10
5,108,117において、EFcursorが引き渡され
る。図29は、マウスの左ボタンによる選択処理におけ
るキャレットおよび単選択の設定処理手順を示すフロー
チャートである。図29において、まず引き渡されたE
Fcursorの組立−種別−カテゴリーを判別する(ステッ
プ201)。この組立−種別−カテゴリーは、図8およ
び図9に示すように、表示構造に関する情報の区分をい
う。
【0117】さて、ステップ201で、カテゴリーが
「描体」であると判別された場合は、ステップ202に
おいて、さらにEFcursorの組立−種別−種類を判別
し、この判別結果をもとに、それぞれの処理が行われ
る。
【0118】すなわち、ステップ202において、種類
が「文字(記号)」である場合は、EFcursorの1つの
祖先(親)の式の要素をEF01に設定し(ステップ20
3)、さらにこのEF01の組立−種別−カテゴリーを判
別する(ステップ204)。そして、この判別結果が
「式の要素の並び」である場合は、EFcursorにキャレ
ットを設定した(ステップ205)後、ステップ211
に移行する。
【0119】ステップ204における判別結果が、
「式」である場合は、さらにEF01の組立−種別−種類
を判別する(ステップ206)。そして、この判別結果
が「(上下)添字,括弧等」である場合は、EFcursor
にキャレットを設定した(ステップ207)後、ステッ
プ211に移行する。また、判別結果が「分数,(n
乗)根等」である場合は、キャレットを解除した(ステ
ップ208)後、ステップ211に移行する。
【0120】一方、ステップ202において、種別が
「分数罫線,括線等」である場合は、キャレットを解除
した(ステップ209)後、ステップ211に移行す
る。
【0121】また、ステップ201におけるカテゴリー
が「制御記号」である場合は、EFcursorにキャレット
を設定し(ステップ210)、その後ステップ211に
移行する。
【0122】ステップ211では、始めの選択、終わり
の選択として、EFcursorを設定するとともに、「描
体,制御記号」をSTとして設定し、その後該設定に基
づいて、キャレットおよび選択の強調表示を表示画面上
に表示し(ステップ212)、本処理を終了する。
【0123】次に、ステップ104,116におけるキ
ャレットの設定処理について説明する。図30は、マウ
スの左ボタンによる選択処理におけるキャレットの設定
処理手順を示すフローチャートである。図30におい
て、まず最後尾の式の要素をEFlastとする定義設定を
行い(ステップ301)、このEFlastにキャレットを
設定する(ステップ302)。その後、このEFlastの
組立−種別−カテゴリーを判別する(ステップ30
3)。
【0124】この判別結果が、「式の要素の並び,式,
描体」である場合は、ステップ304で、始めの選択、
終わりの選択として、「null」を設定する。すなわち、
選択を解除する。さらに、STを「null」とする設定を
行い、該設定に基づいてキャレットおよび選択の強調表
示を表示画面上に表示し(ステップ308)、本処理を
終了する。
【0125】また、ステップ303で、「制御記号」で
あると判別された場合は、さらにステップ305で、E
Flastの組立−種別−種類を判別し、この判別結果が、
「プロンプト」である場合は、始めの選択、終わりの選
択として、EFlastを設定するとともに、「描体,制御
記号」をSTとする設定を行い(ステップ306)、そ
の後、該設定に基づいたキャレットおよび選択の強調表
示を表示画面上に表示し(ステップ308)、本処理を
終了する。また、判別結果が、「プロンプト」以外の種
類である場合は、始めの選択、終わりの選択として、
「null」を設定する。すなわち、選択を解除するととも
に、STを「null」とする設定を行う(ステップ30
7)。その後該設定に基づいて、キャレットおよび選択
の強調表示を表示画面上に表示し(ステップ308)、
本処理を終了する。このようにして、マウスの左ボタン
に対する選択処理が操作処理部5により実行されること
になる。
【0126】次に、マウスの右ボタンによる操作処理部
5の選択処理について説明する。図31は、マウスの右
ボタン押下による操作処理部5の処理手順を示すフロー
チャートである。図31において、まずマウスの右ボタ
ン押下に基づいて、現時点における始めの選択の式の要
素EFfrom、終わりの選択の式の要素EFto、キャレッ
トの式の要素EFcaret、カーソルの示す描体若しくは
制御記号であるEFcursor、カーソルの示す表示画面上
の位置Pcursor、および選択の型STとする定義設定を
行う(ステップ401)。その後、EFfromまたはEF
toのいづれかかが「null」でないか否かを判断する(ス
テップ402)。
【0127】ステップ402で、EFfromおよびEFto
のいづれもが設定されていない場合、さらにEFcursor
が「null」でないか否かを判断する(ステップ40
3)。そして、EFcursorが「null」である場合は、そ
のまま本処理を終了する。一方、ステップ403で、E
Fcursorが「null」でない場合は、さらにPcursorが、
EFcaretの割付−領域に含まれているか否かを判断す
る(ステップ404)。
【0128】ステップ404で、領域に含まれていない
と判断された場合は、さらにEFcursorが「null」でな
いか否かを判断し(ステップ405)、「null」である
場合は、そのまま本処理を終了し、「null」でない場合
は、さらにSTを判別し(ステップ406)、STが
「なし」の場合は、キャレットおよび調整選択の設定処
理を行った(ステップ407)後、本処理を終了する。
【0129】一方、ステップ404で、領域に含まれて
いる場合は、さらにEFcursorの組立−種別−カテゴリ
ーを判別し(ステップ408)、その結果、カテゴリー
が「式」である場合は、STを「式の要素の並び」とす
る設定を行った(ステップ409)後、ステップ411
に移行する。カテゴリーが「描体」である場合は、ST
を「描体,制御記号」とする設定を行った(ステップ4
10)後にステップ411に移行する。そして、ステッ
プ411で、始めの選択、終わりの選択として、EFca
retを設定した後、この設定に基づいたキャレットおよ
び選択の強調表示を表示画面上に表示する(ステップ4
12)。そして、本処理を終了する。
【0130】一方、ステップ402において、EFfrom
またはEFtoの少なくともいづれか一方が「null」でな
い場合は、ステップ413に移行し、このステップ41
3で、さらにPcursorが、EFtoの割付−領域に含まれ
ているか否かを判断する。
【0131】このステップ413により、領域に含まれ
ていないと判断された場合、さらにPcursorがEFfrom
の割付−領域に含まれているか否かを判断する(ステッ
プ414)。そして、領域に含まれていないと判断され
た場合は、さらにEFcursorが「null」でないか否かを
判断し(ステップ415)、「null」である場合はその
まま本処理を終了し、「null」でない場合は、さらにS
Tがあるか否かを判断し(ステップ416)、STがあ
る場合、すなわち「式の要素の並び,式,描体,制御記
号」である場合は、ステップ407と同様に、キャレッ
トおよび調整選択の設定処理を行った(ステップ41
7)後、本処理を終了する。
【0132】また、ステップ414で、Pcursorが、E
Ffromの割付−領域に含まれている場合は、始めの選択
として、EFtoを設定し、終わりの選択として、EFfr
omを設定する処理を行う(ステップ418)。すなわ
ち、EFfromとEFtoとの入れ替えを行う。そして、本
処理を終了する。
【0133】一方、ステップ413で、PcursorがEF
toの割付−領域に含まれている場合は、そのまま本処理
を終了する。
【0134】次に、ステップ407,417におけるキ
ャレットおよび調整選択の設定処理について説明する。
なお、ステップ407およびステップ417において、
EFcaret、EFcursor、EFfrom、および、EFtoを
それぞれ引き渡す。
【0135】図32および図33は、マウスの右ボタン
によるキャレットおよび調整選択の設定処理手順を示す
フローチャートである。図32において、まず引き渡さ
れたEFfromとEFtoとに共通する祖先のうちの最も階
層の低い要素をEFparentとして定義設定する(ステッ
プ501)。
【0136】そして、このEFparentの組立−種別−
カテゴリーを判別する(ステップ502)。
【0137】この判別の結果、カテゴリーが「式の要素
の並び」である場合は、さらにEFparentがEFfromの
1つ祖先(親)か否かを判断し(ステップ503)、1
つ祖先でない場合は、EFfromをEFfrom'とする設定
を行った(ステップ504)後、ステップ506に移行
する。1つ祖先である場合は、EFparentより1つ低い
階層であってEFfromの祖先である式の要素を、EFfr
om'として設定した(ステップ505)後、ステップ5
06に移行する。
【0138】ステップ506では、EFparentが、EF
cursorの1つ祖先か否かを判断し、1つ祖先である場合
は、EFparentよりも1つ低い階層であってEFtoの祖
先である式の要素を、EFto'とする設定を行った(ス
テップ507)後、端子2に移行する。1つ祖先でない
場合はそのまま、端子2に移行する。
【0139】一方、ステップ502でカテゴリーが、
「式」であると判定された場合は、EFparentにキャレ
ットを設定し、始めの選択としてEFfrom'を設定し、
終わりの選択としてEFto'を設定し、「式の要素の並
び,式」をSTとする設定を行った(ステップ508)
後、端子1に移行する。
【0140】図33において、端子1を経由し、ステッ
プ508での設定に基づいてキャレットおよび選択の強
調表示を表示画面上に表示して(ステップ509)、本
処理を終了する。
【0141】一方、ステップ506、507および端子
2を経由し、さらにEFcaretが「null」でないか否か
を判断する(ステップ510)。その結果、EFcaret
が「null」でない場合は、選択の方向および選択の型の
設定処理を行った(ステップ511)後、この設定処理
に基づき、さらにEFfromがEFfrom'と等しいか否か
を判断する(ステップ512)。この判断の結果、EF
fromとEFfrom'とが等しくない場合は、ステップ52
3に移行し、等しい場合は、さらにキャレットの位置を
判別する(ステップ513)。
【0142】キャレットの位置が、「左揃え」の場合
は、ステップ511で処理した選択の方向であるPas
s’が「右から左」であるか否かを判断し(ステップ5
14)、「右から左」でない場合は、ステップ523に
移行し、「右から左」である場合は、EFfrom'の1つ
前(左)方である式の要素を、EFfrom'として設定し
た(ステップ515)後、ステップ523に移行する。
【0143】キャレットの位置が、「右揃え」の場合、
Pass’が「左から右」であるか否かを判断し(ステ
ップ516)、「左から右」でない場合は、ステップ5
23に移行し、「左から右」である場合は、EFfrom'
の1つ後(右)方である式の要素を、EFfrom'として
設定した(ステップ517)後、ステップ523に移行
する。
【0144】一方、ステップ510で、EFcaretが「n
ull」である場合は、さらにEFfromとEFtoとが等し
くなく、かつEFfromとEFfrom'とが等しいという条
件を満足するか否かを判断する(ステップ518)。そ
して、条件を満足しない場合は、ステップ522に移行
し、条件を満足する場合は、さらにEFfrom、EFtoに
より作られる選択の方向をPassとする設定を行い、
EFfrom'、EFto'により作られる選択の方向をPas
s’とする設定を行う(ステップ519)。さらに、P
assとPass’とが等しくない方向か否かを判断し
(ステップ520)、等しい場合はステップ522に移
行し、等しくない場合は、EFtoをEFfrom'とする設
定を行った(ステップ521)後、ステップ522に移
行する。
【0145】ステップ522では、ステップ511と同
様に、選択の方向および選択の型の設定処理を行う。そ
して、ステップ523に移行する。
【0146】ステップ523では、Pass’の方向を
判別し、この判別の結果が、「右から左」である場合
は、EFto'にキャレットを設定する処理を行った(ス
テップ524)後、「左から右」である場合は、EFfr
om'にキャレットを設定する処理を行った(ステップ5
25)後、始めの選択として、EFfrom'を設定すると
ともに、終わりの選択として、EFto'を設定する処理
を行う(ステップ526)。そして、ステップ509に
移行して、該設定に基づいたキャレットおよび選択の強
調表示を表示画面上に表示し、本処理を終了する。
【0147】次に、ステップ511,522における選
択の方向および選択の型の設定処理について説明する。
なお、ステップ511およびステップ522において、
EFfrom'およびEFto'が引き渡される。
【0148】図34は、図33における選択の方向およ
び選択の型の設定処理手順を示すフローチャートであ
る。図34において、まず引き渡されたEFfrom'とE
Fto'とに基づいて、EFfrom'とEFto'とが作る選択
の方向を、Pass’として設定する(ステップ60
1)。そして、EFfrom'からEFto'までに式があるか
否かを判断し(ステップ602)、式がない場合は「式
の要素の並び,式」をSTとした(ステップ603)
後、本処理を終了し、式がある場合は、「描体,制御記
号」をSTとした(ステップ604)後、本処理を終了
する。このようにして、操作処理部5により、マウスの
右ボタンによる選択処理が行われる。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、まず
編集すべき数式が読み込まれると、該数式が表示手段の
表示画面上に出力イメージとして表示出力されるととも
に、該数式の表示構造に基づく構成要素の選択領域を示
す補助表示が該表示画面上に表示出力される。そして、
ユーザは、表示画面上に表示された補助表示を参照し
て、該数式中の所望の構成要素に対する選択指示を入力
手段を用いて入力する。この選択指示の入力を受ける
と、選択処理手段は、該選択指示に対応する該数式の表
示構造に基づいた構成要素を特定する処理を行う。さら
に、表示処理手段は、特定された構成要素に対応する表
示領域を前記表示手段の表示画面上に強調表示し、ユー
ザの選択指示結果を表示する。その後、さらに前記入力
手段による選択指示、前記選択処理手段による構成要素
の特定、前記表示処理手段により強調表示を繰り返し行
い、最終的な数式の1または複数の構成要素の選択を終
了する。そして、編集処理手段により、該選択された1
または複数の構成要素に対するコピー、移動、削除等の
編集処理を行うようにしている。
【0150】従って、数式特有の表示構造を用いた数式
の構成要素を選択して編集処理を行う場合に、該数式の
構成要素の選択にかかる時間を短縮することができると
ともに選択にかかる労力を削減することができるという
利点を有する。
【0151】しかも、数式の表示構造を用いているた
め、所望の数式の編集を体裁よく行うことができるとと
もに、該数式の構成要素の選択処理は、一般文書中とほ
ぼ同様な処理を行うため、一般文書との連続性、整合性
がとれているという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である数式の編集装置の構成
を示す図。
【図2】数式の表示構造の構成の概念を示す図。
【図3】図2の表示構造のもとになった数式の一例を示
す図。
【図4】計算機処理する場合における図2に示す数式の
表示構造に対応する数式の表示構造の模式図。
【図5】図4に示す表示構造をさらに糸付き2分木を用
いて表した表示構造を示す図。
【図6】図4の表示構造における下位リンクで接続され
る式の要素の接続順序を示す図。
【図7】図4の表示構造における同位リンクで接続され
る式の要素の接続順序を示す図。
【図8】式の要素の情報構成を示す図。
【図9】種別のカテゴリーと種類に関する構成の一例を
示す図。
【図10】数式の印刷イメージの表示領域とは別領域に
数式の表示構造を表示出力した場合の画面表示例を示す
図。
【図11】第2の表示方法による画面表示例とその概念
を示す図。
【図12】第3の表示方法による画面表示例を示す図。
【図13】マウスの左ボタンによる選択対象を説明する
図。
【図14】第1の選択方法を説明する図。
【図15】第2の選択方法を説明する図。
【図16】第3の選択方法を説明する図。
【図17】マウスの左ボタン押下による多重選択の一例
を示す図。
【図18】描体「(」に対する多重選択を示す図。
【図19】分数罫線である描体「−」に対する多重選択
を示す図。
【図20】根号あるいは括線に対する多重選択を示す
図。
【図21】最上層の選択後の選択状態を示す図。
【図22】最上層の選択後に対応する葉がない場合を示
す図。
【図23】一連の多重選択状態の移行を示す図。
【図24】葉の要素の調整選択の一例を示す図。
【図25】節に対する調整選択の一例を示す図。
【図26】階層に対応する調整選択の一例を示す図。
【図27】調整選択の非可逆性を説明する図。
【図28】マウスの左ボタン押下による操作処理部5の
処理手順を示すフローチャート。
【図29】マウスの左ボタンによる選択処理におけるキ
ャレットおよび単選択の設定処理手順を示すフローチャ
ート。
【図30】マウスの左ボタンによる選択処理におけるキ
ャレットの設定処理手順を示すフローチャート。
【図31】マウスの右ボタン押下による操作処理部5の
処理手順を示すフローチャート。
【図32】マウスの右ボタンによるキャレットおよび調
整選択の設定処理手順を示すフローチャート(その
1)。
【図33】マウスの右ボタンによるキャレットおよび調
整選択の設定処理手順を示すフローチャート(その
2)。
【図34】図33における選択の方向および選択の型の
設定処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 入力部 1a マウス 1b キーボード 2 処
理部 3 記憶部 3a メモリ 3b 2次記憶装置 4 出力部 4a CRTディスプレイ 4b プリンタ 5 操作
処理部 6 編集処理部 7 割付処理部 8 表示処理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数式を構成する1または複数の構成要素
    の横方向の接続関係を示す並びリンクで該1または複数
    の構成要素が結合され、該並びリンクで結合される複数
    の構成要素を示す構成リンクで該複数の構成要素が分岐
    された数式の表示構造をもとに割り付けられて表示画面
    上に表示出力された前記数式の編集時に、該表示画面上
    に表示出力された該数式中の編集すべき所望の構成要素
    を自在に選択できる数式の編集装置において、 前記数式の出力イメージを示すイメージ表示および該数
    式の構成要素の選択領域を示す補助表示を表示する表示
    手段と、 前記表示手段の補助表示を参照して前記数式中の所望の
    構成要素に対する選択指示を入力する入力手段と、 前記選択指示に対応する構成要素を特定する選択処理手
    段と、 前記選択処理手段により特定された構成要素に対応する
    前記表示手段の表示画面上の表示領域を該構成要素に対
    応して強調表示する表示処理手段と、 前記選択処理手段により特定された構成要素に対する編
    集処理を行う編集処理手段とを具備することを特徴とす
    る数式の編集装置。
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