JPH07287471A - 定着ローラ及び定着装置 - Google Patents

定着ローラ及び定着装置

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JPH07287471A
JPH07287471A JP7609494A JP7609494A JPH07287471A JP H07287471 A JPH07287471 A JP H07287471A JP 7609494 A JP7609494 A JP 7609494A JP 7609494 A JP7609494 A JP 7609494A JP H07287471 A JPH07287471 A JP H07287471A
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JP
Japan
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temperature
fixing
fixing roller
fixing device
coefficient thermistor
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Application number
JP7609494A
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English (en)
Inventor
Koichi Noguchi
浩一 野口
Hiroyuki Shibaki
弘幸 芝木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度制御が容易で且つ温度の立ち上がりも早
く、省エネも図れる定着ローラ及び定着装置を提供す
る。 【構成】本発明の定着ローラ1は、基体部が正温度係数
サーミスタで形成された円筒(円筒状発熱部)からな
り、円筒の外周部には離型層が形成されている。そして
本発明の定着装置は上記定着ローラ1を備え、この定着
ローラ1の円筒状発熱部と鎖交する磁気回路3と、磁気
回路3に鎖交するように巻かれた一次コイル4と、一次
コイル4に接続されて電力を供給する定着エネルギー供
給部を備えている。 【効果】定着エネルギー供給部により一次コイルに電力
を供給して二次コイルである定着ローラの正温度係数サ
ーミスタに電磁誘導により電流を流して自己発熱させる
ことにより定着に必要な温度に容易に安定化させること
ができ、温度制御が容易で温度の立ち上がりも早く省エ
ネも図れる定着装置が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、フ
ァクシミリ等の電子写真方式による画像形成装置に利用
される定着ローラ及び定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器等の省エネルギー(以
下、省エネと記す)が益々大きな課題になっており、定
着装置の省エネも例外ではない。定着装置における省エ
ネの一つの支点として、定着装置を装備している画像形
成装置が待機状態にある時の消費エネルギーを減らすた
めに、定着ローラの温度を低くしておき、放熱による熱
損失を軽減し、待機状態から稼働状態に移行したときに
は急速に所定の定着可能な温度に立ち上げる方式が注目
されている。
【0003】もちろんこのような考え方は古くからあ
り、実用化もされている。しかし省エネをより効果のあ
るものにするには、待機時の温度を従来以上に低く設定
すること、より好ましくは待機時には通電をせず室温に
放置した状態とすることで、待機時の熱損失をより軽減
することが望まれる。しかし、このより低く設定された
温度から定着可能な温度に急速に立ち上がらないと、画
像形成装置のユーザは、定着ローラが所定温度に達する
まで待たなければならなくなり、装置を使用する際に余
計な待ち時間を強いられることになる。すなわち、この
ようなやり方で省エネを達成しても、装置の使いやすさ
の点からは望ましくなく、広くユーザに受け入れられる
省エネ方法ではない。
【0004】このような背景から、定着ローラの温度の
立ち上がりを早くすることが、省エネを実現することに
なるとの認識から、立ち上がりを早くする工夫がいろい
ろとされている。通常、定着装置に投入できる電力には
限りがあり、投入電力を増すことで立ち上がりを早くす
ることには限界がある。そこで定着ローラの熱容量を小
さくすることで、与える熱量が同じでも温度の立ち上が
りを早くすることが行われている。定着ローラの熱容量
を小さくするには、定着ローラの肉厚を薄くするか、あ
るいはより比熱の小さい材料で定着ローラを作る方法が
ある。
【0005】一般に定着ローラの熱容量が小さくなる
と、定着ローラがトナーや転写紙と接触した時に奪われ
る熱で温度の低下が大きくなり、トナーや転写紙に定着
に必要な熱を供給できないので十分な定着ができなくな
る。従って、定着ローラの厚さを薄くするには、熱容量
や定着ローラの機械的な強度などの点から制約があるこ
とは言うまでもなく、このような制約の中で可能な限り
定着ローラの厚さを薄くして、定着ローラの温度の立ち
上がりを早くする工夫がされている。
【0006】その他、定着ローラの径を小さくして熱容
量を小さくすること、定着ローラの加熱を効率良くする
こと、定着ローラの定着に要する温度を下げれば立ち上
げに要する時間は短くなり省エネにも寄与するという視
点からトナーの溶融温度を低くすることなども行われて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、定着ローラ
を薄くして温度の立ち上がりを早くしたときに、より顕
著になる下記の問題を解決することと、定着ローラの内
面からの放熱を減少させ省エネに資することを課題とし
ている。
【0008】まず第1の問題としては、定着ローラの立
ち上がりを早くすると、定着ローラの表面の温度を検出
するセンサ自身の熱容量と、定着ローラ表面とセンサ間
の熱伝達の問題から、センサの検出遅れが生じ、特に常
温からの立ち上がり時に定着ローラの温度に大きなオー
バーシュートが生ずることである。大きなオーバーシュ
ートがあるということは、定着ローラの温度が定着可能
な温度に達しているのに、達したことをセンサで検出で
きないので、立ち上がりの早さを活用できないというこ
とでもある。この問題を解決するのが本発明の第1の課
題である。
【0009】また、定着ローラの温度が設定温度を越え
てどんどん高くなるモードで故障したときに、火災など
の最悪の事態の発生を防止するため、温度フューズある
いはサーモスタットを設置することが各種安全規格など
でも要求されている。しかし温度の立ち上がりを早くす
ると、第1の課題でセンサについて説明したのと同様の
現象により、温度フューズやサーモスタットの作動が遅
れ、作動したときの定着ローラの温度は立ち上がりの遅
い装置と比較するとはるかに高温になり、発煙、発火な
どの可能性が増すことである。この問題を解決するのが
本発明の第2の課題である。
【0010】また、定着ローラの温度の立ち上がりを早
くするため、定着ローラの厚さを薄くすると、定着ロー
ラの面方向の断面積が小さくなり、面方向の熱伝導が行
われにくくなる。すなわち、定着ローラの厚さを薄くす
ればするほど断面積が小さくなるので熱伝導の低下は顕
著になる。従ってこのような定着ローラで構成された定
着装置を備えた画像形成装置で幅の異なる転写紙の画像
を定着するとき、転写紙と接する部分では熱を奪われ、
接しない部分では熱を奪われないので、定着ローラの転
写紙が接する部分と接しない部分とで温度差が生じてし
まう。
【0011】例えば定着ローラの長さの中央を基準とし
て、A4の長手方向の幅から、はがきの短手方向の幅ま
での転写紙の画像を定着できる装置の場合、どの幅の転
写紙の画像を定着するときにも接する部分の温度を所定
の温度に維持しておく必要があるので、定着ローラの温
度を制御するためのセンサは、全ての幅の転写紙が共通
に接する部分の温度を検出できる位置に設置され、その
検出温度に基づいて定着ローラの温度が制御される。従
って幅の狭い転写紙の画像を定着するときには、転写紙
の幅の外側の部分では定着ローラから熱を奪わないの
で、転写紙の接していない部分の定着ローラの温度は定
着に必要な温度より高くなってしまう。
【0012】また、定着ローラの面方向の熱伝導が十分
に行われれば温度の高い部分の熱は転写紙に熱を奪われ
る部分に移動するので、転写紙の幅の外側の温度の上昇
は緩和されるが、薄い定着ローラにして、立ち上がりを
早くすることを重視して設計された定着ローラでは、顕
著な温度上昇になり、転写紙の幅が狭いものから広いも
のに切り替えたとき、転写紙の一部は高温部に接し、一
部は所定の設定温度の部分に接することになり、転写紙
にシワができたり、トナーが高温にさらされて一部が分
解して臭いがでたり、所定の定着可能な温度範囲を越え
ることによってホットオフセットが起こるなどの不都合
が生ずる。また定着に必要でない部分の温度が高くなる
ので省エネの観点からも好ましくない。この問題を解決
するのが本発明の第3の課題である。
【0013】これら定着ローラを薄くして温度の立ち上
がりを早くしたときに顕著になる以上の課題の他、従来
のランプによる定着ローラの加熱では困難であった、定
着ローラの内面からの熱放散を少なくして省エネに資す
るのも、本発明の別の課題である。以上のように、本発
明は上記各課題を解決し省エネをも図ることができる、
新規な構成の定着ローラ及び定着装置を提供することを
目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の定着ローラは、基体部が正温度係数サーミ
スタで形成された円筒からなり、円筒の外周部には離型
層が形成されている。また、定着ローラの内面からの放
熱を減らすため、定着ローラの基体部を構成する前記円
筒の内面に断熱層を設ける。さらに、定着ローラの内面
からの放熱を減らすためと基体部を補強するため、円筒
の内側に断熱層と補強部材を設ける。
【0015】前記課題に対して、本発明の定着装置は、
円筒状の正温度係数サーミスタからなる基体部の外周面
に離型層を形成して定着ローラとすると共に、この定着
ローラの内部を貫く磁気回路を設けて、定着ローラをこ
の磁気回路に鎖交する1ターンの二次コイルとする。さ
らにこの磁気回路に鎖交するように巻かれたコイルを設
け、一次コイルとする。そして一次コイルに接続されて
電力を供給する定着エネルギー供給部を設け、一次コイ
ルに交流電圧を印加して二次コイルである正特性サーミ
スタに電流を流して発熱させることにより定着に必要な
エネルギーを供給する。
【0016】さらに、本発明の定着装置では、正温度係
数サーミスタの抵抗が急変する温度が、定着するトナー
のコールドオフセットが起こる温度より高く、ホットオ
フセットが起こる温度より低く設定される。また、一次
コイルに入力される電力、電流、電圧のうち少なくとも
一つを検出する手段を設け、その検出データに基づいて
定着装置のウォームアップを判定する。
【0017】さらにまた、本発明の定着装置では、定着
装置を具備する画像形成装置が稼働中には、一次コイル
に定着エネルギー供給部を接続のまま、正温度係数サー
ミスタの抵抗値の温度特性により円筒状発熱部の温度を
安定化する。そして、画像形成装置が待機中には、定着
エネルギー供給部から供給する電力を所定の低い値に制
限することにより定着ローラの円筒状発熱部の温度を定
着温度より低い所定の温度に変更する。あるいは、画像
形成装置が待機中には、定着エネルギー供給部から供給
する電力を遮断する。あるいは、画像形成装置が待機中
には、定着ローラの温度を検出する検出器の出力に基づ
いて前記円筒状発熱部の温度を定着温度より低い所定の
温度に安定化する。
【0018】
【作用】本発明の定着装置では、定着ローラを構成する
円筒状の正温度係数サーミスタを二次コイルとし、この
二次コイルを貫く磁気回路及び磁気回路に巻かれた一次
コイルとで一種のトランスを構成している。従って、一
次コイルに交流電圧を印加した時、二次コイルである正
温度係数サーミスタで形成された円筒の面に沿って円周
方向に電流が流れる。この電流によるジュール熱で正温
度係数サーミスタが発熱する。この発熱により温度が上
昇し、正温度係数サーミスタの特性によって決まる所定
温度に達すると、正温度係数サーミスタの抵抗値は急変
し、高抵抗になる。高抵抗になると非常にわずかな電流
しか流れないようにトランスを設計しておくことによ
り、正温度係数サーミスタの発熱量は激減し、定着ロー
ラの温度の上昇は停止する。そして定着ローラから周囲
への熱の移動により温度が低くなると、正温度係数サー
ミスタの抵抗値は低下し、電流が流れ発熱する。これを
繰り返すので、本発明の定着装置では、温度センサを使
ったフィードバック制御などの特別な温度制御を行わな
くても定着ローラの温度は一定に維持される。
【0019】すなわち本発明の定着装置では、定着ロー
ラを構成する正温度係数サーミスタの特性そのもので所
定の温度に安定化されるので、定着ローラの温度の立ち
上りを早くするため、定着ローラを薄くしたり、径を小
さくしたり、投入電力を大きくしても、第1の課題とし
て説明したようなセンサの応答の遅れによる立ち上り時
のオーバーシュートは本質的に起こらず、この問題が解
決される。
【0020】また第2の課題として説明した問題も、定
着装置の最も温度の高い部分が定着ローラであり、その
温度はそれを構成する材料(正温度係数サーミスタ等)
の性質により所定の温度に維持されるので、熱暴走を起
こす可能性がなく、温度フューズ、サーモスタットのよ
うな温度過昇防止装置が不要になり、指摘したような問
題は本質的に起こらない。
【0021】また第3の課題として説明した問題も、本
発明の定着ローラは正温度係数サーミスタからなる円筒
で構成されており、電流はその円筒の周方向に流れる構
成のため、温度が所定温度に達すればその部分の抵抗が
高くなるので電流が流れず、エネルギーの供給が行われ
ないが、温度の低い部分は抵抗が低いので電流が流れ、
その部分にはエネルギーを供給することになるので、転
写紙の幅の違いによる定着ローラの温度差は生じない。
【0022】さらに本発明の定着ローラ及び定着装置で
は、定着ローラの基体部を構成する円筒の内面に断熱
層、あるいは断熱層と補強部材を設けることにより、内
面側からの放熱量が少なくなり、省エネに資することが
できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明による定着装置の主要
部の構成の実施例を示す斜視図であり、図中の符号1は
定着ローラ、2はバックアップローラ、3はコア、4は
一次コイルである。定着ローラ1は、基体部が正温度特
性サーミスタで形成された円筒からなり、該円筒の外周
面に、定着するときに溶融したトナーが付着しないよう
に離型層が形成されている定着ローラである。この定着
ローラ1の内部を、磁性体よりなるコア3が貫通してお
り、コア3には一次コイル4が巻かれており、コア3は
全体として磁気回路の閉ループを構成している。つまり
一次コイル4が巻かれたコア3に定着ローラ1を1ター
ンの二次コイルとして巻いたトランスが形成される。こ
のトランスの一次コイル4を交流で励磁すると、コア3
に磁束が発生し、磁束の変化に応じて二次コイルとして
の定着ローラ1に電圧が誘起される。従って定着ローラ
の正温度係数サーミスタで形成された円筒状の抵抗体を
円周方向に電流が流れ、ジュール熱により発熱し、定着
ローラが加熱され温度が上昇する。
【0024】図5に正温度係数サーミスタの抵抗値の温
度特性の代表的なものとしてA,Bの2種類について示
すが、正温度係数サーミスタの抵抗値の温度特性は図5
のA,Bのように、抵抗体の組成により決まる特定の温
度で急激に変化するという特異なものである。従って、
定着ローラが加熱されて温度が上昇し、抵抗値が急変す
る温度に達すると、抵抗値が大幅に高くなるため、この
高抵抗の状態の時に二次コイルになっている定着ローラ
1にはほとんど電流が流れないようにトランスの磁気回
路、一次コイルを設定しておけば、定着ローラの発熱は
停止する。その後、定着ローラ1が、転写紙やトナーに
熱を奪われたり周囲に放熱して冷えれば、抵抗値が小さ
くなるため、定着ローラに再び電流が流れ、発熱し温度
が上昇する。この正温度係数サーミスタの抵抗値が温度
によって変化する特性により、定着ローラ1の温度は、
定着ローラ1の温度を検出するセンサやセンサの信号を
基にフィードバック制御する装置なしに所定の温度に安
定化される。
【0025】正温度係数サーミスタの特性によって温度
が安定化されるという機能は、定着ローラで定着可能な
転写紙の幅より狭い転写紙を定着するときにも同様に機
能し、転写紙に熱を奪われる部分の温度を安定化するば
かりではなく、転写紙に熱を奪われない部分の温度をも
同じ温度に安定化する。つまり熱を奪われない部分の温
度が低下しなければその部分の抵抗値は高く電流が流れ
ないので加熱することがない。これは電磁誘導方式で定
着ローラ1に円周方向に電流を流してエネルギーを供給
しているため、定着ローラの軸方向に関して熱の消費が
少ない部分と多い部分では独立に電流が変化し、定着ロ
ーラ全体が所定の温度に安定化されるからである。従っ
て本発明の定着ローラ及び定着装置では、課題の項で説
明した端部温度上昇の問題は本質的に解決されている。
【0026】バックアップローラ2は、転写紙を定着ロ
ーラ1に所定の圧力で接触させる機能を有し、転写紙は
トナー像を定着ローラ1に接触させる向きで、定着ロー
ラ1とバックアップローラ2の接触部を通過することに
よりトナー像は転写紙に定着される。
【0027】図2は本発明による定着ローラの構造の一
実施例を示す断面図である。正温度係数サーミスタ6は
定着ローラの基体部を構成する円筒であり、該円筒を電
流が流れることにより発熱し、定着に必要なエネルギー
を転写紙、トナーに供給する機能を有する。この正温度
係数サーミスタ6からなる円筒の外周面には、定着時に
溶融したトナーが付着しないように離型層5が形成され
ている。
【0028】図3は本発明による定着ローラの構造の別
の実施例を示す断面図であり、図2の構成の内面に断熱
層7を付加した構成である。この断熱層7は定着ローラ
の内面からの熱の放散を少なくして省エネを図るもので
ある。また、放熱を少なくすることにより、定着ローラ
の温度の立ち上がりが早くなる効果もある。断熱層7と
しては、200℃程度で使用可能な材料で断熱効果があ
ればよいので種々の材料が使えるが、この実施例では、
ガラスの円筒またはシリコンゴムの発泡体を使って良好
な効果を得ている。特にガラスの円筒を使用する場合
は、ガラスの円筒の機械的な強度を生かして、正温度係
数サーミスタ6の円筒の補強の役割も果たすことができ
るため、特に定着ローラの温度の立ち上がりを早くする
ことに設計の重点を置き、正温度係数サーミスタ6の熱
容量を下げるため厚さを薄くする場合に有効である。
【0029】図4は本発明による定着ローラの構造のさ
らに別の実施例を示す断面図であり、図2の構成の内面
に断熱層7と補強部材8付加したものである。断熱層
7、補強部材8の役割は、図3の実施例と同じである。
補強部材8の材料としては、金属、ガラス、セラミック
等、種々のものがあり、この実施例では、補強部材8と
して金属円筒を使用しているが、金属は導体であるた
め、図1のコア3により形成される磁気回路に鎖交する
コイルを形成しないように、金属円筒の軸方向に一方の
端部から他方の端部に達する少なくとも一本の図示され
ていないスリットが設けられている。さらに金属円筒の
内面から表面に向かって押し出された図示されていない
突起が所定の間隔で形成されており、その突起が正温度
係数サーミスタ6を支えることで補強を行っている。こ
の突起のない部分には空気層が形成され、これが断熱層
7となっている。もちろん図3の実施例と同じような材
料及び構成の断熱層を設けてもよい。尚、補強部材8を
金属で構成した場合、発熱部と接している部分では熱伝
導が大きく放熱が多いが、正温度係数サーミスタ6は所
定の温度で抵抗値が変化することにより一定の温度に維
持される特性があるので、放熱の多い部分の抵抗がその
周囲より低くなり電流が集中して発熱が多くなるため、
温度の不均一は生じない。
【0030】図6は本発明の定着装置の制御部の構成の
実施例を示す図であって、図1に示した定着装置の定着
ローラ(二次コイル及び抵抗)1とコア3及び一次コイ
ル4からなるトランス部を電気回路で表示した部分と、
一次コイル4に接続される定着エネルギー供給部の構成
を示す回路図である。図6において、電源9は定着装置
あるいは定着装置を備える画像形成装置に所要の電力を
供給する。電源スイッチ10は電源9の接続を制御する
機能を有する。コンバータ11は電源9から受け取った
商用周波数の電力を直流に変換し、その直流の電力を商
用周波数より高い周波数の交流に変換して、一次コイル
14、二次コイル15、コア17により構成されるトラ
ンス12の一次コイル14に供給する。供給する電力の
周波数は、装置を小型にするため数KHzから数100
KHzにされる。トランス12のコア17の断面積は使
用する周波数に反比例するので、周波数が高くなるほど
細いコアを使うことができ、材料の節約ができると共
に、二次コイルである定着ローラも細くできるので、熱
容量も下げることができ、定着ローラの温度上昇を早く
することにも有効である。
【0031】コンバータ11は周波数変換をしてトラン
ス12の一次コイル14電圧を印加したままにしてある
が、抵抗16の抵抗値が所定の温度で高くなって電流が
流れにくくなるので、供給される電力が少なくなり、発
熱が減少することで定着ローラ13は所定の温度に維持
される。つまり定着ローラを構成する正温度係数サーミ
スタが二次コイル15及び抵抗16として機能し、正温
度係数サーミスタの温度による抵抗の変化特性により定
着ローラの温度が決まるので、本発明では、抵抗値が急
変する温度が、トナーを正常に定着するときの上限であ
るホットオフセットが起こる温度と、下限温度であるコ
ールドオフセットが起こる温度の間になる特性の正温度
係数サーミスタを使っている。
【0032】また、コンバータ11には、一次コイル1
4に流れる電流を検出する検出装置が設けられており、
この検出装置で電源スイッチ10を投入後の電流をモニ
タし、電流が大きな状態から小さな状態に変化したこと
を判定し、本定着装置を備える画像形成装置の制御部に
通信路18を介して、定着装置の温度の立ち上がり信号
を送出する。また、この通信路18を介して画像形成装
置の制御部からの指令により、コンバータ11の動作を
停止したり、開始したりする機能も備えている。この機
能は画像形成装置の紙詰まりの発生や解除などの際に使
われる。また、電流をモニタするだけではなく、電圧を
もモニタして、立ち上がりの検出をより確実にしたり、
電圧と電流とその位相差を元に電力モニタすることで立
ち上がりを検出することもできる。
【0033】尚、図6の一次コイル14、二次コイル1
5、コア17は図1の一次コイル4、定着ローラ1、コ
ア3をそれぞれ回路図の記号で示したものである。そし
て、定着ローラ1を電気的にさらに細かく分解して表示
したのが本図の二次コイル15と抵抗16から構成され
る定着ローラ13である。また、抵抗16は正温度係数
サーミスタで構成されたローラの円周方向一周の等価抵
抗である。
【0034】次に請求項7に対応する実施例を図6によ
り説明する。前述の通信路18を介して、画像形成装置
の制御部から待機状態にあることを示す信号を受け取る
と、コンバータ11から一次コイル14に供給するエネ
ルギーを所定の値に制限したり、通電するデューティを
所定の値に制限して、正温度係数サーミスタの特性で決
まる温度より低い温度に定着ローラ13を保持する。こ
のような機能は待機時の消費電力を減らすと共に、待機
状態から非常に短い時間で定着可能な温度にする場合に
使われる。
【0035】次に請求項8に対応する実施例を図6によ
り説明する。前述の通信路18を介して、画像形成装置
の制御部から待機状態にあることを示す信号を受け取る
と、コンバータ11の機能を停止し、一次コイル14へ
の通電を停止させる。これは待機時の定着装置の熱消費
を極限まで減らすことを目的に使う。通常、使用を再開
するときの待ち時間を短くすることも合わせて行わない
と使いにくい画像形成装置になってしまうので、定着ロ
ーラ13の熱容量を小さくすることも合わせて行うこと
が望ましい。
【0036】次に請求項9に対応する実施例を図7によ
り説明する。図6と共通の符号を付したものは同じ機能
を有するものであり、説明を省略する。通常は正温度係
数サーミスタの抵抗の温度特性により定着ローラ13の
温度を安定化し、通信路18を介して、画像形成装置の
制御部から待機状態にあることを示す信号を受け取る
と、定着ローラ13の表面の温度を検出するように設け
られた温度検出器19の信号に基づいて温度制御器20
はコンバータ11を制御して定着ローラ13を定着を行
うときよりも低い所定の温度にフィードバック制御を行
なう。この方式は請求項7に対応する実施例と動作は似
ているが、請求項7に対応する実施例では、周囲温度、
風などに影響されて定着ローラの待機時の温度は変わっ
てしまい、それに応じて待機状態から定着可能温度に達
するまでの時間も変わるが、この実施例では温度検出器
19を使っているので、定着ローラの温度は周囲温度な
どの影響を受けずに一定の温度に保たれ、待機状態から
定着可能温度に達するのに要する時間も所定の狭い範囲
に収めることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明では、定着ローラの基体部に正温度係数サーミスタ
を使っているので、端部温度上昇、温度検出器の検出遅
れ、温度過昇防止装置の作動遅れなどの問題を解決した
定着装置を構成することができる。また、従来電極を付
けることが難しかった正温度係数サーミスタを円筒状に
して電磁誘導加熱を可能な形状にしたので、加熱のため
の電力の供給という問題も解決することができる。
【0038】請求項2,3に記載の発明では、請求項1
の効果に加えて、定着ローラの内面からの熱放散を小さ
くすることができ、省エネと、定着ローラの温度の立ち
上がりを早くするのに貢献することができる。
【0039】請求項4に記載の発明では、本発明が解決
しようとする課題の1,2,3を解決することができ
る。さらに定着ローラの表面の温度を検出する必要がな
いので、検出器との摩擦で定着ローラの表面の離型層が
傷つくことがなく、定着ローラの長寿命化を可能にす
る。
【0040】請求項5に記載の発明では、定着ローラの
基体部を正温度係数サーミスタにしているので、その抵
抗の温度特性が変化する温度がそのまま定着ローラの温
度になるので、トナーの定着可能な温度範囲で抵抗が変
化する正温度係数サーミスタを選ぶことで良好な定着が
できる。従来はサーミスタで発生した熱を一旦金属のプ
レートなどに伝えてからその熱を利用していたので、そ
の間の温度勾配によりサーミスタの抵抗が変化する温度
は使用する温度より高いものを選択する必要があり、ま
た、熱を利用する面での放熱の状況により温度勾配が変
化し、利用する面での温度は大きくばらつき所定の温度
にすることが困難であり、適当な特性の正温度係数サー
ミスタを選択するのが難しかったが、本発明では定着ロ
ーラの基体部を円筒状の正温度係数サーミスタで形成し
ているので、これらの問題を解消することができる。
【0041】請求項6に記載の発明では、一次コイルに
入力される電力、電流、電圧のうち少なくとも一つを検
出する手段を設け、その検出データに基づいて、定着装
置のウォームアップを判定しているので、温度検出器を
使わない定着装置の温度の立ち上がりを容易に且つ遅延
なく検出することが可能になる。
【0042】請求項7に記載の発明では、画像形成装置
が待機中には、定着エネルギー供給部から供給する電力
を所定の低い値に制限することにより前記円筒状発熱部
の温度を定着温度より低い所定の温度に変更するため、
待機時に定着温度より低い温度に温度検出器なしに制御
することができる。
【0043】請求項8に記載の発明では、待機時にコン
バータの機能を停止させることにより、定着ローラの加
熱を停止させることができ、大幅な省エネを図ることが
できる。
【0044】請求項9に記載の発明は、待機時に定着ロ
ーラを低い温度にする別の手段であり、待機時の温度を
のみ検出する温度検出器を設けることにより、待機時か
ら定着可能温度に達するまでの時間を所定の範囲に設定
することが容易になる。また、この検出器は待機時の温
度を検出することだけを目標にしているので、定着すべ
き画像の通る範囲の外に設定することが可能であり、こ
うすることにより、検出器と定着ローラの接触による傷
などで定着ローラの寿命を縮めることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による定着装置の主要部の構成の実施例
を示す斜視図である。
【図2】本発明による定着ローラの構造の一実施例を示
す断面図である。
【図3】本発明による定着ローラの構造の別の実施例を
示す断面図である。
【図4】本発明による定着ローラの構造のさらに別の実
施例を示す断面図である。
【図5】本発明の定着ローラの基体部に使用する正温度
係数サーミスタの特性の例を示す図である。
【図6】本発明による定着装置の制御部の構成の実施例
を示す回路図である。
【図7】本発明による定着装置の制御部の構成の別の実
施例を示す回路図である。
【符号の説明】
1:定着ローラ 2:バックアップローラ 3:コア(磁気回路) 4:一次コイル 5:離型層 6:正温度係数サーミスタ 7:断熱層 8:補強部材 9:電源 10:電源スイッチ 11:コンバータ 12:トランス 13:定着ローラ 14:一次コイル 15:二次コイル 16:抵抗 17:コア 18:通信路 19:温度検出器 20:温度制御装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真方式の画像形成装置に装備される
    定着装置の定着ローラであって、基体部が正温度係数サ
    ーミスタで形成された円筒からなり、前記円筒の外周部
    に離型層を形成したことを特徴とする定着ローラ。
  2. 【請求項2】電子写真方式の画像形成装置に装備される
    定着装置の定着ローラであって、基体部が正温度係数サ
    ーミスタで形成された円筒からなり、前記円筒の外周部
    に離型層を形成すると共に、前記円筒の内側に断熱層を
    形成したことを特徴とする定着ローラ。
  3. 【請求項3】電子写真方式の画像形成装置に装備される
    定着装置の定着ローラであって、基体部が正温度係数サ
    ーミスタで形成された円筒からなり、前記円筒の外周部
    に離型層を形成すると共に、前記円筒の内側に断熱層と
    前記円筒を補強する部材を設けたことを特徴とする定着
    ローラ。
  4. 【請求項4】電子写真方式の画像形成装置に装備される
    定着装置であって、正温度係数サーミスタで形成された
    円筒状発熱部と該円筒状発熱部の外周部に形成された離
    型層を具備する定着ローラと、前記円筒状発熱部と鎖交
    する磁気回路と、前記磁気回路に鎖交するように巻かれ
    た一次コイルと、前記一次コイルに接続されて電力を供
    給する定着エネルギー供給部を備えたことを特徴とする
    定着装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の定着装置において、正温度
    係数サーミスタの抵抗が急変する温度が、定着するトナ
    ーのコールドオフセットが起こる温度より高く、ホット
    オフセットが起こる温度より低いことを特徴とする定着
    装置。
  6. 【請求項6】請求項4,5記載の定着装置において、一
    次コイルに入力される電力、電流、電圧のうち少なくと
    も一つを検出する手段を設け、その検出データに基づい
    て定着装置のウォームアップを判定することを特徴とす
    る定着装置。
  7. 【請求項7】請求項4,5及び6記載の定着装置におい
    て、定着装置を具備する画像形成装置が稼働中には、一
    次コイルに定着エネルギー供給部を接続のまま、正温度
    係数サーミスタの抵抗値の温度特性により円筒状発熱部
    の温度を安定化し、前記画像形成装置が待機中には、定
    着エネルギー供給部から供給する電力を所定の低い値に
    制限することにより、前記円筒状発熱部の温度を定着温
    度より低い所定の温度に変更することを特徴とする定着
    装置。
  8. 【請求項8】請求項4,5及び6記載の定着装置におい
    て、定着装置を具備する画像形成装置が稼働中には、一
    次コイルに定着エネルギー供給部を接続のまま、正温度
    係数サーミスタの抵抗値の温度特性により円筒状発熱部
    の温度を安定化し、前記画像形成装置が待機中には、定
    着エネルギー供給部から供給する電力を遮断することを
    特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】請求項4,5及び6記載の定着装置におい
    て、定着装置を具備する画像形成装置が稼働中には、一
    次コイルに定着エネルギー供給部を接続のまま、正温度
    係数サーミスタの抵抗値の温度特性により円筒状発熱部
    の温度を安定化し、前記画像形成装置が待機中には、定
    着ローラの温度を検出する検出器の出力に基づいて前記
    円筒状発熱部の温度を定着温度より低い所定の温度に安
    定化することを特徴とする定着装置。
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Cited By (5)

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