JPH07286639A - 液圧緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

液圧緩衝器のバルブ構造

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JPH07286639A
JPH07286639A JP26775594A JP26775594A JPH07286639A JP H07286639 A JPH07286639 A JP H07286639A JP 26775594 A JP26775594 A JP 26775594A JP 26775594 A JP26775594 A JP 26775594A JP H07286639 A JPH07286639 A JP H07286639A
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JP
Japan
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seat surface
disc valve
valve
stage disc
seat
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Application number
JP26775594A
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English (en)
Inventor
Fumiyuki Yamaoka
史之 山岡
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2段のディスクバルブを有しているとともに
2段目ディスクバルブを迂回するオリフィスを有して減
衰力特性のチューニングに優れたバルブ構造において、
各シート面の密度の安定化を図り、しかも、キャビテー
ションによる騒音の発生を防止すること。 【構成】 第1シート面505と第2シート面506の
間に環状凹部507を設け、第2シート面506に設け
たコンスタントオリフィス508は、その底面が第1シ
ート面505よりもシート面突出方向に配置させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液圧緩衝器において、
ディスクバルブが直列に2段設けられ、かつ2段目のデ
ィスクバルブを迂回するコンスタントオリフィスを有し
た形式のバルブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスクバルブが直列に2段設け
られた形式の液圧緩衝器のバルブ構造として、例えば、
実開昭61−47134号公報に記載されたもの(第1
従来技術)が知られている。
【0003】この第1従来技術のバルブ構造は、図5に
示すようにピストンボディ01に、第1シート面01a
と第2シート面01bとが段差を有して設けられ、各シ
ート面01a,01bに1段目ディスクバルブ02と2
段目ディスクバルブ03との外周部が当接されて連通路
04に対して直列の関係で配設されている。
【0004】また、他の液圧緩衝器のバルブ構造で、2
段のディスクバルブを有し、かつ2段目のディスクバル
ブを迂回する手段を有したものとして、例えば、実開昭
60−16031号公報に記載のもの(第2従来技術)
が知られている。
【0005】この第2従来技術の液圧緩衝器のバルブ構
造は、図6(a)(b)(c)に示すように液圧緩衝器
内の液室を区画して設けられ、液室を連通する連通路0
5aが形成されたバルブボディ05と、このバルブボデ
ィ05の端面において前記連通路05aの開口の外側に
形成された環状の第1シート面05b、および、この第
1シート面05bの外側で第1シート面05bよりも突
出された第2シート面05cと、両シート面05b,0
5c間に環状に形成された環状凹部05dと、各シート
面05b,05cに当接されて配置され、前記連通路0
5aを開閉可能に直列に設けられた1段目ディスクバル
ブ02および2段目ディスクバルブ03とを備えてい
る。そして、環状凹部05dは、バイパス路06a,0
6b,06cにより液室07に連通された構造となって
いる。
【0006】この第2の従来技術では、低〜中ピストン
速度では、液圧の流体が1段目ディスクバルブ02を開
弁して環状凹部05dに流れ込み、この環状凹部05d
からバイパス路06a,06b,06cを通って液室0
7に流れ、一方、高ピストン速度では、1段目ディスク
バルブ02を開弁した流体は、環状凹部05dから2段
目ディスクバルブ03を開弁して液室に流れる動作を行
うことで、低〜中ピストン速度域と高ピストン速度域と
で異なる流路を得ることにより減衰特性のチューニング
が行い易いという特徴を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
第1従来技術の構造では、1段目ディスクバルブ02が
当接する第1シート面01aの形状が、1段目ディスク
バルブ02の外周縁よりも外側まで平坦部が延在された
構造となっていたため、焼結合金によりピストンボディ
01を成形した場合、第1シート面01aの内側部分と
外側部分とで剛性に差が生じてしまい、平坦部分の密度
が付不均一になってスプリングバック量の違いでテーパ
が生じることがあり、このような場合、第1シート面0
1aの平面度などの寸法安定性および耐キャビテーショ
ン摩耗性に劣るという問題を有していた。
【0008】一方、第2従来技術の構造では、第1シー
ト面05bと第2シート面05cとの間に環状凹部05
dを有しているため、第1シート面05bの密度の安定
化を図ることができるもので、このため第1従来技術の
問題は生じない。
【0009】しかしながら、第2従来技術にあっては、
1段目ディスクバルブ02を開弁して環状凹部05dに
流れ込んだ流体は、環状凹部05dの縦壁に衝突した
後、環状凹部05dを各バイパス路06a,06b,0
6cに向かって周方向に流れを変えた後、図6(a)
(b)のものではさらに上向きに流れを変えてバイパス
路06a,06bを流れ、また、図6(c)のものでは
径方向に流れを変えてバイパス路06cを流れる、とい
うように、流体が1段目ディスクバルブ02を開弁して
環状凹部05dの縦壁にぶつかった後、流れの方向を変
える構造であったため、環状凹部05d内において流れ
が乱れ易いもので、この乱れによりキャビテーションが
生じて騒音が発生するという問題があった。
【0010】さらに、このようなキャビテーションによ
る騒音は、特に、良路走行時のように車両騒音が低い時
に目立ってしまうので、すなわち、このような良路走行
時には液圧緩衝器の動きとしては低ピストン速度の動き
となり易く、この低ピストン速度の場合、流体は2段目
ディスクバルブ03を開弁せずにバイパス路06a,0
6b,06cを流れる動きとなって、上述のキャビテー
ションによる騒音が発生し易い。
【0011】加えて、図6(c)に記載のものでは、第
2シート面05cを切り欠いた形状のバイパス路06c
は、その底面が第1シート面05bよりも図中上側位置
まで大きく切り欠いた形状に形成されており、このよう
な構造では、第1シート面05bが障害となるためバル
ブボディ05を成形した後にポンチやドリルを使って加
工するが非常に難かしい。また、このバイパス路06c
を形成するのに最も簡単な方法は、バルブボディ05の
焼結成形時に同時に成形する方法であるが、この場合、
焼結では切欠の角部が丸まった状態となって第2シート
面05cの表面密度が安定しない。
【0012】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、2段のディスクバルブを有していると
ともに2段目ディスクバルブを迂回するオリフィスを有
して減衰力特性のチューニングに優れたバルブ構造にお
いて、各シート面の密度の安定化を図り、しかも、キャ
ビテーションによる騒音の発生を防止することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的達成のため、
本発明の液圧緩衝器のバルブ構造では、液圧緩衝器内の
液室を区画して設けられると共に、液室を連通する連通
路が形成されたバルブボディと、このバルブボディの端
面において前記連通路の開口の外側に形成された環状の
第1シート面と、この第1シート面よりも突出して環状
に形成された第2シート面と、両シート面間に環状に形
成された環状凹部と、各シート面に当接されて前記連通
路を開閉可能に直列に設けられた1段目ディスクバルブ
および2段目ディスクバルブと、底面を前記第1シート
面よりも前記突出方向に配置して前記第2シート面と2
段目ディスクバルブとの間に形成された低ピストン速度
流通用の複数のコンスタントオリフィスとを設けた。
【0014】
【作用】バルブボディを焼結金属材料により成形するに
際し、第1シート面の外側に環状凹部を設けているた
め、第1シート面では内側も外側も剛性が均一化され
る。また、第2シート面では、コンスタントオリフィス
を、その底面が第1シート面よりもシート面突出方向に
配置させているため、バルブボディの第2シート面の部
分にコンスタントオリフィスを形成する加工、すなわ
ち、打刻や切削などの加工の際に第1シート面が障害に
ならず、バルブボディの成形後に容易に加工することが
できる。
【0015】次に、一方の液室の流体が連通路を通って
他方の液室へ流通する際に、低ピストン速度では、流体
は、まず1段目ディスクバルブを開弁して環状凹部に流
れ込み、環状凹部の縦壁により第2シート面に向かう流
れに整流された後、第2シート面に形成された低ピスト
ン速度流通用のコンスタントオリフィスから他方の液室
へ流れる。それに対して、中〜高ピストン速度では、環
状凹部の縦壁により第2シート面に向かう流れに整流さ
れた流体は、2段目ディスクバルブを開弁して他方の液
室へ流れる。
【0016】このように、両シート面間に環状凹部を設
け、かつ第2シート面のコンスタントオリフィスは底面
を第1シート面よりもシート面突出方向に配置させてい
るため、1段目ディスクバルブを開弁した流体は、環状
凹部の縦壁に沿って第2シート面へ向かった後、コンス
タントオリフィスからあるいは2段目ディスクバルブを
開弁して他方の液室へ流れるもので、流体の流通方向が
大きく変化することがない。
【0017】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。
【0018】図2は、本発明一実施例のバルブ構造を適
用した液圧緩衝器を示す断面図であって、図中1はシリ
ンダチューブを示している。このシリンダチューブ1は
上端部をガイド部材2およびシール部材3により塞がれ
ると共に、下端部をベース4に塞がれて内部に作動液が
充填され、かつ、このシリンダチューブ1内には、ピス
トン5が摺動自在に装填され、上部液室1aと下部液室
1bとに区画されている。
【0019】また、このシリンダチューブ1の外側に
は、有底筒状の外筒6が設けられ、シリンダチューブ1
内の液室1a,1bに対してガイド部材2およびベース
4により区画されて、封入気体による圧力下に所望量の
作動液が充填されたリザーバ室7が形成されている。
【0020】前記ピストン5はピストンロッド8の下端
に取り付けられている。すなわち、ピストンロッド8の
下端部には、上部より小径で、外周にねじ8aが形成さ
れた取付部8bが設けられ、この取付部8bに対して、
リテーナ5a,チェックプレート5b,ピストンボディ
(バルブボディ)5c,1段目ディスクバルブ5d,ワ
ッシャ5e,ストッパプレート5f,2段目ディスクバ
ルブ5g,ワッシャ5h,カラー5j,スプリングシー
ト5k,アシストスプリング5mを順次挿入して、最後
に締付ナット5nによって締結して構成されている。
【0021】説明を加えると、前記ピストンボディ5c
には、中心部に軸方向に大径の取付用孔501が穿設さ
れると共に、その外側位置には、大断面積の第1連通路
502および小断面積の第2連通路503が形成されて
いる。
【0022】そして、第1連通路502は、前記チェッ
クプレート5bにより、上端の開口を塞がれ、下部液室
1bから上部液室1aへの作動液の流通のみを許すよう
形成されている。
【0023】一方、ピストン5の要部を示す図2Aのバ
ルブ構造部詳細図である図1に示すように、ピストンボ
ディ5cの下面側には、第2連通路503の下端部に環
状溝510が形成され、かつ、この環状溝510の内側
にボス部504が形成されると共に、環状溝510の外
側に、第1シート面505が形成され、さらに、その外
側には、第2シート面506が形成されている。
【0024】なお、この第2シート面506は、第1シ
ート面505よりも低い位置(シート面突出方向位置)
に段差を有して形成されていて、また、両シート面50
5,506間には、環状であり、かつ断面半円形状の環
状凹部507が形成されている。また、この環状凹部5
07の縦壁507aは第2シート面506に連続してい
る。
【0025】そして、前記ボス部504と第1シート面
505とに前記1段目ディスクバルブ5dが当接され、
この1段目ディスクバルブ5dにより第2連通路503
が開閉可能となっている。
【0026】この1段目ディスクバルブ5dは、このバ
ルブ5dよりも小径のワッシャ5eの外周部により撓む
ための支持点が与えられ、かつ、このワッシャ5eの厚
み分だけ撓むとストッパプレート5fに当接して、開弁
力が変化するようになっている。
【0027】さらに、この1段目ディスクバルブ5d
は、図3に示すように、そのD1 外径が、前記第1シー
ト面505の外径S1 よりも大径で、第2シート面50
6の内径S2 よりも小径に形成されていて、かつ、第1
シート面505の外径S1 との差S3 は、1段目ディス
クバルブ5dの組付許容誤差寸法より大きく設定されて
いる。
【0028】そして、図2に示すように、前記第2シー
ト面506には、アシストスプリング5mに付勢されて
2段目ディスクバルブ5gが当接されている。この2段
目ディスクバルブ5gも、その外径が、第2シート面5
06の外径よりも大径に形成され、その径差は、2段目
ディスクバルブ5gの組付許容誤差寸法よりも大きく設
定されている。
【0029】また、この第2シート面506位置のピス
トンボディ5cには、この2段目ディスクバルブ5gと
第2シート面506との当接面の内外部を連通するコン
スタントオリフィス508が形成されている。なお、こ
のコンスタントオリフィス508は、その底面が前記第
1シート面505よりも低い位置(シート面突出方向位
置)となるように打刻形成されている。
【0030】また、前記1段目ディスクバルブ5dは、
ピストン速度が極低速であっても開弁する弾性に形成さ
れている。
【0031】次に、前記ベース4にもバルブ構造が設け
られており、その構造について説明する。
【0032】前記ベース4は、図2に示すように、ボル
ト4aに対し、ワッシャ4b,2段目ディスクバルブ4
c,ワッシャ4d,1段目ディスクバルブ4e,ベース
ボディ(バルブボディ)4f,チェックプレート4g,
リテーナ4h,カラー4jを順次挿入し、最後に締付ナ
ット4kによって締結されて構成されている。
【0033】また、ベースボディ4fには、中心に前記
ボルト4aが貫通された貫通孔401が形成されると共
に、大断面積の第1連通路402と小断面積の第2連通
路403が形成されている。
【0034】そして、ベースボディ4fの上面にチェッ
クプレート4gを当接させることで前記第1連通路40
2はリザーバ室7から下部液室1bへの作動液の流通の
みが許される。
【0035】さらに、図4は、ベース4の要部を示す図
2のB部詳細図であって、ベース4の下端面には、第2
連通路403の下端位置に環状溝410が形成され、か
つ、この環状溝410よりも中央側位置にボス部404
が形成されると共に、環状溝410よりも外側位置に、
第1シート面405が形成され、さらに、その外側に
は、第2シート面406が形成されている。
【0036】なお、この第2シート面406は、第1シ
ート面405よりも低い位置(シート面突出方向位置)
に段差を有して形成されていて、また、両シート面40
5,406間には、環状であり、かつ断面半円形状の環
状凹部407が形成されている。また、この環状凹部4
07の縦壁407aは第2シート面406に連続してい
る。
【0037】そして、この第2シート面406の数カ所
には、コンスタントオリフィス408が形成されてお
り、このコンスタントオリフィス408の底面は第1シ
ート面405よりも低い位置(シート面突出方向位置)
となるように打刻形成されている。
【0038】また、前記ボス部404と第1シート面4
05とに前記1段目ディスクバルブ4eが当接され、こ
の1段目ディスクバルブ4eによって第2連通路403
が開閉可能となっている。
【0039】なお、この1段目ディスクバルブ4eは、
このバルブ4eよりも小径のワッシャプレート4dの外
周部により撓むための支持点が与えられ、かつ、このワ
ッシャプレート4dの厚み分だけ撓むと2段目ディスク
バルブ4cに当接して、開弁力が変化するようになって
いる。
【0040】また、このベース4の場合も、1段目ディ
スクバルブ4eは、その外径が、第1シート面405の
外径よりも大径に形成され、その径差は、1段目ディス
クバルブ4eの組付許容誤差寸法よりも大きく形成され
ている。
【0041】そして、前記第2シート面406には、2
段目ディスクバルブ4cが当接されていて、この2段目
ディスクバルブ4cも、その外径が、第2シート面40
6の外径よりも大径に形成され、その径差は、2段目デ
ィスクバルブ4cの組付許容誤差寸法よりも大きく設定
されている。
【0042】次に、実施例の作用を説明する。
【0043】(イ)伸行程時 ピストン5が伸方向(上部液室1aを狭める方向)に摺
動する場合、上下両液室1a,1b間の液圧差に基づ
き、ピストン5の第2連通路503を介して上部液室1
aから下部液室1bへ作動液が流れ、また、ピストンロ
ッド8がシリンダチューブ1から退出した分の体積に相
当する量の作動液が、ベース4の第1連通路402を介
してリザーバ室7から下部液室1b内へ流入する。
【0044】この際にピストン5では、ピストン速度に
応じて、1段目ディスクバルブ5dと2段目ディスクバ
ルブ5gあるいはコンスタントオリフィス508と第2
連通路503とにおいて減衰力が発生する。
【0045】すなわち、ピストン速度が低速である場合
には1段目ディスクバルブ5dのみが開弁するもので、
それにより、この1段目ディスクバルブ5dでは、速度
2/3乗の特性が得られる。
【0046】また、このとき、2段目ディスクバルブ5
gは、閉弁状態であるので、作動液はコンスタントオリ
フィス508を流れ、このコンスタントオリフィス50
8では速度2乗特性の減衰力が発生する。
【0047】そして、この1段目ディスクバルブ5dの
撓み量が大きくなって、ストッパプレート5fに当接す
ると、1段目ディスクバルブ5dの撓みが規制され、1
段目ディスクバルブ5dと第1シート面405間に環状
のコンスタントオリフィスが形成された状態となり、発
生減衰力は速度2乗特性となる。
【0048】さらに、ピストン速度が増すと、2段目デ
ィスクバルブ5gが開弁され、この2段目ディスクバル
ブ5gにおいて、速度2/3乗特性の減衰力が発生す
る。
【0049】また、ピストン速度が高速となると、第2
連通路503においても減衰力が発生し、この減衰力特
性は、速度が低いうちは殆ど減衰力が発生しないような
速度2乗特性となっている。
【0050】以上のようにして、ピストン5の1段目デ
ィスクバルブ5dおよび2段目ディスクバルブ5gが開
弁されて減衰力が生じるが、このときの発生減衰力は、
両バルブ5d,5gが当接しているシート面505,5
06の幅により決定される。本実施例では、両バルブ5
d,5gとも、その外径を、両シート面505,506
の外径よりも、組付許容誤差寸法以上に大径に形成して
いるために、組付時に、両バルブ5d,5gのいずれか
一方、もしくは両方の組付位置が、許容誤差範囲内で径
方向に多少ズレることがあっても、両シート面505,
506は、その全面積が必ずディスクバルブ5d,5g
に当接され、よって、一定した減衰力が得られる。
【0051】また、以上のように1段目ディスクバルブ
5dが開弁して、第2連通路503から下部液室1bへ
作動液が流通する際に、第1シート面505を通った作
動液は、環状凹部507の縦壁507aに沿って下方に
向かい、コンスタントオリフィス508通るかあるいは
2段目ディスクバルブ5gを開弁して下部液室1bへ流
れるもので、このように環状凹部507では、流体が縦
壁507aで整流されて第2シート面506の方向に向
かうため、キャビテーションが生じることがなく、作動
液圧は、環状溝510−環状凹部507−下部液室1b
と順に徐々に低下することになり、大きな流体音が発生
することがない。
【0052】(ロ)圧行程時 ピストン5が圧方向(下部液室1bを狭める方向)に摺
動する場合、上下両液室1a,1b間の液圧差を均等化
させるべくピストン5の第1連通路502を介して作動
液が流れ、また、また、ピストンロッド8がシリンダチ
ューブ1に進入した分の体積に相当する量の作動液が、
ベース4の第2連通路403を介して下部液室1bから
リザーバ室7へ流入する。
【0053】この際にベース4では、ピストン速度に応
じ、1段目ディスクバルブ4eと2段目ディスクバルブ
4cと第2連通路403において減衰力が発生する。
【0054】すなわち、ピストン速度が低速域では、1
段目ディスクバルブ4eのみが開弁して、速度2/3乗
特性のの減衰力が得られ、そして、この1段目ディスク
バルブ4eが2段目ディスクバルブ4cに当接して撓み
が規制されると、1段目ディスクバルブ4eと第1シー
ト面405間に環状のコンスタントオリフィスが形成さ
れた状態となって、速度2乗特性の減衰力が発生する。
【0055】一方、2段目ディスクバルブ4cでは、低
速域では、開弁せず、コンスタントオリフィス408に
よる速度2乗特性が得られ、ピストン速度が増すと開弁
して、速度2/3乗特性の減衰力が得られる。
【0056】また、第2連通路403では、低速域で
は、減衰力が殆ど生じない速度2乗特性の減衰力が発生
する。
【0057】また、このベース4にあっても、上述のよ
うに1段目ディスクバルブ4eが開弁して、第2連通路
403からリザーバ室7へ作動液が流通する際に、第1
シート面205を通った作動液は、環状凹部407の縦
壁407aに沿って下方に向かい、コンスタントオリフ
ィス408通るかあるいは2段目ディスクバルブ4cを
開弁してリザーバ室7へ流れるもので、このように環状
凹部407では、流体が縦壁407aで整流されて第2
シート面406の方向に向かうため、キャビテーション
が生じることがなく、作動液圧は、第2連通路403−
環状凹部407−リザーバ室7と順に徐々に低下して、
大きな流体音が発生することがない。
【0058】また、ベース4においても、両ディスクバ
ルブ4e,4cの外径を、それぞれ両シート面405,
406の外径に比べ、組付誤差寸法以上に大径に形成し
たため、両シート面405,406は、必ず、その全面
積において両ディスクバルブ4e,4cに当接し、常に
一定した減衰力が得られる。
【0059】なお、本実施例の場合、両第1シート面4
05,505の外側に環状凹部407,507を形成し
ているため、極低速域の減衰力特性を低減する際には、
両第1シート面405,505にコンスタントオリフィ
スをポンチなどにより容易に打刻形成することが可能で
あり、性能・品質面に優れているという特徴を有してい
る。
【0060】(ハ)ピストンおよびベース成形時 前記ピストン5およびベース4は、鉄系焼結材料により
成形されるが、両第1シート面505,405の外側
に、それぞれ、環状凹部507,407を設けることに
より、両第1シート面505,405における内側と外
側の剛性の均一化が図れ、それによって、両第1シート
面505,405の密度の安定化が図れ、よって、寸法
精度や耐キャビテーション摩耗性に優れた形状となる。
【0061】また、各コンスタントオリフィス408,
508は、その底面を各第1シート面405,505よ
りも下方(シート面突出方向)に配置させたため、ポン
チなどで打刻する際に、各第1シート面405,505
が障害となることがない。
【0062】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変
更等があっても本発明に含まれる。
【0063】例えば、実施例では、環状凹部の形状を断
面半円形状の凹部に形成したが、この断面形状は、この
実施例に限られない。
【0064】また、コンスタントオリフィスを形成する
にあたり、実施例ではバルブボディの第2シート面を打
刻して形成した例を挙げたが、切削など他の加工方法に
より形成することができるし、あるいは、バルブボディ
の第2シート面に形成するのではなしに2段目ディスク
バルブに形成するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の液圧
緩衝器のバルブ構造では、第1シート面の外側に環状凹
部を設けたため、第1シート面の密度の安定化が図れ、
これによって、第1シート面が、寸法精度・耐キャビテ
ーション摩耗性に優れた形状となるという効果が得られ
る。
【0066】また、第2シート面において、コンスタン
トオリフィスを、その底面が第1シート面よりもシート
面突出方向に配置させているため、コンスタントオリフ
ィスを打刻する加工の際に第1シート面が障害になら
ず、バルブボディの成形後に容易に加工することができ
るという効果が得られる。
【0067】加えて、両シート面間に環状凹部を設け、
かつ第2シート面のコンスタントオリフィスは底面を第
1シート面よりもシート面突出方向に配置させた構造と
しているため、一方の液室の流体が連通路を通って他方
の液室へ流通する際には、1段目ディスクバルブを開弁
した流体は、環状凹部の縦壁に沿って第2シート面へ向
かった後、コンスタントオリフィスあるいは、2段目デ
ィスクバルブを開弁して他方の液室へ流れるもので、流
体の流通方向が大きく変化することがない。したがっ
て、1段目ディスクバルブを開弁した流体の流れが乱れ
難くキャビテーションが生じ難いことから、流体音によ
る騒音が生じないという効果が得られるもので、特に、
2段目ディスクバルブが閉じている低ピストン速度域、
すなわち車両騒音の低い良路走行時に多い動きである低
ピストン速度域において、この効果が顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の液圧緩衝器のバルブ構造を示す
拡大断面図(図2A部詳細図)である。
【図2】実施例バルブ構造を適用した液圧緩衝器を示す
断面図である。
【図3】ピストンの第1シート面と1段目ディスクバル
ブとの外径の関係を示す説明図である。
【図4】図2B部詳細図である。
【図5】第1従来技術を示す断面図である。
【図6】第2従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1a 上部液室 1b 下部液室 4c 2段目ディスクバルブ 4e 1段目ディスクバルブ 4f ベースボディ(バルブボディ) 403 第2連通路 405 第1シート面 406 第2シート面 407 環状凹部 407a 縦壁 5c ピストンボディ(バルブボディ) 5d 1段目ディスクバルブ 5g 2段目ディスクバルブ 503 第2連通路 505 第1シート面 506 第2シート面 507 環状凹部 7 リザーバ室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧緩衝器内の液室を区画して設けられ
    ると共に、液室を連通する連通路が形成されたバルブボ
    ディと、 このバルブボディの端面において前記連通路の開口の外
    側に形成された環状の第1シート面と、 この第1シート面よりも突出して環状に形成された第2
    シート面と、 両シート面間に環状に形成された環状凹部と、 各シート面に当接されて前記連通路を開閉可能に直列に
    設けられた1段目ディスクバルブおよび2段目ディスク
    バルブと、 底面を前記第1シート面よりも前記突出方向に配置して
    前記第2シート面と2段目ディスクバルブとの間に形成
    された低ピストン速度流通用の複数のコンスタントオリ
    フィスと、を備えていることを特徴とする液圧緩衝器の
    バルブ構造。
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