JPH07286519A - 水冷式エンジンの冷却装置 - Google Patents

水冷式エンジンの冷却装置

Info

Publication number
JPH07286519A
JPH07286519A JP8061194A JP8061194A JPH07286519A JP H07286519 A JPH07286519 A JP H07286519A JP 8061194 A JP8061194 A JP 8061194A JP 8061194 A JP8061194 A JP 8061194A JP H07286519 A JPH07286519 A JP H07286519A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
cooling water
heating
radiator
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8061194A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Ito
伊藤  公一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8061194A priority Critical patent/JPH07286519A/ja
Publication of JPH07286519A publication Critical patent/JPH07286519A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジンの冷却水温に関係なく、暖房装置の作
動状態のみに応じて切換え弁を動作させ、切換え弁の動
作のための複雑な制御を不要にする。 【構成】ウォータジャケット3,5 、第一通路11、ラジエ
ータ9 及び第二通路12により循環通路13を形成し、その
途中にウォータポンプ14を設ける。第一通路11及び第二
通路12をバイパス通路15にて連通させ、その通路15の第
二通路12との合流部分15a に、冷却水の温度に応じて作
動するサーモスタット16を設ける。バイパス通路15のサ
ーモスタット16よりも上流部分から暖房用冷却水通路19
を分岐させ、その途中に冷却水の熱を放射する暖房装置
20用の放熱器21を設ける。バイパス通路15における冷却
水通路19の分岐部分19a には、暖房装置20の停止時に冷
却水通路19を閉塞するとともにバイパス通路15を開放
し、暖房装置20の作動時に冷却水通路19を開放するとと
もにバイパス通路15を部分的に開放する切換え弁22を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷却水を用いてエンジン
を冷却させるとともに、その冷却水を暖房装置の熱源と
して利用するようにした水冷式エンジンの冷却装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エンジ
ンの冷却水を暖房装置の熱源として利用するようにした
冷却装置が知られている。この技術では、エンジンを通
過することにより昇温した冷却水の熱が暖房装置の放熱
器から放射され、ブロワから送られてきた空気が温めら
れる。放熱器は冷却水の流通の抵抗となるので、必要量
の冷却水が確実に放熱器を通過するには、放熱器に入流
する前の冷却水の圧力が、放熱器から通過した後の冷却
水の圧力よりも高くなければならない。
【0003】一方、エンジンでは、通常、冷却水がシリ
ンダブロック内のウォータジャケット、シリンダヘッド
内のウォータジャケットを順に通過するようになってい
る。シリンダヘッド内のウォータジャケットが冷却水の
流通の抵抗となり、そのウォータジャケットへ流入する
前の冷却水の圧力は高くなっている。このことを考慮し
て、シリンダブロック内のウォータジャケットから、圧
力の高くなった冷却水の一部を取り出して、これを放熱
器へ供給することが一般的に行われてきた。
【0004】しかしながら、このように取り出した冷却
水はエンジン内で十分に暖められていない。このため、
放熱器から放射される熱量が少なく、高い暖房効果が得
られない。
【0005】そこで、このような問題に対処する水冷式
エンジンの冷却装置として、例えば実開昭56−111
217号公報の技術が考えられている。この技術では図
9で示すように、エンジン31内のウォータジャケット
32、第一通路33、ラジエータ34、第二通路35に
よって冷却水の循環通路36が形成されている。循環通
路36内の冷却水はウォータポンプ37により強制的に
循環される。冷却水はこの循環の過程でエンジン31の
熱を吸収し、ラジエータ34でその熱を放射する。この
際の熱の吸収によりエンジン31が冷却される。
【0006】エンジン始動時等の冷却水の温度(冷却水
温)が低いときには、この冷却水を早く昇温させて、エ
ンジン31を早期に暖める(暖機する)ことが望まし
い。そのために、第一通路33には冷却水温に応じて作
動するサーモスタット38が設けられている。第一通路
33のサーモスタット38よりも上流部分とウォータポ
ンプ37とがバイパス通路39によって連通されてい
る。そして、冷却水温が所定値以下の場合にはサーモス
タット38によって第一通路33が閉塞され、冷却水が
ラジエータ34に流れず、第一通路33の途中からバイ
パス通路39へ流れる。
【0007】さらに、冷却水を暖房装置41の熱源とし
て利用するために、バイパス通路39とウォータポンプ
37とが暖房用冷却水通路42によって連通され、その
途中に放熱器43が設けられている。
【0008】暖房用冷却水通路42のバイパス通路39
に対する接続部分には切換え弁44が設けられている。
切換え弁44は、バイパス通路39を経てウォータポン
プ37へ流れる冷却水の量と、暖房用冷却水通路42を
経て放熱器43へ流れる冷却水の量との比率を調整する
ためのものである。
【0009】この切換え弁44に要求される機能の一つ
は、冷却水温が低いときにバイパス通路39を開放し
て、第一通路33から第二通路35への冷却水の流通を
許容し、冷却水温が高いときにバイパス通路39を閉塞
して、第一通路33から第二通路35への冷却水の流通
を遮断することである。また、切換え弁44に要求され
る別の機能は、暖房装置41の停止時に暖房用冷却水通
路42を閉塞して、放熱器43への冷却水の流通を遮断
し、同暖房装置41の作動時に冷却水通路42を開放し
て、放熱器43への冷却水の流通を許容することであ
る。
【0010】これらの多くの要求を機械的な構成によっ
て満たすことは困難である。そこで、従来技術では、暖
房装置41の作動及び停止に関与する操作スイッチ4
5、冷却水温を検出する水温センサ46、及びコントロ
ーラ47を用いている。そして、操作スイッチ45及び
水温センサ46からの各信号に基づき、コントローラ4
7により切換え弁44の切換え動作を電子制御するよう
になっている。このように、従来技術では切換え弁44
の切換え動作のために、複雑な制御が必要になるという
問題があった。
【0011】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、エンジンの冷却水温に関係な
く、暖房装置の作動状態のみに応じて切換え弁を動作さ
せることができ、切換え弁の動作のための複雑な制御を
不要にできる水冷式エンジンの冷却装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の第1の発明は、水冷式エンジンのウォ
ータジャケット、第一通路、ラジエータ及び第二通路に
より形成された循環通路と、前記循環通路内の冷却水を
強制的に循環させるウォータポンプと、前記第一通路及
び第二通路間を連通させるバイパス通路と、前記第二通
路に対するバイパス通路の合流部分での冷却水の温度に
応じて作動する弁であり、同冷却水の温度が予め定めた
所定値以下のときには、第二通路を閉塞してラジエータ
からウォータジャケットへの冷却水の流通を遮断し、か
つバイパス通路を開放して同バイパス通路から第二通路
への冷却水の流通を許容し、前記冷却水の温度が前記所
定値よりも高いときには、第二通路を開放してラジエー
タからウォータジャケットへの冷却水の流通を許容し、
かつ前記バイパス通路を閉塞してそのバイパス通路から
第二通路への冷却水の流通を遮断するサーモスタット
と、前記バイパス通路のサーモスタットよりも上流部分
から分岐し、前記循環通路のサーモスタットよりも下流
部分に接続された暖房用冷却水通路と、前記暖房用冷却
水通路に設けられ、同通路から流入した冷却水の熱を放
射する暖房装置用の放熱器と、前記バイパス通路におけ
る暖房用冷却水通路の分岐部分に設けられ、前記暖房装
置の停止時には暖房用冷却水通路を閉塞するとともにバ
イパス通路を開放し、前記暖房装置の作動時には暖房用
冷却水通路を開放するとともにバイパス通路を部分的に
開放する切換え弁とを備えている。
【0013】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発
明における切換え弁に代えて、前記暖房用冷却水通路の
前記放熱器よりも上流に設けられ、前記暖房装置の停止
時には暖房用冷却水通路を閉塞し、前記暖房装置の作動
時には暖房用冷却水通路を開放する開閉弁と、前記バイ
パス通路における暖房用冷却水通路の分岐部分及び前記
サーモスタット間に設けられ、前記暖房装置の作動時に
は、同暖房装置の停止時よりもバイパス通路の流路面積
を小さくして冷却水の流通抵抗を大きくする可変絞り部
材とを備えている。
【0014】
【作用】第1の発明では、暖房装置の作動時であり、か
つ冷却水の温度が所定値以下の場合、サーモスタットは
第二通路を閉塞し、バイパス通路及び第二通路間を連通
させる。切換え弁は暖房用冷却水通路を開放し、バイパ
ス通路を部分的に開放する。
【0015】第二通路の閉塞によりラジエータへの冷却
水の流入が遮断されるので、冷却水は第一通路からバイ
パス通路へ流れ込む。この際、切換え弁によるバイパス
通路の開放が部分的なものであることから、この切換え
弁が冷却水の流通の抵抗となる。そして、暖房用冷却水
通路における放熱器よりも上流側での冷却水の圧力が、
下流側での冷却水の圧力よりも高くなる。このため、第
一通路からバイパス通路へ流れ込んだ冷却水の一部は確
実に暖房用冷却水通路、放熱器を順に経て第二通路へ至
る。また、バイパス通路へ流れ込んだ冷却水の残りの部
分はサーモスタットを経て第二通路へ流れる。バイパス
通路及び暖房用冷却水通路からそれぞれ第二通路へ流入
した冷却水は合流してウォータジャケットへ導かれる。
【0016】この際、放熱器では、暖房用冷却水通路か
ら流入した冷却水の熱が放射される。従って、エンジン
始動時等の冷却水温の低い場合であっても、単位時間当
たりに放熱器から放射される熱量が多く、暖房装置にて
効率の良い暖房が行われる。
【0017】暖房装置の作動時であり、かつ冷却水の温
度が前記所定値よりも高い場合、サーモスタットは第二
通路を開放し、バイパス通路及び第二通路間の連通を遮
断する。切換え弁は、前記と同様に暖房用冷却水通路を
開放し、バイパス通路を部分的に開放する。
【0018】バイパス通路から第二通路への冷却水の流
入が遮断されるので、冷却水の一部は、ウォータジャケ
ット、第一通路、ラジエータ及び第二通路を循環する。
冷却水がウォータジャケットを通過する際に、冷却水と
エンジンとの間で熱交換が行われ、エンジンが冷却され
る。この熱交換により昇温した冷却水がラジエータを通
過する際に放熱が行われ、冷却水の温度が低下する。ま
た、冷却水の一部は、第一通路の途中からバイパス通路
へ入り込み、暖房用冷却水通路、放熱器を順に経て第二
通路へ至る。暖房用冷却水通路に流入した冷却水の熱は
放熱器で放射される。
【0019】暖房装置の停止時であり、かつ冷却水の温
度が前記所定値以下の場合、サーモスタットは第二通路
を閉塞し、バイパス通路及び第二通路間を連通させる。
切換え弁は暖房用冷却水通路を閉塞し、バイパス通路を
開放する。
【0020】第二通路の閉塞によりラジエータへの冷却
水の流入が遮断されるので、冷却水は第一通路からバイ
パス通路へ流れ込む。この冷却水は、暖房用冷却水通路
が閉塞されていることから放熱器へは流れない。このた
め、バイパス通路へ流れ込んだ全部の冷却水は、そのま
まバイパス通路及び第二通路を経てウォータジャケット
へ導かれる。従って、冷却水はラジエータでも放熱器で
も熱が奪われないので、急速に昇温する。その結果、エ
ンジンの早期の暖機が可能となる。
【0021】暖房装置の停止時であり、かつ冷却水の温
度が所定値よりも高い場合、サーモスタットは第二通路
を開放し、バイパス通路及び第二通路間の連通を遮断す
る。切換え弁は前記と同様に暖房用冷却水通路を閉塞
し、バイパス通路を開放する。
【0022】バイパス通路から第二通路への冷却水の流
入が遮断され、バイパス通路から暖房用冷却水通路への
冷却水の流入が遮断される。このため、冷却水が第一通
路から分岐してバイパス通路へ流入することがない。従
って、ほぼ全量の冷却水は、ウォータジャケット、第一
通路、ラジエータ及び第二通路を循環する。冷却水が有
する熱はラジエータにて効率良く放射される。
【0023】このように、第1の発明では第二通路とバ
イパス通路との合流部分にサーモスタットが配設され、
そのサーモスタットの上流に切換え弁が直列に配置され
ている。そして、サーモスタットは第二通路を開放及び
閉塞する以外にもバイパス通路を自動的に開放及び閉塞
する。このため、切換え弁によってバイパス通路を開放
及び閉塞する必要がない。切換え弁は暖房装置の作動時
に暖房用冷却水通路を開放し、暖房装置の停止時に同冷
却水通路を閉塞するだけでよい。
【0024】そして、これらの冷却水の温度に応じたサ
ーモスタットの動作と、暖房装置の作動状態に応じた切
換え弁の動作とによって、バイパス通路及び第二通路を
経てウォータジャケットへ流れる冷却水の量と、暖房用
冷却水通路を経て放熱器へ流れる冷却水の量とが調整さ
れる。
【0025】第2の発明では、切換え弁に代えて開閉弁
及び可変絞り部材が以下のようにして作動する。開閉弁
は、暖房装置の停止時に暖房用冷却水通路を閉塞し、暖
房装置の作動時に暖房用冷却水通路を開放する。可変絞
り部材は、暖房装置の作動時に、同暖房装置の停止時よ
りもバイパス通路の流路面積を小さくして冷却水の流通
抵抗を大きくする。
【0026】このように開閉弁は、第1の発明における
切換え弁の機能のうち、暖房装置の作動状態に応じて暖
房用冷却水通路を開放及び閉塞する機能を有する。ま
た、可変絞り部材は、切換え弁の機能のうち、暖房装置
の作動状態に応じてバイパス通路の流路面積を変更する
機能を有する。
【0027】従って、第2の発明においても第1の発明
と同様に、冷却水の温度に応じたサーモスタットの動作
と、暖房装置の作動状態に応じた開閉弁の動作と、暖房
装置の作動状態に応じた可変絞り部材の動作とによっ
て、バイパス通路及び第二通路を経てウォータジャケッ
トへ流れる冷却水の量と、暖房用冷却水通路を経て放熱
器へ流れる冷却水の量とが調整される。
【0028】
【実施例】
(第1実施例)以下、第1の発明を具体化した第1実施
例を図1〜図4に従って説明する。
【0029】図1には、複数の気筒を有するV型エンジ
ン(以下、単にエンジンという)1が模式的に示されて
いる。これらの気筒は二つのバンクに分けられ、各バン
クはクランクシャフト(図示しない)を中心としてV字
型に配されている。エンジン1では、燃料と空気との混
合気を燃焼させて熱エネルギを得、この熱エネルギを動
力に変換している。動力に変換されない熱エネルギの一
部は排気ガスとともに、あるいは摩擦損失として失わ
れ、残りはエンジン1の各部に吸収される。この吸収さ
れた熱によりエンジン1が過熱するのを防止するため
に、以下に示す水冷式の冷却装置が設けられている。
【0030】エンジン1のシリンダブロック2内には、
冷却水の通路であるウォータジャケット3が設けられて
いる。各シリンダヘッド4内には、前記ジャケット3に
連通した状態でウォータジャケット5が設けられてい
る。両ウォータジャケット5の下流端は合流して一本と
なっている。
【0031】エンジン1の前方(図1の左方)には、ア
ッパタンク6、コア7及びロアタンク8よりなるラジエ
ータ9が配置されている。コア7は、アッパタンク6及
びロアタンク8を連結する多数本のチューブ7aと、そ
れらのチューブ7aの周囲に設けられた冷却フィン7b
とを備えている。ウォータジャケット3,5を通過した
冷却水は、アッパタンク6、コア7及びロアタンク8の
順に流れる。
【0032】シリンダヘッド4内のウォータジャケット
5は第一通路11によってアッパタンク6に連通されて
いる。また、シリンダブロック2内のウォータジャケッ
ト3は第二通路12によってロアタンク8に連通されて
いる。これらのウォータジャケット3,5、第一通路1
1、ラジエータ9及び第二通路12により冷却水の循環
通路13が形成されている。
【0033】シリンダブロック2において、第二通路1
2とウォータジャケット3との接続部分には、うず巻き
ポンプよりなるウォータポンプ14が取付けられてい
る。ウォータポンプ14はプーリ、ベルト等によりクラ
ンクシャフトに連結されており、エンジン1の作動にと
もなうクランクシャフトの回転により作動する。ウォー
タポンプ14は、第二通路12内の冷却水を吸引してウ
ォータジャケット3へ吐出する。これらの吸引及び吐出
により、冷却水はウォータポンプ14を起点として循環
通路13内を循環する。この循環中、冷却水はウォータ
ジャケット3,5を通過する過程でエンジン1の熱を吸
収し昇温する。昇温した冷却水は、ラジエータ9のコア
7を通過する際に冷却フィン7bから熱を放射する。
【0034】第一通路11及び第二通路12はバイパス
通路15によって連通されており、第一通路11内の冷
却水がラジエータ9を迂回して、バイパス通路15を経
て第二通路12へ流通可能となっている。
【0035】前記第二通路12に対するバイパス通路1
5の合流部分15aにはサーモスタット16が配設され
ている。サーモスタット16は冷却水の温度に応じて作
動する感温弁であり、本実施例ではワックスの熱による
膨張・収縮を利用して弁体にて通路を開閉する、いわゆ
るワックス型のものが用いられている。ワックス型にか
えてベローズ型のサーモスタットを用いてもよい。
【0036】サーモスタット16は、冷却水の温度(冷
却水温)が予め定めた所定値以下のとき、第二通路12
を閉塞してラジエータ9からウォータジャケット3への
冷却水の流通を遮断するとともに、バイパス通路15を
開放して、同通路15から第二通路12への冷却水の流
通を許容する。サーモスタット16は、冷却水の温度が
前記所定値よりも高いとき、第二通路12を開放してラ
ジエータ9からウォータジャケット3への冷却水の流通
を許容するとともに、バイパス通路15を閉塞して、同
通路15から第二通路12への冷却水の流通を遮断す
る。
【0037】第一通路11と第二通路12のサーモスタ
ット16よりも下流部分とは、前記循環通路13よりも
流路面積の小さな補助通路17によって連通されてい
る。補助通路17の途中には、温度変化によって生ずる
冷却水の容積の変化を吸収するためのリザーバタンク1
8が配設されている。冷却水温が上昇して冷却水が体積
膨張すると、その膨張分は第一通路11から補助通路1
7を経てリザーバタンク18へ送り込まれ、そこで貯溜
される。その後、冷却水温が低下して、冷却水の体積が
小さくなると、リザーバタンク18内の冷却水が補助通
路17を経て第二通路12へ戻される。
【0038】バイパス通路15のサーモスタット16よ
りも上流部分からは暖房用冷却水通路19が分岐し、同
冷却水通路19は第二通路12のサーモスタット16よ
りも下流部分に接続されている。ウォータジャケット
3,5を通過して昇温した冷却水が、バイパス通路15
を経て暖房用冷却水通路19に流入可能となっている。
同冷却水通路19の途中には暖房装置20の放熱器21
が配設されており、昇温した冷却水はこの放熱器21を
通過する過程で熱を放射する。この放射により、ブロワ
(図示しない)から送風されて放熱器21の周囲を通過
する空気が温められて、暖房に利用される。
【0039】バイパス通路15における暖房用冷却水通
路19の分岐部分19aには切換え弁22が設けられて
いる。切換え弁22は、分岐部分19aに支持された軸
22aと、その軸22aに一体傾動可能に取付けられた
弁体22bとからなる。切換え弁22は、弁体22bの
傾動により次の二つの位置(閉塞位置、開放位置)を選
択的に採る。閉塞位置は、図3及び図4に示すように、
暖房用冷却水通路19を閉塞してバイパス通路15を大
きく開放する位置である。開放位置は、図1及び図2に
示すように、暖房用冷却水通路19を開放してバイパス
通路15を部分的に開放する(バイパス通路15の流路
面積を半分にする)位置である。
【0040】ここで、開放位置のときに切換え弁22に
よってバイパス通路15を閉塞せずに、同バイパス通路
15を半分開放させているのは以下の理由による。仮
に、バイパス通路15を閉塞すると、暖房用冷却水通路
19における放熱器21上流での冷却水の圧力と、下流
での冷却水の圧力との間に圧力差が生じにくい。このた
め、放熱器21が冷却水の流通の抵抗となり、切換え弁
22によって暖房用冷却水通路19が開放されているに
もかかわらず冷却水が同冷却水通路19を流れない。
【0041】これに対し、切換え弁22によってバイパ
ス通路15を幾分(この場合、半分)開放させれば、い
くらかの冷却水がバイパス通路15の切換え弁22下流
側へ流れる。この際、切換え弁22がしぼり(流通抵
抗)として作用し、その周辺の冷却水の圧力が上昇す
る。放熱器21上流での冷却水の圧力が下流での冷却水
の圧力よりも高くなり、冷却水が暖房用冷却水通路19
及び放熱器21を確実に流れることになる。
【0042】切換え弁22は暖房装置20の作動及び停
止に連動するようになっている。切換え弁22は、暖房
装置20の作動時に開放位置に保持され、暖房装置20
の停止時に閉塞位置に切換えられる。切換え弁22の作
動のために、以下の構成を採用することができる。例え
ば、暖房装置20の作動及び停止のために、人手によっ
て操作されるレバー式の操作スイッチを設ける。操作ス
イッチと切換え弁22とをケーブルによって機械的に連
結する。そして、同スイッチが操作されると、その操作
力をケーブルを介して切換え弁22に伝達し、切換え弁
22を動作させるようにしてもよい。
【0043】それ以外にも、暖房装置20の作動及び停
止のために、人手によって操作される押しボタン式の操
作スイッチを設ける。モータ等のアクチュエータに切換
え弁22を連結する。そして、操作スイッチとアクチュ
エータとを電気的に接続し、同スイッチの操作に応じて
アクチュエータを動作させ、切換え弁22を駆動するよ
うにしてもよい。
【0044】次に、前記のように構成された冷却装置の
作用及び効果を説明する。暖房装置20が作動してお
り、かつ冷却水温が所定値以下の場合、図1に示すよう
に、サーモスタット16は第二通路12を閉塞しバイパ
ス通路15を開放する。ラジエータ9からウォータポン
プ14への冷却水の流通が遮断され、バイパス通路15
から第二通路12への冷却水の流通が許容される。この
とき、切換え弁22の弁体22bは開放位置に保持さ
れ、暖房用冷却水通路19を開放し、バイパス通路15
を部分的に開放する。
【0045】第二通路12の閉塞によりラジエータ9へ
の冷却水の流入が遮断されるので、ウォータポンプ14
から吐出された冷却水は、ウォータジャケット3,5を
通り第一通路11の途中からバイパス通路15へ流れ込
む。この冷却水の一部は、切換え弁22を通過し、その
ままバイパス通路15を流れて第二通路12へ導かれ
る。この際のバイパス通路15の流路面積は、切換え弁
22の弁体22bが閉塞位置にある場合の流路面積の半
分である。このため、切換え弁22、バイパス通路15
を経て第二通路12へ流れる冷却水の量は少ない。
【0046】一方、弁体22bが冷却水の流通の抵抗と
なって、暖房用冷却水通路19における放熱器21の上
流と下流とで圧力差が生ずる。この圧力差に応じ、第一
通路11からバイパス通路15へ流れ込んだ冷却水の多
くは暖房用冷却水通路19、放熱器21を順に経て第二
通路12へ至る。バイパス通路15及び暖房用冷却水通
路19からそれぞれ第二通路12へ流入した冷却水は合
流してウォータポンプ14に吸引される。
【0047】この際、放熱器21では、暖房用冷却水通
路19からこの放熱器21に流入した冷却水の熱が放射
され、同放熱器21の周囲の空気が暖められて暖房に利
用される。従って、エンジン始動時等の冷却水温の低い
場合であっても、単位時間当たりに放熱器21から放射
される熱量が多くなり、暖房装置20の暖房効率が向上
する。
【0048】暖房装置20が作動しており、かつ冷却水
温が前記所定値よりも高い場合、図2に示すようにサー
モスタット16は第二通路12を開放しバイパス通路1
5を閉塞する。ラジエータ9からウォータポンプ14へ
の冷却水の流通が許容され、バイパス通路15から第二
通路12への冷却水の流通が遮断される。切換え弁22
の弁体22bは開放位置に保持され続け、暖房用冷却水
通路19を開放し、バイパス通路15を部分的に開放し
たままである。
【0049】ウォータポンプ14から吐出された冷却水
の一部は、ウォータジャケット3,5、第一通路11、
ラジエータ9及び第二通路12を循環する。また、残り
の冷却水は、第一通路11の途中からバイパス通路15
へ入り込み、暖房用冷却水通路19、放熱器21を順に
経て第二通路12へ至り、ラジエータ9からの冷却水と
合流する。合流した冷却水がウォータジャケット3,5
を通過する際に、エンジン1の各部と冷却水との間で熱
交換が行われ、エンジン1が冷却される。冷却水はこの
熱交換により昇温するが、ラジエータ9を通過する際に
熱を放射する。その結果、冷却水の温度が低下する。さ
らに、放熱器21に流入した冷却水の熱が放射され暖房
に利用される。
【0050】暖房装置20が停止しており、かつ冷却水
温が前記所定値以下の場合、図3に示すように、サーモ
スタット16は第二通路12を閉塞しバイパス通路15
を開放する。ラジエータ9からウォータポンプ14への
冷却水の流通が遮断され、バイパス通路15から第二通
路12への冷却水の流通が許容される。切換え弁22は
閉塞位置に切換えられ、暖房用冷却水通路19を閉塞
し、バイパス通路15を大きく開放する。
【0051】第二通路12の閉塞によりラジエータ9へ
の冷却水の流入が遮断されるので、ウォータポンプ14
から吐出された冷却水は、ウォータジャケット3,5を
通り第一通路11の途中からバイパス通路15へ流れ込
む。この冷却水は、暖房用冷却水通路19が閉塞されて
いることから放熱器21へは流れない。このため、バイ
パス通路15へ流れ込んだ全部の冷却水は、そのままバ
イパス通路15及び第二通路12を経てウォータポンプ
14に吸引される。従って、冷却水はラジエータ9でも
放熱器21でも熱が奪われないので、急速に昇温する。
その結果、エンジン1の早期の暖機が可能となる。
【0052】暖房装置20が停止しており、かつ冷却水
温が所定値よりも高い場合、図4に示すようにサーモス
タット16は第二通路12を開放し、バイパス通路15
を閉塞する。ラジエータ9からウォータポンプ14への
冷却水の流通が許容され、バイパス通路15から第二通
路12への冷却水の流通が遮断される。切換え弁22の
弁体22bは閉塞位置に保持され続け、暖房用冷却水通
路19を閉塞しバイパス通路15を大きく開放する。
【0053】このため、ウォータポンプ14から吐出さ
れてウォータジャケット3,5を通過した後の冷却水
が、第一通路11から分岐してバイパス通路15へ流れ
ることはない。これにともない、冷却水が放熱器21へ
流れることもない。従って、ほぼ全量の冷却水は、ウォ
ータジャケット3,5、第一通路11、ラジエータ9及
び第二通路12を循環する。冷却水が有する熱はラジエ
ータ9にて効率良く放射される。
【0054】このように、本実施例では第二通路12に
対するバイパス通路15の合流部分15aにサーモスタ
ット16を配設し、その上流に切換え弁22を直列に配
置している。そして、第二通路12を開放及び閉塞する
ためのサーモスタット16によって、バイパス通路15
をも自動的に開放及び閉塞するようにしている。このた
め、切換え弁22によってバイパス通路15を開放及び
閉塞する必要がない。切換え弁22は暖房装置20の作
動時に暖房用冷却水通路19を開放し、暖房装置20の
停止時に同冷却水通路19を閉塞するだけですむ。
【0055】そして、これらの冷却水温に応じたサーモ
スタット16の動作と、暖房装置20の作動状態に応じ
た切換え弁22の動作とによって、バイパス通路15を
経てウォータジャケット3,5へ流れる冷却水の流量
と、暖房用冷却水通路19を経て放熱器21へ流れる冷
却水の流量とを調整することができる。
【0056】また、従来技術では、暖房装置41の作動
状態と冷却水温とに基づいて切換え弁44を動作させる
ために、コントローラ47等を用いた複雑な制御(電子
制御等)が必要であった。これに対し本実施例では、暖
房装置20の作動状態のみに対応して切換え弁22を動
作させればよいことから、前記のような複雑な制御を行
わなくても、同切換え弁22を暖房装置20に連動させ
るだけですむ。つまり、暖房装置20の作動のための既
存のケーブルやレバー式の操作スイッチを利用して、切
換え弁22を動作させることができる。これにともない
従来技術で用いた水温センサ46やコントローラ47が
不要となる。
【0057】さらに、エンジン1を通過した直後の高温
の冷却水を放熱器21に供給し、同放熱器21から多く
の熱を放射させ、効率の良い暖房を行うことができる。 (第2実施例)次に、第2の発明を具体化した第2実施
例を図5〜図8に従って説明する。
【0058】第2実施例では、切換え弁22に代えて開
閉弁23及び可変絞り部材24を用いている点が第1実
施例と異なっている。なお、第1実施例と同様の部材に
ついては同一の番号を付して説明を省略する。
【0059】図5に示すように、暖房用冷却水通路19
の放熱器21よりも上流には開閉弁23が配設されてい
る。開閉弁23は、同冷却水通路19に支持された軸2
3aと、その軸23aに取付けられた弁体23bとから
なる。軸23aと暖房装置20のレバー式の操作スイッ
チとは、開閉弁用のケーブルによって連結されている。
そして、暖房装置20の作動及び停止のために操作スイ
ッチが人手によって操作されると、その操作力が同ケー
ブルを介して軸23aに伝達されて、弁体23bが軸2
3aと一体で回動するようになっている。
【0060】開閉弁23は、弁体23bの回動により、
図5及び図6に示すように暖房用冷却水通路19を全開
にする開放位置と、図7及び図8に示すように同冷却水
通路19を塞ぐ閉塞位置とを選択的に採る。開閉弁23
は、暖房装置20の作動時に開放位置に保持され、暖房
装置20の停止時に閉塞位置に切換えられるように設定
されている。
【0061】バイパス通路15において、暖房用冷却水
通路19の分岐部分19aとサーモスタット16との間
には可変絞り部材24が配設されている。可変絞り部材
24はバイパス通路15に支持された軸24aと、その
軸24aに取付けられた弁体24bとからなる。軸24
aと前記操作スイッチとは可変絞り部材用のケーブルに
よって連結されている。そして、暖房装置20の作動及
び停止のために操作スイッチが人手によって操作される
と、その操作力が同ケーブルを介して軸24aに伝達さ
れて、弁体24bが軸24aと一体で回動するようにな
っている。
【0062】従って、一つの操作スイッチが手動操作さ
れると、その操作力が二本のケーブルを介して軸23
a,24aに伝達されて、開閉弁23及び可変絞り部材
24の各位置が切り換えられることになる。
【0063】可変絞り部材24は、弁体24bの回動に
より、図7及び図8に示すようにバイパス通路15を大
きく開放する全開位置と、図5及び図6に示すようにバ
イパス通路15を約半分開放する半開位置とを選択的に
採る。可変絞り部材24が半開位置に保持されると、全
開位置に保持されたときよりもバイパス通路15の流路
面積が小さくなって、冷却水の流通抵抗が大きくなる。
可変絞り部材24は、暖房装置20の停止時に全開位置
に保持され、暖房装置20の作動時に半開位置に切換え
られるように設定されている。
【0064】次に、前記のように構成された第2実施例
の作用及び効果を説明する。図5は暖房装置20が作動
し、かつ冷却水温が所定値以下の場合の冷却装置の状態
を示しており、第1実施例での図1に対応している。こ
の状態では、開閉弁23の弁体23bは開放位置に保持
され、暖房用冷却水通路19を開放している。可変絞り
部材24の弁体24bは半開位置に保持され、バイパス
通路15の流路面積を小さくしている。
【0065】ウォータポンプ14から吐出された冷却水
は、ウォータジャケット3,5を通り第一通路11の途
中からバイパス通路15へ流れ込む。この冷却水の一部
は、可変絞り部材24を通過し、そのままバイパス通路
15を流れて第二通路12へ導かれる。この際のバイパ
ス通路15の流路面積は、可変絞り部材24の弁体24
bが全開位置にある場合の流路面積の半分である。この
ため、可変絞り部材24、バイパス通路15を経て第二
通路12へ流れる冷却水の量は少ない。
【0066】一方、弁体24bが冷却水の流通の抵抗と
なって、暖房用冷却水通路19における放熱器21の上
流と下流とで圧力差が生ずる。この圧力差に応じ、第一
通路11からバイパス通路15へ流れ込んだ冷却水の多
くは、開閉弁23、暖房用冷却水通路19、放熱器21
を順に経て第二通路12へ至る。バイパス通路15及び
暖房用冷却水通路19からそれぞれ第二通路12へ流入
した冷却水は合流してウォータポンプ14に吸引され
る。
【0067】従って、エンジン始動時等の冷却水温の低
い場合であっても、単位時間当たりに放熱器21から放
射される熱量が多くなり、暖房装置20の暖房効率が向
上する。
【0068】図6は暖房装置20が作動し、かつ冷却水
温が所定値よりも高い場合の冷却装置の状態を示してお
り、第1実施例での図2に対応している。この状態で
は、開閉弁23及び可変絞り部材24の切換え位置が図
5と同じである。
【0069】ウォータポンプ14から吐出された冷却水
の一部は、ウォータジャケット3,5、第一通路11、
ラジエータ9及び第二通路12を循環する。また、残り
の冷却水は、第一通路11の途中からバイパス通路15
へ入り込み、開閉弁23、暖房用冷却水通路19、放熱
器21を順に経て第二通路12へ至り、ラジエータ9か
らの冷却水と合流し、ウォータポンプ14に吸引され
る。
【0070】冷却水がウォータジャケット3,5を通過
する際に、エンジン1の各部が冷却される。ウォータジ
ャケット3,5を通過して昇温した冷却水はラジエータ
9を通過する際に熱を放射する。
【0071】図7は暖房装置20が停止し、かつ冷却水
温が前記所定値以下の場合の冷却装置の状態を示してお
り、第1実施例での図3に対応している。この状態で
は、開閉弁23が開放位置から閉塞位置に切換えられ、
暖房用冷却水通路19を閉塞する。可変絞り部材24は
半開位置から全開位置に切換えられ、バイパス通路15
の流路面積を大きくする。
【0072】ウォータポンプ14から吐出された冷却水
は、ウォータジャケット3,5を通り、第一通路11の
途中からバイパス通路15へ流れ込む。この冷却水は、
暖房用冷却水通路19が閉塞されていることから放熱器
21へは流れない。このため、バイパス通路15へ流れ
込んだ全部の冷却水は、そのまま可変絞り部材24、バ
イパス通路15及び第二通路12を経てウォータポンプ
14に吸引される。従って、冷却水はラジエータ9でも
放熱器21でも熱が奪われないので、急速に昇温する。
その結果、エンジン1の早期の暖機が可能となる。
【0073】図8は暖房装置20が停止し、かつ冷却水
温が所定値よりも高い場合の冷却装置の状態を示してお
り、第1実施例での図4に対応している。この状態で
は、開閉弁23及び可変絞り部材24の切換え位置が図
7と同じである。
【0074】このため、ウォータポンプ14から吐出さ
れてウォータジャケット3,5を通過した後の冷却水
が、第一通路11から分岐してバイパス通路15へ流れ
ることはない。これにともない、冷却水が放熱器21へ
流れることもない。従って、ほぼ全量の冷却水は、ウォ
ータジャケット3,5、第一通路11、ラジエータ9及
び第二通路12を循環する。冷却水が有する熱はラジエ
ータ9にて効率良く放射される。
【0075】このように開閉弁23は、第1実施例にお
ける切換え弁22の機能のうち、暖房装置20の作動状
態に応じて暖房用冷却水通路19を開放及び閉塞する機
能を有する。また、可変絞り部材24は、切換え弁22
の機能のうち、暖房装置20の作動状態に応じてバイパ
ス通路15の流路面積を変更する機能を有する。
【0076】従って、第2実施例においても第1実施例
と同様に、高温の冷却水を放熱器21に供給して効率の
良い暖房を行うことができる。また、冷却水の温度に応
じたサーモスタット16の動作と、暖房装置20の作動
状態に応じた開閉弁23の動作と、暖房装置20の作動
状態に応じた可変絞り部材24の動作とによって、バイ
パス通路15及び第二通路12を経てウォータジャケッ
ト3,5へ流れる冷却水の量と、暖房用冷却水通路19
を経て放熱器21へ流れる冷却水の量とを調整できる。
【0077】さらに、第2実施例では暖房装置20の作
動のためのケーブルやレバー式の操作スイッチを利用し
て、開閉弁23及び可変絞り部材24を動作させること
ができる。このため、従来技術で用いた水温センサ46
やコントローラ47や複雑な制御は不要となる。
【0078】なお、第1及び第2の発明は次に示す別の
実施例に具体化することができる。 (1)第1及び第2の発明は、冷却水を用いて冷却を行
うエンジンであれば、その形式や燃料の種類にかかわら
ず適用できる。
【0079】(2)第1実施例での切換え弁22の開放
位置は、必ずしもバイパス通路15の流路面積を最大時
(暖房用冷却水通路19が切換え弁22によって閉塞さ
れるとき)の半分にする位置でなくてもよい。切換え弁
22によってバイパス通路15が若干でも開放されれば
よい。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明では、第
二通路に対するバイパス通路の合流部分にサーモスタッ
トを設け、バイパス通路のサーモスタット上流から暖房
用冷却水通路を分岐させ、その分岐部分に切換え弁を設
けている。
【0081】このため、エンジンの冷却水温に関係な
く、暖房装置の作動状態のみに応じて切換え弁を動作さ
せることができる。そして、切換え弁の動作のための複
雑な制御を不要にできる。また、エンジンを通過した直
後の高温の冷却水を放熱器に供給し、放熱器から多くの
熱を放射させ、効率の良い暖房を行うことができる。
【0082】第2の発明では、第1の発明の切換え弁に
代えて暖房用冷却水通路に開閉弁を設けるとともに、バ
イパス通路に可変絞り部材を設けている。このため、高
温の冷却水を放熱器に供給して効率の良い暖房を行いつ
つ、エンジンの冷却水温に関係なく、暖房装置の作動状
態のみに応じて開閉弁及び可変絞り部材を動作させるこ
とができる。そして、これらの開閉弁及び可変絞り部材
の各動作のための複雑な制御を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明を具体化した第1実施例において、
暖房装置が作動し、かつ冷却水温が所定値以下の場合の
冷却装置の状態を示す概略構成図である。
【図2】第1実施例における暖房装置が作動し、かつ冷
却水温が所定値よりも高い場合の冷却装置の状態を示す
概略構成図である。
【図3】第1実施例における暖房装置が停止し、かつ冷
却水温が所定値以下の場合の冷却装置の状態を示す概略
構成図である。
【図4】第1実施例における暖房装置が停止し、かつ冷
却水温が所定値よりも高い場合の冷却装置の状態を示す
概略構成図である。
【図5】第2の発明を具体化した第2実施例において、
暖房装置が作動し、かつ冷却水温が所定値以下の場合の
冷却装置の状態を示す概略構成図である。
【図6】第2実施例における暖房装置が作動し、かつ冷
却水温が所定値よりも高い場合の冷却装置の状態を示す
概略構成図である。
【図7】第2実施例における暖房装置が停止し、かつ冷
却水温が所定値以下の場合の冷却装置の状態を示す概略
構成図である。
【図8】第2実施例における暖房装置が停止し、かつ冷
却水温が所定値よりも高い場合の冷却装置の状態を示す
概略構成図である。
【図9】従来のエンジンの冷却装置を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1…エンジン、3,5…ウォータジャケット、9…ラジ
エータ、11…第一通路、12…第二通路、13…循環
通路、14…ウォータポンプ、15…バイパス通路、1
5a…合流部分、16…サーモスタット、19…暖房用
冷却水通路、19a…分岐部分、20…暖房装置、21
…放熱器、22…切換え弁、23…開閉弁、24…可変
絞り部材。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水冷式エンジンのウォータジャケット、
    第一通路、ラジエータ及び第二通路により形成された循
    環通路と、 前記循環通路内の冷却水を強制的に循環させるウォータ
    ポンプと、 前記第一通路及び第二通路間を連通させるバイパス通路
    と、 前記第二通路に対するバイパス通路の合流部分での冷却
    水の温度に応じて作動する弁であり、同冷却水の温度が
    予め定めた所定値以下のときには、第二通路を閉塞して
    ラジエータからウォータジャケットへの冷却水の流通を
    遮断し、かつバイパス通路を開放して同バイパス通路か
    ら第二通路への冷却水の流通を許容し、前記冷却水の温
    度が前記所定値よりも高いときには、第二通路を開放し
    てラジエータからウォータジャケットへの冷却水の流通
    を許容し、かつ前記バイパス通路を閉塞してそのバイパ
    ス通路から第二通路への冷却水の流通を遮断するサーモ
    スタットと、 前記バイパス通路のサーモスタットよりも上流部分から
    分岐し、前記循環通路のサーモスタットよりも下流部分
    に接続された暖房用冷却水通路と、 前記暖房用冷却水通路に設けられ、同通路から流入した
    冷却水の熱を放射する暖房装置用の放熱器と、 前記バイパス通路における暖房用冷却水通路の分岐部分
    に設けられ、前記暖房装置の停止時には暖房用冷却水通
    路を閉塞するとともにバイパス通路を開放し、前記暖房
    装置の作動時には暖房用冷却水通路を開放するとともに
    バイパス通路を部分的に開放する切換え弁とを備えた水
    冷式エンジンの冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記切換え弁に代えて、 前記暖房用冷却水通路の前記放熱器よりも上流に設けら
    れ、前記暖房装置の停止時には暖房用冷却水通路を閉塞
    し、前記暖房装置の作動時には暖房用冷却水通路を開放
    する開閉弁と、 前記バイパス通路における暖房用冷却水通路の分岐部分
    及び前記サーモスタット間に設けられ、前記暖房装置の
    作動時には、同暖房装置の停止時よりもバイパス通路の
    流路面積を小さくして冷却水の流通抵抗を大きくする可
    変絞り部材とを備えた請求項1に記載の水冷式エンジン
    の冷却装置。
JP8061194A 1994-04-19 1994-04-19 水冷式エンジンの冷却装置 Pending JPH07286519A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8061194A JPH07286519A (ja) 1994-04-19 1994-04-19 水冷式エンジンの冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8061194A JPH07286519A (ja) 1994-04-19 1994-04-19 水冷式エンジンの冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07286519A true JPH07286519A (ja) 1995-10-31

Family

ID=13723135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8061194A Pending JPH07286519A (ja) 1994-04-19 1994-04-19 水冷式エンジンの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07286519A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002051907A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Microorganism Science Laboratory Incorporated Plastiques biodegradables

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002051907A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Microorganism Science Laboratory Incorporated Plastiques biodegradables

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050028756A1 (en) Engine cooling system
JPH08218873A (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2007085457A (ja) トランスミッションのオイル温度調整装置
JP3086929B2 (ja) エンジンの冷却構造
JP2004324459A (ja) 車両用エンジン冷却装置
JP2950879B2 (ja) 内燃エンジンの冷却装置
JPH07286519A (ja) 水冷式エンジンの冷却装置
JP4292883B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP2001271644A (ja) エンジンのオイル温度調節方法及びオイル温度調節装置
JP3478140B2 (ja) 暖房装置
JP2993214B2 (ja) エンジンの冷却装置
JPS60128968A (ja) 内燃機関の吸気加熱装置
JP3104538B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2004301032A (ja) エンジンの冷却装置
JPH08158871A (ja) 内燃機関の冷却装置
JPS6344932B2 (ja)
JP4352882B2 (ja) エンジン冷却装置
JP3027740B2 (ja) 水冷式エンジンの冷却構造
JP6726059B2 (ja) エンジンの冷却システム
JP2001280132A (ja) 冷却水制御装置
JP4098023B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2002276482A (ja) エンジン吸気温度調整装置
JP2002188443A (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2001280133A (ja) 冷却水制御装置
JP2734695B2 (ja) 内燃機関の冷却装置