JPH07286284A - 塗装安定性が良好で溶接性、打抜性に優れる絶縁被膜付き電磁鋼板 - Google Patents

塗装安定性が良好で溶接性、打抜性に優れる絶縁被膜付き電磁鋼板

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JPH07286284A
JPH07286284A JP6081298A JP8129894A JPH07286284A JP H07286284 A JPH07286284 A JP H07286284A JP 6081298 A JP6081298 A JP 6081298A JP 8129894 A JP8129894 A JP 8129894A JP H07286284 A JPH07286284 A JP H07286284A
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森 ゆ か 小
Hideo Kobayashi
林 秀 夫 小
Katsuro Yamaguchi
口 勝 郎 山
Norio Kosuge
菅 詔 雄 小
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塗装安定性に優れ、溶接性、打抜き性等の絶縁
被膜特性に優れる絶縁被膜付き電磁鋼板を提供する。 【構成】架橋構造を形成し得る熱硬化性樹脂を含む樹脂
エマルジョン液と、クロム酸塩およびまたは重クロム酸
塩系水溶液と、還元剤とを混合した絶縁被膜を有する電
磁鋼板において、該樹脂エマルジョン中の樹脂固形分1
00重量部に対して全界面活性剤が2〜15重量部含有
されることを特徴とする塗装安定性、溶接性、打抜性に
優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装安定性、溶接性、
打抜性に優れたクロム酸塩−有機樹脂系の電気絶縁被膜
付き電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板の絶縁被膜は、電気絶縁性に優
れていることはもちろんのこと、最終製品としての性能
および製品製造過程で要求される性能等、種々の性能が
要求される。例えば、打ち抜き性、TIG溶接性、被膜
密着性、耐食性、耐熱性、耐スティキング性(鋼板同志
の載置時の融着性)、耐テンションパット性(テンショ
ンパットではさむ際の被膜の剥離性)、歪取り焼鈍後耐
食性等の性能が挙げられる。
【0003】これらの要求に応えるものとして、種々の
絶縁被膜の開発が行われている。特に、有機樹脂を含有
したクロム酸塩系絶縁被膜は、1コート1ベーク工程で
製造でき、無機系絶縁被膜に比較して打ち抜き性を格段
に向上させることができるので広く利用されている。例
えば、特公昭60−36476号公報には、少なくとも
1種の2価金属を含む重クロム酸塩系水溶液に、該水溶
液中のCrO3 :100重量部に対し有機樹脂として酢
酸ビニル/ベオバ比が90/10〜40/60の比率に
なる樹脂エマルジョンを樹脂固形分で5〜120重量部
および有機還元剤を10〜60重量部の割合で配合した
処理液を生地鉄板の表面に塗布し、常法による焼き付け
工程を経て得た電磁鋼板の絶縁被膜形成法が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなクロム酸
塩系薬剤に配合する有機樹脂として、従来から熱可塑性
樹脂が広く用いられている。これらの熱可塑性樹脂は比
較的低温下の焼き付け工程時に樹脂の熱分解反応が開始
するために被膜の耐食性、打抜性が劣化するという問題
点があった。
【0005】このような問題点を解決するためには、架
橋構造を有し熱分解反応が開始する温度が高い熱硬化性
有機樹脂の利用が考えられる。しかしながら、未架橋の
熱硬化性樹脂は分子中に水酸基、エポキシ基、アミノ基
等の反応基を多く含むものが大部分であるため、これを
クロム酸塩系薬剤に配合すると反応が生じる結果、樹脂
が凝集するという問題が生じ、工業が規模で実施する上
で重大な問題が新たに発生する。
【0006】これに関して、筆者らは、特願平5−20
385号出願として表面に電気絶縁性の被膜を有する電
磁鋼板であって、微分熱重量測定において試料を一定の
昇温速度で加熱する際の重量変化量が極大を示すピーク
温度が400℃以上であり、かつ耐クロム酸性を有する
樹脂微粒子エマルジョンと、少なくとも1種類の2価金
属を含むクロム酸塩系水溶液と、有機還元剤とを含有す
る処理液を電磁鋼板表面に塗布し、焼き付けしたことを
特徴とする溶接性の良好な電気絶縁被膜を有する電磁鋼
板を発明してクロム酸塩への安定性が良く、かつ溶接性
も高い電気絶縁被膜を実現した。
【0007】しかしながら、耐クロム酸性を有する樹脂
であっても、ロールコーター塗装のように大きな剪断力
がかかったり、液を攪拌、循環したときに泡が発生し
て、泡表面が乾燥したりして、長時間塗装操業するうち
には樹脂凝集物が発生してくるという問題が依然として
残されていた。
【0008】樹脂合成の分野では、エマルジョンの安定
性を向上させるために界面活性剤を使用することは常套
手段として用いられている。しかしながら、界面活性剤
の種類は非常に多く、使い方を誤ると逆に安定性を低下
することにもなりかねない。すなわち、特殊な樹脂に最
適な界面活性剤の選択は困難である。
【0009】これに関し、特公平1−20229号公報
には、無水クロム酸および重クロム酸塩の1種または2
種以上と合成樹脂エマルジョンを含む処理液で磁性板を
処理する絶縁皮膜の形成方法において、該処理液に該合
成樹脂固形分100重量部に対して2〜30重量部の界
面活性剤を含有させることを特徴とする電磁鋼板絶縁皮
膜の形成方法が開示されている。
【0010】樹脂エマルジョンの安定化には樹脂にあっ
た適切な界面活性剤の選択が重要であることを述べた
が、特公平1−20229号公報にはその組み合わせが
開示されていない。特願平5−20385号に開示され
ているような熱硬化性樹脂エマルジョンの場合、1種類
の界面活性剤のみで安定性を確保しようとしても良好な
安定性が得られない。また、安定性を少しでも上げるた
めに界面活性剤添加量を増量すると低温で分解する物質
が増加するため、溶接性が低下するという問題があっ
た。本発明の目的は上述した問題点を解決すべくなされ
たもので、塗装安定性が優れかつ、溶接性、打抜性等の
絶縁被膜性能に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を提供す
る。本発明はこれらの目的のうち少なくとも1つを解決
するものである。
【0011】
【課題解決のための手段】発明者らは、上記問題点を解
決するべく検討を進めた結果、塗装安定性が良好で溶接
性、打抜性にも優れたクロム酸塩−熱硬化性樹脂系絶縁
被膜用塗液を見いだした。すなわち、本発明は、架橋構
造を形成し得る熱硬化性樹脂を含む樹脂エマルジョン液
と、クロム酸塩およびまたは重クロム酸塩系水溶液と、
還元剤とを混合した絶縁被膜を有する電磁鋼板におい
て、該樹脂エマルジョン中の樹脂固形分100重量部に
対して全界面活性剤が2〜15重量部含有されることを
特徴とする塗装安定性、溶接性、打抜性に優れた絶縁被
膜付き電磁鋼板を提供する。
【0012】前記樹脂エマルジョン中の樹脂固形分が微
分熱重量測定において、試料を一定の昇温速度で加熱す
る際の重量変化量が極大を示すピーク温度が400℃以
上であることが好ましい。前記樹脂エマルジョンが、耐
クロム酸性を有する樹脂で樹脂粒子外層を被覆形成する
ことが好ましい。
【0013】前記界面活性剤の内の少なくとも20重量
%以上がポリプロピレングリコール系ノニオン界面活性
剤で、少なくとも25重量%以上がポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテルであり、かつ、前者の後者に
対する割合が0.3〜3であることが好ましい。前記ク
ロム酸塩およびまたは重クロム酸塩系水溶液をCrO3
換算で100重量部に対して前記樹脂エマルジョン液中
の樹脂固形分が5〜100重量部であることが好まし
い。前記絶縁被膜の付着量が0.2〜4g/m2 である
ことが好ましい。
【0014】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
の生地素材としては、電磁鋼板を用いる。
【0015】本発明で用いる処理液は、無水クロム酸、
クロム酸塩および重クロム酸塩の少なくとも1種を主剤
に用いた水溶液である。重クロム酸塩としては、ナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の
塩を用いるこができる。溶解させる2価金属の酸化物と
しては、例えば、MgO、CaO、ZnO等を、水酸化
物としては、例えば、Mg(OH)2 、Ca(O
H)2 、Zn(OH)2 等を、炭酸塩としては、MgC
3 、CaCO3 、ZnCO3 等をそれぞれあげること
ができる。これらを無水クロム酸、クロム酸塩および重
クロム酸塩の少なくとも1種を主剤に用いた水溶液に溶
解させて所望の重クロム酸塩水溶液とする。
【0016】重クロム酸塩のCr6+をCr3+に還元する
ために還元剤を添加する。種々の還元剤が使用可能であ
るが、有機還元剤が好適に適用できる。有機還元剤は、
CrO3 量100重量部に対して10〜60重量部の量
を用いる。有機還元剤は10重量部未満であると、還元
が不十分で被膜がベトついたりクロムが溶出して環境を
破壊する。一方、60重量部超であると処理液中で還元
反応が進行し、処理液がゲル化しやすくなる。有機還元
剤の種類は特に限定するものではないが、エチレングリ
コール、ショ糖、グリセリン等の多価有機アルコール類
が適している。
【0017】処理液中に配合する樹脂エマルジョンは、
架橋構造を形成し得る熱硬化性樹脂を含むことが必要で
ある。樹脂エマルジョン中の樹脂固形分100重量部に
対する全界面活性剤は2〜15重量部とする。2重量部
未満であるとエマルジョンの安定性が不足し、10重量
部超であると溶接性が低下する。
【0018】樹脂エマルジョン中の樹脂固形分は、微分
熱重量測定において、樹脂試料を一定の昇温速度で加熱
する際の重量変化量が極大を示すピーク温度が400℃
以上であることが好ましい。400℃未満であると、溶
接性が不足し、かつ、焼き付け時に樹脂が熱分解するの
で打抜性も劣る。樹脂の熱分解温度を上げるためには樹
脂内に架橋反応を形成させればよい。従って、熱硬化性
樹脂を用いるのがよいが、通常は架橋構造を形成し得る
熱硬化性樹脂は、未架橋の状態では分子中に水酸基、エ
ポキシ基等の官能基を多く含み耐クロム酸性が劣り、ク
ロム酸によりゲル化しやすいので、クロム酸と接する面
に耐クロム酸性を有する樹脂層が存在するコア・シェル
の2層構造を有する樹脂が好ましい。すなわち、内層
(コア)を形成する熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド
樹脂等があげられるが、これだけでなく架橋構造を形成
し得る各種の樹脂が利用できる。
【0019】さらに、樹脂粒子の外層(シェル)の耐ク
ロム酸性を有する樹脂は、内層の熱硬化性樹脂と一体化
してエマルジョン粒子になることが必要である。この条
件を満たすものとして1種以上のエチレン性不飽和カル
ボン酸とこれに共重合可能な1種以上の単量体から形成
される樹脂が該当する。エチレン性不飽和カルボン酸と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のよう
なエチレン性不飽和一塩基カルボン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマール酸のようなエチレン性不飽和二塩基
カルボン酸等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体と
しては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエ
ステルや、これと共重合し得るエチレン性不飽和結合を
有する他の単量体、例えばスチレン、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、アクリルアミド等があげられる。
【0020】このような樹脂エマルジョン中の界面活性
剤量は樹脂固形分100重量部に対して2〜15重量部
とする。界面活性剤量が2重量部未満であると塗装安定
性が劣り、15重量部超であると溶接性が低下する。界
面活性剤は樹脂と比較して低分子量であり熱分解ピーク
温度が低いため溶接時にガスが発生しやすくなる。用い
る界面活性剤としてはノニオン界面活性剤等が挙げら
れ、アニオン系界面活性剤が含まれていてもよい。特に
ポリプロピレングリコール系とポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル系を併用するのが好ましい。界面
活性剤量の少なくとも20重量%以上をポリプロピレン
グリコール系ノニオン界面活性剤、少なくとも25重量
%以上をポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテ
ルとするのが好ましい。樹脂エマルジョン中に加える界
面活性剤は、樹脂エマルジョンの合成時に加えてもよく
後で加えてもよい。また数回に分けて加えてもよい。合
成時に多量の界面活性剤を加えることは重合反応の妨げ
となる場合がある。これらの界面活性剤は2種を配合す
ることで格段に塗装安定性を向上できる。すなわち、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが全界面活
性剤量の25重量%未満であると塗装作業中に発生する
剪断力によって樹脂が凝集する。ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルは機械的な剪断力からの耐性を
向上するが、発泡しやすくなる。このため、泡が発生し
て消えるまでの時間が長くなり、泡が乾燥して凝集物が
発生する問題が生じる。そこで、泡切れを良くするため
にポリプロピレングリコール系ノニオン界面活性剤を共
存させる。ポリプロピレングリコール系ノニオン界面活
性剤が、全界面活性剤量の20重量%未満であると、泡
切れが悪く、泡表面で樹脂が凝集する問題が生じるだけ
でなく、泡として持ち出される廃液量が増加するため好
ましくない。
【0021】ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル(POEAPE)のポリプロピレングリコール系ノ
ニオン界面活性剤(PPG)に対する割合[POEAP
E/PPG]を0.3〜3、好ましくは0.5〜2とす
ることで2種の性質の異なる界面活性剤の相乗効果を引
き出し、塗装安定性を格別に向上することができる。ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、
アルキル部分の炭素数は特に規定されないが、例えば炭
素数7〜10のヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等
の例が挙げられる。ポリプロピレングリコール系ノニオ
ン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンとポリオキ
シプロピレンとのブロックポリマーでエチレンオキシド
とプロピレンオキシドの種々の比のものが適用可能であ
る。また、クロム酸塩およびまたは重クロム酸塩系水溶
液中CrO3 100重量部に対して樹脂エマルジョン液
中の樹脂固形分を5〜100、好ましくは10〜80重
量部とする。樹脂固形分が5重量部未満であると打抜性
が不足し、100重量部超であると歪取り焼鈍後の性能
が劣り、目付量が多い場合の溶接性も劣る。
【0022】以上の成分を調合して電磁鋼板上に塗布し
て焼き付けることにより被膜を形成させる。本発明の電
磁鋼板では塗液の安定性が良好になったので絶縁被膜形
成方法は工業的に一般に用いられるロールコーター法、
エアーナイフ法等種々の方法が用いられる。焼き付け方
法についても通常実施されるような300℃〜700℃
程度の乾燥雰囲気炉中で短時間で焼き付ける。
【0023】絶縁被膜の付着量は溶接性と打抜性の両立
の観点から0.2〜4、好ましくは0.4〜3g/m2
であることが好ましい。0.2g/m2 未満であると打
抜性が劣化し、4g/m2 超であると溶接性が劣化す
る。なお、被膜の耐熱性を一層向上させるために、ほう
酸、リン酸塩等を配合したり、歪取り焼鈍後の層間抵抗
を向上させるために、コロイダルシリカなどのコロイド
状物質を配合してもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0025】(実施例)耐食性 塩水噴霧(5%NaCl溶液)試験で赤錆面積率が10
%以上になる時間で評価した。 ◎:15時間以上 ○:7〜15時間 △:4〜7時間 ×:0〜4時間密着性 歪取り焼鈍(750℃×2時間N2 中)の処理前後で、
20mmφでの180°曲げ戻し試験をし、観測される
被膜剥離率で評価した。 ◎:剥離なし ○:〜剥離20% △:剥離20%〜剥離40% ×:剥離40%〜全面剥離
【0026】TIG溶接法 下記条件で溶接し、ブローホールの生じない最大溶接速
度で評価した。 電 極:Th−W 2.6mmφ 加圧力:100kg/cm2 電 流:120A シールドガス:Ar 61/min ◎:600mm/分 超 ○:400〜600mm/分 △:300〜400mm/分 ×:300mm/分未満打ち抜き性 15mmφスチールダイスにおいて、かえり高さが50
μmに達するまでの打ち抜き数で評価。 ◎:150万回超 ○:100万〜150万回 △:70万〜100万回 ×:70万回未満塗装安定性 3ロールナチュラルロールコーターで、ギャップ100
μmにて回転実験を行った。8時間操業後の泡表面での
樹脂凝集発生状態で評価した。
【0027】(参考例1)本発明に用いる樹脂エマルジ
ョン(E1)を下記の原料と製造方法で製造した。攪拌
機、還流コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を取り
つけた1.5Lの反応容器に下記の原料を仕込み溶解し
た。 脱イオン水 3240部 エマルゲン931(花王(株)ノニオン乳化剤) 10.0部 ネオゲンR(第一工業製薬(株)アニオン乳化剤) 4.0部 次いで、第1段目の乳化重合として下記の混合物を滴下
ロートに入れた。 ビスフェノール型エポキシ樹脂 100部 アクリル酸ブチル 200部 メタクリル酸メチル 100部 アクリル酸 8.0部 窒素ガスを流入しつつ、攪拌下に、反応装置内の温度を
60℃に昇温し、脱イオン水に溶解した2%濃度の過硫
酸カリウム水溶液を40部添加し、次いで滴下ロートに
入れたエポキシ樹脂とアクリル酸ブチル、メタクリル酸
メチルおよびアクリル酸の単量体の混合物の20%を加
えた。重合熱による温度上昇をウォーターバスにより制
御し、内温を30℃に保ちつつ、続いてエポキシ樹脂・
単量体混合物の残りと2%過硫酸カリウム水溶液80部
を2時間かけて滴下し、重合した。さらに80℃で2時
間保持した後、室温まで冷却して200メッシュ濾布で
濾過し、取り出して種粒子となる乳化重合体を得た。こ
のものは不揮発分濃度50.3wt%、pH2.8であ
った。同様な1.5Lの反応装置に上記で得た乳化重合
体452部および水125部を仕込んだ。次に第2段目
の乳化重合として、下記のエチレン性不飽和単量体を調
整し滴下ロートに入れた。 アクリル酸エチル 60部 メタクリル酸メチル 30部 ジメチルアミノエチルメタクリレート 2.0部 アクリル酸 1.0部 窒素ガスを流入しつつ、攪拌しながら反応装置内温を7
0℃に昇温し、別の滴下ロートに準備した2%過硫酸カ
リウム水溶液60部および上記単量体混合液を滴下して
重合した。これらの滴下は内温を70℃に保ちつつ2時
間で行なった。さらに、同温度で2時間保持後、室温ま
で冷却して200メッシュ濾布で濾過し、本発明に用い
る重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジ
ョンの樹脂固型分は48wt%であった。
【0028】(参考例2)本発明に用いる樹脂エマルジ
ョン(E2)を下記の原料と製造方法にて製造した。第
1段目に下記の混合物を使用した。 ビスフェノール型エポキシ樹脂 120部 アクリル酸エチル 300部 メタクリル酸メチル 120部 メタクリル酸 8.0部 第2段目に下記の混合物を使用した。 アクリル酸エチル 50部 メタクリル酸メチル 30部 メタクリル酸 2.0部 アクリル酸ブチル 2.0部 得られたエマルジョンの樹脂固型分は、52wt%であ
った。
【0029】(参考例3)本発明に用いる樹脂エマルジ
ョン(E3)を下記の原料と製造方法にて製造した。第
1段目に下記の混合物を使用した。第2段目は参考例1
と同様とした。 レゾール型フェノールホルムアルデヒド樹脂 100部 アクリル酸エチル 200部 メタクリル酸メチル 100部 メタクリル酸 8.0部
【0030】(参考例4)本発明に用いる樹脂エマルジ
ョン(E4)を下記の原料と製造方法にて製造した。第
1段目は参考例1と同様とした。第2段目に下記の混合
物を使用した。得られたエマルジョンの樹脂固型分は、
46wt%であった。 アクリル酸エチル 200部 メタクリル酸メチル 30部 ビニルピリジン 1.0部 アクリル酸 1.0部
【0031】(参考例5)本発明に用いる樹脂エマルジ
ョン(E5)を下記の原料と製造方法にて製造した。第
1段目は参考例1と同様とした。第2段目に下記の混合
物を使用した。得られたエマルジョンの樹脂固型分は、
46wt%であった。 アクリル酸エチル 50部 メタクリル酸メチル 30部 アクリルアミド 1.0部 アクリル酸 1.0部
【0032】(実施例および比較例)板厚0.5mmの
電磁鋼板の表面に表1の種々の成分、表2、表3に示す
界面活性剤および参考例で得られた樹脂エマルジョンを
それぞれ表4の量で混合した処理液を塗布した後、45
0℃の熱風炉にて80秒間焼付けて前記鋼板表面に絶縁
被膜を形成した。
【0033】なお、比較例に使用した樹脂は、下記のも
のである。 R1 ビスフェノール型エポキシ樹脂脂水性エマルジョ
ン(固型樹脂量40wt%) R2 酢酸ビニル樹脂水性エマルジョン(固型樹脂量4
5wt%) R3 レゾール型フェノール樹脂水性エマルジョン(固
型樹脂量53wt%) R4 ポリエステル樹脂水性エマルジョン(固型樹脂量
55wt%) R5 アクリル樹脂水性エマルジョン(固型樹脂量47
wt%) メチルアクリレート50重量部とブチルアクリレート3
0重量部の共重合物 R6 スチレン樹脂水性エマルジョン(固型樹脂量46
wt%)
【0034】
【表1】
【0035】
【0036】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板は以上説
明したように構成されているので、塗装安定性に優れ、
溶接性、打抜性等の絶縁被膜性能が優れており、モータ
ー、トランス等の用途をはじめ広く利用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 口 勝 郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 小 菅 詔 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋構造を形成し得る熱硬化性樹脂を含む
    樹脂エマルジョン液と、クロム酸塩およびまたは重クロ
    ム酸塩系水溶液と、還元剤とを混合した絶縁被膜を有す
    る電磁鋼板において、該樹脂エマルジョン中の樹脂固形
    分100重量部に対して全界面活性剤が2〜15重量部
    含有されることを特徴とする塗装安定性、溶接性、打抜
    性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。
  2. 【請求項2】前記樹脂エマルジョン中の樹脂固形分が微
    分熱重量測定において、試料を一定の昇温速度で加熱す
    る際の重量変化量が極大を示すピーク温度が400℃以
    上である請求項1記載の塗装安定性、溶接性、打抜性に
    優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。
  3. 【請求項3】前記樹脂エマルジョンが、耐クロム酸性を
    有する樹脂で樹脂粒子外層を被覆形成した樹脂粒子から
    なるエマルジョンである請求項1およびまたは2記載の
    塗装安定性、溶接性、打抜性に優れた絶縁被膜付き電磁
    鋼板。
  4. 【請求項4】前記界面活性剤の内の少なくとも20重量
    %以上がポリプロピレングリコール系ノニオン界面活性
    剤で、少なくとも25重量%以上がポリオキシエチレン
    アルキルフェニルエーテルであり、かつ、前者の後者に
    対する割合が0.3〜3である請求項1〜3のいずれか
    に記載の塗装安定性、溶接性、打抜性に優れた絶縁被膜
    付き電磁鋼板。
  5. 【請求項5】前記クロム酸塩およびまたは重クロム酸塩
    系水溶液をCrO3 換算で100重量部に対して前記樹
    脂エマルジョン液中の樹脂固形分が5〜100重量部で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の塗装安定性、溶接
    性、打抜性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。
  6. 【請求項6】前記絶縁被膜の付着量が0.2〜4g/m
    2 である請求項1〜5のいずれかに記載の塗装安定性、
    溶接性、打抜性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板。
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