JP2569860B2 - 電磁鋼板への絶縁皮膜の形成方法 - Google Patents

電磁鋼板への絶縁皮膜の形成方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電磁鋼板への絶縁皮膜の形成方法、特
に、打抜性、溶接性および耐熱性に優れた絶縁皮膜を電
磁鋼板の表面に形成することができる、電磁鋼板への絶
縁皮膜の形成方法に関するものである。
〔従来の技術〕
電磁鋼板は、モーターやトランス等の電気機器用鉄心
材として広く使用されている。電気機器用鉄心材は、絶
縁皮膜が形成された電磁鋼板を所望の形状に打抜き、次
いで、打抜いた電磁鋼板を積層し、次いで、積層した電
磁鋼板の側面を溶接することによって組み立てられる。
そして、必要に応じて、打抜きによる加工歪を除去する
ために、歪取り焼鈍が施される。
従って、電磁鋼板の表面に形成される絶縁皮膜は、優
れた電気絶縁性を有することは勿論、優れた打抜性、溶
接性および耐熱性を有していることが必要である。
従来から、これらの特性の向上を図るために、種々の
提案がなされているが、全ての特性を満足する絶縁皮膜
はなかった。即ち、無機系皮膜は、耐熱性および溶接性
に優れているものの、打抜性に劣り、一方、有機樹脂を
添加した無機−有機系絶縁皮膜は、打抜性に優れている
ものの、耐熱性および溶接性に劣っていた。
そこで、電磁鋼板の溶接性を向上させるために、特開
昭49−19078号公報に、次の事項が開示されている。即
ち、電磁鋼板の絶縁皮膜中に、2μm以上の粒径を有す
る有機樹脂粒子を混入させて、絶縁皮膜の粗さを調整
し、これによって、電磁鋼板の溶接時のガス抜けを良好
にして、電磁鋼板の溶接性を向上させる(以下、先行技
術1という)。
また、絶縁皮膜の粗さを調整する方法として、特公昭
62−34832号公報には、2から50μmの有機樹脂粒子
を、有機樹脂エマルジョンが添加混合された無機−有機
系溶液に予め添加し、このようにして調製した処理液を
電磁鋼板に塗布し、焼付ける方法が開示されている(以
下、先行技術2という)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、先行技術1は、次のような問題を有し
ている。即ち、大粒径の樹脂粒子を絶縁皮膜に混入させ
ると、絶縁皮膜中の樹脂の割合が増大して、溶接時のガ
ス発生量が増大する結果、表面粗さの調整でガス抜け性
が向上しても、充分な溶接性の改善効果は得られない。
また、打抜き時に大粒径の樹脂粒子が剥離し、打抜き金
型に剥離粉が付着して、金型の焼付きを生じさせる原因
となる。更に、歪取り焼鈍時に、大粒径の樹脂粒子が炭
化し、ガス化して、絶縁皮膜中に空洞が生じ、この結
果、焼鈍後の層間抵抗および耐食性が著しく低下する。
一方、先行技術2は、次のような問題を有している。
即ち、有機樹脂粒子が塊状で嵩比重が大きいために、分
散性が悪く、このために、処理液の保管および使用中
に、有機樹脂粒子が処理液タンク等内で凝集、沈澱し
て、処理液のポットライフの低下のみならず、凝集物の
付着による電磁鋼板の品質の低下を招く。
従って、この発明の目的は、打抜性、溶接性および耐
熱性に優れた絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に形成すること
ができる、電磁鋼板への絶縁皮膜の形成方法を提供する
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、クロム酸系化合物およびリン酸系化合物
のうちの少なくとも一種を主成分として含む無機系溶液
に、アクリル系、アルキッド系、オレフィン系、エポキ
シ系、酢酸ビニル系、スチレン系、フェノール系および
ベオバ系樹脂のうちの少なくとも一種からなる、内径が
0.05μm以上、外径が10μm以下の中空樹脂粒子を、前
記無機系溶液に3から30重量%添加混合して、処理液を
調製し、次いで、このようにして調製した前記処理液を
電磁鋼板の表面に塗布し、そして、焼付処理を施すこと
に特徴を有するものである。
この発明において使用する無機系溶液は、K,Ca,Mg,Al
等の水酸化物、酸化物、炭酸塩を、無水クロム酸、リン
酸に溶解したものからなる化合物の少なくとも一種を主
成分とする溶液からなっている。なお、耐熱性の向上を
図るために、ほう酸を添加しても良く、層間抵抗の向上
を図るために、シリカゾル、アルミナゾル等の酸化物ゾ
ルを添加してもよい。
この発明において使用する中空樹脂粒子は、アクリル
系、アルキッド系、オレフィン系、エポキシ系、酢酸ビ
ニル系、スチレン系、フェノール系およびベオバ系樹脂
の内のうちの少なくとも一種からなっている。
なお、上記ベオバ(VeoVa)系樹脂とは、炭素数が10
個前後の分岐脂肪酸のビニルエステルである。
上記中空樹脂粒子は、1段目で親水性モノマー、2段
目で疎水性モノマーを用いるシード重合法等によって製
造されたものを使用する。なお、中空樹脂粒子の製造方
法は、オーストラリア特許第455277号明細書、アメリカ
特許第3152280号明細書、特開昭51−129485号公報、あ
るいは、特開昭61−62510号公報等に開示されている。
この発明によれば、第1図に示すように、絶縁皮膜2
中に、所定の粒径を有する中空樹脂粒子3を所定量添加
することによって、電磁鋼板の打抜性、溶接性および耐
熱性が向上する。
この理由を以下に述べる。即ち、中空樹脂粒子3は、
柔軟な有機樹脂であり且つ中空であることから、打付き
時に自己潤滑作用が生じて、打抜性が向上する。しか
も、中空樹脂粒子は、これが中空であるが故に、中実の
樹脂粒子に比べて優れた自己潤滑作用を有するので、中
空樹脂粒子の添加量を低減させることができる。この結
果、溶接性時のガス発生量が減少して、溶接性が向上す
る。また、溶接時に中空樹脂粒子同士が連結して、ガス
の抜け道が形成されるので、この点からも溶接性が向上
する。
絶縁皮膜のベースは、無機質材であるために、本質的
に耐熱性は良い。歪取り焼鈍時に中空樹脂粒子の一部が
炭化し、ガス化しても、樹脂粒子が中空であるために、
従来の無機−有機系皮膜のように樹脂粒子が体積変化し
て、皮膜に亀裂が生じることが少ない。
次に、中空樹脂粒子の添加量を上述した範囲に限定し
た理由について説明する。中空樹脂粒子の最適添加量を
調べるために、次の試験を行った。
無機系溶液として、 無水クロム酸: 100重量部、 酸化マグネシウム: 30重量部、 ホウ酸: 25重量部、 エチレングリコール: 20重量部、 水: 1000重量部、 を使用し、中空樹脂粒子として、アクリル−スチレン系
樹脂を使用した。中空樹脂粒子の内径は、0.15μm、外
径は0.4μmであり、このような、中空樹脂粒子が凝集
して、最大径10μmの中空樹脂粒子群を形成している。
そして、中空樹脂粒子を,処理液中全固形分の0から
60重量%相当量、上記無機系溶液に添加し、このように
して調製した処理液を使用して、下記試験を行った。な
お、処理液中全固形分とは、無機径溶液中の固形分(加
熱残渣)と中空樹脂粒子との総量であり、中空樹脂粒子
の添加量は、処理液を鋼板の表面に塗布後、焼付けした
後も変化しない。
試験方法 0.3%Si含有電磁鋼板の表面に、上記処理液を塗布
し、400℃の温度で80秒間焼付け、電磁鋼板の表面に、
皮膜量2.2g/m2の絶縁皮膜を形成し、中空樹脂粒子の添
加量と電磁鋼板の打抜性、溶接性および耐熱性を、下記
方法によって調べた。
1)打抜性:下記条件で、電磁鋼板を連続打抜きしたと
きの、ブランクのかえり高さが50μmに達するまでの打
抜回数によって評価した。
打抜形状:10mmφ丸型、 金型:SKD−11、 打抜油:使用。
2)溶接性:下記条件で、積層した電磁鋼板をTIG溶接
したときの、溶接ビード部にブローホールが発生しない
最大溶接速度によって評価した。
コア締付圧:60kg/cm2 溶接電流:100A、 電極径:2.4mmφ。
3)耐熱性:試験片に、窒素雰囲気中で750℃の温度で
2時間、歪取り焼鈍を施したときの試験片の、JIS C 25
50第2法による層間抵抗によって評価した。
この結果を第2図に示す。第2図から明らかなよう
に、中空樹脂粒子の添加量が3から30重量%の範囲内
で、優れた打抜性、溶接性および耐熱性を示すことがわ
かる。
次に、中空樹脂粒子の粒径を、上述した範囲に限定し
た理由について説明する。
中空樹脂粒子の最適粒径を調べるために、次の試験を
行った。
無機系溶液として、 無水クロム酸: 100重量部、 酸化マグネシウム: 30重量部、 ホウ酸: 25重量部、 エチレングリコール: 20重量部、 水: 1000重量部、 を使用し、中空樹脂粒子として、下記のような、アクリ
ル−スチレン系樹脂製の粒径の異なる種々のものを使用
した。
内径:0.05μm、外径:10μmの粒径を有する中空樹
脂粒子。
内径:0.3μm、外径:0.6μmの粒径を有する中空樹
脂粒子。
内径:0.3μm、外径:0.6μmの粒径を有する中空樹
脂粒子が、最大径3μm以下の中空樹脂粒子群を形成し
たもの。
内径:0.3μm、外径:0.6μmの粒径を有する中空樹
脂粒子が、最大径10μm以下の中空樹脂粒子群を形成し
たもの。
内径:0.3μm、外径:0.6μmの粒径を有する中空樹
脂粒子が、最大径12μmの中空樹脂粒子群を形成したも
の。
内径:0.03μm、外径:1.8μmの粒径を有する中空
樹脂粒子。
上記からの各々の中空樹脂粒子を処理液中全固形
分の10重量%相当量、上記無機系溶液に添加し、このよ
うにして調製した処理液を使用して、下記試験を行っ
た。
試験方法 0.4%Si含有電磁鋼板の表面に、上記処理液を塗布
し、400℃の温度で80秒間焼付け、電磁鋼板の表面に、
2.0g/m2の絶縁皮膜を形成し、中空樹脂粒子の粒径の、
絶縁皮膜性能に及ぼす影響を、下記方法によって調べ
た。
1)打抜性:下記条件で、電磁鋼板を連続打抜きしたと
きの、ブランクのかえり高さが50μmに達するまでの打
抜回数によって評価した。
打抜形状:10mmφ丸型、 金型:SKD−11、 打抜油:使用。
2)溶接性:下記条件で、積層した電磁鋼板をTIG溶接
したときの、溶接ビード部にブローホールが発生しない
最大溶接速度によって評価した。
コア締付圧:60kg/cm2、 溶接電流:100A、 電極径:2.4mmφ。
3)耐熱性:試験片に、窒素雰囲気中で750℃の温度で
2時間、歪取り焼鈍を施したときの試験片の、JIS C 25
50第2法による層間抵抗によって評価した。
4)密着性:試験片を180゜曲げて、皮膜に剥離が生じ
ない最小曲げ径によって評価した。
5)占積率:JIS C 2550法。
6)歪取り焼鈍後の耐食性:試験片に、窒素雰囲気中で
750℃の温度で2時間、歪取り焼鈍を施した後、温度50
℃、湿度80%の恒温恒湿の試験槽内に20日間放置した後
の発錆面積(%)によって評価した。
また、比較のために、中空樹脂粒子を添加しない場
合、および、従来の、無機−有機系絶縁皮膜を代表して
アクリル−スチレン系樹脂エマルジョンを同様に10重量
%添加した場合について、上述した方法と同様な方法に
従って試験を行った。
この結果を第1表に示す。なお、第1表において、
からは、前述した中空樹脂粒子からを添加した処
理液を塗布した電磁鋼板であり、は、中空樹脂粒子を
添加しない処理液を塗布した鋼板であり、そして、
は、従来の、アクリル−スチレン系樹脂エマルジョン
を、上記からと同量添加した処理液を塗布した電磁
鋼板である。
第1表から明らかなように、中空樹脂粒子の径が本発
明範囲内の電磁鋼板からは、打抜性 溶接性および
耐熱性の全てにバランス良くに優れていることがわか
る。一方、比較鋼板は、打抜性および溶接性に優れて
いるものの耐熱性に劣っている。比較鋼板は、打抜性
および耐熱性に優れているものの溶接性に劣っている。
比較鋼板は、溶接性に優れているものの打抜性および
耐熱性に劣っている。そして、比較鋼板は、打抜性に
優れているものの溶接性および耐熱性に劣っている。
この発明においては、処理液中での中空樹脂粒子の分
散性および電磁鋼板に対する塗布濡れ性の向上を図るた
めに、HLB、即ち、親水性と親油性とのバランスが9以
上のノニオン界面活性剤を、処理液に含有させる。この
種のノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ン酸エステル等を使用する。
上記ノニオン界面活性剤を処理液中に含有させるに
は、中空樹脂の重合の際に含有させるか、中空樹脂粒子
を水に分散させ、エマルジョンとして添加する際に、そ
のエマルジョンに予め含有させるか、または、中空樹脂
粒子の添加後の処理液に含有させる。
HLBが9未満のノニオン界面活性剤は、その添加量が
増えても中空樹脂粒子の分散効果は向上は望めないばか
りか、発泡し易くなる。
上記ノニオン界面活性剤の添加量は、0.1重量%で
は、その添加効果が望めず、一方、20重量%を超える
と、発泡し易くなるばかりか、耐熱性が低下する。
この発明において、絶縁皮膜の焼付け時に、中空樹脂
粒子内の水が揮発して、絶縁皮膜内に所望の大きさの空
間が形成されるが、絶縁皮膜の焼付け時の電磁鋼板の加
熱速度が速いと、急激な水蒸気圧によって、中空樹脂粒
子が破壊される。また、突沸現象により、中空樹脂粒子
とベースの無機質材あるいは電磁鋼板との密着性が低下
して、打抜き時に中空樹脂粒子が絶縁皮膜から剥離す
る。
従って、電磁鋼板の温度が150℃になるまでは、3か
ら20℃/secの速度で徐々に中空樹脂粒子内の水分を揮発
させ、この後、250から450℃の温度範囲内で絶縁皮膜の
焼付けを完了する。これによって、絶縁皮膜内には、球
形に近い空間(ポアー)が形成される。
次に、この発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。
実施例1 0.4%Si含有電磁鋼板の表面に、下記組成からなる処
理液をロールコーターによって塗布し、次いで、インダ
クション方式の焼付炉で、板温が150℃になるまで12℃/
secの速度で加熱し、更に、150から300℃の温度範囲を2
8℃/secの速度で加熱し、かくして、電磁鋼板の表面に
皮膜量が、2.0g/m2の絶縁皮膜を形成した。
〔処理液〕
無水クロム酸: 100重量部、 酸化マグネシウム: 30重量部、 ホウ酸: 25重量部、 ポリエチレングリコール: 22重量部、 こはく酸: 11重量部、 中空樹脂粒子:最大径が10μmのアクリル−スチレン系
中空樹脂粒子群(単一粒子:内径0.15μm、外径0.4μ
m) 45重量部、 ノニオン界面活性剤 : ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2重量部、 水 : 1000重量部。
実施例2 1.2%Si含有電磁鋼板の表面に、下記組成からなる処
理液をスプレーによって塗布し、次いで、ゴムロールで
絞り、次いで、熱風焼付炉で板温が150℃に達するま
で、5から15℃/secの速度で加熱し、次いで、板温が43
0℃に達した時点で焼付けを停止し、かくして、電磁鋼
板の表面に、皮膜量が1.5g/m2の絶縁皮膜を形成した。
〔処理液〕
第一リン酸マグネシウム: 150重量部、 無水クロム酸: 23重量部、 酸化マグネシウム: 3重量部、 ホウ酸: 17重量部、 シリカゾル: 6重量部、 中空樹脂粒子:最大径が10μmのアクリル−スチレン系
中空樹脂粒子群(単一粒子:内径0.15μm、外径0.4μ
m) 8重量部、 ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエー
テル 1重量部、 水: 1000重量部。
比較例1 処理液中の中空樹脂粒子が、最大径が20μmのアクリ
ル−スチレン系中空樹脂粒子群(単一粒子:内径0.15μ
m、外径0.4μm)からなるものを使用した以外は、実
施例1と同じ条件で電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成し
た。
比較例2 処理液中にノニオン界面活性剤を含まないこと以外
は、実施例2と同じ条件で電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を
形成した。
比較例3 板温が150℃になるまでを36℃/secの速度で加熱した
以外は、実施例1と同じ条件で電磁鋼板の表面に絶縁皮
膜を形成した。
このようにして、絶縁皮膜を形成した、本発明の電磁
鋼板1、2および比較電磁鋼板1、2、3の各種性能の
結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、本発明鋼1および2は、
何れも各種性能がバランスして優れているのに対して、
比較鋼板1は、中空樹脂粒子が凝集した中空樹脂粒子群
の粒径が本発明範囲を超えて大きいので、歪取り焼鈍前
の層間抵抗が大きく、打抜性および溶接性に優れている
ものの、絶縁皮膜の密着性が悪く且つ歪取り焼鈍後の層
間抵抗が小さく、そして、歪取り焼鈍後の耐食性も劣っ
ている。比較鋼板2は、処理液に界面活性剤が含まれて
いないので、100cm2当たり3から5個の、直径1から3m
mの円形のハジキが生じ、このハジキによって、歪取り
焼鈍前後の層間抵抗が著しく小さく且つ焼取り焼鈍後の
耐食性に劣っている。比較鋼板3は、皮膜の焼付け時の
電磁鋼板の加熱速度が本発明を超えて速いので、歪取り
焼鈍前後の層間抵抗が著しく小さく、打抜性および溶接
性に劣り、絶縁皮膜の密着性が悪く、歪取り焼鈍後の耐
食性に劣っている。しかも、比較鋼板3の焼付け後の絶
縁皮膜の表面は、中空樹脂粒子の破裂粉と処理液の突沸
によってザラついており、光沢がなかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、打抜性、溶
接性および耐熱性に優れた絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に
形成することができるといった有用な効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明による電磁鋼板の断面図、第2図
は、打抜回数、最大溶接速度および層間抵抗と中空樹脂
粒子の添加量との関係を示すグラフである。図面におい
て、 1……電磁鋼板、2……絶縁皮膜、 3……中空樹脂粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重田 康弘 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 小野 隆俊 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−190572(JP,A) 特開 昭61−183479(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム酸系化合物およびリン酸系化合物の
    うちの少なくとも一種を主成分として含む無機系溶液
    に、アクリル系、アルキッド系、オレフィン系、エポキ
    シ系、酢酸ビニル系、スチレン系、フェノール系および
    ベオバ系樹脂のうちの少なくとも一種からなる、内径が
    0.05μm以上、外径が10μm以下の中空樹脂粒子を、前
    記無機系溶液に3から30重量%添加混合して、処理液を
    調製し、次いで、このようにして調製した前記処理液を
    電磁鋼板の表面に塗布し、そして、焼付処理を施すこと
    を特徴とする、電磁鋼板への絶縁皮膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記中空樹脂粒子の少なくとも一部は、凝
    集して、中空樹脂粒子群を形成し、前記中空樹脂粒子群
    の最大径は、10μmであることを特徴とする、請求項
    (1)記載の方法。
  3. 【請求項3】前記処理液は、HLB(HLB:新水性と新油性
    とバランス)が9以上のノニオン界面活性剤の少なくと
    も一種を、前記中空樹脂粒子の0.1から20%重量%含有
    しているものからなっていることを特徴とする、請求項
    (1)記載の方法。
  4. 【請求項4】前記焼付処理は、3から20℃/secの加熱速
    度で150℃の温度まで前記電磁鋼板を加熱し、次いで、2
    50から450℃の温度範囲まで加熱して、焼付けを完了す
    ることからなっていることを特徴とする、請求項(1)
    記載の方法。
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