JPH07286128A - 紙塗工用樹脂組成物 - Google Patents

紙塗工用樹脂組成物

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JPH07286128A
JPH07286128A JP7859194A JP7859194A JPH07286128A JP H07286128 A JPH07286128 A JP H07286128A JP 7859194 A JP7859194 A JP 7859194A JP 7859194 A JP7859194 A JP 7859194A JP H07286128 A JPH07286128 A JP H07286128A
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潤 白髪
Kanji Oyama
完治 大山
Yoshimasa Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【構成】スルホン酸基及び/またはサルフェート基含有
エチレン性不飽和単量体(a)の単独、またはこれと共
重合可能なエチレン性不飽和単量体(b)とを重合させ
た重合体(A)の存在下、水酸基含有エチレン性不飽和
単量体(B)及び該単量体(B)と共重合可能な他のエ
チレン性不飽和単量体(C)を、水性媒体中で重合した
重合体水分散液(D)を含んでなる紙塗工用樹脂組成物
に関する。 【効果】耐溶剤性、溶剤バリア性、耐ブロッキング性、
光沢に優れた皮膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙に塗工することによ
り、優れた耐溶剤性、耐ブロッキング性、光沢が得られ
る紙塗工用樹脂組成物に関するものである。
【0002】紙のカール防止剤、剥離紙のアンダーコー
ト剤など、被覆された面に耐溶剤性、耐ブロッキング性
が要求される用途に利用できる。
【0003】
【従来の技術】耐溶剤性、耐ブロッキング性と光沢付与
が必要な用途として、剥離紙のアンダーコート剤があ
る。
【0004】従来、剥離紙に使用されている剥離剤成分
としては、トルエン、キシレン、ヘキサン等の溶剤に希
釈したシリコーン剥離剤が使用されている。このシリコ
ーン剥離剤は高価であり、できるだけ少量の塗工量で十
分な剥離性を得る必要がある。
【0005】そのため、一般的には紙にシリコーン剥離
剤が浸透しないようアンダーコート剤層で目止め処理を
行ってからシリコーン剥離剤を塗工している。よって、
アンダーコート剤には、前記溶剤に対する溶剤バリア
性、耐溶剤性が要求される。
【0006】また、アンダーコート剤には、前記項目の
他に、塗工物保存時の耐ブロッキング性、剥離紙に高級
感を付与するための高度な光沢が要求されている。耐溶
剤性に優れた剥離紙用アンダーコート剤について、特開
平4−209682号公報には、水酸基を有するアクリ
ル酸エステルと、他のエチレン性不飽和単量体を乳化重
合して得られた共重合体エマルジョンを用いる方法が記
載されている。
【0007】しかしながら、前記公報記載のエマルジョ
ンをアンダーコート剤として用いた場合でも溶剤バリア
性、光沢がまだ充分満足であるとは言えない。前記公報
では、耐溶剤性を向上させるために、水酸基含有アクリ
ル酸エステル類を乳化重合しているが、該単量体の共重
合量を増加(例えば全重合性単量体中30重量%程度)
すると、得られるエマルジョンの重合安定性、及び保存
安定性が低下するため好ましくない。
【0008】エマルジョンの安定性低下は、比較的多量
の界面活性剤を使用することにより防止できるが、界面
活性剤に起因する遊離低分子量成分の増加により、耐溶
剤性が著しく低下し、溶剤バリア性が悪くなる。
【0009】また、界面活性剤を多量に使用すると、耐
湿性も悪化し、湿度が高い時などアンダーコート層のみ
で保存した場合、ブロッキングし易くなる欠点がある。
耐溶剤性を補う別の方法として、架橋性のある単量体を
共重合して、共重合体分子を架橋させ、3次元化する方
法がある。
【0010】しかしながら、紙塗工用に使用する場合、
耐溶剤性を向上させる程度の架橋を施すと、紙をリサイ
クルする際の再パルプ化を阻害する欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を克服し、樹脂塗工面に優れた溶剤バリア性と
耐ブロッキング性、光沢を付与する紙塗工用樹脂組成物
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れた溶
剤バリア性、耐溶剤性を発現し、耐ブロッキング性、光
沢が良好な皮膜を形成する水分散性樹脂について鋭意検
討したところ、通常の乳化重合で用いられる乳化分散剤
の代わりにスルホン酸基含有高分子分散剤を使用し、水
酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)を乳化重合する
ことにより安定なエマルジョンが得られ、耐溶剤性、耐
ブロッキング性に優れる皮膜を形成することを見いだ
し、発明を完成するに至った。
【0013】また、本発明によって得られた重合体水分
散液は、造膜性が良く、塗工面に優れた光沢が付与でき
ることを見いだした。すなわち、本発明はスルホン酸基
及び/またはサルフェート基含有エチレン性不飽和単量
体(a)を必須成分として重合した重合体(A)の存在
下、水性媒体中で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体
(B)と該単量体(B)と共重合可能なエチレン性不飽
和単量体(C)とを乳化重合した重合体粒子を含んでな
る、溶剤バリア性、耐溶剤性、耐ブロッキング性、光沢
に優れる紙塗工用樹脂組成物を提供するものである。
【0014】本発明で共重合体の必須成分として使用す
る水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)は、以下に
述べる様にモノマー種自体は、特開平4−209682
号公報に開示のあるものであるが、本発明においては、
単に該必須成分(B)を使用すれば良いというものでは
なく、乳化重合の際に使用する乳化分散剤として、スル
ホン酸基含有高分子分散剤を用いて、該必須成分(B)
を重合することにより、前記公報に開示される効果から
は想像できない様な相乗効果が得られるものである。
【0015】本発明で乳化分散剤として用いる重合体
(A)は、スルホン酸基及び/またはサルフェート基含
有エチレン性不飽和単量体(a)を単独、またはこれと
共重合可能なエチレン性不飽和単量体(b)とを重合さ
せて得られる化合物である。
【0016】スルホン酸基及び/またはサルフェート基
含有エチレン性不飽和単量体(a)としては、分子内に
スルホン酸基及び/またはサルフェート基(及び/また
はその塩)と、重合性不飽和基とを有するものであれば
特に制限されず、例えば、ビニルスルホン酸、スチレン
スルホン酸等のビニル基含有スルホン酸類またはその
塩、アリルスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等
のアリル基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)ア
クリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−ス
ルホプロピル等の(メタ)アクリレート基含有スルホン
酸類またはその塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチ
ルスルホン酸等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホ
ン酸類またはその塩、あるいは、一般的に反応性乳化剤
と称される、ラジカル重合可能な不飽和基を含有する乳
化剤で、親水性基としてスルホン酸基を有するものを用
いることもでき、これらの1種または2種以上の混合物
が使用できる。
【0017】重合体(A)を合成する際の重合性単量体
成分は、スルホン酸基及び/またはサルフェート基含有
エチレン性不飽和単量体(a)だけから構成されてもよ
いが、必要により共重合成分(b)として他の重合性単
量体を併用してもよい。
【0018】共重合成分(b)としては、例えば(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸等の不飽和酸類、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメ
チアミノルエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸
エステル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和酸アミド類また
はその誘導体、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カ
ルボン酸のニトリル類、スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物、N−ビニルピロリドン等が挙
げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用で
きる。
【0019】特に、共重合成分(b)としてカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体を使用すると、乳化重
合時のエマルジョンの安定性がより良好となり、また、
得られた皮膜の耐溶剤性も同時に向上させることができ
る。
【0020】共重合成分(b)として用いるカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体としては、分子内にカ
ルボキシル基及び/またはその塩と、重合性不飽和基と
を有するものであれば特に制限されず、例えば(メタ)
アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレ
イン酸もしくはこれらの半エステルまたはこれらの塩等
が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使
用できる。
【0021】また、重合体(A)を合成する際に、分子
量調整剤として、連鎖移動能を有する化合物、例えばメ
ルカプタン類等を添加してもよい。重合体(A)を製造
する方法は、その性状により、塊状重合、溶液重合、懸
濁重合いずれの方法でも製造することができるが、原料
及び生成物を均一に溶解する媒体を使用する方法が好ま
しい。
【0022】かかる媒体としては、使用する重合性単量
体及びラジカル重合開始剤を溶解し、ラジカル重合を阻
害しないものであれば使用でき、例えば、水を媒体とし
て用いると、得られた重合体(A)は脱溶剤処理する必
要がなく、そのまま乳化重合に使用でき、製造工程を簡
素化できる。
【0023】本発明の重合体水分散液の製造に用いられ
る水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)としては、
分子内に水酸基と、重合性不飽和基とを有するものであ
り、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール
モノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種
または2種以上の混合物が使用できる。
【0024】水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)
は、溶剤バリア性、耐溶剤性、耐ブロッキング性、造膜
性を著しく改善し、その使用量は、水酸基含有エチレン
性不飽和単量体(B)と該単量体と共重合可能な他のエ
チレン性不飽和単量体(C)との総計100重量部に対
し、10〜60重量部が好ましい。
【0025】重合性単量体(B)の使用量が10重量部
未満の場合、前記項目の改善効果が得られ難くなる。一
方、60重量部を越えて使用する場合は、乳化重合時の
重合安定性が悪化し凝集物が多量に発生したり、重合中
或は保存中にエマルジョンが固化(ゲル化)する場合も
あり、安定なエマルジョンが得られなくなる。
【0026】上記単量体(B)と共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体(C)としては、例えば(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸等の不飽和酸類、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸
エステル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和酸アミド類また
はその誘導体、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カ
ルボン酸のニトリル類、スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物、N−ビニルピロリドン等が挙
げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用で
きる。
【0027】特に、共重合成分(C)としてカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体を使用すると、得られ
るエマルジョンの安定性が向上し、また、耐溶剤性をさ
らに向上させることができる。
【0028】共重合成分(C)として用いるカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体としては、分子内にカ
ルボキシル基及び/またはその塩と、重合性不飽和基と
を有するものであれば特に制限されず、例えば(メタ)
アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレ
イン酸もしくはこれらの半エステルまたはこれらの塩等
が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使
用できる。
【0029】紙塗工用、特に紙のリサイクルが要求され
る用途に本発明の水分散性樹脂を使用する場合、樹脂が
架橋し3次元化していると、再パルプ化が阻害されるた
め、好ましくない。
【0030】従って、上記単量体(C)として架橋性官
能基を有する単量体、あるいは2つ以上のビニル基を有
する多官能性単量体の使用は、再パルプ化を悪化させる
原因となるので、その使用量を極力少なくする必要があ
る。
【0031】しかしながら耐溶剤性をさらに向上させる
には、樹脂を架橋させ、3次元化する方法が有効な手段
である。本発明では、上記単量体(C)としてカルボキ
シル基含有単量体を用い、得られた水分散性樹脂に多価
金属塩類を添加し、カルボキシル基と多価金属間に可逆
的なイオン架橋を施すことにより、再パルプ化を阻害せ
ず耐溶剤性が向上できることを見いだした。
【0032】添加する多価金属塩類としては、例えば亜
鉛、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ジルコニウ
ム、クロム、マグネシウム等の金属イオンがあり、これ
らの塩類、例えば硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩、炭
酸塩、ナフテン酸塩、脂肪酸塩、アンモニウム塩等の水
に溶解する多価金属塩が挙げられ、これらの1種または
2種以上の混合物が使用できる。
【0033】多価金属塩の添加量は、共重合したカルボ
キシル基に対して0.1〜2当量の添加が好ましい。上
記の重合体(A)を乳化分散剤として、単量体(B)及
び(C)を乳化重合する際の重合方法については、従来
公知のあらゆる乳化重合法、例えば、モノマー滴下法、
プレエマルジョン法、更にはシード重合法、多段重合法
などの方法により合成することができる。
【0034】乳化分散剤としての重合体(A)の使用量
は特に限定されないが、乳化重合に用いる水酸基含有エ
チレン性不飽和単量体(B)と該単量体と共重合可能な
他のエチレン性不飽和単量体(C)との総計100重量
部に対し、0.5〜30重量部程度で用いられ、重合安
定性、保存時のエマルジョンの安定性を保持するために
は、1〜30重量%の範囲内で用いることが好ましい。
【0035】また、乳化重合の際、親水性溶媒を加える
こと及び他の公知の乳化剤、添加剤を加えることも可能
であるが、使用量はその皮膜の物性に悪影響を及ぼさな
い範囲に抑える必要がある。
【0036】重合時の固形分濃度としては、通常20〜
70重量%程度、好ましくは30〜60重量%程度が適
当である。また、重合の際に用いる重合開始剤として
は、ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイル
パーオキサイド、クメンヒドロキシルパーオキサイド等
の有機過酸化物、過酸化水素等があり、これら過酸化物
のみを用いてラジカル重合させるか、あるいは、前記過
酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムの
ような還元剤とを併用したレドックス重合によっても重
合でき、また、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ
ン酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能であ
る。
【0037】さらに、必要に応じて、メルカプタン類な
どの連鎖移動剤の添加も可能である。重合温度は、使用
する単量体の種類、重合開始剤の種類などによって異な
るが、通常は、30〜80℃の温度範囲が適当である。
【0038】本発明の水性エマルジョンの粒子径は、3
0〜1000nmが適当であるが、皮膜の造膜性の点か
ら、700nm以下が好ましい。このようにして得られ
た本発明の重合体水分散液を含んでなる紙塗工用樹脂組
成物は、重合性水分散液単独でも使用できるが、本発明
の所望の効果を阻害しない範囲で、セルロース類、澱
粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、充填剤、
増粘剤、pH調整剤、撥水剤、レベリング剤、消泡剤、
皮膜形成助剤等を適宜添加することができる。
【0039】本発明の紙塗工用樹脂組成物は、紙のカー
ル防止剤、剥離紙のアンダーコート剤まど、被覆された
面に耐溶剤性、耐ブロッキング性が要求される用途に利
用できる。
【0040】特に、剥離紙を作成する際に、アンダーコ
ート剤として使用した場合、その上に溶剤型離型剤を塗
布するときに、剥離剤塗工液の目止め剤として良好に作
用し、また、アンダーコート層のみで保存する場合の耐
ブロッキング性に優れ、且つ得られた剥離紙に良好な光
沢が付与できる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲がこれら実施例のみに限定されるも
のではない。以下、例中特に断らない限り、%は重量
%、部は重量部をそれぞれ示すものとする。
【0042】参考例1 攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えたフラ
スコに脱イオン水500部を仕込み、窒素を吹き込みな
がら内温80℃まで昇温した。
【0043】続いてスチレンスルホン酸ナトリウム15
0部、過硫酸アンモニウム14.3部を仕込み、80℃
で3時間重合し固形分30.5%の重合体の水溶液を得
た。これを重合体(A)−1とする。
【0044】参考例2 参考例1と同様のフラスコに脱イオン水500部を仕込
み、窒素を吹き込みながら内温80℃まで昇温した。
【0045】続いてスチレンスルホン酸ナトリウム75
部、アクリル酸75部、過硫酸アンモニウム14.3部
を仕込み、80℃で3時間重合し固形分30.5%の重
合体の水溶液を得た。
【0046】これを重合体(A)−2とする。 実施例1 滴下ロート、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計
を備えたフラスコに脱イオン水148部、乳化分散剤と
して参考例1で得られた重合体(A)−1(水溶液)1
0部を仕込み、窒素を吹き込みながら内温80℃まで昇
温した。
【0047】続いて過硫酸アンモニウム1部を投入した
後、n−ブチルアクリレート15部、アクリル酸エチル
30部、メチルメタクリレート45部、2−ヒドロキシ
ルエチルメタクリレート10部を混合したものを2時間
にわたって連続的にフラスコ中へ滴下した。
【0048】滴下中は温度を75〜80℃に保持し、さ
らに滴下終了後同温度で1時間攪拌して重合を終了させ
た。その後アンモニア水でpHを7に調整し、固形分4
0%の重合体水分散液1を得た。
【0049】実施例2〜6 実施例1において、重合体(A)(水溶液)の量、種
類、重合性単量体混合物の組成を表1に示した通りとす
る他は実施例1と同様の操作を繰り返して重合体水分散
液2〜6を得た。
【0050】その結果をまとめて表1に示した。 実施例7 実施例5において得られた重合体水分散液100部に、
酢酸亜鉛二水和物の10%水溶液を7部添加した。
【0051】その結果をまとめて表1に示した。 比較例1〜2 実施例1において、重合体(A)の代わりに乳化剤とし
てポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナ
トリウムを用いて乳化重合を行った。
【0052】乳化剤の量、重合性単量体混合物の組成を
表1に示した通りとする他は実施例1と同様の操作を繰
り返して比較用重合体水分散液1’〜2’を得た。その
結果をまとめて表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】*1 重合体(A)-1及び重合体(A)-2の使用
量は固形分の重量部で表示 *2 乳化剤=ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウム使用量は固形分の重量部で表示 *3 重合安定性 ○:重合安定性良好 △:重合中に
凝集物少量発生 ×:重合中に凝集物多量発生 *4 酢酸亜鉛は、酢酸亜鉛二水和物の10%水溶液を
重合体水分散液100部に対して7部添加 *5 最低造膜温度 BA :n−ブチルアクリレート EA :エチルアクリレート MMA :メチルメタクリレート AN :アクリロニトリル HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート HPA :2−ヒドロキシプロピルアクリレート AA :アクリル酸
【0055】
【評価方法】
『耐溶剤性』 (1)フィルムの溶剤浸漬試験 実施例1〜7、及び比較例1’,2’より得られた重合
体水分散液を、ガラス板上に塗工し、室温で3日間放置
し0.5mm厚のフィルムを作成した。
【0056】そのフィルムを140℃で5分間乾燥し、
残存する水分を除去した。得られたフィルムを50mm
角に精確に切り取り(S0)、 試験片とした。次に、こ
の試験片を室温でトルエン溶液中に浸漬し、決められた
時間に試験片の面積(S1) を測定し、下記の式に従っ
てトルエンによるフィルムの面積膨潤率を求めた。
【0057】 (2)紙塗工物の溶剤ラビング試験 実施例、及び比較例より得られた重合体水分散液1〜
7,2’を、市販の上質紙(坪量70g/cm2)にバ
ーコーター#20で塗工し、120℃で1分間乾燥して
試験紙を作成した。
【0058】得られた試験紙の樹脂塗工面に、トルエン
溶液を染み込ませた綿棒で50回ラビングし、塗工面の
劣化の有無を観察した。 ○:全く異常無し △:表面に少し劣化有り ×:内部までかなり劣化有り (3)紙塗工物の溶剤バリア性試験 溶剤ラビング試験と同様に試験紙を作成し、試験紙にト
ルエン溶液を塗布し、トルエンの染み込み常態を観察し
た。
【0059】○:染み込み無し △:一部染み込み有り ×:染み込み多い 『耐ブロッキング性』 紙塗工物のブロッキング性試験 溶剤ラビング試験と同様に試験紙を作成し、樹脂塗布面
同士を合わせて、線圧30Kg/cmでカレンダーロー
ルを通過させ、ブロッキング度合を観察した。
【0060】○:ブロッキング無し △:一部ブロッキング有り ×:全面にブロッキング有り 『光沢』 紙塗工物の光沢度 溶剤ラビング試験と同様に試験紙を作成し、60゜での
鏡面光沢度を測定した。
【0061】耐溶剤性試験、溶剤ラビング試験、溶剤バ
リア性試験、ブロッキング性試験、及び光沢度の測定結
果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明の紙塗工用樹脂組成物は、スルホ
ン酸基を含有する重合体(A)を乳化分散剤として使用
し、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)と、他の
重合性単量体(C)を乳化重合して得られる重合体粒子
を含んでなるものであり、耐溶剤性、耐ブロッキング
性、光沢に優れた皮膜が得られる。
【0064】乳化分散剤として重合体(A)を使用する
ことにより、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)
を比較的多量共重合しても安定なエマルジョンが得ら
れ、これにより耐溶剤性に優れ、且つ造膜性、耐ブロッ
キング性良好な皮膜が得られる。
【0065】さらに、重合体(A)及び/または乳化重
合により得られる重合体粒子にカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体を共重合成分として導入すると、耐
溶剤性が一段と向上する。
【0066】また、この共重合体水分散液に多価金属塩
を添加すると、導入したカルボキシル基と金属イオン間
で可逆的なイオン架橋が形成され、さらに耐溶剤性が向
上する。
【0067】本発明の紙塗工用樹脂組成物は、特に剥離
紙用のアンダーコート剤として使用した場合、溶剤バリ
アー性に優れ、樹脂塗工品巻き取り時のブロッキングが
無く、塗工面に光沢が付与できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸基及び/またはサルフェート基
    含有エチレン性不飽和単量体(a)の単独、またはこれ
    と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(b)とを重合
    させた重合体(A)の存在下、水酸基含有エチレン性不
    飽和単量体(B)及び該単量体(B)と共重合可能な他
    のエチレン性不飽和単量体(C)を、水性媒体中で重合
    した重合体水分散液(D)を含んでなる紙塗工用樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)
    が、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(B)と該単量
    体(B)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体
    (C)との総計100重量部に対し、10〜60重量部
    であることを特徴とする請求項1記載の紙塗工用樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】エチレン性不飽和単量体(b)が、カルボ
    キシル基含有エチレン性不飽和単量体であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の紙塗工用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】エチレン性不飽和単量体(C)が、カルボ
    キシル基含有エチレン性不飽和単量体であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の紙塗工用樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】さらに多価金属塩を添加してなる請求項3
    または請求項4記載の紙塗工用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】重合体(A)が、水酸基含有エチレン性不
    飽和単量体(B)と該単量体(B)と共重合可能な他の
    エチレン性不飽和単量体(C)との総計100重量部に
    対し、0.5〜30重量部であることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項記載の紙塗工用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】多価金属塩が、重合体水分散液(D)のカ
    ルボキシル基に対し、0.1〜2当量であることを特徴
    とする請求項3〜6のいずれか1項記載の紙塗工用樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項記載の紙塗工
    用樹脂組成物を含んでなる剥離紙用アンダーコート剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226769A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Arakawa Chem Ind Co Ltd 剥離紙用アンダーコート剤
JP2019077734A (ja) * 2017-10-19 2019-05-23 旭化成株式会社 共重合体ラテックス及びその製造方法
JP2020045479A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 横浜ゴム株式会社 プライマー組成物

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