JPH07286073A - 水性樹脂組成物およびコーテイング剤 - Google Patents

水性樹脂組成物およびコーテイング剤

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JPH07286073A
JPH07286073A JP10459794A JP10459794A JPH07286073A JP H07286073 A JPH07286073 A JP H07286073A JP 10459794 A JP10459794 A JP 10459794A JP 10459794 A JP10459794 A JP 10459794A JP H07286073 A JPH07286073 A JP H07286073A
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JP
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acid
olefin
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polyolefin
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JP10459794A
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Hiroshi Oishi
博 大石
Hiroharu Oohayashi
弘晴 大林
Hajime Akiyama
一 秋山
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (酸変性)変性ポリオレフィン系樹脂と炭素
数6〜50のα−オレフィンに(無水)不飽和カルボン
酸を付加させて変性したα−オレフィン変性物からなる
水性樹脂組成物およびコーティング剤。 【効果】 特にポリオレフィン系樹脂基材に対するプラ
イマーとして用いた場合、密着性、耐溶剤性、耐水性、
耐光性、耐熱性などの塗膜特性が極めて優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、特にポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系樹脂成形物に対する密着性に優れた水性樹脂組成
物およびそれを用いたコーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂に対する密
着性の優れた水性樹脂組成物としては酸変性塩素化ポリ
オレフィンエマルション(例えば特開平1−25655
6号公報、特開平3−12479号公報)等が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
組成物は塩素原子を含むため、耐光性、耐熱性、耐水性
等が不十分である問題があった。本発明は耐光性、耐熱
性、耐水性および密着性等の性能面において優れた性能
を発揮する水性樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂
とα−オレフィン変性物とからなる組成物が耐光性、耐
熱性およびポリオレフィン系樹脂成形品等に対する密着
性に優れることを見出し、本発明に到達した。すなわち
本発明は、ポリオレフィン系樹脂(A)と炭素数6〜5
0のα−オレフィンに(無水)不飽和カルボン酸を付加
させて変性したα−オレフィン変性物(B)とからなる
水性樹脂組成物;ならびに該組成物を必須成分として含
有するコーティング剤である。
【0005】本発明において、ポリオレフィン系樹脂
(A)は、例えばエチレンおよびプロピレンの単独重合
体もしくは共重合体、エチレンおよび/またはプロピレ
ンと炭素数4〜6のα−オレフィンとの共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体などが挙げら
れる。これらのうち好ましいのはエチレンおよびプロピ
レンの単独重合体もしくは共重合体、エチレンおよび/
またはプロピレンと炭素数4〜6のα−オレフィンとの
共重合体である。
【0006】また、(A)として上記ポリオレフィン系
樹脂にさらに(無水)不飽和カルボン酸を付加して変性
したもの(酸変性ポリオレフィン)を用いることができ
る。(無水)不飽和カルボン酸としては、(無水)マレ
イン酸、フマル酸、(無水)シトラコン酸、(無水)イ
タコン酸などのα,β−不飽和ポリカルボン酸、(メ
タ)アクリル酸などが挙げられる。また、(メタ)アク
リル酸アルキル(アルキル基の炭素数1〜20)エステ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルアルキル(アルキ
ルの炭素数2〜4)エステル、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリル酸アミドなどのアクリル系モノマ
ーも併用することが出来る。これらのうち好ましいもの
はα、β−不飽和ポリカルボン酸であり、特に好ましい
ものはマレイン酸またはその無水物である。
【0007】該(A)の数平均分子量は、通常2,00
0〜30,000、好ましくは3,500〜20,00
0である。このポリオレフィンは同様の構成単位を有す
る高分子量ポリオレフィンを熱分解により減成する方法
で得られるものでもよく、通常のテロメリゼーションで
得られるものでもよい。
【0008】また、前記酸変性ポリオレフィンの製造は
公知の方法で行うことが出来る。例えば不活性ガス雰囲
気中で、ポリオレフィンを芳香族系および/または塩素
系の溶剤の存在下または不存下、且つラジカル発生触媒
(パーオキシド類、アゾニトリル類など)の存在下また
は不存在下に、通常120℃〜220℃に加熱溶解し、
次いで(無水)不飽和カルボン酸を分割または一括投入
して反応(グラフト重合)させることにより酸変性ポリ
オレフィンを得る方法が例示できる。
【0009】ポリオレフィンを無水不飽和カルボン酸変
性した場合、さらにその酸無水基に活性水素含有化合物
[炭素数1〜24の1価アルコール(メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール
など)、炭素数2〜30の多価アルコール(エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、オレフィングリコールなど)、ヒド
ロキシルアミン(モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、2−アミノプロパノー
ルなど)およびそれらに炭素数2〜4のアルキレンオキ
シド〔エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレ
ンオキシドなどの一種または二種以上(ランダムおよび
/またはブロック)〕付加物、ポリエステルポリオール
〔ポリカルボン酸(脂肪族ポリカルボン酸たとえばアジ
ピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、二量化リノレイン
酸;芳香族ポリカルボン酸たとえばフタル酸イソフタル
酸およびテレフタル酸)と低分子ポリオ−ル(エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサンジオー
ル、3−メチルペンタンジオールなど)縮合化物〕、ポ
リカプロラクトンポリオール、ポリカ−ボネ−トポリオ
−ルなど〕]を付加して変性することもできる。
【0010】酸変性ポリオレフィンに含まれる不飽和カ
ルボン酸単位の重量割合は、通常0〜15重量%、好ま
しくは1〜11重量%である。
【0011】また、(A)として前記のポリオレフィン
系樹脂をさらに塩素化したものを使用することも出来
る。
【0012】本発明において、炭素数6〜50のα−オ
レフィン変性物(B)は、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンな
どのα−オレフィンに(無水)不飽和カルボン酸を付加
して得られる。(無水)不飽和カルボン酸としては、前
記に酸変性ポリオレフィンの項で記載したものが使用で
きる。(無水)不飽和カルボン酸として特に好ましいの
は(無水)マレイン酸である。
【0013】(B)に用いるα−オレフィンの炭素数は
通常6〜50、好ましくは9〜30である。炭素数が6
未満の場合はポリオレフィン系樹脂(A)の分散性が悪
くなり、30を超えると塗膜強度が脆くなりポリオレフ
ィン計樹脂成形品に対する密着性が劣る。
【0014】(B)を構成するα−オレフィンと(無
水)不飽和カルボン酸の反応モル比は通常(2:1)〜
(1:2)、好ましくは(1.5:1)〜(1:1.
5)である。
【0015】(B)の製法としては公知の方法で行うこ
とが出来る。例えば、不活性ガス雰囲気中で、α−オレ
フィンを芳香族系および/または塩素系などの溶剤の存
在下または不存在下、ルイス酸系触媒(たとえば3弗化
ホウ素、弗化水素、3塩化アルミニウムなど)の存在下
または不存在下、室温〜250℃で1〜10時間反応し
て得られる。
【0016】α−オレフィンを無水不飽和カルボン酸変
性した場合、さらにその酸無水基に前記、活性水素含有
化合物を付加してさらに変性することもできる。
【0017】本発明における(A)と(B)の重量比
は、通常(50〜98):(2〜50)、好ましくは
(60〜95):(5〜40)である。(B)の比率が
2未満では分散性が悪く、50を超えると塗膜強度が低
下して密着性が劣る。
【0018】ポリオレフィン系樹脂(A)およびα−オ
レフィン変性物(B)を水性化させる方法としては、
(B)または(A)と(B)のカルボキシル基を塩基性
物質で中和する方法が好ましく、該塩基性物質として
は、例えば無機塩基性物質(水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなど)、有機塩基性物質[アンモニア、アルキ
ルアミン類(トリメチルアミン、トリエチルアミンな
ど)、アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−メチ
ル−2−アミノプロパノールなど)]などが挙げられ
る。塩基性物質の量はカルボキシル基1当量に対して通
常0.02〜5当量、好ましくは0.5〜2当量であ
る。
【0019】水性化に際して、必要により更に乳化補助
剤として公知の界面活性剤を加えることもできる。該界
面活性剤としては、例えば特開平3−31314号公報
記載のノニオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤、
両性型界面活性剤および樹脂活性剤が挙げられる。
【0020】水性化させる方法においては、上記塩基性
物質および必要により乳化補助剤は(A)、(B)およ
び水の何れに加えておいてもよい。混合乳化は通常の攪
拌で行えるが、機械的剪断乳化機(ホモミキサー、ディ
スパーミルなど)等を使用してもよい。また水性化の方
法は、(A)と(B)に水を加える方法、水の中に
(A)と(B)を加える方法、(A)および(B)と水
を同時に加える方法のいずれでもよい。水性化の温度は
通常常温〜150℃であり、加圧下で行ってもよい。ま
た、有機溶剤{例えば炭化水素系(n−ヘキサン、n−
ヘプタンなど)、芳香族系(トルエン、キシレンな
ど)、アルコール系[メタノール、エタノール、(n
−、iso)プロパノール、(n−、iso、t−)ブ
タノール、2−エチルヘキサノール]、エーテル系[エ
チレングリコールモノ(メチル、エチル、プロピル、ブ
チル)エーテル、ジエチレングリコールモノ(メチル、
エチル、プロピル、ブチル)エーテル、プロピレングリ
コールモノ(メチル、エチル、プロピル、ブチル)エー
テル、ジプロピレングリコールモノ(メチル、エチル、
プロピル、ブチル)エーテルなど]、エステル系(酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなど)、ケトン系
(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トンなど)}を加えてもよく、またこれらの溶剤を水性
化後に蒸留法等により除いてもよい。
【0021】本発明の水性樹脂組成物の固形分は通常5
〜60%、好ましくは15〜50%である。粘度(25
℃)は通常1〜50,000cps、好ましくは5〜3
0,000cpsである。
【0022】本発明の水性樹脂組成物中にはポリエステ
ル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系およびエポキシ
系など他の水性樹脂を加えてもよい。他の水性樹脂の添
加量は(A)と(B)の合計重量に基づいて固形分重量
基準で通常0〜200%、好ましくは10〜150%で
ある。
【0023】また、必要により公知の補助配合剤を含有
させることができる。補助配合剤としては、例えば染
料、顔料、無機充填剤、有機改質剤、安定剤、可塑剤、
界面活性剤、消泡剤、架橋剤およびその他の添加剤が挙
げられる。染料としては直接染料、酸性染料、塩基性染
料、反応性染料、金属錯塩染料などが挙げられる。顔料
としては、カ−ボンブラック、酸化チタン、酸化クロ
ム、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカ、紺青などの無機顔料お
よびカップリングアゾ系、縮合アゾ系アンスラキノン
系、ペリレン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジ
オキサジン系、フタロシアニン系などの有機顔料などが
あげられる。
【0024】無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シ
リカ、タルク、ガラス繊維、チタン酸カリウムウイスカ
ーなどが挙げられる。
【0025】有機改質剤としてはフッ素樹脂系粉末、ア
クリル樹脂系粉末、シリコーン樹脂系粉末、ポリアミド
樹脂系粉末、ウレタン樹脂系粉末などが挙げられる。
【0026】安定剤としてはヒンダードフェノール系、
ヒドラジン系、燐系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリア
ゾール系、オキザリックアシッドアニリド系、ヒンダー
ドアミン系などが挙げられる。これら安定剤は耐候性の
向上や耐熱劣化防止のための添加剤である。
【0027】可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレートなどが挙げられる。界面活性剤(整泡
剤など)としてはシロキサンオキシアルキレンブロック
共重合体などのシリコーン系整泡剤が挙げられる。消泡
剤としてはジメチルシロキサン系などのシリコーン系の
ものが挙げられる。
【0028】架橋剤としてはアミノ樹脂[メチロール化
および/またはアルコキシ化(メチル〜ブチル)された
尿素、メラミンなど]、エポキシ化合物[ビスフェノー
ルA型グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型グ
リシジルエーテル、エチレングリコール〜ポリエチレン
グリコールグリシジルエーテル、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ソルビトールなどのグリシジルエーテ
ルグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール
などにアルキレンオキシド(炭素数2〜3)を付加させ
たもののグリシジルエーテルなど]、ポリエチレン尿素
化合物(ジフェニルメタン−ビス−4,4’−N,N’
−エチレン尿素など)、オキサゾリン化合物(ポリスチ
レンオキサゾリン、ポリアクリルスチレンオキサゾリン
など)、ブロックイソシアネート化合物(たとえばトリ
メチロ−ルプロパン1モルとヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、またはトルエン
ジイソシアネート3モルから合成されるアダクト体;ヘ
キサメチレンジイソシアネートの水変性物、イソホロン
ジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネー
トの3量化物などをフェノール、メチルエチルケトオキ
シム、ε−カプロラクタムなどでマスキングしたブロッ
クイソシアネートなど)、水性ポリイソシアネート化合
物(例えばポリオキシアルキレン[炭素数2〜4]ポリ
オールとポリイソシアネートとの反応物)などが挙げら
れる。
【0029】その他添加剤としては難燃剤、揺変剤、帯
電防止剤、殺菌剤等が挙げられる。これらの補助配合剤
の添加時期は本発明の水性樹脂製造前、製造途中および
製造後の何れの場合でもよい。
【0030】本発明の水性樹脂組成物を必須成分として
含有するコーティング剤の処方は特に限定はされない
が、一例を示せば下記のとおりである。 (通常) (好ましくは) ポリオレフィン系樹脂(A) 100 重量部 100 重量部 α−オレフィン変性物(B) 2〜100重量部 5〜70 重量部 他の水性樹脂 0〜400重量部 10〜250重量部 顔料 0〜880重量部 0〜580重量部 架橋剤 0〜180重量部 0〜100重量部 消泡剤等他の添加剤 0〜200重量部 0〜110重量部
【0031】コーティング剤の製造は通常の攪拌だけに
よる混合でもよいし、分散混合装置(ボールミル、ニー
ダー、サンドグラインダー、ロールミル、フラットスト
ーンミルなど)を用いて分散混合することもできる。混
合する順序などは特に制限されない。
【0032】本発明の水性樹脂組成物は各種基材を対象
として、例えばプライマー、塗料などの塗装剤、接着剤
および印刷インキバインダーとして幅広く用いることが
できる。
【0033】適用できる基材としては種々の無機物
(鉄、ブリキ、トタン、アルミニウム、亜鉛鋼板、ガラ
ス、瓦スレート、セラミックなど)および有機物[木
材、紙、布(天然繊維、化学繊維および合成繊維などの
織布および不織布など)、ゴム(天然ゴム、クロロプレ
ンゴム、イソプレンゴム、ネオプレンゴムなど)、プラ
スチック(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン;ポリスチレン、ABS、塩化ビニル、ポリカ
ーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン、変成PPO、ポリメチルメタクリレ
ート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂な
ど)]などが挙げられ、特にポリオレフィン系基材用に
好適である。
【0034】本発明の組成物を塗装剤または接着剤に使
用する場合、塗布量は種々変えることが出来るが、通常
1〜200μである。塗布方法はスプレー塗装、刷毛塗
り、コテ塗り、ロール塗り、流し塗りおよび浸漬法など
がある。乾燥は室温ないし加温(たとえば40〜150
℃で10秒〜60分)で行うことができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。実施
例中の「部」は重量部、「%」は重量%である。
【0036】〔ポリオレフィン系樹脂(A)の製造例〕 製造例1 高分子量のポリプロピレン(数平均分子量130,00
0)を熱分解して得られた数平均分子量12,000の
ポリプロピレン300部、および無水マレイン酸30部
を還流管つきの装置に仕込み、キシレン700部を加え
た後に窒素置換した。攪拌下、窒素を少量導入しながら
150℃に昇温し、均一に溶解したあとジクミルパ−オ
キサイド16.5部を3時間で添加し、さらに4時間反
応を続けたあと最初常圧で、次いで180℃、3mmH
gの減圧下2時間かけてキシレンおよび未反応の無水マ
レイン酸を留去した。得られた酸変性ポリプロピレンは
160℃での溶融粘度1,600cps、環球式軟化点
154℃の黄色の固体で、無水マレイン酸付加量3.2
%のポリオレフィン系樹脂(A1)を得た。
【0037】製造例2 高分子量のポリオレフィン系重合体(数平均分子量16
5,000)を熱分解して得られる数平均分子量6,5
00、エチレン含有量5モル%のプロピレン−エチレン
ブロック共重合体を用い製造例1と同様の方法で無水マ
レイン酸付加量5.2%、160℃での溶融粘度680
cps、環球式軟化点148℃のポリオレフィン系樹脂
(A2)を得た。
【0038】〔α−オレフィン変性物(B)の製造例〕 製造例3 1−デセン1,000部および無水マレイン酸583部
を還流管つきの装置に仕込み、攪拌下、窒素を少量導入
しながら220℃に昇温し反応させて、粘度600cp
s(25℃)の黄色透明液体のα−オレフィン変性物
(B1)を得た。
【0039】製造例4 1−オクタデセン1,000部と無水マレイン酸390
部とから、製造例1と同様にして、粘度1,300cp
s(25℃)の黄色透明液体のα−オレフィン変性物
(B2)を得た。
【0040】実施例1 四つ口フラスコに製造例1で得られた(A1)100
部、製造例3で得られた(B1)20部、トルエン10
0部およびメトキシプロパノール10部を仕込み、10
0℃で30分攪拌して溶解させた。次に水350部およ
びトリエチルアミン16部を仕込み80℃で60分間攪
拌後、徐々に昇温してトルエンと水を留去させて乳白色
液状の固形分30%、粘度15cps(25℃)を有す
る本発明の水性樹脂組成物を得た。
【0041】実施例2 製造例2で得られた(A2)100部、製造例3で得ら
れた(B1)20部、トルエン100部、メトキシプロ
パノール20部、トリエチルアミン15部および水35
0部から実施例1と同様にして乳白色液状の固形分30
%、粘度145cps(25℃)を有する本発明の水性
樹脂組成物を得た。
【0042】実施例3 製造例1で得られた(A1)100部、製造例4で得ら
れた(B2)20部、トルエン100部、メトキシプロ
パノール20部、トリエチルアミン10部および水35
0部から実施例1と同様にして乳白色液状の固形分30
%、粘度25cps(25℃)を有する本発明の水性樹
脂組成物を得た。
【0043】実施例4 製造例2で得られた(A2)100部、製造例4で得ら
れた(B2)20部、トルエン100部、メトキシプロ
パノール20部、トリエチルアミン15部および水35
0部から実施例1と同様にして乳白色液状の固形分30
%、粘度95cps(25℃)を有する本発明の水性樹
脂組成物を得た。
【0044】比較例1 製造例1で得られた(A1)200部および四塩化炭素
800部を還流管つきの装置に仕込み、65〜70℃に
加熱して均一に溶解後、1時間あたり35部の塩素ガス
を溶液中に4時間導入した。塩素化後、残存塩素および
四塩化炭素を留去して、塩素化度23%の黄色の酸変性
塩素化ポリプロピレンを得た。四つ口フラスコに該酸変
性塩素化ポリプロピレン100部、トルエン100部お
よびメトキシプロパノール20部を仕込み、80℃で3
0分攪拌して均一に溶解させた。次に水300部および
トリエチルアミン10部を仕込み、実施例1と同様にし
て、固形分30%、粘度15cps(25℃)の乳黄白
色液状の比較の水性樹脂組成物を得た。
【0045】比較例2 製造例2で得られた(A2)200部を用いた以外は比
較例1と同様にして、塩素化度25%の酸変性塩素化ポ
リオレフィンを得た。この酸変性塩素化ポリオレフィン
100部、トルエン100部、メトキシプロパノール2
0部、水300部およびトリエチルアミン15部から実
施例1と同様にして、固形分30%、粘度55cps
(25℃)の乳黄白色液状の比較の水性樹脂組成物を得
た。
【0046】比較例3 製造例1で得られた(A1)100部、トルエン100
部、メトキシプロパノール20部、水300部およびト
リエチルアミン10部からなる混合物を実施例1と同様
にして乳化を試みたが、安定な乳化物が得られなかっ
た。
【0047】比較例4 製造例1で得られた(A1)100部、トルエン100
部、メトキシプロパノール20部、水330部、トリエ
チルアミン10部およびノニルフェノールにエチレンオ
キシドを12モル付加させた界面活性剤10部から実施
例1と同様にして固形分30%、粘度35cps(25
℃)の乳白色液状の比較の水性樹脂組成物を得た。
【0048】試験例1 イソプロピルアルコールで脱脂されたポリプロピレン板
上に実施例1〜4および比較例1、2および4で得られ
た水性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が15μとなるように
スプレー塗布を行い120℃で20分乾燥した後、上塗
り塗料としてポリエステル型1液性ウレタン塗料[商品
名:「コートロンMW−060」、三洋化成工業(株)
製]を乾燥後の膜厚が25μとなるようにスプレー塗布
を行い、120℃で30分乾燥して塗装板を得た。この
塗装板を室温で1日静置した後、密着性、耐水性、耐n
−ヘキサン性、耐光性および耐熱性の試験を行った。そ
の結果を表1および表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】試験方法 密着性:塗装板の塗膜面についてJIS K5400に
準拠してゴバン目セロハンテ−プ試験を行った。 耐水性:塗装板を40℃の温水に240時間浸漬後、水
を拭き取り1時間後にゴバン目セロハンテ−プ試験を行
った。 耐n−ヘキサン性:塗装板をn−ヘキサンに25℃、3
0分浸漬後、1時間室温乾燥してゴバン目セロハンテ−
プ試験を行った。
【0051】
【表2】
【0052】試験方法 耐光性:塗装板をフェードメーター(ブラックパネル温
度83±3℃)にて400時間照射後に塗装板の塗膜面
についてJIS K5400に準拠してゴバン目セロハ
ンテ−プ試験を行った。 耐熱性:塗装板をギヤーオーブンに120℃、400時
間暴露後、ゴバン目セロハンテ−プ試験を行った。
【0053】
【発明の効果】本発明の水性樹脂組成物は実質的に非塩
素系の(酸変性)ポリオレフィン系樹脂とα−オレフィ
ン変性物とからなり、従来の酸変性塩素化ポリオレフィ
ン系樹脂からなる水性樹脂組成物に比べ、極めて優れた
耐光性、耐熱性、耐溶剤性等の塗膜物性を有し、また通
常の界面活性剤を必要としないために、塗膜の耐水性が
極めて優れている。また塩素を含有しないため製品の長
期にわたる経日安定性にも極めて優れる。また廃棄燃焼
させた場合にも塩素を含有しないために、装置の腐食、
大気汚染の心配もない。上記効果を奏することから、本
発明の水性樹脂組成物は、各種塗料もしくはプライマー
等のコーティング剤、接着剤、印刷インキバインダー等
の材料として有用であり、特に自動車用外装部品(バン
パー等)、自動車用内装部品(ドアートリム等)等のポ
リオレフィン系樹脂成型品、シートを塗装する際のプラ
イマーとして極めて優れた性能を発揮する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂(A)と、炭素数
    6〜50のα−オレフィンに(無水)不飽和カルボン酸
    を付加させて変性したα−オレフィン変性物(B)とか
    らなる水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)が、エチレンおよびプロピレンの
    単独重合体もしくは共重合体、エチレンおよび/または
    プロピレンと炭素数4〜6のα−オレフィンとの共重合
    体およびポリオレフィンに(無水)不飽和カルボン酸を
    付加させて変性した酸変性ポリオレフィンからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の水性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)が炭素数9〜30のアルケニルコ
    ハク酸(塩)またはその無水物である請求項1または2
    記載の水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)と(B)の重量比が(50〜9
    8):(2〜50)である請求項1〜3のいずれか記載
    の水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の水性樹脂
    組成物を必須成分として含有するコーティング剤。
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