JPH07285972A - クロロオルガノシリコン化合物の製造方法 - Google Patents

クロロオルガノシリコン化合物の製造方法

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JPH07285972A JP7060069A JP6006995A JPH07285972A JP H07285972 A JPH07285972 A JP H07285972A JP 7060069 A JP7060069 A JP 7060069A JP 6006995 A JP6006995 A JP 6006995A JP H07285972 A JPH07285972 A JP H07285972A
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    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アリル性塩化物を、小モル過剰のヒドロメト
キシシランと、ルテニウム触媒の存在下、好ましくは不
活性溶媒の実質的不存在下に、反応させることによるク
ロロアルキルアルコキシシランの製造方法。 【効果】 制限的塩化アリルを基準にしてほぼ定量的な
収率で、クロロプロピルメトキシシランを提供する。比
較的小モル過剰のヒドロメトキシシランを使用し、少量
のルテニウム触媒で、しかも短い反応時間で操作でき
る。更に、廃棄副生物生成が低水準であり、使用装置の
制限を低減し、溶媒使用の必要性を実質的に解消でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ある種のクロロオルガ
ノシリコン化合物の製造方法に関するものである。特
に、本発明は、塩化アリルまたは塩化メタリルをヒドロ
メトキシシランを用いて直接にヒドロシル化する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロロオルガノシリコン化合物は、汎用
の商品である。この物質は、種々の公知の応用にも、ま
た他のオルガノ官能性シリコン化合物製造の中間体とし
ても有用である。かかる他のオルガノ官能性シリコン化
合物は、該化合物中の珪素原子に付いているクロロオル
ガノ基中の塩素原子を、種々の官能基、中でも、例えば
アンモニアまたはその有機誘導体、硫化水素またはその
有機誘導体、硫黄のオリゴマーから誘導されるもの、メ
タクリレート基を含むカルボン酸基および置換フェノキ
シド基などで置き換えることによって製造される。かか
るオルガノ官能性シリコン化合物製造の中間体として
の、クロロオルガノシリコン化合物の汎用性が、該クロ
ロオルガノシリコン化合物の製造方法に関して大きな欠
点が認識されているにもかかわらず、その商業的成功に
貢献してきた。
【0003】それゆえ、これらが商業的に導入されて以
来、クロロオルガノシリコン化合物を、安全に高収率で
効率よく、触媒コストも含めて低減された原料コスト
で、しかも処理の困難な廃棄副生物の生成を低減して、
生産することが、いつも必要とされてきた。
【0004】現行の、クロロオルガノシリコン化合物の
大規模商業生産は、2段階法に基づくものである。第1
段で、白金を用いて、ヒドロシリコン化合物、特にヒド
ロクロロシランと、オレフィン性クロロオルガノ化合
物、特に塩化アリルまたは塩化メタリルとを接触反応さ
せる。このヒドロシル化反応で、クロロオルガノクロロ
シランが生成し、その後、第2段階で、公知の方法で、
対応するクロロオルガノアルコキシシランまたはクロロ
オルガノシロキサンに転換しなければならない。
【0005】商業的な観点からは、これらのヒドロシル
化反応に、いくつかの欠点のあることが認識されてい
る。第1に、白金触媒を用いた塩化アリルのヒドロシル
化の収率は、制限的反応材のモル基準で算出して、83
%を超えない。第2に、白金含有ヒドロシル化反応触媒
は、非常に高価である。第3に、塩化メタリルのヒドロ
クロロシランによる白金触媒ヒドロシル化は、塩化アリ
ルのそれよりは高い収率が得られているが、単位あたり
の結合重量基準でも、分子量基準でも、塩化メタリルの
単価が高いので、その使用が正当化されない。第4に、
後の使用のために、クロロオルガノクロロシランをクロ
ロオルガノアルコキシシランに変換するのには、第2段
階が必要である。第1段階の製品、例えばクロロプロピ
ルクロロシランは、第2段階で対応するクロロプロピル
アルコキシシランに高収率で転換することができるが、
2段階法の一貫収率は、やはり第1段階での低収率に影
響される。また、ヒドロクロロシラン原料中に存在する
塩素は、最終製品中で消失するわけではない。直接合成
経由でトリクロロシランに循環するか、塩化メチルに循
環してメチルクロロシランの直接合成用にするか、また
は廃棄物として破壊されなければならない。いずれにし
ても、方法にコストと複雑さを加えることになる。
【0006】最近、塩化アリルとトリクロロシランまた
はメチルジクロロシランとの白金触媒ヒドロシル化反応
は、収率および効率が改良されたとはいっても、依然期
待はずれの結果である。改良というのは、種々の型の再
使用可能な白金触媒を使用して、触媒コストを低減する
こと、または副生物プロピレンを排出して、ヒドロクロ
ロシラン原料の所望製品への転換率を増大することを主
眼とする。
【0007】イリジウム錯体触媒を用いる塩化アリルの
トリメトキシシランによる直接ヒドロシル化が、同様な
収率および効率を挙げたとの報告もある。例えば、モル
基準で78.4%のクロロプロピルトリメトキシシラン
収率が、イリジウムのシクロオクテン錯体をヒドロシル
化触媒とした、トリメトキシシランと塩化アリルの等モ
ル反応について報告されている(田中ら、Journa
l of Molecular Catalysis、
81巻(1993)207−214頁)。報告された収
率は、現行商業化プロセスの多少の改良を可能にするだ
ろうが、イリジウムのコストは、白金よりも高い。イリ
ジウム使用水準が全反応仕込重量の672ppmとする
と、プロセスを現時点で商業的興味の大きいものとする
には、触媒コストが余りにも高い。
【0008】同じ研究者たちは、数種のルテニウム錯体
の存在下に、塩化アリルをトリメトキシシランで直接ヒ
ドロシル化した結果についても報告している。表2に
は、モル比4/1でトリメトキシシランと塩化アリルを
反応させ、最高73.6%のクロロプロピルトリメトキ
シシラン収率を報告している。「典型的な反応手順」の
使用を想定すると、このプロセスでは、反応混合物中の
ルテニウム金属重量で155ppm相当量の、ルテニウ
ムカルボニル触媒を採用している。明らかに、反応は、
少なくとも13.3重量%のトルエン溶媒の存在下、8
0℃で16時間、密閉反応器中で自然発生圧力下に行わ
れている。制限的塩化アリルの転化が完全であるという
ことは、プロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシ
シランおよび水素のような副生物の生成が無視できな
い。同じ反応を、トリメトキシシランと塩化アリルのモ
ル比2/1で、ルテニウム触媒およびトルエン溶媒のい
ずれも同一絶対量の存在下では、クロロプロピルトリメ
トキシシランの収率がモル基準で72.2%だとする
と、制限的塩化アリルの完全転化では、副生物の生成は
同様である。モル比1/1では、塩化アリルの転化は完
全でない。このモル比では、僅か52.4%の最高収率
は、50℃で16時間後に得られ、80℃での収率は2
6.4%に過ぎなかった。(表2)。
【0009】従って、白金およびイリジウムを用いる従
来法に比較し、ピークの操作では、所望のクロロプロピ
ルトリメトキシシランのモル収量は均等という結果が得
られてはいるが、装置単位容積あたりの収量は、溶媒の
使用および大過剰のトリメトキシシランの使用が原因
で、必然的に低かった。
【0010】別の論文(Marciniecら、Jou
rnal of Organometallic Ch
emistry、253巻(1983)349−362
頁)は、ルテニウム化合物触媒によるC=C結合のヒド
ロシル化を報告している。ヒドロアルコキシシランの場
合、この反応は、溶媒の不存在下で、ある触媒の場合に
のみ進行するといわれ、酸素によって促進される。しか
し、この著者は、アリル化合物を含む置換オレフィンの
ヒドロシル化には、本質的に成功していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のトリメトキシシ
ランと塩化アリルの間の、ルテニウム触媒ヒドロシル化
反応の収率は、低いものではあるが、ルテニウム化合物
を使用して、類似の反応材間で別の反応の触媒となると
いう点で、興味深いものである。ある種のヒドロシリコ
ン化合物とオレフィンのルテニウム触媒反応に際し、望
まない不飽和の副生物が、時としてかなりの量で、生成
することも知られている。別の反応には、ヒドロシリコ
ン化合物とオレフィンが反応してビニル性シリコン化合
物を生成するデヒドロ縮合反応、2種のオレフィンが反
応して別の2種のオレフィンを生成するオレフィンの複
分解反応、オレフィン還元およびオレフィン異性化も含
まれる。これら別の反応が注目されるのは、それが起き
るときには、ヒドロシル化が完全に疎外されることであ
る。驚くべきことに、本発明方法では、この種の副生物
の生成は認められていない。
【0012】上記の塩化アリルのヒドロシル化反応およ
びルテニウム化合物がヒドロシリコン化合物とオレフィ
ンの間の種々の反応を触媒する傾向とは違って、本発明
方法は、トリメトキシシランを用いると、制限的塩化ア
リルを基準にしてほぼ定量的な収率で、クロロプロピル
メトキシシランを提供するものである。本発明方法で
は、比較的小モル過剰のヒドロメトキシシランを使用
し、またずっと少ない水準のルテニウム触媒で、しかも
短い反応時間で操作することができる。本法は、廃棄副
生物生成が低水準であり、使用すべき装置についての制
限を低減しても、溶媒使用の必要性を実質的に解消する
ことができる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、クロロオルガ
ノシリコン化合物、特にクロロプロピルトリメトキシシ
ランおよび他の近縁のクロロアルキルアルコキシシラン
の製造方法を提供するものである。特に、本法は、アリ
ル性塩化物を小モル過剰のヒドロメトキシシランと、好
ましくは溶媒の実質的不存在下に、有効量のルテニウム
金属含有触媒の存在下に、下記の一般式に従い反応させ
ることを含む。
【0014】
【化1】
【0015】式中、xは、0、1または2であり、R
は、水素またはメチル基であり、R’は、メチル基であ
り、R”はR’であり、Tempは、室温から150℃
までの温度であり、Ruは、化合物または元素型のルテ
ニウム金属含有触媒である。ただし、反応温度が上昇し
たとき、反応混合物中に存在するアリル性塩化物の濃度
は、モル過剰量のヒドロメトキシシランに、緩徐に添加
することによって制限される。
【0016】本発明方法は、現在ヒドロシル化反応に使
用されている、種々の市販の装置で実施することがで
き、該装置には、上記の反応を連続的に実施する装置を
含むものである。
【0017】本法を、シリコン金属とメタノールから直
接的に製造した、トリメトキシシラン源と一体化するこ
とにより、腐食性で危険なヒドロクロロシランの使用を
回避することができ、またヒドロクロロシランから誘導
される製品の使用に固有の、塩素含有廃棄副生物の大量
生成を解消することができる。
【0018】驚くべき発見は、アリル性塩化物とヒドロ
メトキシシランとの1段ヒドロシル化反応で、クロロオ
ルガノシリコン化合物を高収率で取得するには、いくつ
かの重要な因子があることである。第1に、全反応材を
回分反応の開始時に組合せるときは、所望のクロロオル
ガノシラン製品への選択率が、低温、低反応速度で最高
になる。第2に、反応速度を改善するために温度を上昇
させる時、反応混合物中のアリル性塩化物の濃度を制限
すれば、驚くべきことに、選択率が維持できる。第3
に、大抵の不活性溶媒は、驚くべきことに、特にバッチ
システムにおいて、速度、選択率または両者に対して悪
い影響を与えるので、除外さるべきである。
【0019】好ましくは、本法は、ヒドロメトキシシラ
ンを含む反応器にアリル性塩化物を緩徐に添加し、これ
らを、セミバッチまたは連続法で、ルテニウム金属含有
触媒の存在下に反応させることによって行う。この添加
順序が、反応媒体中における未反応アリル性塩化物の濃
度を、ヒドロメトキシシランに対して、効果的に最小に
維持し、従ってまた、反応媒体中のアリル性塩化物に対
する、ヒドロメトキシシランの非常な大モル過剰を効果
的に確立する。慣行によれば、アリル性塩化物のヒドロ
メトキシシランへの添加の最大速度は、反応速度によっ
て決定される。反応速度は、また当業者によく理解され
ているように、部分的には反応温度と触媒濃度によって
変わるものであり、さらに小さな実験室の反応器でも非
常に大きな商業的反応器でも、反応装置の熱伝達の制限
によっても変わるものである。
【0020】好ましい組合せの順序は、セミバッチまた
は連続法において達成される。セミバッチ法では、反応
器には最初から、モル過剰のヒドロメトキシシランの大
半、好ましくは全量を仕込んでおく。次いで、アリル性
塩化物をその反応器に緩徐に添加し、該アリル性塩化物
とヒドロメトキシシランをルテニウム触媒の存在下に反
応させる。本明細書において、アリル性塩化物の緩徐な
添加とは、通常1時間当たり、ヒドロメトキシシラン1
モル当たりアリル性塩化物約3モル以下、好ましくは、
1時間当たり、ヒドロメトキシシラン1モル当たり1モ
ル以下の速度を意味する。例えば、1時間当たり、ヒド
ロメトキシシラン1モル当たり2モルの添加速度は、2
モルのヒドロメトキシシランを含有する反応器に、15
分で、1モルのアリル性塩化物を添加するときに実現さ
れる。一度アリル性塩化物が反応器に添加されると、ア
リル性塩化物の完全転化が得られるまで、反応が継続さ
れる。これは、大凡は、温度と触媒濃度の関数ではある
が、完全転化は一般には1から15時間で、また通常は
1から10時間の間に達成される。1から5時間での反
応の完結も異例なことではない。ヒドロメトキシシラン
のある部分は、アリル性塩化物との混合物として添加さ
れることもあるし、アリル性塩化物の添加と同時に別の
流れとして添加されることもある。
【0021】連続操作では、典型的には反応器に、アリ
ル性塩化物およびヒドロメトキシシランは別々の流れと
して、ヒドロメトキシシラン対アリル性塩化物のモル比
で約1.01:1から3:1の間、好ましくは1.1:
1から2:1の間のモル比で仕込まれる。このような操
作によって、定常状態の操作条件における反応器中に、
ヒドロメトキシシランの適切な過剰が確保される。
【0022】ヒドロシル化速度、選択率または両者に、
少なくともある場合に、悪影響をもつことが発見された
溶媒には、一般的な芳香族溶媒、例えばベンゼン、トル
エン、キシレン、キュメン、その他のアルキル化ベンゼ
ン、およびアルキル化または非アルキル化高級芳香族品
がある。トルエンは、バッチシステムでの選択率を悪化
するが、モル過剰のヒドロメトキシシランに塩化アリル
を添加する好ましい態様に従うときは、トルエン溶媒の
存在は、所望製品への選択率に対する逆向きの影響を低
減する。選択率は所望の水準かこれに近いものに維持す
ることも可能であるが、代償として反応速度の低下およ
び装置単位容積当たりの収量の低下がある。速度、選択
率または両者に、悪影響をもつ他の溶媒には、ヘキサン
のようなアルカン類、アセトニトリルのようなニトリル
類、イソプロピルエーテルのようなエーテル類、ジクロ
ロエタンのようなハロアルカン類、アセトンのようなケ
トン類、およびエタノールのようなアルコール類があ
る。本発明の方法は、好ましい操作条件下では、本質的
に定量的で早いので、溶媒の使用による速度の増進や収
量の増大は、ありそうにない。従って、溶媒の使用は一
般的には避けるべきである。
【0023】上記したように、本発明方法は不活性溶媒
の使用を必要としないし、むしろ避けるべきである。な
ぜなら、溶媒は、速度、選択率または両者に悪影響を与
えるだけでなく、使用により製造装置の単位容積当たり
の収量が減少するからである。溶媒の必要性が回避でき
るので、本発明方法は、所望のクロロアルコキシシラン
の有効収量を増大する。それは、モル基準で計算して
も、製造装置の単位容積当たりで計算しても増大する。
従って、本発明の好ましい態様は、溶媒の実質的不存在
下で本法を実施することである。本明細書で、「実質的
不存在」とは、5%以下、好ましくは1%以下、理想的
にはいかなる溶媒もなしでという意味である。ここに言
う「不活性溶媒」から、所望のヒドロシル化の反応材お
よび製品は除かれる。しかし、本発明の最も広範な実施
においては、かかる溶媒の使用は任意であり、上記の不
利益も、ある場合には、非化学的な理由で、例えば迅速
濾過の増進のために反応媒体の粘度低下から、またヒー
ト・シンクを提供することを含む安全上の理由から、考
慮外とされることもある。
【0024】驚くべき発見は、所望のクロロオルガノシ
ランは、トリメトキシシラン以外のヒドロメトキシシラ
ン、例えばメチルジメトキシシランを用いても、また塩
化アリル以外のアリル性塩化物、例えば塩化メタリルを
用いても、所望のシランの収量は若干低下するが、本発
明方法に従って製造することができることである。
【0025】ヒドロシル化反応条件、例えば温度、圧
力、時間および触媒濃度は、狭い範囲で臨界的というわ
けではない。広い範囲でこれらの要因を調節して、種々
の製造装置を商業的にかつ安全に用いることができる。
かかる装置には、典型的には、加熱、冷却、攪拌、不活
性雰囲気の維持および濾過または蒸留による精製などの
設備も含まれる。従って、従来大規模商業的ヒドロシル
化反応に典型的に使用されている装置は、本発明方法に
も使用することができる。その中には、不均一な担持ヒ
ドロシル化触媒を含む帯域に還流する、凝縮性のヒドロ
シリコン化合物の流れに、塩化アリルを添加する装置も
含まれる。
【0026】好ましい反応条件には、室温から約150
℃まで、最も好ましくは60℃から100℃の反応温度
が含まれる。一般には、本法は、大気圧またはそれ以
上、最も好ましくは大気圧下で実施される。反応材は、
ヒドロメトキシシラン対アリル性塩化物の集積的モル比
で、1.01:1と3:1の間、好ましくは1.1:1
から2:1の範囲、最も好ましくは1.1:1から1.
6:1の範囲で仕込まれる。本発明方法は、真のバッチ
システムでも、所望のクロロアルキルアルコキシシラン
を高収率で提供することは認識されているが、しかし、
反応は低温度で行わなければならず、しかも反応時間が
当然に長い。それゆえ、ヒドロシル化反応は、昇温し
て、ルテニウム金属含有触媒の存在下、モル過剰のヒド
ロメトキシシランにアリル性塩化物を加えることによっ
て行う。一の特定な好ましい操作態様(セミバッチ)に
は、ヒドロアルコキシシランの全量、例えば添加される
塩化アリルの全量に対してトリメトキシシラン1.15
から1.6モル当量を含む反応器に、1時間当たり、ヒ
ドロメトキシシラン1モル当たりアリル性塩化物3モル
以下の添加速度を得る、塩化アリル全量の長時間かけた
緩徐な添加がある。好ましくは、反応器は、反応材の全
重量に対して、5から50ppmのルテニウムを、Ru
3 (CO)12として含み、反応は60−100℃で行わ
れる。過剰のトリメトキシシランおよびルテニウム触媒
は、次のバッチに効果的に再循環することができる。
【0027】本発明方法は、アリル性塩化物の所望のク
ロロアルキルアルコキシシラン製品への添加率に関して
は、特に塩化アリルとトリメトキシシランとの反応にお
いては、ほぼ定量的であるので、望まない副生物の生成
は大いに低減される。その結果、廃棄物として破壊また
は遺棄すべき、蒸留などによって別の流れとして単離す
べきまたは反応系から放出すべき、材料の量は減少す
る。本発明方法は、かなりの発熱反応なので、外部から
の加熱は通常必要がないし、反応時間も従って短い。一
般的には、反応生成物から除去する必要のある、有意量
の唯一の不純物は、小過剰の未反応ヒドロメトキシシラ
ンおよび残存触媒である。これらは、精製することな
く、次のバッチに再循環することもできる。製品中に存
在する低水準の残存塩化物は、公知の方法によって中和
することもできる。本発明のヒドロシル化製品が、他の
オルガノ官能性シリコン化合物の製造用の中間体として
用いられる場合、初期の合成時の純度で十分であって、
蒸留などによってさらに精製する必要はない。
【0028】クロロプロピルトリメトキシシランの製造
に応用されるとき、本発明方法は、制限的反応材からの
モル基準で計算して、従来法として記載したいかなる1
段法または2段法に比べても、より高い収率で所望製品
を提供する。また、本発明がそのような収率を得るの
に、従来法として記載したいかなる方法よりも、かなり
低い水準のルテニウム金属含有触媒しか使用しない。本
法は、また使用する装置の単位容積当たりで高い収量を
提供するが、それは不活性溶媒の使用を回避できまたか
なりの量の廃棄副生物が生成されないからである。本発
明における、反応材の組合せの好ましい順序は、報告さ
れていたトリクロロシランと塩化アリルの白金触媒反応
によるクロロプロピルトリクロロシラン収率を最高にす
るために採用されているものとは、事実上反対である。
さらに、得られる収率は、ヒドロシル化促進剤としてト
リクロロシランを必然的に含む、塩化アリルのトリエチ
ルシランへの添加により最高に達せしめた、トリエチル
シランと塩化アリルの白金触媒反応で報告されているも
のより、かなり高い。本発明方法では、促進剤として第
2のヒドロシリコン化合物の存在は、必要としない。
【0029】トリメトキシシランによる塩化メタリルの
ヒドロシル化または他のヒドロメトキシシランによる塩
化アリルまたは塩化メタリルのヒドロシル化が成功した
例は、従前技術には記載されていない。
【0030】本発明方法は、大気圧以上の圧力での操作
を必要とはしないが、昇圧、例えば2気圧までの圧力を
用い、閉鎖反応器使用による塩化アリルの環境への不注
意な放出可能性を制御することもできる。大気圧よりも
低い圧力も、ヒドロメトキシシランの大気圧での沸点以
下の温度での反応を必要とするときには、使用すること
がある。
【0031】本発明方法で、使用に適するアリル性塩化
物は、一般式CH2 =CRCH2 Cl(式中Rは、水素
またはメチル基である。)を有し、従って塩化アリルお
よび塩化メタリルよりなる群より選ばれる。塩化アリル
が、好ましいアリル性塩化物反応材である。
【0032】一般式R’x (R”O)3-x SiH(式中
R’およびR”はメチル基である。)のヒドロメトキシ
シランが、本発明での使用に適しており、(MeO)3
SiH、Me(MeO)2 SiHおよびMe2 (Me
O)SiHの群から選択され、好ましくはMe(Me
O)2 SiHおよび(MeO)3 SiH、最も好ましく
は(MeO)3 SiHである。
【0033】ルテニウム金属含有触媒は、反応媒体中に
存在しなければならない。ヒドロメトキシシラン、アリ
ル性塩化物または両者とともに溶液で添加することもで
きるが、反応材の導入される接触帯域に不均一形で収容
させてもよい。種々の均一形および不均一形のルテニウ
ム金属含有化合物が、触媒として使用可能であり、かつ
使用水準(含有金属基準で)は商業的に実施されている
白金触媒ヒドロシル化反応と同程度の低さである。例え
ば、ルテニウム濃度は、約2から300ppmの間が適
当とされる。
【0034】酸素が触媒活性化に必要といっても、商業
的な原料、特に反応材中に通常存在する酸素量で、一般
的には十分である。特に、ルテニウムカルボニル触媒の
場合は事実である。さらに触媒活性化が必要とあれば、
単に希薄酸素、例えばN2 中3%のO2 混合物を1また
はそれ以上の反応材に添加するだけで、または反応媒体
に添加し触媒が遭遇する酸素水準を高くするだけで、達
成できる。ルテニウム・フォスフィン錯体を触媒にする
ときには、別途の活性化が必要となることが多いであろ
う。
【0035】適当なルテニウム金属含有触媒は、均一お
よび不均一ルテニウム金属含有化合物および錯体から選
ばれ、錯体には次のようなものが含まれる:Ru3 (C
O)12;[Ru(CO)3 Cl2 2 ;シクロオクタジ
エン−RuCl2 ;RuCl3 ;(Ph3 P)2 Ru
(CO)2 Cl2 ;(Ph3 P)3 Ru(CO)H2
Fe上のRu;Al2 3 上のRu;炭素上のRu;R
u(AcAc)3 ;RuBr3 および類似物(式中、P
hはフェニル基であり、AcAcはアセチルアセトネー
ト基である。)
【0036】トリフェニルフォスフィン、水素および塩
素のリガンドのみを含むルテニウム錯体からなるルテニ
ウム金属含有化合物、例えば(Ph3 P)3 RuC
2 ;(Ph3 P)3 RuHClおよび(Ph3 P)3
RuH2 は、酸素の存在または不存在下の、トリメトキ
シシランと塩化アリルの反応用の触媒としては不活性で
ある。この触媒活性の欠落は、塩化アリルのトリエトキ
シシランによるヒドロシル化を検討した先行研究者の結
果と一致する。フォスフィンリガンドが存在する場合
は、水素または塩素以外のまたはそれらに加えて、カル
ボニルまたはオレフィンリガンドのような、リガンドが
存在すべきであり、また活性化する酸素の水準もやや高
いことが必要となるかもしれない。
【0037】好ましいルテニウム触媒は、ルテニウムカ
ルボニル化合物であり、最も好ましいのは、Ru3 (C
O)12および[Ru(CO)3 Cl2 2 である。触媒
は、一つのバッチから次のバッチに再循環することがで
き、しかも有意な活性の低下はない。触媒使用水準は、
全仕込み反応材基準で5.0から300ppm、好まし
くは5から50ppmの範囲である。
【0038】本発明方法の製品は、一般式R’x (R”
O)3-x SiCH2 CHRCH2 Cl(式中、x、R、
R’およびR”は、前に定義したものである。)のクロ
ロオルガノシリコン化合物である。好ましいクロロアル
キルアルコキシシラン製品には、(MeO)3 Si(C
2 3 Cl;Me(MeO)2 Si(CH2 3
l;Me2 (MeO)Si(CH2 3 Cl;(Me
O)3 SiCH2 CHMeCH2 Cl;Me(MeO)
2 SiCH2 CHMeCH2 ClおよびMe2 (Me
O)SiCH2 CHMeCH2 Cl(式中、Meはメチ
ル基である。)が含まれる。
【0039】より好適な製品は、(MeO)3 Si(C
2 3 Cl、Me(MeO)2 Si(CH2 3
l、(MeO)3 SiCH2 CHMeCH2 Clおよび
Me(MeO)2 SiCH2 CHMeCH2 Clであ
り、最も好適なのは、(MeO)3 Si(CH2 3
lである。本発明方法の製品は、蒸留のような標準的手
段で精製してもよいし、中間体として後段の製造に使用
するときは、中間体を精製することなく直接使用しても
よい。
【0040】上記の通り、反応は、ヒドロメトキシシラ
ンおよびアリル性塩化物反応材を、シランの所望のモル
過剰で反応器に添加する、連続形式で行うこともでき
る。定常状態では、反応器には十分過剰のヒドロメトキ
シシランを、製品クロロアルキルアルコキシシランとの
混合物として収容し、実質的に定量的な収率で所望の製
品が得られる。過剰のヒドロメトキシシランは、製品の
流れから回収し再循環することができて、便宜である。
【0041】本発明の正確な範囲は、特許請求の範囲に
記載した通りであるが、以下の特定の例を用いて、本発
明のある態様を説明し、また特に、評価の目的で、本法
の種々の態様を指摘する。しかし、以下の例はいずれ
も、単なる説明の目的で提示されたものであって、本発
明を制限するものと解されるべきではない。g、pp
m、当量、GC、TMS、ACおよびCPTなる略語
は、別の指示がない限り、それぞれ、グラム、百万分の
一部、モル当量、ガス・クロマトグラフィ、トリメトキ
シシラン、塩化アリルおよび3−クロロプロピルトリメ
トキシシランを意味する。温度は摂氏である。収量の百
分率は、内部標準を使用したガス・クロマトグラフィに
より決定され、実際の重量で決定されるときは、製品の
真空蒸留に従う。別の説明がない限り、反応はすべて標
準的な実験室のガラス器具中で、大気圧で窒素の不活性
雰囲気下に行われた。各例において、製品構造は、G
C、GC/マススペクトル法、赤外スペクトル法または
核磁気共鳴法によって同定された。例1−26からのデ
ータは、表1に要約表示した。
【0042】例1−TMSとACとの反応 隔膜、凝縮器、添加ロート、温度計、磁気攪拌機および
加熱套を取り付けた、500mlの4つ頸フラスコに、
0.1338gのRu3 (CO)12(全反応材供給量の
重量を基準にして319ppmの金属Ru)および12
8.8gのTMS(ACに対して1.15当量)を添加
した。熱を適用し、反応器内容物の温度を80℃に上
げ、AC(70.4g)を1時間かけて反応器に緩徐に
滴加した。発熱反応ゆえに、温度は80−96℃の間で
変化した。さらに90分間80℃においた後、反応媒体
をGCで分析し、ACは残存せず(制限反応材は完全に
転化)CPTの収量が制限塩化アリル反応材を基準にし
て88%であることが判明した。89℃/18mmで蒸
留し、159.7gのクロロアルキルアルコキシシラン
(CPT)製品が、純度95%、蒸留収量83%で得ら
れた。この例は、ヒドロシリコン化合物の僅か15%過
剰を用いた(モル比1.15/1)だけで、モル比4/
1を用いた従前技術方法よりも、高収量が得られること
を実証する。
【0043】例2−TMSとACとの反応 0.0070gのRu3 (CO)12(15ppmのR
u)、138.7gのTMS(1.15当量)および7
9−87℃で1時間かけて滴加した75.0gのAC
で、例1の手順を繰り返した。4時間後の反応媒体のG
C分析で、ACは残存しないことが判明した。反応混合
物よりクロロシラン副生物の痕跡を除去するために、重
炭酸ソーダ無水物(14.8g)を添加し素早く撹拌し
た。真空蒸留により、136.6gのCPTが、純度9
7%、蒸留収量73%で得られた。この例は、触媒濃度
僅か15ppmのRuおよびハイドロシリコン化合物の
僅か15%過剰を用いただけで、従前技術方法に匹敵す
る収量が得られることを実証する。
【0044】例3−TMSとACとの反応 反応器として250mlのフラスコと0.0249gの
Ru3 (CO)12(100ppmのRu)、90.1g
のTMS(2.0当量)および28.2gのACを使用
した、より小スケールで、実施例1の手順を繰り返し
た。TMSを収容する反応器に、78−98℃で30分
かけて、ACを滴加した。80℃にさらに90分間おい
た後の、反応混合物のGC分析で、ACは残存せず(完
全転化)、CPTの収量が97%であることが判明し
た。この例は、ヒドロシリコン化合物の100%過剰を
用いて、非常に高いCPT収量が得られることを実証す
る。
【0045】例4−TMSとACとの反応 0.0196gのRu3 (CO)12(97ppmのR
u)、69.0gのTMS(1.60当量)および2
7.0gのACで、例3の手順を繰り返した。TMSを
収容する反応器に、72−88℃で20分かけて、AC
を滴加した。80℃にさらに70分間おいた後の、反応
混合物のGC分析で、ACは残存せず、CPTのクロロ
シラン誘導体も存在せず、CPTの収量が99%である
ことが判明した。83℃/13mmで真空蒸留し、6
0.6gのCPT製品が、蒸留収量90%で得られた。
この例は、ヒドロシリコン化合物の僅か60%過剰を用
いただけで、本質的に例3に匹敵する結果が得られるこ
とを実証する。
【0046】例5−TMSとACとの反応 0.0240gのRu3 (CO)12(109ppmのR
u)、70.5gのTMS(1.30当量)および3
3.8gのACで、例3の手順を繰り返した。TMSを
収容する反応器に、80−95℃で35分かけて、AC
を滴加した。80℃にさらに2時間おいた後の、反応混
合物のGC分析で、ACは残存せず、CPTの収量が9
4%であることが判明した。この例は、ヒドロシリコン
化合物の僅か30%過剰を用いただけで、非常に高いC
PT収量が得られることを実証する。
【0047】例6−TMSとACとの反応 3lのフラスコと、0.0178gのRu3 (CO)12
(15ppmのRu)、397.1gのTMS(1.6
0当量)および155.5gのACを使用した、より大
スケールで、例4の手順を繰り返した。前と同様に、T
MSを収容する反応器に、80−96℃で35分かけ
て、ACを滴加し、さらに1時間80℃においた。反応
混合物のGC分析で、ACは残存せず、CPTのクロロ
シラン誘導体の汚染もなしに、CPTの収量が99%で
あることが判明した。108℃/38mmで真空蒸留
し、383.4gが、純度97%、蒸留収量92%で得
られた。この例は、不活性溶媒の不存在下、僅か15p
pmのルテニウムおよびヒドロシリコン化合物の僅か6
0%過剰を用い、CPTが非常に高い収量で得られるこ
とを実証する。
【0048】例7−TMSとACとの反応 同一の装置を用い、唯一の触媒源として例6の蒸留残留
物を用いて、例6の手順を繰り返した。フラスコに、T
MS(394.1g、1.60当量)を加え、80℃ま
で加熱した。次に、154.5gのACを、80−87
℃で90分かけて、緩徐に滴加した。一度ACの添加が
終了したら、反応混合物を、80−107℃で、さらに
2時間加熱した。反応混合物のGC分析で、ACは残存
しないことが判明した。105℃/35mmで真空蒸留
し、350.2gの製品が、純度96%、蒸留収量84
%で得られた。この例は、濃度僅か15ppmでさえ、
ルテニウム触媒の効果的な再循環が可能であることを実
証する。
【0049】例8−TMSとACとの反応 例1の手順と装置を用いて、0.0059gのRu
3 (CO)12(17ppmのRu)の存在下、例6の反
応混合物から回収された118.3gの純度94%TM
Sと43.6gのACとを反応させた。TMSの反応器
に、79−99℃で25分かけて、ACを滴加した。8
0℃でさらに45分間加熱した。反応混合物のGC分析
で、ACは残存せず、CPTの収量が99%であること
が判明した。105℃/40mmで真空蒸留し、10
2.5gの製品が、蒸留収量92%で得られた。この例
は、前のランから回収、再循環された過剰TMSの有効
使用が可能であり、不活性溶媒の不存在下、僅か17p
pmのRuおよびヒドロシリコン化合物の僅か60%過
剰を用い、CPTの非常に高い収量が得られることを実
証する。
【0050】例9−TMSとACとの反応 AC、TMS(1.15当量)、Ru3 (CO)12を2
47ppmのRuで用いて、全ての反応材を最初に組み
合わせ、64時間50℃近くに保った油浴で加熱したこ
と以外は、例3の手順を繰り返した。記録式温度計で3
分毎に実際の反応温度を監視した。温度は、52.6〜
66.6℃の範囲内であった(平均53.6℃、171
分に最高の66.6℃)。64時間後の、反応物のGC
分析で、CPTの収量が83%であることが判明した。
この例は、真のバッチシステムであっても、低温度で、
かつ不活性溶媒の不存在下では、ヒドロシリコン化合物
の僅か15%モル過剰を用いただけのかなり長い反応時
間で、好収量が得られることを実証する。
【0051】例10−TMSとACとの反応 AC、TMS(1.15当量)およびRu3 (CO)12
を222ppmのRuで用いて、例9の手順を繰り返し
た。再び、最初に全反応材を組み合わせ、64時間25
℃近くに保った油浴の上で、反応混合物を加熱した。反
応混合物の温度は、その間26.2〜27.7℃の範囲
内であった(平均26.9℃、3024分に最高の2
7.7℃)。64時間後のGC分析で、CPTの収量が
94%であることが判明した。例9と併せて考察し、こ
の例は、温度を低くしたので、一貫収量および選択率を
改善し、かつ、不活性溶媒の不存在下、ヒドロシリコン
化合物の僅か15%過剰では、長い反応時間で、優れた
収量が得られることを実証する。
【0052】例11−TMSとACとの反応 0.0014gのRu3 (CO)12(6.1ppmのR
u)、70.7gのTMS(1.16当量)および3
8.2gのACを用いて、例3の手順を繰り返した。A
Cを、TMSの反応器に、2時間かけて緩徐に滴加し
た。温度は75−92℃の間で変化した。ついで、反応
混合物をさらに19時間80℃に加熱した。反応混合物
のGC分析で、ACは残存せず、CPTの収量が86%
であることが判明した。この例は、不活性溶媒の不存在
下で、15ppm以下のRu触媒を用いると、やや長目
の反応時間で、好CPT収量が得られることを実証す
る。
【0053】例12−TMSとACとの反応 0.0005gのRu3 (CO)12(2.2ppmのR
u)、70.4gのTMS(1.16当量)および3
8.2gのACを用いて、例11の手順を行った。AC
を、76−82℃のTMSの反応器に、2時間かけて滴
加した。さらに、反応混合物を80℃で20時間加熱し
た。反応混合物のGC分析で、ややACが残存し、CP
Tの収量が58%であることが判明した。この例は、例
12の触媒レベルより低い触媒レベルでも、同様に長時
間の反応で、適度のCPT収量が得られることを実証す
る。
【0054】例13−TMSとACとの反応 Ru3 (CO)12の51ppmTMS溶液2.34g
(反応材の全重量を基準にして1.0ppmのRu)、
70.2gのTMS(1.15当量)および38.2g
のACを用いて、例11の手順を繰り返した。ACは、
TMSを収容する反応器に、76−82℃で3時間かけ
て添加した。反応混合物を、さらに4日間80℃に加熱
した。反応混合物のGC分析で、ACは相当量残存し、
CPT収量は僅か37%であることが判明した。
【0055】例14−TMSとACとの反応 70.2gのTMS(1.15当量)、0.0276g
の[RuCl2 (CO)3 2 (101ppmのR
u)、および38.1gのACを用いて、例3の手順を
繰り返した。ACを、TMSの反応器に、77−87℃
で40分かけて滴加した。反応混合物を、さらに17時
間80℃に加熱した。反応混合物のGC分析で、ACは
残存せず、CPTの収量が93%であることが判明し
た。この例は、他のルテニウム金属含有触媒[RuCl
2 (CO)3 2 が、Ru3 (CO)12の代わりに使用
できることを実証する。
【0056】例15−メチルジメトキシシランとACと
の反応 30.8gのメチルジメトキシシラン(1.16当
量)、0.0028gのRu3 (CO)12(27ppm
のRu)および18.9gのACを用いて、例3の手順
を繰り返した。ACを、還流(59℃)するメチルジメ
トキシシランの反応器に、90分かけて滴加した。反応
混合物を、さらに2時間70℃に加熱した。84℃/2
0mmで真空蒸留し、30.3gの3−クロロプロピル
メチルヂメトキシシラン(70%収量)が、純度92%
で得られた。この例は、TMSの代わりにメチルヂメト
キシシランを用いても、不活性溶媒なしの、僅か27p
pmのRuで、所望のクロロアルキルアルコキシシラン
製品が好収量で得られることを実証する。
【0057】例16−メチルジメトキシシランと塩化メ
タリルとの反応 30.1gのメチルジメトキシシラン(1.15当
量)、0.0030gのRu3 (CO)12(27ppm
のRu)および22.7gの塩化メタリル(MAC)を
用いて、例3の手順を繰り返した。MACは、メチルジ
メトキシシランを収容する反応器に、60℃で2時間か
けて滴加した。反応混合物を、さらに19時間80℃に
加熱した。95℃/22mmで真空蒸留し、3−クロロ
−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン34.4
g(63%収量)を得た。この例は、ACをMACに、
TMSをメチルジメトキシシランに置き換えても、不活
性溶媒の不存在下、僅か27ppmのRuを用い、好収
量が得られることを実証する。
【0058】例17−TMSとメタリルクロライドとの
反応 77.7gのTMS(1.15当量)、0.0266の
Ru3 (CO)12(99ppmのRu)および50.2
gの塩化メタリル(MAC)を用いて、例1の手順を繰
り返した。MACを、TMSの反応器に、78−88℃
で3時間かけて滴加した。反応混合物を、さらに16時
間80℃に加熱した。室温まで冷却した後、5.7gの
重炭酸ソーダおよび2.4gのメタノールを加えて、シ
リコン結合クロライドを中和した。116℃/42mm
で真空蒸留し、80.6gの3−クロロ−2−メチルプ
ロピルトリメトキシシラン(83%収量)を、純度99
%で得た。この例は、ACの代わりにMACを用いるこ
とが可能であり、かつ、不活性溶媒の不存在下で、所望
のクロロアルキルアルコキシシランが非常に好い収量で
得られることを実証する。
【0059】例18−TMSとACとの連続反応 2個の添加ロート、温度計、散気管、加熱套および磁気
攪拌機を取り付けた、250mlの4つ頸フラスコ中で
ヒドロシル化反応を行った。一方の添加ロートには54
2gのTMS(1.62当量)に溶かした0.1788
gのRu3 (CO)12溶液を、他方には塩化アリルを仕
込んだ。フラスコには、初めに100gのCPTおよび
0.0211gのRu3 (CO)12を仕込んだ。反応以
前および反応中には、システムに、3%O2 /97%N
2 混合物を穏やかに散気した。フラスコ内容物を、初め
に80℃まで加熱し、2個の添加ロートから同時に添加
を開始した。粗反応製品をポンプでフラスコから除去し
て、フラスコ内の反応混合物を一定のレベルに保った。
5時間操作後までに、総量367.8gのTMSが14
1.8gのACと共に添加された。反応はそこで終了し
た。GC分析で、405.7gのCPTを含有する、総
量550.5gの粗製品を集めた。フラスコに仕込んだ
制限的ACを基準にし、初めに仕込んだ100gのCP
Tを修正して、CPT収量は83%であった。この例
は、本発明方法が、連続反応器でも実施できることを実
証する。
【0060】例19−TMSとACとの反応 21.8gのAC、0.0132gのRu3 (CO)12
(101ppmのRu)および40.3g(1.16当
量)のTMSを用いて、例3の手順を変更した。TMS
を、還流するACを収容する反応器に、初めは45℃
で、30分かけて緩徐に滴加した。反応混合物は、さら
に4時間80℃(発熱で暫時117℃まで行った)に加
熱した。反応混合物のGC分析で,ACは残存せず、C
PTの収量が67%であることが判明した。この例は、
例5と併せて、好ましい組み合わせ方は、モル過剰のT
MSにACを添加することであることを実証する。
【0061】例20−TMSとACとの反応 22.2gのACを用いて、例19の手順を繰り返し
た。ただし、0.0134gのRu3 (CO)12(10
2ppmのRu)を40.2g(1.13当量)のTM
Sに溶かした。TMS触媒溶液は、初めは還流(45
℃)するACの反応器に、滴加した。反応混合物は、さ
らに5時間80℃(発熱で暫時112℃まで行った)に
加熱した。反応混合物のGC分析で、ACは残存せず、
CPTの収量が63%であることが判明した。この例
も、例5および例19と併せて、好ましい組み合わせ方
は、Ru触媒がTMSおよびACのいづれの中に存在す
るかとは関わりなく、モル過剰のTMSにACを添加す
ることであることを実証する。
【0062】例21−TMSとACとの反応 例3の手順を繰り返した。ただし、25.1gのTMS
(1.13当量)、13.9gのACおよび0.008
4gのRu3 (CO)12(102ppmのRu)を室温
の反応器中で組み合わせ、その後150分かけて80−
85℃に加熱した。バッチ反応混合物のGC分析で、A
Cは残存せず、CPTの収量が68%であることが判明
した。
【0063】例22−TMSとACとの反応 70.0gのTMS(1.15当量)、0.0230g
のRu3 (CO)12(101ppmのRu)および3
8.2gのACを用いて、実施例3の手順を繰り返し
た。ACを、80℃のTMSの反応器に、45分かけて
滴加した。反応混合物は、さらに90分間70−83℃
に加熱した。窒素雰囲気を、この例では、空気雰囲気に
代えた。反応混合物のGC分析で、ACは残存せず、C
PTの収量が77%であることが判明した。例5を考慮
すると、この例は、窒素に代えて空気を用いると、CP
T収量にマイナスの影響を与えることを示唆している。
【0064】例23−TMSとACとの反応 70.1gのTMS(1.15当量)、0.0231g
のRu3 (CO)12(101ppmのRu)および3
8.0gのACを用いて、実施例22の手順を繰り返し
た。ACを、80℃TMSの反応器に、30分かけて滴
加した。反応混合物は、さらに1時間76−90℃に加
熱した。運転中を通じ、空気雰囲気を、3%O2 /97
%N2 混合物の浸漬管を通した穏やか散気に代えた。反
応混合物のGC分析で、ACは残存せず、CPTの収量
が83%であることが判明した。例5および例22を考
慮すると、この例は、3%O2 を含有する雰囲気が、ル
テニウムカルボニル触媒を用いる場合、CPT収量に僅
かにマイナスの影響を与えることを示唆している。
【0065】例24−TMSとACとの反応 70.1gのTMS(1.15当量)、0.0229g
のRu3 (CO)12(100ppmのRu)および3
8.0gのACを用いて、例23の手順を繰り返した。
ただし、反応材および反応混合物には、溶存O2 を除去
するために、浸漬管を通してN2 を穏やかに散気した。
ACは、80℃のTMSの反応器に、30分かけて滴加
した。続けて、さらに1時間75−92℃に加熱した。
反応混合物のGC分析で、ACは残存せず、CPTの収
量が89%であることが判明した。例5と併せて考察す
れば、この例は、TMSおよびACの原料物質中に、標
準的に存在する溶解酸素のレベルでは、CPT収量にマ
イナスの影響を与えることはなく、さらに低いレベルで
はCPT収量に有意な影響がないことを示唆している。
【0066】例25−TMSとACとの反応 50mlのフラスコ、6.6gのTMS(1.16当
量)、3.5gのACおよび0.0073gのRu
3 (CO)12(343ppmのRu)を用いて、例21
のバッチ手順を繰り返した。混合物を短時間加温し、短
期発熱で109℃になり、続けて、反応混合物を一晩中
80℃に加熱した。反応混合物のGC分析で、ACは残
存せず、CPTの収量が67%であることが判明した。
この例は、例1および例21と併せると、さらに300
ppm以上のRuでも、モル過剰のTMSにACを添加
することが好ましいことを実証する。
【0067】例26−TMSとACとの反応 100mlフラスコを用いて、これに19.6gのTM
S(1.25当量)、0.0049gのRu3 (CO)
12(55ppmのRu)、12.8gのトルエン(全反
応材重量の30%)および0.46gのメシチレン(G
C分析用の内部標準)を仕込み、例1の手順に従い、反
応器内容物を80℃まで加熱した。AC(9.8g)
を、2時間かけて該反応器に緩徐に滴加した。さらに3
時間80℃に加熱した。反応混合物のGC分析で、未反
応ACが僅かに痕跡で、CPTの収量が70%であるこ
とが判明した。しかし、GCスキャンでは、所望製品へ
の高選択率を示すが、物質バランスは僅か91.7%で
あった。これらの観察によれば、収量が制限されるの
は、望まない副反応によるのではなく、むしろ反応器か
らのACの流亡によるものであり、それはまた、ACの
沸点が低いことと反応速度が遅いことに起因する。この
基礎にたてば、転化AC基準の収量は本質的には定量的
であった。この例は、後続の比較例Bと併せて、高収量
は、少なくともある種の溶媒の存在下でも、ACをモル
過剰のTMSに緩徐に添加しさえすれば、達成可能であ
ることを実証する。
【0068】例27−触媒スクリーニング、TMSとA
Cとの反応 TMS(1.15当量)とACの事前混合物の5gの部
分を、多様なルテニウム金属含有触媒の化合物および錯
体として用意した、98−131ppmのRuととも
に、10mlの小型容器中で用いた。小型容器は、14
時間80℃に加熱し、内部標準を用いてGCで分析し
た。かかる条件下で、最善の条件ではないが、Ru
3 (CO)12は、僅か51%のCPT収量を与えた。積
極的な収量が得られたものに、シス−ジクロロ−ビス
(2,2’−ビピリジル)Ru II、RuBr3 、R
u(アセチルアセトネート)3 、炭素上のRu、[Ru
Cl2 (CO)3 2 、(1,5−シクロ−オクタジエ
ン)RuCl2 、RuCl3 、鉄上のRu、アルミナ上
のRu、(Ph3 P)2 Ru(CO)2 Cl2 および
(Ph3P)3 Ru(CO)H2 がある。CPT収量0
%だったものに、(Ph3 P)3RuCl2 、(Ph3
P)3 RuCl3 、(Ph3 P)3 RuH2 および(P
3 P)3 RuHClがある。この例は、本発明方法で
は、多様なルテニウム金属含有化合物が触媒になるが、
ルテニウムのホスフィン錯体では、追加リガンドとして
水素および塩素のみを含有したものでは、触媒にならな
いことを実証する。
【0069】
【表1】
【0070】上記表1中、*は「蒸留精製後の収量」
を; +は「再循環触媒A」を; #は「再循環TM
S」を; TMSは「トリメトキシシラン」を; MD
MSは「メチルジメトキシシラン」を; ACは「塩化
アリル」を; MACは「塩化メタリル」を; 触媒A
は「Ru3 (CO)12」を; 触媒Bは「RuのTMS
溶液」; また触媒Cは「[RuCl2 (C
O)3 2 」を意味する。
【0071】比較例A−溶剤スクリーニング、TMSと
ACとの反応 TMS(1.16当量)とACとの事前混合物の2.4
8−2.94gの部分を、0.0011−0.0014
gのRu3 (CO)12(100−123ppmのRu)
および種々の溶媒(ヘキサン、アセトニトリル、イソプ
ロピルエーテル、1,2−ジクロロエタン、アセトンお
よびトルエン)の2.45−2.67gの部分ととも
に、10mlの小型容器中で用いて、例26の手順を繰
り返した。小型容器は、17時間70℃に加熱し、内部
標準を用いてGCで分析した。溶媒を用いない対照小型
容器では、かかる最善といえない条件下で、47%のC
PT収量が得られることが;また溶媒を用いた全てのラ
ンでは、より低い収量であり、アセトンやアセトニトリ
ルでの0%収量を含むことが判明した。この例は、不活
性溶媒の不存在下で、より高収量が得られることを実証
する。
【0072】比較例B−トルエン溶媒、TMSとACと
の反応 TMS(1.00−1.25当量)、AC、Ru3 (C
O)12(105−958ppmのRu)および30−6
0重量%のトルエン溶媒を用い、これら全反応材を最初
に組み合わせて、ガラス器具中80℃で15−17時
間、一つだけはオートクレーブ中120℃で2時間、数
個のバッチ反応を行った。GC分析で、最高TMS/A
C比率(1.25当量)かつ最低トルエン含量(30重
量%)の場合に、最高収量が58%であることが判明し
た。この例は、比較例Aおよび実施例26と併せて、不
活性溶媒の不存在下に、溶媒が存在すると、ACをモル
過剰のTMSに添加しない限り、最高収量が得られるこ
とを実証する。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アリル性塩化物をモル過剰のヒドロメトキ
    シシランと、反応容器中で、有効量のルテニウム金属含
    有触媒の存在下に、かつ不活性溶媒の実質的不存在下
    に、反応させることを特徴とするクロロアルキルアルコ
    キシシランの製造方法。ただし、ルテニウム金属含有触
    媒がフォスフィン錯体の場合は、触媒は水素および塩素
    以外の追加リガンドを含有しなければならない。
  2. 【請求項2】クロロアルキルアルコキシシランが式R’
    x (R”O)3-x SiCH2 CHRCH2 Clを有し、
    アリル性塩化物が式CH2 =CRCH2 Clを有し、ヒ
    ドロメトキシシランが式R’x (R”O)3-x SiHを
    有する請求項1の方法。式中、xは0、1または2であ
    り、Rは水素またはメチル基であり、R’はメチル基で
    あり、R”はR’である。
  3. 【請求項3】ヒドロメトキシシランとアリル性塩化物の
    比率がモル基準で1.01から3.0の範囲内にあり、
    ルテニウム金属含有触媒の有効量が重量で全反応材の
    2.0から300ppmのルテニウムの範囲内にあり、
    かつ反応を室温から150℃の範囲内の温度で行う請求
    項1の方法。
  4. 【請求項4】アリル性塩化物とヒドロメトキシシランを
    反応以前に反応容器中で組み合わせ、反応を室温から7
    0℃の範囲内の温度で行う請求項3の方法。
  5. 【請求項5】アリル性塩化物はCH2 =CHCH2 Cl
    およびCH2 =CMeCH2 Clからなる群から選択
    し、ヒドロメトキシシランは(MeO)3 SiH、Me
    (MeO)2 SiHおよびMe2 (MeO)SiHから
    なる群から選択し、ルテニウム金属含有触媒はRu
    3 (CO)12および[RuCl2 (CO)3 2 からな
    る群から選択する請求項1の方法。
  6. 【請求項6】過剰のヒドロメトキシシランを収容する反
    応容器にアリル性塩化物を加えることによって反応を行
    う請求項1の方法。
  7. 【請求項7】アリル性塩化物はCH2 =CHCH2 Cl
    で、ヒドロメトキシシランは(MeO)3 SiHでアリ
    ル性塩化物に対しモル比で1.15から1.6の量を、
    ルテニウム金属含有触媒はRu3 (CO)12で含有ルテ
    ニウムの重量で5から50ppmの量を、反応温度は6
    0から100℃の範囲内で、モル過剰のヒドロメトキシ
    シランを収容する反応容器にアリル性塩化物を加えるこ
    とによって反応を行う請求項3の方法。
  8. 【請求項8】有効量のルテニウム金属含有触媒の存在下
    に、モル過剰のヒドロメトキシシランを収容する反応容
    器にアリル性塩化物を加えることによって反応を行うこ
    とを特徴とするクロロアルキルアルコキシシランの製造
    方法。ただし、ルテニウム金属含有触媒がフォスフィン
    錯体の場合は、触媒は水素および塩素以外の追加リガン
    ドを含有しなければならない。
  9. 【請求項9】クロロアルキルアルコキシシランが式R’
    x (R”O)3-x SiCH2 CHRCH2 Clを有し、
    アリル性塩化物が式CH2 =CRCH2 Clを有し、ヒ
    ドロメトキシシランが式R’x (R”O)3-x SiHを
    有する請求項8の方法。式中、xは0、1または2であ
    り、Rは水素またはメチル基であり、R’はメチル基で
    あり、R”はR’である。
  10. 【請求項10】アリル性塩化物およびヒドロメトキシシ
    ランを、アリル性塩化物に対するヒドロメトキシシラン
    のモル比で1.01から3.0の範囲内で、反応容器に
    連続的に加え、該アリル性塩化物およびヒドロメトキシ
    シランを、該反応容器中で、有効量のルテニウム金属含
    有触媒の存在下に、かつ不活性溶媒の実質的不存在下
    に、反応させ、ただし、ルテニウム金属含有触媒がフォ
    スフィン錯体の場合は、触媒は水素および塩素以外の追
    加リガンドを含有するものとし、かつ該反応容器からク
    ロロアルキルアルコキシシランを回収することを特徴と
    するクロロアルキルアルコキシシランの製造方法。
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