JPH07285430A - 液圧ブレーキシステム - Google Patents

液圧ブレーキシステム

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JPH07285430A
JPH07285430A JP6104414A JP10441494A JPH07285430A JP H07285430 A JPH07285430 A JP H07285430A JP 6104414 A JP6104414 A JP 6104414A JP 10441494 A JP10441494 A JP 10441494A JP H07285430 A JPH07285430 A JP H07285430A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 増圧時におけるフロント側の消費液量を少な
くすることができる技術を提供する。 【構成】 増圧シリンダ装置50をフロントブレーキ配
管系32にのみ設ける。そして、増圧シリンダ装置50
内のピストンを移動させる液圧として、リアブレーキ配
管系31のブレーキ液圧を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ブレーキ操作を補助
する液圧式倍力装置を含む車両等のブレーキシステムで
あって、倍力装置が作動しない場合でもブレーキ力の低
下を来さないようにした技術に関し、特に、大型の車両
に有効に利用することができる技術に関する。
【0002】
【背景技術およびその問題点】一般に、車両等のブレー
キシステムでは、小さなブレーキ操作力によって大きな
ブレーキ力を得るため、ブレーキ操作をするブレーキペ
ダルと、ペダルの操作を受けてブレーキ液圧を発生する
マスタシリンダとの間に倍力装置を設けるようにしてい
る。この倍力装置の一つとして液圧式のものがあり、液
圧式倍力装置では、ポンプやアキュムレータ等を含む外
部の液圧源から補助動力圧を受けて作動する。したがっ
て、外部の液圧源に何らかの故障等があると、補助動力
圧が失陥し、倍力装置の助勢力が得られなくなるおそれ
がある。そうなると、特に重量が大きな車両では、人的
な操作力だけでは充分なブレーキ力を得ることが困難に
なる。
【0003】そこで、たとえば特開昭62−14954
7号公報では、そうした倍力装置が作動しない事態に応
じるため、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に
増圧シリンダ装置を介在させることにより、補助動力圧
が所定圧以下に低下したとき、その増圧シリンダ装置で
ブレーキ液圧を増圧させるようにする技術を示してい
る。このような増圧シリンダ装置は、フロントおよびリ
アの両ブレーキ配管系に設けることもできるし、一方の
ブレーキ配管系にだけ設けることもできる。
【0004】ここでは、全体のシステムを簡略化するた
め、一方のブレーキ配管系、特にフロントブレーキ配管
系に増圧シリンダ装置を設けることに着目した。という
のは、ブレーキ力の配分を考えたとき、フロント:リア
のそれは、たとえば7〜8:3〜2であり、フロント側
の配分が大きいからである。増圧の効果がフロント側に
おいてより大きく生きるのである。増圧シリンダ装置は
段付きのピストンを有し、そのピストンは、段部に隣り
合う部分の制御液圧室のほか、その両端の2つの液圧室
を含む計3個所の液圧室を形成する。そして、今まで、
段部に隣り合う部分の制御液圧室を補助動力圧に、ピス
トンの小径な一端の液圧室を増圧すべきフロント側のホ
イールシリンダに、ピストンの大径なもう一端の液圧室
をフロントブレーキ配管系のマスタシリンダの液圧にそ
れぞれ通じるよう配管するなど、増圧のためのピストン
を、増圧すべきフロントブレーキ配管系の液圧によって
作動させていた。
【0005】しかしながら、増圧すべきフロントブレー
キ配管系の液圧を、増圧シリンダ装置のピストンに受圧
させてこれを作動させるようにしたのでは、その分フロ
ント側の消費液量が多くなってしまう。とすれば、マス
タシリンダのフロント系ストロークを大幅に長く確保せ
ざるをえず、マスタシリンダの大型化を招いたり、その
操作フィーリングが悪化するという問題を生じる。ま
た、この種の液圧ブレーキシステムでは、いわゆるPバ
ルブを設けることにより、フロント側に比べてリア側を
減圧し、後輪ロックを防止するようにしている。そうし
たPバルブが、補助動力圧が失陥したときに減圧制御の
作動をすると、リア側のブレーキ力負担が少ないとはい
え、トータルとしてのブレーキ力が低下するという問題
もある。
【0006】
【発明の目的】この発明は、増圧時におけるフロント側
の消費液量を少なくすることができる液圧ブレーキシス
テムを提供することを目的とする。この発明は、また、
増圧シリンダ装置の作動に応じて、後輪ロック防止用の
Pバルブの減圧制御機能を無効化するようにした技術を
提供することを他の目的とする。さらに、この発明は、
増圧シリンダ装置自体をフロントおよびリアの両ブレー
キ配管系の配管の中継点として利用することができる技
術を提供することをも目的とする。
【0007】
【そのための手段および作用】この発明では、前に述べ
た理由により、フロントブレーキ配管系にのみ増圧シリ
ンダ装置を設ける。増圧シリンダ装置は、シリンダの内
部にピストンを含み、そのピストンが移動することによ
って、フロント側のホイールシリンダの液圧を増圧す
る。ここでは、増圧シリンダ装置のピストンを移動させ
る液圧として、リアブレーキ配管系のブレーキ液圧を用
いるようにする。
【0008】また、フロント側に比べてリア側を減圧制
御するためのPバルブ(減圧制御弁)がある場合、増圧
シリンダ装置が増圧作動をすることに応じて、Pバルブ
の減圧制御を無効にするようにする。この無効にする制
御に際しては、Pバルブを増圧シリンダ装置に対し一体
化するようにすると良い。そうすれば、増圧シリンダ装
置のピストンの動きを利用して、Pバルブの弁部分の弁
−弁座の位置関係を制限し、Pバルブを無効の状態にす
ることができる。
【0009】さらに、一つの増圧シリンダ装置にフロン
トおよびリアの両ブレーキ配管系を連結することによ
り、増圧シリンダ装置をブレーキ配管の中継点として積
極的に用いることができる。なお、増圧シリンダ装置の
ピストンには、通例、前記のブレーキ液圧のほか、制御
液圧として外部の液圧源からの補助動力圧が加わるが、
簡単な制御弁を付属させることにより、増圧のためのピ
ストン自体に高圧の補助動力圧が加わらないようにする
ことができる。制御弁は、通常は閉じているが、補助動
力圧の低下に応じて、リアブレーキ配管系のブレーキ液
圧が補助動力圧に打ち勝ったときに開いて、増圧シリン
ダ装置のピストンにリア側の液圧を供給する。この増圧
シリンダ装置による吐出能力は、フロント側のブレーキ
配管系が失陥した時に、リア側のブレーキ液圧を確保す
ることを考え、マスタシリンダの吐出能力の約1/3〜
2/3程度にするのが好ましい。
【0010】
【基本的な配管構成】図1は、この発明によるブレーキ
システムの基本的な配管構成を示す。リザーバ10を背
負ったマスタシリンダ12はタンデム型であり、その作
動を液圧式倍力装置14が助勢する。これらマスタシリ
ンダ12と液圧式倍力装置14とは、軸線を一にして連
らなり、その軸線上のブレーキペダル16の踏込み操作
によって、作動される。液圧式倍力装置14は、外部の
液圧源20から管路22を通して補助動力圧を受けて作
動する。外部液圧源20は、ポンプ20P、アキュムレ
ータ20A等を含む公知のものである。一方、タンデム
型のマスタシリンダ12は、軸線方向に2つの液圧室を
備え、各液圧室に通じる2つの吐出口12a,12bか
らそれぞれブレーキ配管31,32が延びる。このブレ
ーキシステムにおける配管は前後型であり、シリンダボ
トムに近い側のブレーキ配管31がリアブレーキ配管
系、もう一方のブレーキ配管32がフロントブレーキ配
管系である。各ブレーキ配管31,32は、マスタシリ
ンダ12からリアおよびフロントの左右のブレーキ装置
41a,41b;42a,42bに連絡していることは
勿論である。
【0011】この発明のブレーキシステムでは、そうし
たマスタシリンダ12から各ブレーキ装置41a,41
b;42a,42bのホイールシリンダまで延びるブレ
ーキ配管31,32の途中に、増圧シリンダ装置50を
配置する。増圧シリンダ装置50の詳細については、図
2〜図4を参照しながら後で述べるが、増圧シリンダ装
置50は、段付きのシリンダ構造であり、大径な部分5
01にリア側のブレーキ配管31と、液圧式倍力装置1
4から延びる管路34(つまり、外部液圧源20のアキ
ュクレータ20Aの液圧に連絡する管路)とが接続さ
れ、また、小径な部分502にフロント側のブレーキ配
管32が接続されている。なお、この例では、大径な部
分501の端部にPバルブ80が一体化され、リア側の
ブレーキ配管31は、そのPバルブ80を通してリア側
のブレーキ装置41a,41bに連絡している。それに
対し、フロント側のブレーキ配管32は、増圧シリンダ
装置50の小径な部分502を通してフロント側のブレ
ーキ装置42a,42bに連絡している。
【0012】
【増圧シリンダ装置の第1の実施例】図2は、第1の実
施例である増圧シリンダ装置150の断面構造を示す。
この増圧シリンダ装置150は、小径な部分1502と
大径な部分1501とを含む段付きシリンダ152を備
える。段付きシリンダ152は、小径側の一端152e
が閉じ、大径側の他端152fが開き、他端152fの
開口をねじ止めキャップ153が閉じている。キャップ
153には、配管接続のための接続口153p、および
その接続口153pをシリンダの内部に連通する断面T
字型の連通孔153tがある。また、キャップ153
は、シールリング153sを保持し、段付きシリンダ1
52の内部に密閉したシリンダ孔を形成している。内部
のシリンダ孔は、大径な部分1501の内部の大径孔1
501hと、小径な部分1502の内部の小径孔150
2hとを含む。そうした内部のシリンダ孔の中に、段付
きのピストン160が、軸線方向に移動可能に挿入され
ている。ピストン160には、大径部161と小径部1
62とがあり、大径部161が大径孔1501hに、小
径部162が小径孔1502hにそれぞれ位置し、段部
1503をまたいでいる。こうしたピストン160は、
3つのシールリング171,172,173を保持して
いる。大径部161の外周のシールリング171は、キ
ャップ153のシールリング153sとの間に第1の室
181を、また、小径部162の外周のシールリング1
72との間に第2の室182をそれぞれ形成している。
また、シールリング172は、小径部162の端部のシ
ールリング173との間に第3の室183、そして、シ
ールリング173は、シリンダボトム(閉じた一端)1
52eとの間に第4の室184をそれぞれ形成してい
る。なお、第1〜第4の各室181〜184に連絡する
ため、段付きシリンダ152の所定部分に各連絡口18
1p,182p,183p,184pがある。
【0013】段付きピストン160の小径部162の端
部に注目すると、ピストン160をキャップ153側に
付勢するばね装置190がある。ばね装置190は、シ
リンダボトム152eの底に位置するカップ型のばね受
け190aと、ピストン160の小径部162の端部に
位置するリング型のばね受け190bと、それらのばね
受け190a,190b間に支持したコイルスプリンブ
190cとを備える。ピストン160は、第2の室18
2に加わる液圧に基づく力のほか、このばね装置190
によって、通常時、キャップ153側に付勢され、大径
部161の端がキャップ153の端面に当たっている。
大径部161の端の溝161dは、リンギング防止のた
めのものである。
【0014】再び小径部162側を見ると、小径部16
2の端部に深い孔162hがあり、また、その孔162
hの底に連通する断面T字型の通路162tがある。通
路162tは、孔162h側と第3の室183とを連通
している。孔162hの中には、通路162tと孔16
2h側とを開閉するバルブ装置195がある。バルブ装
置195は、ばね受け190aに支持されたロッド19
5aと、ロッド195aの先端に支持されたバルブ19
5bと、バルブ195bを孔162hの底に向けて付勢
するバルブスプリング195cとを備える。段付きピス
トン160が、図に示すようにキャップ153側に当た
っているとき、ロッド195aがばね受け190aによ
って位置規制され、バルブ装置195は開状態である。
しかし、段付きピストン160がシリンダボトム152
e側に移動するとき(これは、増圧作動をするときに対
応する。その点、今後の説明から明らかになるであろ
う。)、ピストン160の動きに応じてバルブ装置19
5は閉状態となる。ピストン160の大径部161に近
い所に中径な段部163があるが、この段部163は段
部1503に当たり、ピストン160のストロークスト
ッパとして機能する。
【0015】さて、次に増圧シリンダ装置150の配管
接続を見る。マスタシリンダ12のリア側の吐出口12
aからのブレーキ配管31が、大径な部分1501の連
絡口181pに接続される。連絡口181pは、第1の
室181からキャップ153の配管接続口153pに連
通し、そこからリア側のブレーキ装置41a,41bの
各ホイールシリンダに連絡する。一方、マスタシリンダ
12のフロント側の吐出口12bからのブレーキ配管3
2が、小径な部分1502の連絡口183pに接続され
る。連絡口183pは、第3の室183から通路162
tおよびバルブ装置195を通して、第4の室184に
連通する。第4の室184の出口となる連絡口184p
は、フロント側のブレーキ装置42a,42bの各ホイ
ールシリンダに連絡される。そして、第2の室に連絡す
る連絡口182pに、液圧式倍力装置14側からの管路
34が接続され、連絡口182pに続く第2の室182
に外部液圧源20のアキュムレータ20Aの液圧が加わ
る。そこで、第2の室182にアキュムレータ20Aの
正常な液圧が加わるかぎり、段付きピストン160は、
バルブ装置195を開状態に保つ。それによって、連絡
口183pに入るマスタシリンダ12のフロント側のブ
レーキ液圧が、増圧されることなく、バルブ装置19
5、第4の室184および連絡口184pなどを通して
フロント側のブレーキ装置42a,42bの各ホイール
シリンダに供給される。しかし、万が一、液圧倍力装置
14の補助動力圧であるアキュムレータ20Aの液圧が
低下するような事態が生じた場合、段付きピストン16
0の大径部161と小径部162との受圧面積に差があ
るため、その差に基づく力により、ピストン160はシ
リンダボトム側に移動することになる。それに応じて、
バルブ装置195が開から閉の状態となり、増圧シリン
ダ装置150は増圧作動をする。増圧の度合いは大径部
161と小径部162との各受圧面積の比で決まること
は勿論である。
【0016】こうした増圧作動のとき、段付きピストン
160の動きに伴って、マスタシリンダ12側の作動液
はかなり消費される(大径部161に面する第1の室1
81の体積変化であるため、消費量はそれだけ多くな
る)。だか、増圧シリンダ装置150では、ピストン1
60の移動をリア側のブレーキ配管系のブレーキ液圧で
行っているため、マスタシリンダ12のフロント側だけ
のストロークをいたずらに大きくすることはない。ま
た、増圧シリンダ装置150に対し、リアおよびフロン
トの両ブレーキ配管をまとめることになるので、増圧シ
リンダ装置150を配管の中継点として利用することが
でき、ブレーキ配管のレイアウト上有利に展開すること
もできる。
【0017】
【増圧シリンダ装置の第2の実施例】図3が、第2の実
施例である増圧シリンダ装置250の断面構造を示す。
この増圧シリンダ装置250は、本来の増圧機能をもつ
部分250Zに対し、Pバルブと称される減圧制御弁2
80が組み合っている。増圧機能をもつ部分250Z
は、前記した第1の実施例の増圧シリンダ装置150と
同様の構造であり、そうした部分250Zの一端に減圧
制御弁280が互いの軸線を一にして一体となってい
る。そこで、部分250Zの内部構造およびその配管接
続については、第1の実施例の場合と同様の符号を付け
ることによって、それらの説明は省略し、減圧制御弁2
80およびそれと部分250Zとの結合を中心に説明を
する。減圧制御弁280の本体部分は、たとえば実開平
4−266556号公報が示す公知のものと同様であ
る。二分割構造のハウジング281の内部に段付き孔2
81tがあり、その孔281tに段付きのバルブピスト
ン282が移動可能に入っている。バルブピストン28
2には、小径部282aと大径部282bがあり、それ
らの部分をシールリング283a,283bがシールし
ている。シールリング283a,283bによって定ま
る受圧面積が、液圧制御弁280の減圧比を規定する。
バルブピストン282には、また、中心を貫通した貫通
孔282t、および貫通孔282tの一方の開口回りに
弁座284がある。この弁座284は、対向するポペッ
ト285と協力して貫通孔282tの開口を開閉する。
なお、バルブピストン282は、通常時、予負荷ばね2
86の力を受け、途中のフランジ部282fがハウジン
グ側に当たり静止状態にある。しかし、連絡口181p
を通して第1の室181に加わるマスタシリンダ側のブ
レーキ液圧が所定値を越えると、バルブピストン282
がポペット285側に動き、貫通孔282tの開口を閉
じる。こうした作動によって、ハウジング281の配管
接続口281pからリア側のブレーキ装置41a,41
bの各ホイールシリンダに減圧したブレーキ液圧が供給
される。
【0018】しかし、増圧シリンダ装置250の部分2
50Zによってフロント側のブレーキ液圧が増圧される
ような時には、減圧制御弁280の減圧機能を無効とす
ることが望まれる。無効とすることによって、その分だ
けブレーキ作動の効率を高めることができるし、また、
増圧作動時には、リア側に比べて必然的にフロント側の
ブレーキ液圧が高くなるので、リア側をあえて減圧する
必要性はないからである。そこで、増圧シリンダ装置2
50では、増圧のためのピストン160の動きに応じ
て、ポペット285の位置を変え、たとえバルブピスト
ン282が移動しても、ポペット285が弁座284に
着座しないようにしている。それを達成する手段とし
て、ここでは、ポペット285をスライダ装置287で
支持するようにしている。スライダ装置287は、ハウ
ジンブ281の端部の弁室281vの中に位置し、増圧
のためのピストン160の端面に対向している。スライ
ダ装置287は、弁室281vの内壁に沿って軸線方向
に移動可能なスライダ部材287aと、スライダ部材2
87aをピストン160側に付勢するスライダスプリン
グ287bと、スライダ部材287aに取り付けた断面
T字型の支持部材287cと、スライダ部材287aの
移動量を制限するストッパリング287dとを備える。
また、ポペット285は、リング型の部材285aおよ
びポペットスプリング285bを介して、スライダ装置
287に支持される。
【0019】増圧のためのピストン160が通常の位置
にあるとき、バルブピストン282の移動量は弁座28
4−ポペット285の距離よりも大きく、バルブピスト
ン282の移動によってポペット285は弁座284に
着座可能である。しかし、ピストン160が移動し増圧
作動をするとき、スライダ部材287aは、弁室281
vの入口のストッパリング287dに当たるまで移動す
る。このスライダ部材287aの移動によって、弁座2
84−ポペット285の距離は、前記バルブピストン2
82の移動量よりも大きくなり、ポペット285はバル
ブピストン282側の弁座284に着座しなくなる。こ
れは、液圧制御弁280の減圧制御機能が無効になった
ことを意味する。
【0020】
【増圧シリンダ装置の第3の実施例】図4が、第3の実
施例である増圧シリンダ装置350の断面構造、および
それに付属した制御弁を示す。すでに述べた第1および
第2の各実施例では、外部液圧源20からの高い補助動
力圧を増圧のためのピストン160に直接作用させてい
る。そのため、ピストン160回りの各部品として、そ
れに対応するだけのものを用いることが必要である。ま
た、常時高圧を受けるため、耐久性の点で不利である。
そこで、この増圧シリンダ装置350では、増圧のため
のピストン1600にそうした高圧が直接加わらないよ
うにしている。しかし、多くの部分は、第1の実施例の
増圧シリンダ装置150と同様であるので、対応する部
分に同一の符号を付けることによって、それらの説明は
省略あるいは簡略にする。増圧シリンダ装置350のピ
ストン1600は、大径部1610の両側に小径部16
20a,1620bを備える。シリンダボトム側の小径
部1620aはすでに述べた他の実施例と同様に小径孔
1502hにあるが、キャップ1530側の小径部16
20bは、キャップ1530の内周の孔1530h内に
入っている。そうした小径部1620bの外周にもシー
ルリング170があり、その結果、ピストン1600回
りの第1の室1810は、大径部1610の外周のシー
ルリンブ171と、小径部1620bの外周のシールリ
ング170によって形成される。勿論、キャップ153
0に保持したシールリング1530sもその役割を果た
している。
【0021】さて、増圧シリンダ装置350の配管接続
を見ると、小径な部分1502に対するフロント側のそ
れはすでに述べたものと同じである。リア側の接続は異
なり、第2の室182は大気室(つまり、通路182t
を通して大気に通じている。)であり、また、キャップ
1530の配管接続口1530pへはリア側のブレーキ
配管31を通してマスタシリンダ12からのブレーキ液
圧が加わる。そして、第1の室1810にピストン16
00の動きを制御する制御圧が加わる。制御圧に関する
管路310には、常閉の制御弁312と弛め用逆止弁3
14とが並列に接続されている。制御弁312は、ボー
ル312aを保持したバルブ本体312bと、バルブ本
体312bを付勢するバルブスプリング312cと、バ
ルブ本体312bの外周をシールするシールリング31
2dとを備える。こうした制御弁312には、バルブ本
体312bの背後に液圧式倍力装置14側からの補助動
力圧(アキュムレータ20Aの液圧)が加わり、また、
ボール312a側にリア側のマスタシリンダ圧が加わ
る。したがって、補助動力圧が関係する系に何の失陥も
ない時、制御弁312は閉じ、ピストン1600は、両
小径部1620a,1620bが同じ受圧面積であるた
め、停止している。それに対し、補助動力圧が関係する
系が失陥すると、制御弁312が開き、ピストン160
0は、リア側の受圧面積が大となり、ブレーキの作動に
伴ってシリンダボトム側に移動し、増圧作動をする。
【0022】なお、第3実施例における制御弁312お
よび弛め用逆止弁314とは一体化し、配管途中に配置
することもできるし、あるいは、増圧シリンダ装置35
0のシリンダ等と一体化することもできる。また、第3
の実施例でも、液圧制御弁を配管上に別に設けたり、第
2の実施例と同様に増圧シリンダ装置350に一体に設
ける構成とすることもできる。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、増圧シリンダ装置を
フロントブレーキ配管系にのみ設ける簡素なシステムと
し、しかも、増圧のためのピストンを移動させる液圧と
して、リアブレーキ配管系のブレーキ液圧を用いるよう
にしているので、増圧時におけるフロント側の消費液量
を少なくすることができ、しかもまた、増圧シリンダ装
置の作動に応じて後輪ロック防止用の減圧制御弁の機能
を無効とする場合には、ブレーキの作動効率をさらに高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブレーキシステムの基本的な配管構
成を示す図である。
【図2】この発明で用いる増圧シリンダ装置の第1の実
施例を示す断面構造図である。
【図3】この発明で用いる増圧シリンダ装置の第2の実
施例を示す断面構造図である。
【図4】この発明で用いる増圧シリンダ装置の第3の実
施例を示す断面構造図である。
【符号の説明】
12 マスタシリンダ 14 液圧式倍力装置 16 ブレーキペダル 20 外部液圧源 31 リア側のブレーキ配管 32 フロント側のブレーキ配管 41a,41b リア側のブレーキ装置 42a,42b フロント側のブレーキ装置 50,150,250,350 増圧シリンダ装置 160,1600 ピストン 80,280 減圧制御弁 287 スライダ装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作に応じて補助動力圧を外部
    液圧源から供給されて作動する液圧式倍力装置と、この
    液圧式倍力装置の出力を受けてブレーキ液圧を発生する
    マスタシリンダと、このマスタシリンダから前輪ブレー
    キ装置のホイールシリンダに至るフロントブレーキ配管
    系と、前記マスタシリンダから後輪ブレーキ装置のホイ
    ールシリンダに至るリアブレーキ配管系と、前記補助動
    力圧が所定圧以下に低下するとき前記フロントブレーキ
    配管系に供給するブレーキ液圧を増圧する増圧シリンダ
    装置とを有する液圧ブレーキシステムにおいて、前記増
    圧シリンダ装置が前記リアブレーキ配管系のブレーキ液
    圧を受圧して増圧方向に移動されるピストンを備えてい
    る液圧ブレーキシステム。
  2. 【請求項2】 前記リアブレーキ配管系は、前記後輪ブ
    レーキ装置のホイールシリンダに供給するブレーキ液圧
    を所定圧力以上で減圧可能なブレーキ液圧制御弁を含ん
    でおり、このブレーキ液圧制御弁の減圧制御が、前記増
    圧シリンダ装置の作動に応じて無効となる、請求項1記
    載の液圧ブレーキシステム。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ液圧制御弁は、前記増圧シ
    リンダ装置に対し一体化され、前記ピストンの増圧方向
    への移動により、弁位置を開位置に保持するように結合
    されている、請求項2記載の液圧ブレーキシステム。
  4. 【請求項4】 前記増圧シリンダ装置は、前記フロント
    およびリアの両ブレーキ配管系の中継点となっている、
    請求項1記載の液圧ブレーキシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100381777B1 (ko) * 1998-12-29 2003-06-18 주식회사 만도 전자 유압 브레이크 시스템

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