JP3580855B2 - 液圧ブレーキシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ブレーキ操作を補助する液圧式倍力装置を含む車両等のブレーキシステムであって、倍力装置が作動しない場合でもブレーキ力の低下を来さないようにした技術に関し、特に、大型の車両に有効に利用することができる技術に関する。
【0002】
【背景技術およびその問題点】
一般に、車両等のブレーキシステムでは、小さなブレーキ操作力によって大きなブレーキ力を得るため、ブレーキ操作をするブレーキペダルと、ペダルの操作を受けてブレーキ液圧を発生するマスタシリンダとの間に倍力装置を設けるようにしている。この倍力装置の一つとして液圧式のものがあり、液圧式倍力装置では、ポンプやアキュムレータ等を含む外部の液圧源から補助動力圧を受けて作動する。したがって、外部の液圧源に何らかの故障等があると、補助動力圧が失陥し、倍力装置の助勢力が得られなくなるおそれがある。そうなると、特に重量が大きな車両では、人的な操作力だけでは充分なブレーキ力を得ることが困難になる。
【0003】
そこで、たとえば特開昭62−149547号公報では、そうした倍力装置が作動しない事態に応じるため、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に増圧シリンダ装置を介在させることにより、補助動力圧が所定圧以下に低下したとき、その増圧シリンダ装置でブレーキ液圧を増圧させるようにする技術を示している。このような増圧シリンダ装置は、フロントおよびリアの両ブレーキ配管系に設けることもできるし、一方のブレーキ配管系にだけ設けることもできる。
【0004】
ここでは、全体のシステムを簡略化するため、一方のブレーキ配管系、特にフロントブレーキ配管系に増圧シリンダ装置を設けることに着目した。というのは、ブレーキ力の配分を考えたとき、フロント:リアのそれは、たとえば7〜8:3〜2であり、フロント側の配分が大きいからである。増圧の効果がフロント側においてより大きく生きるのである。
増圧シリンダ装置は段付きのピストンを有し、そのピストンは、段部に隣り合う部分の制御液圧室のほか、その両端の2つの液圧室を含む計3個所の液圧室を形成する。そして、今まで、段部に隣り合う部分の制御液圧室を補助動力圧に、ピストンの小径な一端の液圧室を増圧すべきフロント側のホイールシリンダに、ピストンの大径なもう一端の液圧室をフロントブレーキ配管系のマスタシリンダの液圧にそれぞれ通じるよう配管するなど、増圧のためのピストンを、増圧すべきフロントブレーキ配管系の液圧によって作動させていた。
【0005】
しかしながら、増圧すべきフロントブレーキ配管系の液圧を、増圧シリンダ装置のピストンに受圧させてこれを作動させるようにしたのでは、その分フロント側の消費液量が多くなってしまう。とすれば、マスタシリンダのフロント系ストロークを大幅に長く確保せざるをえず、マスタシリンダの大型化を招いたり、その操作フィーリングが悪化するという問題を生じる。
また、この種の液圧ブレーキシステムでは、いわゆるPバルブを設けることにより、フロント側に比べてリア側を減圧し、後輪ロックを防止するようにしている。そうしたPバルブが、補助動力圧が失陥したときに減圧制御の作動をすると、リア側のブレーキ力負担が少ないとはいえ、トータルとしてのブレーキ力が低下するという問題もある。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、増圧時におけるフロント側の消費液量を少なくすることができる液圧ブレーキシステムを提供することを目的とする。
この発明は、また、増圧シリンダ装置の作動に応じて、後輪ロック防止用のPバルブの減圧制御機能を無効化するようにした技術を提供することを他の目的とする。
さらに、この発明は、増圧シリンダ装置自体をフロントおよびリアの両ブレーキ配管系の配管の中継点として利用することができる技術を提供することをも目的とする。
【0007】
【そのための手段および作用】
この発明では、前に述べた理由により、フロントブレーキ配管系にのみ増圧シリンダ装置を設ける。増圧シリンダ装置は、シリンダの内部にピストンを含み、そのピストンが移動することによって、フロント側のホイールシリンダの液圧を増圧する。ここでは、増圧シリンダ装置のピストンを移動させる液圧として、リアブレーキ配管系のブレーキ液圧を用いるようにする。
【0008】
また、フロント側に比べてリア側を減圧制御するためのPバルブ(減圧制御弁)がある場合、増圧シリンダ装置が増圧作動をすることに応じて、Pバルブの減圧制御を無効にするようにする。この無効にする制御に際しては、Pバルブを増圧シリンダ装置に対し一体化するようにすると良い。そうすれば、増圧シリンダ装置のピストンの動きを利用して、Pバルブの弁部分の弁−弁座の位置関係を制限し、Pバルブを無効の状態にすることができる。
【0009】
さらに、一つの増圧シリンダ装置にフロントおよびリアの両ブレーキ配管系を連結することにより、増圧シリンダ装置をブレーキ配管の中継点として積極的に用いることができる。
なお、増圧シリンダ装置のピストンには、通例、前記のブレーキ液圧のほか、制御液圧として外部の液圧源からの補助動力圧が加わるが、簡単な制御弁を付属させることにより、増圧のためのピストン自体に高圧の補助動力圧が加わらないようにすることができる。制御弁は、通常は閉じているが、補助動力圧の低下に応じて、リアブレーキ配管系のブレーキ液圧が補助動力圧に打ち勝ったときに開いて、増圧シリンダ装置のピストンにリア側の液圧を供給する。この増圧シリンダ装置による吐出能力は、フロント側のブレーキ配管系が失陥した時に、リア側のブレーキ液圧を確保することを考え、マスタシリンダの吐出能力の約1/3〜2/3程度にするのが好ましい。
【0010】
【基本的な配管構成】
図1は、この発明によるブレーキシステムの基本的な配管構成を示す。
リザーバ10を背負ったマスタシリンダ12はタンデム型であり、その作動を液圧式倍力装置14が助勢する。これらマスタシリンダ12と液圧式倍力装置14とは、軸線を一にして連らなり、その軸線上のブレーキペダル16の踏込み操作によって、作動される。
液圧式倍力装置14は、外部の液圧源20から管路22を通して補助動力圧を受けて作動する。外部液圧源20は、ポンプ20P、アキュムレータ20A等を含む公知のものである。一方、タンデム型のマスタシリンダ12は、軸線方向に2つの液圧室を備え、各液圧室に通じる2つの吐出口12a,12bからそれぞれブレーキ配管31,32が延びる。このブレーキシステムにおける配管は前後型であり、シリンダボトムに近い側のブレーキ配管31がリアブレーキ配管系、もう一方のブレーキ配管32がフロントブレーキ配管系である。各ブレーキ配管31,32は、マスタシリンダ12からリアおよびフロントの左右のブレーキ装置41a,41b;42a,42bに連絡していることは勿論である。
【0011】
この発明のブレーキシステムでは、そうしたマスタシリンダ12から各ブレーキ装置41a,41b;42a,42bのホイールシリンダまで延びるブレーキ配管31,32の途中に、増圧シリンダ装置50を配置する。増圧シリンダ装置50の詳細については、図2〜図4を参照しながら後で述べるが、増圧シリンダ装置50は、段付きのシリンダ構造であり、大径な部分501にリア側のブレーキ配管31と、液圧式倍力装置14から延びる管路34(つまり、外部液圧源20のアキュクレータ20Aの液圧に連絡する管路)とが接続され、また、小径な部分502にフロント側のブレーキ配管32が接続されている。なお、この例では、大径な部分501の端部にPバルブ80が一体化され、リア側のブレーキ配管31は、そのPバルブ80を通してリア側のブレーキ装置41a,41bに連絡している。それに対し、フロント側のブレーキ配管32は、増圧シリンダ装置50の小径な部分502を通してフロント側のブレーキ装置42a,42bに連絡している。
【0012】
【増圧シリンダ装置の第1の実施例】
図2は、第1の実施例である増圧シリンダ装置150の断面構造を示す。この増圧シリンダ装置150は、小径な部分1502と大径な部分1501とを含む段付きシリンダ152を備える。段付きシリンダ152は、小径側の一端152eが閉じ、大径側の他端152fが開き、他端152fの開口をねじ止めキャップ153が閉じている。キャップ153には、配管接続のための接続口153p、およびその接続口153pをシリンダの内部に連通する断面T字型の連通孔153tがある。また、キャップ153は、シールリング153sを保持し、段付きシリンダ152の内部に密閉したシリンダ孔を形成している。内部のシリンダ孔は、大径な部分1501の内部の大径孔1501hと、小径な部分1502の内部の小径孔1502hとを含む。そうした内部のシリンダ孔の中に、段付きのピストン160が、軸線方向に移動可能に挿入されている。ピストン160には、大径部161と小径部162とがあり、大径部161が大径孔1501hに、小径部162が小径孔1502hにそれぞれ位置し、段部1503をまたいでいる。こうしたピストン160は、3つのシールリング171,172,173を保持している。大径部161の外周のシールリング171は、キャップ153のシールリング153sとの間に第1の室181を、また、小径部162の外周のシールリング172との間に第2の室182をそれぞれ形成している。また、シールリング172は、小径部162の端部のシールリング173との間に第3の室183、そして、シールリング173は、シリンダボトム(閉じた一端)152eとの間に第4の室184をそれぞれ形成している。なお、第1〜第4の各室181〜184に連絡するため、段付きシリンダ152の所定部分に各連絡口181p,182p,183p,184pがある。
【0013】
段付きピストン160の小径部162の端部に注目すると、ピストン160をキャップ153側に付勢するばね装置190がある。ばね装置190は、シリンダボトム152eの底に位置するカップ型のばね受け190aと、ピストン160の小径部162の端部に位置するリング型のばね受け190bと、それらのばね受け190a,190b間に支持したコイルスプリンブ190cとを備える。ピストン160は、第2の室182に加わる液圧に基づく力のほか、このばね装置190によって、通常時、キャップ153側に付勢され、大径部161の端がキャップ153の端面に当たっている。大径部161の端の溝161dは、リンギング防止のためのものである。
【0014】
再び小径部162側を見ると、小径部162の端部に深い孔162hがあり、また、その孔162hの底に連通する断面T字型の通路162tがある。通路162tは、孔162h側と第3の室183とを連通している。孔162hの中には、通路162tと孔162h側とを開閉するバルブ装置195がある。バルブ装置195は、ばね受け190aに支持されたロッド195aと、ロッド195aの先端に支持されたバルブ195bと、バルブ195bを孔162hの底に向けて付勢するバルブスプリング195cとを備える。段付きピストン160が、図に示すようにキャップ153側に当たっているとき、ロッド195aがばね受け190aによって位置規制され、バルブ装置195は開状態である。しかし、段付きピストン160がシリンダボトム152e側に移動するとき(これは、増圧作動をするときに対応する。その点、今後の説明から明らかになるであろう。)、ピストン160の動きに応じてバルブ装置195は閉状態となる。ピストン160の大径部161に近い所に中径な段部163があるが、この段部163は段部1503に当たり、ピストン160のストロークストッパとして機能する。
【0015】
さて、次に増圧シリンダ装置150の配管接続を見る。マスタシリンダ12のリア側の吐出口12aからのブレーキ配管31が、大径な部分1501の連絡口181pに接続される。連絡口181pは、第1の室181からキャップ153の配管接続口153pに連通し、そこからリア側のブレーキ装置41a,41bの各ホイールシリンダに連絡する。一方、マスタシリンダ12のフロント側の吐出口12bからのブレーキ配管32が、小径な部分1502の連絡口183pに接続される。連絡口183pは、第3の室183から通路162tおよびバルブ装置195を通して、第4の室184に連通する。第4の室184の出口となる連絡口184pは、フロント側のブレーキ装置42a,42bの各ホイールシリンダに連絡される。そして、第2の室に連絡する連絡口182pに、液圧式倍力装置14側からの管路34が接続され、連絡口182pに続く第2の室182に外部液圧源20のアキュムレータ20Aの液圧が加わる。
そこで、第2の室182にアキュムレータ20Aの正常な液圧が加わるかぎり、段付きピストン160は、バルブ装置195を開状態に保つ。それによって、連絡口183pに入るマスタシリンダ12のフロント側のブレーキ液圧が、増圧されることなく、バルブ装置195、第4の室184および連絡口184pなどを通してフロント側のブレーキ装置42a,42bの各ホイールシリンダに供給される。しかし、万が一、液圧倍力装置14の補助動力圧であるアキュムレータ20Aの液圧が低下するような事態が生じた場合、段付きピストン160の大径部161と小径部162との受圧面積に差があるため、その差に基づく力により、ピストン160はシリンダボトム側に移動することになる。それに応じて、バルブ装置195が開から閉の状態となり、増圧シリンダ装置150は増圧作動をする。増圧の度合いは大径部161と小径部162との各受圧面積の比で決まることは勿論である。
【0016】
こうした増圧作動のとき、段付きピストン160の動きに伴って、マスタシリンダ12側の作動液はかなり消費される(大径部161に面する第1の室181の体積変化であるため、消費量はそれだけ多くなる)。だか、増圧シリンダ装置150では、ピストン160の移動をリア側のブレーキ配管系のブレーキ液圧で行っているため、マスタシリンダ12のフロント側だけのストロークをいたずらに大きくすることはない。
また、増圧シリンダ装置150に対し、リアおよびフロントの両ブレーキ配管をまとめることになるので、増圧シリンダ装置150を配管の中継点として利用することができ、ブレーキ配管のレイアウト上有利に展開することもできる。
【0017】
【増圧シリンダ装置の第2の実施例】
図3が、第2の実施例である増圧シリンダ装置250の断面構造を示す。この増圧シリンダ装置250は、本来の増圧機能をもつ部分250Zに対し、Pバルブと称される減圧制御弁280が組み合っている。増圧機能をもつ部分250Zは、前記した第1の実施例の増圧シリンダ装置150と同様の構造であり、そうした部分250Zの一端に減圧制御弁280が互いの軸線を一にして一体となっている。そこで、部分250Zの内部構造およびその配管接続については、第1の実施例の場合と同様の符号を付けることによって、それらの説明は省略し、減圧制御弁280およびそれと部分250Zとの結合を中心に説明をする。
減圧制御弁280の本体部分は、たとえば実開平4−266556号公報が示す公知のものと同様である。二分割構造のハウジング281の内部に段付き孔281tがあり、その孔281tに段付きのバルブピストン282が移動可能に入っている。バルブピストン282には、小径部282aと大径部282bがあり、それらの部分をシールリング283a,283bがシールしている。シールリング283a,283bによって定まる受圧面積が、液圧制御弁280の減圧比を規定する。バルブピストン282には、また、中心を貫通した貫通孔282t、および貫通孔282tの一方の開口回りに弁座284がある。この弁座284は、対向するポペット285と協力して貫通孔282tの開口を開閉する。なお、バルブピストン282は、通常時、予負荷ばね286の力を受け、途中のフランジ部282fがハウジング側に当たり静止状態にある。しかし、連絡口181pを通して第1の室181に加わるマスタシリンダ側のブレーキ液圧が所定値を越えると、バルブピストン282がポペット285側に動き、貫通孔282tの開口を閉じる。こうした作動によって、ハウジング281の配管接続口281pからリア側のブレーキ装置41a,41bの各ホイールシリンダに減圧したブレーキ液圧が供給される。
【0018】
しかし、増圧シリンダ装置250の部分250Zによってフロント側のブレーキ液圧が増圧されるような時には、減圧制御弁280の減圧機能を無効とすることが望まれる。無効とすることによって、その分だけブレーキ作動の効率を高めることができるし、また、増圧作動時には、リア側に比べて必然的にフロント側のブレーキ液圧が高くなるので、リア側をあえて減圧する必要性はないからである。そこで、増圧シリンダ装置250では、増圧のためのピストン160の動きに応じて、ポペット285の位置を変え、たとえバルブピストン282が移動しても、ポペット285が弁座284に着座しないようにしている。それを達成する手段として、ここでは、ポペット285をスライダ装置287で支持するようにしている。スライダ装置287は、ハウジンブ281の端部の弁室281vの中に位置し、増圧のためのピストン160の端面に対向している。スライダ装置287は、弁室281vの内壁に沿って軸線方向に移動可能なスライダ部材287aと、スライダ部材287aをピストン160側に付勢するスライダスプリング287bと、スライダ部材287aに取り付けた断面T字型の支持部材287cと、スライダ部材287aの移動量を制限するストッパリング287dとを備える。また、ポペット285は、リング型の部材285aおよびポペットスプリング285bを介して、スライダ装置287に支持される。
【0019】
増圧のためのピストン160が通常の位置にあるとき、バルブピストン282の移動量は弁座284−ポペット285の距離よりも大きく、バルブピストン282の移動によってポペット285は弁座284に着座可能である。しかし、ピストン160が移動し増圧作動をするとき、スライダ部材287aは、弁室281vの入口のストッパリング287dに当たるまで移動する。このスライダ部材287aの移動によって、弁座284−ポペット285の距離は、前記バルブピストン282の移動量よりも大きくなり、ポペット285はバルブピストン282側の弁座284に着座しなくなる。これは、液圧制御弁280の減圧制御機能が無効になったことを意味する。
【0020】
【増圧シリンダ装置の第3の実施例】
図4が、第3の実施例である増圧シリンダ装置350の断面構造、およびそれに付属した制御弁を示す。すでに述べた第1および第2の各実施例では、外部液圧源20からの高い補助動力圧を増圧のためのピストン160に直接作用させている。そのため、ピストン160回りの各部品として、それに対応するだけのものを用いることが必要である。また、常時高圧を受けるため、耐久性の点で不利である。そこで、この増圧シリンダ装置350では、増圧のためのピストン1600にそうした高圧が直接加わらないようにしている。しかし、多くの部分は、第1の実施例の増圧シリンダ装置150と同様であるので、対応する部分に同一の符号を付けることによって、それらの説明は省略あるいは簡略にする。
増圧シリンダ装置350のピストン1600は、大径部1610の両側に小径部1620a,1620bを備える。シリンダボトム側の小径部1620aはすでに述べた他の実施例と同様に小径孔1502hにあるが、キャップ1530側の小径部1620bは、キャップ1530の内周の孔1530h内に入っている。そうした小径部1620bの外周にもシールリング170があり、その結果、ピストン1600回りの第1の室1810は、大径部1610の外周のシールリンブ171と、小径部1620bの外周のシールリング170によって形成される。勿論、キャップ1530に保持したシールリング1530sもその役割を果たしている。
【0021】
さて、増圧シリンダ装置350の配管接続を見ると、小径な部分1502に対するフロント側のそれはすでに述べたものと同じである。リア側の接続は異なり、第2の室182は大気室(つまり、通路182tを通して大気に通じている。)であり、また、キャップ1530の配管接続口1530pへはリア側のブレーキ配管31を通してマスタシリンダ12からのブレーキ液圧が加わる。そして、第1の室1810にピストン1600の動きを制御する制御圧が加わる。制御圧に関する管路310には、常閉の制御弁312と弛め用逆止弁314とが並列に接続されている。制御弁312は、ボール312aを保持したバルブ本体312bと、バルブ本体312bを付勢するバルブスプリング312cと、バルブ本体312bの外周をシールするシールリング312dとを備える。こうした制御弁312には、バルブ本体312bの背後に液圧式倍力装置14側からの補助動力圧(アキュムレータ20Aの液圧)が加わり、また、ボール312a側にリア側のマスタシリンダ圧が加わる。
したがって、補助動力圧が関係する系に何の失陥もない時、制御弁312は閉じ、ピストン1600は、両小径部1620a,1620bが同じ受圧面積であるため、停止している。それに対し、補助動力圧が関係する系が失陥すると、制御弁312が開き、ピストン1600は、リア側の受圧面積が大となり、ブレーキの作動に伴ってシリンダボトム側に移動し、増圧作動をする。
【0022】
なお、第3実施例における制御弁312および弛め用逆止弁314とは一体化し、配管途中に配置することもできるし、あるいは、増圧シリンダ装置350のシリンダ等と一体化することもできる。また、第3の実施例でも、液圧制御弁を配管上に別に設けたり、第2の実施例と同様に増圧シリンダ装置350に一体に設ける構成とすることもできる。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、増圧シリンダ装置をフロントブレーキ配管系にのみ設ける簡素なシステムとし、しかも、増圧のためのピストンを移動させる液圧として、リアブレーキ配管系のブレーキ液圧を用いるようにしているので、増圧時におけるフロント側の消費液量を少なくすることができ、しかもまた、増圧シリンダ装置の作動に応じて後輪ロック防止用の減圧制御弁の機能を無効とする場合には、ブレーキの作動効率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブレーキシステムの基本的な配管構成を示す図である。
【図2】この発明で用いる増圧シリンダ装置の第1の実施例を示す断面構造図である。
【図3】この発明で用いる増圧シリンダ装置の第2の実施例を示す断面構造図である。
【図4】この発明で用いる増圧シリンダ装置の第3の実施例を示す断面構造図である。
【符号の説明】
12 マスタシリンダ
14 液圧式倍力装置
16 ブレーキペダル
20 外部液圧源
31 リア側のブレーキ配管
32 フロント側のブレーキ配管
41a,41b リア側のブレーキ装置
42a,42b フロント側のブレーキ装置
50,150,250,350 増圧シリンダ装置
160,1600 ピストン
80,280 減圧制御弁
287 スライダ装置

Claims (3)

  1. ブレーキ操作に応じて補助動力圧を外部液圧源から供給されて作動する液圧式倍力装置と、この液圧式倍力装置の出力を受けてブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、このマスタシリンダから前輪ブレーキ装置のホイールシリンダに至るフロントブレーキ配管系と、前記マスタシリンダから後輪ブレーキ装置のホイールシリンダに至るリアブレーキ配管系と、前記補助動力圧が所定圧以下に低下するとき前記フロントブレーキ配管系に供給するブレーキ液圧を増圧する増圧シリンダ装置とを有する液圧ブレーキシステムにおいて、前記増圧シリンダ装置が前記リアブレーキ配管系のブレーキ液圧を受圧して増圧方向に移動されるピストンを備え、さらに、前記リアブレーキ配管系は、前記後輪ブレーキ装置のホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を所定圧力以上で減圧可能なブレーキ液圧制御弁を含んでおり、このブレーキ液圧制御弁の減圧制御が、前記増圧シリンダ装置の作動に応じて無効となる、液圧ブレーキシステム。
  2. 前記ブレーキ液圧制御弁は、前記増圧シリンダ装置に対し一体化され、前記ピストンの増圧方向への移動により、弁位置を開位置に保持するように結合されている、請求項記載の液圧ブレーキシステム。
  3. 前記増圧シリンダ装置は、前記フロントおよびリアの両ブレーキ配管系の中継点となっている、請求項1記載の液圧ブレーキシステム。
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KR100381777B1 (ko) * 1998-12-29 2003-06-18 주식회사 만도 전자 유압 브레이크 시스템

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