JPH07285322A - 車両用空調制御装置 - Google Patents

車両用空調制御装置

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JPH07285322A
JPH07285322A JP10318894A JP10318894A JPH07285322A JP H07285322 A JPH07285322 A JP H07285322A JP 10318894 A JP10318894 A JP 10318894A JP 10318894 A JP10318894 A JP 10318894A JP H07285322 A JPH07285322 A JP H07285322A
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JP
Japan
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compressor
air
operating
conditioning control
temperature
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Application number
JP10318894A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Hagino
光明 萩野
Junichiro Hara
潤一郎 原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユーザによって異なる空調装置の各部材,の
運転パターンに対応して,ユーザの感覚に適合した快適
性と,経済性および操作性を向上させる。 【構成】 熱環境検出手段CL1および手動設定手段C
L2からの信号に基づいて熱負荷調整手段CL3を制御
する空調制御手段CL4と,熱負荷調整手段CL3に関
連する部材の稼働率を設定する稼働率設定手段CL5
と,熱環境検出手段CL1,稼働率設定手段CL5から
の,少なくとも一方の情報を記憶する記憶手段CL6
と,記憶手段CL6に記憶されている情報に基づいて空
調制御値を補正する補正手段CL8とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,自動的に車室内の空
調制御を行う車両用空調制御装置に関し,特に,乗員の
感覚特性に適合した制御特性を得ることができる車両用
空調制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図58は,従来における車両用空調制御
装置のエアコンスイッチ処理,出力処理の制御例をフロ
ーチャートである。ステップS7700では,エアコン
スイッチが稼動状態であるか否かを判定する。以下,図
中,「ON」状態とは稼動状態のことであり,「OF
F」状態とは停止状態のことを意味する。次に,ステッ
プS7701では,エバポレータ吹き出し空気温Tou
tを計測する。また,ステップS7702では,コンプ
レッサが稼動状態であるか否かを判定する。もし稼動状
態であれば,ステップS7703へ処理が移行し,そう
でなければステップS7704へ処理が移行する。
【0003】ステップS7703では,エバポレータ吹
き出し空気温が所定値Tcutよりも小さいか否かを判
定する。もし,小さければステップS7705へ処理が
移行し,もしそうでなければステップS7706へ処理
が移行する。次に,ステップS7704では,エバポレ
ータ吹き出し空気温が所定値Tonよりも大きいか否か
を判定する。ここで,上記の所定値TcutよりTon
の方が,大きい値にしておく。この差がエバポレータ吹
き出し空気温によるコンプレッサ稼動/停止制御のヒス
テリシス幅になる。このステップにおいて,もしエバポ
レータ吹き出し空気温が大きければ,ステップS770
6へ処理が移行し,そうでなければステップS7705
へ処理が移行する。さらに,ステップS7705では,
コンプレッサを停止し,ステップS7706では,コン
プレッサを稼動する。
【0004】このフローチャートによる制御の効果を図
59に示す。このようにエバポレータ吹き出し空気温に
応じて,コンプレッサを稼動/停止させることにより,
エバポレータの凍結を防止しながら,適切な温度の空調
風を生成するものである。
【0005】その他,この種の車両用空調装置として
は,例えば,特開昭63−284018号公報に開示さ
れる「可変容量圧縮機の制御方法」がある。この従来例
にあっては,吐出容量を可変する圧縮器(いわゆる,可
変容量圧縮器)の制御を冷房負荷,製造上の性能バラツ
キ,使用環境などの特殊な運転状態に対して,その制御
量を目標値に安定させるよう操作量を制御することを目
的としている。このため,この従来例にあっては,使用
中に圧縮器の応答試験運転を行い,制御ゲインテーブル
を書き換えることによって,使用環境の差に対応しよう
としているものである。
【0006】このように,上記従来例のような空調制御
装置は,あくまで圧縮器側の安定化を図ったものであっ
て,ユーザ側の個人差に対処するものは,何ら開示され
ていなかった。すなわち,乗員は経済性等の観点から冷
房熱負荷が低い時期には圧縮器を停止させて使用する場
合がある。この点に注目した圧縮器の制御としては,い
わゆる,エコノミ運転と呼ばれる圧縮器の制御方法があ
り,これは外気温等の冷房熱負荷が所定値以下のときに
は,圧縮器を停止するための制御目標値であるエバポレ
ータ通過後の空気温度を通常値よりも所定値高い温度に
設定してコンプレッサの稼動率を上げて燃費向上を図っ
たものである。
【0007】また,特開昭57−14159号公報に開
示されているもののように,1台の室外ユニットと複数
台の室内ユニットを有する空気調和装置において,冷凍
サイクルの状態に応じて,絞り装置の絞り量などを自動
的に変更するものがある。しかしながら,このような装
置では,ユーザの使い方を記憶・再現するという学習で
はなく,ただ単に冷凍サイクルのある値が所定の値にな
るように調整するだけに過ぎず,いわゆる自動制御の範
疇に入るものである。
【0008】さらに,また,特開昭62−91735号
公報に見られるように,ユーザの温感(暑い,寒い)お
よび快適感に対応した操作入力に対して,設定温を適宜
設定するものがある。しかしながら,このような調和機
では,操作入力の「暑い」,「寒い」,「快適」に応じ
て,設定温を自動的に増減あるいは現状の室温の設定温
化をおこなっているに過ぎず,ユーザがどのような温冷
感的な好みを持ち,それを分析して,好みに応じた制御
を行っているわけではなく,ただ単に従来の温度設定に
対して,よりわかりやすい温冷感表現にて操作入力を行
っているにすぎない。したがって,ユーザが種々の熱環
境に対して好みとなる熱環境設定が行われるわけではな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来
の,いわゆるオートエアコンと呼ばれる空調装置では,
乗員のエアコンスイッチ操作によってコンプレッサを稼
動,停止を決定し,コンプレッサ稼動状態では,エバポ
レータが凍結しない範囲で,エバポレータの吹き出し口
空気温あるいはエバポレータ自体の温度などによって,
エバポレータの凍結状態を監視して,コンプレッサの稼
動および停止を決定していたため,乗員がエアコンスイ
ッチを使うかどうかはオートエアコンの制御に取り入れ
られるものの,乗員のエアコンスイッチ操作の使用パタ
ーンに対しては何ら制御されていなかった。
【0010】ところが,車両のユーザの中には,快適性
の点や省エネルギーの観点から,外気温が比較的高い熱
環境状態では,冷房のためにコンプレッサをほとんど常
時使用するものの,外気温が比較的低い熱環境状態で
は,コンプレッサの使用を好まない人がおり,外気温が
比較的中庸な熱環境状態では,コンプレッサを適宜稼動
/停止状態にすべく,エアコンスイッチの操作が頻繁に
必要であった。
【0011】また,特開平3−50013号公報にある
ように,室温設定に対して,乗員の操作を記憶・再現す
ることによる学習制御は可能であるが,コンプレッサ操
作について,操作内容をそのまま学習することは以下の
事由から困難であった。まず,乗員が直接的に行うコン
プレッサ操作のための操作系であるが,エアコン・スイ
ッチ(コンプレッサ・スイッチ)やエコノミー・スイッ
チがある。このようなスイッチの操作はON状態かOF
F状態の2種類である。これらのスイッチのON−OF
F(稼動/停止)状態をそのまま記憶・再現することが
可能である。
【0012】しかしながら,通常,コンプレッサは車両
のエンジンなどにより駆動しているために,例えば前回
の走行よりも高速状態で走行したとすれば,コンプレッ
サへの投入仕事量は,コンプレッサの回転数にほぼ比例
することから,当然,増加する。コンプレッサの投入仕
事量が増加すると冷凍サイクルにおける冷凍能力が増加
し,ひいては低圧冷媒によ空調風を冷却するエバポレー
タが0℃以下の温度に長時間保持され,エバポレータを
通過する空調風に含まれる湿度により,エバポレータの
フィンが凍結するという問題点があった。
【0013】このため,エバポレータの温度を検出する
ことで,凍結を防止することができるが,前回の走行よ
りもエバポレータの時間平均温度は低下し,前回よりも
冷房性能は向上し,前回,もし乗員が快適な熱環境にあ
ったとすれば,今回はやや寒すぎる制御になっているこ
とが考えられる。このように乗員の操作をそのまま再現
・記憶するだけでは,本来の乗員が望んでいる制御には
なり得ないという問題点があった。
【0014】さらに,ユーザによってコンプレッサを停
止したい時期は異なっており,停止時期が気に入らない
乗員にとっては,そのことが違和感となり,コンプレッ
サ稼動あるいは停止のスイッチを入れ直したりして操作
量の増加を招いたりする場合もあり,快適性,経済性お
よび操作性が悪いという問題点があった。
【0015】本発明は,このような問題点に鑑みてなさ
れたもので,ユーザによって異なる空調装置の各部材,
例えば,冷媒圧縮器(コンプレッサ)の運転パターンに
対応して,ユーザの感覚に適合した快適性と,経済性お
よび操作性を向上させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る車両用空調制御装置は,図1に示
すように,車室内における熱環境状態を検出する熱環境
検出手段CL1と,車室内における目標温度を手動によ
り設定する手動設定手段CL2と,車室内の熱負荷を調
整する熱負荷調整手段CL3と,前記熱環境検出手段C
L1および手動設定手段CL2からの信号に基づいて前
記熱負荷調整手段CL3を制御する空調制御手段CL4
と,前記熱負荷調整手段CL3に関連する部材の稼働率
を設定する稼働率設定手段CL5と,前記熱環境検出手
段CL1,稼働率設定手段CL5からの,少なくとも一
方の情報を記憶する記憶手段CL6と,前記記憶手段C
L6に記憶されている情報に基づいて空調制御値を補正
する補正手段CL8とを具備するものである。
【0017】請求項2に係る車両用空調制御装置は,前
記稼働率設定手段が,コンプレッサの稼働率を設定する
ものである。
【0018】請求項3に係る車両用空調制御装置は,前
記稼働率設定手段が,熱負荷調整手段稼働スイッチの稼
働率を設定するものである。
【0019】請求項4に係る車両用空調制御装置は,前
記稼働率設定手段が,デフロスタモードの稼働率を設定
するものである。
【0020】請求項5に係る車両用空調制御装置は,前
記稼働率設定手段が,導入空気切換手段の稼働率を設定
するものである。
【0021】請求項6に係る車両用空調制御装置は,図
2に示すように,車室内における熱環境状態を検出する
熱環境検出手段CL1と,車室内における目標温度を手
動により設定する手動設定手段CL2と,車室内の熱負
荷を調整する熱負荷調整手段CL3と,前記熱環境検出
手段CL1および手動設定手段CL2からの信号に基づ
いて前記熱負荷調整手段CL3を制御する空調制御手段
CL4と,前記熱負荷調整手段CL3におけるコンプレ
ッサの稼働率を設定するコンプレッサ稼働率設定手段C
L7と,前記熱環境検出手段CL1,コンプレッサ稼働
率設定手段CL7からの,少なくとも一方の情報を記憶
する記憶手段CL6と,前記記憶手段CL6に記憶され
ている情報に基づいて空調制御値を補正する補正手段C
L8とを具備するものである。
【0022】請求項7に係る車両用空調制御装置は,前
記記憶手段に記憶されている情報が,前記熱環境検出手
段により検出された熱環境情報を複数に分割した区分内
の全使用期間内における前記コンプレッサの稼働期間あ
るいは非稼働期間が占める割合である。
【0023】請求項8に係る車両用空調制御装置は,前
記記憶手段に記憶されている前記コンプレッサの稼働期
間あるいは非稼働期間が占める割合が,前記熱環境区分
内において冷房負荷が低い方向になるほど稼働期間の場
合は低く,非稼働期間の場合は高くなるように修正し,
記憶するものである。
【0024】請求項9に係る車両用空調制御装置は,前
記空調制御手段が,前記熱環境区分における冷房負荷が
変化した場合には,変化後の熱環境区分に記憶されてい
る稼働期間割合あるいは非稼働期間割合が,変化前の稼
働期間割合あるいは非稼働期間割合よりも,前記稼働期
間の場合には冷房熱負荷の変化方向と順方向に,前記非
稼働期間の場合には冷房熱負荷の変化方向と逆方向とな
るように前記熱環境区分に記憶されている前記コンプレ
ッサの稼働あるいは非稼働の期間割合を修正するもので
ある。
【0025】請求項10に係る車両用空調制御装置は,
前記空調制御手段が,前記記憶手段に記憶された前記コ
ンプレッサの稼働割合あるいは非稼働割合と,前記熱環
境検出手段からの検出信号に基づいて目標とする前記熱
負荷調整手段通過後の空調風温度を決定し,前記空調風
温度以上では前記コンプレッサを稼働し,前記空調風温
度以下では前記コンプレッサを非稼働とする稼働/非稼
働切換運転期間を設定するものである。
【0026】請求項11に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサの稼働/非稼働切換運転期間が,前記
熱環境検出手段からの検出信号が所定範囲内のとき実行
し,前記所定範囲内の冷房範囲内における冷房熱負荷が
高い側の限界値は,前記記憶手段に記憶されている前記
コンプレッサの稼働割合あるいは非稼働割合がそれぞれ
所定値以下あるいは所定値以上となる前記熱環境区分の
うち最も冷房熱負荷の高い区分の熱環境値を用いるもの
である。
【0027】請求項12に係る車両用空調制御装置は,
前記記憶手段に記憶されている前記コンプレッサの稼働
/非稼働期間割合が,前記熱環境区分内における全使用
回数あるいは全使用時間に対する前記コンプレッサの稼
働あるいは非稼働使用回数あるいは時間の割合から演算
するものである。
【0028】請求項13に係る車両用空調制御装置は,
前記記憶手段に記憶されている前記コンプレッサの稼働
/非稼働期間割合の算出が,車両の窓曇りを防止するた
めのコンプレッサ使用期間を除くものである。
【0029】請求項14に係る車両用空調制御装置は,
前記稼働率設定手段に含まれ,前記熱負荷調整手段の稼
働率を設定する熱負荷調整手段稼働スイッチと,前記熱
負荷調整手段稼働スイッチによる設定状態を前記熱環境
検出手段により検出した熱環境に応じて記憶する記憶手
段と,前記熱環境検出手段からの熱環境情報と前記記憶
手段に記憶した内容に基づいて前記熱負荷調整手段の稼
働/非稼働を制御する熱負荷制御自動稼働手段とを具備
するものである。
【0030】請求項15に係る車両用空調制御装置は,
前記稼働率設定手段に含まれ,前記熱負荷調整手段のう
ち,少なくともコンプレッサを稼働し,前記吹出口切換
手段を車両の窓方向へ開放した吹出口に切り換えること
を同時に行うことによって車両の窓曇りを防止する空調
風の吹出状態(デフロスタモード)へと前記熱負荷調整
手段の稼働率を設定するデフロスタモード設定手段と,
前記デフロスタモード設定手段による設定状態を前記熱
環境検出手段により検出した熱環境情報に応じて記憶す
るデフロスタモード設定記憶手段と,前記熱環境情報と
前記デフロスタモード設定記憶手段に記憶した内容に基
づいて前記熱負荷調整手段をデフロスタモードへと切り
換えるデフロスタモード自動設定手段とを具備するもの
である。
【0031】請求項16に係る車両用空調制御装置は,
前記稼動状態設定手段に含まれ,前記熱負荷調整手段の
導入空気を切り換える導入空気切換手段と,前記導入空
気切換手段の設定状態を前記熱環境検出手段により検出
した熱環境情報および車両の走行状態に応じて記憶する
導入空気設定状態記憶手段と,前記熱環境情報と走行状
態と前記導入空気設定状態記憶手段に記憶された内容に
基づいて前記熱負荷調整手段の導入空気を制御する制御
手段とから構成されるものである。
【0032】請求項17に係る車両用空調制御装置は,
導入空気設定状態記憶手段が,導入空気設定状態を記憶
する際に導入空気の汚染度と窓曇り可能性が高い場合の
設定は無視して記憶するものである。
【0033】請求項18に係る車両用空調制御装置は,
前記導入空気切換手段の設定状態を前記熱環境検出手段
により検出した熱環境および車両の走行状態に加え,導
入空気の汚染度に応じて記憶する導入空気設定状態記憶
手段と,前記熱環境状態と前記走行状態と前記導入空気
の汚染度と前記導入空気設定状態記憶手段に記憶した内
容に基づいて,前記空調装置の導入空気を制御する熱負
荷調整手段自動稼動手段とから構成されるものである。
【0034】請求項19に係る車両用空調制御装置は,
前記空調制御手段が,前記記憶手段により記憶する量と
して,前記コンプレッサによる冷房熱量に関係する量を
算出するものである。
【0035】請求項20に係る車両用空調制御装置は,
前記空調制御手段が,前記熱環境状態に応じて記憶した
前記冷房熱量関係量を目標とする冷房熱量関係量目標値
を設定し,前記冷房熱量関係量の値と前記冷房熱量関係
量目標値との差に応じて,前記コンプレッサ稼働率ある
いはコンプレッサ設定状態を変更するものである。
【0036】請求項21に係る車両用空調制御装置は,
前記冷房熱量に関係する量として,冷凍サイクルの低圧
側の温度あるいは圧力などの関連量あるいは前記コンプ
レッサの投入仕事関係量のいずれかを使用するものであ
る。
【0037】請求項22に係る車両用空調制御装置は,
前記冷凍サイクルの低圧側関連量として,エバポレータ
表面温度,低圧側圧力,低圧側温度,エバポレータ通過
空調風の温度の少なくともいずれかを使用するものであ
る。
【0038】請求項23に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサの投入仕事関連量として,前記コンプ
レッサを駆動するエンジンあるいは前記コンプレッサの
回転数の時間積算値,コンプレッサの消費動力の少なく
ともいずれかを使用するものである。
【0039】請求項24に係る車両用空調制御装置は,
前記空調制御手段が,前記コンプレッサの稼働/設定状
態としてコンプレッサの稼働/停止温度,コンプレッサ
の稼働/停止時間,コンプレッサの稼働/停止時間比
率,エアコン(コンプレッサ稼働)スイッチのON/O
FF時間,エアコンスイッチ時間比率,コンプレッサへ
の投入仕事量,あるいはコンプレッサの容量のうち,少
なくともいずれかを用いるものである。
【0040】請求項25に係る車両用空調制御装置は,
前記熱環境検出手段により検出される熱環境状態とし
て,外気温,設定室温と外気温の差温,設定室温差温,
日射量と外気温の複合負荷,エバポレータ吸入空気温,
あるいは外気温,日射量,室温,設定室温を少なくとも
含む総合熱負荷のうち,少なくともいずれかを用いるも
のである。
【0041】請求項26に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサ稼働率設定手段により設定されるコン
プレッサ稼働率の設定信号として,コンプレッサの稼働
/停止温度,コンプレッサの稼働/停止時間,コンプレ
ッサの稼働/停止温度差,コンプレッサへの投入仕事量
あるいはコンプレッサの容量のうち,少なくともいずれ
かを用いるものである。
【0042】請求項27に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサの稼働/停止温度として,冷凍サイク
ルの低圧側の圧力あるいは温度関連量のうち,少なくと
もいずれかを用いるものである。
【0043】請求項28に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサへの投入仕事量が,エンジン等のコン
プレッサ駆動手段の回転数の時間積算値により代用する
か,あるいは前記時間積算値から前記投入仕事量を算出
した値のいずれかを用いるものである。
【0044】請求項29に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサの容量が,前記コンプレッサとして冷
媒圧縮室の容量を可変にする可変容量コンプレッサを使
用すると共に,前記コンプレッサの容量値,あるいは制
御された目標コンプレッサ容量値のうち,少なくともい
ずれかの値を用いるものである。
【0045】請求項30に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサ稼働率設定手段が,コンプレッサの稼
働/非稼働を設定するエアコンスイッチあるいはコンプ
レッサスイッチである。
【0046】請求項31に係る車両用空調制御装置は,
前記コンプレッサ稼働率設定手段が,コンプレッサの稼
働率を減少させる方向に設定するエコノミースイッチあ
るいは省動力エアコンスイッチである。
【0047】請求項32に係る車両用空調制御装置は,
前記熱負荷調整手段が,冷房した空調風と暖房した空調
風を空調風配分ドアにより混合比率を調整するエアミッ
クス方式を用い,前記ドアの開度をエアミックス開度と
し,前記エアミックス開度として暖房風の混合比率を最
大にする場合を開度最大とし,前記混合比率を最小にす
る場合を開度最小とし,前記エアミックス開度は所定値
以下であるか,あるいはエアミックス開度の目標値が所
定値以下である場合において,コンプレッサ稼働制御に
より前記稼働率が所定値以下のとき,前記コンプレッサ
稼働率を所定値以上に制御するものである。
【0048】
【作用】この発明に係る車両用空調制御装置(請求項
1)によれば,例えば,外気温などの車室内外の熱環境
に応じた圧縮器稼動状態を記憶し,それに基づいて圧縮
器の稼動,非稼動を制御するので,熱負荷調整手段に関
連する部材の稼働率が運転者の運転パターンへと逐次近
づき,時期によって快適性と経済性のどちらを優先させ
るかという問題について,使用していくうちにユーザの
感覚に順次適合していくことが可能となる。
【0049】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項2)によれば,稼働率設定手段は,コンプレッサの稼
働率を設定するので,コンプレッサに関してユーザの感
覚に順次適合していくことが可能となる。
【0050】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項3)によれば,稼働率設定手段は,熱負荷調整手段稼
働スイッチの稼働率を設定するので,熱負荷調整手段稼
働スイッチに関してユーザの感覚に順次適合していくこ
とが可能となる。
【0051】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項4)によれば,稼働率設定手段は,デフロスタモード
の稼働率を設定するので,デフロスタモードに関してユ
ーザの感覚に順次適合していくことが可能となる。
【0052】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項5)によれば,稼働率設定手段は導入空気切換手段の
稼働率を設定するので,導入空気切換手段に関してユー
ザの感覚に順次適合していくことが可能となる。
【0053】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項6)によれば,例えば,外気温などの車室内外の熱環
境に応じてコンプレッサ稼動状態を記憶する際に,複数
の外気温区間に分割した場合の稼動率を記憶するので,
ユーザによって異なる季節的な使用パターンの変化をき
め細かく記憶することができる。
【0054】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項7)によれば,例えば,外気温などの前記熱環境区分
が低い方向になるほど稼動率が低くなるように修正して
記憶するので,次回以降の使用時に外気温等の冷房熱負
荷が低くなるにもかかわらず,コンプレッサの稼動率が
上昇することはなく,また,使用回数が少なく,記憶値
の信頼性が低い場合でもユーザに違和感を与えることが
ない合理的な空調制御装置を提供できる。
【0055】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項8)によれば,記憶手段に記憶する稼動状態には熱環
境区分間の修正は行わず,制御補正手段で補正する際
に,同一の使用回中に外気温などの熱環境区分が変位し
た場合に限って,コンプレッサ稼動率の変化方向が熱環
境区分の冷房熱負荷方向と逆方向とならないように修正
するので,制御的に矛盾ない制御が可能であるととも
に,記憶されているコンプレッサ稼動率を可能な限り優
先させることができ,記憶されたユーザの運転パターン
に一層近いものとなる。
【0056】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項9)によれば,制御補正手段で補正する際に,コンプ
レッサ稼動状態記憶手段に記憶されたコンプレッサ稼動
率と,外気温などの熱負荷に応じて,目標とするエバポ
レータ後の空気温度を決定して,コンプレッサの稼動/
非稼動を切り換えるので,記憶された使用パターンを考
慮にいれながら,快適性を向上させ快適性と経済性を違
和感なく両立することができる。
【0057】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項10)によれば,コンプレッサ稼動/非稼動切り換え
運転を,記憶されているコンプレッサ稼動率が所定値以
下の熱環境区分よりも冷房熱負荷が小さい熱環境区分で
実施するので,コンプレッサを停止し始める外気温など
の熱環境が実際の使用パターンによって決定されるた
め,ユーザに違和感を与えず,操作量を増加してしまう
ことがない。
【0058】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項11)によれば,コンプレッサ稼動状態記憶手段に記
憶されるコンプレッサ稼動率は,同一の熱環境区間内で
の全使用回数または全使用時間に対する前記コンプレッ
サの稼動または非稼動使用回数または時間の割合から演
算するので,ユーザのコンプレッサ稼動率が精度良く演
算することができる。
【0059】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項12)によれば,コンプレッサ稼動状態記憶手段に記
憶されるコンプレッサ稼動率を算出する際に,車両の窓
曇りを防止するためのコンプレッサ稼動率を記憶するこ
とができる。
【0060】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項13)によれば,記憶手段に記憶されている前記コン
プレッサの稼働/非稼働期間割合の算出は,車両の窓曇
りを防止するためのコンプレッサ使用期間を除いている
ので,ユーザの快適感のみを考慮した稼動率が記憶でき
るため,より一層ユーザのフィーリングに適合した制御
にすることができる。
【0061】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項14)によれば,熱負荷調整手段稼働スイッチによる
設定状態を熱環境検出手段により検出した熱環境に応じ
て記憶するので,より一層ユーザのフィーリングに適合
した制御にすることができる。
【0062】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項15)によれば,少なくともコンプレッサを稼働し,
吹出口切換手段を車両の窓方向へ開放した吹出口に切り
換えることを同時に行うことによって車両の窓曇りを防
止する空調風の吹出状態(デフロスタモード)へと熱負
荷調整手段の稼働率を設定するので,より一層ユーザの
フィーリングに適合した制御にすることができる。
【0063】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項16)によれば,導入空気切換手段の設定状態を熱環
境検出手段により検出した熱環境情報および車両の走行
状態に応じて記憶するので,より一層ユーザのフィーリ
ングに適合した制御にすることができる。
【0064】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項17)によれば,導入空気設定状態記憶手段が,導入
空気設定状態を記憶する際に導入空気の汚染度と窓曇り
可能性が高い場合の設定は無視して記憶するので,ユー
ザの快適感のみを考慮した稼動率が記憶できるため,よ
り一層ユーザのフィーリングに適合した制御にすること
ができる。
【0065】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項18)によれば,熱環境および車両の走行状態に加
え,導入空気の汚染度に応じて記憶するので,より一層
ユーザのフィーリングに適合した制御にすることができ
る。
【0066】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項19)によれば,コンプレッサによる冷房熱量に関係
する量を記憶するようにしたので,従来のようなコンプ
レッサ稼動/停止温度を使用する場合に発生するような
稼動率の不安定性がなく,乗員の所望するコンプレッサ
の使い方を再現することができる。
【0067】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項20)によれば,実際の冷房熱量関連量とその目標値
との差に応じて,コンプレッサの稼動状態あるいは設定
状態を変更することができるので,冷房熱量関係の目標
値に対してより精度良くコンプレッサの稼動・設定状態
を制御でき,ひいては乗員の所望するコンプレッサの使
い方を再現できる。
【0068】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項21)によれば,冷房熱量関連量として冷凍サイクル
の低圧側関連量あるいはコンプレッサの投入仕事関連量
を使うようにしたので,冷房熱量関連量を精度良く算出
できる。
【0069】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項22)によれば,前記低圧側関連量として,前記のよ
うな諸量を使用することにしたので,冷房熱量関連量を
精度良く算出できる。
【0070】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項23)によれば,前記コンプレッサの投入仕事関連量
として,前記のような諸量を使用することにしたので,
冷房熱量関連量を精度良く算出できる。
【0071】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項24)によれば,コンプレッサの稼動・設定状態とし
て,前記するような諸量を使うので,精度良く稼動・設
定状態を制御することが可能になる。
【0072】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項25)によれば,熱環境信号として,前記するような
諸量を使うので,精度良く熱環境状態を検出できる。
【0073】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項26)によれば,コンプレッサの稼動状態の設定信号
として,前記するような諸量を使うので,精度良くコン
プレッサを制御することができる。
【0074】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項27)によれば,コンプレッサの稼動/停止温度とし
て,冷凍サイクルの低圧側の諸量を使用すると,これら
の量はコンプレッサによる冷房能力と関係しているの
で,精度良くコンプレッサを制御することができる。
【0075】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項28)によれば,コンプレッサの投入仕事量として,
エンジン回転数の時間積算値を使うことで,コンプレッ
サの仕事量を精度良く見積もることができ,コンプレッ
サの仕事量が冷房能力と関係しているので,精度良くコ
ンプレッサを制御することができる。
【0076】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項29)によれば,コンプレッサとして可変容量コンプ
レッサを使用した場合,コンプレッサの容量が冷房能力
と関係しているので,精度良くコンプレッサを制御する
ことができる。
【0077】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項30)によれば,コンプレッサ設定手段としてエアコ
ンスイッチを使うことで,コンプレッサの稼動/停止の
設定を確実に検出することができる。
【0078】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項31)によれば,コンプレッサ設定手段として,エコ
ノミースイッチを使うことで,コンプレッサ使用パター
ンを確実に検出することができる。
【0079】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項32)によれば,エアミックス開度によって,コンプ
レッサ稼動・設定状態の補正を修正するようにしたの
で,コンプレッサ停止にともなう空調状態の悪化を防止
することができる。
【0080】
【実施例】 〔実施例1〕以下,この発明に係る車両用空調制御装置
の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 〔車両用空調装置の概略構成〕図3は,車両用空調装置
の概略構成を示す説明図,図4は,空調操作パネルの一
例を示す説明図であり,(1)空調装置本体1(特許請
求の範囲における熱負荷調整手段)は, ブロアユニット2 クーリングユニット3 ヒータユニット4 により構成されており,(2)コントローラ30(特許
請求の範囲における空調制御手段CL4,記憶手段CL
6,稼働率設定手段CL5,補正手段CL8)により制
御される。
【0081】(1)空調装置本体 ブロアユニット ブロアユニット2には外気導入口5と内気導入口6とが
成形されているとともに,この両導入口5,6を開閉す
るインテークドア7,該インテークドア7を回動するた
めのアクチュエータ8,空調風を発生させるためのブロ
アファン9,該ファン9を回転せるためのブロアファン
モータ10が配置されている。
【0082】 クーリングユニット クーリングユニット3にはエバポレータ11が配置さ
れ,配管12により冷凍サイクル(図示せず)と連結構
成する膨張弁(図示せず)からの低温冷媒がエバポレー
タ11に供給され,空調風を冷却後,冷媒はコンプレッ
サ(図示せず)に戻る。
【0083】 ヒータユニット ヒータユニット4にはエアミックスドア13が枢設さ
れ,さらにそのエアミックスドア13を回動するための
アクチュエータ14が配設されるとともにヒータコア1
5が配設されている。ヒータコア15には配管27によ
り図示しない車両用エンジンの温水である冷却水が供
給,循環され,ヒータコア15を通過する空調風を加熱
する。ヒータユニット4の下流端部にはデフロスタダク
ト16,ベントダクト17,フットダクト18が連通さ
れており,各ダクト16,17,18の基端部には開閉
ドア19,20,21が枢支され,さらに,各開閉ドア
用のアクチュエータ22,23,24が配設されてい
る。ベントダクト17の端部にはベントグリル25が設
けられ,所望の風向を設定するルーバーフィン26が配
設されている。
【0084】(2)コントローラ また,車両用空調装置は,空調のインテークモード,風
量,吹出モードおよび温度制御を実行するコントローラ
30が設けられ,室温設定器31(特許請求の範囲にお
ける手動設定手段CL2に該当する),室温センサ3
2,外気温センサ33,日射量センサ34(32,3
3,34の各センサは特許請求の範囲における熱環境条
件検出手段CL1に該当する),室温,後述する吹出口
モード,内外気導入切換モード,風量設定の自動制御を
行うオートエアコン稼働スイッチ35,エアコン停止ス
イッチ36,風量設定器37,空調風の導入を室内ある
いは室外あるいはその両方に切り換える内外気導入切換
スイッチ38,車両フロントウィンドウの窓曇りを除去
するためのフロントウィンドウデフロスタスイッチ3
9,車両リアウィンドウの窓曇りを除去するためのリア
ウィンドウデフロスタスイッチ40(35,36,3
8,39,40のスイッチおよび37の設定器は特許請
求の範囲における手動設定手段CL2に該当する)が設
けられている。
【0085】さらに,空調風を室内に吹き出す際,前席
乗員の胸元付近へ吹き出すベント吹出モード,前席乗員
の足元付近へ吹き出すフット吹出モード,その両方から
吹き出すバイレベル吹出モードを切り換える吹出口モー
ドスイッチ41(特許請求の範囲における手動設定手段
CL2に該当する)の出力値が入力され,演算後,イン
テークモードの設定としてアクチュエータ8に開閉の指
示がなされ,風量設定としてブロアファンモータ10へ
電圧が出力され,吹出モードとしてドアアクチュエータ
22,23,24にそれぞれ開閉の指示がなされ,さら
に吹出温制御として,エアミックスドアアクチュエータ
14に開度の指示が行われる。なお,42は空調表示部
であり,目標室温,吹出口モード,リアデフロスタ,風
量などの各種情報が表示されている。
【0086】また,図3において,43はコンプレッサ
の運転,停止を切り換えるコンプレッサスイッチであ
り,現在のコンプレッサ稼動状態を乗員に明示するため
にインジケータを備えている。すなわち,自動設定と手
動設定の別にかかわらず,コンプレッサ稼動時にはイン
ジケータを点灯し,停止時にはインジケータを消灯す
る。44は,エバポレータ11通過後の空気温度を計測
する吸入温度センサである。
【0087】〔空調装置の制御動作〕図5は,空調装置
全体の制御動作を示すフローチャートである。すなわ
ち,空調装置1の起動スイッチであるオートエアコン稼
働スイッチ35が押下されると,後述する各ステップの
演算に用いる予め定められた定数A〜Uの値と乗員の設
定変更情報を,コントローラ30内に内蔵されたメモリ
から読み込む初期化処理を実行し(S101),次に,
本発明の特徴となる熱環境情報検出手段としての各セン
サの出力信号と,乗員の設定室温,各スイッチの状態を
読み込むデータ入力処理を実行し(S102),エバポ
レータ通過後における冷風のヒータコア通過量を制御す
るエアミックスドアの開度Xを求める(S103)。す
なわち,現在の熱負荷状態下における設定室温にするた
めに必要な目標吹出温度Tofを求め,吹出温度をTo
fにするためのエアミックス開度Xを算出する。
【0088】続いて,目標吹出温度がTofの時に最適
な吹出口モードを決定する吹出口モード処理を実行し
(S104),吸込口の状態を決定する吸込口処理を実
行する(S105)。さらに,本発明の特徴となるコン
プレッサ処理を実行し(S106),目標吹出温度To
fに応じた風量を吹き出すように予め定められているブ
ロアファン印加電圧特性によって,ブロアファン電圧V
fanを決定する風量処理を実行する(S107)。
【0089】その後,上記ステップS104〜S107
において演算した制御量になるように各アクチュエータ
に対して制御信号を出力する出力処理を実行し(S10
8),ステップS102へ戻ってOFFスイッチが押下
されるまで,上記ステップS102〜S108の処理を
繰り返し実行する。以下,各ステップの詳細について説
明する。
【0090】本発明の特徴となるのは,上記フローチャ
ートにおいて,ステップS102のデータ入力処理にお
けるコンプレッサ稼働率学習処理と,該処理に基づいて
コンプレッサの稼動,停止を決定するステップS106
におけるコンプレッサ処理である。
【0091】 初期化処理 図6は,図5に示した初期化処理の詳細を示している。
ここでは,まず,ステップS103における目標吹出温
度Tof演算において用いられる定数A〜F,エアミッ
クス開度を算出する際に用いられる定数F,G,H,ス
テップS104における吹出口モードの決定に必要な定
数I〜L,ステップS105における吸込口モードの決
定に必要な定数M〜Q,ステップS106におけるブロ
アファン電圧の決定に必要なR〜Uの各定数をセットす
る(S201)。
【0092】続いて,揮発性メモリの設定室温補正マッ
プに記憶されている設定室温変更記憶情報から,今回の
空調装置使用時における各温熱環境下での設定温補正量
Tptc,cor〔i〕〔j〕を演算して(S20
2),メインフローへ戻る。
【0093】 データ入力処理 図7に示すフローチャートは,図5に示したステップS
102のデータ入力処理の詳細を示している。すなわ
ち,データ入力が開始すると,各センサの認識値と各ス
イッチの設定状況を入力する(S301)。その後,車
両エンジン始動スイッチであるイグニッションキー(図
示せず)がOFFか否か,あるいはエアコン装置の停止
スイッチである停止スイッチ36がOFFか否かを判断
し(S302),OFFされたと判断した場合には,後
述するコンプレッサ稼動率の学習処理を実行した(S3
03)後,システムの運転を停止する。
【0094】反対に,ステップS502において,OF
Fされていないと判断した場合には,次に,制御装置の
1サイクル時間の間にコンプレッサが運転状態から停止
状態へ,または停止状態から運転状態へ切り替わったか
否かを判定し(S304),切り替わったと判断した場
合には,上記ステップS303のコンプレッサ稼動率学
習処理で必要となるデータを保存するためのコンプレッ
サ稼動履歴記憶メモリに,コンプレッサの切り替わりパ
ターンと,イグニッションONから現在までの時間情報
を記憶して(S305)メインフローへ戻る。反対に,
切り替わっていないと判断した場合には,そのまま,メ
インフローに戻る。
【0095】 エアミックス開度処理 図8は,図5に示したエアミックス開度処理の詳細を示
している。まず,現在の室温Tic,外気温Tambか
ら室温補正マップ(図示せず)上でどの記憶領域i,j
に相当するかを判定し,設定室温補正量Tptc,co
rに上記ステップS202において求めたTptc,c
or〔i〕〔j〕をセットする(S401)。
【0096】次に,設定室温の値を下記の式により補正
する(S402)。すなわち, Tptc’=Tptc+Tptc,cor である。その後,目標吹出温度Tofの値を次式により
計算する(S403。すなわち, Tof=A×Tptc’+B×Tamb+C×Qsun
+D×Tic+E である。次に,エアミックス開度Xを次式により計算す
る(S404)。すなわち, X=F×Tof2 +G×Tof+H により計算する。
【0097】 吹出口モード処理 図9は,図5に示した吹出口モード処理の詳細を示して
いる。まず,目標吹出温度Tofに応じて,予め定めら
れた吹出口モードマップを用いて吹出口を選択する(S
501)。ここで,各モードの吹き出し状態を下記に示
す。 ベントモード:インストパネルに配置されたベンチレー
タグリルのみから吹き出す。 バイレベルモード:ベンチレータグリルと足元吹出口の
双方から吹き出す。 フットモード:足元吹出口およびインスト上面に開口し
フロントウィンドウ内面へ吹き出すデフロスタ吹出口か
ら吹き出す。
【0098】次に,吹出口モードスイッチ41が押され
ているか否かを判断し(S502),押されていると判
断した場合には,ベントモード(S503),バイレベ
ルモード(S504),フットモード(S505),デ
フロスタモード(S506)においてそれぞれに相当す
る吹出口モードを選択する。
【0099】 吸込口処理 図8は,図3に示した吸込口処理の詳細を示している。
まず,目標吹出温度Tofに応じて,予め定められた吸
込口マップを用いて吸込口の状態を選択する(S60
1)。ここで,各状態とは, REC:100% 20%FRE:20%外気導入,80%内気循環 FRE:100%外気導入 である。
【0100】次に,吸込口スイッチが押されているか否
かを判断し(S602),押されていると判断した場合
には,外気導入(S603),内気循環(S604)に
おいて,それぞれに相当する吸込口を選択する。
【0101】 コンプレッサ処理 図11は,図5のステップS106に示したコンプレッ
サ処理の詳細を示し,まず,車両のエンジン始動スイッ
チであるイグニッションキーがONされた直後か否かを
判断し(S901),直後であると判断した場合には,
マニュアルフラグをOFFし(S902),直後以外で
あると判断した場合には,そのままステップS903へ
処理を移行する。ここで,マニュアルフラグとは,コン
プレッサの運転,停止を乗員の手動操作によって切り換
えられたか否かを判定するためのフラグであり,エンジ
ンの始動直後にOFFに初期化される。
【0102】その後,マニュアルフラグがONか否かを
判断し(S903),ONではないと判断した場合に
は,次に,制御装置の1サイクル時間の間にコンプレッ
サスイッチが押されたか否かを判断し(S904),押
されたと判断した場合にはマニュアルフラグをONする
(S905)。また,ステップS904において,コン
プレッサスイッチが押されていないと判断した場合には
ステップS907へ処理が移行する。
【0103】次に,手動選択で設定されているコンプレ
ッサのON/OFF状態を判定し,ONの場合にはステ
ップS910へ,OFFの場合にはステップS912
へ,それぞれ処理が移行する。すなわち,マニュアルフ
ラグがOFFで手動設定されていないとき(自動制御
時)で,コンプレッサがONのときにコンプレッサスイ
ッチが押された場合には,コンプレッサ設定はOFF状
態とし,逆に,自動制御時でコンプレッサがOFF状態
ならば,コンプレッサ設定はON状態とする。また,1
サイクル時間にコンプレッサスイッチが押されていない
場合には,前回の設定状態とし,マニュアルフラグがO
Nで,1サイクル時間中に再びコンプレッサスイッチが
操作された場合には前設定状態と逆の設定状態とする。
【0104】上記ステップS907では,自動制御時の
コンプレッサ稼動モードとして次の3つを外気温をパラ
メータとして選択する。 常時ONモード:エバポレータの凍結防止や,フル加速
時のエンジン負荷軽減のため等の理由でコンプレッサ保
護カットが必要でない限り,常時コンプレッサをONす
る。 ECONモード:ステップS908,S909で示すよ
うに,目標となるエバ直温を可変にして,この目標エバ
直温度を境界値としてコンプレッサをONOFFする。 常時OFFモード:エバポレータの凍結防止等の理由か
らコンプレッサを保護するため常時コンプレッサをOF
Fする。
【0105】そして,常時ONモードではステップS9
10へ,ECONモードではステップS908へ,常時
OFFモードではステップS912へ,それぞれ処理が
移行する。ステップS908では,コンプレッサ稼動状
態記憶メモリに記憶されているコンプレッサOFF率の
うち,外気温Tambが所属する外気温区間CでのOF
F率Poff(C)を読み込み,Poff(C)と,設
定温度Tsetと外気温Tambの差とコンプレッサ常
時OFFモードとの境界値Tlimを用いて,コンプレ
ッサのON/OFF制御の境界エバ直温度Tcutを下
記の式1により算出する。すなわち, (式1) Tcut=Poff(C)×(Tset−Tamb)+
Tlim である。
【0106】ここで,外気温Tambの所属区間Cは,
図18に示すように設定する。すなわち,所定値Tli
m以上Tmax以下の外気温をN−1等分し,外気温の
低い順に区分C=1,2,3,・・・Nとする。そし
て,各区分毎に後ステップで算出されるコンプレッサ稼
動状態演算のための情報を記憶する。例えば,図18
は,コンプレッサOFF確率Poff(C)の記憶状況
を示している。
【0107】上記式1によれば,まず,外気温と設定温
度との差が大きいほどTcutの値が大きくなり,コン
プレッサがOFFされる可能性が高くなる。つまり,設
定温度が高く外気温が低いほどコンプレッサがOFFさ
れる確率が高くなる。それに,過去の使用状況を記憶し
たOFF率を掛け合わせることで,OFF率が高いほど
Tcutの値が高くなり,使用パターンに即したコンプ
レッサ稼動率となる。
【0108】ステップS909では,上記ステップS9
08において求めたTcutの値と現在のエバ直温度T
intからコンプレッサの設定を稼働するか否かを判断
し,ONと判断した場合にはステップS910へ,OF
Fと判断した場合にはステップS912へ,処理が移行
する。
【0109】ステップS910では,エバポレータの凍
結防止や,フル加速時のエンジン負荷軽減のため等の理
由でコンプレッサ保護カットが必要か否か判断し,必要
であると判断した場合にはステップS912へ,必要で
はないと判断した場合にはステップS911へ,それぞ
れ処理が移行する。
【0110】ステップS911では,コンプレッサの状
態をONに設定し,コンプレッサスイッチのインジケー
タを点灯してメインフローへ戻る。一方,ステップS9
12では,コンプレッサの状態をOFFに設定し,コン
プレッサスイッチのインジケータを消灯状態としてメイ
ンフローへ戻る。
【0111】 風量処理 図12は,図5に示した風量処理の詳細を示している。
まず,目標吹出温度Tofに応じて,予め定められたブ
ロアファン印加電圧マップを用いてブロアファン印加電
圧Vfanを選択する(S701)。次に,ブロアファ
ン電圧設定スイッチが押されているか否かを判断し(S
702),押されていると判断した場合には,ブロアフ
ァンモータへの出力値Vfan’値を選択された電圧V
fan,mに設定し(S703),反対に,押されてい
ないと判断した場合には,Vfan’を上記ステップS
701において決定したブロアファン電圧Vfanに設
定する(S704)。
【0112】 出力処理 図13は,図5に示した出力処理の詳細を示している。
まず,上記ステップS103〜105において設定され
たエアミックス開度X,吹出口モード,吸込口となるよ
うに,エアミックスドア,吹出口モードドア,吸込口モ
ードドアの各アクチュエータに対して駆動信号を出力す
る(S801)。次に,上記ステップS106において
設定したブロアファン電圧Vfan’となるようにブロ
アファンモータに対して駆動信号を出力する(S80
2)。
【0113】〔コンプレッサ稼働率学習処理〕図14
は,図7に示したステップS303のコンプレッサ稼働
率学習処理の詳細を示すフローチャートであり,本発明
の重要な要素となる部分である。ステップS1201で
は,図5に示したステップS505において記憶された
コンプレッサ状態履歴記憶メモリ内の外気温から今回の
使用環境に該当する外気温の所属区間Cを求め,その外
気温区間Cの使用総数Ntotal(C)をインクリメ
ントする。
【0114】ステップS1202では,コンプレッサ状
態履歴記憶メモリに記憶された,ON/OFF情報と時
間情報から同一外気温区間の使用時間のうちコンプレッ
サOFF時間の割合が所定値R0 以上か否かを判断し,
所定値R0 以上であると判断した場合には,ステップS
1203へ,所定値R0 以下であると判断した場合に
は,ステップS1204へ,処理が移行する。
【0115】ステップS1203では,該当する外気温
区間CのコンプレッサOFF回数Noff(C)をイン
クリメントしてステップS1204へ処理を移行する。
ステップS1204では,該当する区間Cのコンプレッ
サOFF率Poff(C)を下記の式により演算する。
すなわち, Poff(C)=Noff(C)/Ntotal(C) である。
【0116】なお,コンプレッサ状態履歴記憶メモリに
記憶された外気温が,複数の外気温区間にわたる場合に
は,それぞれの外気温区間について上記ステップS12
01からS1204の処理を実行する。
【0117】ステップS1205では,全外気温区間C
にわたって, Poff(C)≧Poff(C+1) (C=1,2,
・・・,N−1) を満たすようにPoff(C)の値を書き換える。具体
的には,C=N−1からC=1まで順に,もしP(C)
<P(C+1)ならばPoff(C)=Poff(C+
1)として,1つ高温側の外気温区間に合わせる操作を
繰り返す。
【0118】ステップS1206では,ステップS12
05において書き換えたPoff(C)が所定値P0
上のCの内,最も高温の外気温区間Cの上限値を,図1
1に示したステップS907においてECONモード開
始温度として使用するTacoffに設定して記憶す
る。
【0119】ステップS1207〜S1210では,T
acoffに上下限値を設定し,Tlim≦Tacof
f≦Tmaxとしてルーチンを終了する。すなわち, Tacoff>Tmax が成立するか否かを判断し(S1207),成立すると
判断した場合には, Tacoff=Tmax とし(S1208),反対に,成立しないと判断した場
合には,次に, Tacoff<Tlim が成立するか否かを判断し(S1209),成立すると
判断した場合には, Tacoff=Tlim とし(S1208),反対に,成立しないと判断した場
合には,リターンする。
【0120】上記のフローチャートに従えば,コンプレ
ッサOFF確率Poff(C)は図18に示したよう
に,外気温の増加方向に対して必ず単調に減少すること
になり,外気温が低いほどOFF確率が高く,コンプレ
ッサ稼働率が低下するので,乗員に違和感を与えること
がないという効果がある。
【0121】〔実施例2〕次に,実施例2について説明
する。ここでは,上記実施例1と学習に関して異なる部
分について図15,図16,図17を用いて説明する。
まず,図15,図16は,上記実施例1の図11に相当
するコンプレッサのON/OFF制御を処理する部分の
フローチャートである。ステップS1301〜S130
7は,上記実施例1の図9に示したステップS901〜
S907と同じであるため,その説明を省略する。
【0122】ステップS1308では,その時点での外
気温Tambが所属する区間Cを決定し,次にステップ
S1309では,前回の所属区間CpreとCを比較す
る。すなわち, C<Cpre が成立するか否かを判断する。等しいと判断した場合に
はステップS1313へ,C<Cpreと判断した場合
にはステップS1310へ,C>Cpreと判断した場
合にはステップS1311へ,それぞれ処理が移行す
る。
【0123】ステップS1310では,外気温区間Cの
コンプレッサOFF確率Poff(C)が前ステップで
使用したOFF確率Poffよりも高いか否かを判断す
る。すなわち, Poff(C)>Poff,pre が成立するか否かを判断し,成立すると判断した場合に
はステップS1312へ,成立しないと判断した場合に
はステップS1313へ移行する。
【0124】ステップS1311では,外気温区間Cの
コンプレッサOFF確率Poff(C)が前ステップで
使用したOFF確率Poffよりも低いか否かを判断す
る。すなわち, Poff(C)<Poff,pre が成立するか否かを判断し,成立すると判断した場合に
はステップS1312へ,成立しないと判断した場合に
はステップS1313へ,処理を移行させる。
【0125】ステップS1312では,外気温区間Cの
OFF確率Poff(C)を今回使用するコンプレッサ
OFF確率Poffとしてセットする。また,ステップ
S1313では,前回のOFF確率Poff,preを
今回使用するコンプレッサOFF確率Poffとしてセ
ットする。
【0126】ステップS1314では,OFF率Pof
f(C)を読み込み,Poff(C)と,設定温度Ts
etと外気温Tambの差とコンプレッサ常時OFFモ
ードとの境界値Tlimを用いて,コンプレッサのON
/OFF制御の境界エバ直温度Tcutを次式で算出す
る。すなわち, Tcut=Poff(C)×(Tset−Tamb)+
Tlim である。
【0127】ステップS1315〜S1318は,上記
実施例1の図6に示したステップS909〜S912と
同じであるため,その説明を省略する。最後に,ステッ
プS1319では,今ステップでの外気温区間CとOF
F確率Poffをそれぞれ,CpreとPoff,pr
eにセットしてメインフローへ戻る。
【0128】〔コンプレッサ稼働率学習処理〕図17
は,上記実施例1における図14に相当する他のコンプ
レッサ稼動率学習処理を示すフローチャートである。こ
こで,ステップS1401〜S1409は,図12に示
したステップS1201〜S1210のうちステップS
1205を除いたものと同じである。すなわち,本実施
例では,コンプレッサ稼動状態記憶メモリに記憶される
OFF確率Poff(C)の区間どおしの処理を実行し
ない。
【0129】本実施例によれば,記憶手段に記憶する稼
動状態には熱環境区分間の修正は行わず,コンプレッサ
の制御を演算する際に,同一の使用回中に外気温が変化
した場合に限って,外気温変化が低下方向の場合にはO
FF率が低下方向とならないように,また外気温変化が
上昇方向の場合にはOFF率が上昇方向とならないよう
に修正するので,制御的に矛盾がない制御にしながら,
記憶されているコンプレッサ稼動率を可能な限り優先さ
せて,記憶されたユーザの運転パターンに一層近いもの
にすることができる効果がある。
【0130】〔実施例3〕次に,実施例3について図1
9のフローチャートを用いて説明する。図19のフロー
チャートは,上記実施例1の図14に相当するものであ
るが,ステップS1601〜S1602が上記実施例1
と異なる。すなわち,ステップS1601では,コンプ
レッサ稼動状態履歴記憶メモリに記憶されているデータ
から,今回の全使用時間とコンプレッサOFF状態での
使用時間を演算して該当する外気温区間の使用総時間T
total,コンプレッサOFF使用時間Toffに加
える。また,ステップS1602では,該当する外気温
区間でのコンプレッサOFF使用時間の全使用時間に対
する割合からコンプレッサOFF率を演算する。なお,
ステップS1603〜S1608は,図14に示したス
テップS1205〜S1210と同じであるので,その
説明を省略する。
【0131】本実施例によれば,コンプレッサのOFF
確率が全使用時間に対する時間割合で計算されるため,
各外気温区分でのコンプレッサ稼動率をより精度良く計
算することが可能となる効果がある。
【0132】〔実施例4〕次に,実施例4について図2
0のフローチャートを用いて説明する。図20は,実施
例1の図7に相当する部分の他の実施例である。ステッ
プS1701〜S1703は図7のステップS301〜
S303と同じであるので,その説明を省略する。ステ
ップS1704は,1サイクル時間内にフロントデフロ
スタスイッチがON/OFF操作がなされたか,あるい
はワイパーのON/OFF操作がなされたか否かを判断
し,該操作がなされたと判断した場合には,ステップS
1705へ,反対に,処理がなされないと判断された場
合には,ステップS1706へ処理が移行する。
【0133】ステップS1705では,コンプレッサ状
態履歴記憶メモリに,コンプレッサ稼動率演算対象外期
間情報として,フロントデフロスタまたはワイパーのO
N/OFF時間を記憶する。ステップS1706〜S1
707は,図7のステップS304〜S305と同じな
ので,その説明を省略する。また,イグニッションOF
F後ステップS1703で,コンプレッサ稼動率を学習
処理する場合に用いるコンプレッサ稼動状態履歴記憶メ
モリの記憶データから,稼動率演算対象外の期間を除い
てコンプレッサの稼動率演算を実行する。
【0134】本実施例によれば,コンプレッサが温熱感
覚の快適性以外の要因である窓曇り防止のために用いら
れる場合を,コンプレッサ稼動率計算から除外すること
ができるため,ユーザの快適感のみを考慮した稼動率が
記憶でき,より一層ユーザのフィーリングに適合した制
御にすることができる効果がある。
【0135】本実施例では,コンプレッサ稼動率演算か
らの除外する期間の判定に,デフロスタスイッチとワイ
パーを用いたが,この他にも,例えば,車室内外空気の
湿度センサ,あるいは,雨滴センサを用いて精度を高め
ても良い。
【0136】以上の各実施例では,コンプレッサ稼動率
として,各外気温におけるコンプレッサのOFF率を用
いたが,ON率を用いても同様の作用をなすことは言う
までもない。ただし,この場合には記憶メモリの稼動率
の修正を行う部分の判断条件の不等号は全て逆向きにな
る。
【0137】〔実施例5〕次に,実施例5について説明
する。本実施例は,実施例1〜4のコンプレッサスイッ
チの操作を,空調装置本体を駆動するためのオートエア
コンスイッチの操作に置き換えたものである。この場合
には,図18と同様,図21(a)に示した外気温上の
各記憶メモリ区分に,その区間内における空調装置稼動
時間が全使用期間に占める割合を記憶する。そして,記
憶された稼動率は,外気熱負荷が小さいほど,すなわち
|Tset−Tamb|が小さいほど小さくなるように
修正を行う。修正方法は,上記実施例1,実施例2の場
合と同様に,外気熱負荷が小さい方が稼動率が高い場合
には,外気熱負荷が大きい側の稼動率を小さい側の稼動
率に合わせる。すなわち,記憶メモリに記憶された修正
後のデータを図示すると,図21(a)に示したよう
に,ほぼV字型を示す。
【0138】また,オートエアコンスイッチの場合に
は,記憶メモリの分割パラメータとして外気温以外に,
始動時の初期車室内熱負荷Tset−Tic,日射量Q
sunを合わせて用いる方法も考えられる。すなわち,
これら熱環境条件を総合指標として1つのパラメータと
して計算し,この総合指標を図21(a)に示した外気
温と置き換えることによってより,精度の高い使用パタ
ーンが予測できる。
【0139】〔実施例6〕次に,実施例6について説明
する。本実施例は,デフロスタスイッチの操作に関して
同様の効果を示すものについて述べている。図21
(b)に示したように,外気温をパラメータとして,デ
フロスタモードの稼動率を各区分上で記憶し,上記実施
例1と同様の修正を行ったものである。この場合にも,
実施例1と同様に低外気温ほど稼動率が高くなるように
修正されたデータを用いることによって,低外気温ほど
デフロスタ吹出口の開成率が高まり,低外気温時に降雪
量の多い地域で使用された場合でも,低外気温時の窓曇
りが生じにくい安全性の高い空調装置を実現できる。ま
た,低外気温時には湿度が低い地域では,デフロスタ吹
出口の開成率はあまり高くならないため,快適性向上の
みに暖房エネルギーが消費され,熱効率の良い暖房が可
能となる。
【0140】〔実施例7〕次に,実施例7について説明
する。本実施例は,吸込口切り換え操作に関して同様の
効果を示すものである。本実施例も上記実施例6と同
様,図22(a),(b)に示したような外気温,車速
をパラメータとして,内気循環(以下,RECという)
に設定している割合を各区分上で記憶した吸込口記憶メ
モリを用いて,上記実施例1と同様の修正を行うもので
ある。この場合にも,実施例1と同様に低外気温ほど稼
動率が高くなるように修正されたデータを用いる。本実
施例は,図1に示した基本構成に図27に示す導入空気
汚染度検出センサ45を追加する。この導入空気汚染度
検出センサは,外気導入口5と内気導入口6付近に設置
され,車室外あるいは車室内からの導入空気中に含まれ
る成分を検出し,コントローラ30へ汚染度0dint
に相当する情報信号を出力する。
【0141】図23〜図26は,本実施例の動作を示す
フローチャートである。まず,図23は,上記実施例1
の図7に示したデータ入力処理,図24は,図10に示
した吸込口モード処理,図25,図26は,図14に示
したコンプレッサ稼働率学習処理に相当する。
【0142】まず,図23では,ステップS2803以
降が上記実施例1と異なる部分であり,ステップS28
02で車両のエンジンのイグニッションキーがOFF,
空調装置メインスイッチであるオートエアコンスイッチ
OFFされたか否かを判断し,OFFされたと判断した
場合には,ステップS2803で後述する吸込口操作バ
ッファに記憶された吸込口切換操作情報を用いて吸込口
の操作特性を学習する吸込口学習処理を行ったのち,シ
ステムを停止させる。
【0143】反対に,OFFされていないと判断した場
合には,まず,ステップS2804で,イグニッション
がONされた直後か,オートエアコンスイッチがONさ
れた直後か否かを判断し,ONされた直後であると判断
した場合には,ステップS2809へ処理が移行する。
次に,ステップS2805では,現在の環境条件として
外気温,走行条件として車速が,図22に示した吸込口
マップの記憶区間のどの区間に相当するか判定し,前サ
イクル時点での記憶区間から変化があったかどうかを判
断し,変化があったと判断した場合には,ステップS2
809へ処理が移行する。
【0144】また,ステップS2806では,前サイク
ルから現在までに吸込口が手動あるいは自動で切り換わ
った否かを判断し,切り換わったと判断した場合には,
ステップS2809へ処理が移行する。ステップS28
07では,現在の環境が窓曇りの可能性が大きい環境か
どうか推論し,窓曇り可能性が大から小へ変化したか,
逆に小から大へ変化したか否かを判断し,変化があった
と判断した場合にはステップS2809へ処理が移行す
る。ステップS2808では,導入空気の汚染度大の状
態か否かを判断し,汚染度が大の状態となった直後か大
の状態から通常の状態に変化した直後と判断した場合に
は,ステップS2809へ処理が移行する。
【0145】ステップS2809では,吸込口切り換え
操作が外気導入→内気循環か内気循環→外気導入のいず
れかを判定するための切り換えパターンと,環境条件,
走行条件の記憶区間と,現在の環境が窓曇りの起こり易
い可能性があるか否かを判断するための窓曇り可能性
と,外気あるいは内気の導入空気の汚染度を判定するた
めの窓曇り可能性と,外気あるいは内気の導入可能性が
あるかどうかを判断するための導入空気汚染度を,空調
装置使用開始からの現在までの経過時間とともに吸込口
操作記憶バッファに記憶する。
【0146】図24に示す吸込口処理では,ステップS
2901で,吸込口ITKを決定し,ステップS290
2で,図22に示した吸込口設定記憶メモリと現在の外
気温,車速から現在の環境,走行状態での吸込口の内気
循環設定率Precを下記の式にて求める。すなわち, Prec=Ktamb×Prec(C)+Kvcar×
Prec(Cv) である。
【0147】次に,ステップS2903で,現環境にお
ける乗員の吸込口の好みが内気循環かどうかを,Pre
cが規定値Prec0より大きいか否か(Prec>P
rec0)で判断し,内気循環が好みと判断された場合
には,さらに,窓曇りが発生し易い環境条件か否かを判
断して(ステップS2905),判断が窓曇り条件でな
い場合のみステップS2901で決定されたITKを内
気循環に変更し(ステップS2906),手動設定で吸
込口スイッチがおされていない場合にはITKとして決
定された吸込口をセットする。
【0148】図26に示す吸込口学習処理では,上記図
14とほぼ同様の概念で内気循環維持率を演算し,図2
2に示した吸込口記憶メモリに記憶する。まず,ステッ
プS3001で最終的に設定されている吸込口と,環境
条件,走行条件,使用経過時間操作記憶バッファに記憶
する。ステップS3002では,吸込口操作記憶バッフ
ァに記憶されているデータを図22に示した吸込口記憶
メモリの記憶区分に,外気温軸と車速でそれぞれ独立に
分類する。ステップS3003では,ステップS300
2で分類された区分から,ステップS3003〜S30
07までの処理対象となる外気温区分として任意の区間
をCとしてセットする。
【0149】ステップS3004では,これまでの外気
温区間Cの使用時間累積Ttotal(C)に今回の外
気温区間Cでの使用時間を加えて新たなTtotal
(C)として記憶する。ステップS3005では,今回
の区間Cでの内気循環に設定していた時間をこれまでの
設定時間累積Trec(C)に加えて新たなTrec
(C)として記憶する。ただし,吸込口操作記憶バッフ
ァに記憶されているデータの中で,窓曇り可能性が大き
い期間と,導入空気汚染度が大きい期間は設定時間の積
算から除く。これは,窓曇り可能性や,導入空気汚染度
が大きい場合は,吸込口の好みよりも,緊急の必要性か
ら吸込口が選択されるため,このような期間の情報を除
くことによって,乗員の設定の好みをより精度良く学習
することができる。
【0150】ステップS3006では,区間Cでの内気
循環設定率を次式で演算し,図22の吸込口設定記憶メ
モリの区間Cに相当する場所に記憶する。すなわち, Prec(c)=Trec(C)/Ttotal(C) である。ステップS3007では,ステップS3002
で分類した吸込口操作バッファの区間の中に,これまで
に処理した内気温区間以外の区間に属するデータがある
場合にはステップS3003へ戻って,該当するデータ
がなくなるまでステップS3003〜S3007の処理
を繰り返す。
【0151】ステップS3008〜S3012では,車
速の記憶区間Cvについて外気温区間と全く同様の処理
を行い,ステップS3013では,吸込口設定記憶メモ
リの内気循環設定率Prec(C),Prec(Cv)
の値を,外気温方向,車速方向で平滑化して,時間以降
制御時に安定した制御が可能なようにする。
【0152】本実施例によれば,室内の熱負荷だけでな
く,季節や車両の走行状態によって異なる吸込口の好み
を,内気循環あるいは外気導入に維持している時間割合
で記憶し,次回制御時にはその記憶データと環境条件と
車両の走行条件に応じて自動的に吸込口を予測して設定
するので,乗員の手を煩わせることなく乗員の好む吸込
口へと精度良く近づけることができる効果がある。さら
に,吸込口の好みからは内気循環が選択された時に,窓
曇りが起こり易い環境条件と判断された場合には,外気
導入に切り換えるので,乗員が好む吸込口に可能な限り
近づけながらも窓曇りの起こりにくい安全性の高い車両
用空調装置を得ることができる。
【0153】〔実施例8〕本実施例は,上記実施例7の
吸込口設定記憶メモリに図28に示すような導入空気汚
染度をパラメータとした知識を,図29,図30に示す
フローチャートにしたがって記憶したものを加え,図3
1に示すフローチャートのように吸込口の決定に導入空
気の汚染度を用いたものである。
【0154】図28は,吸込口設定記憶メモリの追加部
分を示しており,導入空気汚染度をN個の区間に分け,
それぞれの汚染度レベルで乗員の設定した吸込口が内気
循環となっている時間の割合を記憶したものである。
【0155】吸込口設定情報記憶バッファにデータを記
憶するタイミングは上記実施例7と同様に図23に示し
たフローチャートを用いるが,ステップS2808の汚
染度レベルの変化の判定には,現在の汚染度が所属する
図28に示した記憶区分Codが変化したか否かで判定
し,変化が生じた場合にはステップS2809でデータ
を記憶する。
【0156】図29,図30は,図28に示した記憶メ
モリに記憶する内気循環設定割合を演算し,後述する図
31に示すフローチャートで用いる汚染度による内気循
環切り換え点0drecを決定記憶する処理を表してい
る。ステップS3310〜S3313は,実施例7にお
ける図25,図26のステップS3001〜S3013
と同じなので,その説明を省略する。ステップS331
4では,吸込口設定情報記憶バッファに記憶されている
設定情報を図28の汚染度区分毎に分類する。ステップ
S3315では,ステップS3018〜S3023の処
理対象となる記憶区分をCodとしてセットする。ステ
ップS3316では,区間Cod範囲内での使用時間を
求め,これまでの使用時間累積Ttotal(Cod)
に加えて,新たなTtotal(Cod)に変更して記
憶する。
【0157】ステップS3317では,内気循環に設定
している時間を求め,汚染度区間Codでの内気循環設
定時間累積Trec(Cod)に加えて,新たなTre
c(Cod)として更新記憶する。ステップS3318
では,汚染度区間Codでの内気循環設定率Prec
(Cod)を, Prec(C)=Trec(Cod)/Ttotal
(Cod) により決定する。ステップS3319では,吸込口操作
バッファに他の汚染度区間のデータが存在するか否かを
判断し,未処理の区間がなくなるまでステップS331
5〜S3319の処理を繰り返す。最後に,ステップS
3320では,新たな吸込口設定記憶メモリで内気循環
設定率Prec(Cod)が規定値P0を越える記憶区
間Codの内,最も小さい区間の中央値を制御時に用い
る汚染度による内気循環切り換え点0drecとして記
憶し,終了する。
【0158】図31は,制御時に吸込口を決定するルー
チンであり,実施例7にステップS3411の処理を加
えたものである。すなわち,ステップS3411では,
現在の導入空気汚染度0dintが,図28の吸込口記
憶メモリから決定される内気循環切り換え点0drec
を越えているか否かを判断する。すなわち, 0dint>0drec が成立するか否かを判断する。その結果,越えている場
合には,循環条件が窓曇りが起こり易い条件でなければ
(ステップS3405),ITKをRECに設定する。
【0159】以上の処理によれば,吸込口を導入空気の
汚染度レベルによって異なる設定時間の割合をレベル毎
に記憶し,その設定割合のデータに基づいて内気循環に
切り換えるかどうかを判断する汚染度境界値を求める。
そして,次回制御時には汚染度がこの境界値を越えてい
る場合には,自動的に内気循環に設定するので乗員の吸
込口操作量を減らすことができ,個人的に異なる汚染度
に対する感度に対応することも可能となる効果がある。
すなわち,空気の汚れに敏感な乗員の場合には,早めに
内気循環に切り換わり,空気の汚れよりも空調や窓晴れ
性能を重視し,内気循環にはあまり設定しない乗員では
外気導入が主体となる。
【0160】本実施例では,環境条件として外気温,走
行条件として車速を用いたが,環境条件としては,室
温,日射量,外気あるいは内気の湿度を独立あるいは複
数を組み合わせた総合条件として用いてもよく,走行条
件としては車速をアクセル開度で代用しても良く,ま
た,車速に転舵角速度,シフトレバー位置,エンジン回
転数などを加えて走行条件を総合条件として用いても良
い。
【0161】また,本実施例では,導入空気の汚染度を
汚染度検出センサで直接的に検出するような構成とした
が,特に室内空気の汚染度に関しては空気清浄機(図示
せず)の起動スイッチON/OFF信号や煙センサ検出
信号,パワーウィンドウ(図示せず)の開閉信号,灰
皿,シガーライター等のタバコに関する装置の使用状
況,あるいは各シートに装着する着座スイッチから検出
される乗員数などから予測しても良い。
【0162】〔実施例9〕次に,実施例9について図3
2,図33のフローチャートを用いて説明する。まず,
ステップS2700では,エアコンスイッチが押された
か否かを判断する。もし押されていないと判断した場合
には,ステップS2701へ,押されていると判断した
場合には,ステップS2707へ処理が移行する。
【0163】このステップでは,運転開始状態からエア
コンスイッチが押された場合には,そのエアコンスイッ
チの操作の時点から,この運転が終了するまでは,乗員
によるエアコンスイッチの操作を学習,記憶することに
する。逆に,もし運転開始から制御の現時点までエアコ
ンスイッチ操作が行われていなければ,以前の運転まで
に学習,記憶した内容で制御に補正を行う。
【0164】ステップS2701では,エアコンスイッ
チが稼動状態か否かを判定する。もし稼動状態であれ
ば,ステップS2702へ,そうでなければステップS
2713へ処理を移行する。
【0165】このステップでは,エアコンスイッチの稼
動/停止状態を検出する。もしエアコンスイッチが稼動
状態であれば,基本的にコンプレッサを使用するエアコ
ン制御を行い,逆に停止状態であれば,コンプレッサは
使用しないエアコン制御を行う。なお,稼動状態であっ
ても,例えば,エバポレータの凍結状態を検出し,もし
エバポレータが凍結状態であれば,コンプレッサを稼動
することは,エバポレータを通過する空調風が通過でき
なくなるので,コンプレッサを停止し,エバポレータの
凍結状態が解除されてから,コンプレッサを稼動する。
【0166】ステップS2702では,現在の熱環境状
態が,すでに学習され記憶され,複数の熱環境区分のあ
る領域であるか否かを判定する。もし学習された領域で
あれば,ステップS2703へ,そうでなければステッ
プS2704へ処理が移行する。ステップS2703で
は,記憶された補正量を読み込み,ステップS2704
では,記憶されていない領域なので,補正は行わない。
また,ステップS2705では,基本制御量として,コ
ンプレッサの稼動/停止温度を読み込む。ステップS2
706では,前述の基本制御量に前述の補正量を加えて
制御量とする。このステップを終了すると,処理はステ
ップS2711へ移行する。
【0167】また,ステップS2708では,このTo
ut,meanからエバポレータ吹き出し空気温として
コンプレッサのON−OFF制御する。ここで,コンプ
レッサの稼動/停止温度は外気温とTout,mean
を使った関数により算出する。すなわち,外気温とTo
ut,meanの2個の値に対するコンプレッサの稼動
/停止温度表(表1)を定め,この稼動/停止温度に応
じて,コンプレッサのON−OFFを制御する。
【0168】
【表1】
【0169】なお,この制御例とは異なるが,後述の図
48に示すように,先ほど算出したエバポレータ吹き出
し空気温の時間平均Tout,meanをToutと
し,外気温に対してToutを先験的に定めておき,こ
れからコンプレッサの稼動/停止温度を規定する方式も
ある。この場合,外気温に対してToutを学習するこ
とで,熱環境に応じた乗員の使い方によるToutを算
出し,乗員の所望するコンプレッサの使い方をすること
が可能となる。
【0170】ステップS2709では,コンプレッサの
稼動/停止温度を記憶する。また,ステップS2710
では,エアコンスイッチの稼動/停止状態に応じて,コ
ンプレッサを制御する。このステップを終了すると,こ
のエアコンスイッチ処理,出力処理を終了する。このス
テップでは,上記ステップS2701からステップS2
706のように記憶した制御量にもとづいてコンプレッ
サの稼動/停止を制御するのではなく,乗員が設定した
コンプレッサの稼動/停止設定の通りに制御すること
で,乗員のコンプレッサの使用パターンを学習,記憶す
るものである。
【0171】次に,ステップS2711では,ステップ
S2706からここに入り,前述したコンプレッサ制御
量に応じて,コンプレッサの稼動/停止を制御する。ま
た,ステップS2712では,前述のステップS270
1でコンプレッサスイッチを停止状態にする設定だった
ので,コンプレッサを停止する。
【0172】なお,ステップS2710では,エアコン
スイッチの稼動/停止設定に応じて,コンプレッサを稼
動,停止状態になるように設定するが,もしエアコンス
イッチの代わりか,あるいは,エアコンスイッチに併用
させて使用する,コンプレッサの稼動率を通常使用状態
より低減させる目的のエコノミースイッチである場合,
コンプレッサの稼動/停止温度を通常の設定よりも高く
することで,コンプレッサの稼動率を低減させることが
できる。このエコノミースイッチを使用した場合につい
ても図32に示したフローチャートとほぼ同様であるの
で,その説明を省略する。
【0173】〔実施例10〕次に,実施例10について
図34,図35のフローチャートを用いて説明する。
図32,図33に示したフローチャートと重複する部分
が多いので,異なる部分についてのみ説明する。まず,
ステップS3700からステップS3711までは,図
32,図33に示したステップS2700からステップ
S2711までと同じである。
【0174】ステップS3712では,コンプレッサ吹
き出し空気温の時間平均Tout,meanを算出す
る。このステップで算出されたTout,meanは目
標通りになっているか否かを判定するために用いる。次
に,ステップS3713では,Tout,meanを目
標Tout,meanと比較する。すなわち, Tout,mean>目標Tout,mean+ΔT が成立するか否かを判断する。もしTout,mean
が目標Tout,meanに所定のヒステリシスΔTを
加えた値よりも大きければ,ステップS3714へ,も
しそうでなければ,ステップS3715へ処理が移行す
る。
【0175】ステップS3714では,ステップS27
08でコンプレッサの稼動温度と停止温度を算出する際
に使用した関数をそれぞれ関数1,関数2とすれば,そ
の関数を修正する。すなわち関数1,関数2から算出さ
れる値に対して,所定の修正量ΔT1だけ小さい値にな
るように修正する。
【0176】このステップにより,ステップS3713
で,目標Tout,meanより現実のTout,me
anが所定値以上,大きかったので,関数を修正して,
コンプレッサ稼動/停止温度を所定量小さくすること
で,Tout,meanを目標値に近傍させることがで
きる。
【0177】次に,ステップS3715では,Tou
t,meanを目標Tout,meanと比較する。す
なわち, Tout,mean>目標Tout,mean−ΔT が成立するか否かを判断する。もしTout,mean
が目標Tout,meanに所定のヒステリシスΔTを
引いた値よりも小さければ,ステップS3716へい
く。もしそうでなければ,エアコン処理,出力処理を終
了する。
【0178】ステップS3716では,前記関数1,関
数2を修正する。これはステップS3714の逆の操作
なので,その説明を省略する。次に,ステップS371
7では,こうして修正した関数1,関数2を記憶し,次
の使用時に再現して使用する。ステップS3718で
は,コンプレッサを停止する。
【0179】以上のステップから,コンプレッサの吹き
出し空気温Tout,meanを目標値に近傍するよ
う,コンプレッサの稼動/停止温度を算出する関数を修
正するために,より正確に目標を満たすことができる。
【0180】〔実施例11〕次に,実施例11について
図36,図37のフローチャートを用いて説明する。ま
ずステップS4700からステップS4706までは,
図34,図35に示した制御と同一であるので,その説
明を省略する。
【0181】ステップS4707では,コンプレッサ投
入仕事量Wcomp,meanを算出する。これは,コ
ンプレッサが一定容量のコンプレッサ(すなわち,可変
容量コンプレッサではない)場合には,コンプレッサの
投入仕事量はそのコンプレッサの回転数にほぼ比例する
から,コンプレッサを駆動しているエンジンの回転数の
信号を検出することで間接的にコンプレッサへの投入仕
事量を算出することができる。
【0182】ステップS4708では,コンプレッサの
稼動/停止温度を算出する際,前記した関数1,関数2
と異なり,Tout,meanの代わりにWcomp,
meanを使う。また,ステップS4709からステッ
プS4711までは,図34,図35に示した制御と同
一であるので,その説明を省略する。
【0183】ステップS4712では,コンプレッサ投
入仕事量Wcomp,meanを算出する。ステップS
4713では,コンプレッサ投入仕事量Wcomp,m
eanを目標となるWcomp,meanと比較する。
すなわち, Wcomp,mean<目標Wcomp,mean−Δ
W が成立するか否かを判断する。もしWcomp,mea
nが目標値より所定のヒステリシスΔWを減じた値より
も小さければ,ステップS4717へ,もしそうでなけ
れば,ステップS4715へ処理が移行する。
【0184】ステップS4714では,ステップS47
08で使用した関数3,関数4を修正する。すなわち,
関数3,関数4から算出されるTout,meanを所
定量ΔT12だけ小さくする。
【0185】このステップで,上記ステップS4713
から目標よりも小さなコンプレッサ投入仕事量であるの
で,Tout,meanを所定量小さくすることで,コ
ンプレッサの稼動時間をより長くすることができ,した
がって,Wcomp,meanを大きくすることができ
る。
【0186】ステップS4715では,コンプレッサ投
入仕事量Wcomp,meanを目標となるWcom
p,meanと比較する。すなわち, Wcomp,mean<目標Wcomp,mean+Δ
W が成立するか否かを判断する。もしWcomp,mea
nが目標値より所定のシステリシスΔWだけ加えた値よ
りも大きければ,ステップS4716へいく。またそう
でなければ,このエアコンスイッチ処理,出力処理を終
了する。
【0187】ステップS4716では,上記関数3,関
数4に所定の修正量ΔT2を加えて修正する。このステ
ップにより,ステップS4715で目標値よりもコンプ
レッサ投入仕事量が大きかったので,コンプレッサ稼動
/停止温度を所定量高くすることで,コンプレッサの稼
動率を低減させ,もってコンプレッサの投入仕事量を減
じることができる。次に,ステップS4717では,こ
の関数3,関数4を次回の使用のために記憶する。ステ
ップS4718では,コンプレッサを停止する。
【0188】〔実施例12〕次に,実施例12について
図38,図39のフローチャートを用いて説明する。ス
テップS5700からS5704については,図32,
図33に示すステップS2700からステップS270
5と同様である。ただし,ステップS2704はステッ
プS5707に対応している。
【0189】ステップS5705では,コンプレッサ稼
動/停止温度という制御量に対して,ステップS570
3で読み出した補正制御量が正であるか負であるかを判
定する。もし正であればステップS5706へ,そうで
なければステップS5708へ処理が移行する。
【0190】ステップS5706では,エアミックス開
度Xを所定のエアミックス開度Xsetと比較する。す
なわち, エアミックス開度X<所定アエミックス開度Xset が成立するか否かを判断する。もしエアミックス開度X
がXsetよりも小さければ,ステップS5707へ,
そうでなければステップS5708へ処理が移行する。
また,ステップS5707では,補正制御量をゼロにセ
ットする。
【0191】これらのステップにより,コンプレッサ稼
動/停止温度の補正制御量が正で,補正を行うと,稼動
/停止温度が基本制御量よりも大きくなる場合で,しか
もエアミックス開度Xが所定の値よりも小さい場合に
は,補正を行わないということになる。これにより,エ
アミックス開度が所定値よりも小さく,空調風をより冷
却する必要がある場合に,コンプレッサ稼動/停止温度
を高めて,エアミックス開度をさらに小さくできない場
合に,補正量をゼロにすることで,エアミックス開度に
よる制御できる温調幅を確保することができる。これに
より,エアミックス開度の小さい範囲では,乗員のコン
プレッサ使用パターンからはずれることになるが,温調
性を維持することができるので,乗員の快適性は保つこ
とができる。
【0192】なお,ここではエアミックス開度を用いた
が,エアミックス開度の目標値を用いても良い。まだコ
ンプレッサの稼動/停止温度に応じて,エアミックス開
度自体を補正することによって,温調特性を改善するこ
とも可能であるが,これらはすでに自明のことである。
【0193】〔実施例13〕次に,実施例13について
図40,図41のフローチャートを用いて説明する。多
くの部分が上記各実施例のフローチャートと共通するの
で,異なる部分だけを説明する。すなわち,ステップS
6708では,コンプレッサの吐出容量を外気温とTo
utから算出する。次に,ステップS6709では,算
出したコンプレッサ吐出容量を記憶する。
【0194】次に,異なるのはステップS6714とス
テップS6716である。これらのステップにより,エ
バポレータ吹き出し空気温Toutが目標値よりも高い
場合には,コンプレッサ吐出容量を所定量大きくし,そ
の逆に低い場合には,コンプレッサ吐出容量を所定量小
さくする。これにより,エバポレータ吹き出し空気温を
目標値に近傍させることができる。こうして修正した関
数を,ステップS6717で記憶する。
【0195】最後に,図42〜図57のグラフについて
説明する。図42は,外気温に対するコンプレッサ稼動
/停止温度を示している。図43,図44,図45,図
46は,それぞれ設定室温と外気温の差温に対して,設
定室温差温に対して,図中のような日射量・外気温熱負
荷に対して,図中に示すような総合熱負荷に対して,コ
ンプレッサの稼動/停止温度の基本制御値を示してい
る。
【0196】次に,図47は,図48から図52にあら
われるコンプレッサの稼動/停止(ON−OFF)差温
の意味説明する図である。すなわち,エバポレータ吹き
出し空気温Toutの上下に稼動/停止差温をとり,上
側の温度をコンプレッサ稼動温度,下側の温度をコンプ
レッサ停止温度とし,Toutからコンプレッサ稼動温
度とコンプレッサ停止温度への温度幅は,それぞれの熱
環境値(この場合は外気温)に対して等しくとる(等し
くとらなくてもかまわない)。そのとき,コンプレッサ
稼動温度からコンプレッサ停止温度までの温度幅を稼動
/停止(ON−OFF)差温と称することにする。
【0197】図48から図52は,上記図42から図4
6と同様に,コンプレッサ稼動/停止温度の代わりにエ
バポレータ吹き出し空気温Toutとコンプレッサ稼動
/停止差温を示している。
【0198】次に,図53から図57には,上記図と同
様だが,コンプレッサ稼動/停止差温の代わりにコンプ
レッサの稼動率をとっている。ここで,稼動率が100
%とは常にコンプレッサが稼動状態にあることを示す。
【0199】
【発明の効果】以上説明した通り,この発明に係る車両
用空調制御装置(請求項1)によれば,例えば,外気温
などの車室内外の熱環境に応じた圧縮器稼動状態を記憶
し,それに基づいて圧縮器の稼動,非稼動を制御するた
め,熱負荷調整手段に関連する部材の稼働率が運転者の
運転パターンへと逐次近づき,時期によって快適性と経
済性のどちらを優先させるかという問題について,使用
していくうちにユーザの感覚に順次適合していくことが
可能となる。
【0200】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項2)によれば,稼働率設定手段は,コンプレッサの稼
働率を設定するため,コンプレッサに関してユーザの感
覚に順次適合していくことが可能となる。
【0201】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項3)によれば,稼働率設定手段は,熱負荷調整手段稼
働スイッチの稼働率を設定するため,熱負荷調整手段稼
働スイッチに関してユーザの感覚に順次適合していくこ
とが可能となる。
【0202】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項4)によれば,稼働率設定手段は,デフロスタモード
の稼働率を設定するため,デフロスタモードに関してユ
ーザの感覚に順次適合していくことが可能となる。
【0203】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項5)によれば,稼働率設定手段は導入空気切換手段の
稼働率を設定するため,導入空気切換手段に関してユー
ザの感覚に順次適合していくことが可能となる。
【0204】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項6)によれば,例えば,外気温などの車室内外の熱環
境に応じてコンプレッサ稼動状態を記憶する際に,複数
の外気温区間に分割した場合の稼動率を記憶するため,
ユーザによって異なる季節的な使用パターンの変化をき
め細かく記憶することができる。
【0205】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項7)によれば,例えば,外気温などの前記熱環境区分
が低い方向になるほど稼動率が低くなるように修正して
記憶するため,次回以降の使用時に外気温等の冷房熱負
荷が低くなるにもかかわらず,コンプレッサの稼動率が
上昇することはなく,また,使用回数が少なく,記憶値
の信頼性が低い場合でもユーザに違和感を与えることが
ない合理的な空調制御装置を提供できる。
【0206】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項8)によれば,記憶手段に記憶する稼動状態には熱環
境区分間の修正は行わず,制御補正手段で補正する際
に,同一の使用回中に外気温などの熱環境区分が変位し
た場合に限って,コンプレッサ稼動率の変化方向が熱環
境区分の冷房熱負荷方向と逆方向とならないように修正
するため,制御的に矛盾ない制御が可能であるととも
に,記憶されているコンプレッサ稼動率を可能な限り優
先させることができ,記憶されたユーザの運転パターン
に一層近いものとなる。
【0207】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項9)によれば,制御補正手段で補正する際に,コンプ
レッサ稼動状態記憶手段に記憶されたコンプレッサ稼動
率と,外気温などの熱負荷に応じて,目標とするエバポ
レータ後の空気温度を決定して,コンプレッサの稼動/
非稼動を切り換えるため,記憶された使用パターンを考
慮にいれながら,快適性を向上させ快適性と経済性を違
和感なく両立することができる。
【0208】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項10)によれば,コンプレッサ稼動/非稼動切り換え
運転を,記憶されているコンプレッサ稼動率が所定値以
下の熱環境区分よりも冷房熱負荷が小さい熱環境区分で
実施するため,コンプレッサを停止し始める外気温など
の熱環境が実際の使用パターンによって決定されるた
め,ユーザに違和感を与えず,操作量を増加してしまう
ことがない。
【0209】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項11)によれば,コンプレッサ稼動状態記憶手段に記
憶されるコンプレッサ稼動率は,同一の熱環境区間内で
の全使用回数または全使用時間に対する前記コンプレッ
サの稼動または非稼動使用回数または時間の割合から演
算するため,ユーザのコンプレッサ稼動率が精度良く演
算することができる。
【0210】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項12)によれば,コンプレッサ稼動状態記憶手段に記
憶されるコンプレッサ稼動率を算出する際に,車両の窓
曇りを防止するためのコンプレッサ稼動率を記憶するこ
とができる。
【0211】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項13)によれば,記憶手段に記憶されている前記コン
プレッサの稼働/非稼働期間割合の算出は,車両の窓曇
りを防止するためのコンプレッサ使用期間を除いている
ため,ユーザの快適感のみを考慮した稼動率が記憶でき
るため,より一層ユーザのフィーリングに適合した制御
にすることができる。
【0212】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項14)によれば,熱負荷調整手段稼働スイッチによる
設定状態を熱環境検出手段により検出した熱環境に応じ
て記憶するため,より一層ユーザのフィーリングに適合
した制御にすることができる。
【0213】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項15)によれば,少なくともコンプレッサを稼働し,
吹出口切換手段を車両の窓方向へ開放した吹出口に切り
換えることを同時に行うことによって車両の窓曇りを防
止する空調風の吹出状態(デフロスタモード)へと熱負
荷調整手段の稼働率を設定するため,より一層ユーザの
フィーリングに適合した制御にすることができる。
【0214】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項16)によれば,導入空気切換手段の設定状態を熱環
境検出手段により検出した熱環境情報および車両の走行
状態に応じて記憶するため,より一層ユーザのフィーリ
ングに適合した制御にすることができる。
【0215】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項17)によれば,導入空気設定状態記憶手段が,導入
空気設定状態を記憶する際に導入空気の汚染度と窓曇り
可能性が高い場合の設定は無視して記憶するので,ユー
ザの快適感のみを考慮した稼動率が記憶できるため,よ
り一層ユーザのフィーリングに適合した制御にすること
ができる。
【0216】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項18)によれば,熱環境および車両の走行状態に加
え,導入空気の汚染度に応じて記憶するため,より一層
ユーザのフィーリングに適合した制御にすることができ
る。
【0217】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項19)によれば,コンプレッサによる冷房熱量に関係
する量を記憶するようにしたため,従来のようなコンプ
レッサ稼動/停止温度を使用する場合に発生するような
稼動率の不安定性がなく,乗員の所望するコンプレッサ
の使い方を再現することができる。
【0218】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項20)によれば,実際の冷房熱量関連量とその目標値
との差に応じて,コンプレッサの稼動状態あるいは設定
状態を変更することができるため,冷房熱量関係の目標
値に対してより精度良くコンプレッサの稼動・設定状態
を制御でき,ひいては乗員の所望するコンプレッサの使
い方を再現できる。
【0219】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項21)によれば,冷房熱量関連量として冷凍サイクル
の低圧側関連量あるいはコンプレッサの投入仕事関連量
を使うようにしたため,冷房熱量関連量を精度良く算出
できる。
【0220】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項22)によれば,前記低圧側関連量として,前記のよ
うな諸量を使用することにしたため,冷房熱量関連量を
精度良く算出できる。
【0221】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項23)によれば,前記コンプレッサの投入仕事関連量
として,前記のような諸量を使用することにしたため,
冷房熱量関連量を精度良く算出できる。
【0222】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項24)によれば,コンプレッサの稼動・設定状態とし
て,前記するような諸量を使うため,精度良く稼動・設
定状態を制御することが可能になる。
【0223】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項25)によれば,熱環境信号として,前記するような
諸量を使うため,精度良く熱環境状態を検出できる。
【0224】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項26)によれば,コンプレッサの稼動状態の設定信号
として,前記するような諸量を使うため,精度良くコン
プレッサを制御することができる。
【0225】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項27)によれば,コンプレッサの稼動/停止温度とし
て,冷凍サイクルの低圧側の諸量を使用すると,これら
の量はコンプレッサによる冷房能力と関係しているた
め,精度良くコンプレッサを制御することができる。
【0226】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項28)によれば,コンプレッサの投入仕事量として,
エンジン回転数の時間積算値を使うことで,コンプレッ
サの仕事量を精度良く見積もることができ,コンプレッ
サの仕事量が冷房能力と関係しているため,精度良くコ
ンプレッサを制御することができる。
【0227】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項29)によれば,コンプレッサとして可変容量コンプ
レッサを使用した場合,コンプレッサの容量が冷房能力
と関係しているため,精度良くコンプレッサを制御する
ことができる。
【0228】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項30)によれば,コンプレッサ設定手段としてエアコ
ンスイッチを使うことで,コンプレッサの稼動/停止の
設定を確実に検出することができる。
【0229】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項31)によれば,コンプレッサ設定手段として,エコ
ノミースイッチを使うことで,コンプレッサ使用パター
ンを確実に検出することができる。
【0230】この発明に係る車両用空調制御装置(請求
項32)によれば,エアミックス開度によって,コンプ
レッサ稼動・設定状態の補正を修正するようにしたた
め,コンプレッサ停止にともなう空調状態の悪化を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用空調制御装置の構成を示す
ブロック(クレーム対応)図である。
【図2】本発明に係る車両用空調制御装置の構成を示す
ブロック(クレーム対応)図である。
【図3】車両用空調装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【図4】空調操作パネルに一例を示す説明図である。
【図5】空調装置全体の制御動作を示すフローチャート
である。
【図6】初期化処理の動作を示すフローチャートであ
る。
【図7】データ入力処理の動作を示すフローチャートで
ある。
【図8】エアミックス開度処理の動作を示すフローチャ
ートである。
【図9】吹出口モード処理の動作を示すフローチャート
である。
【図10】吸込口処理の動作を示すフローチャートであ
る。
【図11】コンプレッサ処理の動作を示すフローチャー
トである。
【図12】風量処理の動作を示すフローチャートであ
る。
【図13】出力処理の動作を示すフローチャートであ
る。
【図14】コンプレッサ稼働率学習処理の動作を示すフ
ローチャートである。
【図15】コンプレッサ処理の動作を示すフローチャー
トである。
【図16】コンプレッサ処理の動作を示すフローチャー
トである。
【図17】コンプレッサ稼働率学習処理の動作を示すフ
ローチャートである。
【図18】コンプレッサオフ率と外気温の関係を示すグ
ラフである。
【図19】コンプレッサ稼働率学習処理の動作を示すフ
ローチャートである。
【図20】データ入力処理の動作を示すフローチャート
である。
【図21】空調装置稼働率と外気温の関係およびデフロ
スタ稼働率と外気温の関係を示すグラフである。
【図22】REC設定頻度と外気温/車速の関係を示す
グラフである。
【図23】データ入力処理の動作を示すフローチャート
である。
【図24】吸込口処理の動作を示すフローチャートであ
る。
【図25】吸込口学習処理の動作を示すフローチャート
である。
【図26】吸込口学習処理の動作を示すフローチャート
である。
【図27】車両用空調装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【図28】REC設定頻度と導入空気汚染度の関係を示
すグラフである。
【図29】吸込口学習処理の動作を示すフローチャート
である。
【図30】吸込口学習処理の動作を示すフローチャート
である。
【図31】吸込口処理の動作を示すフローチャートであ
る。
【図32】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図33】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図34】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図35】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図36】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図37】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図38】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図39】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図40】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図41】エアコンスイッチ処理,出力処理の動作を示
すフローチャートである。
【図42】ON−OFF温度と外気温の関係を示すグラ
フである。
【図43】ON−OFF温度と設定室温外気温差温の関
係を示すグラフである。
【図44】ON−OFF温度と設定室温差温の関係を示
すグラフである。
【図45】ON−OFF温度と日射量・外気温熱負荷の
関係を示すグラフである。
【図46】ON−OFF温度と総合熱負荷の関係を示す
グラフである。
【図47】エバポレータ空気温と外気温の関係を示すグ
ラフである。
【図48】ON−OFF差温と外気温の関係を示すグラ
フである。
【図49】ON−OFF差温と設定室温外気温差温の関
係を示すグラフである。
【図50】ON−OFF差温と設定室温差温の関係を示
すグラフである。
【図51】ON−OFF差温と日射量・外気温熱負荷の
関係を示すグラフである。
【図52】ON−OFF差温と総合熱負荷の関係を示す
グラフである。
【図53】稼働率と外気温の関係を示すグラフである。
【図54】稼働率と設定室温外気温差温の関係を示すグ
ラフである。
【図55】稼働率と設定室温差温の関係を示すグラフで
ある。
【図56】稼働率と日射量・外気温熱負荷の関係を示す
グラフである。
【図57】稼働率と総合熱負荷の関係を示すグラフであ
る。
【図58】従来におけるエアコンスイッチ処理,出力処
理の動作を示すフローチャートである。
【図59】エバポレータ吹き出し空気温と時間の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
CL1 熱環境検出手段 CL2 手動設定手段 CL3 熱負荷調整手段 CL4 空調制御手段 CL5 稼働率設定手段 CL6 記憶手段 CL7 コンプレッサ稼働率設定手段 CL8 補正手段

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内における熱環境状態を検出する熱
    環境検出手段と,車室内における目標温度を手動により
    設定する手動設定手段と,車室内の熱負荷を調整する熱
    負荷調整手段と,前記熱環境検出手段および手動設定手
    段からの信号に基づいて前記熱負荷調整手段を制御する
    空調制御手段と,前記熱負荷調整手段に関連する部材の
    稼働率を設定する稼働率設定手段と,前記熱環境検出手
    段,稼働率設定手段からの,少なくとも一方の情報を記
    憶する記憶手段と,前記記憶手段に記憶されている情報
    に基づいて空調制御値を補正する補正手段とを具備する
    こと特徴とする車両用空調制御装置。
  2. 【請求項2】 前記稼働率設定手段は,コンプレッサの
    稼働率を設定することを特徴とする請求項1記載の車両
    用空調制御装置。
  3. 【請求項3】 前記稼働率設定手段は,熱負荷調整手段
    稼働スイッチの稼働率を設定することを特徴とする請求
    項1記載の車両用空調制御装置。
  4. 【請求項4】 前記稼働率設定手段は,デフロスタモー
    ドの稼働率を設定することを特徴とする請求項1記載の
    車両用空調制御装置。
  5. 【請求項5】 前記稼働率設定手段は,導入空気切換手
    段の稼働率を設定することを特徴とする請求項1記載の
    車両用空調制御装置。
  6. 【請求項6】 車室内における熱環境状態を検出する熱
    環境検出手段と,車室内における目標温度を手動により
    設定する手動設定手段と,車室内の熱負荷を調整する熱
    負荷調整手段と,前記熱環境検出手段および手動設定手
    段からの信号に基づいて前記熱負荷調整手段を制御する
    空調制御手段と,前記熱負荷調整手段におけるコンプレ
    ッサの稼働率を設定するコンプレッサ稼働率設定手段
    と,前記熱環境検出手段,コンプレッサ稼働率設定手段
    からの,少なくとも一方の情報を記憶する記憶手段と,
    前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて空調制御
    値を補正する補正手段とを具備すること特徴とする車両
    用空調制御装置。
  7. 【請求項7】 前記記憶手段に記憶されている情報は,
    前記熱環境検出手段により検出された熱環境情報を複数
    に分割した区分内の全使用期間内における前記コンプレ
    ッサの稼働期間あるいは非稼働期間が占める割合である
    ことを特徴とする請求項6記載の車両用空調制御装置。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段に記憶されている前記コン
    プレッサの稼働期間あるいは非稼働期間が占める割合
    は,前記熱環境区分内において冷房負荷が低い方向にな
    るほど稼働期間の場合は低く,非稼働期間の場合は高く
    なるように修正し,記憶することを特徴とする請求項7
    記載の車両用空調制御装置。
  9. 【請求項9】 前記空調制御手段は,前記熱環境区分に
    おける冷房負荷が変化した場合には,変化後の熱環境区
    分に記憶されている稼働期間割合あるいは非稼働期間割
    合が,変化前の稼働期間割合あるいは非稼働期間割合よ
    りも,前記稼働期間の場合には冷房熱負荷の変化方向と
    順方向に,前記非稼働期間の場合には冷房熱負荷の変化
    方向と逆方向となるように前記熱環境区分に記憶されて
    いる前記コンプレッサの稼働あるいは非稼働の期間割合
    を修正することを特徴とする請求項7または8記載の車
    両用空調制御装置。
  10. 【請求項10】 前記空調制御手段は,前記記憶手段に
    記憶された前記コンプレッサの稼働割合あるいは非稼働
    割合と,前記熱環境検出手段からの検出信号に基づいて
    目標とする前記熱負荷調整手段通過後の空調風温度を決
    定し,前記空調風温度以上では前記コンプレッサを稼働
    し,前記空調風温度以下では前記コンプレッサを非稼働
    とする稼働/非稼働切換運転期間を設定することを特徴
    とする請求項6記載の車両用空調制御装置。
  11. 【請求項11】 前記コンプレッサの稼働/非稼働切換
    運転期間は,前記熱環境検出手段からの検出信号が所定
    範囲内のとき実行し,前記所定範囲内の冷房範囲内にお
    ける冷房熱負荷が高い側の限界値は,前記記憶手段に記
    憶されている前記コンプレッサの稼働割合あるいは非稼
    働割合がそれぞれ所定値以下あるいは所定値以上となる
    前記熱環境区分のうち最も冷房熱負荷の高い区分の熱環
    境値を用いることを特徴とする請求項10記載の車両用
    空調制御装置。
  12. 【請求項12】 前記記憶手段に記憶されている前記コ
    ンプレッサの稼働/非稼働期間割合は,前記熱環境区分
    内における全使用回数あるいは全使用時間に対する前記
    コンプレッサの稼働あるいは非稼働使用回数あるいは時
    間の割合から演算することを特徴とする請求項6記載の
    車両用空調制御装置。
  13. 【請求項13】 前記記憶手段に記憶されている前記コ
    ンプレッサの稼働/非稼働期間割合の算出は,車両の窓
    曇りを防止するためのコンプレッサ使用期間を除くこと
    を特徴とする請求項12記載の車両用空調制御装置。
  14. 【請求項14】 前記稼働率設定手段に含まれ,前記熱
    負荷調整手段の稼働率を設定する熱負荷調整手段稼働ス
    イッチと,前記熱負荷調整手段稼働スイッチによる設定
    状態を前記熱環境検出手段により検出した熱環境に応じ
    て記憶する記憶手段と,前記熱環境検出手段からの熱環
    境情報と前記記憶手段に記憶した内容に基づいて前記熱
    負荷調整手段の稼働/非稼働を制御する熱負荷制御自動
    稼働手段とを具備する請求項1記載の車両用空調制御装
    置。
  15. 【請求項15】 前記稼働率設定手段に含まれ,前記熱
    負荷調整手段のうち,少なくともコンプレッサを稼働
    し,前記吹出口切換手段を車両の窓方向へ開放した吹出
    口に切り換えることを同時に行うことによって車両の窓
    曇りを防止する空調風の吹出状態(デフロスタモード)
    へと前記熱負荷調整手段の稼働率を設定するデフロスタ
    モード設定手段と,前記デフロスタモード設定手段によ
    る設定状態を前記熱環境検出手段により検出した熱環境
    情報に応じて記憶するデフロスタモード設定記憶手段
    と,前記熱環境情報と前記デフロスタモード設定記憶手
    段に記憶した内容に基づいて前記熱負荷調整手段をデフ
    ロスタモードへと切り換えるデフロスタモード自動設定
    手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の車両
    用空調制御装置。
  16. 【請求項16】 前記稼動状態設定手段に含まれ,前記
    熱負荷調整手段の導入空気を切り換える導入空気切換手
    段と,前記導入空気切換手段の設定状態を前記熱環境検
    出手段により検出した熱環境情報および車両の走行状態
    に応じて記憶する導入空気設定状態記憶手段と,前記熱
    環境情報と走行状態と前記導入空気設定状態記憶手段に
    記憶された内容に基づいて前記熱負荷調整手段の導入空
    気を制御する制御手段とから構成されることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用空調制御装置。
  17. 【請求項17】 導入空気設定状態記憶手段は,導入空
    気設定状態を記憶する際に導入空気の汚染度と窓曇り可
    能性が高い場合の設定は無視して記憶することを特徴と
    する請求項16記載の車両用空調制御装置。
  18. 【請求項18】 前記導入空気切換手段の設定状態を前
    記熱環境検出手段により検出した熱環境および車両の走
    行状態に加え,導入空気の汚染度に応じて記憶する導入
    空気設定状態記憶手段と,前記熱環境状態と前記走行状
    態と前記導入空気の汚染度と前記導入空気設定状態記憶
    手段に記憶した内容に基づいて,前記空調装置の導入空
    気を制御する熱負荷調整手段自動稼動手段とから構成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の車両用空調制御装
    置。
  19. 【請求項19】 前記空調制御手段は,前記記憶手段に
    より記憶する量として,前記コンプレッサによる冷房熱
    量に関係する量を算出することを特徴とする請求項6記
    載の車両用空調制御装置。
  20. 【請求項20】 前記空調制御手段は,前記熱環境状態
    に応じて記憶した前記冷房熱量関係量を目標とする冷房
    熱量関係量目標値を設定し,前記冷房熱量関係量の値と
    前記冷房熱量関係量目標値との差に応じて,前記コンプ
    レッサ稼働率あるいはコンプレッサ設定状態を変更する
    ことを特徴とする請求項19記載の車両用空調制御装
    置。
  21. 【請求項21】 前記冷房熱量に関係する量として,冷
    凍サイクルの低圧側の温度あるいは圧力などの関連量あ
    るいは前記コンプレッサの投入仕事関係量のいずれかを
    使用することを特徴とする請求項19記載の車両用空調
    制御装置。
  22. 【請求項22】 前記冷凍サイクルの低圧側関連量とし
    て,エバポレータ表面温度,低圧側圧力,低圧側温度,
    エバポレータ通過空調風の温度の少なくともいずれかを
    使用することを特徴とする請求項19記載の車両用空調
    制御装置。
  23. 【請求項23】 前記コンプレッサの投入仕事関連量と
    して,前記コンプレッサを駆動するエンジンあるいは前
    記コンプレッサの回転数の時間積算値,コンプレッサの
    消費動力の少なくともいずれかを使用することを特徴と
    する請求項19記載の車両用空調制御装置。
  24. 【請求項24】 前記空調制御手段は,前記コンプレッ
    サの稼働/設定状態としてコンプレッサの稼働/停止温
    度,コンプレッサの稼働/停止時間,コンプレッサの稼
    働/停止時間比率,エアコン(コンプレッサ稼働)スイ
    ッチのON/OFF時間,エアコンスイッチ時間比率,
    コンプレッサへの投入仕事量,あるいはコンプレッサの
    容量のうち,少なくともいずれかを用いることを特徴と
    する請求項6記載の車両用空調制御装置。
  25. 【請求項25】 前記熱環境検出手段により検出される
    熱環境状態として,外気温,設定室温と外気温の差温,
    設定室温差温,日射量と外気温の複合負荷,エバポレー
    タ吸入空気温,あるいは外気温,日射量,室温,設定室
    温を少なくとも含む総合熱負荷のうち,少なくともいず
    れかを用いることを特徴とする請求項6記載の車両用空
    調制御装置。
  26. 【請求項26】 前記コンプレッサ稼働率設定手段によ
    り設定されるコンプレッサ稼働率の設定信号として,コ
    ンプレッサの稼働/停止温度,コンプレッサの稼働/停
    止時間,コンプレッサの稼働/停止温度差,コンプレッ
    サへの投入仕事量あるいはコンプレッサの容量のうち,
    少なくともいずれかを用いることを特徴とする請求項6
    記載の車両用空調制御装置。
  27. 【請求項27】 前記コンプレッサの稼働/停止温度と
    して,冷凍サイクルの低圧側の圧力あるいは温度関連量
    のうち,少なくともいずれかを用いることを特徴とする
    請求項6記載の車両用空調制御装置。
  28. 【請求項28】 前記コンプレッサへの投入仕事量は,
    エンジン等のコンプレッサ駆動手段の回転数の時間積算
    値により代用するか,あるいは前記時間積算値から前記
    投入仕事量を算出した値のいずれかを用いることを特徴
    とする請求項6記載の車両用空調制御装置。
  29. 【請求項29】 前記コンプレッサの容量は,前記コン
    プレッサとして冷媒圧縮室の容量を可変にする可変容量
    コンプレッサを使用すると共に,前記コンプレッサの容
    量値,あるいは制御された目標コンプレッサ容量値のう
    ち,少なくともいずれかの値を用いることを特徴とする
    請求項6記載の車両用空調制御装置。
  30. 【請求項30】 前記コンプレッサ稼働率設定手段は,
    コンプレッサの稼働/非稼働を設定するエアコンスイッ
    チあるいはコンプレッサスイッチであることを特徴とす
    る請求項6記載の車両用空調制御装置。
  31. 【請求項31】 前記コンプレッサ稼働率設定手段は,
    コンプレッサの稼働率を減少させる方向に設定するエコ
    ノミースイッチあるいは省動力エアコンスイッチである
    ことを特徴とする請求項6記載の車両用空調制御装置。
  32. 【請求項32】 前記熱負荷調整手段は,冷房した空調
    風と暖房した空調風を空調風配分ドアにより混合比率を
    調整するエアミックス方式を用い,前記ドアの開度をエ
    アミックス開度とし,前記エアミックス開度として暖房
    風の混合比率を最大にする場合を開度最大とし,前記混
    合比率を最小にする場合を開度最小とし,前記エアミッ
    クス開度は所定値以下であるか,あるいはエアミックス
    開度の目標値が所定値以下である場合において,コンプ
    レッサ稼働制御により前記稼働率が所定値以下のとき,
    前記コンプレッサ稼働率を所定値以上に制御することを
    特徴とする請求項6記載の車両用空調制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009280172A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Denso Corp 車両用空調装置
JP2013014327A (ja) * 2012-09-19 2013-01-24 Denso Corp 車両用空調装置
CN114018083A (zh) * 2021-11-03 2022-02-08 西安热工研究院有限公司 一种空预器入口风温宽负荷优化控制系统

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