JPH07284396A - 高純度4−カルボキサミドキヌクリジンの取得方法 - Google Patents

高純度4−カルボキサミドキヌクリジンの取得方法

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JPH07284396A
JPH07284396A JP10475194A JP10475194A JPH07284396A JP H07284396 A JPH07284396 A JP H07284396A JP 10475194 A JP10475194 A JP 10475194A JP 10475194 A JP10475194 A JP 10475194A JP H07284396 A JPH07284396 A JP H07284396A
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JP
Japan
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butanol
carboxamidoquinuclidine
quinuclidine
carboxamide
purity
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JP10475194A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Yamaguchi
靖正 山口
Masahiro Ushigome
正弘 牛込
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】4−シアノキヌクリジンの塩を水媒体中酵素反
応に供することにより得た4−カルボキサミドキヌクリ
ジンを含む反応液を、苛性アルカリによりpH9以上に
調整後、濃縮晶析して得られる4−カルボキサミドキヌ
クリジン粗結晶に、有機溶媒として炭素数3〜4の一価
のアルコールを添加し、4−カルボキサミドキヌクリジ
ンを選択的に抽出する。 【効果】本発明によれば、4−カルボキサミドキヌクリ
ジンを単純な操作で効率よく抽出分離することができ、
極めて高純度な4−カルボキサミドキヌクリジンを得る
ことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度4−カルボキサ
ミドキヌクリジンの取得方法に関する。4−カルボキサ
ミドキヌクリジンは、セファロスポリン系抗生物質の化
学修飾剤等の医薬中間体や化学試薬などの用途を有する
工業的に有用な化合物である。これらの用途には、種々
の副反応を避けるため、極めて高純度の品質が要求され
る。
【0002】
【従来の技術】4−カルボキサミドキヌクリジンの製造
方法として、(1) 4−シアノキヌクリジンの硫酸溶液に
氷を添加して、ニトリルを加水分解し、水酸化カリウム
水溶液を添加して中和し、次いで減圧下に水を留去した
残渣から、アセトンにより、4−カルボキサミドキヌク
リジンを抽出する方法〔Fischer, H. P., Grob, C. A.,
Helv. Chim. Acta, 51(1), 153-163(1968)〕、(2) 4
−シアノキヌクリジンまたはその塩を脂肪族エーテルお
よび脂肪族低級アルコールの存在下にアルカリ金属アミ
ドで処理し、しかる後、加水分解処理する方法〔特開平
3-133979号公報〕、(3) 4−シアノキヌクリジンまたは
その塩と硫酸との混合液、または4−シアノキヌクリジ
ンまたはその塩の硫酸付加体を、アルカリと有機溶媒と
の混合液に添加する方法〔特開平4-139183号公報〕など
が知られている。
【0003】一方、4−カルボキサミドキヌクリジンの
精製方法として、(4) 低純度な4−カルボキサミドキヌ
クリジンに、二種以上の有機溶媒を順次添加し不純物を
晶析させ、高純度な4−カルボキサミドキヌクリジンを
得る方法〔特開平5-194509号公報〕、(5) 粗4−カルボ
キサミドキヌクリジンを有機溶媒として、アルコールと
溶解性パラメーター 7.0〜13.0(Cal/cc)0.5 の溶媒との
混合溶媒を用いて不純物を除去する方法〔特開平5-1945
10号公報〕などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1) の方法は、4−シ
アノキヌクリジンの硫酸溶液に添加した氷による4−シ
アノキヌクリジン硫酸付加体の経時的な分解、4−カル
ボキサミドキヌクリジンの加水分解などにより、4−カ
ルボキシキヌクリジンが副生すること、アセトン抽出の
際アセトン縮合物が生成する恐れのあること、目的化合
物の溶解度の関係から大過剰量のアセトンを必要とする
こと、さらに反応混合液を蒸発乾固させた時に4−カル
ボキサミドキヌクリジンは昇華性を有しているため、反
応収率の低下をきたすことなど、反応液からの効率のよ
い4−カルボキシキヌクリジンの分離には多くの課題を
有する。
【0005】(2) および(3) の方法は、それぞれ上記課
題を解決すべくなされたものであるが、(2) の方法で
は、反応に金属アミドや種々の有機媒体を組み合わせ使
用していること、また反応温度が50℃以上と高いこと、
また (3)の方法では、分解し易い硫酸付加体が関与して
いることなどにより、何れの方法も4−カルボキシキヌ
クリジンの生成等の副反応を抑制しきれず、未だ4−カ
ルボキシキヌクリジンの分離精製には問題を残してい
る。
【0006】(4) および(5) の方法は、(1) の方法にお
けるような副生物が多く純度的に不満足な低純度な4−
カルボキシキヌクリジンを対象とし、その精製方法に関
するものであるが、これらの方法は、何れも二種以上の
有機溶媒を用いて不純物を晶析により除去する方法であ
り、有機溶媒の混合系を取り扱うため、溶媒の精製回収
に精留塔など大掛かりな設備が必要となる欠点があっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、4−カルボキ
サミドキヌクリジンを4−シアノキヌクリジン塩から酵
素反応により得ることと、4−カルボキサミドキヌクリ
ジンの抽出に特定の有機溶媒を用いることを組み合わせ
ることにより、単純な操作で極めて高純度の4−カルボ
キサミドキヌクリジンを取得し得ることを見出し、本発
明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、水媒体中4−シアノ
キヌクリジンの塩を酵素反応に供することにより得た4
−カルボキサミドキヌクリジンを含む反応液を、アルカ
リによりpH9以上に調整後、濃縮して得られる4−カ
ルボキサミドキヌクリジン粗結晶に、有機溶媒として炭
素数3〜4の一価のアルコールを添加し、4−カルボキ
サミドキヌクリジンを選択的に抽出することを特徴とす
る高純度4−カルボキサミドキヌクリジンの取得方法で
ある。
【0009】本発明の4−シアノキヌクリジンの塩は、
例えば、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸等のスルホン酸基を有する芳香族の有
機酸塩などであり、特に、パラトルエンスルホン酸の使
用が好ましい。これらは、経時的に安定な物質である。
尚、4−シアノキヌクリジンの塩は、反応に際し、4−
シアノキヌクリジンと上記酸を混合させることにより形
成させてもよい。
【0010】酵素反応は、水媒体中、ニトリルヒドラタ
ーゼまたはニトリラーゼ活性を有する微生物の菌体また
はその処理物に上記4−シアノキヌクリジンの塩を接触
させることにより行われる。反応は、常温付近でほぼ選
択的且つ定量的に行われる。具体的には、例えば、農芸
化学会 1992年度大会(東京)2B2p14 に記載の方法
〔微生物として、ロドコッカス ロドクロウス J-1 菌
株(微工研条寄第1478号)使用〕に準じて行うことがで
きる。
【0011】4−カルボキサミドキヌクリジンは塩基性
を有するアミンであり、これを塩から遊離の形で抽出す
るためには、菌体を除去後、先ず、強塩基である水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを添加し、反
応液のpHを9以上、好ましくは、10以上に調整する。
通常、アルカリは塩を形成している酸に対し等モル以
上、好ましくは 1.2倍モル以上添加する。アルカリの添
加量が不足すると、4−カルバモイルキヌクリジンは遊
離した形で得られず、抽出が難しくなる。
【0012】pH調整後、濃縮操作を行い、遊離の4−
カルボキサミドキヌクリジンと酸塩の混晶状態の粗結晶
を析出させる。濃縮晶析により得られた粗結晶は、遠心
分離等の固液分離操作により分離し、必要により乾燥す
る。
【0013】次いで、粗結晶に有機溶媒を添加して4−
カルバモイルキヌクリジンを抽出する。
【0014】本発明の有機溶媒は、炭素数3〜4の一価
のアルコールであり、これらは単独使用でよい。具体的
には、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノ−ル、イソブタノールまたはt−ブ
タノールなどを挙げることができ、特に、1−ブタノー
ル、2−ブタノ−ル、イソブタノールまたはt−ブタノ
ールの使用が好ましい。
【0015】有機溶媒の添加量は、4−カルボキサミド
キヌクリジンの全量を溶解する量、またはそれ以下でも
よい。抽出率を向上させるために、通常は複数回の抽出
操作を行う。
【0016】抽出の最適温度は有機溶媒の種類によって
異なるが、通常、作業性の観点から、濾過等の操作が容
易な10〜50℃付近の温度で行う。抽出速度を早めるため
に、通常の撹拌操作の他、湿式粉砕機などが利用でき
る。
【0017】抽出後、溶媒を減圧下に留去し4−カルバ
モイルキヌクリジン結晶を得る。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、4−カルボキサミドキ
ヌクリジンを単純な操作で効率よく抽出分離することが
でき、極めて高純度な4−カルボキサミドキヌクリジン
を得ることが可能である。
【0019】
【実施例】
実施例1〜6および比較例1〜3 4−シアノキヌクリジン・パラトルエンスルホン酸塩の
結晶 750g を水 2250mlに溶解し、水酸化ナトリウムを
用いてpH 7.5に調整した。この溶液にロドコッカス
ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) J-1菌(乾燥
菌体換算 8g)を加え35℃で40時間反応を行った。菌体分
離後、反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えpH 11
に調整、次いで濃縮、乾燥処理を行い、粗結晶(4−カ
ルボキサミドキヌクリジン含有量 45.4 重量%) 710 g
を得た。この乾燥結晶を粉砕後、結晶 10g当り各種有機
溶媒 50gを加え、40℃で4時間攪拌後、抽出残渣を濾過
した。この濾液を減圧濃縮、次いで乾燥し、4−カルボ
キサミドキヌクリジンの結晶を得た。4−カルボキサミ
ドキヌクリジンの回収率および純度の測定結果を表−1
に示す。尚、4−カルボキサミドキヌクリジンの分析
は、液体クロマトグラフィー(HPLC)により行った。
【0020】 表−1 ────────────────────────────────── 有機溶媒 回収率(%) 純 度(%) ────────────────────────────────── 実施例 1 1−プロパノール 69.8 94.1 同 2 イソプロパノール 68.5 97.8 同 3 1−ブタノール 69.4 99.7 同 4 2−ブタノ−ル 72.7 100 同 5 イソブタノール 72.7 100 同 6 t−ブタノール 77.3 100 ────────────────────────────────── 比較例 1 メタノール 73.5 67.0 同 2 エタノール 74.0 90.0 同 3 アセトン 5.0 100 ──────────────────────────────────

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水媒体中4−シアノキヌクリジンの塩を
    酵素反応に供することにより得た4−カルボキサミドキ
    ヌクリジンを含む反応液を、アルカリによりpH9以上
    に調整後、濃縮して得られる4−カルボキサミドキヌク
    リジン粗結晶に、有機溶媒として炭素数3〜4の一価の
    アルコールを添加し、4−カルボキサミドキヌクリジン
    を選択的に抽出することを特徴とする高純度4−カルボ
    キサミドキヌクリジンの取得方法。
  2. 【請求項2】 4−シアノキヌクリジンの塩がパラトル
    エンスルホン酸塩である請求項1記載の高純度4−カル
    ボキサミドキヌクリジンの取得方法。
  3. 【請求項3】 炭素数3〜4の一価のアルコールが、1
    −プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、
    2−ブタノ−ル、イソブタノールまたはt−ブタノール
    である請求項1記載の高純度4−カルボキサミドキヌク
    リジンの取得方法。
  4. 【請求項4】 炭素数3〜4の一価のアルコールが、1
    −ブタノール、2−ブタノ−ル、イソブタノールまたは
    t−ブタノールである請求項1記載の高純度4−カルボ
    キサミドキヌクリジンの取得方法。
JP10475194A 1994-04-19 1994-04-19 高純度4−カルボキサミドキヌクリジンの取得方法 Pending JPH07284396A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007418A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Tokuyama Corp 安定な結晶構造を有するベンゾオキサジン化合物の製造方法

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JP2008007418A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Tokuyama Corp 安定な結晶構造を有するベンゾオキサジン化合物の製造方法

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