JPH0728014Y2 - 風向・風量表示照明装置を備えた車両用空気吹出口装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、車室内に向けて風向若しくは風量を表示可能
な照明装置を備えた車両用空気吹出口装置に関する。

［従来の技術］ 車両用空気吹出口装置の前面側に、該空気吹出口装置か
ら吹き出される風の向きや量を表示できる照明装置があ
れば、夜間でも風向や風量を適切に調節できるととも
に、現在の調節位置を的確に知ることができ、極めて便
利である。

このような目的に沿った装置構造として、特開昭59-868
43号公報開示の構造が知られている。この構造は、風向
を上下方向に調節する制御板を駆動するモータの軸に開
口を有する遮光板を結合し、上記開口を通った光源から
の光を光ファイバを介して装置前面に導くものである。
制御板の調節位置はモータの軸およびそれに結合された
遮光板の開口の回動位置に対応しているので、多数配列
された光ファイバのいずれかのみに上記開口を通過した
光を導くことにより、そのときの制御板の調節位置が光
ファイバの終端からの照明を介して表示できるようにな
っている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上記の装置では、風向に相当する一つの
光ファイバのみを介して光が導かれ、風向の表示が一つ
のポイントの照明のみで行われるので、そのポイントが
全調節範囲のどの位置にあるのか、換言すれば風向その
ものが判りづらいという問題がある。また、一つのポイ
ントの照明のみであるから、その照明表示部自身の位置
も判りづらい。

また、光ファイバを多数本用いるので、相当コストアッ
プになるという問題がある。

さらに、光ファイバを、表示部に表示数だけ組み付けて
いかねばならず、組付けに手間がかかるという問題もあ
る。

本考案は、上記のような従来装置における問題点に着目
し、風の吹出し方向や調節量が判りやすく、かつ組付け
が簡単でしかも安価な、照明による表示部を備えた空気
吹出口装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この目的に沿う本考案の風向・風量表示照明装置を備え
た車両用空気吹出口装置は、車室内に向けて風向若しく
は風量を表示可能な照明装置を備えた車両用空気吹出口
装置において、前記照明装置の車室内への表示部の全範
囲に亘って発光表示する第１の表示体と、空気吹出口内
に設けられる風向調節手段若しくは風量調節手段に該手
段の作動に連動して移動する、前記第１の表示体とは色
違いの発光表示が可能な第２の表示体を連結し、該第２
の表示体を前記表示部の背後に前記連動移動可能に配設
したものから成る。

［作用］ このような装置においては、表示部の全範囲が第１の表
示体によりある色に発光表示される。そして、風向又は
風量調節手段と機械的に連動移動する第２の表示体が、
調節手段の調節位置に対応する位置に移動され、又は対
応する方向に向けられる。この第２の表示体は、上記第
１の表示体とは色違いの発光表示可能に構成されている
から、表示部全範囲中第２の表示体を介して表示される
部分のみ色が変わり、表示部にて調節位置が表示され
る。したがって、調節範囲の全範囲と、色違いで表示さ
れる現在の調節位置とが、同時に照明表示されることに
なり、極めて判りやすい照明表示構造となる。

また、多数の光ファイバを用いることなく、実質的に第
１の表示体と第２の表示体の２つの部材で上記の最適な
表示構造が実現でき、構造内に簡単であるとともに、組
付けも容易になる。

［実施例］ 以下に、本考案の望ましい実施例を、図面を参照して説
明する。

第１図ないし第７図は、本考案の一実施例に係る装置を
示しており、風向を照明表示可能とした車両用空気吹出
口装置を示している。

第１図ないし第４図において、１は車両用空気吹出口装
置全体を示しており、２はその前面側のベゼル、３はフ
ィンを支持し空気を導くダクトも構成するリテーナを示
している。リテーナ３内には、風向を左右に調節する複
数の縦フィン４が設けられており、各縦フィンは同方向
に連動調節される。縦フィン４の前面側には、風向を上
下に調節する複数の横フィン５が設けられており、横フ
ィン５のうちの中央部の一枚には、ノブ６がスライド可
能に設けられている。ノブ６は、縦フィン４と連結され
ており、ノブ６によって縦フィン４の方向が調節できる
ようになっている。

リテーナ３の下面側には、サポート（たとえばゴム製）
７を介して光源８が固定されている。光源８の前面側に
は、第１の表示体として、光導体からなるレンズ９が設
けられている。レンズ９は、本実施例では透明レンズか
らなり、第４図に示すような略扇形の平面形状を有して
いる。レンズ９の前面側部分は、ベゼル２の前面に水平
方向に複数配列された穴に挿入固定されており、この部
分は、光源８からの光がレンズ９を介して導かれる表示
部10を構成している。この表示部10の実質的に全範囲に
わたって、光源８からの光がレンズ９を介して導かれ
る。

中央部の縦フィン４の回動軸11の下部側は、装置前面側
へ折れ曲がったアーム12に構成されている。アーム12は
軸11と一体に構成されても別体に構成されてもよい。ア
ーム12の前端部に、着色（たとえば赤色）された、つま
り前記レンズ９とは色違いの、第２の表示体としての光
導体部材であるレンズ片13が設けられている。レンズ片
13は、アーム12、回動軸11を介して縦フィン４と機械的
に連動してその位置を変えるようになっており、縦フィ
ン４による風向調節方向と、表示部10内におけるレンズ
片13による風向表示位置とは対応されている。レンズ片
13は、本実施例では、レンズ９の下面側に形成された溝
14内を該溝14に沿って移動できるよう溝14内に挿入され
ている。このレンズ片13の配設位置は、本実施例の位置
に限らず、光源８と表示部10との間の、光導体中を含む
いずれか適当な位置であってもよい。

このように構成された実施例装置においては、第５図に
示すように光源８からの光がレンズ９を通して表示部10
の全範囲に導かれ、表示部10の全範囲が照明される。そ
してレンズ片13は縦フィン４へと連結されており、縦フ
ィン４の方向調節とともに溝14に沿って移動される。レ
ンズ片13は着色レンズであるから、光源８からレンズ９
を通して表示部10に至る光のうち、レンズ片13が位置す
る部分を透過する光のみが着色光とされ、それが表示部
10から照射される。レンズ片13の表示部10に対する位置
は、縦フィン４による風向調節方向（位置）に対応して
いるから、上記着色光により風向が的確に表示される。
したがって、第６図に示すように、レンズ片13が縦フィ
ン４の調節に伴い、図の左方に移動されたときには、表
示部10における着色光表示の位置もそれに対応して左方
に移動される。同様に、第７図に示すように、レンズ片
13が縦フィン４の調節に伴い図の右方に移動されたとき
には、表示部10における着色光表示の位置もそれに対応
して右方に移動される。

この着色光による表示は、表示部10の全範囲がレンズ９
を透過した光によって照明された状態において、風向調
節位置のみが着色光により表示されるものであるから、
全体に対する風向調節位置が、一目で容易に、かつ正確
に読み取られる。

また、表示部10全範囲が照明されているので、夜間にお
ける表示部10自身の位置も容易に視認される。

次に、第８図に本考案の別の実施例を示す。

本実施例は、本考案を空気吹出口装置における風量の照
明表示に適用したものである。図において、空気吹出口
装置21のリテーナ22内には、風量調節手段としてのダン
パ23が設けられている。ダンパ23の開度が、ベゼル24前
面側に設けられたダイヤル式のダンパノブ25によって調
節できるようになっている。照明によりダンパ開度を表
示する表示部26は、本実施例では縦に配列されている。
なお、光源、第１の表示体、第２の表示体等は、前述の
実施例と同様の構成を、適宜設計的に変更したものでよ
い。

このように、風向調節のみならず、風量調節の照明表示
も可能である。

その他の作用は前記実施例に準じる。

次に、第９図に本考案のさらに別の実施例の要部を示
す。

本実施例においては、光導体からなる第１の表示体31が
光源32からの光を表示部33の全範囲に亘って表示し、縦
フィン34（又はダンパ）と連動して風向と同じ方向（又
は風量と対応する表示方向）に向けられる、第２の表示
体としての発光ダイオード（以下LEDともいう）35が設
けられる。LED35は第１の表示体による照明表示とは色
違いの光を発光する。このような構成であっても前記実
施例と同様の作用が得られる。

さらに、第10図および第11図に別の実施例を示す。

本実施例では、表示部41の表面に螢光塗料42が塗られ、
裏面側から第１の表示体としての光導体43が嵌め込まれ
ている。そして上記表示部とは色違いのLED44が、風向
調節手段としての縦フィン45（又は風量調節手段）に連
動するように取り付けられる。このようにしても、第９
図に示した実施例と同等の機能が得られる。また、この
実施例においては、第12図に示すように、表示部を光導
体51自身で形成してもよい。図に示す例では、必要な表
示部に螢光塗料52が塗られ、他の部位には不透光マスキ
ング53が施されている。このような構成にしても、前記
と同様の機能が得られる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の風向・風量表示照明装置
を備えた車両用空気吹出口装置によるときは、表示部の
全範囲を照明表示しつつ、調節位置のみを異なる色で照
明表示できるので、調節位置、表示部自身の位置が極め
て判りやすくなる。

また、複数の光ファイバを用いる必要がないので、組付
けが簡単であり、構造的にも簡素化でき、安価に製作で
きるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る空気吹出口装置の分解
斜視図、 第２図は第１図の装置の外観斜視図、 第３図は第１図の装置の光導体周りの部分縦断面図、 第４図は第１図の装置の光導体の平面図、 第５図は第１図の装置の部分底面図、 第６図は別の調節位置を示す第１図の装置の部分底面
図、 第７図はさらに別の調節位置を示す第１図の装置の部分
底面図、 第８図は本考案の別の実施例に係る空気吹出口装置の斜
視図、 第９図は本考案のさらに別の実施例に係る空気吹出口装
置の要部縦断面図、 第10図は本考案のさらに別の実施例に係る空気吹出口装
置の要部縦断面図、 第11図は第10図の装置の表示部の正面図、 第12図は第11図の装置の変形例に係る表示部の部分正面
図、 である。 １、21……車両用空気吹出口装置 ２、24……ベゼル ３、22……リテーナ ４、34、45……縦フィン ５……横フィン ６……ノブ ８、32……光源 ９……第１の表示体としてのレンズ 10、26、33、41……表示部 13……第２の表示体としてのレンズ片 14……溝 23……ダンパ 25……ダンパノブ 31、43、51……第１の表示体としての光導体 35、44……第２の表示体としての発光ダイオード 42、52……螢光塗料 53……不透光マスキング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車室内に向けて風向若しくは風量を表示可
   能な照明装置を備えた車両用空気吹出口装置において、
   前記照明装置の車室内への表示部の全範囲に亘って発光
   表示する第１の表示体と、空気吹出口内に設けられる風
   向調節手段若しくは風量調節手段に該手段の作動に連動
   して移動する、前記第１の表示体とは色違いの発光表示
   が可能な第２の表示体を連結し、該第２の表示体を前記
   表示部の背後に前記連動移動可能に配設したことを特徴
   とする風向・風量表示照明装置を備えた車両用空気吹出
   口装置。