JPH0728009Y2 - 自動車用空気調和装置のケーシング構造 - Google Patents

自動車用空気調和装置のケーシング構造

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JPH0728009Y2
JPH0728009Y2 JP931889U JP931889U JPH0728009Y2 JP H0728009 Y2 JPH0728009 Y2 JP H0728009Y2 JP 931889 U JP931889 U JP 931889U JP 931889 U JP931889 U JP 931889U JP H0728009 Y2 JPH0728009 Y2 JP H0728009Y2
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JP
Japan
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casing
recess
air conditioner
casing structure
protrusion
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JP931889U
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英雄 上福元
之男 藤沼
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カルソニック株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) 本考案は、2つのケーシング構成体を突き合わせて各種
ユニットのケーシングをなす自動車用空気調和装置のケ
ーシング構造の改良に関する。
(従来の技術) 周知のように、自動車用空気調和装置は、インテークユ
ニットと、クーラユニットと、ヒータユニットとを組み
合わせることにより構成されているが、これら各ユニッ
トはそれぞれ断面カップ形状あるいはU字形状のケーシ
ング構成体を突き合わせることにより形成されている。
例えば、自動車用空気調和装置を構成するクーラユニッ
ト1は、第3図に示す通りであり、空気を冷却するエバ
ポレータ2が内蔵され、これを外方から樹脂製の一対の
ケーシング構成体3、4で覆い、2つのケーシング構成
体3、4の接合部5、6間を板ばね7等の締結手段によ
り締め付けている。
前記両接合部5、6は、両方のケーシング構成体3、4
を突き合わせる際の位置決めを行うと共に、内気の漏れ
等を防止するため、凹凸状に嵌合している。
現在、自動車用空気調和装置のケーシング構成体3、4
は、射出成形法により成形されている。この射出成形法
を概説すれば、先ず、各ケーシング構成体3、4の外形
形状に対応する空洞(キャビティ)を形成する上型と下
型の両金型を作る。次に、この上下型を相互に型締め
し、ケーシングの材料成分を混合装置により混合した
後、ミキシングヘッドから射出口を介して前記キャビテ
ィ内に溶融材料を射出する。そして、この状態で所定時
間材料を冷却した後、上下型を開けば、各ケーシング構
成体3、4の成形は完了する。
このような射出成形法では、溶融材料が冷却されると
き、材料の収縮に伴って歪みが生じるので、この歪みを
吸収するために、前記凹凸嵌合部の凹部と突部との間に
多少の隙間を作っている。しかしながら、この隙間が風
洩れを生じる原因となるため、多少の隙間があってもシ
ール性を向上させるようにしたケーシング構造が提案さ
れている(例えば、実開昭60-136,215号公報等参照)。
この公報に開示されるケーシング構造は、第4、5図に
示す通りであり、下方側のケーシング構成体4の接合部
6には、内外両側面9a、9bと底面9cとを有する凹部9が
形成されている。一方、上方側のケーシング構成体3の
接合部5には、前記凹部9と嵌合し合う突部8が形成さ
れている。該突部8の外側面8aには、凹部9の外側面9a
に当接し、突部8を内側面8b側に押し付ける押圧片10が
突設されている。そして、これらの突部8と凹部9とに
より、両ケーシング構成体3、4の嵌合時の位置決めを
行なうと共に、この嵌合を行うことによって押圧片10の
押し付け力で突部8の内側面8bと凹部9の内側面9bとを
面接触させ、シール性の向上を図っている。
(考案が解決しようとする課題) 従来の接合部5、6でシール性を向上させるためには、
突部8の内側面8bと、凹部9の内側面9bとを、寸法精度
の高い平面度に仕上げることが必要である。
しかしながら、射出成形法は前述したように歪みが生じ
るものであり、また、ケーシング自身が剛性を持つた
め、前記両内側面8b、9bで必ずシールされるとは言え
ず、第5図中符号A、Bで示す面でシールされる場合も
ある。このような場合には、押圧片10の押し付け力が突
部8に作用しても、何等シール性を向上させることには
ならないという問題があった。
そこで、前記両内側面8b、9bをシール面とするために、
前記歪みの変化量を見込んで上下型の金型を設計するこ
とも考えられるが、事実上この変形量を算出することは
できないため、変形量を見込んだ金型の設計は困難であ
った。
そのため、現状では、ケーシング構成体3、4用の金型
は、数回の金型修正を行うことによって最終的な金型を
得ており、その金型修正も、サンドペーパーで型壁面を
削る程度の緻密さが要求されるものである。従って、精
度良く平面度を出すためには、前記金型修正の工程にお
いて長時間を要するため作業効率が悪いばかりでなく、
型費用の増大の一要因となっていた。また、修正の際に
削り過ぎてしまった金型は、もはや型の機能を果たさな
いために廃棄せざるを得ず、このことからも金型の修正
には厳密さが要求され、廃棄すれば型費の増大を更に招
いていた。
本考案は、このような従来技術の問題点を解決するため
になされたものであり、所定のシール部において確実に
シールを行わせてシール性の向上を図ると共に、金型の
設計、修正等をも容易になし得る自動車用空気調和装置
のケーシング構造を提供することを目的とする。
[考案の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本考案は、断面U字形状の2
つのケーシング構成体を相互に突き合わせることにより
自動車用空気調和装置におけるクーラユニット等のユニ
ットをなす自動車用空気調和装置のケーシング構造にお
いて、2つのケーシング構成体のうち一方のケーシング
構成体の突き合わせ端面を、その外周縁辺が他方のケー
シング構成体方向に向かうように傾斜させて形成すると
共に、該突き合わせ端面に凹部を形成し、前記他方のケ
ーシング構成体に前記凹部と嵌合し合う突部を形成し、
これら2つのケーシング構成体を相互に突き合わせ締結
手段により締め付けた状態の下で、前記凹部の底部に密
着して該底部と共にシール部を形成する先端部を前記突
部に形成してなる自動車用空気調和装置のケーシング構
造である。
(作用) このように構成したケーシング構造にあっては、2つの
ケーシング構成体を相互に突き合わせ締結手段により締
め付けると、突き合わせ端面の変形に伴う弾発力を受け
つつ、突部の先端部と凹部の底部とが相互に密接してシ
ール部が形成され、この所定のシール部において空気洩
れ等の事態を防止することになる。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、2つのケーシング構成体を相互に突き合わ
せ、締付け前の状態を示す要部断面図、第2図は、第1
図に示す実施例の締付け後の状態を示す要部断面図であ
り、第3〜5図に示した部材と同一部材には同一符号を
付し、その説明は一部省略する。
2つのケーシング構成体3、4からなる自動車用空気調
和装置のクーラユニット1等は、両構成体3、4の接合
部5、6間を、締結手段としての板ばね7により締め付
けることによって構成されており、前記両接合部5、6
は、両方のケーシング構成体3、4を突き合わせる際の
位置決めを行うと共に、内気の漏れ等を防止するため、
凹凸状に嵌合している。
これらケーシング構成体3、4は、前述した射出成形法
により成形されるものであり、一方のケーシング構成体
3の接合部5は、第1図に示すように、突き合わせ端面
3aの略中央位置に凹部9が形成されている。この凹部9
は、底部11と内外両側部12、13とを有している。更に、
前記突き合わせ端面3aは、その外周縁辺3bが後述する他
方のケーシング構成体4方向に向かうように傾斜させて
形成されており、水平面に対して角度αをなしている。
また、他方のケーシング構成体4は、その突き合わせ端
面4aに前記凹部9と嵌合し合う突部8が形成されてお
り、この構成体4の突き合わせ端面4aは水平面に成形さ
れている。前記突部8のの先端部14は、両接合部5、6
を相互に締付けた際に前記底部11に当接し、該底部11と
共にシール部15を形成するようになっている。
次に本実施例の作用を説明する。
先ず、第1図に示すように、2つのケーシング構成体
3、4を突き合わせることにより、突部8を凹部9内に
嵌合させる。このとき、ケーシング構成体3の突き合わ
せ端面3aが、他方のケーシング構成体4に向かう方向へ
所定の角度αだけ傾斜しているので、突部8と凹部9と
の間にはクリアランスKが存在している。
この状態から、第2図に示すように、両構成体3、4の
接合部5、6間を板ばね7により締め付けると、接合部
5が変形し、突き合わせ端面3aの傾斜角度αが減少する
ことになる。この傾斜角度の減少は、換言すれば、樹脂
材料からなる接合部5の弾発力が増加することであり、
この弾発力を受けつつ、突部8の先端部14と凹部9の底
部11とが相互に密接してシール部15を形成し、これによ
って空気洩れ等の事態を防止することになる。
このように本実施例は、両構成体3、4の射出成形時に
歪みが生じることを前提とした上で、突部8の先端部14
と凹部9の底部11とが確実に密接してシール部15を形成
するように、ケーシング構成体3の突き合わせ端面3aを
予め所定の角度αだけ傾斜させ、締付け時の接合部5の
変形を見込んだものである。従って、所定のシール部15
においてシールを確実に行なわせることが可能になる。
更に、寸法精度の高い平面度をシール部15に出す必要が
ないため金型の設計、及び、修正が容易となることか
ら、金型修正工程の効率化が図れると共に、金型を製造
する費用の低減を達成することが可能となる。
尚、本考案は上述した実施例にのみ限定されるものでは
なく、上方側のケーシング構成体3の接合部5に突部8
を形成し、下方側のケーシング構成体4の接合部6に凹
部9を形成しても同じ効果が得られることは言うまでも
ない。また、締結手段は、板ばね7に限定されるもので
はなく、ボルト等の他の手段であっても良い。更に、ク
ーラユニット1内の通路抵抗を減少するため、両ケーシ
ング構成体3、4の内周面が面一となるように、両接合
部5、6を形成しても良い。
[考案の効果] 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、2つ
のケーシング構成体のうち一方のケーシング構成体の突
き合わせ端面を、その外周縁辺が他方のケーシング構成
体方向に向かうように傾斜させて形成すると共に、該突
き合わせ端面に凹部を形成し、前記他方のケーシング構
成体に前記凹部と嵌合し合う突部を形成し、これら2つ
のケーシング構成体を相互に突き合わせ締結手段により
締め付けた状態の下で、前記凹部の底部に密着して該底
部と共にシール部を形成する先端部を前記突部に形成し
たので、突き合わせ端面の変形に伴う弾発力を受けつ
つ、突部の先端部と凹部の底部とが相互に密接してシー
ル部が形成されることになり、所定のシール部でケーシ
ングのシール性を大幅に向上させることが可能となっ
た。
また、寸法精度の高い平面度を前記シール部に出す必要
がないことから、金型修正工程の効率化が図れると共
に、型費の低減を達成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の一実施例に係るケーシング構造の2
つのケーシング構成体を相互に突き合わせ、締付け前の
状態を示す要部断面図、第2図は、第1図に示す実施例
の締付け後の状態を示す要部断面図、第3図は、自動車
用空気調和装置のクーラユニットの斜視図、第4、5図
は、従来のケーシング構造の要部を示す斜視図、及び、
2つのケーシング構成体を突き合わせた状態の要部を示
す断面図である。 3、4……ケーシング構成体、3a、4a……突き合わせ端
面、3b……外周縁辺、5、6……接合部、7……板ばね
(締結手段)、8……突部、9……凹部、11……底部、
14……先端部、15……シール部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面U字形状の2つのケーシング構成体
    (3,4)を相互に突き合わせることにより自動車用空気
    調和装置におけるクーラユニット(1)等のユニットを
    なす自動車用空気調和装置のケーシング構造において、 2つのケーシング構成体(3,4)のうち一方のケーシン
    グ構成体(3)の突き合わせ端面(3a)を、その外周縁
    辺(3b)が他方のケーシング構成体(4)方向に向かう
    ように傾斜させて形成すると共に、該突き合わせ端面
    (3a)に凹部(9)を形成し、前記他方のケーシング構
    成体(4)に前記凹部(9)と嵌合し合う突部(8)を
    形成し、これら2つのケーシング構成体(3,4)を相互
    に突き合わせ締結手段(7)により締め付けた状態の下
    で、前記凹部(9)の底部(11)に密着して該底部(1
    1)と共にシール部(15)を形成する先端部(14)を前
    記突部(8)に形成してなる自動車用空気調和装置のケ
    ーシング構造。
JP931889U 1989-01-31 1989-01-31 自動車用空気調和装置のケーシング構造 Expired - Lifetime JPH0728009Y2 (ja)

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