JPH0728003Y2

JPH0728003Y2 - タイヤ

Info

Publication number: JPH0728003Y2
Application number: JP1989063679U
Authority: JP
Inventors: 景行有村
Original assignee: オーツタイヤ株式会社
Priority date: 1989-05-30
Filing date: 1989-05-30
Publication date: 1995-06-28
Anticipated expiration: 2004-05-30
Also published as: JPH032803U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、雪上を走行する車輌たとえば、除雪車、レジ
ャー車、融雪剤散布車等に使用されるタイヤに関する。

（従来の技術）従来、雪上車輌に使用されるタイヤとしては、第７図に
例示するような、チューブレスタイヤ１が使用され、割
型リム２のリムフランジ３の内側に形成されたリムビー
ド座４に装着される。このタイヤ１内には、リム２に取
付けられた空気等の注入バルブ装置５により、空気等が
注入されるようになっている。そして、このタイヤ１
は、一対のビード部６、該ビード部６から立上ったサイ
ドウォール部７及びこれをショルダー部８を介して互い
につないだトレッド部９を備えており、ゴムその他の弾
性材料によりトロコイダル形に形成されている。さら
に、ビード部６には、溝10が形成されビードリング11が
嵌入され、ショルダー部８及びトレッド部９には、第８
図に例示するブロックパターンの滑り止めブロック12が
一体に突設されると共にサイドウォール部７には円環リ
ブ13が形成されている。

前記ブロックパターンは、所定の性能（スリップが少な
く、雪づまりがなく、かつ牽引力が強いこと）を得るた
めに、横一文字パターンとされ、タイヤ１の回転時にラ
ジアル方向（図中矢印（イ）で示す）のブロック列の周
方向（図中矢印（ロ）で示す）間（列間）14が、撓み易
くかつブロック列間14に付着した雪等の落ち易いように
なっている。

（考案が解決しようとする課題）ところで、上記従来例のブロックパターンの場合、ラジ
アル方向の隣接ブロック12対向面は平行になっているの
で、この隣接ブロック間15に雪が付着し、しかも該ブロ
ック間15はブロック間14より剛性が高いことから撓みに
くいため、一旦雪がブロック間15に付着しこれが踏み固
められてくると、雪ダルマ式に積層付着して遂にはタイ
ヤ全体に広がり、タイヤ１が牽引力を失い、スリップし
てその場から動けなくなるという問題がある。

本考案は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、
その目的とすところは、ラジアル方向の滑り止めブロッ
ク間に、雪の付着並びにその踏み固めを生起せしめるこ
となく、常に良好な雪上性能を得ることのできるタイヤ
を提供するにある。

（課題を解決するための手段）本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的手
段を講じた。

すなわち、本考案は、タイヤ外表面に突設される滑り止
めブロック21のラジアル方向ブロック列が周方向にラッ
プしないように配列され、前記ブロック21のラジアル方
向の隣接対向面（ａ）（ｂ）が互いに周方向に非平行で
かつ該対向面（ａ）（ｂ）間に周方向の拡開部25Aを有
しているブロックパターンを備えるタイヤ１において、前記ブロック21のうち、タイヤ赤道線Ｃ上の中央ブロッ
ク21Aを除く他の側部ブロック21Bは、その接地面外郭形
状がラジアル方向成分と周方向成分とで略Ｔ字形に形成
され、該周方向成分のラジアル方向両側が湾曲部（ｂ）
に形成されており、前記略Ｔ字形の側部ブロック21Bの
ラジアル方向成分と周方向成分とをラジアル方向の交互
で列設して前記拡開部25Aを周方向前後で連通して形成
していることを特徴とするものである。

（作用）本考案によれば、雪上走行に際して、ラジアル方向の滑
り止めブロック21間に入った雪等は、隣接するブロック
21対向面a,bが周方向において互いに非平行になってい
て該対向面a,b間に、周方向の拡開部25Aを有するので、
前記ブロック21のラジアル方向列間25は撓み易くなり、
この撓みによって、雪の付着をおさえるとともに、タイ
ヤ１の回転で拡開部25Aより排出し、ここに、該列間25
に入った雪等と共に落ち、各ブロック列間25に付着して
詰まることがない。

特に、ブロック21のうち、タイヤ赤道線Ｃ上の中央ブロ
ック21Aを除く他の側部ブロック21Bは、その接地面外郭
形状がラジアル方向成分と周方向成分とで略Ｔ字形に形
成されていることによって、ラジアル方向成分によって
トラクションを発揮し、周方向成分によって横すべりを
防止する。

そして、周方向成分のラジアル方向両側が弯曲部（ｂ）
に形成されていてラジアル方向成分と周方向成分とをラ
ジアル方向の交互で列設して拡開部25Aを周方向前後で
連通していることによって、拡開部25Aによって確実に
雪等をつかみかつ排出することができて走行性が安定す
る。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図〜第５図は、本考案の第１実施例を示し、タイヤ
１の基本構成は第８図と同様であり、ブロックパターン
が異なっているので、基本構成については第７図と同じ
符号を付し、説明を省略する。

本考案にかかるタイヤ１のブロックパターンは、第２図
に示されているように、滑り止めブロック21が、タイヤ
１のセンターC-C付近のタイトトレッドクラウン部にお
ける外表面にて周方向に列設された大きなブロック21A
とトレッドクラウン部の左右両側における外表面に突出
されているブロック21Bからなりその平面形状が異なっ
ている。

すなわち、タイヤのセンター線C-C近くのブロック21A
は、第４図に示す示すように略Ｘ字形の中央がラジアル
方向に切除されたような形状で、ブロック21A中心から
四方にエッジ部e₁が形成され、ラジアル方向に切込み溝
22は周方向の切込み溝23よりも深くせられている（第３
図参照）。

そして、このブロック21Aは、のエッジ部e₁が、他の列
のブロック21Bよりも周方向前後に突出され、かつタイ
ヤのセンター線C-Cの左右でジグザグ状に等間隔で周方
向に配列されている。

タイヤ赤道線Ｃ上に左右振分け状に配列された中央ブロ
ック21Aを除く他の側部ブロック21Bは、第５図に示す如
くその接地面外郭形状がラジアル方向成分と周方向成分
とで略Ｔ字形に形成され、該周方向成分のラジアル方向
両側が弯曲部（ｂ）に形成され、前記側部ブロック21B
のラジアル方向成分と周方向成分とをラジアル方向の交
互で列設して周方向前後で連通している拡開部25Aに形
成され、該拡開部25Aによって対向面a,bが互いに非平行
とされている。

前記側部ブロック21Bには二方にエッジ部e₂が形成され
ているとともに、周方向の切込溝23が形成されている。

なお、ブロック21Bは、タイヤ１のサイドウォーム部７
にまで延設されており、雪中に嵌り込んだ際の牽引力の
増大が図られている。

上記第１実施例において、雪上を走行する場合、タイヤ
１の各ブロック21のラジアル方向列間24は、適度に撓む
ようになっているので、該ブロック列間24に入った雪等
は、タイヤ１の前記ブロック列間24のトレッド面の動き
（撓み）によって隣接ブロック対向面a,bから剥離され
て速やかに落ち、したがって各ブロック21間に雪等が付
着せず、かつ雪が踏み固められることがなく、良好な雪
上性能を発揮せしめる。

また、ラジアル方向ブロック列間25に入った雪は、隣接
ブロック対向面a,bが非平行で、周方向の拡開部25Aを有
するので、ブロック列間25はある程度の撓みが起り、雪
の付着成長を防止し、しかも、タイヤ１の回転により拡
開部25Aより排出し、ここに、ブロック列間25での雪の
踏み固めを少なくする。

また、センターＣ部のブロック21Aが他のブロック21Bよ
りも周方向前後に突出しているので、エッジ部e₁による
横滑りを防止すると共に、直進性が得られる。

さらに、各ブロック21A,21Bには、その形状並びに切込
み溝23によりエッジ部e₁，e₂の数が、従来のものに比し
て多く形成されているので、スリップ防止機構の向上特
にアイスバーンに対する牽引力の増大を図ることができ
る。

第６図は、本考案の第２実施例を示し、タイヤ１の基本
構成時にビード部６の構成が異なるだけで、ブロックパ
ターンは第１実施例と同一である。

すなわち、第２実施例においては、ビード部６にビード
コア26が周方向に埋設されており、このビードコア26間
にカーカスプライ（図示せず）が巻掛けられているとと
もに該ビード部６はゴム等の弾性材料からなる円環状シ
ール体27を介して、リムビード座４に嵌着されている。

この第２実施例においても、第１実施例と同様の雪上性
能を発揮しうること勿論である。

なお、本考案は、上記各実施例に限定されるものではな
く、たとえば、シール体27は省略することができる。

また、耕耘機、運搬車等の農用タイヤにも利用できる。

（考案の効果）以上詳述した通り本考案によれば、ブロック21のうち、
タイヤ赤道線Ｃ上の中央ブロック21Aを除く他の側部ブ
ロック21Bは、その接地面外郭形状がラジアル方向成分
と周方向成分とで略Ｔ字形に形成されていることによっ
て、ラジアル方向成分によってトラクションを発揮し、
周方向成分によって横すべりを防止する。

また、ラジアル方向のブロック列間に雪等が踏み固めら
ようとしても、周方向の拡開部を有するので、該拡開部
を通じての雪等の周方向への排出が確保され、これによ
り、タイヤ外表面に雪等が付着成長するのを確実に防止
する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の第１実施例を示すもので、第
１図は組立体の断面図、第２図はブロックパターン展開
部分図、第３図は第２図のA-A線断面図、第４図及び第
５図は滑り止めブロック拡大平面図、第６図は第２実施
例の組立体の断面図、第７図及び第８図は従来例の組立
体断面図及びブロックパターン展開図である。１……タイヤ、21……滑り止めブロック、21A……セン
ター部ブロック、21B……センター部以外のブロック、2
5A……拡開部、a,b……ブロック隣接対向面、Ｃ……セ
ンター。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】タイヤ外表面に突設される滑り止めブロッ
ク（21）のラジアル方向ブロック列が周方向にラップし
ないように配列され、前記ブロック（21）のラジアル方
向の隣接対向面（ａ）（ｂ）が互いに周方向に非平行で
かつ該対向面（ａ）（ｂ）間に周方向の拡開部（25A）
を有しているブロックパターンを備えるタイヤ（１）に
おいて、前記ブロック（21）のうち、タイヤ赤道線（Ｃ）上の中
央ブロック（21A）を除く他の側部ブロック（21B）は、
その接地面外郭形状がラジアル方向成分と周方向成分と
で略Ｔ字形に形成され、該周方向成分のラジアル方向両
側が湾曲部（ｂ）に形成されており、前記略Ｔ字形の側
部ブロック（21B）のラジアル方向成分と周方向成分と
をラジアル方向の交互で列設して前記拡開部（25A）を
周方向前後で連通して形成していることを特徴とするタ
イヤ。