JPH07280037A - 遠心振り子式吸振器 - Google Patents
遠心振り子式吸振器Info
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- JPH07280037A JPH07280037A JP7032394A JP7032394A JPH07280037A JP H07280037 A JPH07280037 A JP H07280037A JP 7032394 A JP7032394 A JP 7032394A JP 7032394 A JP7032394 A JP 7032394A JP H07280037 A JPH07280037 A JP H07280037A
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- Japan
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- pendulum
- rolling
- vibration absorber
- centrifugal
- chamber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 動力伝達系の回転速度が遅くなった場合にお
ける振り子の不規則な変位を抑える。異音や微振動の発
生を防止する。 【構成】 転動体12をガイド部材13に摺動自在に保
持させる。ガイド部材13を転動室11内に回動可能に
設置する。ガイド部材13によって転動体12の軌道を
円弧状に規制する。動力伝達系の回転速度が遅くなって
も、転動体12の軌道がガイド部材13によって規制さ
れるため、転動体12は不規則な方向に変位しない。
ける振り子の不規則な変位を抑える。異音や微振動の発
生を防止する。 【構成】 転動体12をガイド部材13に摺動自在に保
持させる。ガイド部材13を転動室11内に回動可能に
設置する。ガイド部材13によって転動体12の軌道を
円弧状に規制する。動力伝達系の回転速度が遅くなって
も、転動体12の軌道がガイド部材13によって規制さ
れるため、転動体12は不規則な方向に変位しない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジンのク
ランクシャフトに結合されるフライホイール部分等に組
み込まれて動力伝達系の捩り振動を低減する遠心振り子
式吸振器に関する。
ランクシャフトに結合されるフライホイール部分等に組
み込まれて動力伝達系の捩り振動を低減する遠心振り子
式吸振器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の吸振器として、従来、図20に
示すようなものが開発されている。
示すようなものが開発されている。
【0003】この吸振器は、フライホイール部分に組み
込まるもので、フライホイール本体1に正面形状が円形
状、乃至、まゆ形状である転動室2が複数個形成され、
その各転動室2に、遠心振り子である球状或はコロ状の
転動体3が収容されている。そして、この吸振器は、フ
ライホイール本体1の回転時に、転動体3が動力伝達系
の所定次数の捩り振動に共振して転動室2内を転動し、
その転動に伴う動的吸振作用によって捩り振動を吸収す
る。
込まるもので、フライホイール本体1に正面形状が円形
状、乃至、まゆ形状である転動室2が複数個形成され、
その各転動室2に、遠心振り子である球状或はコロ状の
転動体3が収容されている。そして、この吸振器は、フ
ライホイール本体1の回転時に、転動体3が動力伝達系
の所定次数の捩り振動に共振して転動室2内を転動し、
その転動に伴う動的吸振作用によって捩り振動を吸収す
る。
【0004】尚、この技術は、例えば実開平2−199
51号公報等に示されている。
51号公報等に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の遠
心振り子式吸振器の場合、動力伝達系の回転速度が速い
間は転動体1が転動面4に沿って円滑に転動するが、エ
ンジンの始動時や停止時のように動力伝達系の回転速度
が遅く転動体1に作用する遠心力が小さくなると、転動
体1が図中破線で示すように転動室2内で不規則に変位
し、その際に転動体1が転動室2の内壁に衝突して異音
を発生したり、微振動の発生を招くことが考えられる。
心振り子式吸振器の場合、動力伝達系の回転速度が速い
間は転動体1が転動面4に沿って円滑に転動するが、エ
ンジンの始動時や停止時のように動力伝達系の回転速度
が遅く転動体1に作用する遠心力が小さくなると、転動
体1が図中破線で示すように転動室2内で不規則に変位
し、その際に転動体1が転動室2の内壁に衝突して異音
を発生したり、微振動の発生を招くことが考えられる。
【0006】そこで本発明は、動力伝達系の回転速度が
遅くなった場合における振り子の不規則な変位を速やか
に抑え、異音や微振動の発生を確実に防止することので
きる遠心振り子式吸振器を提供しようとするものであ
る。
遅くなった場合における振り子の不規則な変位を速やか
に抑え、異音や微振動の発生を確実に防止することので
きる遠心振り子式吸振器を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、請求項1の発明は、吸振器に形成した転動室内に
振り子が収容され、この振り子の共振によって捩り振動
を吸収する遠心振り子式吸振器において、遠心振り子で
ある転動体を摺動自在に保持するガイド部材を転動室内
に回動可能に配置し、このガイド部材によって転動体の
軌道を規制するようにした。
ため、請求項1の発明は、吸振器に形成した転動室内に
振り子が収容され、この振り子の共振によって捩り振動
を吸収する遠心振り子式吸振器において、遠心振り子で
ある転動体を摺動自在に保持するガイド部材を転動室内
に回動可能に配置し、このガイド部材によって転動体の
軌道を規制するようにした。
【0008】請求項2の発明は、吸振器に形成した転動
室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって捩
り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、遠心振
り子である転動体の側面中央にストッパ突起を設ける一
方で、転動室の側壁に転動面と略同心の円弧状のガイド
溝を設け、このガイド溝にストッパ突起を遊挿して、こ
のガイド溝とストッパ突起とによって転動体の軌道を規
制するようにした。
室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって捩
り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、遠心振
り子である転動体の側面中央にストッパ突起を設ける一
方で、転動室の側壁に転動面と略同心の円弧状のガイド
溝を設け、このガイド溝にストッパ突起を遊挿して、こ
のガイド溝とストッパ突起とによって転動体の軌道を規
制するようにした。
【0009】請求項3の発明は、吸振器に形成した振り
子室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって
捩り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、複数
個の振り子を環状に配置し、周方向で隣接する振り子間
に両振り子と摺接可能なガイド部材を配置するようにし
た。
子室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって
捩り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、複数
個の振り子を環状に配置し、周方向で隣接する振り子間
に両振り子と摺接可能なガイド部材を配置するようにし
た。
【0010】請求項4の発明は、吸振器に形成した転動
室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって捩
り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、遠心振
り子である転動体の転動する転動面を、径方向変位が可
能な可動ブロックに形成すると共に、この可動ブロック
を弾性体によって径方向内側に付勢して、可動ブロック
に作用する遠心力が設定値以下のときに可動ブロックで
転動体の変位を押さえるようにした。
室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって捩
り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、遠心振
り子である転動体の転動する転動面を、径方向変位が可
能な可動ブロックに形成すると共に、この可動ブロック
を弾性体によって径方向内側に付勢して、可動ブロック
に作用する遠心力が設定値以下のときに可動ブロックで
転動体の変位を押さえるようにした。
【0011】請求項5の発明は、吸振器に形成した振り
子室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって
捩り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、永久
磁石を振り子室に配設して、振り子に作用する遠心力が
設定値以下のときに永久磁石の磁力で振り子を停止させ
るようにした。
子室内に振り子が収容され、この振り子の共振によって
捩り振動を吸収する遠心振り子式吸振器において、永久
磁石を振り子室に配設して、振り子に作用する遠心力が
設定値以下のときに永久磁石の磁力で振り子を停止させ
るようにした。
【0012】
【作用】請求項1の発明の場合、転動体は、円弧状の軌
跡を描いて回動するガイド部材によって常時その軌道を
規制されるため、動力伝達系の回転速度が遅くなって転
動体に作用する遠心力が小さくなっても転動体が転動室
内を不規則に変位することはない。
跡を描いて回動するガイド部材によって常時その軌道を
規制されるため、動力伝達系の回転速度が遅くなって転
動体に作用する遠心力が小さくなっても転動体が転動室
内を不規則に変位することはない。
【0013】請求項2の発明の場合、転動体が転動面か
ら離反して不規則に変位しようとすると、転動体のスト
ッパ突起がガイド溝に当接するため、動力伝達系の回転
速度が遅くなって転動体に作用する遠心力が小さくなっ
ても転動体が転動室内を不規則に変位することはない。
ら離反して不規則に変位しようとすると、転動体のスト
ッパ突起がガイド溝に当接するため、動力伝達系の回転
速度が遅くなって転動体に作用する遠心力が小さくなっ
ても転動体が転動室内を不規則に変位することはない。
【0014】請求項3の発明の場合、動力伝達系の回転
速度が速く、振り子が共振による通常の振り子運動を続
けている間は、全振り子が同方向に変位するため、振り
子が摺接状態でガイド部材を押し動かしても隣接する振
り子の運動を阻害することはない。また、動力伝達系の
回転速度が遅くなって振り子に作用する遠心力が小さく
なり、それによって各振り子がまちまちな方向に変位し
ようとすると、振り子相互がガイド部材を通して夫々の
変位を相殺しあうため、各振り子が転動室内を不規則に
変位することはない。
速度が速く、振り子が共振による通常の振り子運動を続
けている間は、全振り子が同方向に変位するため、振り
子が摺接状態でガイド部材を押し動かしても隣接する振
り子の運動を阻害することはない。また、動力伝達系の
回転速度が遅くなって振り子に作用する遠心力が小さく
なり、それによって各振り子がまちまちな方向に変位し
ようとすると、振り子相互がガイド部材を通して夫々の
変位を相殺しあうため、各振り子が転動室内を不規則に
変位することはない。
【0015】請求項4の発明の場合、動力伝達系の回転
速度が速く、可動ブロックに作用する遠心力が設定値よ
りも大きい間は、その遠心力が弾性体の付勢力に打ち勝
つため、転動体は可動ブロックの転動面を自由に転動す
る。また、動力伝達系の回転速度が遅くなり、可動ブロ
ックに作用する遠心力が設定値以下になると、可動ブロ
ックが弾性体の付勢力によって転動体の変位を押さえる
ようになるため、このとき転動体が転動室内を不規則に
変位することはない。
速度が速く、可動ブロックに作用する遠心力が設定値よ
りも大きい間は、その遠心力が弾性体の付勢力に打ち勝
つため、転動体は可動ブロックの転動面を自由に転動す
る。また、動力伝達系の回転速度が遅くなり、可動ブロ
ックに作用する遠心力が設定値以下になると、可動ブロ
ックが弾性体の付勢力によって転動体の変位を押さえる
ようになるため、このとき転動体が転動室内を不規則に
変位することはない。
【0016】請求項5の発明の場合、動力伝達系の回転
速度が速く、振り子に作用する遠心力が設定値よりも大
きい間は、その遠心力が永久磁石の磁力に打ち勝つた
め、転動体は転動面を自由に転動する。また、動力伝達
系の回転速度が遅くなり、振り子に作用する遠心力が設
定値以下になると、振り子が永久磁石の磁力によって停
止させられるため、このとき振り子が転動室内を不規則
に変位することはない。
速度が速く、振り子に作用する遠心力が設定値よりも大
きい間は、その遠心力が永久磁石の磁力に打ち勝つた
め、転動体は転動面を自由に転動する。また、動力伝達
系の回転速度が遅くなり、振り子に作用する遠心力が設
定値以下になると、振り子が永久磁石の磁力によって停
止させられるため、このとき振り子が転動室内を不規則
に変位することはない。
【0017】
【実施例】次に、請求項1〜5の各発明の実施例を図面
に基づいて説明する。尚、以下で説明する複数個の実施
例において同一部分には同一符号を用いるものとする。
に基づいて説明する。尚、以下で説明する複数個の実施
例において同一部分には同一符号を用いるものとする。
【0018】まず、請求項1の発明の一実施例を図1に
よって説明する。
よって説明する。
【0019】図面において、10は、自動車用エンジン
に取り付けられたフライホイールのフライホイール本体
であり、この発明にかかる遠心振り子式吸振器はこのフ
ライホイール本体10に組み込まれている。11は、フ
ライホイール本体に円形状に形成された転動室であり、
この転動室11内には、遠心振り子としての球状、或
は、コロ状の転動体12が収容されると共に、この転動
体12の軌道を規制するガイド部材13が配設されてい
る。このガイド部材13は略V字状に形成され、そのV
字内に転動体12を保持した状態でV字の頂部が転動室
11の中心にピン枢支(図中ピンは符号14で示す。)
されている。そして、転動体12とガイド部材13とは
摺動自在となっており、転動体12はガイド部材13の
内側壁と摺動しつつ転動室11内を転動するようになっ
ている。したがって、転動体12はガイド部材13によ
って円弧状(円形状)に軌道を規制された状態となって
いる。尚、ガイド部材13は低摩擦係数の樹脂等によっ
て形成することが望ましい。
に取り付けられたフライホイールのフライホイール本体
であり、この発明にかかる遠心振り子式吸振器はこのフ
ライホイール本体10に組み込まれている。11は、フ
ライホイール本体に円形状に形成された転動室であり、
この転動室11内には、遠心振り子としての球状、或
は、コロ状の転動体12が収容されると共に、この転動
体12の軌道を規制するガイド部材13が配設されてい
る。このガイド部材13は略V字状に形成され、そのV
字内に転動体12を保持した状態でV字の頂部が転動室
11の中心にピン枢支(図中ピンは符号14で示す。)
されている。そして、転動体12とガイド部材13とは
摺動自在となっており、転動体12はガイド部材13の
内側壁と摺動しつつ転動室11内を転動するようになっ
ている。したがって、転動体12はガイド部材13によ
って円弧状(円形状)に軌道を規制された状態となって
いる。尚、ガイド部材13は低摩擦係数の樹脂等によっ
て形成することが望ましい。
【0020】この遠心振り子式吸振器は以上のような構
成であるため、動力伝達系の回転速度が速い間は、転動
体12が動力伝達系の所定次数の捩り振動に共振して転
動室11内を転動し、その次数の捩り振動を吸収する。
このとき、ガイド部材13は転動体12の転動に倣って
回動するが、転動体12に作用する遠心力はこのガイド
部材13に直接かからずに転動室11の転動面15によ
って受け止められるため、ガイド部材13やそれを支持
するピン14部分に大きな負荷がかかることはない。
成であるため、動力伝達系の回転速度が速い間は、転動
体12が動力伝達系の所定次数の捩り振動に共振して転
動室11内を転動し、その次数の捩り振動を吸収する。
このとき、ガイド部材13は転動体12の転動に倣って
回動するが、転動体12に作用する遠心力はこのガイド
部材13に直接かからずに転動室11の転動面15によ
って受け止められるため、ガイド部材13やそれを支持
するピン14部分に大きな負荷がかかることはない。
【0021】また、エンジン停止時等で動力伝達系の回
転速度が遅くなった場合には、転動体12に作用する遠
心力が小さくなるため、各転動体12がまちまちな方向
に変位しようとするが、各転動体12の軌道がガイド部
材13によって円弧状に規制されているため、転動体1
2が不規則な方向に変位して微振動の発生を招来した
り、転動体12が転動室11の内壁に激しく衝突するよ
うな事態は生じない。
転速度が遅くなった場合には、転動体12に作用する遠
心力が小さくなるため、各転動体12がまちまちな方向
に変位しようとするが、各転動体12の軌道がガイド部
材13によって円弧状に規制されているため、転動体1
2が不規則な方向に変位して微振動の発生を招来した
り、転動体12が転動室11の内壁に激しく衝突するよ
うな事態は生じない。
【0022】この発明の実施例は図1に示すものに限る
ものではなく、例えば、図2に示すもののようにガイド
部材13aの形状を一文字状にしたり、図3に示すもの
のようにガイド部材13の先端部にローラ16を配設し
て、ガイド部材13と転動面15をこのローラ16を介
して接触させるようにしたり、図4に示すもののように
V字状のガイド部材13のV字間に複数個の小さい転動
体12aを収容するようにしても良い。この場合、同じ
容積の転動室内に一つの転動体を収容するより、転動体
の質量を大きくすることができる。また、図5に示すも
ののようにガイド部材13bを略Y字状に形成してピン
を廃止したり、図6に示すもののようにピン枢支された
ガイト部材13の回動範囲をゴム等の弾性体17によっ
て規制したり、さらに、このような構成の吸振器から図
7に示すもののようにピンを廃止することも可能であ
る。
ものではなく、例えば、図2に示すもののようにガイド
部材13aの形状を一文字状にしたり、図3に示すもの
のようにガイド部材13の先端部にローラ16を配設し
て、ガイド部材13と転動面15をこのローラ16を介
して接触させるようにしたり、図4に示すもののように
V字状のガイド部材13のV字間に複数個の小さい転動
体12aを収容するようにしても良い。この場合、同じ
容積の転動室内に一つの転動体を収容するより、転動体
の質量を大きくすることができる。また、図5に示すも
ののようにガイド部材13bを略Y字状に形成してピン
を廃止したり、図6に示すもののようにピン枢支された
ガイト部材13の回動範囲をゴム等の弾性体17によっ
て規制したり、さらに、このような構成の吸振器から図
7に示すもののようにピンを廃止することも可能であ
る。
【0023】つづいて、請求項2の発明の一実施例を図
8〜図10によって説明する。
8〜図10によって説明する。
【0024】図面において、20は、フライホイールと
共にエンジンのクランクシャフト(図示せず。)に取り
付けられる略円板状の吸振ブロックであり、この吸振ブ
ロック20の外周縁部には、まゆ形状の転動室21が円
周方向に沿って複数個形成され、この各転動室21に遠
心振り子としてのコロ(転動体)22が収容されてい
る。
共にエンジンのクランクシャフト(図示せず。)に取り
付けられる略円板状の吸振ブロックであり、この吸振ブ
ロック20の外周縁部には、まゆ形状の転動室21が円
周方向に沿って複数個形成され、この各転動室21に遠
心振り子としてのコロ(転動体)22が収容されてい
る。
【0025】コロ22は、その外周に環状突起23が形
成されると共に、両側面の中央に円柱状のストッパ突起
24が形成されている。これに対し各転動室21は、そ
の内周面略中央に、コロ22の環状突起23が所定隙間
をもって嵌合される環状溝25が形成されると共に、両
側壁に、転動面26と略同心の円弧状のガイド溝27が
形成されている。このガイド溝27にはコロ22のスト
ッパ突起24が遊挿され、コロ22の軌道を転動面26
に沿う円弧状に規制するようになっている。そして、ガ
イド溝27の溝幅と溝長さは、コロ22の通常の転動時
にはストッパ突起24とガイド溝27が非接触状態とな
り、コロ22が転動面26から離反しようとしたとき、
または、設定角度θ以上転動したときにだけストッパ突
起24とガイド溝27とが当接するように設定されてい
る。また、前記環状溝25は環状突起23と嵌合されて
コロ22の軸方向変位を規制するもので、コロ22の転
動はこの環状溝25を除く転動面26の一般部28で行
われるようになっている。
成されると共に、両側面の中央に円柱状のストッパ突起
24が形成されている。これに対し各転動室21は、そ
の内周面略中央に、コロ22の環状突起23が所定隙間
をもって嵌合される環状溝25が形成されると共に、両
側壁に、転動面26と略同心の円弧状のガイド溝27が
形成されている。このガイド溝27にはコロ22のスト
ッパ突起24が遊挿され、コロ22の軌道を転動面26
に沿う円弧状に規制するようになっている。そして、ガ
イド溝27の溝幅と溝長さは、コロ22の通常の転動時
にはストッパ突起24とガイド溝27が非接触状態とな
り、コロ22が転動面26から離反しようとしたとき、
または、設定角度θ以上転動したときにだけストッパ突
起24とガイド溝27とが当接するように設定されてい
る。また、前記環状溝25は環状突起23と嵌合されて
コロ22の軸方向変位を規制するもので、コロ22の転
動はこの環状溝25を除く転動面26の一般部28で行
われるようになっている。
【0026】この遠心振り子式吸振器は以上のような構
成であるため、動力伝達系の回転速度が速い間は、コロ
22が転動面26の一般部28を振り子状に転動して、
所定次数の捩り振動を吸収する。このときストッパ突起
24とガイド溝27は非接触状態であるため、コロ22
に作用する遠心力は転動面26のみに受け止められ、ス
トッパ突起24に大きな負荷がかかることはない。
成であるため、動力伝達系の回転速度が速い間は、コロ
22が転動面26の一般部28を振り子状に転動して、
所定次数の捩り振動を吸収する。このときストッパ突起
24とガイド溝27は非接触状態であるため、コロ22
に作用する遠心力は転動面26のみに受け止められ、ス
トッパ突起24に大きな負荷がかかることはない。
【0027】そして、動力伝達系の回転速度が遅くなっ
て、コロ22に作用する遠心力が小さくなり、コロ22
が不規則な方向に変位しようとすると、ストッパ突起2
4がガイド溝27に当接し、それによってコロ22の変
位が規制される。このとき、ストッパ突起24とガイド
溝27の当接に伴って若干の衝撃は生じるが、ストッパ
突起24とガイド溝27の間の隙間が僅かであるため、
大きな衝撃音を生じることはない。したがって、この吸
振器によれば、コロ22の不規則な変位によって、コロ
22と転動室21とが衝突して異音や微振動を発生する
のを確実に防止することができる。尚、本実施例では、
吸振ブロック20に転動室21を形成したが、フライホ
イール本体に転動室を形成しても良い。
て、コロ22に作用する遠心力が小さくなり、コロ22
が不規則な方向に変位しようとすると、ストッパ突起2
4がガイド溝27に当接し、それによってコロ22の変
位が規制される。このとき、ストッパ突起24とガイド
溝27の当接に伴って若干の衝撃は生じるが、ストッパ
突起24とガイド溝27の間の隙間が僅かであるため、
大きな衝撃音を生じることはない。したがって、この吸
振器によれば、コロ22の不規則な変位によって、コロ
22と転動室21とが衝突して異音や微振動を発生する
のを確実に防止することができる。尚、本実施例では、
吸振ブロック20に転動室21を形成したが、フライホ
イール本体に転動室を形成しても良い。
【0028】次に、請求項3の発明の一実施例を図11
〜図13によって説明する。
〜図13によって説明する。
【0029】図面において、30は、フライホイール3
1と重合した状態でエンジンのクランクシャフト(図示
せず。)に取り付けられる吸振ブロックである。この吸
振ブロック30の外周縁部には略円形状の振り子室32
が複数個環状に配設され、この各振り子室32にコロ状
の振り子33が収容されている。各振り子33は重心か
ら外れた位置で振り子室32の側壁にピン34枢支さ
れ、所定次数の捩り振動に対して共振するようになって
いる。
1と重合した状態でエンジンのクランクシャフト(図示
せず。)に取り付けられる吸振ブロックである。この吸
振ブロック30の外周縁部には略円形状の振り子室32
が複数個環状に配設され、この各振り子室32にコロ状
の振り子33が収容されている。各振り子33は重心か
ら外れた位置で振り子室32の側壁にピン34枢支さ
れ、所定次数の捩り振動に対して共振するようになって
いる。
【0030】また、吸振ブロック30には、周方向で隣
接する振り子室32,32相互を連通する連通孔35が
形成されており、この各連通孔35には、両端部が各室
32内の振り子33に摺接するガイド部材36が振り子
室32に進退自在に遊挿されている。各ガイド部材36
は、両端部に振り子33の外周曲面に沿う摺接面37を
備えると共に、この各摺接面37が振り子33との間で
より円滑に摺動できるように全体が低摩擦係数の樹脂等
によって形成されている。尚、連通孔35は、連通孔3
5の中心部から両端の振り子室32に向かって弧状に開
いて形成され、ガイド部材36が連通孔35の内側面と
可及的接触しないように工夫されている。
接する振り子室32,32相互を連通する連通孔35が
形成されており、この各連通孔35には、両端部が各室
32内の振り子33に摺接するガイド部材36が振り子
室32に進退自在に遊挿されている。各ガイド部材36
は、両端部に振り子33の外周曲面に沿う摺接面37を
備えると共に、この各摺接面37が振り子33との間で
より円滑に摺動できるように全体が低摩擦係数の樹脂等
によって形成されている。尚、連通孔35は、連通孔3
5の中心部から両端の振り子室32に向かって弧状に開
いて形成され、ガイド部材36が連通孔35の内側面と
可及的接触しないように工夫されている。
【0031】この遠心振り子式吸振器は以上のような構
成であるため、動力伝達系の回転速度が速い間は、振り
子33が所定次数の捩り振動に共振して動力伝達系のそ
の次数の捩り振動を吸収する。このとき、各振り子33
は、図13に示すように、ガイド部材36に摺接して、
その摺接したガイド部材36を押し動かすが、全ての振
り子33は同方向に揃って揺動変位するため、振り子3
3相互が互いの揺動変位を阻害することはない。
成であるため、動力伝達系の回転速度が速い間は、振り
子33が所定次数の捩り振動に共振して動力伝達系のそ
の次数の捩り振動を吸収する。このとき、各振り子33
は、図13に示すように、ガイド部材36に摺接して、
その摺接したガイド部材36を押し動かすが、全ての振
り子33は同方向に揃って揺動変位するため、振り子3
3相互が互いの揺動変位を阻害することはない。
【0032】また、動力伝達系の回転速度が遅くなって
振り子33に作用する遠心力が小さくなると、各振り子
33がまちまちな方向に変位しようとするが、このとき
振り子33相互がガイド部材36を通して互いの変位を
規制しあうため、各振り子33の変位は速やかに抑えら
れる。したがって、この吸振器の場合にも、振り子33
の不規則な変位によって、振り子33と振り子室32と
の衝突等によって異音や微振動を発生するのを確実に防
止することができる。
振り子33に作用する遠心力が小さくなると、各振り子
33がまちまちな方向に変位しようとするが、このとき
振り子33相互がガイド部材36を通して互いの変位を
規制しあうため、各振り子33の変位は速やかに抑えら
れる。したがって、この吸振器の場合にも、振り子33
の不規則な変位によって、振り子33と振り子室32と
の衝突等によって異音や微振動を発生するのを確実に防
止することができる。
【0033】尚、この発明の実施例は図11〜図13に
示すものに限るものでなく、例えば、図14に示すもの
のように振り子33を枢支するピンを廃止して、振り子
33を転動面38上で転動させるようにしても良い。ま
た、本実施例では吸振ブロック30に振り子室32を形
成したが、フライホイール31に振り子室を形成しても
良い。
示すものに限るものでなく、例えば、図14に示すもの
のように振り子33を枢支するピンを廃止して、振り子
33を転動面38上で転動させるようにしても良い。ま
た、本実施例では吸振ブロック30に振り子室32を形
成したが、フライホイール31に振り子室を形成しても
良い。
【0034】つづいて、請求項4の発明の一実施例を図
15,図16によって説明する。
15,図16によって説明する。
【0035】図面において、40は、フライホイール本
体41の外周縁部に形成された振り子室であり、この振
り子室40には可動ブロック42がフライホイール41
の径方向変位可能に収容されている。可動ブロック42
の径方向内側には円弧状の転動面43が形成されてお
り、この転動面43と振り子室40の径方向内側の壁
(以下、底壁44と呼ぶ。)との間に遠心振り子として
の転動体45が収容されている。また、可動ブロック4
2と振り子室40の径方向外側の壁との間には、可動ブ
ロック42を径方向内側に付勢する弾性体としての板ば
ね46と、可動ブロック42の径方向外側の変位を規制
するゴム製のストッパ47とが収容されている。そし
て、板ばね46は、可動ブロック42に作用する遠心力
が設定値以下のときに可動ブロック42を介して転動体
45を底壁44に押し付け、遠心力が設定値よりも大き
くなると、可動ブロック42が径方向外側に変位して転
動体45に対する押し付けを解除するようにばね力を設
定してある。尚、弾性体としては板ばねに限らずコイル
スプリング等でも良く、或は、ストッパ47と同一材質
または異なる材質のゴム材料や剛性樹脂材料で形成する
ことが可能である。
体41の外周縁部に形成された振り子室であり、この振
り子室40には可動ブロック42がフライホイール41
の径方向変位可能に収容されている。可動ブロック42
の径方向内側には円弧状の転動面43が形成されてお
り、この転動面43と振り子室40の径方向内側の壁
(以下、底壁44と呼ぶ。)との間に遠心振り子として
の転動体45が収容されている。また、可動ブロック4
2と振り子室40の径方向外側の壁との間には、可動ブ
ロック42を径方向内側に付勢する弾性体としての板ば
ね46と、可動ブロック42の径方向外側の変位を規制
するゴム製のストッパ47とが収容されている。そし
て、板ばね46は、可動ブロック42に作用する遠心力
が設定値以下のときに可動ブロック42を介して転動体
45を底壁44に押し付け、遠心力が設定値よりも大き
くなると、可動ブロック42が径方向外側に変位して転
動体45に対する押し付けを解除するようにばね力を設
定してある。尚、弾性体としては板ばねに限らずコイル
スプリング等でも良く、或は、ストッパ47と同一材質
または異なる材質のゴム材料や剛性樹脂材料で形成する
ことが可能である。
【0036】この遠心振り子式吸振器は以上のような構
成であるため、動力伝達系の回転速度が速く、可動ブロ
ック42に作用する遠心力が設定値よりも大きい間は、
可動ブロック42に作用する遠心力が板ばね46のばね
力に打ち勝ち、可動ブロック42が図16に示すように
径方向外側に変位する。このため、転動体45は所定次
数の捩り振動に共振して転動面43上を転動し、動力伝
達系のその次数の捩り振動を吸収する。
成であるため、動力伝達系の回転速度が速く、可動ブロ
ック42に作用する遠心力が設定値よりも大きい間は、
可動ブロック42に作用する遠心力が板ばね46のばね
力に打ち勝ち、可動ブロック42が図16に示すように
径方向外側に変位する。このため、転動体45は所定次
数の捩り振動に共振して転動面43上を転動し、動力伝
達系のその次数の捩り振動を吸収する。
【0037】また、動力伝達系の回転速度が遅くなって
可動ブロック42に作用する遠心力が設定値以下になる
と、可動ブロック42が径方向内側に変位して転動体4
5を転動面43で底壁44に押し付け、それによって転
動体45の変位を速やかに規制するようになる。したが
って、転動体45が振り子室40内で不規則に変位する
ことがなくなり、転動体45が振り子室40の内壁に激
しく衝突することによる異音の発生はもとより、微振動
の発生も抑制される。
可動ブロック42に作用する遠心力が設定値以下になる
と、可動ブロック42が径方向内側に変位して転動体4
5を転動面43で底壁44に押し付け、それによって転
動体45の変位を速やかに規制するようになる。したが
って、転動体45が振り子室40内で不規則に変位する
ことがなくなり、転動体45が振り子室40の内壁に激
しく衝突することによる異音の発生はもとより、微振動
の発生も抑制される。
【0038】尚、図15,図16に示した実施例では、
振り子室40の底壁44を偏平状に形成しているが、図
17に示すもののように、底壁44に円弧状の凹部48
を形成して、この凹部48に転動体45が嵌合されるよ
うにすれば、動力伝達系の回転速度が遅い場合における
転動体45の変位をより確実に押さえることができる。
振り子室40の底壁44を偏平状に形成しているが、図
17に示すもののように、底壁44に円弧状の凹部48
を形成して、この凹部48に転動体45が嵌合されるよ
うにすれば、動力伝達系の回転速度が遅い場合における
転動体45の変位をより確実に押さえることができる。
【0039】最後に、請求項5の発明の一実施例を図1
8によって説明する。
8によって説明する。
【0040】図面において、50は、フライホイール本
体51の外周縁部に形成された略扇状の振り子室であ
り、この振り子室50には釣り鐘状の金属製振り子52
がピン枢支(ピンは図中符号53で示す。)された状態
で収容されている。そして、振り子52の回動方向と対
峙する振り子室50の両側壁には凹部54が形成されて
おり、この各凹部54に永久磁石55がゴムや樹脂等の
弾性体56を介して取り付けられている。この永久磁石
55は、振り子52に作用する遠心力が設定値以下の間
振り子52を磁着し、遠心力が設定値よりも大きくなる
と、振り子52が磁力に打ち勝って自由に振り子運動す
るように設定されている。
体51の外周縁部に形成された略扇状の振り子室であ
り、この振り子室50には釣り鐘状の金属製振り子52
がピン枢支(ピンは図中符号53で示す。)された状態
で収容されている。そして、振り子52の回動方向と対
峙する振り子室50の両側壁には凹部54が形成されて
おり、この各凹部54に永久磁石55がゴムや樹脂等の
弾性体56を介して取り付けられている。この永久磁石
55は、振り子52に作用する遠心力が設定値以下の間
振り子52を磁着し、遠心力が設定値よりも大きくなる
と、振り子52が磁力に打ち勝って自由に振り子運動す
るように設定されている。
【0041】この遠心振り子式吸振器は以上のような構
成であるため、動力伝達系の回転速度が速く、振り子5
2に作用する遠心力が設定値よりも大きい間は、所定次
数の捩り振動に共振して振り子運動を行い、動力伝達系
のその次数の捩り振動を吸収する。
成であるため、動力伝達系の回転速度が速く、振り子5
2に作用する遠心力が設定値よりも大きい間は、所定次
数の捩り振動に共振して振り子運動を行い、動力伝達系
のその次数の捩り振動を吸収する。
【0042】また、動力伝達系の回転速度が遅くなって
振り子52に作用する遠心力が設定値以下になると、振
り子52が永久磁石55によって磁着されてそれ以降振
り子室50内を不規則に変位することがなくなる。そし
て、振り子52が永久磁石55に磁着される際には、弾
性体56による緩衝作用が働くため、このときに大きな
衝撃音を発生する不具合は生じない。したがって、この
吸振器においても、振り子52の不規則な変位によって
生じる振り子室50との衝突等による異音の発生や微振
動の発生といった不具合は生じない。
振り子52に作用する遠心力が設定値以下になると、振
り子52が永久磁石55によって磁着されてそれ以降振
り子室50内を不規則に変位することがなくなる。そし
て、振り子52が永久磁石55に磁着される際には、弾
性体56による緩衝作用が働くため、このときに大きな
衝撃音を発生する不具合は生じない。したがって、この
吸振器においても、振り子52の不規則な変位によって
生じる振り子室50との衝突等による異音の発生や微振
動の発生といった不具合は生じない。
【0043】尚、この発明は図18に示したものに限る
ものでなく、例えば、図19に示すもののように、円形
状の転動室60内に、略V字状のガイド部材61を回動
可能に設置すると共に、永久磁石62を弾性体63を介
して固定設置し、ガイド部材61に転動体63を摺動自
在に保持させて、転動体63に作用する遠心力が設定値
以下のときに永久磁石62がガイド部材61を磁着する
ようにしても良い。
ものでなく、例えば、図19に示すもののように、円形
状の転動室60内に、略V字状のガイド部材61を回動
可能に設置すると共に、永久磁石62を弾性体63を介
して固定設置し、ガイド部材61に転動体63を摺動自
在に保持させて、転動体63に作用する遠心力が設定値
以下のときに永久磁石62がガイド部材61を磁着する
ようにしても良い。
【0044】さらに、前記各実施例において、転動体
(コロ、振り子)12,22,33,45,52の表面
に潤滑表面処理を施すことや、表面硬化処理を施すこ
と、表面のみを耐摩耗性の高い材料で形成することによ
り、前記転動体等の耐摩耗性を向上させることができ
る。また、前記各転動体等とこれら各転動体等の転動面
との間に潤滑部を形成して転動部分の耐摩耗性を向上さ
せることも任意である。
(コロ、振り子)12,22,33,45,52の表面
に潤滑表面処理を施すことや、表面硬化処理を施すこ
と、表面のみを耐摩耗性の高い材料で形成することによ
り、前記転動体等の耐摩耗性を向上させることができ
る。また、前記各転動体等とこれら各転動体等の転動面
との間に潤滑部を形成して転動部分の耐摩耗性を向上さ
せることも任意である。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、遠心振
り子である転動体を摺動自在に保持するガイド部材を転
動室内に回動可能に配置し、このガイト部材によって転
動体の軌道を円弧状に規制するようにしたので、動力伝
達系の回転速度の遅い間における転動体の不規則な変位
が無くなり、その結果、転動体が転動室の内壁に衝突す
ることによる異音の発生や微振動の発生を確実に防止す
ることができる。また、転動体に作用する遠心力は直接
ガイド部材にかかることがないため、ガイド部材の耐久
性を心配する必要がないという利点もある。
り子である転動体を摺動自在に保持するガイド部材を転
動室内に回動可能に配置し、このガイト部材によって転
動体の軌道を円弧状に規制するようにしたので、動力伝
達系の回転速度の遅い間における転動体の不規則な変位
が無くなり、その結果、転動体が転動室の内壁に衝突す
ることによる異音の発生や微振動の発生を確実に防止す
ることができる。また、転動体に作用する遠心力は直接
ガイド部材にかかることがないため、ガイド部材の耐久
性を心配する必要がないという利点もある。
【0046】請求項2の発明は、遠心振り子である転動
体の側面中央にストッパ突起を設ける一方で、転動体の
側壁に転動面と略同心のガイド溝を設け、このガイド溝
に転動体のストッパ突起を遊挿して、このガイド溝とス
トッパ突起とによって転動体の軌道を規制するようにし
たので、動力伝達系の回転速度の遅い間における転動体
の不規則な変位が無くなり、転動体が転動室の内壁に衝
突することによる異音や微振動の発生を確実に防止する
ことができる。また、転動体の通常の転動時には、転動
体に作用する遠心力は転動面によって受け止められてス
トッパ突起部分にかからないため、ストッパ突起部分の
耐久性を心配する必要がないという利点もある。
体の側面中央にストッパ突起を設ける一方で、転動体の
側壁に転動面と略同心のガイド溝を設け、このガイド溝
に転動体のストッパ突起を遊挿して、このガイド溝とス
トッパ突起とによって転動体の軌道を規制するようにし
たので、動力伝達系の回転速度の遅い間における転動体
の不規則な変位が無くなり、転動体が転動室の内壁に衝
突することによる異音や微振動の発生を確実に防止する
ことができる。また、転動体の通常の転動時には、転動
体に作用する遠心力は転動面によって受け止められてス
トッパ突起部分にかからないため、ストッパ突起部分の
耐久性を心配する必要がないという利点もある。
【0047】請求項3の発明は、複数個の振り子を環状
に配置すると共に、周方向で隣接する振り子間に両振り
子と摺接可能なガイド部材を配置し、動力伝達系の回転
速度が遅くなった場合における各振り子の不規則な変位
を、ガイド部材を通した振り子相互の相殺作用によって
規制するようにしたので、動力伝達系の回転速度が遅い
間における振り子が振り子室に衝突することによる異音
や微振動の発生を確実に防止することができる。
に配置すると共に、周方向で隣接する振り子間に両振り
子と摺接可能なガイド部材を配置し、動力伝達系の回転
速度が遅くなった場合における各振り子の不規則な変位
を、ガイド部材を通した振り子相互の相殺作用によって
規制するようにしたので、動力伝達系の回転速度が遅い
間における振り子が振り子室に衝突することによる異音
や微振動の発生を確実に防止することができる。
【0048】請求項4の発明は、遠心振り子である転動
体の転動する転動面を、吸振器の径方向変位が可能な可
動ブロックに形成すると共に、この可動ブロックを弾性
体によって径方向内側に付勢して、可動ブロックに作用
する遠心力が設定値以下のときに可動ブロックで転動体
の変位を押さえるようにしたので、転動体の不規則な変
位が無くなり、動力伝達系の回転速度が遅い間における
転動体が振り子室に衝突することによる異音や微振動の
発生を確実に防止することができる。
体の転動する転動面を、吸振器の径方向変位が可能な可
動ブロックに形成すると共に、この可動ブロックを弾性
体によって径方向内側に付勢して、可動ブロックに作用
する遠心力が設定値以下のときに可動ブロックで転動体
の変位を押さえるようにしたので、転動体の不規則な変
位が無くなり、動力伝達系の回転速度が遅い間における
転動体が振り子室に衝突することによる異音や微振動の
発生を確実に防止することができる。
【0049】請求項5の発明は、永久磁石を振り子室に
配設して振り子に作用する遠心力が設定値以下のときに
永久磁石の磁力によって振り子を停止させるようにした
ので、振り子の不規則な変位が無くなり、動力伝達系の
回転速度が遅い間における振り子が転動室に衝突するこ
とによる異音や微振動の発生を確実に防止することがで
きる。
配設して振り子に作用する遠心力が設定値以下のときに
永久磁石の磁力によって振り子を停止させるようにした
ので、振り子の不規則な変位が無くなり、動力伝達系の
回転速度が遅い間における振り子が転動室に衝突するこ
とによる異音や微振動の発生を確実に防止することがで
きる。
【図1】請求項1の発明の一実施例を示す部分破断正面
図。
図。
【図2】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図3】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図4】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図5】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図6】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図7】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図8】請求項2の発明の一実施例を示す部分破断正面
図。
図。
【図9】同実施例を示す斜視図。
【図10】同実施例を示す部分断面斜視図。
【図11】請求項3の発明の一実施例を示す部分破断正
面図。
面図。
【図12】同実施例を示す断面図。
【図13】同実施例を示す部分破断正面図。
【図14】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図15】請求項4の発明の一実施例を示す部分破断正
面図。
面図。
【図16】同実施例を示す部分破断正面図。
【図17】同発明の他の実施例を示す部分破断正面図。
【図18】請求項4の発明の一実施例を示す部分断面正
面図。
面図。
【図19】同発明の他の実施例を示す部分断面正面図。
【図20】従来の技術を示す部分破断正面図。
11…転動室、 12…転動体、 13…ガイド部材、 21…転動室、 22…コロ(転動体)、 24…ストッパ突起、 26…転動面、 27…ガイド溝、 33…振り子、 36…ガイド部材、 42…可動ブロック、 43…転動面、 45…転動体、 46…板ばね(弾性体)、 50…振り子室、 52…振り子、 55…永久磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 大典 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 山崎 一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤田 育志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 小坂 克信 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 松岡 正倫 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内
Claims (5)
- 【請求項1】 吸振器に形成した転動室内に振り子が収
容され、この振り子の共振によって捩り振動を吸収する
遠心振り子式吸振器において、遠心振り子である転動体
を摺動自在に保持するガイド部材を転動室内に回動可能
に配置し、このガイド部材によって転動体の軌道を規制
することを特徴とする遠心振り子式吸振器。 - 【請求項2】 吸振器に形成した転動室内に振り子が収
容され、この振り子の共振によって捩り振動を吸収する
遠心振り子式吸振器において、遠心振り子である転動体
の側面中央にストッパ突起を設ける一方で、転動室の側
壁に転動面と略同心の円弧状のガイド溝を設け、このガ
イド溝にストッパ突起を遊挿して、このガイド溝とスト
ッパ突起とによって転動体の軌道を規制することを特徴
とする遠心振り子式吸振器。 - 【請求項3】 吸振器に形成した振り子室内に振り子が
収容され、この振り子の共振によって捩り振動を吸収す
る遠心振り子式吸振器において、複数個の振り子を環状
に配置し、周方向で隣接する振り子間に両振り子と摺接
可能なガイド部材を配置したことを特徴とする遠心振り
子式吸振器。 - 【請求項4】 吸振器に形成した転動室内に振り子が収
容され、この振り子の共振によって捩り振動を吸収する
遠心振り子式吸振器において、遠心振り子である転動体
の転動する転動面を、径方向変位が可能な可動ブロック
に形成すると共に、この可動ブロックを弾性体によって
径方向内側に付勢して、可動ブロックに作用する遠心力
が設定値以下のときに可動ブロックで転動体の変位を押
さえることを特徴とす遠心振り子式吸振器。 - 【請求項5】 吸振器に形成した振り子室内に振り子が
収容され、この振り子の共振によって捩り振動を吸収す
る遠心振り子式吸振器において、永久磁石を振り子室に
配設して、振り子に作用する遠心力が設定値以下のとき
に永久磁石の磁力で振り子を停止させることを特徴とす
る遠心振り子式吸振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7032394A JPH07280037A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 遠心振り子式吸振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7032394A JPH07280037A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 遠心振り子式吸振器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07280037A true JPH07280037A (ja) | 1995-10-27 |
Family
ID=13428131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7032394A Pending JPH07280037A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 遠心振り子式吸振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07280037A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19954277B4 (de) * | 1999-11-11 | 2011-07-28 | ZF Sachs AG, 97424 | Schwingungsdämpfungsvorrichtung |
DE19954275B4 (de) * | 1999-11-11 | 2011-08-18 | ZF Sachs AG, 97424 | Schwingungsdämpfungsvorrichtung |
JP2012082862A (ja) * | 2010-10-07 | 2012-04-26 | Toyota Motor Corp | ダイナミックダンパ |
DE112011102989T5 (de) | 2010-09-08 | 2013-08-14 | Aisin Aw Industries Co., Ltd: | Schwingungstilger |
DE112010005938T5 (de) | 2010-10-15 | 2013-10-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Schwingungsdämpfvorrichtung |
CN105697640A (zh) * | 2014-12-16 | 2016-06-22 | 丰田自动车株式会社 | 扭转振动降低装置 |
JP2016114169A (ja) * | 2014-12-16 | 2016-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 捩り振動低減装置 |
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