JPH0727968U - シートベルト警報装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートベルトを着用しなかった時に警報を音
声で与えるシートベルト警報装置に関し、シートベルト
未着用警報を最適時に行う。 【構成】 キー入力後にパーキングブレーキが初めて作
動状態から解除されギヤが初めて前進位置にシフトされ
且つシートベルトが未着用で停車状態であった時にはシ
ートベルトを今着用すべき旨の警報を一回だけ発生さ
せ、車両走行状態であることが判った時には次回の停車
時にシートベルトを着用する旨の警報を一回だけ発生さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はシートベルト警報装置に関し、特にシートベルトを着用しなかった時 に警報を音声で与えるシートベルト警報装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

シートベルトは図４に示す様に座席１０の脇に設けられ、バックル１２内にタ ング１３が入るとＯＦＦになり、タング１３が抜けるとＯＮになるシートベルト スイッチ１４が設けられている。

【０００３】 このシートベルトスイッチ１４は図５に示す様に従来例においては、ウォーニ ングランプ１５と直列接続され、その接続点からアラームユニット１６に制御信 号を与えている。

【０００４】 このアラームユニット１６は同時に車速信号を入力しており、車両が動き始め た時にシートベルトスイッチ１４が着用されておらずＯＮになっている場合には ウォーニングランプ１５を点灯させると共に、アラームユニット１６からスピー カー１７に対して『シートベルトを締めてください』と音声で警報する様にして いる。

【０００５】 上記の様な従来例は実開昭63-117654 号公報に記載されているが、この様な従 来例では車両が動き始めた時に警報を出力する様にしているので、車両が走行中 に運転手は片手運転をしながらシートベルト着用作業を強いられる事となり危険 である。

【０００６】 この様に車両が走り始めようとする時に一定の条件の下でシートベルトの締め 忘れ警報を発生する装置が実開昭63-2856 号公報に記載されており、この装置で はシートベルトを着用しないままサイドブレーキ（パーキングブレーキ）を解除 するとサイドブレーキスイッチとシートベルトスイッチがＯＮになり、リバース スイッチが入っていない状態、即ちギヤがニュートラル状態か前進状態かパーキ ング状態になっていれば、シートベルト未着用警報に対応する音声信号を所定回 数繰り返して出力する様にしている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記の様な実開昭63-2856 号公報の従来技術では、車両が前進しようとする直 前に音声警報を発生することが出来、これと実開昭63-1176 号公報の技術を加え れば走行中でもシートベルト未着用に対する警報を音声で発生することが出来る 。

【０００８】 しかしながら車両が前進する前又は後に関わらず、頻繁にこの様な音声警報が ドライバーに対して与えられるので、ドライバーにとっては非常に煩わしいとい う問題点があった。

【０００９】 従って本考案はシートベルト未着用警報を最適時に行うことができるシートベ ルト警報装置を実現することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案に係るシートベルト警報装置は、キー・スイ ッチ状態検出手段と、パーキングブレーキ作動検出手段と、ギヤ位置検出手段と 、シートベルト着用検出手段と、車速検出手段と、音声警報器と、各検出手段の 出力信号からキー入力後にパーキングブレーキが初めて作動状態から解除状態に されギヤが初めてニュートラル又はバックギヤ位置以外にシフトされ且つシート ベルトが未着用であり停車状態であることが検出されていれば該音声警報器を付 勢してシートベルトを今着用すべき旨の警報を１回だけ発生させる制御手段とを 備えている。

【００１１】 また本考案では、キー・スイッチ状態検出手段と、パーキングブレーキ作動検 出手段と、ギヤ位置検出手段と、シートベルト着用検出手段と、車速検出手段と 、音声警報器と、各検出手段の出力信号からキー入力後にパーキングブレーキが 初めて作動状態から解除にされギヤが初めてニュートラル又はバックギヤ位置以 外にシフトされ且つシートベルトが未着用であり走行状態であることが検出され ていれば該音声警報器を付勢して次回の停車時にシートベルトを着用する旨の警 報を１回だけ発生させる制御手段とを備えたシートベルト警報装置とすることも できる。

【００１２】

【作用】

本考案の動作においては、制御手段はキー・スイッチ状態検出手段によって検 出されたキー入力の後にパーキングブレーキ作動検出手段の出力信号からパーキ ングブレーキが初めて作動状態から解除状態になり、又ギヤ位置検出手段の出力 信号からギヤが初めてニュートラル又はバックギヤ位置以外にシフトされ、更に はシートベルト着用検出手段の出力信号からシートベルトが未着用状態にあり、 そして車速検出手段の出力信号から停車状態であることが検出されていれば、音 声警報器を付勢して「シートベルトを今着用すべき」旨の警報を発生させる。

【００１３】 この様にして車両が動き始める直前に一回だけ音声警報をドライバーに与える 事が出来るのでドライバーにとっては煩わしくなく快適にシートベルトの着用を 警告する事が出来る。

【００１４】 また、制御手段は車速検出手段の出力信号から上記の各条件の内停車状態のみ が異なり、走行状態にあることを検出した時にはやはり音声警報器を付勢して「 次回の停車時にシートベルトを着用する」旨の警報を発生させる。

【００１５】 従って、坂道発信等の場合において車両が既に動き始めている事があるのでこ の様な場合にはすぐにシートベルトの着用を促すのではなく、次に停車した時に シートベルトを着用するように促し、特定のドライバーが煩いと感じるような状 態を減らす事が出来る。

【００１６】

【実施例】

図１は本考案に係るシートベルト警報装置の実施例を示したもので、１はキー ・スイッチ、２はパーキングブレーキの作動／解除状態を検出する為のパーキン グブレーキ・スイッチ、３はギヤの位置を検出するギヤ位置センサ、４はシート ベルトが着用されているか否かを検出する為のシートベルト・スイッチ、５は車 速センサ、６はこれらのスイッチ１，２及び４並びにセンサ３及び５の各出力信 号を入力するアラームユニット、そして７はアラームユニット６の出力信号を受 けて音声警報を発生するスピーカーである。

【００１７】 また、アラームユニット６は上記の入力信号を受けるインタフェース回路６１ とこのインタフェース回路６１を介して各スイッチ又はセンサの出力信号を入力 しメモリ６４との相互処理により演算処理を行うＭＰＵ（マイクロプロセッサユ ニット）６３と、このＭＰＵ６３の出力信号を受けて音声合成を行う音声合成部 ６２と、この音声合成部６２で合成された音声信号をスピーカ７に送出するため のインタフェース回路６５とで構成されている。

【００１８】 図２には図１に示したアラームユニット６内のメモリ６４に格納され且つＭＰ Ｕ６３で実行されるプログラムのフローチャートが示されており、以下、この図 ２のフローチャート及び図３のタイムチャートを参照して図１の実施例の動作を 説明する。

【００１９】 まず、ＭＰＵ６３は、キー・スイッチ１の出力信号からキー・スイッチ１が投 入されているか（ＯＮ）否かを判定する（ステップＳ１）。この結果、キー・ス イッチ１がＯＦＦの時にはこのルーチンから出る。

【００２０】 キー・スイッチがＯＮの時には続いて既に警報を出力したか否かを判定する（ ステップＳ２）。これは後述するフラグＦが“１”であるか否かによって判定 が行われる。この結果フラグＦ＝１の時には既に警報済みであるとしてこのル ーチンから出る。

【００２１】 フラグＦ＝０であった時にはまだ警報が出力されていないので、次に後述す るフラグＦが“１”であるか否かを判定する。

【００２２】 この結果、フラグＦ＝１であることが判明した時には警報が不要であるとし てこのルーチンを出るが、そうでない時には警報が必要であるとして次のステッ プＳ４へ進む。

【００２３】 ここ迄のステップ群Ａにおいては、キー・スイッチ１がＯＮであってもまだ警 報が出ていない状態であるかを判定している。

【００２４】 次にステップＳ４においてはパーキングブレーキ（ＰＢ）がＯＮであるか否か をパーキングブレーキ・スイッチ２の出力信号より判定し、パーキングブレーキ が作動中である事が判った時には別のフラグＦを“１”にセットする（ステッ プＳ５）。そしてこのルーチンから出る。

【００２５】 パーキングブレーキがＯＮであり解除されている事が判った時には、上記のフ ラグＦが“１”であるか否かを判定し（ステップＳ６）、パーキングブレーキ が作動状態から解除状態に切り替わったか否かを判定する。

【００２６】 この結果、フラグＦ＝０でパーキングブレーキが作動状態のままである時に はこのルーチンから出るが、そうでない時はパーキングブレーキが作動状態から 解除状態に切り替わったものとして次のステップに進む。

【００２７】 これらステップＳ４〜ステップＳ６のステップ群Ｂではキー・スイッチ１がＯ Ｎになってから初めてパーキングブレーキが作動状態から解除されたかどうかを 判定していることになる。

【００２８】 更に進んでステップＳ７においてはギヤ位置センサ３の出力信号から現在のギ ヤ位置がニュートラル（Ｎ）であるか否かが判定され、ギヤ位置がニュートラル でない時には更にギヤ位置がバック位置であるか否かが判定され（ステップＳ８ ）、いずれもギヤ位置がニュートラル又はバック位置であった時には更に別のフ ラグＦを“１”として（ステップＳ９）このルーチンを出る。

【００２９】 ギヤ位置がニュートラルでもバック位置でもない事が判った時にはギヤが前進 位置にあるものと判定しフラグＦが“１”であるか否かを判定する（ステップ Ｓ１０）。

【００３０】 これは、ギヤが前進位置にシフトされたのが今回初めてであるのか否かを判定 する為でありフラグＦ＝０である時にはギヤがまだニュートラル又はバック位 置にシフトされていないものとしてこのルーチンから出るが、そうでない時には ギヤがニュートラル又はバック位置から前進位置にシフトしたものと判定して次 のステップへ進む。

【００３１】 この様にステップＳ７〜ステップＳ１０のステップ群Ｃはギヤが初めてニュー トラル又はバックギヤ位置から前進ギヤ位置にシフトされたか否かを判定してい る。

【００３２】 この後、シートベルト・スイッチ４の出力信号からシートベルトが着用されて いるか否かを判定し（ステップＳ１１）、シートベルトが着用されている事が判 った時にはステップＳ１６に進んでフラグＦを“１”にセットする。

【００３３】 シートベルトが未着用であることが判った時には、今度は車速センサ５の出力 信号から車速が「走行状態」又は「停車状態」にあるのか否かを判定する（ステ ップＳ１２）。

【００３４】 この結果車速がほぼ“０”であり停車状態にある事が判った時には、ＭＰＵ１ ３は音声合成部６２に対して「シートベルトを着用してください。」なる音声警 報を発生する様に命令し、これを受けて音声合成部６２が係る音声警報信号をイ ンタフェース回路６５を経てスピーカ７に送って該音声出力を発生する（ステッ プＳ１３）。

【００３５】 また、車速が“０”でなく走行している様な場合、即ち坂道発信の様な場合に はシートベルトを即座に締めることが適切でないので、この場合にはＭＰＵ６３ は６２に対して「シートベルトを着用していません。次に停車した時に着用して 下さい。」という音声警報を発生する様に命令し、音声合成部６２はこれに対応 した音声出力をインタフェース回路６５を介してスピーカ７に送る（ステップＳ １４）。

【００３６】 この様にして音声警報出力を行った後、ステップＳ１５において上記のフラグ Ｆを“１”にセットし警報済みである事を記憶しておく。

【００３７】 また、この後、ステップＳ１６においては、フラグＦを“１”にセットし、 以後警報は必要無いということを記憶しておき、このルーチンを出る。

【００３８】 上記の制御動作を図３のタイムチャートを参照してみると、シートベルトはず っと未着用状態であったとすれば、キー・スイッチ１がＯＮになった時から初め てパーキングブレーキが作動状態から解除状態に移り、且つギヤがバック状態又 はニュートラル状態から前進状態にシフトされた時点Ｔ１において音声警報が発 生される。但し、この図３のタイムチャートの例では（１）の場合に上記のステ ップＳ１３の音声警報が発生され、点線で示した（２）の場合にはステップＳ１ ４に示した音声警報が発生させられる事となる。

【００３９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係るシートベルト警報装置によれば、キー入力 後にパーキングブレーキが初めて作動状態から解除されギヤが初めて前進位置に シフトされ且つシートベルトが未着用で停車状態であった時にはシートベルトを 今着用すべき旨の警報を一回だけ発生させ、車両走行状態であることが判った時 には次回の停車時にシートベルトを着用する旨の警報を一回だけ発生させる様に 構成したので、ドライバーにとっては何度も音声警報が出力される煩わしさを回 避する事が出来、快適な運転を実現する事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るシートベルト警報装置の実施例を
示したブロック図である。

【図２】本考案に係るシートベルト警報装置のアラーム
ユニットに格納され且つ実行されるシートベルト締め忘
れ警報処理の制御プログラムフローチャート図である。

【図３】図１の実施例の動作タイムチャート図である。

【図４】シートベルトの構成を示した斜視図である。

【図５】従来例を概略的に示した図である。

【符号の説明】

１ キー・スイッチ ２ パーキングプレーキ・スイッチ ３ ギヤ位置センサ ４ シートベルト・スイッチ ５ 車速センサ ６ アラームユニット ６２ 音声合成部 ６３ ＭＰＵ ６４ メモリ ７ スピーカ 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キー・スイッチ状態検出手段と、パーキ
   ングブレーキ作動検出手段と、ギヤ位置検出手段と、シ
   ートベルト着用検出手段と、車速検出手段と、音声警報
   器と、各検出手段の出力信号からキー入力後にパーキン
   グブレーキが初めて作動状態から解除状態にされギヤが
   初めてニュートラル又はバックギヤ位置以外にシフトさ
   れ且つシートベルトが未着用であり停車状態であること
   が検出されていれば該音声警報器を付勢してシートベル
   トを今着用すべき旨の警報を１回だけ発生させる制御手
   段とを備えたことを特徴とするシートベルト警報装置。
2. 【請求項２】 キー・スイッチ状態検出手段と、パーキ
   ングブレーキ作動検出手段と、ギヤ位置検出手段と、シ
   ートベルト着用検出手段と、車速検出手段と、音声警報
   器と、各検出手段の出力信号からキー入力後にパーキン
   グブレーキが初めて作動状態から解除にされギヤが初め
   てニュートラル又はバックギヤ位置以外にシフトされ且
   つシートベルトが未着用であり走行状態であることが検
   出されていれば該音声警報器を付勢して次回の停車時に
   シートベルトを着用する旨の警報を１回だけ発生させる
   制御手段とを備えたことを特徴とするシートベルト警報
   装置。