JPH0727889U - 筆記具等のキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】幼児等の誤飲の際の窒息を防止するとともに、
クリップの挟持力や強度を低下させることがない。 【構成】キャップ１側壁にクリップ２の取付孔４を設け
る。前記取付孔４にクリップ１の基部２１を挿着する。
前記取付孔４内にクリップ１の基部２１を挟む前後位置
に二つの通気孔５・６を形成する。前記通気孔５・６が
互いにキャップ１内において連通してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、化粧具、修正具、塗布具、筆記具等のキャップに関する。さらに詳 細には、外部にクリップを備えるとともに、誤飲による窒息を防止するための空 気通路を設けた筆記具等のキャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、筆記具等のキャップにおいて、幼児等の誤飲による窒息事故を防止する 目的で、クリップに通気手段を設けたものが幾つか提案されている。（例えば、 実開平３−９３１９２号公報等）

【０００３】 しかし、前記従来のキャップは、応力の集中するクリップの基部、特に屈曲部 近傍に、孔や切り欠き等を設ける構成であるため、クリップの挟持力を弱めると ともに、クリップの繰り返し曲げ応力に対する強度（耐久性）を低下させてしま う。さらに、孔や切り欠き等をクリップの外部に露出した箇所に設ける構成のた め、クリップの美観が損なわれる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記従来の問題点を解決するためのものであって、幼児等が誤って 飲み込んだとしても空気通路を確保して窒息させないことは勿論、さらに、クリ ップの挟持力や強度を低下させることがなく、また、クリップの美観を損ねるこ とがない筆記具等のキャップを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、外部にクリップ２を備えるとともに、誤飲による窒息を防止するた めの空気通路３を設けた筆記具等のキャップ１であって、キャップ１の側壁にク リップ２の取付孔４を設け、前記取付孔４にクリップ２の基部２１を挿着し、前 記取付孔４内の前記クリップ２の基部２１を挟む前後位置に二つの通気孔５・６ を形成し、前記通気孔５・６が互いにキャップ１内において連通してなることを 要件とする。

【０００６】 前記取付孔４は、周囲をキャップ１側壁によって囲まれる構成の他、キャップ １頂部の端縁に設けられて軸方向前方に開口する構成も有効である。また、前記 取付孔４の形状は、クリップ２の基部２１を支持固定して前後位置に通気孔５・ ６を形成するものであれば、四角形、円形、楕円形、凸字状、十字状等、適宜で ある。

【０００７】 また、二つの通気孔（前方の通気孔５と後方の通気孔６）はキャップ１内にお いて連通していればよく、その連通手段は、例えば、クリップ２の基部２１に設 けた孔や切欠きを利用する構成、キャップ１頂部に取り付ける頭冠８にスリット や孔を設ける構成、或いはただ単にキャップ１内壁とクリップ２の基部２１との 隙間を利用する構成等、適宜採用される。

【０００８】 クリップ２は材質として金属又はプラスチック等が有効であり、又その断面形 状も板状、コの字状、エの字状、十字状等適宜である。

【０００９】

【作用】

クリップ２の基部２１をキャップ１の取付孔４に挿着することにより、クリッ プ２はキャップ１に支持固定される。前記取付孔４はクリップ２の基部２１によ って、前後に分割され、二つの通気孔５・６が形成される。前記二つの通気孔５ ・６がキャップ１内において連通しているため、軸方向の空気通路３が形成され 、幼児等が誤って飲み込んだ際の窒息防止がなされる。

【００１０】 また、クリップ２の屈曲部近傍に孔や切り欠き等を設けることなく、クリップ ２の基部２１を挟む前後方向に空気通路３が得られるため、クリップ２の挟持力 や強度を低下させることがなく、また、クリップ２の美観を損ねることがない。

【００１１】

【実施例】

本考案実施例を図面に従って説明する（図１乃至図４参照）。

【００１２】 キャップ１の頂部には、取付凹部７が設けられ、頭冠８が装着される。前記取 付凹部７の側壁にはクリップ２の取付孔４が貫設される。前記取付孔４は、凸字 形状をしており、そこにはコの字断面を有するクリップ２の基部２１が挿入され る。

【００１３】 クリップ２は金属板がコの字断面を有するよう折曲され、その後Ｌ字状に屈曲 されて形成されてなる。前記クリップ２は、一端に挟持用の玉部２３が折曲形成 されると共に、他端に基部２１が設けられ、該基部２１の、クリップ２の屈曲部 から離隔した位置には、略方形状の係止孔２２が貫設されている。クリップ２の 基部２１は取付孔４へ挿入されると、前記基部２１先端がキャップ１の取付凹部 ７内壁に当接すると共に、前記基部２１の両側部が取付凹部７内壁によって挟持 される（図２参照）。

【００１４】 頭冠８は、天板部８１と弾性脚片８２からなり、前記天板部８１は取付凹部７ の開口部内壁の段部７１に係止される。一方、前記二本の弾性脚片８２は、クリ ップ２の基部２１の係止孔２２に挿着される。前記弾性脚片８２は、径方向に弾 性変形可能であり、その外壁にクリップ２の板厚と同等の係止凹溝８３が設けら れる。前記係止凹溝８３にクリップ２の基部２１の係止孔２２の側壁が係合され 、頭冠８とクリップ２との抜け防止がなされる。また、頭冠８の弾性脚片８２の 先端は、取付孔４側の取付凹部７内壁に当接している。これらにより、キャップ １、頭冠８、クリップ２の三者が確実に固定される。

【００１５】 図３に示すように、取付孔４にはクリップ２の基部２１の前側に形成される前 方の通気孔５と、コの字状の壁部に囲まれる後方の通気孔６が形成されている。 前記通気孔５・６は、クリップ２の係止孔２２及び頭冠８の二本の弾性脚片８２ の間の隙間を通過して連通している。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の筆記具等のキャップは前記構成により、幼児が誤って飲み込んだとし ても窒息することがない。その上、クリップの挟持力や強度を低下させることが なく、また、クリップの美観を損ねることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線一部断面図である。

【図４】図１の頭冠とクリップ基部の分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ キャップ ２ クリップ ２１ 基部 ２２ 係止孔 ２３ 玉部 ３ 空気通路 ４ 取付孔 ５ （前方の）通気孔 ６ （後方の）通気孔 ７ 取付凹部 ７１ 段部 ８ 頭冠 ８１ 天板部 ８２ 弾性脚片 ８３ 係止凹溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４３Ｋ 25/02 Ｂ４３Ｌ 19/00 Ｇ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外部にクリップ２を備えるとともに、誤飲
   による窒息を防止するための空気通路３を設けた筆記具
   等のキャップにおいて、 キャップ１の側壁にクリップ２の取付孔４を設け、前記
   取付孔４にクリップ２の基部２１を挿着し、前記取付孔
   ４内の前記クリップ２の基部２１を挟む前後位置に二つ
   の通気孔５・６を形成し、前記通気孔５・６が互いにキ
   ャップ１内において連通してなることを特徴とする筆記
   具等のキャップ。