JPH07278856A - 吸収式ヒ−トポンプの吸収液用腐食防止剤及び水溶液組成物 - Google Patents

吸収式ヒ−トポンプの吸収液用腐食防止剤及び水溶液組成物

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JPH07278856A
JPH07278856A JP6099338A JP9933894A JPH07278856A JP H07278856 A JPH07278856 A JP H07278856A JP 6099338 A JP6099338 A JP 6099338A JP 9933894 A JP9933894 A JP 9933894A JP H07278856 A JPH07278856 A JP H07278856A
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heat pump
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aqueous solution
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benzotriazole
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Shigeru Komukai
茂 小向
Junji Enomoto
淳史 榎本
Takeshi Yokoyama
武 横山
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
    • C23F11/14Nitrogen-containing compounds
    • C23F11/149Heterocyclic compounds containing nitrogen as hetero atom

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  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ベンゾトリアゾ−ルのテトラエチレングリコ−
ルジメチルエ−テル(TEGDME)溶液からなること
を特徴とする吸収式ヒ−トポンプの吸収液用腐食防止剤
及びこの腐食防止剤を含有する吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物。 【効果】吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物において、
その腐食防止剤としてベンゾトリアゾ−ルのTEGDM
E溶液を含有させることにより、その耐食性を大幅に改
善し、その腐食を長期にわたり有効に防止することがで
きる。この腐食防止剤及び水溶液組成物は、高温安定性
にも優れており、また銅系の材質を装置構成材料とする
場合に特に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式冷凍機等の吸収
式ヒ−トポンプ用の吸収液に関し、より詳しくは吸収式
ヒ−トポンプにおいて使用する吸収液(水溶液組成物)
用腐食防止剤及びこの腐食防止剤を含有する吸収式ヒ−
トポンプ用水溶液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機等の吸収式ヒ−トポンプ用
の吸収液に使用される作動媒体としては、これまで水と
アンモニア(NH3 :冷媒)との組み合わせからなるも
の、水とハロゲン化物との組み合わせからなるもの等種
々のものが提案されている〔なお、我が国においては、
現実には専ら水と臭化リチウムからなる系(「水−Li
Br」系)が使用されている〕。
【0003】しかし、例えば、水と臭化リチウムとだけ
からなる系(「水−LiBr」系)では、装置を小型化
したり、空冷化するためには、その水溶液中の臭化リチ
ウムの濃度を高くしなければならないが、そうすると臭
化リチウムが晶出することとなり、ある程度以上の小型
化や空冷化は困難であった。
【0004】この結晶限界を改良するために、この水と
臭化リチウムとからなる水溶液組成物に臭化亜鉛や塩化
亜鉛を添加することが提案されているが、これらを加え
た系では、その水溶液自体が酸性となり、きわめて強い
腐食性を示すだけではなく、10重量%程度以下の希薄
溶液では水酸化亜鉛の生成に伴う沈澱物が生じてしま
う。
【0005】吸収式ヒ−トポンプは、基本的には、発生
器、凝縮器、蒸発器及び吸収器から成るものであり、こ
れら各装置は、銅、キュプロニッケル等の銅系材料、軟
鋼その他の炭素鋼系の鉄製材料等の種々の材料で構成さ
れているが、これらの材料に対する腐食の問題は、上述
吸収剤成分の晶出、沈澱物の生成の問題とともに、充分
に配慮されなければならない。
【0006】吸収式冷凍機等の吸収式ヒ−トポンプで
は、順調な運転を維持するため、系全体を完全な気密状
態に保つ必要があり、このことは、同時に系の防食のた
めにも非常に重要なことであるが、それでもなお、水を
冷媒とし、その吸収剤として臭化リチウムや塩化リチウ
ム等を使用する場合、この作動媒体は、吸収式ヒ−トポ
ンプを構成する前述諸機器の主要構成材料である銅系或
いは鉄系の材料に対して腐食性を有する。
【0007】このため、通常、腐食防止用のインヒビタ
−の添加が必要不可欠であり、これまで、例えばクロム
酸リチウム等のクロム酸塩、モリブデン酸リチウム等の
モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、硝酸
塩、アゾ−ル類、アミン類等が提案されている。
【0008】ところで、特公平5−28751号公報で
は、吸収冷凍機用吸収液として臭化リチウム、ヨウ化リ
チウム、塩化リチウム及び硝酸リチウムを用い、これら
各成分の割合を所定の範囲とすることにより、その晶析
限界等を改良しているが、この新しい作動媒体を使用す
る場合にも、腐食防止に対する十分な配慮が必要である
ことに変わりはない。
【0009】例えば、特開平1−174588号公報で
は、特に腐食性が強い吸収液として「ヨウ化リチウム等
を含むハロゲン化リチウム塩水溶液」が指摘され、この
吸収液においては、従来のインヒビタ−だけでは腐食抑
制効果が十分ではなかったところ、この問題点を、アン
チモン化合物、特に三酸化二アンチモンを添加すること
により解決したというものである。
【0010】そして、そこでは、その添加アンチモン化
合物の作用として、遊離したハロゲンをイオンに還元
させること及びハロゲンの遊離を抑制させること、添
加アンチモン化合物が吸収機内の銅及び鋼材料の表面に
吸着し、緻密な保護皮膜を形成させ、鉄及び鋼の溶出を
防ぐこと、の2点にあると指摘されている。
【0011】本発明者等は、先に、吸収剤成分としてヨ
ウ化物及び硝酸塩を含む水溶液組成物を用いる吸収式ヒ
−トポンプの作動中に、遊離、生成したヨウ素を元のヨ
ウ素イオンに戻すというのではなく、ヨウ素が遊離、生
成すること自体を抑制、防止し、でき得れば皆無とする
ことが重要であることを見出し、この抑制、防止をその
吸収液に還元剤(特に、NaHSO3 )を添加すること
により解決し、別途提案をしている(特願平5−302
234号)。
【0012】他方、その腐食性を効果的に抑制する成分
として前述アゾ−ル類の一種であるベンゾトリアゾ−ル
(BTA)を用いる系統のものも知られている。例え
ば、特開昭53−25288号公報には、ハロゲン化ア
ルカリ金属の水溶液にベンゾトリアゾ−ル又はその誘導
体とLiMoO4 等のモリブデン酸のアルカリ金属塩と
水酸化アルカリ金属とを含有させてなる吸収式冷凍機用
吸収液が提案されている。
【0013】この提案によれば、その吸収液は鋼材、銅
材のいずれに対しても卓越した耐腐食性を有するととも
に、吸収液に含有される腐食防止剤の消費量を大幅に減
少させ、これらによって、連続稼動時間を長期化させる
ことができるというものである。そしてここでは、その
吸収液に各種の一価又は多価の第一〜第三級アルコ−ル
を加えてもよいとしているが、これはただ固体であるベ
ンゾトリアゾ−ル化合物の吸収液への添加を容易にする
ためだけのもので、別途この点に関する実施例が示され
ているわけではない。
【0014】このほか、BTAを用いるものとしては、
特開昭55−11015号公報や特開昭60−3346
1号公報がある。このうち特開昭55−11015号公
報では、臭化リチウム水溶液を主体とする吸収液におい
て、これに硝酸塩とBTAを含有させることにより、そ
の腐食性を効果的に抑制するというものである。ここで
は、その材質として銅系、鉄系ともに有効であるとして
いるが、その実施例の記載によると、特に銅系統の材料
の腐食防止における効果が顕著であると強調されてい
る。
【0015】また、特開昭60−33461号公報で
は、BTAあるいはその誘導体のオクチルアルコ−ル溶
液よりなる吸収式冷凍機の吸収液用腐食抑制剤が提案さ
れている。この提案では、BTAは、吸収液に対して6
00ppm程度しか溶解しないが、オクチルアルコ−ル
には極めて良く溶解するというものである。
【0016】そしてこのオクチルアルコ−ルを含む腐食
抑制剤を用いた吸収液では、長期にわたり所定の濃度を
保持することができるとしているが、オクチルアルコ−
ルに対するBTAあるいはその誘導体の溶解度には限度
があり、またこの技術においては、その装置材質の種類
については、特には云々されていない。
【0017】本発明者は、以上の諸事実等を前提に、吸
収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物について、BTAの適
用の可能性について検討を進めているうち、このBTA
を特定の有機物質の溶液として適用することにより、B
TAの吸収液に対する溶解性を格段に改善し、この溶解
性を長期にわたり維持し得ることを見い出し、本発明に
到達するに至ったものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
ベンゾトリアゾ−ル(BTA)を特定の有機物質に溶解
した溶液からなる吸収式ヒ−トポンプの吸収液用腐食防
止剤を提供することを目的とし、またこの腐食防止剤を
含有する吸収式ヒ−トポンプ用吸収液組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベンゾトリア
ゾ−ルのテトラエチレングリコ−ルジメチルエ−テル溶
液からなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプの吸収
液用腐食防止剤を提供し、またこのベンゾトリアゾ−ル
のテトラエチレングリコ−ルジメチルエ−テル溶液から
なる腐食防止剤を含有してなることを特徴とする吸収式
ヒ−トポンプ用の水溶液組成物を提供するものである。
なお、本明細書中「吸収式ヒ−トポンプ」の語は、狭義
のヒ−トポンプではなく、冷凍機を含めた広義のヒ−ト
ポンプの意味で使用している。
【0020】本発明に係る、吸収式ヒ−トポンプの吸収
液用腐食防止剤及びこの腐食防止剤を添加、含有してな
る吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物は、吸収式ヒ−ト
ポンプの装置構成材料が銅系の材質である場合に特に有
効であり、この銅系の材質としては、銅系のものであれ
ば特に制限はないが、その典型例としては銅、キュプロ
ニッケルを挙げることができる。
【0021】また、本発明でその対象とする吸収液とし
ては、臭化リチウムを含む吸収液、これにヨウ化物を含
む吸収液、さらに硝酸塩を含む吸収液、その他特に制限
はないが、これをヨウ化物と硝酸塩を含む場合について
例示すると、水−ヨウ化リチウム−硝酸リチウム系、水
−臭化リチウム−ヨウ化リチウム−塩化リチウム−硝酸
リチウム系等の吸収液を挙げることができる。
【0022】また、本発明においては、その対象とする
吸収液に還元剤を添加することができる。この還元剤と
しては亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3 )が特に有
利である。前述のとおり、この還元剤はヨウ素が遊離、
生成すること自体を抑制ないし皆無とし、本発明に係る
腐食防止剤の作用とも相まち、吸収式ヒ−トポンプに使
用される材料の腐食を長期にわたり防止することができ
る。この点、特にヨウ化リチウムと硝酸リチウムを含む
系では、硝酸リチウムが酸化力をもち、遊離ヨウ素を生
成し易いので、この還元剤の使用は一層効果的である。
【0023】また、本発明で使用するテトラエチレング
リコ−ルジメチルエ−テル[TEGDME:CH3(O
244OCH3 ]は、ベンゾトリアゾ−ルを溶解
し、その溶剤としての機能、作用を有する。この溶解力
は低温においても優れており、またこのTEGDME自
体、水にも容易に溶解する。
【0024】これらTEGDMEの特性により、装置の
低温部でもベンゾトリアゾ−ルの析出を防止することが
できる。またこの化合物は、ベンゾトリアゾ−ルを必要
量だけ溶解することができるだけでなく、ベンゾトリア
ゾ−ルの消耗量を少なくすることができるものである。
【0025】また、このテトラエチレングリコ−ルジメ
チルエ−テル(TEGDME)は、その沸点が高く(2
75℃)、しかも蒸気圧が非常に低いため(20℃で、
0.01mmHg)、蒸発する成分が少なく、機内の圧
力上昇につながらないため、吸収式ヒ−トポンプの効率
を低下させることがない。
【0026】したがって、今後使用が予想される高温タ
イプの二重効用吸収式冷凍機の高温再生器(180℃以
上)においても、気化するという恐れがなく使用するこ
とができる。本発明に係るTEGDMEは、このように
溶剤としての高温安定性の面でも優れており、長期間に
わたり有効に使用することが可能である。
【0027】本発明では、テトラエチレングリコ−ルジ
メチルエ−テル(TEGDME)のこれら優れた特異な
特性により、ベンゾトリアゾ−ルが本来有する、吸収式
ヒ−トポンプの装置構成材料、特に銅系材料に対する耐
食性の効果を大幅に改善し、その効果を長期にわたり発
揮させることができ、また高温耐性を要する操作におい
てもきわめて有効に使用することができるものである。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されないことは勿論である。まず、
試験片として、銅及び10%キュプロニッケルを用意
し、またSUS316L鋼(補助カソ−ドとして使用す
る)を用意した。
【0029】次に、試験吸収液としては、その吸収液濃
度69%、その組成が、モル比で、LiBr:LiI:
LiCl:LiNO3 =100:75:41:25の水
溶液を調製し、これに対する添加物としてLiOH0.
1N、NaHSO3(還元剤)1000ppmを加えた
上で、これにベンゾトリアゾ−ルのテトラエチレングリ
コ−ルジメチルエ−テル(TEGDME)溶液を加えて
調製した。
【0030】この調製は、吸収液1l(1リットル)に
対して、ベンゾトリアゾ−ルを溶解させたTEGDME
を10ml添加したときに、吸収液中のベンゾトリアゾ
−ルが所定の値になるように調整して行ったが、その所
定値としては、具体的には5000ppm、3000p
pm及び1000ppmの各濃度となるように調整を
し、各種水溶液を調製した。
【0031】以上の準備をした後、それら試験片、各種
水溶液を用いて各種実験を実施したが、何れも次の手法
により行った。各水溶液を、内面にテフロンコ−ティン
グを施した内容積1l(1リットル)のチタンくり抜き
容器(オ−トクレ−ブ)に上記溶液を注入し、そのチタ
ンくり抜き容器の上部に蓋をして高純度窒素ガスを用い
て脱気し、この容器にその試験片を浸漬させ、その内部
を窒素雰囲気とし、密封状態とした。
【0032】その試験片としては、1枚は、銅もしくは
10%キュプロニッケルとし、また他の1枚はSUS3
16L鋼(補助カソ−ド)とした。その後、オ−トクレ
−ブをマントルヒ−タ−にて所定の温度まで昇温した
後、各二枚の試験片を結線し、回路中に電流計を挟ん
で、銅もしくは10%キュプロニッケルをアノ−ド、S
US316L鋼をカソ−ドとし、両者間に流れる腐食電
流を計測した。
【0033】本実施例においてこの手法を用いたのは、
腐食反応は、電気化学反応によるものであり、電位差の
ある2種類の金属を電極とし、電解質中に浸漬させて互
いを結線させると、電位が卑側の電極をアノ−ドとし、
電位が貴側の電極をカソ−ドとする腐食電流が流れる。
この時、ファラデ−の法則によりアノ−ド側の単位面積
当たりの腐食速度がこの電流密度に比例するため、計測
される腐食電流密度の大小が吸収液中における腐食速度
の大小と一致するためである。
【0034】これを本実施例の場合についてみると、銅
もしくは10%キュプロニッケルとSUS316L鋼を
結線させた場合、銅もしくは10%キュプロニッケル側
の腐食が加速され、計測される腐食電流密度の大小が吸
収液中における腐食速度の大小と一致するため、これに
より腐食傾向の判定を行った。
【0035】図1は、試験片を10%キュプロニッケル
とし、BTAの濃度を5000ppm(TEGDME1
0ml/l添加)とした場合について、吸収液中の温度
70℃における腐食電流の経時変化を示している。図1
には、比較のため、BTA無添加のときのデ−タも併わ
せて示している。
【0036】図示のとおり、吸収液に、本発明に係るB
TAのTEGDME溶液を添加した場合では、その電流
密度は、実験開始時当初から、BTA無添加の場合に比
べてかなり下回り、その差は時間の経過とともに逐次広
がる傾向が認められる。このように、本発明によれば、
長時間にわたる有効な腐食抑制効果が得られることが明
らかである。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るベンゾトリ
アゾ−ルのテトラエチレングリコ−ルジメチルエ−テル
溶液からなる腐食防止剤及びこれを含有する吸収式ヒ−
トポンプ用水溶液組成物は、その吸収式ヒ−トポンプを
構成する材料の腐食を長期にわたり有効に防止すること
ができ、その耐腐食性を大幅に改善することができる。
【0038】また、この腐食防止剤を含有する水溶液組
成物は、キュプロニッケルその他の銅系の材質を構成材
料とする吸収式ヒ−トポンプにおいて特に有効であり、
またその吸収剤成分としては、特に限定されるものでは
ないが、ヨウ化物と硝酸塩を含み、還元剤が添加されて
なる水溶液組成物において特に有効である。
【0039】さらに本発明で使用する「テトラエチレン
グリコ−ルジメチルエ−テル」は、その沸点が高く、今
後使用が予想される高温タイプの二重効用吸収式冷凍機
の高温再生器(180℃以上)でも気化するという恐れ
がなく使用することができるため、溶剤としての高温安
定性の面でも優れており、本発明に係る、この化合物を
含む腐食防止剤及び水溶液組成物は、そのような高温に
おいても、長期間にわたり、有効に使用することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片として10%キュプロニッケルを用い、
BTA5000ppmを添加した場合とBTA無添加の
場合との電流密度の経時的変化を示す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンゾトリアゾ−ルのテトラエチレングリ
    コ−ルジメチルエ−テル溶液からなることを特徴とする
    吸収式ヒ−トポンプの吸収液用腐食防止剤。
  2. 【請求項2】ベンゾトリアゾ−ルのテトラエチレングリ
    コ−ルジメチルエ−テル溶液からなる腐食防止剤を含有
    してなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液
    組成物。
  3. 【請求項3】水溶液組成物が吸収剤成分としてヨウ化物
    と硝酸塩を含み、還元剤が添加されてなる水溶液組成物
    である請求項2記載の吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成
    物。
  4. 【請求項4】還元剤が亜硫酸水素ナトリウムである請求
    項3記載の吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物。
  5. 【請求項5】装置材料が銅系の材質で構成された吸収式
    ヒ−トポンプにおいて使用される水溶液組成物である請
    求項2、請求項3又は請求項4記載の吸収式ヒ−トポン
    プ用水溶液組成物。
JP6099338A 1994-04-12 1994-04-12 吸収式ヒ−トポンプの吸収液用腐食防止剤及び水溶液組成物 Pending JPH07278856A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020125389A (ja) * 2019-02-01 2020-08-20 谷川油化興業株式会社 熱交換媒体

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