JP4054287B2 - アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理方法 - Google Patents
アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境への影響に留意しながらも、アルミニウムおよびアルミニウム合金にすぐれた耐食性を付与する表面処理方法に関する。更に詳しく述べるならば、本発明は、6価クロムイオンやフッ素イオンなどの環境に悪影響を及ぼす有害物を含有せず、アルミニウム合金の表面に優れた耐食性、特に耐孔食性を有する化成皮膜を形成することができる表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
腐食、特に孔食はClを含んでいる環境中で使用されるアルミニウム合金にとっては、重要な問題であり、表面処理は腐食防止を達成するための有効なアプローチの1つである。アルミニウムの陽極酸化処理やクロメート処理などが腐食を防止することは周知である。但し、処理設備に要する高い処理コスト、あるいは六価クロムなど公害になる化合物を含有することが、それらの処理方法で問題となる。
近年、アルミニウム合金の孔食を防止するためのクロムフリー化成処理の開発が活発に行われているが、これらの中で、環境問題についてマグネシウム、リチウム、カルシウムなどの軽金属イオンを使用する化成処理が、前述の環境への負荷低減の面から、実用化される可能性が高い技術として注目されている。
【0003】
これらの軽金属イオンを用いた化成処理剤の従来技術としては、マグネシウムイオンと重炭酸イオンとを使用した化成処理方法が開示されている(例えば特許文献1を参照)。また、マグネシウムイオン系化成皮膜の耐食性を向上するため、マグネシウムイオンと弱アルカリ性を有する有機物を含有する処理液が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
リチウムイオン系化成処理について、アルミニウム合金の表面に、60〜80℃の苛性ソーダとリチウムイオン溶液を接触させる方法(例えば特許文献3参照)、90℃のリチウム塩とトリエタノールアミンの液で処理する方法(例えば特許文献4参照)、硝酸リチウムと苛性ソーダの処理液を接触させる方法(例えば特許文献5参照)、アルミン酸塩、リチウム塩、珪酸塩、および有機キレートを含有する液で処理する方法(例えば特許文献6及び特許文献7参照)などが開発されている。また、25〜35℃、pH11〜13のリチウムイオンと炭酸イオンの混合液中の処理で Hydrotalcite 皮膜をアルミニウム合金表面に生成させる方法が開示されている(例えば特許文献8参照)。しかし、このリチウム−炭酸系化成処理皮膜は耐食性が不十分なため、化成処理後に、4時間、150℃の加熱処理、さらには重金属イオン液での Sealing 処理が必要とされている(例えば特許文献9参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭52−42434号公報
【特許文献2】
米国特許第5500288号明細書
【特許文献3】
特開昭48−18131号明細書
【特許文献4】
特開昭52−9642号明細書
【特許文献5】
特公昭52−10085号明細書
【特許文献6】
特公昭57−42156号明細書
【特許文献7】
特公昭60−43434号明細書
【特許文献8】
米国特許第5266356号明細書
【特許文献9】
米国特許第5756218号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の軽金属イオン化成処理技術には、高い所要処理温度、長い所要処理時間、不十分な耐食性などの問題点があげられる。例えば、上記したマグネシウムイオン系化成処理剤は95℃、30分という厳しい処理条件を要し、実用上問題がある。また、リチウム−炭酸系処理皮膜の耐食性についても、塩水噴霧が168時間、あるいは0.5MNaClへの浸漬が80時間という、短時間の場合についてのみその耐食性が保持されるにすぎない。化成処理皮膜の耐食性が不十分な場合には、皮膜の欠陥部における孔食などの局部腐食発生が著しくなる。孔食の侵食は深く進行するため、アルミニウム合金に対して、均一腐食が発生する場合よりもさらに有害である。従って、優れた耐食性、特に耐孔食性を有する表面処理方法が望まれている。
【0007】
本発明は、環境への負荷の少ない軽金属イオンを使用し、比較的低い温度条件で、かつ、短時間で処理でき、優れた耐食性が得られるアルミニウムおよびアルミニウム合金用表面処理方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明では、アルミニウム合金用化成処理液の主な組成を、次のように構成した。すなわち、リチウムイオン、炭酸イオン、及び表面不動態化促進と、溶解・皮膜成長の制御剤として酸化剤を含有する水性液からなることを特徴とする組成とした。
【0009】
アルカリ性リチウム−炭酸系処理では、皮膜の生長とAlの溶解が同時に起こる。従来の技術では、このAl溶解による皮膜中で小孔などの欠陥が生成した。Alより貴な金属間化合物が存在するアルミニウム合金の場合に、このような欠陥は著しく生成される。この欠陥は化成皮膜の耐食性に大きな影響を与える。
【0010】
アルカリ性リチウムと炭酸イオンの混合液中で、アルミニウム合金はアノード電位で不動態特性を有することが知られている。この不動態化の原因は不動態化電位範囲で表面に LiAlO2の生成によるものであるという説が提案されているが、上記液中でアルミニウム合金の不動態皮膜の成分と構造はまだ不明である。上記液中でアルミニウム合金の分極挙動により、不動態皮膜は活性溶解状態で生成した皮膜(従来のリチウムイオン系化成皮膜)より緻密性と耐食性が高いと推定される。しかし、膜厚が極めて薄いため、リチウムと炭酸イオン液中で生成した不動態皮膜はアルミニウム合金の長時間防食用には耐食性不十分である。
そこで、本発明者は上記目的を達成するために、リチウムと炭酸イオン液中に浸漬したアルミニウム合金について、不動態電位範囲での電位制御、皮膜生長の促進、及び皮膜中の欠陥の抑制などを鋭意研究した結果、酸化剤の添加と処理液成分組成を調整することにより、優れた耐食性処理皮膜が形成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明はアルミニウム及びアルミニウム合金材の表面を洗浄後に、該表面をリチウム化合物を含有するアルカリ性水溶液に接触させる第1工程、前記第1工程後に、さらにリチウム化合物を含有し、第1工程での前記アルカリ性水溶液よりも高いアルカリ度を有するアルカリ性水溶液に接触させて処理皮膜を形成させる第2工程を含むことを特徴とする耐食性、特に耐孔食性に優れたアルミニウムおよびアルミニウム合金の表面処理方法を提供する。
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、表面洗浄工程後に、(A)アルミニウム合金の表面を不動態化することを主な目的とする第1工程、(B)前記(A)工程後に、処理皮膜を形成する第2工程を含むことを特徴としアルミニウム合金に優れた耐食性を付与し、かつ、環境に留意した表面処理方法・工程を提供するものである。
【0013】
本発明の第1工程は、アルカリ性リチウムと炭酸イオン混合液中での不動態特性を利用し、酸化剤の添加によりアルミニウム合金の表面を不動態化することを数秒間で達成することを主な特徴とする。アルミニウム合金表面の不動態化は、第1工程直後の第2工程中での処理皮膜成長効率、皮膜中の欠陥の抑制に極めて重要である。
【0014】
本発明の第2工程は、従来のリチウムイオン系化成処理技術と異なり、強アルカリ性リチウムと炭酸イオン混合液中でアルミニウム合金の不動態電位範囲での処理皮膜成長を特徴とする。前記液中でアルミニウム合金の自然電位を不動態電位範囲に制御するには、酸化剤を添加することにより達成される。本発明のアルミニウム合金の表面処理方法では、第2工程での処理液のアルカリ度、酸化剤濃度などの調整により不動態化電位範囲での最適な溶解と皮膜成長速度を達成し、比較的な低温、短時間で優れた耐食性皮膜が得られることを特徴とする。
【0015】
第2工程でのアルミニウム合金電位の制御について、例えば、0.25M/LLi+、0.05M/L CO3 2−の混合液中A3003アルミニウム合金の安定自然電位は−1.29V(SCE)の活性態溶解電位領域中であって、上記処理液中に0.05M/L Na2S2O8の酸化剤を添加すると、A3003の安定自然電位は−1.12V(SCE)の不動態電位領域に上昇する。従って、アルカリ性リチウムと炭酸イオン混合水溶液中で、適当な酸化剤を添加することにより、アルミニウム合金は不動態電位領域での処理皮膜生長が実現できることが認められた。
【0016】
本発明においては、皮膜形成工程を2工程を採ることにはなるが、このように工程の役割を明確に分けることで、より効率的な耐食性の高い皮膜形成を可能にしている。
【0017】
本発明の第1工程での処理液組成物は、リチウムイオン、炭酸イオン、更に酸化剤を含有するアルカリ性水溶液からなることを特徴とする。
【0018】
第1工程でのアルカリ性水溶液(以下第1工程処理液と言う)のリチウムイオン供給源としては、例えば水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、および臭化リチウムなどであり、これらを1種又は2種以上を配合することにより供給される。リチウムイオンの含有量は0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.05〜0.15M/Lである。リチウムイオン濃度が0.001M/L未満の場合には、第1工程の処理効果が不充分となるので好ましくない。一方、1.0M/Lを超えて添加しても、その効果が飽和してしまい経済的に無駄である。
【0019】
第1工程処理液の炭酸イオン供給源としては、例えば炭酸及び重炭酸のリチウム、ナトリウム、及びカリウム化合物などであり、これらを1種又は2種以上を配合することにより供給される。炭酸イオンの含有量は0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.02〜0.08M/Lである。炭酸イオン濃度が0.001M/L未満の場合には、第1工程の処理効果が不充分となるので好ましくない。一方、1.0M/Lを超えて添加しても、その溶解度を超えて沈殿が発生し、それに見合った耐食性の向上は見られない。
【0020】
第1工程処理液の酸化剤供給源としては、例えば過硫酸、硝酸、亜硝酸、及び臭素酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩化合物などであり、これらを1種又は2種以上配合することにより供給される。酸化剤の含有量は0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.01〜0.1M/Lである。酸化剤濃度が0.001M/L未満の場合には、第1工程の処理効果が不充分となるので好ましくない。一方、その濃度は1.0M/Lを超えて添加しても、その効果が飽和してしまい経済的に無駄である。
【0021】
また、第1工程中でアルミニウム溶解抑制剤としてケイ酸ナトリウムの含有量は0.001〜1.0M/Lが好ましい。ケイ酸濃度が0.001M/L未満の場合には、ケイ酸がアルミニウムの溶解を抑制する効果が見られないことになる。一方、その濃度を超えて高くなると、その効果が飽和してしまい経済的に無駄である。
【0022】
本発明の第1工程処理液は、pHを10〜13、より好ましくは、11〜12.5の範囲に調整する。該処理液のpHが10以下の場合には、該処理液の反応性が低下するため、第1工程の処理効果が不充分となる傾向がある。一方、該処理液のpHが13を超える場合は、第1工程後に第2工程で得られた処理皮膜の耐食性は悪くなる。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムなどの1種又は2種以上の配合物が使用され、pHを調整する。
本発明の第1工程での処理温度は、20〜100℃、好ましくは、40〜80℃である。また、第1工程での処理時間は、5〜300秒が好ましく、さらに20〜60秒がより好ましい。処理時間が5秒未満の場合には、第1工程処理の効果が不充分となる傾向がある。また、処理時間が300秒を超えて長くなると、それに見合った耐食性の向上は見られないため、コストが上昇することになる。また、第1工程の処理方法として、浸漬法または噴霧法の両方法とも適用できる。なお、上記第1工程処理後の水洗は必要に応じて行われる。
【0023】
上記本発明の第2工程での処理液組成物は、リチウムイオン、炭酸イオン、酸化剤、酸素酸塩などを含有するアルカリ性水溶液からなることを特徴とする。
【0024】
第2工程でのアルカリ性水溶液(以下第2工程処理液と言う)のリチウムイオン供給源としては、例えば水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、および臭化リチウムなどであり、これらを1種又は2種以上を配合することにより供給される。
リチウムイオンの含有量は0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.05〜0.2M/Lである。リチウムイオン濃度が0.001M/L未満の場合には、処理皮膜の耐食性が不充分となるので好ましくない。一方、1.0M/Lを超えて添加しても、その効果が飽和してしまい経済的に無駄である。
【0025】
第2工程処理液の炭酸イオン供給源としては、例えば炭酸及び重炭酸のリチウム、ナトリウム及びカリウム化合物などであり、これらを1種又は2種以上配合することにより供給される。炭酸イオンの含有量は0.01〜1.0M/L、好ましくは、0.03〜0.1M/Lである。炭酸イオン濃度が0.01M/L未満の場合には、処理皮膜の耐食性が不充分となるので、好ましくない。一方、1.0M/Lを超えて添加しても、その溶解度を越えて沈殿が発生し、それに見合った耐食性の向上は見られない。
【0026】
第2工程処理液中最も重要な成分として酸化剤供給源は、例えば過硫酸、硝酸、亜硝酸、及び臭素酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩化合物などであり、これらを1種又は2種以上配合することにより供給される。酸化剤の含有量は0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.02〜0.2M/Lである。酸化剤濃度が0.001M/L未満の場合には、処理皮膜の耐食性が不充分となるので、好ましくない。一方、その濃度は1.0M/Lを超えて添加しても、その効果が飽和してしまい経済的に無駄である。
【0027】
第2工程処理液のpH調整においては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムなどの1種又は2種以上の配合によって、0.01〜5M/Lの添加量で、pHを10〜14、好ましくは、12.5〜13.5の第1工程処理液のpHより高い範囲に調整する。第2工程処理液のpH10以下、あるいは第1工程処理液のpHより低い場合には、第1工程処理により不動態化した表面処理液の反応性が低下するため、処理皮膜の耐食性が不充分となる傾向がある。
【0028】
第2工程処理液中の腐食抑制剤として酸素酸イオン供給源は、例えばモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、またはタングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、及びタングステン酸カリウムなどの1種又は2種以上の配合によって供給される。第2工程処理液中の酸素酸イオンの含有量は、0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.01〜0.05M/Lである。第2工程処理液中の酸素酸濃度が0.001M/L未満の場合には、酸素酸が処理皮膜耐食性を向上する効果が見られないことになる。また、その濃度は1.0M/Lを超えて高くなると、それに見合った耐食性向上は見られない。
【0029】
また、第2工程処理液中の腐食抑制剤として、リン酸イオン供給源はリン酸またはポリリン酸またはピロリン酸塩のアンモニウム、ナトリウム、及びカリウム化合物などの1種又は2種以上の配合によって供給される。第2工程処理液中のリン酸イオンの含有量は0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.005〜0.05M/Lである。第2工程処理液中のリン酸イオン濃度が0.001M/L未満の場合には、処理皮膜耐食性を向上する効果が見られないことになる。また、その濃度は、1.0M/Lを超えて高くなると、それに見合った耐食性の向上は見られない。
【0030】
第2工程処理液中に、アルミニウム溶解抑制剤として、0.001〜1.0M/L、好ましくは、0.01〜0.05M/Lのケイ酸ナトリウムを含有させると、素材の溶解量を低く抑えることができて、より好ましい。
【0031】
本発明の第2工程処理は、20〜100℃、好ましくは、40〜80℃の温度で行う。また、処理時間は5秒〜60分が好ましく、さらに2〜20分がより好ましい。処理時間が5秒未満の場合には、処理皮膜の耐食性は不充分となる傾向がある。また、処理時間が60分間を超えて長くなると、それに見合った耐食性の向上は見られないため、コストが上昇することになる。また、第2工程処理方法としては、浸漬法または噴霧法の両方法とも適用できる。
【0032】
【実施例】
実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに説明する。但し、本発明の範囲は、実施例により制限されるものではない。
【0033】
実施例1
被処理物としてA3000系アルミニウム合金板材の5×10cmの試験片を用いた。この試験片を清浄化→水洗→酸洗(脱スマット)→水洗→第1工程処理→水洗→第2工程処理→水洗→純水洗→80℃乾燥の工程で表面処理した。なお、処理過程の詳細は次のとおりである。
【0034】
まず、清浄化工程には日本パーカライジング(株)製アルカリ脱脂剤(商品名「FC−4498SK])の2重量%水溶液を用い、60℃の温度で1分間浸漬処理した。その後、10重量%の硫酸水溶液中で常温、1分間で脱スマット処理した。
【0035】
表面洗浄化後に、第1工程処理を行った。第1工程処理液として、0.05M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.05M/L硫酸リチウム、及び0.05M/L過硫酸ナトリウムの水溶液を調整した。処理条件は60℃、1分間とした。
【0036】
その後の第2工程処理は、0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.2M/L水酸化ナトリウム、及び0.05M/L過硫酸ナトリウムの水溶液を用いて、70℃、10分間で行った。
【0037】
実施例2
第2工程処理液を、0.05M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.05M/L硫酸リチウム、0.4M/L水酸化ナトリウム、及び0.05M/L硝酸ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は80℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0038】
実施例3
第2工程処理液を、0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.6M/L水酸化ナトリウム、及び0.05M/L過硫酸ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は60℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0039】
実施例4
第2工程処理液を、0.05M/L硝酸リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.05M/L硫酸リチウム、及び0.3M/L水酸化ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は80℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0040】
実施例5
第2工程処理液を、0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.2M/L水酸化ナトリウム、0.03M/L硝酸ナトリウム及び0.03M/L過硫酸ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は70℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0041】
実施例6
第2工程処理液を、0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.5M/L水酸化ナトリウム、及び0.05M/L臭素酸ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は65℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0042】
実施例7
第2工程処理液を、0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.2M/L水酸化ナトリウム、0.02M/Lモリブデン酸ナトリウム、及び0.05M/L過硫酸ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は70℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0043】
実施例8
第2工程処理液を、0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.2M/L水酸化ナトリウム、0.01M/Lピロリン酸ナトリウム、及び0.05M/L過硫酸ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は70℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0044】
実施例9
第1工程処理液を、0.075M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、0.03M/L過硫酸ナトリウム、及び0.02M/L硝酸ナトリウムの水溶液に調整し、第1工程処理条件は60℃、1分間とした以外は、実施例2と同様の処理を行った。
【0045】
実施例10
第1工程処理液を、0.05M/L硝酸リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、及び0.03M/L水酸化リチウムの水溶液に調整し、第1工程処理条件は70℃、1分間とした以外は、実施例3と同様の処理を行った。
【0046】
比較例1
表面洗浄工程は実施例1と同様に実施し、その後、第1工程処理を行わず、第2工程処理を行った。第2工程処理液は、米国特許第5266356号の処理液組成範囲と同様、0.075M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム及び0.05M/L硫酸リチウムの水溶液に調整した。第2工程処理条件は60℃、10分間とした。
【0047】
比較例2
第2工程処理液を、酸化剤を含有しない0.1M/L水酸化リチウム、0.05M/L炭酸リチウム、及び0.2M/L水酸化ナトリウムの水溶液に調整し、第2工程処理条件は70℃、10分間とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0048】
比較例3
第1工程処理を入れず、表面清浄化工程後すぐに第2工程処理に供した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
【0049】
比較例4
表面洗浄工程は実施例1と同様に行い、その後、クロメート化成処理を行った。処理液は日本パーカライジング(株)製クロメート化成処理剤(商品名「AM−713」)を用い、3.6重量%の水溶液に調整した。処理条件は50℃、40秒間とした。
【0050】
比較例5
表面洗浄工程は実施例1と同様に行い、その後、ジルコニウム系化成処理を行った。処理液は日本パーカライジング(株)製化成処理剤(商品名「AL−N405」)を用い、2重量%の水溶液に調整した。処理条件は60℃、1分間とした。
【0051】
上記実施例と比較例で処理したA3003試験片について、耐食性は塩水噴霧試験(250時間)で評価を行った。化成皮膜の耐孔食性は電位走査法による分極測定における、孔食電位で評価を行った。分極測定についてはPP製ろう斗を接着剤で試片表面に付けた測定セルを用いた。測定面積は1.13cm2である。分極測定は、測定液中に5分間浸漬し、自然電位が安定した後に行った。孔食電位はアノード分極曲線で電流密度が急に増加する電位あるいは電流値が10μAcm−2における電位とした。一般的に、孔食電位が高いほど化成皮膜の耐孔食性はより高いと考えられる。測定液は通気した300ppm塩素イオン含有水溶液を用いた。分極測定は室温で1mV/sの掃引速度で行った。また飽和カロメル電極(SCE)を基準電極とした。評価の結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示すように、米国特許第5266356号の組成範囲の化成処理液(比較例1)で処理した試験板の孔食電位は−500mVと低いレベルであり、250時間塩水噴霧試験で全面腐食が発生したことから、従来のLi処理技術では、耐食性が不充分であることが認められた。
【0054】
本発明の皮膜の耐食性に及ぼす酸化剤添加の効果は、実施例1と比較例2の結果が示している。酸化剤を添加した実施例1で得られた皮膜は孔食電位が大幅に向上し、250時間塩水噴霧試験でも腐食が発生せず、不動態電位での皮膜の生長の効果が認められた。
【0055】
本発明は強アルカリ化成液中における不動態化電位範囲での皮膜生成方法であるが、第2工程処理初期に表面洗浄したアルミニウムの激しい溶解を抑制するためには、表面の不動態化を主な目的とする本発明中の第1工程処理は不可欠である。実施例1と比較例3の耐食性比較から、第1工程処理無しでは皮膜中の欠陥は多くなり、耐食性も劣化することがわかる。
【0056】
酸化剤を添加し、かつ第1工程処理を含む本発明の実施例1〜10においては、耐孔食性が従来のリチウム系化成皮膜である比較例1及び酸化ジルコニウム皮膜である比較例5より大幅に向上した。本発明のいずれの実施例の処理皮膜も、比較例4のクロメート皮膜と同じで、250時間塩水噴霧で腐食が発生せず、優れた耐食性が認められた。
【0057】
比較例4のクロメート処理は、孔食電位が低いにもかかわらず優れた耐食性を有するが、これはクロメート処理皮膜が自己修復機能を有するためであり、本発明の耐孔食性発現機構とは全く異なるものである。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明のように、リチウム−炭酸系混合液中に酸化剤を添加することによって不動態電位領域で処理皮膜を生長させる本発明の表面処理方法は、アルミニウム合金表面に優れた耐食性皮膜を生成させることができる。さらに、本発明の表面処理方法は、6価クロムイオンやフッ素イオンなどの環境に悪影響を及ぼす有害物を含有せず、耐食性処理皮膜層を、比較的低温で、かつ比較的短い処理時間で形成することが可能となる。
Claims (13)
- アルミニウム及びアルミニウム合金材の表面を洗浄後に、該表面をリチウムイオンを含有するアルカリ性水溶液に接触させる第1工程、前記第1工程後に、さらにリチウムイオンを含有し、第1工程での前記アルカリ性水溶液よりも高いアルカリ度を有するアルカリ性水溶液に接触させて処理皮膜を形成させる第2工程を含むことを特徴とする耐食性、特に耐孔食性に優れたアルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理方法。
- 前記第1工程で用いられるアルカリ性水溶液が、0.001〜1.0M/Lの含有量のリチウムイオンと、0.001〜1.0M/Lの含有量の炭酸イオンと、0.001〜1.0M/Lの含有量の酸化剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
- 前記第1工程で用いられるアルカリ性水溶液に含有されるリチウムイオンの供給源である化合物が、リチウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、過硫酸塩、塩化塩、臭化塩及び臭素酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の表面処理方法。
- 前記炭酸イオンの供給源である化合物が、炭酸及び重炭酸のリチウム、ナトリウム、及びカリウム化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の表面処理方法。
- 前記酸化剤が、過硫酸、硝酸、亜硝酸、及び臭素酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の表面処理方法。
- 前記第1工程で用いられるアルカリ性水溶液が、さらに0.001〜1.0M/Lの珪酸塩化合物を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の表面処理方法。
- 前記第1工程で用いられるアルカリ性水溶液のpHを10〜13の範囲に調整し、かつ、該液の温度を20℃以上、100℃以下に調整し、5秒〜5分間浸漬または噴霧によってアルミニウム及びアルミニウム合金表面に接触させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面処理方法。
- 前記第2工程で用いられるアルカリ性水溶液が、0.001〜1.0M/Lの含有量のリチウムイオンと、0.01〜1.0M/Lの含有量の炭酸イオンと、0.001〜1.0M/Lの含有量の酸化剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
- 前記リチウムイオンの供給源である化合物が、リチウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、過硫酸塩、塩化塩、臭化塩及び臭素酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項8に記載の表面処理方法。
- 前記第2工程で用いられる炭酸イオンの供給源である化合物が、炭酸及び重炭酸のリチウム、ナトリウム、及びカリウム化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項8に記載の表面処理方法。
- 前記第2工程で用いられる酸化剤が、過硫酸、硝酸、亜硝酸、及び臭素酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩化合物
からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項8に記載の表面処理方法。 - 前記第2工程で用いられるアルカリ性水溶液が、さらに腐食抑制剤としてモリブデン酸又はタングステン酸のアンモニウム、ナトリウム、及びカリウム化合物、又はリン酸又はポリリン酸またはピロリン酸塩のアンモニウム、ナトリウム、及びカリウム化合物から選ばれた少なくとも1種を含有する請求項8〜11のいずれか1項に記載の表面処理方法。
- 前記第2工程のアルカリ性水溶液のpHを10〜14の範囲に調整し、かつ、該液の温度を20℃以上、100℃以下に調整し、5秒〜60分間浸漬または噴霧によってアルミニウムおよびアルミニウム合金表面に接触させることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の表面処理方法。
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