JP3333331B2 - 吸収式冷温水機用オ−ステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
吸収式冷温水機用オ−ステナイト系ステンレス鋼Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式冷温水機の装置
構成用材料に関し、より具体的には、吸収剤として各種
ハロゲン化アルカリを含む水溶液組成物又は吸収剤とし
て各種ハロゲン化アルカリ及び硝酸塩を含む水溶液組成
物を作動媒体として使用する吸収式冷温水機用オ−ステ
ナイト系ステンレス鋼に関する。
構成用材料に関し、より具体的には、吸収剤として各種
ハロゲン化アルカリを含む水溶液組成物又は吸収剤とし
て各種ハロゲン化アルカリ及び硝酸塩を含む水溶液組成
物を作動媒体として使用する吸収式冷温水機用オ−ステ
ナイト系ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷温水機(吸収式ヒ−トポンプ)
に使用される作動媒体としては、これまで水とアンモニ
アとの組み合わせからなるもの、水とハロゲン化物との
組み合わせからなるもの等種々のものが提案されてきて
いるが、我が国においては現実には専ら水と臭化リチウ
ムとからなる系(「水−LiBr」系)が使用されてい
る。この水−LiBr系の作動媒体は、安定性、腐食
性、価格等に関して優れているため従来から採用されて
きたが、結晶限界に基づく性能上の限界があることか
ら、その結晶限界を緩和する試みや提案がいろいろと行
われてきている。
に使用される作動媒体としては、これまで水とアンモニ
アとの組み合わせからなるもの、水とハロゲン化物との
組み合わせからなるもの等種々のものが提案されてきて
いるが、我が国においては現実には専ら水と臭化リチウ
ムとからなる系(「水−LiBr」系)が使用されてい
る。この水−LiBr系の作動媒体は、安定性、腐食
性、価格等に関して優れているため従来から採用されて
きたが、結晶限界に基づく性能上の限界があることか
ら、その結晶限界を緩和する試みや提案がいろいろと行
われてきている。
【0003】例えば、特公昭61−52738号公報に
おいては、水と臭化リチウムとからなる系について、こ
れにヨウ化リチウムを加え、その量的割合として臭化リ
チウムを70〜99モル%、ヨウ化リチウムを1〜30
モル%とすることにより、臭化リチウム水溶液に比べて
蒸気圧降下が大きく、また結晶化温度が低くなり、この
吸収液の使用によって吸収冷暖房機の性能向上及び吸収
液の固化などの不具合の発生を抑制することが可能とな
ったというものである。
おいては、水と臭化リチウムとからなる系について、こ
れにヨウ化リチウムを加え、その量的割合として臭化リ
チウムを70〜99モル%、ヨウ化リチウムを1〜30
モル%とすることにより、臭化リチウム水溶液に比べて
蒸気圧降下が大きく、また結晶化温度が低くなり、この
吸収液の使用によって吸収冷暖房機の性能向上及び吸収
液の固化などの不具合の発生を抑制することが可能とな
ったというものである。
【0004】また特公平5−28749号公報では、発
生器、凝縮器、蒸発器及び吸収器よりなる吸収冷凍機に
使用される吸収液において、臭化リチウム、ヨウ化リチ
ウム及び塩化リチウムが、重量比で臭化リチウム1:ヨ
ウ化リチウム0.1〜1.0:塩化リチウム0.05〜
0.50で混合された混合物を含む吸収剤を、冷媒とし
ての水に溶解させた水溶液からなる吸収冷凍機用吸収液
が提案され、これにより高濃度で且つ晶析温度の低い吸
収液が提供できたとしている。
生器、凝縮器、蒸発器及び吸収器よりなる吸収冷凍機に
使用される吸収液において、臭化リチウム、ヨウ化リチ
ウム及び塩化リチウムが、重量比で臭化リチウム1:ヨ
ウ化リチウム0.1〜1.0:塩化リチウム0.05〜
0.50で混合された混合物を含む吸収剤を、冷媒とし
ての水に溶解させた水溶液からなる吸収冷凍機用吸収液
が提案され、これにより高濃度で且つ晶析温度の低い吸
収液が提供できたとしている。
【0005】しかし、水−LiBr系の作動媒体は、そ
の結晶限界がさらに緩和されれば、吸収液の濃度幅を
広げることができ、それにより溶液の循環量が減少し、
溶液ポンプの小型化、省電力等が図られ、また吸収器
において吸収溶液の温度を高くできることから、吸収器
の小型化を図ることができ、緩和効果が大きければ空冷
の可能性もでてくるだけでなく、温水機として使う場合
により高温の温水が得られ、さらには蒸発器の蒸発温
度を低下できるため、冷水機としてより低温の冷水が得
られ、温水機としてはより低温の低温熱源を利用できる
等の多くの性能改善が期待できるものである。
の結晶限界がさらに緩和されれば、吸収液の濃度幅を
広げることができ、それにより溶液の循環量が減少し、
溶液ポンプの小型化、省電力等が図られ、また吸収器
において吸収溶液の温度を高くできることから、吸収器
の小型化を図ることができ、緩和効果が大きければ空冷
の可能性もでてくるだけでなく、温水機として使う場合
により高温の温水が得られ、さらには蒸発器の蒸発温
度を低下できるため、冷水機としてより低温の冷水が得
られ、温水機としてはより低温の低温熱源を利用できる
等の多くの性能改善が期待できるものである。
【0006】本出願人は、水−LiBr系作動媒体のう
ちでも、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウ
ムを主成分とする系について、上記両公報で設定してい
る組成範囲とは全く別異の箇所に吸収液としてきわめて
有効な特異な範囲があることをつきとめ、先に提案して
いる(特願平6−95749号)。この水溶液組成物
(水+吸収液)では、その結晶限界を大幅に緩和し、上
記〜等の諸利点を備え、十分実用に耐えるものであ
るが、このような高性能吸収液は、吸収式冷温水機用と
して例えば60重量%という濃厚混合Li塩水溶液とし
て用いられ、また目的に応じ最高約200℃程度以上と
いう苛酷な操作温度条件下で使用されるものである。
ちでも、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウ
ムを主成分とする系について、上記両公報で設定してい
る組成範囲とは全く別異の箇所に吸収液としてきわめて
有効な特異な範囲があることをつきとめ、先に提案して
いる(特願平6−95749号)。この水溶液組成物
(水+吸収液)では、その結晶限界を大幅に緩和し、上
記〜等の諸利点を備え、十分実用に耐えるものであ
るが、このような高性能吸収液は、吸収式冷温水機用と
して例えば60重量%という濃厚混合Li塩水溶液とし
て用いられ、また目的に応じ最高約200℃程度以上と
いう苛酷な操作温度条件下で使用されるものである。
【0007】吸収式冷温水機は、基本的には再生器、凝
縮器、蒸発器、吸収器及びこれらを連結する配管からな
り、これら各装置及び配管は、軟鋼その他の炭素鋼系材
料、銅、キュプロニッケルその他の銅系材料等の種々の
材料で構成されており、最近では、そのような高濃度の
作動媒体や高温等の過酷な操作条件下、その炭素鋼系材
料が使えない場合等の代替材料として、ステンレス鋼系
の材料を用いることも検討されているが、炭素鋼系材料
や銅系材料と同様、ステンレス鋼系の材料についても、
これらに対する腐食の問題には充分に配慮されなければ
ならない。
縮器、蒸発器、吸収器及びこれらを連結する配管からな
り、これら各装置及び配管は、軟鋼その他の炭素鋼系材
料、銅、キュプロニッケルその他の銅系材料等の種々の
材料で構成されており、最近では、そのような高濃度の
作動媒体や高温等の過酷な操作条件下、その炭素鋼系材
料が使えない場合等の代替材料として、ステンレス鋼系
の材料を用いることも検討されているが、炭素鋼系材料
や銅系材料と同様、ステンレス鋼系の材料についても、
これらに対する腐食の問題には充分に配慮されなければ
ならない。
【0008】また、吸収式冷温水機においては、順調な
運転を維持するため、系全体を完全な気密状態に保つ必
要があり、この事は、同時に系の防食のためにも非常に
重要なことであるが、それでもなおその作動媒体として
臭化リチウムや塩化リチウム等の濃厚混合Li塩水溶液
を使用する場合、この作動媒体は吸収式冷温水機を構成
する前述諸装置の主要構成材料である鉄系材料や銅系材
料に対して腐食性を有し、このため通常腐食防止用のイ
ンヒビタ−の添加が必要不可欠である。
運転を維持するため、系全体を完全な気密状態に保つ必
要があり、この事は、同時に系の防食のためにも非常に
重要なことであるが、それでもなおその作動媒体として
臭化リチウムや塩化リチウム等の濃厚混合Li塩水溶液
を使用する場合、この作動媒体は吸収式冷温水機を構成
する前述諸装置の主要構成材料である鉄系材料や銅系材
料に対して腐食性を有し、このため通常腐食防止用のイ
ンヒビタ−の添加が必要不可欠である。
【0009】このインヒビタ−としては、これまでクロ
ム酸リチウム等のクロム酸塩、モリブデン酸リチウム等
のモリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、硝酸
塩、アゾ−ル類、アミン類等が提案されているが、例え
ば特開平1−174588号公報では、特に腐食性が強
い吸収液として「ヨウ化リチウム等を含むハロゲン化リ
チウム塩水溶液」が指摘され、その吸収液では、従来の
インヒビタ−だけでは腐食抑制効果が十分ではなかった
ところ、これをアンチモン化合物、特に三酸化二アンチ
モンを添加することにより解決したとしている。
ム酸リチウム等のクロム酸塩、モリブデン酸リチウム等
のモリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、硝酸
塩、アゾ−ル類、アミン類等が提案されているが、例え
ば特開平1−174588号公報では、特に腐食性が強
い吸収液として「ヨウ化リチウム等を含むハロゲン化リ
チウム塩水溶液」が指摘され、その吸収液では、従来の
インヒビタ−だけでは腐食抑制効果が十分ではなかった
ところ、これをアンチモン化合物、特に三酸化二アンチ
モンを添加することにより解決したとしている。
【0010】しかし、そこで吸収剤の成分としてヨウ化
リチウム等を添加するのは、化合物としてのヨウ化リチ
ウム等自体の特性を利用するものであるから、これを用
いる吸収式冷温水機の作動中に、遊離、生成したヨウ素
を元のヨウ素イオンに戻すというのではなく、ヨウ素が
遊離、生成すること自体を抑制する必要があり、またそ
の生成をでき得れば皆無とするのが望ましい。
リチウム等を添加するのは、化合物としてのヨウ化リチ
ウム等自体の特性を利用するものであるから、これを用
いる吸収式冷温水機の作動中に、遊離、生成したヨウ素
を元のヨウ素イオンに戻すというのではなく、ヨウ素が
遊離、生成すること自体を抑制する必要があり、またそ
の生成をでき得れば皆無とするのが望ましい。
【0011】本発明者等は、このような観点から、これ
まで提案されてきた水を冷媒とし、ヨウ化リチウム等の
ヨウ素化合物を含有するハロゲン化物を吸収剤とする種
々の水溶液組成物について、各種観察を続けた結果、そ
の水溶液組成物中にヨウ素が遊離し易いこと、そしてこ
れは特に硝酸塩を含む場合に顕著であり、またヨウ化リ
チウムを含む水溶液中の遊離ヨウ素が、同液中に浸漬さ
れているステンレス鋼のすき間腐食を著しく促進する事
実を見出したが、これら事実は正にヨウ素が遊離するこ
と自体を抑制する必要性を裏付けているものである。
まで提案されてきた水を冷媒とし、ヨウ化リチウム等の
ヨウ素化合物を含有するハロゲン化物を吸収剤とする種
々の水溶液組成物について、各種観察を続けた結果、そ
の水溶液組成物中にヨウ素が遊離し易いこと、そしてこ
れは特に硝酸塩を含む場合に顕著であり、またヨウ化リ
チウムを含む水溶液中の遊離ヨウ素が、同液中に浸漬さ
れているステンレス鋼のすき間腐食を著しく促進する事
実を見出したが、これら事実は正にヨウ素が遊離するこ
と自体を抑制する必要性を裏付けているものである。
【0012】このような事実を基にし、ステンレス鋼系
材料を構成材質とする吸収式冷温水機において使用す
る、水を冷媒とし吸収剤成分としてヨウ化物を含む水溶
液組成物において、その水溶液組成物に還元剤として亜
硫酸水素ナトリウムを添加すること、また還元剤として
この亜硫酸水素ナトリウムと同等又はさらに有効なチオ
硫酸ナトリウムを添加することにより、ヨウ素が遊離、
生成すること自体を抑制ないし皆無とする方法を開発し
提案している(特願平5−346533号、特願平6−
143944号)。
材料を構成材質とする吸収式冷温水機において使用す
る、水を冷媒とし吸収剤成分としてヨウ化物を含む水溶
液組成物において、その水溶液組成物に還元剤として亜
硫酸水素ナトリウムを添加すること、また還元剤として
この亜硫酸水素ナトリウムと同等又はさらに有効なチオ
硫酸ナトリウムを添加することにより、ヨウ素が遊離、
生成すること自体を抑制ないし皆無とする方法を開発し
提案している(特願平5−346533号、特願平6−
143944号)。
【0013】一方、本発明者等は、これまで数多くの試
験鋼を試作して海水等の塩水中におけるステンレス鋼の
耐腐食性ついての研究、検討を行い、耐海水等用を目的
としてNaCl等の中性塩化物環境における耐応力腐食
割れ(耐SCC)性に優れたオ−ステナイト系ステンレ
ス鋼を開発してきているが〔「防食技術」39、p.3
09−314(1990)、等〕、この成果等からする
と、吸収式冷温水機の諸機器や配管用としてステンレス
鋼系材料を使用する場合、その候補としてはオ−ステナ
イト系ステンレス鋼を挙げることができる。
験鋼を試作して海水等の塩水中におけるステンレス鋼の
耐腐食性ついての研究、検討を行い、耐海水等用を目的
としてNaCl等の中性塩化物環境における耐応力腐食
割れ(耐SCC)性に優れたオ−ステナイト系ステンレ
ス鋼を開発してきているが〔「防食技術」39、p.3
09−314(1990)、等〕、この成果等からする
と、吸収式冷温水機の諸機器や配管用としてステンレス
鋼系材料を使用する場合、その候補としてはオ−ステナ
イト系ステンレス鋼を挙げることができる。
【0014】しかし、吸収式冷温水機における前述のよ
うな高温且つ濃厚吸収液環境下においては、オ−ステナ
イト系ステンレス鋼でさえ、これに局部腐食が起こった
場合応力腐食割れ(SCC)が生じることが懸念され、
その吸収液環境下でこのステンレス鋼にすきま腐食が起
こることは避けえないものと考えられる。このため塩水
中等における上記耐海水等用として開発した開発鋼が吸
収液環境に対して直ちに適用し得るものではない。
うな高温且つ濃厚吸収液環境下においては、オ−ステナ
イト系ステンレス鋼でさえ、これに局部腐食が起こった
場合応力腐食割れ(SCC)が生じることが懸念され、
その吸収液環境下でこのステンレス鋼にすきま腐食が起
こることは避けえないものと考えられる。このため塩水
中等における上記耐海水等用として開発した開発鋼が吸
収液環境に対して直ちに適用し得るものではない。
【0015】そこで本発明においては、その吸収液環境
下におけるSCC臨界温度を個々に求め、濃厚混合Li
塩を用いる吸収式冷温水機用構成材料としてのオ−ステ
ナイト系ステンレス鋼の適否について実験、検討をして
いるうち、そのステンレス鋼系材料について、微量成分
を含めたその成分組成についてさらに工夫をすることに
より、その吸収液環境下において優れた耐腐食特性を有
する吸収式冷温水機用構成材料が得られることを見い出
し、本発明に到達するに至ったものである。
下におけるSCC臨界温度を個々に求め、濃厚混合Li
塩を用いる吸収式冷温水機用構成材料としてのオ−ステ
ナイト系ステンレス鋼の適否について実験、検討をして
いるうち、そのステンレス鋼系材料について、微量成分
を含めたその成分組成についてさらに工夫をすることに
より、その吸収液環境下において優れた耐腐食特性を有
する吸収式冷温水機用構成材料が得られることを見い出
し、本発明に到達するに至ったものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
その作動媒体として、吸収剤成分として臭化アルカリ、
ヨウ化アルカリ、塩化アルカリ等のハロゲン化アルカリ
を含む水溶液組成物又はこれらハロゲン化アルカリと硝
酸塩を含む水溶液組成物を使用する吸収式冷温水機用と
して作動温度200℃以上においても優れた耐腐食性を
有するオ−ステナイト系ステンレス鋼からなる構成材料
を提供することを目的とする。
その作動媒体として、吸収剤成分として臭化アルカリ、
ヨウ化アルカリ、塩化アルカリ等のハロゲン化アルカリ
を含む水溶液組成物又はこれらハロゲン化アルカリと硝
酸塩を含む水溶液組成物を使用する吸収式冷温水機用と
して作動温度200℃以上においても優れた耐腐食性を
有するオ−ステナイト系ステンレス鋼からなる構成材料
を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、Si:1.0
%以下、Mn:2.0%以下、P:0.02%以下、N
i:7〜25%、Cr:10〜20%、Mo:3.0%
以下、Cu:1.0〜3.0%、Al:0.5〜2.5
%(なお、%は「重量%」であり、この点本明細書中特
に言及しない限り同じ)、残部Fe及び不可避不純物か
らなることを特徴とする作動媒体としてハロゲン化アル
カリを含む水溶液組成物を使用する吸収式冷温水機用オ
−ステナイト系ステンレス鋼を提供するものである。
%以下、Mn:2.0%以下、P:0.02%以下、N
i:7〜25%、Cr:10〜20%、Mo:3.0%
以下、Cu:1.0〜3.0%、Al:0.5〜2.5
%(なお、%は「重量%」であり、この点本明細書中特
に言及しない限り同じ)、残部Fe及び不可避不純物か
らなることを特徴とする作動媒体としてハロゲン化アル
カリを含む水溶液組成物を使用する吸収式冷温水機用オ
−ステナイト系ステンレス鋼を提供するものである。
【0018】本発明に係る上記オ−ステナイト系ステン
レス鋼は、市販のオ−ステナイト系ステンレス鋼に対し
てCuの添加、P量の低減、AlとCuとを複合添加し
たもの等に相当するものであり、本発明ではこれらの点
により海水等の中性塩化物環境と同様、吸収式冷温水機
の吸収液環境においても耐応力腐食割れ(耐SCC)性
を有効に改善したものである。
レス鋼は、市販のオ−ステナイト系ステンレス鋼に対し
てCuの添加、P量の低減、AlとCuとを複合添加し
たもの等に相当するものであり、本発明ではこれらの点
により海水等の中性塩化物環境と同様、吸収式冷温水機
の吸収液環境においても耐応力腐食割れ(耐SCC)性
を有効に改善したものである。
【0019】また、上記特定の成分組成からなるオ−ス
テナイト系ステンレス鋼は、吸収式冷温水機を構成する
各種装置(機器)すなわち再生器、凝縮器、蒸発器、吸
収器及びポンプその他の要素機器、またこれらを連結す
る配管等を構成する材料として適用できるものであり、
これら両ステンレス鋼は、オ−ステナイト系ステンレス
鋼を製造するに際して通常とられる製造法により製造す
ることができる。
テナイト系ステンレス鋼は、吸収式冷温水機を構成する
各種装置(機器)すなわち再生器、凝縮器、蒸発器、吸
収器及びポンプその他の要素機器、またこれらを連結す
る配管等を構成する材料として適用できるものであり、
これら両ステンレス鋼は、オ−ステナイト系ステンレス
鋼を製造するに際して通常とられる製造法により製造す
ることができる。
【0020】また、これら両オ−ステナイト系ステンレ
ス鋼は、その作動媒体としてハロゲン化アルカリを含む
水溶液組成物を使用する場合に適用できるが、特に「吸
収剤成分としてヨウ化物を含む水溶液組成物」又は「吸
収剤成分としてヨウ化物及び硝酸塩を含む水溶液組成
物」を用いる場合にも優れた耐腐食性を示し、有効に適
用することができる。そしてこの点は、作動媒体とし
て、これら水溶液組成物に補足成分例えば前述インヒビ
タ−や亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の
還元剤を添加して使用する場合についても同様である。
ス鋼は、その作動媒体としてハロゲン化アルカリを含む
水溶液組成物を使用する場合に適用できるが、特に「吸
収剤成分としてヨウ化物を含む水溶液組成物」又は「吸
収剤成分としてヨウ化物及び硝酸塩を含む水溶液組成
物」を用いる場合にも優れた耐腐食性を示し、有効に適
用することができる。そしてこの点は、作動媒体とし
て、これら水溶液組成物に補足成分例えば前述インヒビ
タ−や亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の
還元剤を添加して使用する場合についても同様である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されるものでないことは勿論であ
る。まず、本実施例において試験に供した20種類のス
テンレス鋼の化学組成を表1に示す。表1中1〜7は所
期の特性が得られなかった比較鋼としてのオ−ステナイ
トステンレス鋼であり、8〜20は所期の特性が得られ
た本発明に係る開発鋼である。これらは何れも従来のオ
−ステナイト系ステンレス鋼の場合と同様にして製造
し、厚さ約3mmの板に圧延し、温度1050℃で15
分間保持した後、水焼き入れによる溶体化処理を施した
ものである。
がこの実施例に限定されるものでないことは勿論であ
る。まず、本実施例において試験に供した20種類のス
テンレス鋼の化学組成を表1に示す。表1中1〜7は所
期の特性が得られなかった比較鋼としてのオ−ステナイ
トステンレス鋼であり、8〜20は所期の特性が得られ
た本発明に係る開発鋼である。これらは何れも従来のオ
−ステナイト系ステンレス鋼の場合と同様にして製造
し、厚さ約3mmの板に圧延し、温度1050℃で15
分間保持した後、水焼き入れによる溶体化処理を施した
ものである。
【0022】これらの各供試鋼を用いて、それぞれスポ
ット溶接試験片を作成した。その形状、構造を図1
(a)、(b)に示す。図1(a)は側面図、図1
(b)は正面図であり、図中に記載の数値はmm単位で
示した各部の寸法である。図示のとおり、厚さ1mmの
40×20mm2及び20×10mm2の大小2枚の鋼板
を、表面をSiC紙を用いて#800まで湿式研磨し、
両者を重ね合わせて2点のスポット溶接を施すことによ
り、すきまと残留応力の両者を付与したものである。
ット溶接試験片を作成した。その形状、構造を図1
(a)、(b)に示す。図1(a)は側面図、図1
(b)は正面図であり、図中に記載の数値はmm単位で
示した各部の寸法である。図示のとおり、厚さ1mmの
40×20mm2及び20×10mm2の大小2枚の鋼板
を、表面をSiC紙を用いて#800まで湿式研磨し、
両者を重ね合わせて2点のスポット溶接を施すことによ
り、すきまと残留応力の両者を付与したものである。
【0023】一方、試験液として60%LiXs+0.
2%LiOH(LiXsはモル比でLiBr:LiI:
LiCl:LiNO3 =100:75:41:25)
に、液中に生成しているI2を還元する目的でNaHS
O3を650ppm加えたものを使用した(試験液の沸
点:152℃)。この試験液をテフロンライニングを施
したTi製のオ−トクレ−ブに入れ、試験片を浸漬し密
閉後N2 ガスを用いてオ−トクレ−ブ内の圧力を2kg
/cm2とした。
2%LiOH(LiXsはモル比でLiBr:LiI:
LiCl:LiNO3 =100:75:41:25)
に、液中に生成しているI2を還元する目的でNaHS
O3を650ppm加えたものを使用した(試験液の沸
点:152℃)。この試験液をテフロンライニングを施
したTi製のオ−トクレ−ブに入れ、試験片を浸漬し密
閉後N2 ガスを用いてオ−トクレ−ブ内の圧力を2kg
/cm2とした。
【0024】次に、各供試鋼の「すきま再不動態化電位
(ER.CREV)」の測定を以下のようにして行った。試験
片をオ−トクレ−ブ中の試験液に浸漬し、オ−トクレ−
ブを密閉してから、温度を150℃まで昇温した。最初
の保持電位を−200mV.SCE程度にし、+10m
V/10minで貴化させた。試験片電流が10mAに
達したらこの値を10h(10時間)保持するように電
位を操作した後、−10mV/60minで電位を卑化
させた。こうして試験片電流がはじめてカソ−ディック
になった電位をER.CREVとした。
(ER.CREV)」の測定を以下のようにして行った。試験
片をオ−トクレ−ブ中の試験液に浸漬し、オ−トクレ−
ブを密閉してから、温度を150℃まで昇温した。最初
の保持電位を−200mV.SCE程度にし、+10m
V/10minで貴化させた。試験片電流が10mAに
達したらこの値を10h(10時間)保持するように電
位を操作した後、−10mV/60minで電位を卑化
させた。こうして試験片電流がはじめてカソ−ディック
になった電位をER.CREVとした。
【0025】その後、自然電位に保ったまま試験温度ま
で昇温し、室温の飽和甘電極(SCE)に照合して定電
位に72h(72時間)保持した。なお試験液と照合電
極との液洛には多孔質ガラスを圧力緩衝材として用い
た。保持電位は原則として同試験片を用いて測定した前
記「すきま再不動態化電位(ER.CREV)」の直上とした
〔例えば試験番号8では(−170)−(−150)=
20mV貴とした〕。
で昇温し、室温の飽和甘電極(SCE)に照合して定電
位に72h(72時間)保持した。なお試験液と照合電
極との液洛には多孔質ガラスを圧力緩衝材として用い
た。保持電位は原則として同試験片を用いて測定した前
記「すきま再不動態化電位(ER.CREV)」の直上とした
〔例えば試験番号8では(−170)−(−150)=
20mV貴とした〕。
【0026】これは、前述耐SCC鋼の開発に際して中
性塩化物水溶液中で行った割れ試験では、SCCを起こ
す温度ではER.CREV直上の20〜30mVの電位域で最
も割れやすく、この電位域で割れなかった場合はより貴
な電位でも割れなかったことにより、これを目安にした
ものである。しかし、吸収液(試験液)中ではこの電位
に数日保持してもすきま腐食が開始しない場合も多く、
このような場合は約10mV/60minの速度で貴方
向に掃引し、試片電流が経時的に増加傾向を示したもっ
とも卑な電位に保持した。
性塩化物水溶液中で行った割れ試験では、SCCを起こ
す温度ではER.CREV直上の20〜30mVの電位域で最
も割れやすく、この電位域で割れなかった場合はより貴
な電位でも割れなかったことにより、これを目安にした
ものである。しかし、吸収液(試験液)中ではこの電位
に数日保持してもすきま腐食が開始しない場合も多く、
このような場合は約10mV/60minの速度で貴方
向に掃引し、試片電流が経時的に増加傾向を示したもっ
とも卑な電位に保持した。
【0027】
【表 1】
【0028】試験終了後、溶接ナゲット(nugge
t)をその厚さよりやや小さい直径のドリルでくりぬ
き、大小2枚の板片に分離した後、各々のすきま面を走
査型電子顕微鏡(SEM)で観察して割れの有無を調べ
た。局部腐食を起点としてとり、割れ長さが数10μm
以上、深さも十分にあるものを割れとした。分離した大
小二つの試験片のすきま面をすべて調べて割れが一つも
発見されなかったものを割れなしの試験片とした。
t)をその厚さよりやや小さい直径のドリルでくりぬ
き、大小2枚の板片に分離した後、各々のすきま面を走
査型電子顕微鏡(SEM)で観察して割れの有無を調べ
た。局部腐食を起点としてとり、割れ長さが数10μm
以上、深さも十分にあるものを割れとした。分離した大
小二つの試験片のすきま面をすべて調べて割れが一つも
発見されなかったものを割れなしの試験片とした。
【0029】その観察結果を各試験片の組成に対応させ
て表1に示している。表1中、○印は「割れなし」、×
印は「割れあり」の意味である。表示のとおり、本発明
に係る試験番号8〜20の試験片の臨界温度は何れも2
00℃以上であり、吸収式冷温水機の実機における腐食
に十分に耐え、その構成材料としてきわめて有効に適用
し得ることを示している。
て表1に示している。表1中、○印は「割れなし」、×
印は「割れあり」の意味である。表示のとおり、本発明
に係る試験番号8〜20の試験片の臨界温度は何れも2
00℃以上であり、吸収式冷温水機の実機における腐食
に十分に耐え、その構成材料としてきわめて有効に適用
し得ることを示している。
【0030】
【発明の効果】オ−ステナイト系ステンレス鋼では、C
uの添加、P量の低減、AlとCuの複合添加等は、吸
収式冷温水機の吸収液環境でも耐応力腐食割れ(耐SC
C)性の改善にきわめて有効である。本発明に係る市販
鋼であるSUS316L鋼の臨界温度は吸収式冷温水機
(実機)における使用温度範囲をカバ−できないのに対
し、本発明に係るオ−ステナイト系ステンレス開発鋼の
臨界温度は200℃を越え、実機における使用に際して
応力腐食割れ(SCC)の懸念はなく、優れた耐食性を
備え、その構成材料として有効に適用することができ
る。
uの添加、P量の低減、AlとCuの複合添加等は、吸
収式冷温水機の吸収液環境でも耐応力腐食割れ(耐SC
C)性の改善にきわめて有効である。本発明に係る市販
鋼であるSUS316L鋼の臨界温度は吸収式冷温水機
(実機)における使用温度範囲をカバ−できないのに対
し、本発明に係るオ−ステナイト系ステンレス開発鋼の
臨界温度は200℃を越え、実機における使用に際して
応力腐食割れ(SCC)の懸念はなく、優れた耐食性を
備え、その構成材料として有効に適用することができ
る。
【図1】実施例で用いたスポット溶接試験片の形状、構
造の概略を示す図。
造の概略を示す図。
1 鋼板(大) 2 鋼板(小) 3 スポット溶接部 4 浸漬液面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−159351(JP,A) 特開 昭52−99917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60
Claims (1)
- 【請求項1】 吸収剤成分であるハロゲン化アルカリと
してヨウ化リチウムを含み且つ硝酸塩を含む水溶液組成
物を作動媒体として使用する吸収式冷温水機用オ−ステ
ナイト系ステンレス鋼であって、重量比で、C:0.0
18〜0.030%、Si:1.0%以下、Mn:2.
0%以下、P:0.02%以下、Ni:7〜25%、C
r:10〜20%、Mo:3.0%以下、Cu:1.0
〜3.0%、Al:0.5〜2.5%、残部Fe及び不
可避不純物からなることを特徴とする吸収式冷温水機用
オ−ステナイト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25138694A JP3333331B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 吸収式冷温水機用オ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25138694A JP3333331B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 吸収式冷温水機用オ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0885852A JPH0885852A (ja) | 1996-04-02 |
| JP3333331B2 true JP3333331B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=17222073
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25138694A Expired - Fee Related JP3333331B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 吸収式冷温水機用オ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3333331B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-19 JP JP25138694A patent/JP3333331B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0885852A (ja) | 1996-04-02 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |