JP2955474B2 - 吸収式冷凍機の運転方法及び吸収冷凍機用吸収液 - Google Patents

吸収式冷凍機の運転方法及び吸収冷凍機用吸収液

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JP2955474B2 JP6209439A JP20943994A JP2955474B2 JP 2955474 B2 JP2955474 B2 JP 2955474B2 JP 6209439 A JP6209439 A JP 6209439A JP 20943994 A JP20943994 A JP 20943994A JP 2955474 B2 JP2955474 B2 JP 2955474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式エアコンの吸収
液としてヨウ化物を含まないリチウムブロマイド(Li
Br)水溶液を使用し、機器を構成する材料としてステ
ンレス鋼を用いる場合の吸収式冷凍機の運転方法及びそ
の吸収冷凍機用吸収液に関するものであり、吸収液に添
加されて機器材料の腐食を抑制するインヒビター(腐食
抑制剤)に係わる。
【0002】
【従来の技術】近来、上記吸収液を動作媒体として作動
する吸収式冷凍機を、各家庭等に対する冷暖房等の用に
供するための開発が盛んに成されている。従来、吸収式
冷凍機は大型であるとともに、機内で発生するガスによ
る冷凍効率の低下の問題、さらには孔食等の問題を解決
するために、機内に脱気装置を備えたり、吸収液の状態
を逐次チェックして良好な運転状態を確保している。こ
のような吸収式冷凍機を例えば家庭用の冷暖房用に使用
しようとすると、冷凍機自体を従来より小型化する必要
があるとともに、その小型化の要請から極力小型の脱気
装置を備える、あるいは脱気装置を備えないことが考え
られる。一方、メンテナンスはほぼ必要のない状態とし
たい。このような要請から、吸収式冷凍機の構成機器材
料としてステンレス鋼を採用することが、最近試みられ
ている。
【0003】従来、吸収式冷凍機の構成機器材料として
は、軟鋼、銅、黄銅等の金属材料が採用されており、こ
れらの材料に対する腐食抑制技術は比較的確立されてい
るが、ステンレス鋼に対するものは、未だ確立されてい
ない。この様な状況から、発明者らは、ステンレス鋼か
ら成る機器を備えた吸収式冷凍機において、還元剤を添
加することによって、ステンレス鋼の自然腐食電位(E
corr)を下げ、リチウムブロマイド水溶液中での局部腐
食を防止することを提案している(特願平5−2685
16)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように自然腐食電位(Ecorr)を下げると局部腐食が抑
えられる代わりに、水素発生型の腐食(全面腐食)が生
じ易くなる。水素ガスが発生すると吸収式の真空度が悪
くなり、冷凍能力が低下し、例えば冷暖房機としての機
能が損なわれる。
【0005】従って、本発明の目的は、上記のような構
成の吸収式冷凍機において、その構成機器としてステン
レス鋼からなる機器を有する場合に、局部腐食さらに
は、全面腐食による水素ガスの発生を抑えて、冷凍機の
運転ができる吸収式冷凍機の運転方法、及びこういった
方法に採用される吸収冷凍機用吸収液を得ることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による請求項1に係わるヨウ化物を含まない
チウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液として運
転される吸収式冷凍機の運転方法の第1の特徴手段は、
冷凍機内にステンレス鋼より成る機器を備えた場合に、
吸収液に水酸化アルカリ金属化合物と、アンチモン化合
物を添加して運転をおこなうことにある。さらに、上記
第1の特徴手段において、前記水酸化アルカリ金属化合
物が水酸化リチウム(LiOH)換算で0.01〜0.
3Nであり、前記アンチモン化合物がヨウ化物を除く
ロゲン化アンチモン又は酸化アンチモン(Sb23)で
あるともに、その濃度が塩化アンチモン(SbCl3
換算で200〜1800ppmであることが好ましい。
これが、本願第2の特徴手段である。さらに、上記目的
を達成するための本発明による請求項3に係わるヨウ化
物を含まないリチウムブロマイド(LiBr)水溶液を
吸収液として運転される吸収式冷凍機の運転方法の第3
の特徴手段は、冷凍機内にステンレス鋼より成る機器を
備えた場合に、前記吸収液に水酸化アルカリ金属化合物
と、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩
と、水素過電圧が大きい金属の化合物を添加して運転を
おこなうことにある。さらに、上記第3の特徴手段にお
いて、前記水素過電圧が大きい金属の化合物がヨウ化物
を除くアンチモン化合物であることが好ましい。これ
が、本願第4の特徴手段である。さらに、上記第4の特
徴手段において、前記水酸化アルカリ金属化合物が水酸
化リチウム(LiOH)換算で0.01〜0.3Nであ
り、前記オキソ酸塩が亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩である
とともに、その濃度が亜硫酸ナトリウム(Na2SO3
換算で250ppm以上であり、前記アンチモン化合物
ヨウ化物を除くハロゲン化アンチモン又は酸化アンチ
モン(Sb23)であるともに、その濃度が塩化アンチ
モン(SbCl3)換算で200〜2000ppmであ
ることが、好ましい。これが、本願第5の特徴手段であ
る。上記目的を達成するための、請求項6に係わる、
ウ化物を含まないリチウムブロマイド(LiBr)水溶
液を吸収液とし、且つステンレス鋼より成る機器を備え
た吸収式冷凍機の吸収冷凍機用吸収液の第1の特徴構成
は、これが、水酸化リチウム(LiOH)換算で0.0
1〜0.3Nで、ヨウ化物を除くハロゲン化アンチモン
又は酸化アンチモン(Sb23)を塩化アンチモン(S
bCl3)換算で200〜1800ppm含有すること
にある。さらに、上記目的を達成するための、請求項7
に係わる、ヨウ化物を含まないリチウムブロマイド(L
iBr)水溶液を吸収液とし、且つステンレス鋼より成
る機器を備えた吸収式冷凍機の吸収冷凍機用吸収液の第
2の特徴構成は、これが、水酸化リチウム(LiOH)
濃度が0.01〜0.3Nで、亜硫酸塩又は亜硫酸水素
塩を亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)換算で250pp
m以上、ヨウ化物を除くハロゲン化アンチモン又は酸化
アンチモン(Sb23)を塩化アンチモン(SbC
3)換算で200〜2000ppm含有することにあ
る。そして、これらの作用・効果は次の通りである。
【0007】
【作用】つまり、本願のようにステンレスの腐食を問題
とする場合、上記のように全面腐食が発生し、水素ガス
が発生することが問題となる。ここで、発明者らは、イ
ンヒビターとしてアルカリとアンチモン化合物の組み合
わせ(請求項1、2、6に係わる)と、アルカリ、還元
剤としての中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ
酸塩と水素過電圧が大きい金属の化合物の組み合わせ
(請求項3、4、5、7に係わる)とを提案する。前者
の組み合わせにおいては、アルカリと特定の化合物であ
るアンチモン化合物を組み合わせることにより、ステン
レスのわずかな腐食反応(この場合ステンレスは還元剤
として働く)に伴って、アンチモンイオン(Sb 3+ )が
還元され、アンチモンがステンレス鋼表面に薄くメッキ
され(この場合アンチモンイオン(Sb 3+ )は酸化剤と
して働く)、水素ガスの発生を抑制することができる。
一方、後者の組み合わせにおいては、アルカリと還元剤
としての中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸
塩との組み合わせにより、系が還元性に保たれ、水素過
電圧が大きい金属がステンレス鋼表面に薄くメッキされ
(この場合水素過電圧が大きい金属イオンは酸化剤とし
て働く)、水素ガスの発生を抑制することができると思
われる。即ち、本願のステンレス鋼の腐食防止において
は、系を還元性に保ち、この状態で、水素過電圧が大き
い金属のメッキ状態を実現して、防食を図るのである。
以後、水素過電圧が大きい金属を代表できるアンチモン
を、例に採って説明する。
【0008】リチウムブロマイド水溶液に、アンチモン
化合物を添加すると、系が還元性の雰囲気(前者の組み
合わせでは自動的に、後者の組み合わせでは特定の還元
剤を添加することにより)であるため、アンチモン金属
がステンレス鋼表面に薄くメッキされる(このことは、
発明者らが実験により分析確認した)。ここで、アンチ
モンは、H++e→1/2H2のカソード反応が起こりに
くい(水素過電圧が大)代表的な金属であるため、この
水素発生反応とペアーを組むFe→Fe2++2eの全面
腐食反応も起こりにくくなる(カソード反応抑制型イン
ヒビターとして働く)。従って、全面腐食、H2ガス発
生共に抑えることができる(局部腐食が抑えられること
は当然である。)。従って、本願の防食においては、ス
テンレス鋼を対象として、その電位を上げないで低い電
位にとどめながら、水素ガスの発生を水素過電圧が大な
金属を添加して、カバーするのである。
【0009】以下、上記した各吸収式冷凍機の運転方法
の特徴手段、吸収冷凍機用吸収液の特徴構成について、
順次説明する。本願第1の特徴手段を採る場合は、上記
したように、アンチモンイオンの還元性を利用して、こ
の化合物とアルカリとの組み合わせにより、全面腐食
(水素ガスの発生)を防止することができるとともに、
局部腐食の問題も解消できる。本願第2の特徴手段を採
る場合は、後述する図1(ロ)に示すように、塩化アン
チモンを添加しない場合に比較して、孔食、水素発生と
もに、有効にこれを抑えて冷凍機を運転することができ
る。
【0010】本願第3の特徴手段を採る場合は、上記し
たように、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ
酸塩により、系の還元性を確保することによって孔食の
問題が発生するのを回避し、さらに、水素過電圧が大き
い金属の化合物を添加することにより、上述の原理によ
りステンレス鋼の表面をこの金属によりメッキされた状
態とし、全面腐食(水素ガスの発生)を防止することが
できる。このときアルカリは、塩基度の調整の用を果た
す。本願第4の特徴手段を採る場合は、水素過電圧が大
きい金属の化合物として、この特性が特に強いアンチモ
ン化合物を使用することにより、有効に上記の防食機能
を果たすことが可能となり、例えば、図1(イ)に示す
ように、比較的広い濃度範囲において、孔食、水素ガス
発生ともに起こらない状態を得ることができる。これ
は、吸収液の維持管理を容易にするとともに、本願の目
的であるメンテナンスフリーの機器の実現に非常に有効
となる。本願第5の特徴手段を取る場合は、後述する図
1(イ)に示すように、塩化アンチモンを添加しない場
合に比較して、孔食、水素発生ともに、有効にこれを抑
えて冷凍機を運転することができる。本願第1の特徴構
成の吸収冷凍機用吸収液によれば、本願第2の特徴手段
で説明したと同様の作用により、ステンレス鋼より成る
機器を備えた吸収式冷凍機において、機器材料の局部腐
食、水素ガス発生を有効に抑制できる。本願第2の特徴
構成の吸収冷凍機用吸収液によれば、本願第5の特徴手
段で説明したと同様の作用により、ステンレス鋼より成
る機器を備えた吸収式冷凍機において、機器材料の局部
腐食、水素ガス発生を有効に抑制できる。
【0011】
【発明の効果】従って、ヨウ化物を含まないリチウムブ
ロマイド水溶液を吸収液とする吸収式冷凍機において、
その構成機器としてステンレス鋼からなる機器を有する
場合に、局部腐食さらには、全面腐食による水素ガスの
発生を抑えて、冷凍機の運転ができる吸収式冷凍機の運
転方法、及びこういった方法に採用される吸収冷凍機用
吸収液を得ることができた。
【0012】
【実施例】本願の実施例としてリチウムブロマイド水溶
液中におけるステンレス鋼の腐食状態の確認のため、オ
ートクレーブによる浸漬実験をおこなった。以下に実験
条件を箇条書きする。 テストピース 材質 高純度フェライト系ステンレス鋼 形状 縦50mm×横80mm×厚みt2mm 個数 テストピース5枚を同一条件でテストした。 溶液 リチウムブロマイド水溶液 濃度 約60% 温度 157℃ 塩基度調整用にLiOH添加 0.01〜0.3Nの範囲 実験時間 720 Hr 上記の条件に於ける実験結果を図1に示した。図1
(イ)(ロ)は夫々、(イ)が、有効な還元剤である亜
硫酸ナトリウム(Na2SO3)を添加したものを、
(ロ)が、この還元剤を添加しないものを示している。
ここで、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)の添加量とし
ては、250ppm以上で有効である(この添加量につ
いては、特願平5−268516に詳細に説明されてい
る)。さて、夫々の図面は、横軸が、塩化アンチモン
(SbCl3)の添加量を、さらに、縦軸としては、左
側のスケールが最大孔食深さの実測値(μm)を、右側
のスケールが、1.6m2当たりの水素ガス発生量(N
ml)を示している。両図において、○実線は実験対象
とした5枚のテストピースの内の最大のものの孔食(隙
間腐食)深さを示しており、●破線は水素ガス発生量を
示している。
【0013】図1(イ)(ロ)を比較すると、両者間に
おいては、亜硫酸ナトリウム(Na 2SO3)を添加した
ものの方が、概して孔食、水素ガス発生の両方の点で良
好な結果を与えている。さらに、図1(イ)(ロ)の両
方に示すように、塩化アンチモン(SbCl3)の特定
の添加濃度範囲では、孔食、水素ガス発生をほぼ0とで
きる範囲があることが判る。この範囲は、亜硫酸ナトリ
ウム(Na2SO3)を添加したものの範囲は250〜1
000ppmであり、亜硫酸ナトリウム(Na 2SO3
を添加しないものの範囲は250〜500ppmであ
る。さらに、孔食、水素ガス発生量を従来のものより良
化させる添加量としては、亜硫酸ナトリウム(Na2
3)を添加したものの範囲は200〜2000ppm
であり、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を添加しない
ものの範囲は200〜1800ppmである。従って、
こういった濃度範囲に、塩化アンチモン(SbCl3
の濃度を設定することにより、孔食及び水素ガス発生を
抑制することができる。
【0014】さらに、吸収式冷凍機を構成する機器の
内、上記の高純度フェライト系ステンレス鋼にまじって
一部使用されるオーステナイト系ステンレス鋼(SUS
316L)の応力腐食割れ(SCC)の発生状況を実験
にて確認した。応力腐食割れ(SCC)の実験装置の構
成を図2に示した(以下の説明において対応する部材の
番号を図示するとともに、部材名の後ろに番号を記載し
た)。以下に実験条件を箇条書きする。 テストピース 1 材質 オーステナイト系ステンレス鋼 形状 ダブルUベンド1a及び溶接部有りシングル
Uベンド1b ここで、ダブルUベンド1aとは、図2に示すように、
2本のピース2、3を重ねてボルトナットよりなる締結
具4により所定形状に締結したものであり、シングルU
ベンド1bとは単一のピース20を備えたものである。
ここで、シングルUベンド1bには図2に示すように溶
接部5が設けられている。さらに、実験にあたっては、
図2に示すように、ダブルUベンド1aを2対、シング
ルUベンド1bを1対、実験対象とした。 溶液 6 リチウムブロマイド水溶液 濃度 約60% 温度 157℃ 塩基度調整用にLiOH添加 0.01〜0.3Nの範囲 亜硫酸ナトリウム(Na2SO3) 濃度2000ppm (添加したものと添加しないもの) 塩化アンチモン(SbCl3) 濃度500ppm 実験時間 1000Hr(1.5ケ月) 上記の条件に於ける実験結果を表1に示した。同表にお
いて、左側は、図1(イ)に対応する亜硫酸ナトリウム
(Na2SO3)を添加したものを、右側は、図1(ロ)
に対応する還元剤を添加しないものを示している。さら
に、表上段(表中「真空」と表記)には、吸収式冷凍機
が正常な運転状態にある場合の真空引き状態にある場合
(厳密には少量の溶存酸素が残存している)の結果を、
表下段(表中「空気」と表記)には、空気もれがある状
態のものを示している。一方、表において「半」と示す
ものは、テストピースが半浸漬状態のものを示し、
「全」と示すものは、テストピースが全浸漬状態のもの
を示している。
【0015】
【表1】 表1において「外」、「内」、「溶」、「○」、「×」
は夫々以下のようなものを示す。 外:ダブルUベンド1aの外側 内:ダブルUベンド1aの内側 溶:溶接部有りシングルUベンド1b ○:割れなし ×:割れあり
【0016】結果、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)や
塩化アンチモン(SbCl3)がSUS316LのSC
Cにも有効であることがわかる(尚、亜硫酸ナトリウム
(Na2SO3)や塩化アンチモン(SbCl3)を添加
しない場合には、全浸漬、半浸漬共にSCCを生じ
る)。
【0017】さらに、吸収式冷凍機の一例としての二重
効用吸収冷凍機において、以下の条件で、以下の2通り
の試験時間1500Hrの実機運転を行った。 吸収液組成 第1実働例 第2実働例 臭化リチウム濃度 60%程度 60%程度 LiOH濃度 0.06N 0.06N Na2SO3濃度 2000ppm 2000ppm Sb化合物濃度 SbCl3500ppm Sb23640ppm これらの条件下で二重効用吸収冷凍機を運転した結果を
従来の技術(アルカリ(LiOH)のみ添加のものとア
ルカリ及び亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を共に添加
するもの)に関する結果とともに、以下に整理して説明
する。 水素ガス発生量 局部腐食の発生 第1実働例 約20cc 無し 第2実働例 約20cc 無し アルカリ(LiOH)のみ添加(溶存酸素全くなし) 400cc 無し アルカリ及びNa2SO3添加 1000cc 無し 以上整理して示すように、本願の様に、アルカリ、還元
剤さらに、水素過電圧の大きい金属化合物(この例の場
合はアンチモン)を組み合わせることにより、局部腐
食、水素ガス発生の両者の点で、ステンレス鋼に於ける
腐食を有効に防止することができる。
【0018】〔別実施例〕 上記の実施例においては、アルカリ(LiOHにて代
表)+アンチモン化合物(SbCl3またはSb23
て代表)の組み合わせ(これを第1の組み合わせと呼
ぶ)と、アルカリ(LiOHにて代表)+還元剤(Na
2SO3にて代表)+アンチモン化合物(SbCl3また
はSb23にて代表)の組み合わせ(これを第2の組み
合わせと呼ぶ)について説明している。夫々の組み合わ
せにおいて以下のような物質も同様に良好にインヒビタ
ーとしての働きを示す。 1 第1の組み合わせに係わるもの この組み合わせにおいては、還元剤を添加しないため、
アルカリとともに添加される物質は、溶解した状態で若
干の還元力を備えている必要がある。従って、この組み
合わせの場合は、アンチモン化合物のみが適合する。こ
の化合物としては、上述の塩化アンチモン(SbC
3)、酸化アンチモン(Sb23)の他、三臭化アン
チモン(SbBr3 )等を挙げることができる。一方、
アルカリとしては、一般にLiOHが使用されるが、こ
れは塩基度調整用であるため、任意の水酸化アルカリ金
属化合物を使用することができる。 2 第2の組み合わせに係わるもの この組み合わせにおいては、還元剤を添加されて、ステ
ンレス鋼上に薄膜を形成する要請から、アルカリととも
に添加される物質は、水素過電圧が大きいことで要件を
満たせる。このような金属の化合物としては、上述のア
ンチモン化合物の他、ナマリの化合物(酸化ナマリ
等)、カドミウム化合物(塩化カドミウム等)、スズ化
合物(塩化スズ等)、亜鉛化合物(塩化亜鉛等)、イン
ジウム化合物(塩化インジウム等)、テルル化合物(塩
化テルル等)、ビスマス化合物(塩化ビスマス等)が有
効である。さらに、還元剤としては、亜硫酸ナトリウム
(Na2SO3)を採用する場合について説明したが、本
願において、ピロ亜硫酸ナトリウム(Na225)、
チオ硫酸ナトリウム(Na223)も同様に働く。さ
らに、これらのリチウム塩、カリウム塩も同様に働く。
従って、これらを中心原子が硫黄である還元性を有する
オキソ酸塩と呼ぶ。さてここで、リチウムブロマイド水
溶液に添加されるオキソ酸塩の役割を果たす物質として
は、溶存酸素等が有する酸化性を抑えるという意味から
は、還元剤であればいかなるものを採用してもよいよう
であるが、発明者らの実験によると、ヒドラジン等で
は、上記の目的は達成しにくい。即ち、この場合は、高
温になると分解されて窒素ガス、アンモニアガスを生成
する問題があり、吸収式冷凍機の動作媒体に対して適用
することは難しい。一方、アルカリとしては、一般にL
iOHが使用されるが、これは塩基度調整用であるた
め、任意の水酸化アルカリ金属化合物を使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩化アンチモンの添加量と最大孔食深さ及び水
素ガス発生量との関係を示す図
【図2】SCC割れ試験のオートクレーブ試験装置構成
を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 利弘 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 山本 和美 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−138559(JP,A) 特開 平1−92386(JP,A) 特開 平2−296888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 15/00 C09K 5/04 F25B 47/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨウ化物を含まないリチウムブロマイド
    (LiBr)水溶液を吸収液として運転される吸収式冷
    凍機の運転方法であって、 前記冷凍機内にステンレス鋼より成る機器を備えた場合
    に、前記吸収液に水酸化アルカリ金属化合物と、アンチ
    モン化合物を添加して運転をおこなう吸収式冷凍機の運
    転方法。
  2. 【請求項2】 前記水酸化アルカリ金属化合物が水酸化
    リチウム(LiOH)換算で0.01〜0.3Nであ
    り、 前記アンチモン化合物がハロゲン化アンチモン又は酸化
    アンチモン(Sb23)であるとともに、その濃度が塩
    化アンチモン(SbCl3)換算で200〜1800p
    pmである請求項1記載の吸収式冷凍機の運転方法。
  3. 【請求項3】 ヨウ化物を含まないリチウムブロマイド
    (LiBr)水溶液を吸収液として運転される吸収式冷
    凍機の運転方法であって、 前記冷凍機内にステンレス鋼より成る機器を備えた場合
    に、前記吸収液に水酸化アルカリ金属化合物と、中心原
    子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩と、水素過電
    圧が大きい金属の化合物を添加して運転をおこなう吸収
    式冷凍機の運転方法。
  4. 【請求項4】 前記水素過電圧が大きい金属の化合物が
    アンチモン化合物である請求項3記載の吸収式冷凍機の
    運転方法。
  5. 【請求項5】 前記水酸化アルカリ金属化合物が水酸化
    リチウム(LiOH)換算で0.01〜0.3Nであ
    り、 前記オキソ酸塩が亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩であるとと
    もに、その濃度が亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)換算
    で250ppm以上であり、 前記アンチモン化合物がヨウ化物を除くハロゲン化アン
    チモン又は酸化アンチモン(Sb23)であるととも
    に、その濃度が塩化アンチモン(SbCl3)換算で2
    00〜2000ppmである請求項4記載の吸収式冷凍
    機の運転方法。
  6. 【請求項6】 ヨウ化物を含まないリチウムブロマイド
    (LiBr)水溶液を吸収液とし、且つステンレス鋼よ
    り成る機器を備えた吸収式冷凍機の吸収冷凍機用吸収液
    であって、水酸化リチウム(LiOH)濃度が0.01
    〜0.3Nで、ヨウ化物を除くハロゲン化アンチモン又
    は酸化アンチモン(Sb23)を塩化アンチモン(Sb
    Cl3)換算で200〜1800ppm含有する吸収冷
    凍機用吸収液。
  7. 【請求項7】 ヨウ化物を含まないリチウムブロマイド
    (LiBr)水溶液を吸収液とし、且つステンレス鋼よ
    り成る機器を備えた吸収式冷凍機の吸収冷凍機用吸収液
    であって、水酸化リチウム(LiOH)濃度が0.01
    〜0.3Nで、亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩を亜硫酸ナト
    リウム(Na2SO3)換算で250ppm以上、ヨウ化
    物を除くハロゲン化アンチモン又は酸化アンチモン(S
    23)を塩化アンチモン(SbCl3)換算で200
    〜2000ppm含有する吸収冷凍機用吸収液。
  8. 【請求項8】 前記水酸化アルカリ金属化合物が水酸化
    リチウム(LiOH)換算で0.01〜0.3Nであ
    り、 前記アンチモン化合物がヨウ化物を除くハロゲン化アン
    チモンであるとともに、その濃度が塩化アンチモン(S
    bCl 3 )換算で200〜1800ppmである請求項
    1記載の吸収式冷凍機の運転方法。
  9. 【請求項9】 前記水酸化アルカリ金属化合物が水酸化
    リチウム(LiOH)換算で0.01〜0.3Nであ
    り、 前記オキソ酸塩が、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩又はチオ硫
    酸塩であるとともに、その濃度が亜硫酸ナトリウム(N
    2 SO 3 )換算で250ppm以上であり、 前記アンチモン化合物がヨウ化物を除くハロゲン化アン
    チモンであるとともに、その濃度が塩化アンチモン(S
    bCl 3 )換算で200〜2000ppmである請求項
    4記載の吸収式冷凍機の運転方法。
  10. 【請求項10】 ヨウ化物を含まないリチウムブロマイ
    ド(LiBr)水溶液を吸収液とし、且つステンレス鋼
    より成る機器を備えた吸収式冷凍機の吸収冷凍機用吸収
    液であって、水酸化リチウム(LiOH)濃度が0.0
    1〜0.3Nで、ヨウ化物を除くハロゲン化アンチモン
    を塩化アンチモン(SbCl 3 )換算で200〜180
    0ppm含有する吸収冷凍機用吸収液。
  11. 【請求項11】 ヨウ化物を含まないリチウムブロマイ
    ド(LiBr)水溶液を吸収液とし、且つステンレス鋼
    より成る機器を備えた吸収式冷凍機の吸収冷 凍機用吸収
    液であって、水酸化リチウム(LiOH)濃度が0.0
    1〜0.3Nで、亜硫酸塩又はピロ亜硫酸塩又はチオ硫
    酸塩を亜硫酸ナトリウム(Na 2 SO 3 )換算で250p
    pm以上、ヨウ化物を除くハロゲン化アンチモンを塩化
    アンチモン(SbCl 3 )換算で200〜2000pp
    m含有する吸収冷凍機用吸収液。
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