JPH07278404A - グラフト共重合体の製造方法 - Google Patents
グラフト共重合体の製造方法Info
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- JPH07278404A JPH07278404A JP12948694A JP12948694A JPH07278404A JP H07278404 A JPH07278404 A JP H07278404A JP 12948694 A JP12948694 A JP 12948694A JP 12948694 A JP12948694 A JP 12948694A JP H07278404 A JPH07278404 A JP H07278404A
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- graft copolymer
- monomer
- diene rubber
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 重量平均粒子径が0.20〜0.45μm
で、かつ0.25〜0.35μmの範囲内のゴム粒子が
ゴム総重量に対し20重量%未満〜0重量%であるジエ
ン系ゴムの存在下に、芳香族ビニルおよび不飽和ニトリ
ルを重合してなるグラフト共重合体の製造方法。 【効果】 本発明の方法により得られたグラフト共重合
体を用いることにより、着色成形品におけるブロンズ現
象が解消される。
で、かつ0.25〜0.35μmの範囲内のゴム粒子が
ゴム総重量に対し20重量%未満〜0重量%であるジエ
ン系ゴムの存在下に、芳香族ビニルおよび不飽和ニトリ
ルを重合してなるグラフト共重合体の製造方法。 【効果】 本発明の方法により得られたグラフト共重合
体を用いることにより、着色成形品におけるブロンズ現
象が解消される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色相良好、特にブロン
ズ現象を解決したグラフト共重合体の製造方法に関する
ものである。
ズ現象を解決したグラフト共重合体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン重合体、いわゆるABS樹脂に代表されるゴム強化熱
可塑性樹脂は、耐衝撃性が良好である事から自動車の内
装部品、電気製品のハウジング等広く用いられている。
ン重合体、いわゆるABS樹脂に代表されるゴム強化熱
可塑性樹脂は、耐衝撃性が良好である事から自動車の内
装部品、電気製品のハウジング等広く用いられている。
【0003】昭和45年8月31日(社)高分子学会発
行の“ABS樹脂”にも述べられているとおり、ゴム強
化熱可塑性樹脂は、樹脂マトリックス中に、グラフトし
たゴム粒子が分散した形となっており、このゴム粒子が
樹脂の耐衝撃性をもたらしているものである。又、この
ゴム粒子径には最適範囲が存在するものであり、ABS
樹脂の場合、一般的には重量平均粒子径0.25〜0.
4μmである。
行の“ABS樹脂”にも述べられているとおり、ゴム強
化熱可塑性樹脂は、樹脂マトリックス中に、グラフトし
たゴム粒子が分散した形となっており、このゴム粒子が
樹脂の耐衝撃性をもたらしているものである。又、この
ゴム粒子径には最適範囲が存在するものであり、ABS
樹脂の場合、一般的には重量平均粒子径0.25〜0.
4μmである。
【0004】ただし、このゴム粒子径は平均値であり、
現実には0.01〜1μといった非常に分布幅の広いも
のであり、今日までゴム強化熱可塑性樹脂に関する文献
で論じられている粒子径とは、通常広い粒子径分布をも
つ粒子を、単に重量平均(一部においては数平均)で示
しているものにすぎない。この理由の一つとしては、狭
い粒子径分布を有するゴム質重合体を工業的に製造する
ことが技術的に煩雑であり、かつ経済的にも劣るためで
ある。
現実には0.01〜1μといった非常に分布幅の広いも
のであり、今日までゴム強化熱可塑性樹脂に関する文献
で論じられている粒子径とは、通常広い粒子径分布をも
つ粒子を、単に重量平均(一部においては数平均)で示
しているものにすぎない。この理由の一つとしては、狭
い粒子径分布を有するゴム質重合体を工業的に製造する
ことが技術的に煩雑であり、かつ経済的にも劣るためで
ある。
【0005】通常、ゴム強化熱可塑性樹脂は着色剤の配
合により着色されており、着色成形品として用いられて
いる。調色・着色工程において注意すべき事項の一つに
“メタメリズム”がある。これは、光源が変わると色が
異なる現象である。例えば室内灯下における色と太陽光
下における色とが一致していないといったことがしばし
ば見受けられる。この現象は、着色剤に起因するもので
あり、着色剤の選択により解決することができる。又、
この現象は、肉眼にても容易に判断できると共に、分光
光度計により数値(反射率)又はグラフ(反射率曲線)
として確認することができる。
合により着色されており、着色成形品として用いられて
いる。調色・着色工程において注意すべき事項の一つに
“メタメリズム”がある。これは、光源が変わると色が
異なる現象である。例えば室内灯下における色と太陽光
下における色とが一致していないといったことがしばし
ば見受けられる。この現象は、着色剤に起因するもので
あり、着色剤の選択により解決することができる。又、
この現象は、肉眼にても容易に判断できると共に、分光
光度計により数値(反射率)又はグラフ(反射率曲線)
として確認することができる。
【0006】しかしながら、着色成形品においては、前
述のメタメリズムのみならず“ブロンズ現象”といった
問題点がある。
述のメタメリズムのみならず“ブロンズ現象”といった
問題点がある。
【0007】“ブロンズ現象”とは、直射日光下でない
室内及び室内灯下では色相が良好であるにもかかわら
ず、直射日光下や直射日光を通した透明ガラス下におい
ては本来の着色した色相以外に、可視光線の赤〜黄色の
範囲の色が重なって見える現象であり、成形品の外観
上、品質のイメージを低下させ、商品価値を落とすもの
である。もちろんこのブロンズ現象とメタメリズムとは
異なる現象である。又、今日まで、このブロンズ現象を
解決させる研究は行われていないのが実情である。
室内及び室内灯下では色相が良好であるにもかかわら
ず、直射日光下や直射日光を通した透明ガラス下におい
ては本来の着色した色相以外に、可視光線の赤〜黄色の
範囲の色が重なって見える現象であり、成形品の外観
上、品質のイメージを低下させ、商品価値を落とすもの
である。もちろんこのブロンズ現象とメタメリズムとは
異なる現象である。又、今日まで、このブロンズ現象を
解決させる研究は行われていないのが実情である。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、かかる
問題点につき鋭意研究した結果、特定粒子径範囲内にあ
るジエン系ゴムと単量体を重合してなるグラフト共重合
体一種以上からなり、ゴム粒子の重量平均粒子径を特定
化すると共に特定粒子径範囲内のゴム粒子含有量を一定
数値未満ないしはゼロとしたグラフト共重合体は、グラ
フト共重合体本来の優れた耐衝撃性を有すると共に、ブ
ロンズ現象を生じないことを見出し本発明に到達したも
のである。
問題点につき鋭意研究した結果、特定粒子径範囲内にあ
るジエン系ゴムと単量体を重合してなるグラフト共重合
体一種以上からなり、ゴム粒子の重量平均粒子径を特定
化すると共に特定粒子径範囲内のゴム粒子含有量を一定
数値未満ないしはゼロとしたグラフト共重合体は、グラ
フト共重合体本来の優れた耐衝撃性を有すると共に、ブ
ロンズ現象を生じないことを見出し本発明に到達したも
のである。
【0009】さらに驚くべきことに、本発明において一
定数値未満ないしはゼロとされる特定粒子径のゴム粒子
は、従来よりゴム強化樹脂においてはその衝撃性付与に
最も重要と考えられていた粒子である。
定数値未満ないしはゼロとされる特定粒子径のゴム粒子
は、従来よりゴム強化樹脂においてはその衝撃性付与に
最も重要と考えられていた粒子である。
【0010】すなわち、本発明は、粒子の95重量%以
上が0.05〜0.6μmの範囲内にあるジエン系ゴム
(a)の存在下、芳香族ビニル(b−1)および不飽和
ニトリル(b−2)からなる単量体又はそれらと他の共
重合可能なビニル単量体(b−3)からなる単量体
(b)を重合してなるグラフト共重合体一種以上からな
り、全ジエン系ゴム粒子の重量平均粒子径が0.20〜
0.45μm、更に0.25〜0.35μmの範囲内に
あるジエン系ゴム粒子の合計がジエン系ゴム総重量に対
して20重量%未満〜0重量%であることを特徴とする
着色成形品にてブロンズ現象を生じないグラフト共重合
体の製造方法を提供するものである。
上が0.05〜0.6μmの範囲内にあるジエン系ゴム
(a)の存在下、芳香族ビニル(b−1)および不飽和
ニトリル(b−2)からなる単量体又はそれらと他の共
重合可能なビニル単量体(b−3)からなる単量体
(b)を重合してなるグラフト共重合体一種以上からな
り、全ジエン系ゴム粒子の重量平均粒子径が0.20〜
0.45μm、更に0.25〜0.35μmの範囲内に
あるジエン系ゴム粒子の合計がジエン系ゴム総重量に対
して20重量%未満〜0重量%であることを特徴とする
着色成形品にてブロンズ現象を生じないグラフト共重合
体の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明について以下に詳細に説明する。
【0012】本発明で用いられるジエン系ゴムとして
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられ、
一種又は二種以上用いることができる。なお、ゴム粒子
の95重量%以上が、粒子径0.05〜0.6μmの範
囲内にあるジエン系ゴムが用いられる。多くのゴム粒子
が0.05μm未満であれば、機械的性質に劣り、一方
0.6μmを越すものであれば機械的性質のみならず光
学的特性(光沢等)にも劣り好ましくない。
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられ、
一種又は二種以上用いることができる。なお、ゴム粒子
の95重量%以上が、粒子径0.05〜0.6μmの範
囲内にあるジエン系ゴムが用いられる。多くのゴム粒子
が0.05μm未満であれば、機械的性質に劣り、一方
0.6μmを越すものであれば機械的性質のみならず光
学的特性(光沢等)にも劣り好ましくない。
【0013】グラフト共重合体(A)を構成する芳香族
ビニル(b−1)としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、P−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメ
チルスチレン等が挙げられ、一種又は二種以上用いるこ
とができる。特にスチレンが好ましい。不飽和ニトリル
(b−2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等が挙げられ、一種又は二種以上用いることがで
きる。特にアクリロニトリルが好ましい。
ビニル(b−1)としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、P−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメ
チルスチレン等が挙げられ、一種又は二種以上用いるこ
とができる。特にスチレンが好ましい。不飽和ニトリル
(b−2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等が挙げられ、一種又は二種以上用いることがで
きる。特にアクリロニトリルが好ましい。
【0014】芳香族ビニルならびに不飽和ニトリルと共
に用いることのできる他の共重合可能なビニル単量体
(b−3)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸無水物などの不飽和カルボン酸およびその無水
物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カ
ルボン酸アルキルエステル、マレイミド、メチルマレイ
ミド、エチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど
のマレイミド系化合物、アクリルアミド、メタクリルア
ミドなどのアミド系化合物等々が例示され、一種又は二
種以上用いることができる。
に用いることのできる他の共重合可能なビニル単量体
(b−3)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸無水物などの不飽和カルボン酸およびその無水
物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カ
ルボン酸アルキルエステル、マレイミド、メチルマレイ
ミド、エチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど
のマレイミド系化合物、アクリルアミド、メタクリルア
ミドなどのアミド系化合物等々が例示され、一種又は二
種以上用いることができる。
【0015】グラフト重合に供されるジエン系ゴム
(a)と単量体(b)との組成比には特に制限はない
が、一般的には物性バランス面よりジエン系ゴム5〜9
0重量部、単量体95〜10重量部である(合計100
重量部)。又、グラフト重合に供される単量体(b)に
おいては芳香族ビニル(b−1)と不飽和ニトリル(b
−2)が必須成分であり、(b−1)と(b−2)の割
合には特に制限はないが、(b−1)50〜95重量
%、(b−2)5〜50重量%であることが好ましい。
又、他の共重合可能なビニル単量体(b−3)の含有量
にも特に制限はないが、(b−1)と(b−2)の合計
量100重量部に対し、0〜40重量部であることが好
ましい。
(a)と単量体(b)との組成比には特に制限はない
が、一般的には物性バランス面よりジエン系ゴム5〜9
0重量部、単量体95〜10重量部である(合計100
重量部)。又、グラフト重合に供される単量体(b)に
おいては芳香族ビニル(b−1)と不飽和ニトリル(b
−2)が必須成分であり、(b−1)と(b−2)の割
合には特に制限はないが、(b−1)50〜95重量
%、(b−2)5〜50重量%であることが好ましい。
又、他の共重合可能なビニル単量体(b−3)の含有量
にも特に制限はないが、(b−1)と(b−2)の合計
量100重量部に対し、0〜40重量部であることが好
ましい。
【0016】本発明のグラフト共重合体の製造方法にお
いては、そのジエン系ゴム粒子の分布が制限されるのみ
ならず、重量平均粒子径の制限ならびに特定粒子の存在
が積極的に排除される。重量平均粒子径は0.20〜
0.45μmである。重量平均粒子径を算出するための
対象粒子はゴム粒子の全分布に及ぶものである。重量平
均粒子径が0.20μm未満又は0.45μmを越す
と、グラフト共重合体及び最終の着色樹脂組成物におけ
る耐衝撃性、加工性、剛性、光沢のバランスが悪くなり
好ましくない。
いては、そのジエン系ゴム粒子の分布が制限されるのみ
ならず、重量平均粒子径の制限ならびに特定粒子の存在
が積極的に排除される。重量平均粒子径は0.20〜
0.45μmである。重量平均粒子径を算出するための
対象粒子はゴム粒子の全分布に及ぶものである。重量平
均粒子径が0.20μm未満又は0.45μmを越す
と、グラフト共重合体及び最終の着色樹脂組成物におけ
る耐衝撃性、加工性、剛性、光沢のバランスが悪くなり
好ましくない。
【0017】さらに、本発明においては、0.25〜
0.35μmの範囲にある全ゴム粒子の重量が樹脂中に
含まれるジエン系ゴム総重量に対し、20重量%未満〜
0重量%に制限される。0.25〜0.35μmの範囲
内にある全ゴム粒子の重量が、グラフト共重合体中にあ
る全ゴム粒子の重量に対して20重量%以上となると、
本発明の目的とするブロンズ現象の解決が図れない。特
に、ブロンズ現象防止の面より、0.25〜0.35μ
mの範囲内にある全ゴム粒子が5重量%未満〜0重量%
であることが好ましい。
0.35μmの範囲にある全ゴム粒子の重量が樹脂中に
含まれるジエン系ゴム総重量に対し、20重量%未満〜
0重量%に制限される。0.25〜0.35μmの範囲
内にある全ゴム粒子の重量が、グラフト共重合体中にあ
る全ゴム粒子の重量に対して20重量%以上となると、
本発明の目的とするブロンズ現象の解決が図れない。特
に、ブロンズ現象防止の面より、0.25〜0.35μ
mの範囲内にある全ゴム粒子が5重量%未満〜0重量%
であることが好ましい。
【0018】グラフト共重合体の製造方法としては、乳
化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法および
それらの組合せの公知の重合法が挙げられる。本発明に
おいてはゴム粒子の各種制限が行われていることより乳
化重合法が特に好ましい。
化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法および
それらの組合せの公知の重合法が挙げられる。本発明に
おいてはゴム粒子の各種制限が行われていることより乳
化重合法が特に好ましい。
【0019】ゴム粒子の分布(95重量%以上が0.0
5〜0.6μm)、重量平均粒子径(0.20〜0.4
5μm)および特定粒子径(0.25〜0.35μm)
排除の3条件を全て満たすジエン系ゴムを用いてグラフ
ト重合することにより本発明の目的とするグラフト共重
合体を得ることができるが、かかる条件を満たす粒径分
布の狭い単一系ラテックスの製造からスタートするより
も、粒径の異なる二種以上のジエン系ゴムを混合してな
るジエン系ゴムに対しグラフト重合を行う方法、又は粒
径の異なるジエン系ゴムを用いてそれぞれ独立してグラ
フト重合してなるグラフト共重合体を二種以上混合する
方法により本発明に規定されるグラフト共重合体を得る
方がより経済的である。
5〜0.6μm)、重量平均粒子径(0.20〜0.4
5μm)および特定粒子径(0.25〜0.35μm)
排除の3条件を全て満たすジエン系ゴムを用いてグラフ
ト重合することにより本発明の目的とするグラフト共重
合体を得ることができるが、かかる条件を満たす粒径分
布の狭い単一系ラテックスの製造からスタートするより
も、粒径の異なる二種以上のジエン系ゴムを混合してな
るジエン系ゴムに対しグラフト重合を行う方法、又は粒
径の異なるジエン系ゴムを用いてそれぞれ独立してグラ
フト重合してなるグラフト共重合体を二種以上混合する
方法により本発明に規定されるグラフト共重合体を得る
方がより経済的である。
【0020】本発明の方法により得られたグラフト共重
合体は、芳香族ビニル−不飽和ニトリル系共重合体およ
び着色剤と配合され、ブロンズ現象が解決され、かつ耐
衝撃性、加工性のバランスに優れるゴム強化熱可塑性樹
脂組成物を提供する。
合体は、芳香族ビニル−不飽和ニトリル系共重合体およ
び着色剤と配合され、ブロンズ現象が解決され、かつ耐
衝撃性、加工性のバランスに優れるゴム強化熱可塑性樹
脂組成物を提供する。
【0021】芳香族ビニル−不飽和ビニル系共重合体を
構成する芳香族ビニル(b−1)としては、スチレン、
α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、t−ブチル
スチレン、ジメチルスチレン等が挙げられ、一種又は二
種以上用いることができる。特にスチレン又はα−メチ
ルスチレンが好ましい。不飽和ニトリル(b−2)とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
られ、一種又は二種以上用いることができる。特にアク
リロニトリルが好ましい。
構成する芳香族ビニル(b−1)としては、スチレン、
α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、t−ブチル
スチレン、ジメチルスチレン等が挙げられ、一種又は二
種以上用いることができる。特にスチレン又はα−メチ
ルスチレンが好ましい。不飽和ニトリル(b−2)とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
られ、一種又は二種以上用いることができる。特にアク
リロニトリルが好ましい。
【0022】芳香族ビニルならびに不飽和ニトリルと共
に用いることのできる他の共重合可能なビニル単量体
(b−3)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、マレイン酸無水物などの不飽和カルボン酸およ
びその無水物、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートな
どの不飽和カルボン酸アルキルエステル、マレイミド、
メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−フェニルマ
レイミドなどのマレイミド系化合物、アクリルアミド、
メタクリルアミドなどのアミド系化合物等々が例示さ
れ、一種または二種以上用いることができる。
に用いることのできる他の共重合可能なビニル単量体
(b−3)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、マレイン酸無水物などの不飽和カルボン酸およ
びその無水物、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートな
どの不飽和カルボン酸アルキルエステル、マレイミド、
メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−フェニルマ
レイミドなどのマレイミド系化合物、アクリルアミド、
メタクリルアミドなどのアミド系化合物等々が例示さ
れ、一種または二種以上用いることができる。
【0023】共重合体においては、芳香族ビニル(b−
1)および不飽和ニトリル(b−2)が必須成分であ
り、(b−1)と(b−2)の割合には特に制限はない
が、(b−1)50〜95重量%、(b−2)5〜50
重量%であることが好ましい。又、他の共重合可能なビ
ニル単量体(b−3)の含有量にも特に制限はないが、
(b−1)と(b−2)の合計量100重量部に対し、
0〜40重量部であることが好ましい。
1)および不飽和ニトリル(b−2)が必須成分であ
り、(b−1)と(b−2)の割合には特に制限はない
が、(b−1)50〜95重量%、(b−2)5〜50
重量%であることが好ましい。又、他の共重合可能なビ
ニル単量体(b−3)の含有量にも特に制限はないが、
(b−1)と(b−2)の合計量100重量部に対し、
0〜40重量部であることが好ましい。
【0024】さらに、共重合体の固有粘度に関しても特
に制限はないが、組成物の物性バランス面より固有粘度
(30℃、ジメチルホルムアミド)0.30〜1.30
であることが好ましい。
に制限はないが、組成物の物性バランス面より固有粘度
(30℃、ジメチルホルムアミド)0.30〜1.30
であることが好ましい。
【0025】共重合体は、グラフト共重合体および共重
合体の合計に対し、0〜90重量%配合し得る。90重
量%を越えると最終組成物の耐衝撃性が劣り好ましくな
い。好ましくは10〜80重量%である。特に最終組成
物中のジエン系ゴム含有量が5〜30重量%となるよう
配合することが好ましい。
合体の合計に対し、0〜90重量%配合し得る。90重
量%を越えると最終組成物の耐衝撃性が劣り好ましくな
い。好ましくは10〜80重量%である。特に最終組成
物中のジエン系ゴム含有量が5〜30重量%となるよう
配合することが好ましい。
【0026】着色剤としては、アントラキノン系、イン
ダンスレン系、キノンフタロン系、ペリノン系などの染
料、さらにはアゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染
料レーキなどの有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデ
ン酸系、硫化物セレン化物系、フェロシアン化物系など
の無機顔料が挙げられ、一種又は二種以上用いることが
できる。
ダンスレン系、キノンフタロン系、ペリノン系などの染
料、さらにはアゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染
料レーキなどの有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデ
ン酸系、硫化物セレン化物系、フェロシアン化物系など
の無機顔料が挙げられ、一種又は二種以上用いることが
できる。
【0027】着色剤の配合量には何ら制限はないが、グ
ラフト共重合体10〜100重量%と共重合体90〜0
重量%からなる組成物100重量部当り0.05〜10
重量部である。
ラフト共重合体10〜100重量%と共重合体90〜0
重量%からなる組成物100重量部当り0.05〜10
重量部である。
【0028】なお、グラフト共重合体には、着色剤のみ
ならず、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、滑剤、充填剤等公知の添加剤を配合するこ
とができる。
ならず、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、滑剤、充填剤等公知の添加剤を配合するこ
とができる。
【0029】以下に実施例を示して本発明を具体的に説
明する。
明する。
【0030】〔グラフト共重合体の製造方法〕表−1に
示す組成において、窒素置換した3リットルガラスリア
クターにジエン系ゴムラテックスと水及び開始剤を仕込
み、系内を65℃に昇温。これに連鎖移動剤を含む単量
体混合物と乳化剤溶液を3時間にわたって連続添加し
た。更に単量体添加終了後、2時間68℃で熟成を行っ
て反応を終了した。
示す組成において、窒素置換した3リットルガラスリア
クターにジエン系ゴムラテックスと水及び開始剤を仕込
み、系内を65℃に昇温。これに連鎖移動剤を含む単量
体混合物と乳化剤溶液を3時間にわたって連続添加し
た。更に単量体添加終了後、2時間68℃で熟成を行っ
て反応を終了した。
【0031】〔共重合体の製造方法〕表−2に示す組成
において、窒素置換した3リットルガラスリアクターに
連鎖移動剤を含む単量体混合物の10重量%と乳化剤溶
液の20重量%及び水と開始剤を仕込み、65℃に昇温
し30分間熟成を行う。更に残りの単量体混合物と残り
の乳化剤溶液を4時間にわたって連続添加した。その後
68℃で2時間熟成し反応を終了した。
において、窒素置換した3リットルガラスリアクターに
連鎖移動剤を含む単量体混合物の10重量%と乳化剤溶
液の20重量%及び水と開始剤を仕込み、65℃に昇温
し30分間熟成を行う。更に残りの単量体混合物と残り
の乳化剤溶液を4時間にわたって連続添加した。その後
68℃で2時間熟成し反応を終了した。
【0032】
【表−1】
【0033】
【表−2】
【0034】グラフト共重合体と共重合体を表−3〜4
の割合で混合し、更に酸化防止剤として4,4−ブチリ
デン−ビス−3−メチル−6−第三級ブチルフェノール
0.3重量部を加え、塩化カルシウムを用いて塩析を行
い、ロ過、水洗、脱水、乾燥工程を経てジエン系ゴム含
有量約18重量%のパウダーを得た。
の割合で混合し、更に酸化防止剤として4,4−ブチリ
デン−ビス−3−メチル−6−第三級ブチルフェノール
0.3重量部を加え、塩化カルシウムを用いて塩析を行
い、ロ過、水洗、脱水、乾燥工程を経てジエン系ゴム含
有量約18重量%のパウダーを得た。
【0035】得られたパウダー100重量部にエチレン
ビスステアリルアミド1重量部及び後述の着色剤を加
え、バンバリーミキサーで混練造粒し、着色ペレットを
得た。
ビスステアリルアミド1重量部及び後述の着色剤を加
え、バンバリーミキサーで混練造粒し、着色ペレットを
得た。
【0036】得られた着色ペレットより射出成形機にて
200mm×100mm×3mmの平板の着色成形品を
作成し、透明ガラスを通した直射日光下の室内でブロン
ズ現象を目視により判定した。
200mm×100mm×3mmの平板の着色成形品を
作成し、透明ガラスを通した直射日光下の室内でブロン
ズ現象を目視により判定した。
【0037】なお、分光光度計によりいずれの成形品も
メタメリズムを起こしていないことが確認された。
メタメリズムを起こしていないことが確認された。
【0038】さらに、得られた黒色〈A〉ペレットより
射出成形機にて試験片を作成し、ノッチ付アイゾット衝
撃強度(1/4インチ、23℃)及び加工性(210
℃、30kg/cm2 )を測定した。その後、本発明のグ
ラフト共重合体を用いてなる組成物(参考例M−1〜
8)と対象品(M−9〜13)において、重量平均粒子
径の同じ又は近似するもので比較したところ、参考例M
−1〜8が衝撃強度−加工性のバランスで優れているこ
とが確認された。
射出成形機にて試験片を作成し、ノッチ付アイゾット衝
撃強度(1/4インチ、23℃)及び加工性(210
℃、30kg/cm2 )を測定した。その後、本発明のグ
ラフト共重合体を用いてなる組成物(参考例M−1〜
8)と対象品(M−9〜13)において、重量平均粒子
径の同じ又は近似するもので比較したところ、参考例M
−1〜8が衝撃強度−加工性のバランスで優れているこ
とが確認された。
【0039】
【表−3】
【0040】
【表−4】
【0041】
【0042】
【発明の効果】本発明に規定されるとおり、グラフト共
重合体におけるジエン系ゴム粒子の分布と重量平均粒子
径の限定および特定粒子径の排除(20重量%未満)に
より、いかなる色に着色された場合もブロンズ現象を生
じることのない優れたグラフト共重合体を提供すること
ができる。
重合体におけるジエン系ゴム粒子の分布と重量平均粒子
径の限定および特定粒子径の排除(20重量%未満)に
より、いかなる色に着色された場合もブロンズ現象を生
じることのない優れたグラフト共重合体を提供すること
ができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 粒子の95重量%以上が0.05〜0.
6μmの範囲内にあるジエン系ゴム(a)の存在下、芳
香族ビニル(b−1)および不飽和ニトリル(b−2)
からなる単量体(b)又はそれらと他の共重合可能なビ
ニル単量体(b−3)からなる単量体(b)を重合して
なるグラフト共重合体一種以上からなり、全ジエン系ゴ
ム粒子の重量平均粒子径が0.20〜0.45μm、更
に0.25〜0.35μmの範囲内にあるジエン系ゴム
粒子の合計がジエン系ゴム総重量に対して20重量%未
満〜0重量%であることを特徴とするグラフト共重合体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12948694A JP2620924B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | グラフト共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12948694A JP2620924B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | グラフト共重合体の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26279185A Division JPH0678471B2 (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | ゴム強化熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278404A true JPH07278404A (ja) | 1995-10-24 |
JP2620924B2 JP2620924B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=15010676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12948694A Expired - Fee Related JP2620924B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | グラフト共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2620924B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000055398A (ko) * | 1999-02-05 | 2000-09-05 | 유현식 | 내화학성 및 시트 압출특성이 우수한 열가소성 수지조성물 |
KR100576325B1 (ko) * | 1999-12-17 | 2006-05-03 | 제일모직주식회사 | 고충격 폴리스티렌 수지 제조를 위한 연속공정 |
JP2015227399A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | ユーエムジー・エービーエス株式会社 | グラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP12948694A patent/JP2620924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000055398A (ko) * | 1999-02-05 | 2000-09-05 | 유현식 | 내화학성 및 시트 압출특성이 우수한 열가소성 수지조성물 |
KR100576325B1 (ko) * | 1999-12-17 | 2006-05-03 | 제일모직주식회사 | 고충격 폴리스티렌 수지 제조를 위한 연속공정 |
JP2015227399A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | ユーエムジー・エービーエス株式会社 | グラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2620924B2 (ja) | 1997-06-18 |
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Legal Events
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