JPH072772A - 精製フタルイミドアルカンカルボン酸を製造する方法 - Google Patents
精製フタルイミドアルカンカルボン酸を製造する方法Info
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- JPH072772A JPH072772A JP6002678A JP267894A JPH072772A JP H072772 A JPH072772 A JP H072772A JP 6002678 A JP6002678 A JP 6002678A JP 267894 A JP267894 A JP 267894A JP H072772 A JPH072772 A JP H072772A
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- phthalimidoalkanecarboxylic
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D209/00—Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
- C07D209/02—Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring
- C07D209/44—Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles
- C07D209/48—Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles with oxygen atoms in positions 1 and 3, e.g. phthalimide
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- Organic Chemistry (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 以下の方法:
a) 汚染されたフタルイミドアルカンカルボン酸を溶融
し、 b) 不純物がこの溶融物から実質的に分離されるのに十
分な期間及び温度でこの溶融物を維持し、そして c) 精製された溶融生成物を冷却することを含む、フタ
ル酸、ラクタム、水またはそれらの混合物で汚染された
フタルイミドアルカンカルボン酸を精製する方法。 【効果】 フタルイミドアルカンカルボン酸が簡単に、
かつ効率良く精製される。
し、 b) 不純物がこの溶融物から実質的に分離されるのに十
分な期間及び温度でこの溶融物を維持し、そして c) 精製された溶融生成物を冷却することを含む、フタ
ル酸、ラクタム、水またはそれらの混合物で汚染された
フタルイミドアルカンカルボン酸を精製する方法。 【効果】 フタルイミドアルカンカルボン酸が簡単に、
かつ効率良く精製される。
Description
【0001】
【従来の技術】フタルイミドアルカンカルボン酸は、洗
浄剤、漂白剤、消毒液及び酸化剤中で酸化剤として使用
される、対応する過酸のための出発材料として役立つ。
浄剤、漂白剤、消毒液及び酸化剤中で酸化剤として使用
される、対応する過酸のための出発材料として役立つ。
【0002】フタルイミドアルカンペルカルボン酸は、
良好な漂白性の他に、不活性物質、例えばホスフィンオ
キシド/ 硫酸ナトリウム、ほう酸または硫酸マグネシウ
ムの添加 (鈍感化) またはこれによる希釈がなくても達
成される良好な貯蔵安定性によっても際立っている。そ
の特性面のため、フタルイミドアルカンペルカルボン酸
は、洗浄剤中で漂白系としてのますます大きくなる重要
性を得ている。
良好な漂白性の他に、不活性物質、例えばホスフィンオ
キシド/ 硫酸ナトリウム、ほう酸または硫酸マグネシウ
ムの添加 (鈍感化) またはこれによる希釈がなくても達
成される良好な貯蔵安定性によっても際立っている。そ
の特性面のため、フタルイミドアルカンペルカルボン酸
は、洗浄剤中で漂白系としてのますます大きくなる重要
性を得ている。
【0003】専門家による文献において、フタルイミド
アルカンカルボン酸の製造法に関して多数の方法が知ら
れている。Chem. Ber. 第46巻, 3158頁(1913)には、無
水フタル酸とアミノ酸を縮合することによってフタルイ
ミドアルカンカルボン酸を製造する方法が記載されてい
る。しかし、工業的な実現にはアミノ酸の高価格が障害
となっている。
アルカンカルボン酸の製造法に関して多数の方法が知ら
れている。Chem. Ber. 第46巻, 3158頁(1913)には、無
水フタル酸とアミノ酸を縮合することによってフタルイ
ミドアルカンカルボン酸を製造する方法が記載されてい
る。しかし、工業的な実現にはアミノ酸の高価格が障害
となっている。
【0004】J. Am. Chem. Soc. 70, 2115 (1948) 及び
J. Org. Chem. 24, 2062 (1959) には、ε- カプロラク
タムと無水フタル酸とを 180〜195 ℃の温度に加熱する
ことによって6-フタルイミドヘキサン酸を製造する方法
を開示している。得られた生成物は、蒸留または再結晶
のどちらかによって65と80% の間の収率で単離される。
この方法では、たやすく利用できる出発材料を使用する
ことができるが、その収率は大規模な工業的生産には不
十分である。
J. Org. Chem. 24, 2062 (1959) には、ε- カプロラク
タムと無水フタル酸とを 180〜195 ℃の温度に加熱する
ことによって6-フタルイミドヘキサン酸を製造する方法
を開示している。得られた生成物は、蒸留または再結晶
のどちらかによって65と80% の間の収率で単離される。
この方法では、たやすく利用できる出発材料を使用する
ことができるが、その収率は大規模な工業的生産には不
十分である。
【0005】特公昭46/21710号公報 (公告日: 1971年 6
月19日) は、5 〜15% の水の存在下に 180℃の温度そし
て 5時間の反応時間で無水フタル酸とピロリドンから4-
フタルイミドブタン酸を製造する方法を開示している。
十分に純粋な生成物を得るためには、単離した粗生成物
をメタノールから再結晶化する必要がある。その収率は
86%である。
月19日) は、5 〜15% の水の存在下に 180℃の温度そし
て 5時間の反応時間で無水フタル酸とピロリドンから4-
フタルイミドブタン酸を製造する方法を開示している。
十分に純粋な生成物を得るためには、単離した粗生成物
をメタノールから再結晶化する必要がある。その収率は
86%である。
【0006】ヨーロッパ特許出願公開第 0,349,940号明
細書は、水の存在下、1 〜30bar の圧力の下に、100 〜
250 ℃の温度そして 5〜20時間の反応時間で無水フタル
酸とラクタム、例えばε- カプロラクタムを反応させる
ことによってフタルイミドアルカンカルボン酸を製造す
る方法を記載している。
細書は、水の存在下、1 〜30bar の圧力の下に、100 〜
250 ℃の温度そして 5〜20時間の反応時間で無水フタル
酸とラクタム、例えばε- カプロラクタムを反応させる
ことによってフタルイミドアルカンカルボン酸を製造す
る方法を記載している。
【0007】上記の方法においては、フタルイミドアル
カンカルボン酸は、その精製前にフタル酸、アミノ酸ま
たはラクタム及び/ または水という不純物を含んでい
る。フタルイミドアルカンカルボン酸を、その対応する
フタルイミドアルカンペルカルボン酸への出発材料とし
て使用する場合には、そのような不純物は幾つかの理由
で望ましくない。通常、フタルイミドアルカンカルボン
酸はその対応する過酸を生成するために、強酸の存在下
で過酸化水素との反応によって酸化される。フタル酸が
存在する場合には、これは反応して、フタルイミドアル
カンペルカルボン酸とは対照的に、低い貯蔵安定性しか
持たず、そして通常鈍感化するかまたはマグネシウム塩
に転化しなければならないモノペルオキソフタル酸を生
成する(ヨーロッパ特許出願公開第 0,105,689号明細書
参照) 。鈍感化されていないモノペルオキソフタル酸に
よって汚染されているフタルイミドアルカンペルカルボ
ン酸は、それらの良好な貯蔵安定性を多少失ってしま
う。
カンカルボン酸は、その精製前にフタル酸、アミノ酸ま
たはラクタム及び/ または水という不純物を含んでい
る。フタルイミドアルカンカルボン酸を、その対応する
フタルイミドアルカンペルカルボン酸への出発材料とし
て使用する場合には、そのような不純物は幾つかの理由
で望ましくない。通常、フタルイミドアルカンカルボン
酸はその対応する過酸を生成するために、強酸の存在下
で過酸化水素との反応によって酸化される。フタル酸が
存在する場合には、これは反応して、フタルイミドアル
カンペルカルボン酸とは対照的に、低い貯蔵安定性しか
持たず、そして通常鈍感化するかまたはマグネシウム塩
に転化しなければならないモノペルオキソフタル酸を生
成する(ヨーロッパ特許出願公開第 0,105,689号明細書
参照) 。鈍感化されていないモノペルオキソフタル酸に
よって汚染されているフタルイミドアルカンペルカルボ
ン酸は、それらの良好な貯蔵安定性を多少失ってしま
う。
【0008】ヨーロッパ特許出願公開第 0,490,409号明
細書には、メチレンクロライドまたはクロロホルム中に
アリールイミドカルボン酸を溶解し、そして強酸の存在
下で過酸化水素によって連続的に酸化して、対応するペ
ルカルボン酸を生成させる、アリールイミドアルカンペ
ルカルボン酸の製造法が記載されている。この方法の最
適な実行のためには、アリールイミドカルボン酸をメチ
レンクロライドまたはクロロホルム中に完全に溶解させ
ることがこの方法では必須である。この溶媒中には、フ
タル酸、水及びアミノ酸またはラクタムのいずれも溶解
しないので、付加的な精製段階、例えば相分離したもの
を濾過することによって固体または液状不純物を取り除
くことが望ましくないのなら、使用するアリールイミド
カルボン酸はできるかぎり可能な範囲でこれらの不純物
を含むべきではない。
細書には、メチレンクロライドまたはクロロホルム中に
アリールイミドカルボン酸を溶解し、そして強酸の存在
下で過酸化水素によって連続的に酸化して、対応するペ
ルカルボン酸を生成させる、アリールイミドアルカンペ
ルカルボン酸の製造法が記載されている。この方法の最
適な実行のためには、アリールイミドカルボン酸をメチ
レンクロライドまたはクロロホルム中に完全に溶解させ
ることがこの方法では必須である。この溶媒中には、フ
タル酸、水及びアミノ酸またはラクタムのいずれも溶解
しないので、付加的な精製段階、例えば相分離したもの
を濾過することによって固体または液状不純物を取り除
くことが望ましくないのなら、使用するアリールイミド
カルボン酸はできるかぎり可能な範囲でこれらの不純物
を含むべきではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、存在
するフタル酸、ラクタム及び/ または水という不純物を
できるだけ可能な範囲で取り除くことができる、フタル
イミドアルカンカルボン酸の精製方法を提供することで
ある。
するフタル酸、ラクタム及び/ または水という不純物を
できるだけ可能な範囲で取り除くことができる、フタル
イミドアルカンカルボン酸の精製方法を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の方法: a) 汚染されたフタルイミドアルカンカルボン酸を溶融
し、 b) この溶融物を、不純物が実質的にその溶融物から分
離されるのに十分な期間及び温度で維持し、そして c) その精製された溶融生成物を冷却することを含む、
フタル酸、ラクタム及び/ または水で汚染されたフタル
イミドアルカンカルボン酸を精製する方法に関する。
し、 b) この溶融物を、不純物が実質的にその溶融物から分
離されるのに十分な期間及び温度で維持し、そして c) その精製された溶融生成物を冷却することを含む、
フタル酸、ラクタム及び/ または水で汚染されたフタル
イミドアルカンカルボン酸を精製する方法に関する。
【0011】一般に、使用する未精製フタルイミドアル
カンカルボン酸は公知の製造方法による製品である。こ
れらの汚染されたフタルイミドカルボン酸は、通常以下
の不純物: 1.5 〜10重量% のフタル酸、0.5 〜10重量% のラクタ
ム、1.0 〜20重量% の水を含む。
カンカルボン酸は公知の製造方法による製品である。こ
れらの汚染されたフタルイミドカルボン酸は、通常以下
の不純物: 1.5 〜10重量% のフタル酸、0.5 〜10重量% のラクタ
ム、1.0 〜20重量% の水を含む。
【0012】本発明の方法を行うにあたっては、様々な
具体的方法がある。先ず適当な装置、例えば加熱可能な
攪拌タンク中で、汚染されたフタルイミドアルカンカル
ボン酸を溶融する。好ましくは、不活性ガス、例えばア
ルゴン、窒素または二酸化炭素による処理の下に溶融を
行う。このガス処理は様々な方法で行うことができる。
これには、ガスを溶融物上に流すか、ある器具 [例えば
"ランス(lance) " ] の助けを借りて溶融物中に注入す
るか、またはこの技術分野に熟練した者には公知の他の
方法によって攪拌タンク中に導入することが考えられ
る。この溶融温度は、好ましくは 110と200 ℃の間、特
に好ましくは 130〜170℃である。
具体的方法がある。先ず適当な装置、例えば加熱可能な
攪拌タンク中で、汚染されたフタルイミドアルカンカル
ボン酸を溶融する。好ましくは、不活性ガス、例えばア
ルゴン、窒素または二酸化炭素による処理の下に溶融を
行う。このガス処理は様々な方法で行うことができる。
これには、ガスを溶融物上に流すか、ある器具 [例えば
"ランス(lance) " ] の助けを借りて溶融物中に注入す
るか、またはこの技術分野に熟練した者には公知の他の
方法によって攪拌タンク中に導入することが考えられ
る。この溶融温度は、好ましくは 110と200 ℃の間、特
に好ましくは 130〜170℃である。
【0013】次いで、装置中の不活性ガス圧を減圧して
引き下げる。装置中の不活性ガス圧は、通常 0.1〜300m
bar 、好ましくは 1〜140mbar 、特に好ましくは 4〜95
mbarである。減圧に要する期間は、フタルイミドアルカ
ンカルボン酸に望む純度、及び粗溶融生成物の温度に依
存し、それは一般的に 5時間までである。140 ℃の溶融
温度かつ 105mbarの減圧下で、3 時間に満たないうちに
はもう、最初1.26重量% から出発したフタル酸の含有率
が 0.5重量% 未満まで減少することが示された。これら
の条件の下で、水の含有率は30分後でさえ4.10重量% か
ら 0.1重量% 以下まで減少する。より高い温度またはよ
り低い圧力が、必要とされる期間を短くすること、また
は生成物の純度を高くすることは一般的に真実である。
引き下げる。装置中の不活性ガス圧は、通常 0.1〜300m
bar 、好ましくは 1〜140mbar 、特に好ましくは 4〜95
mbarである。減圧に要する期間は、フタルイミドアルカ
ンカルボン酸に望む純度、及び粗溶融生成物の温度に依
存し、それは一般的に 5時間までである。140 ℃の溶融
温度かつ 105mbarの減圧下で、3 時間に満たないうちに
はもう、最初1.26重量% から出発したフタル酸の含有率
が 0.5重量% 未満まで減少することが示された。これら
の条件の下で、水の含有率は30分後でさえ4.10重量% か
ら 0.1重量% 以下まで減少する。より高い温度またはよ
り低い圧力が、必要とされる期間を短くすること、また
は生成物の純度を高くすることは一般的に真実である。
【0014】本発明方法の更なる具体例では、適当な装
置、例えば圧力一定の加熱可能な攪拌タンク中で、その
装置を真空排気した後に、粗生成物を不活性ガスで処理
し、そして密閉した装置中で溶融する。加熱中に生じる
過圧を時々開放する。圧力開放後に、不活性ガスを再び
装置中に流し、装置を圧密に封じ、そして過圧になった
ら再び圧力を開放する。この方法は過圧がもう生じなく
なるまで繰り返す。
置、例えば圧力一定の加熱可能な攪拌タンク中で、その
装置を真空排気した後に、粗生成物を不活性ガスで処理
し、そして密閉した装置中で溶融する。加熱中に生じる
過圧を時々開放する。圧力開放後に、不活性ガスを再び
装置中に流し、装置を圧密に封じ、そして過圧になった
ら再び圧力を開放する。この方法は過圧がもう生じなく
なるまで繰り返す。
【0015】しかし、対応する連続的方法の方が、この
バッチ式方法より好ましい。連続的方法では、粗生成物
を不活性ガスで処理し、そして適当な装置、例えば圧力
が安定な加熱可能な攪拌タンク中で溶融する。この溶融
物のガス処理は、好ましくはその溶融物上に不活性ガス
流を流すことによって行われ、不活性ガス流の流速は、
通例 0.1〜50 l/h、好ましくは 1〜30 l/h、特に好まし
くは 2〜20 l/hである。このガス流は、大気圧下または
その代わりに僅かな減圧下、好ましくは 500〜800mbar
の範囲で装置中に流すことができる。粗生成物の汚染度
に依存して、減圧度をより低くすることもできる。不活
性ガス流を溶融生成物上に流す間の期間は、通常0.1 〜
6 時間、好ましくは 0.3〜3 時間、特に好ましくは 0.5
〜1.5 時間である。この期間は、必要とされる純度、生
成物溶融温度及び適用された減圧度に依存する。
バッチ式方法より好ましい。連続的方法では、粗生成物
を不活性ガスで処理し、そして適当な装置、例えば圧力
が安定な加熱可能な攪拌タンク中で溶融する。この溶融
物のガス処理は、好ましくはその溶融物上に不活性ガス
流を流すことによって行われ、不活性ガス流の流速は、
通例 0.1〜50 l/h、好ましくは 1〜30 l/h、特に好まし
くは 2〜20 l/hである。このガス流は、大気圧下または
その代わりに僅かな減圧下、好ましくは 500〜800mbar
の範囲で装置中に流すことができる。粗生成物の汚染度
に依存して、減圧度をより低くすることもできる。不活
性ガス流を溶融生成物上に流す間の期間は、通常0.1 〜
6 時間、好ましくは 0.3〜3 時間、特に好ましくは 0.5
〜1.5 時間である。この期間は、必要とされる純度、生
成物溶融温度及び適用された減圧度に依存する。
【0016】上記方法 b) に引き続き、溶融物を冷却
し、そして生成物に更なる処理、例えば二次加工を施
す。通例、その溶融物は凝固点まで冷却する。更に、一
方では反応容器から溶融物を簡単に取り出すことができ
るように、また他方では遅れることなく二次加工を始め
ることができるように、溶融物を即座に上記凝固点まで
冷却することが考えられる。
し、そして生成物に更なる処理、例えば二次加工を施
す。通例、その溶融物は凝固点まで冷却する。更に、一
方では反応容器から溶融物を簡単に取り出すことができ
るように、また他方では遅れることなく二次加工を始め
ることができるように、溶融物を即座に上記凝固点まで
冷却することが考えられる。
【0017】
【実施例】N,N-フタロイルアミノカプロン酸(PAC) 、フ
タル酸及びε- カプロラクタムの含有率は逆相HPLCによ
って測定する。残留水の量はカールフィシャー方法によ
って測定する。百分率は重量% で示してある。 実施例 1 以下の分析データを有するN,N-フタロイルアミノカプロ
ン酸(PAC) 1kg: PAC: 93.5 % フタル酸: 1.45 % ε- カプロラクタム 0.55 % 水 4.40 % をフラスコ中で 155℃に加熱する。この温度に達したら
直ぐに、弱い減圧105mbar を適用し、そしてこの溶融物
をこの温度に 5時間維持する。1 時間毎にこの溶融物か
ら試料を取り出し、そしてこの試料のPAC 、フタル酸、
ε- カプロラクタム及び水の含有率を測定する (表 1)
。変色していない精製された最終生成物を得た。 実施例 2 以下の分析データを有するPAC 1kg: PAC: 94.1 % フタル酸: 1.26 % ε- カプロラクタム: 0.50 % 水: 4.10 % をフラスコ中で 170℃に加熱する。この温度に達したら
直ぐに、25mbarの減圧を適用し、そして溶融物をこの温
度で 3時間維持する。30分または 1時間毎に溶融物から
試料を取り出し、そしてこの試料の PAC、フタル酸、ε
- カプロラクタム及び水の含有率を測定する (表 2) 。
ほぼ真っ白な精製された最終生成物を得た。 *繰り返し測定 実施例 3 以下の分析データを有する PAC 2kg: PAC: 94.10 % フタル酸: 1.45 % 水: 4.40 % をフラスコ中で窒素で覆い、そして155 ℃に加熱する。
この温度に達したら直ぐに、その間に溶融した生成物上
に穏やかな窒素流(2〜10 l/h) を流す。15または30分毎
に試料を取り出し、そしてそれらの PAC、フタル酸及び
水の含有率を分析する (表 3) 。最終生成物として、脱
水された PACが得られた。 *繰り返し測定 実施例 4 先ず、ε- カプロラクタム45.2kg、無水フタル酸59.2kg
及び脱イオンした水7.2kg を攪拌機を有する 350リット
ルのタンク中に導入する。そのタンクを二度真空排気
し、窒素で処理し、そして圧密に封じる。攪拌しないで
加熱した後に、 155℃で攪拌しながら反応を行う。10時
間の反応時間後に、過蒸気圧をバルブを通して大気に開
放する。そのバルブを再び閉めて、そして再びタンクを
窒素で処理する。5 〜6barの過圧が生じたら直ぐに、圧
力を再び大気に開放する。この手順を更に繰り返した後
に、タンクを 120℃に冷却し、そしてフレーキングロー
ル(flaking roller)を経て生成物を取り出す。得られた
最終生成物は、白い破片状の PACである。
タル酸及びε- カプロラクタムの含有率は逆相HPLCによ
って測定する。残留水の量はカールフィシャー方法によ
って測定する。百分率は重量% で示してある。 実施例 1 以下の分析データを有するN,N-フタロイルアミノカプロ
ン酸(PAC) 1kg: PAC: 93.5 % フタル酸: 1.45 % ε- カプロラクタム 0.55 % 水 4.40 % をフラスコ中で 155℃に加熱する。この温度に達したら
直ぐに、弱い減圧105mbar を適用し、そしてこの溶融物
をこの温度に 5時間維持する。1 時間毎にこの溶融物か
ら試料を取り出し、そしてこの試料のPAC 、フタル酸、
ε- カプロラクタム及び水の含有率を測定する (表 1)
。変色していない精製された最終生成物を得た。 実施例 2 以下の分析データを有するPAC 1kg: PAC: 94.1 % フタル酸: 1.26 % ε- カプロラクタム: 0.50 % 水: 4.10 % をフラスコ中で 170℃に加熱する。この温度に達したら
直ぐに、25mbarの減圧を適用し、そして溶融物をこの温
度で 3時間維持する。30分または 1時間毎に溶融物から
試料を取り出し、そしてこの試料の PAC、フタル酸、ε
- カプロラクタム及び水の含有率を測定する (表 2) 。
ほぼ真っ白な精製された最終生成物を得た。 *繰り返し測定 実施例 3 以下の分析データを有する PAC 2kg: PAC: 94.10 % フタル酸: 1.45 % 水: 4.40 % をフラスコ中で窒素で覆い、そして155 ℃に加熱する。
この温度に達したら直ぐに、その間に溶融した生成物上
に穏やかな窒素流(2〜10 l/h) を流す。15または30分毎
に試料を取り出し、そしてそれらの PAC、フタル酸及び
水の含有率を分析する (表 3) 。最終生成物として、脱
水された PACが得られた。 *繰り返し測定 実施例 4 先ず、ε- カプロラクタム45.2kg、無水フタル酸59.2kg
及び脱イオンした水7.2kg を攪拌機を有する 350リット
ルのタンク中に導入する。そのタンクを二度真空排気
し、窒素で処理し、そして圧密に封じる。攪拌しないで
加熱した後に、 155℃で攪拌しながら反応を行う。10時
間の反応時間後に、過蒸気圧をバルブを通して大気に開
放する。そのバルブを再び閉めて、そして再びタンクを
窒素で処理する。5 〜6barの過圧が生じたら直ぐに、圧
力を再び大気に開放する。この手順を更に繰り返した後
に、タンクを 120℃に冷却し、そしてフレーキングロー
ル(flaking roller)を経て生成物を取り出す。得られた
最終生成物は、白い破片状の PACである。
【0018】分析データ: PAC: 96.34 % フタル酸: 1.33 % 水: 1.45 % 実施例 5 (実施例 4に対する比較例) 先ず、ε- カプロラクタム45.2kg、無水フタル酸59.2kg
及び脱イオン化した水7.2kg を、攪拌機を有する 350リ
ットルのタンクに導入する。そのタンクを 2回真空排気
し、窒素で処理しそして圧密に封じる。攪拌しないで加
熱した後に、155 ℃で攪拌しながら反応を行うと、内部
圧は約 7.5bar の最高値まで増大する。10時間の反応時
間後に、タンクを 120℃に冷却しそしてフレーキングロ
ールを経て生成物を取り出す。PAC が白い破片状物質と
して得られる。 分析データ: PAC: 93.3% フタル酸: 1.45% 水 5.0 % この実施例は、イミドカルボン酸 PACの粗生成物がどれ
ほど簡単にかつ効果的に精製されているかを示してい
る。
及び脱イオン化した水7.2kg を、攪拌機を有する 350リ
ットルのタンクに導入する。そのタンクを 2回真空排気
し、窒素で処理しそして圧密に封じる。攪拌しないで加
熱した後に、155 ℃で攪拌しながら反応を行うと、内部
圧は約 7.5bar の最高値まで増大する。10時間の反応時
間後に、タンクを 120℃に冷却しそしてフレーキングロ
ールを経て生成物を取り出す。PAC が白い破片状物質と
して得られる。 分析データ: PAC: 93.3% フタル酸: 1.45% 水 5.0 % この実施例は、イミドカルボン酸 PACの粗生成物がどれ
ほど簡単にかつ効果的に精製されているかを示してい
る。
【0019】それ故、実施例 1では、フタル酸の含有率
は弱い減圧を適用するだけで 94%引き下げられ、そして
ε- カプロラクタムはほぼ74% 引き下げられる。残留水
は実質的に完全に除去される。粗生成物 PACの乾燥は、
溶融生成物上に窒素流を流すかまたは溶融生成物の上の
反応器空間に“換気/ ガス処理" を繰り返すことによっ
て更により簡単に達成される (実施例 3、4)。この場合
は、イミドカルボン酸PACは30分のうちにほとんど無水
の状態で得られるか、またはたった3 回の“換気/ ガス
処理" の後に、水含有率が 70%低減されて得られる。フ
タル酸含有率は、どんな割合においても窒素流を流すこ
とによって 40%よりも多く低減される。
は弱い減圧を適用するだけで 94%引き下げられ、そして
ε- カプロラクタムはほぼ74% 引き下げられる。残留水
は実質的に完全に除去される。粗生成物 PACの乾燥は、
溶融生成物上に窒素流を流すかまたは溶融生成物の上の
反応器空間に“換気/ ガス処理" を繰り返すことによっ
て更により簡単に達成される (実施例 3、4)。この場合
は、イミドカルボン酸PACは30分のうちにほとんど無水
の状態で得られるか、またはたった3 回の“換気/ ガス
処理" の後に、水含有率が 70%低減されて得られる。フ
タル酸含有率は、どんな割合においても窒素流を流すこ
とによって 40%よりも多く低減される。
Claims (21)
- 【請求項1】 以下の方法: a) 汚染されたフタルイミドアルカンカルボン酸を溶融
し、 b) 不純物がこの溶融物から実質的に分離するのに十分
な期間及び温度でこの溶融物を保持し、そして c) 精製された溶融生成物を冷却することを含む、フタ
ル酸、ラクタム、水またはそれらの混合物で汚染された
フタルイミドアルカンカルボン酸を精製する方法。 - 【請求項2】 段階a)において、溶融温度が 110と200
℃の間であることを特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項3】 段階a)において、溶融温度が 130と170
℃の間であることを特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項4】 段階a)において、不活性ガスによる処理
の下で溶融を行うことを特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項5】 段階b)において、溶融物を不活性ガス減
圧下で維持することを特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項6】 不活性ガス圧が 0.1と300mbar の間であ
ることを特徴とする請求項5の方法。 - 【請求項7】 不活性ガス圧が 1と140mbar の間である
ことを特徴とする請求項5の方法。 - 【請求項8】 不活性ガス圧が 4と95mbarの間であるこ
とを特徴とする請求項5の方法。 - 【請求項9】 前記期間が 5時間までであることを特徴
とする請求項1の方法。 - 【請求項10】 段階 a) において、汚染されたフタル
イミドアルカンカルボン酸を圧密の装置中で不活性ガス
で処理し、次いで密閉した装置中で溶融させ、そして段
階 b) において、生じた過圧を開放し、圧力開放後、不
活性ガスを再び装置中に流し、その装置を圧密に封じ、
そして過圧が生じたら装置を再び開放することによっ
て、上述の不活性ガスによる処理及び上述の圧力開放
を、過圧を生じなくなるまで繰り返すことを特徴とする
請求項1の方法。 - 【請求項11】 段階a)において、汚染されたフタルイ
ミドアルカンカルボン酸を不活性ガスで処理し、次いで
またはそれと同時に溶融させ、そして段階b)において、
溶融物を不活性ガスで処理することを特徴とする請求項
1の方法。 - 【請求項12】 溶融物上に不活性ガス流を流すことに
よってガス処理を行うことを特徴とする請求項11の方
法。 - 【請求項13】 不活性ガスの流速が 0.1〜50 l/hであ
ることを特徴とする請求項11の方法。 - 【請求項14】 不活性ガスの流速が 1〜30 l/hである
ことを特徴とする請求項11の方法。 - 【請求項15】 不活性ガスの流速が 2〜20 l/hである
ことを特徴とする請求項11の方法。 - 【請求項16】 不活性ガスを、大気圧下または減圧下
で溶融物上に流すことを特徴とする請求項11の方法。 - 【請求項17】 減圧が 500〜800mbar の範囲であるこ
とを特徴とする請求項16の方法。 - 【請求項18】 不活性ガス流を、0.1 〜6 時間の期間
で溶融物上に流すことを特徴とする請求項11の方法。 - 【請求項19】 不活性ガス流を、0.3 〜3 時間の期間
で溶融物上に流すことを特徴とする請求項11の方法。 - 【請求項20】 不活性ガス流を、0.5 〜1.5 時間の期
間で溶融物上に流すことを特徴とする請求項11の方
法。 - 【請求項21】 段階 c) において、精製した溶融生成
物を、上記の凝固点またはそれよりも上の凝固点近くの
温度まで冷却することを特徴とする請求項1の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE4301024 | 1993-01-16 | ||
DE4301024:5 | 1993-01-16 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH072772A true JPH072772A (ja) | 1995-01-06 |
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ID=6478316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6002678A Withdrawn JPH072772A (ja) | 1993-01-16 | 1994-01-14 | 精製フタルイミドアルカンカルボン酸を製造する方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5470988A (ja) |
EP (1) | EP0607821A1 (ja) |
JP (1) | JPH072772A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002527499A (ja) * | 1998-10-20 | 2002-08-27 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | フェノキシメチル安息香酸類の乾燥方法 |
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IT1277686B1 (it) * | 1995-12-21 | 1997-11-11 | Ausimont Spa | Preparazione di soluzioni di acidi immido-alcancarbossilici adatte per processi di perossidazione |
IT1277685B1 (it) * | 1995-12-21 | 1997-11-11 | Ausimont Spa | Procedimento per la riduzione di acqua e di impurezze polari in acidi immido-alcanpercarbossilici |
MXPA02003138A (es) | 1999-09-22 | 2002-09-30 | Procter & Gamble | Envase para liquido que se sostiene con la mano. |
US20180352714A1 (en) * | 2017-06-08 | 2018-12-13 | Jock Renau PHELPS | Shovel-cum-spade tool |
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DE3823172C2 (de) * | 1988-07-08 | 1998-01-22 | Hoechst Ag | omega-Phthalimidoperoxihexansäure, Verfahren zu dessen Herstellung und dessen Verwendung |
IT1254619B (it) * | 1992-02-21 | 1995-09-28 | Ausimont Spa | Procedimento per la purificazione di acido ftalimmido-perossicaproico (pap) da impurezze di solventi clorurati |
-
1994
- 1994-01-07 EP EP94100196A patent/EP0607821A1/de not_active Withdrawn
- 1994-01-13 US US08/181,575 patent/US5470988A/en not_active Expired - Fee Related
- 1994-01-14 JP JP6002678A patent/JPH072772A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002527499A (ja) * | 1998-10-20 | 2002-08-27 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | フェノキシメチル安息香酸類の乾燥方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0607821A1 (de) | 1994-07-27 |
US5470988A (en) | 1995-11-28 |
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