JPH07276932A - 車両用タイヤ空気圧検出装置 - Google Patents

車両用タイヤ空気圧検出装置

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JPH07276932A
JPH07276932A JP7088694A JP7088694A JPH07276932A JP H07276932 A JPH07276932 A JP H07276932A JP 7088694 A JP7088694 A JP 7088694A JP 7088694 A JP7088694 A JP 7088694A JP H07276932 A JPH07276932 A JP H07276932A
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tire
pulse
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pulses
wheel
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JP7088694A
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Mitsuhiro Makita
光弘 牧田
Hitoshi Ono
仁 小野
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い精度でタイヤの転がり半径を測定すること
により、タイヤの空気圧状態の判定を正確に行うことの
できる車両用タイヤ空気圧検出装置を提供する。 【構成】車両の走行状態が安定状態にあると判断された
(S2〜3,S5〜7)ときに、各車輪速センサから出
力されたパルス数をカウントして積算し(S8)、パル
ス数積算値xFL〜xRRの最小値xMIN を基準タイヤのパ
ルス積算数x0 に設定し(S10)、このパルス積算数
0 が、予め設定されたタイヤの転がり半径測定精度Δ
0 と、パルス数読み込みの中断による測定区間の区分
数hとにより算出される数h(R0 /ΔR0 )以上とな
れば(S14)、前記基準値x0 の各積算値xFL〜xRR
に対する比を各タイヤ半径比(Rj /R0 )として算出
する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の走行中にタイヤ
の空気圧状態を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用タイヤ空気圧検出装置としては、
例えば、特開平4−271907号公報に記載されてい
るように、タイヤの転がり半径とタイヤの空気圧は比例
関係にあることを利用して、各タイヤの転がり半径を比
較することにより、各タイヤの空気圧低下を検出するも
のが提案されている。
【0003】タイヤの転がり半径(R)は、所定時間に
おけるタイヤの走行距離をL、タイヤの回転数をNとす
ると、下記の(1)式により算出されるが、 R=L/N ……(1) 実用上、タイヤの走行距離(L)を直接測定する手段が
なく、車輪やトランスミッションの回転数から推定せざ
るを得ないため、現実的には、四輪のいずれかを基準タ
イヤに設定し、基準タイヤの転がり半径R0 に対する検
出対象タイヤの転がり半径Rj (タイヤ半径比(Rj
0 ))を、基準タイヤの回転数をN0 、検出対象タイ
ヤの回転数をNj として下記の(2)式により算出し、 Rj /R0 =N0 /Nj ……(2) このタイヤ半径比(Rj /R0 )の比較から、空気圧が
低下しているタイヤを判定することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、タイヤの
転がり半径からタイヤの空気圧状態を検出する方法で
は、タイヤの空気圧の変化による転がり半径の変化の割
合が、例えばラジアルタイヤの常用荷重域で1〜2mm
/100kPaと非常に小さいため、タイヤの転がり半
径を例えば0.1mm程度の小さな誤差で検出しなけれ
ば、空気圧状態の判定の信頼性が不十分なものとなる。
しかしながら、前記特開平4−271907号公報等に
記載の装置では、タイヤの回転数を示すデータとして車
輪速センサからの速度信号を使用しているが、タイヤの
転がり半径の検出精度については何ら考慮されていな
い。
【0005】これは、前記従来の装置は、通常、アンチ
スキッド制御装置(以下、「ABS」とも記す。)が装
備された車両において、ABSを構成する車輪速センサ
からのデータを流用するものであることに起因する。す
なわち、ABSにおいては車輪速を示す速度信号の応答
性は重視されるが、車輪速度の検出精度については特に
考慮されないため、この速度信号が示す車輪速度の精度
は、使用しているコントローラのA/D変換器における
変換信号のビット数分しかない。例えば、12ビットの
分解能で速度信号をA/D変換した場合には、速度信号
の検出精度(分解能)は全信号幅/4096となる。こ
れに従って、タイヤの転がり半径の変化が1mmである
ときのタイヤ半径比(Rj /R0 )の変化を算出する
と、タイヤ半径が0.3mの場合には0.00333・
・・程度でしかないことになり、この程度の変化量では
空気圧状態の判定が十分には行われない。
【0006】請求項1および2の各発明は、このような
従来技術の問題点に着目してなされたものであり、高い
精度で各タイヤの転がり半径を検出することにより、空
気圧低下量に応じた正確な転がり半径の変化を測定し、
タイヤの空気圧状態の判定を正確に行うことのできる車
両用タイヤ空気圧検出装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本件の発明者らは、前記
従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
以下の知見を得て請求項1および2の発明を完成させ
た。すなわち、例えば、車両が平滑な路面を定速直進走
行しているとき、車両の各輪のタイヤ空気圧が一定(各
輪に装着されているタイヤが同一径のタイヤであること
を前提とする)であれば、前記ABS等で用いられてい
る車輪速センサおよびA/D変換器から検出される車輪
速に応じたパルス数は、当該各輪について同等である。
そして、タイヤ空気圧が低い車輪は転がり半径が小さく
なる訳であるから、車両が同じ距離を走行する間、もし
くはそれと等価な時間に、当該車輪は他の車輪より多く
回転することになるため、検出されるパルス数も多くな
る。逆に、タイヤ空気圧が高い車輪は、同じ距離または
同じ時間に検出されるパルス数が相対的に少なくなる。
したがって、車両が定常走行している状態における、所
定距離または所定時間に検出される各輪のパルス数積算
値の比の逆数により、タイヤの転がり半径の比を表すこ
とができる。つまり、各輪の車輪速を示すパルス数積算
値を比較することによっても、各輪のタイヤ空気圧の比
較をすることができる。ここで、前記パルス数積算値の
最小値を基準タイヤのパルス数積算値とし、当該基準タ
イヤのパルス数積算値を、前述のような、タイヤの転が
り半径の検出に要求される精度を満たす値以上に予め設
定すれば、タイヤの空気圧状態の判定が正確に行われる
ようにすることができる。
【0008】また、前段に説明したように、各輪のタイ
ヤ空気圧の比較が、各輪の車輪速を示すパルス数積算値
を比較することによって行うことが可能となるのは、厳
密には、各輪が等速回転している場合である。すなわ
ち、いずれかの車輪が駆動力によってスリップしている
場合や、制動力によってロック気味にスリップしている
場合や、旋回に伴って旋回外輪が旋回内輪より速くまた
は多く回転しているといった場合には、各輪のパルス数
積算値の比の逆数はタイヤの転がり半径の比と等価でな
くなる。そのため、車両が安定走行状態にある場合にの
みパルス数の積算を行い、車両の走行状態が前述のよう
に不安定になったときにはパルス数積算を行わないこと
が、タイヤの転がり半径の検出精度を高くし、タイヤの
空気圧状態の判定をより正確に行う上で有利となる。
【0009】そこで、請求項1に記載されている本発明
は、図1の基本構成図に示すように、各車輪の回転数に
応じたパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、前
記パルス信号出力手段から出力されたパルス信号のパル
ス数を積算するパルス数積算手段と、前記パルス数積算
手段からのパルス数積算値に基づいて、基準タイヤに対
する各タイヤの転がり半径比を算出するタイヤ半径比算
出手段と、前記タイヤ半径比算出手段で算出された各タ
イヤの転がり半径比に基づいて各タイヤの空気圧状態を
判定する空気圧状態判定手段とを備えたことを特徴とす
る車両用タイヤ空気圧検出装置を提供する。
【0010】請求項2に記載されている本発明は、図2
の基本構成図に示すように、車両の走行状態を検出する
走行状態検出手段と、各車輪の回転数に応じたパルス信
号を出力するパルス信号出力手段と、前記パルス信号出
力手段から出力されたパルス信号のパルス数を積算する
パルス数積算手段と、前記パルス数積算手段からのパル
ス数積算値に基づいて、基準タイヤに対する各タイヤの
転がり半径比を算出するタイヤ半径比算出手段と、前記
タイヤ半径比算出手段で算出された各タイヤの転がり半
径比に基づいて各タイヤの空気圧状態を判定する空気圧
状態判定手段とを備え、前記パルス数積算手段は、前記
走行状態検出手段からの走行状態検出値に基づいてパル
ス数の積算を行わないパルス数積算中止手段を含むもの
であることを特徴とする車両用タイヤ空気圧検出装置を
提供する。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、例えば車輪速センサ
等のパルス信号出力手段から各車輪の回転数に応じたパ
ルス信号が出力され、前記パルス信号出力手段から出力
されたパルス信号のパルス数がパルス数積算手段で積算
され、タイヤ半径比算出手段で、前記パルス数積算手段
で積算されたパルス数積算値に基づいて、例えば四輪の
パルス数積算値のうち最小のパルス数積算値を積算パル
ス基準値として、この積算パルス基準値と各輪のパルス
数積算値との比を算出することにより、基準タイヤに対
する各タイヤの転がり半径比が算出され、空気圧状態判
定手段において、前記タイヤ半径比算出手段で算出され
た各タイヤの転がり半径比に基づいて、基準タイヤとの
比較において各タイヤの空気圧状態が判定される。した
がって、例えば、前記パルス数積算手段において、予め
設定されたタイヤの転がり半径の測定精度に応じた数だ
け、または前記精度に応じた時間だけパルス数を積算す
ることにより、当該測定精度で各タイヤの転がり半径が
測定されるため、基準タイヤに対する各タイヤの転がり
半径比が精度良く算出され、各タイヤの空気圧状態の判
定を正確に行うことができる。
【0012】請求項2の発明によれば、例えば車輪速セ
ンサ等のパルス信号出力手段から各車輪の回転数に応じ
たパルス信号が出力され、前記パルス信号出力手段から
出力されたパルス信号のパルス数がパルス数積算手段で
積算されるが、走行状態検出手段からの走行状態検出値
に基づいて例えば走行状態が設定された安定状態から外
れるときには、パルス数積算手段のパルス数積算中止手
段により前述のパルス数の積算が行われない。そして、
タイヤ半径比算出手段で、前記パルス数積算手段で積算
されたパルス数積算値に基づいて、例えば四輪のパルス
数積算値のうち最小のパルス数積算値を積算パルス基準
値として、この積算パルス基準値と各輪のパルス数積算
値との比を算出することにより、基準タイヤに対する各
タイヤの転がり半径比が算出され、空気圧状態判定手段
において、前記タイヤ半径比算出手段で算出された各タ
イヤの転がり半径比に基づいて、基準タイヤとの比較に
おいて各タイヤの空気圧状態が判定される。したがっ
て、例えば、前記パルス数積算手段において、予め設定
されたタイヤの転がり半径の測定精度に応じた数だけ、
または前記精度に応じた時間だけパルス数を積算するこ
とにより、当該測定精度で各タイヤの転がり半径が測定
されるため、基準タイヤに対する各タイヤの転がり半径
比が精度良く算出されるとともに、走行状態が不安定な
場合にはパルス数の積算が行われないため、信頼性の高
いデータによりタイヤ半径比の算出が行われて、タイヤ
の空気圧状態の判定をよりいっそう正確に行うことがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、請求項1および2の発明に係る車両用
タイヤ空気圧検出装置の一実施例を図面に基づき説明す
る。ここでは、前記車両用タイヤ空気圧検出装置が、ア
ンチスキッド制御装置とともに車両に装備された例につ
いて述べる。
【0014】図3にこの実施例の全体的な構成を簡潔に
示す。まず、アンチスキッド制御装置の構成について説
明すると、この装置は四輪独立制御のアンチスキッド制
御装置であり、2は車両に搭載されたディスクブレーキ
装置を示す。前記ディスクブレーキ装置2は、ブレーキ
ペダル6、マスタシリンダ8、前左〜後右車輪9FL〜
9RRのホイルシリンダ10FL〜10RRを有してい
る。
【0015】このアンチスキッド制御装置は、各車輪9
FL〜9RRの回転状況を検出するための車輪速センサ
11FL〜11RRと、車両の前後方向加速度を検出す
る前後加速度センサ12と、ブレーキランプを点灯させ
るためのブレーキランプスイッチ13と、前記車輪速セ
ンサ11FL〜11RRから所定時間に出力されるパル
ス信号PFL〜PRRと前後加速度センサ12からの前後加
速度検出値Gとに基づき制動時のアンチスキッド制御を
指令するコントローラ15と、このコントローラの出力
する制御信号によってホイルシリンダ10FL〜10R
Rの液圧を各々調整するアクチュエータ16FL〜16
RRとを含んで構成される。
【0016】前記車輪速センサ11FL〜11RRは、
図4に示すように、各車輪9FL〜9RRの図示されな
いドライブシャフトの所定位置に個別に取り付けられて
外周にセレーションが形成されたロータ11aと、これ
に対向する磁石11bとを内蔵してその発生磁束による
誘導起電力を検出するコイル11cとで構成され、各車
輪9FL〜9RRの回転数に比例した周波数の正弦波交
流電圧信号をパルス信号に変換して各々出力する。
【0017】前記前後加速度センサ12は、車両に加速
度が作用していないときに“0”電圧となり、前進加速
度が作用したときにこれに比例した正の電圧となり、後
退加速度が作用したときにこれに比例した負の電圧とな
る前後加速度検出値Gを出力する。前記ブレーキランプ
スイッチ13は、例えばブレーキペダル6に取付けられ
ており、ブレーキペダル踏込み時にはブレーキランプを
点灯させると共に、制動時であることを表示する制動時
信号SB を出力する。
【0018】前記アクチュエータ16FL〜16RRの
各々は、図5に示すように,マスタシリンダ8とホイル
シリンダ10FL(〜10RR)との間に接続された流
入弁42と、ホイルシリンダ10FL(〜10RR)に
接続された流出弁44と、この流出弁44の出力側に接
続された蓄圧用のアキュームレータ46および作動油回
収用のオイルポンプ48と、オイルポンプ48およびマ
スタシリンダ8間のチェック弁50とを備えている。
【0019】このうち、流入弁42および流出弁44
は、コントローラ15からの液圧制御信号EVおよびA
Vによって各々開閉制御される常閉電磁弁となってい
る。そして、増圧モードでは、制御信号EVをオン,制
御信号AVをオフとすることにより、流入弁42が
「開」、流出弁44が「閉」となり、マスタシリンダ8
からの作動油圧を流入弁42を介してホイルシリンダ1
0FL(〜10RR)に供給でき、その結果、ホイルシ
リンダ圧が上昇する。減圧モードでは、制御信号EVを
オフ、制御信号AVをオンとすることにより、流入弁4
2が「閉」、流出弁44が「開」となり、ホイルシリン
ダ10FL(〜10RR)内の作動油圧をマスタシリン
ダ8側に回収でき、その結果、ホイルシリンダ圧が下降
する。更に、保持モードでは、制御信号EVおよびAV
を共にオフとすることで流入弁42および流出弁44を
「閉」状態とし、ホイルシリンダ10FL(〜10R
R)内の作動油圧を封じ込めることができ、その結果、
その圧力を保持できる。なお、制御信号MRはアンチス
キッド制御中オンとされ、これにより前記オイルポンプ
48が駆動する。
【0020】前記コントローラ15は、少なくともA/
D変換機能を有する入力インタフェース回路、中央演算
装置(CPU)、記憶装置(ROM,RAM)、D/A
変換機能を有する出力インタフェース回路等を有するマ
イクロコンピュータを備えてなる。このコントローラ1
5によるアンチスキッド制御の詳細な内容についてはこ
こでは詳述しないが、前記車輪速センサ11FL〜11
RRから出力される前記パルス信号PFL〜PRRから車輪
速WFL〜WRRを算出し、この車輪速検出値WFL〜WRR
基づいて、記憶装置に予め記憶されたプログラムを実行
することにより行われる。
【0021】具体的には、車輪速検出値WFL〜WRRと前
後加速度検出値Gとから疑似車速V ref を算出し、例え
ばこの疑似車速Vref と各車輪速検出値WFL〜WRRとの
差が所定のスリップ率(1−β)の範囲内となる各車輪
速を算出し、この車輪速を達成するように各ホイルシリ
ンダ10FL〜10RRへの作動液圧を増減圧して、各
車輪への制動力を制御する。これにより、十分な減速度
を得ながら、確実に車輪のロックを防止する。
【0022】なお、前記疑似車速Vref を算出する疑似
車速発生装置には、例えば本出願人が先に提案した特開
平4−27650号公報に記載されるものを適用でき
る。この疑似車速発生装置について簡潔に説明すれば、
前後加速度センサ12の出力値すなわち前後加速度検出
値Gを入力信号とし、アンチスキッド制御中の制御信号
MRを制御入力として、当該制御信号MRが論理値
“1”の場合に、当該制御信号MRの立ち上がり時点に
おいてセレクトハイスイッチで選択されたセレクトハイ
車輪速を初期値として、前後加速度検出値Gの積分値を
加算し、推定車体速度を疑似車速Vref として疑似的に
求めるように構成されている。
【0023】一方、この実施例における車両用タイヤ空
気圧検出装置は、前述の車輪速センサ11FL〜11R
R、前後加速度センサ12、およびブレーキランプスイ
ッチ13と、アクセルの開度を検出するアクセル開度セ
ンサ31と、ステアリングホイールの操舵角度を検出す
る操舵角センサ33と、トランスミッションのギヤナン
バーを出力するトランスミッションギヤセレクトスイッ
チ34と、車輪速センサ11FL〜11RRから出力さ
れるパルス信号PFL〜PRR、前後加速度センサ12から
の前後加速度検出値G、ブレーキランプスイッチ13か
らの制動時信号SB 、アクセル開度センサ31からのア
クセル開度検出値A、トランスミッションギヤセレクト
スイッチ34からのトランスミッションギヤナンバーS
T 、および操舵角センサ33からの操舵角度θに基づい
て、各車輪9FL〜9RRのタイヤの空気圧状態を判定
するコントローラ15(前記アンチスキッド制御用と兼
用)と、コントローラ15から出力されたタイヤの空気
圧状態を運転者に向けて表示する(例えば、空気圧が低
下しているタイヤの表示を行う)タイヤ空気圧警告灯4
とで構成されている。
【0024】タイヤ空気圧検出に関し、前記コントロー
ラ15を構成するマイクロコンピュータの入力インタフ
ェース回路には、上述した各検出値が入力され、出力イ
ンタフェース回路からは、タイヤ空気圧警告灯4に向け
て空気圧が低下しているタイヤを表示するための表示デ
ータSK が出力される。また、前記中央演算装置(CP
U)は、後述する図8の演算処理を実行して、所定サン
プリング時間TS (例えば20msec)毎に、前後加
速度検出値G、アクセル開度検出値A、トランスミッシ
ョンギヤナンバーST 、操舵角度検出値θを読み込み、
読み込まれた各データが予め設定された範囲にあり、且
つ制動時信号SB が出力されていない場合には、パルス
信号PFL〜PRRのパルス数カウントおよびその積算を行
い、前記各データのいずれかが予め設定された範囲外に
あるか制動時信号SB が出力されている場合、または前
記各データの読み込みからパルス数カウントおよびその
積算までの演算回数Nが設定値N0 を超えた場合には、
前記パルス数カウントおよびその積算を中断し、各タイ
ヤのパルス数積算値xFL〜xRRから最小値xMIN を選択
してこれを基準タイヤのパルス積算数x0 に設定し、こ
の設定された基準タイヤのパルス積算数x0 が、所定空
気圧でのタイヤの転がり半径R0 (設定値)と予め設定
されたタイヤの転がり半径測定精度ΔR0 と前記中断に
よる測定区間の区分数hとにより算出される数h(R0
/ΔR 0 )以上となれば、前記基準値x0 の各積算値x
FL〜xRRに対する比を各タイヤ半径比(Rj /R0 )と
して算出し、算出されたタイヤ半径比(Rj /R0 )が
所定値T未満であれば、当該タイヤの空気圧が低下して
いるものと判断して、タイヤ空気圧警告灯4に当該タイ
ヤの空気圧低下の表示データを出力する。
【0025】更に、前記記憶装置(ROM,RAM)に
は、予め前記中央演算装置の演算処理に必要なプログラ
ムおよび各設定値が記憶されているとともに、演算過程
で必要な演算結果を逐次記憶する。前記タイヤ空気圧警
告灯4は、コントローラ15から出力されたタイヤの空
気圧低下の表示データに基づいて、空気圧が低下してい
るタイヤを、例えば「左前輪のタイヤ空気圧低下」のよ
うに表示するように構成されたものであり、インストゥ
ルメントパネル等に設けられている。
【0026】次に、この実施例のタイヤ空気圧検出装置
における基本原理について説明する。本発明の車両用タ
イヤ空気圧検出装置は、前記従来の装置と同様に、基準
タイヤに対する各タイヤの転がり半径比すなわちタイヤ
半径比(Rj /R0 )から各タイヤの空気圧状態を判定
するものであり、このタイヤ半径比(Rj /R0 )を精
度良く算出することにより、各タイヤの空気圧状態を正
確に判定することを目的としている。
【0027】タイヤ半径比(Rj /R0 )は、前記
(2)式で示されるように各タイヤの回転数の比として
算出されるが、前記車輪速センサから出力されるパルス
信号によって複数のタイヤ間の回転数差を測定するに
は、各車輪速センサから一定時間に出力されたパルス信
号のパルス数を比較するか、ある車輪速センサから出力
されたパルス信号のパルス数が設定値に達した時点で、
この設定値と、同じ時間に他の車輪速センサから出力さ
れたパルス信号のパルス数とを比較する方法がある。。
そして、いずれの場合でも、ある測定区間においてカウ
ントされる各タイヤ毎のパルス数は、必ずしも正確な値
とは限らない。なお、ここでは、車両が定速直進走行状
態であることを前提として説明する。
【0028】すなわち、図6および7に示すように、各
タイヤの回転数が同じ、つまり所定時間に車輪速センサ
から出力されるパルス数が同じであっても、(a)基準
タイヤの車輪速センサから出力されたパルス信号と
(b)検出対象タイヤの車輪速センサから出力されたパ
ルス信号に位相差があると、測定区間UK においてカウ
ントされるパルス数が異なる場合がある。ここで、矩形
波整形されたパルスの立ち上がり時刻から次のパルスの
立ち上がり時刻までの時刻差(パルス一個分の時刻差)
をU0 、測定区間UK の開始時刻とこの時刻後に発生し
た最初のパルスの立ち上がり時刻との時刻差(測定開始
時のパルスずれ分)をU1 、測定区間UK の終了時刻と
この時刻前に発生した最後のパルスの立ち上がり時刻と
の時刻差(測定終了時のパルスずれ分)をU2 とする
と、図6のように、測定区間UK に相当する時間が、前
記パルス一個分の時刻差U0 の整数倍になっている場合
には、U 1 +U2 =U0 となって測定区間UK でカウン
トされるパルス数が同じになり、測定誤差が生じない。
この図の場合には、(a)および(b)のいずれでも測
定区間UK でカウントされるパルス数は6個である。
【0029】これに対して、図7のように、測定区間U
K に相当する時間が、前記パルス一個分の時刻差U0
整数倍でない場合には、U1 +U2 <U0 となって、各
タイヤの回転数が同じ場合でも測定区間UK でカウント
されるパルス数が同じにならずに、測定誤差が生じる。
この図の場合には、測定区間UK でカウントされるパル
ス数は(a)で5個(b)では6個である。
【0030】以上のことから、パルス数カウントの分解
能が有する,測定誤差に対する影響度D(<1.000
・・・)を、下記の(3)式で表すことができる。 D=(U1 +U2 )/U0 ……(3) そして、前記図 の場合にはD=1となってパルス数カ
ウント測定に誤差が生じず、D=0.999・・・の時
に測定誤差が最大となる。
【0031】そして、所定の測定区間でカウントされた
パルス数が多いほど、前記パルス信号の位相差によって
不必要にカウントされたり必要であるのにカウントされ
なかったりしたパルス数が、パルス数カウントの測定誤
差に及ぼす影響が小さくなる。具体的には、間違ってカ
ウントされたりカウントされなかったりしたパルス数
(絶対誤差)が1個である場合において、所定の測定区
間でパルス数が1000個とカウントされた場合では相
対誤差が1/1000であるが、所定の測定区間でパル
ス数が10個とカウントされた場合では相対誤差が1/
10となる。
【0032】したがって、所定の測定区間でカウントさ
れたパルス数をxとすると、前記影響度Dをこのパルス
xで割った値D/xが、カウントされるパルス数xを加
味した場合のパルス数カウントにおける相対誤差とな
り、前述のように、D=0.999・・・の時に測定誤
差が最大となるため、パルス数カウントに関して生じる
測定誤差の最大値(E1 )は、D=0.999・・・≒
1の近似により、下記の(4)式で表すことができる。
【0033】 E1 =D(1/x)=1/x ……(4) また、各タイヤの転がり半径の測定値をRK と仮定し、
このタイヤの転がり半径の測定値RK が絶対誤差ΔRK
で測定されているとすると、相対誤差E2 は下記の
(5)式で表される。 E2 =ΔRK /RK ……(5) したがって、E1 =E2 を満たすパルス数xを、要求さ
れるタイヤの転がり半径の測定精度(=ΔRK )を満足
させるために少なくとも必要なパルス数と考えることが
できる。そのパルス数xは、前記(4)式および(5)
式に基づいて、下記の(6)式で表される x=RK /ΔRK ……(6) なお、一般的な乗用車用のタイヤであれば、タイヤの転
がり半径はほぼ0.3mであるため、タイヤの転がり半
径の測定精度を0.00001m(=0.01mm)に
するのに少なくとも必要なパルス数xは、RK =0.
3、ΔRK =0.00001を前記(6)式に代入する
ことにより、30000パルスと算出される。
【0034】一方、タイヤの転がり半径は、タイヤ空気
圧以外にも車両の走行速度、荷重等の影響を受けて変化
する。したがって、信頼性の高いデータによりタイヤ半
径比を算出するために、この実施例では、車両の走行状
態が不安定な場合にはパルス数カウントを行わず、安定
状態にある時にのみパルス数カウントを行うようにし
た。すなわち、車両の走行状態が安定状態から不安定状
態に移行した時にはパルス数カウントを中断し、安定状
態に戻った時にパルス数カウントを再開して、安定状態
にカウントされパルス数を積算する。このようなパルス
数カウントの中断により測定区間が複数に区分された場
合には、前記影響度Dが各測定区間毎に生じるため、測
定区間の区分数をh、パルス積算数をxT とすると、パ
ルス数カウントに関して生じる測定誤差の最大値
(E3 )は、前記(4)式に準じて下記の(7)式で表
される。
【0035】E3 =h/xT ……(7) したがって、この実施例では、下記の(8)式で示され
るE3 =E2 を満たすパルス数xT を、要求されるタイ
ヤの転がり半径の測定精度(=ΔRK )を満足させるた
めに少なくとも必要なパルス数とし、 xT =h(RK /ΔRK ) ……(8) 基準タイヤについて積算されたパルス数x0 がこのしき
い値xT 以上となったときに、タイヤ半径比(Rj /R
0 )の算出を行う。
【0036】すなわち、この実施例では、前記(8)式
で、転がり半径の仮定値RK を基準タイヤについての仮
定値、つまり空気圧が正常な時のタイヤの転がり半径R
0 (例えば車両により決められている値を使用)に置き
換え、ΔRK をタイヤの転がり半径測定精度の設定値Δ
0 に置き換えて、タイヤ半径比(Rj /R0 )算出の
可否の判断を下記の(9)式を満たすか否かにより行
う。
【0037】x0 ≧h(R0 /ΔR0 ) ……(9) そして、前記(9)式が満たされたときに、基準タイヤ
のパルス数の積算値x0と、この時点までの他のタイヤ
におけるパルス数の積算値xj (xFL〜xRR)とから、
下記の(10)式に基づいて各タイヤ半径比(Rj /R
0 )を算出する。 (Rj /R0 )=x0 /xj ……(10) 基準タイヤをいずれのタイヤに設定するかに関しては、
最も空気圧の高い(すなわち、転がり半径が最大の)タ
イヤを基準タイヤとし、この基準タイヤとの比較におい
て各タイヤの空気圧状態を判定するため、同じ時間に積
算されたパルス数を比較して、その数が最も少ない(す
なわち、車輪速度が小さく転がり半径が大きい)タイヤ
を基準タイヤとして選択する。
【0038】そして、この実施例では、前記(10)式
で算出されたタイヤ半径比(Rj /R0 )が設定値T以
下であるタイヤを、空気圧が低下しているタイヤと判定
して警告を発するようにする。次に、前記基本原理に基
づいて、走行中の車両における各タイヤの空気圧状態を
検出するために前記演算処理装置内で行われる演算処理
について、図8のフローチャートに従って説明する。な
お、この処理において、各車輪速センサから出力された
パルス信号は別の演算処理により矩形波整形され、パル
ス数のカウントおよび積算は、この矩形波整形されたパ
ルス信号から別の演算処理により行われており、カウン
ト可能信号の入力により諸条件が満たされているときに
のみ、パルス数のカウントと積算がなされるようになっ
ている。
【0039】また、この処理において、Nは、車両の走
行状態を示す各データの読み込みからパルス数カウント
およびその積算までの演算回数であり、N0 は、前記演
算に要する処理時間ΔTと前記サンプリング時間TS
で算出されるNのしきい値であり、車速が低く十分なパ
ルス数が積算されるまでに時間がかかる場合に、次のサ
ンプリング時刻になる手前でパルス数積算を停止するた
めに、N0 ≦(TS /ΔT)の範囲の値に設定してあ
る。そして、前記時間ΔTは、パルス数のカウント直前
に読み込まれた前記各データが変化しないうちに、この
ΔT間のパルス数カウントが行われるための時間とし
て、車両走行の最高速度、タイヤ半径、およびパルス信
号出力速度等から算出されて設定される。つまり、この
演算処理では、前記パルス数カウントおよびその積算の
前に、前記車両の安定走行条件をチェックするが、前記
処理時間ΔTが、車両走行の最高速度、タイヤ半径、お
よびパルス信号出力速度等を加味した1パルスの最小サ
ンプリング時間よりも短ければ、当該ルーティンにおい
て読み込まれるパルス一つ一つに対して前記チェックが
一回以上行われることになる。
【0040】さらに、hは前述のようにパルス積算の中
断に伴う測定区間の区分数を示し、この区分数hは別の
演算処理によりカウントされている。さらに、添字
「j」は対象車輪を意味する「FL」,「FR」,「R
L」,「RR」を示す。図8の演算処理は所定サンプリ
ング時間Δt(例えば20msec)毎のタイマ割り込
み処理として実行され、先ず、ステップS1で前後加速
度センサ12からの前後加速度検出値G、アクセル開度
センサ31からのアクセル開度検出値A、トランスミッ
ションギヤセレクトスイッチ34からのトランスミッシ
ョンギヤナンバーST 、および操舵角センサ33からの
操舵角度検出値θを読み込む。
【0041】次に、ステップS2に移行して、ステップ
S1で読み込まれた前後加速度検出値Gの絶対値|G|
が設定値G0 以下であるか否かを判定し、前記絶対値|
G|が設定値G0 以下であればステップS3に移行し、
そうでなければ前記ステップS4に移行する。前記ステ
ップS3では、ブレーキランプスイッチ13から制動時
信号SB が出力されていないか否かを判定し、制動時信
号SB が出力されていなければステップS5に移行し、
出力されていれば前記ステップS4に移行する。
【0042】前記ステップS5では、ステップS1で読
み込まれたアクセル開度検出値Aが設定値A0 以下であ
るか否かを判定し、前記アクセル開度検出値Aが設定値
0以下であればステップS6に移行し、そうでなけれ
ば前記ステップS4に移行する。前記ステップS6で
は、ステップS1で読み込まれたトランスミッションギ
ヤナンバーST が3以下であるか否かを判定し、前記ト
ランスミッションギヤナンバーST が3以下であればス
テップS7に移行し、そうでなければ前記ステップS4
に移行する。
【0043】前記ステップS7では、ステップS1で読
み込まれた操舵角度検出値θの絶対値|θ|が設定値θ
0 以下であるか否かを判定し、前記絶対値|θ|が設定
値θ 0 以下であればステップS7に移行し、そうでなけ
れば前記ステップS4に移行する。前記ステップS8で
は、別の演算処理によりカウンタを作動して各パルス数
積算値xj (:xFL〜xRR)を読み込む。すなわち、別
の演算処理で構成されるパルス数カウント用のカウンタ
に対してカウント指令を出力し、この指令により、当該
カウンタが、各車輪速センサ11FL〜11RRより出
力されたパルス信号PFL〜PRRからパルス数をカウント
するとともに、このパルス数を前回までの積算値に加算
して新たなパルス数積算値xj として記憶し、このカウ
ンタにより更新記憶されたパルス数積算値xj をこのス
テップにおいて読み込む。
【0044】次に、ステップS9に移行して、前記ステ
ップS8で読み込まれた各タイヤにおけるパルス数積算
値xFL〜xRRから最小値xMIN を選択する。次に、ステ
ップS10に移行して、前記ステップS9で選択された
パルス数積算値の最小値xMIN を基準タイヤのパルス数
積算値x0 に設定する。次に、ステップS11に移行し
て、パルス数カウントの測定区間の区分数hをそれ用の
カウンタから読み込む。
【0045】次に、ステップS12に移行して、前回ま
での演算回数Nに1を加算して演算回数Nを更新記憶す
る。次に、ステップS13に移行して、ステップS12
で更新記憶された演算回数Nが設定値N0 以下であるか
否かを判定して、N≦N0 であればステップS14に移
行し、そうでなければ前記ステップS4に移行する。
【0046】前記ステップS14では、前記ステップS
10で設定された基準タイヤのパルス数積算値x0 が前
記(9)式を満たしているか否か判定し、前記基準タイ
ヤのパルス数積算値x0 が前記(9)式を満たしていれ
ばステップS13に移行し、そうでなければ前記ステッ
プS1に移行する。一方、前記ステップS4では、パル
ス数カウント用のカウンタを停止してステップS15に
移行し、このステップS15で、演算回数Nを“0”に
リセットしてメインプログラムに復帰する。
【0047】前記ステップS16では、前記(10)式
に従い、各タイヤについてタイヤ半径比(Rj /R0
を算出する。次に、ステップS17では、前記ステップ
S16で算出された各タイヤ半径比(Rj /R0 )が設
定値T以下であるか否か判定し、前記各タイヤ半径比
(Rj/R0 )のうちいずれかが設定値T以下であれば
ステップS18に移行し、そうでなければステップS1
9に移行する。
【0048】前記ステップS18では、前記ステップS
17で、タイヤ半径比(Rj /R0)が設定値T以下で
あると判定されたタイヤを、空気圧が低下しているタイ
ヤと判断して、当該タイヤが装着されている車輪の位置
(前左輪〜後右輪のいずれであるか)を示す信号
ij(:SiFL 〜SiRR )を出力する。前記ステップS
19では、パルス数カウント用のカウンタを停止し、カ
ウント数を“0”にリセットして、メインプログラムに
復帰する。
【0049】次に、この実施例におけるタイヤ空気圧検
出装置の作用について、以下に述べる。車両が安定状態
で走行しているとき、すなわち、ステップS1で読み込
まれた前後加速度検出値G、アクセル開度検出値A、ト
ランスミッションギヤナンバーST 、および操舵角度検
出値θが各設定範囲内であり、ブレーキランプスイッチ
13から制動時信号SB が出力されていない場合には、
ステップS2,S3,S5〜S7を経てステップS8に
達し、ステップS8において、各タイヤのパルス数積算
値xFL〜xRRが読み込まれる。すなわち、パルス数積算
用のカウンタにより、前回のパルス数読み込み以降ΔT
秒間にカウントされたパルス数が、前回までの各タイヤ
のパルス数積算値xFL〜xRRにそれぞれ加算されて更新
され、当該更新された各タイヤのパルス数積算値xFL
RRが読み込まれる。
【0050】また、ステップS9で、ステップS8で読
み込まれた各パルス数積算値xFL〜xRRから最小値x
MIN が選択されて、ステップS10で、前記パルス数積
算値の最小値xMIN が基準タイヤのパルス数積算値x0
に設定され、ステップS11で、前記パルス数カウント
の中断による測定区間の区分数hがそれ用のカウンタか
ら読み込まれ、ステップS12で演算回数Nがカウント
され、ステップS13で演算回数Nの判定が行われなが
ら、ステップS13でN>N0 と判定されるか、ステッ
プS14で前記パルス数積算値x0 が前記(9)式を満
たしていると判断されるまで、ステップS1〜S14の
処理が繰り返し実行される。
【0051】そして、ステップS13でN>N0 と判定
されればステップS4に至って、パルス数カウント用の
カウンタが停止され、ステップS15でNが“0”にリ
セットされ、次のタイマ割り込み時の最初にステップS
8で読み込まれる各タイヤのパルス数積算値xFL〜xRR
は、前記停止時点での各パルス数積算値xFL〜xRRに対
してΔT秒間のパルス数がそれぞれ加算されて更新され
た値となる。
【0052】ステップS14で、前記パルス数積算値x
0 が前記(9)式を満たしていると判断されれば、予め
設定されたタイヤの転がり半径の測定精度ΔR0 を満た
すのに十分なパルス数が基準タイヤについて積算された
として、ステップS16で、前記(10)式に従ってタ
イヤ半径比(Rj /R0 )が算出される。そして、ステ
ップS17で、算出された各タイヤ半径比(Rj
0 )(:(RFL/R0 )〜(RRR/R0 ))のいずれ
かが所定値T未満であると判断されれば、当該タイヤの
空気圧が低下しているものと判断されて、ステップS1
8で、当該タイヤが装着されている車輪の位置(前左輪
〜後右輪のいずれであるか)を示す信号Sij(:SiFL
〜SiRR )が、出力インターフェース回路に出力され
る。そして、この信号Sij(:SiFL 〜SiRR )に応じ
た表示データを示す信号iFL〜iRRがタイヤ空気圧警告
灯4に出力され、タイヤ空気圧警告灯4にタイヤ空気圧
の低下に関する情報が、例えば「左前輪のタイヤ空気圧
低下」のように表示される。
【0053】一方、車両の走行状態が安定状態から不安
定状態に移行した場合、すなわち、ステップS1で読み
込まれた前後加速度検出値G、アクセル開度検出値A、
トランスミッションギヤナンバーST 、および操舵角度
検出値θの少なくともいずれかが各設定範囲外になる
か、ブレーキランプスイッチ13から制動時信号SB
出力されている場合には、ステップS2,S3,S5〜
S7のいずれかからステップS4に至り、ステップS1
5で演算回数Nが“0”にリセットされて、車両の走行
状態が再び安定するまでステップS1における各データ
の読み込みが繰り返される。そして、車両の走行状態が
安定したら、前記ステップS8以降の処理が実行され
る。
【0054】すなわち、車両の走行状態が不安定なとき
には、前記ステップS8でのパルス数積算値xFL〜xRR
の読み込みが中断され(すなわち、パルス数カウント用
のカウンタに対するカウント指令が出力されないで、パ
ルス数カウントが中断され)、再び安定状態に戻った時
に再開されるため、ステップS8で読み込まれたパルス
数積算値xFL〜xRRは、車両が安定走行しているときに
カウントされたパルス数のみの積算値となる。
【0055】このように、この実施例の車両用タイヤ空
気圧検出装置では、設定された測定精度ΔR0 でタイヤ
の転がり半径が測定されるため、ΔR0 を小さい値に設
定することにより高い精度で各タイヤの転がり半径が測
定され、これにより、空気圧低下量に応じた正確な転が
り半径の変化が測定されるとともに、車両が安定走行し
ているときにカウントされたパルス数のみのパルス数積
算値でタイヤ半径比(Rj /R0 )が算出されるため、
タイヤの空気圧状態の判定が高い信頼度で行われる。
【0056】したがって、前記実施例において、車輪速
センサ11FL〜11RRが請求項1および2における
パルス信号出力手段に相当し、前後加速度センサ12、
ブレーキランプスイッチ13、アクセル開度センサ3
1、操舵角センサ33、およびトランスミッションギヤ
セレクトスイッチ34と、図8の演算処理のステップS
1とが請求項2における走行状態検出手段に相当し、図
8の演算処理のステップS8〜S15が請求項1および
2におけるパルス数積算手段に相当し、図8の演算処理
のステップS2〜S7が請求項2におけるパルス数積算
中止手段に相当し、図8の演算処理のステップS16が
請求項1および2におけるタイヤ半径比算出手段に相当
し、図8の演算処理のステップS17が請求項1および
2における空気圧状態判定手段に相当する。
【0057】なお、前記実施例では、基準タイヤのパル
ス数積算値x0 がタイヤの転がり半径測定精度から決ま
る設定値以上となったときに、同じ時間に積算された他
のタイヤのパルス数積算値xj とを比較してタイヤ半径
比(Rj /R0 )を算出してるが、前述のように、車輪
速センサから出力されるパルス信号によって複数のタイ
ヤ間の回転数差を測定する別の方法として、各車輪速セ
ンサから一定時間に出力されたパルス信号のパルス数を
比較する方法がある。前記従来の装置はこの方法を採用
しているものであり、特に測定精度を考慮していない例
えば10秒間という短い時間に出力されたパルス信号の
パルス数を比較しているが、この方法でも、前記と同様
にして、要求されるタイヤの転がり半径の測定精度(=
ΔRK )を満足させるために少なくとも必要なパルス数
カウント時間tT (秒)を設定すれば、この時間tT
上パルス数のカウントを行うことにより、要求される測
定精度ΔRK でタイヤの転がり半径を測定することがで
きる。そして、この時間t T は以下のようにして算出さ
れる。
【0058】すなわち、車輪速がV(km/h)である
とき、タイヤの転がり半径の測定値をRK と仮定し、タ
イヤ一回転当たりのパルス数をkとすれば、時間t
(秒)間に出力されるパルス信号のパルス数xは、下記
の(11)式で表される。 x=(V/3.6)(1/2πRK )t・k ……(11) この(11)式からtに関する下記の(11′)式が得
られるとともに、 t=(7.2πRK x)/(kV) ……(11′) 前述のように、要求されるタイヤの転がり半径の測定精
度(=ΔRK )を満足させるために少なくとも必要なパ
ルス数xは、下記の(6)式で表されるため、 x=RK /ΔRK ……(6) 前記(11′)式と(6)式とから、前記時間tT は下
記の(12)式で表される。
【0059】 tT =(7.2π(RK 2 x)/(kVΔRK ) ……(12) なお、この場合、(12)式が示すように、前記時間t
T は車輪速Vにより変化するため、パルス数カウントを
行う最低速度V0 を設定して、この最低速度V0未満の
場合にはパルス数カウントを中断することにより、要求
される測定精度ΔRK が保持される。
【0060】したがって、この原理を使用して本発明を
実施する場合には、例えば、図8の演算処理にパルス数
カウントにかかる時間をカウントするクロックカウンタ
を設け、ステップS14におけるタイヤ半径比(Rj
0 )算出の可否の判断を、前記(12)式で、転がり
半径の仮定値RK を基準タイヤについての仮定値、つま
り空気圧が正常な時のタイヤの転がり半径R0 (例えば
車両により決められている値を使用)に置き換え、ΔR
K をタイヤの転がり半径測定精度の設定値ΔR 0 に置き
換えて、下記の(13)式を満たすか否かにより行うよ
うにすればよい。
【0061】 t≧h(7.2π(R0 2 x)/(kVΔR0 ) ……(13)
【0062】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の車
両用タイヤ空気圧検出装置によれば、基準タイヤに対す
る各タイヤの転がり半径比を、パルス数積算手段で積算
されたパルス数積算値に基づいて算出する構成であるか
ら、前記パルス数積算手段において、例えば、予め設定
されたタイヤの転がり半径の測定精度に応じた数だけ、
または前記精度に応じた時間だけパルス数を積算するこ
とにより、当該測定精度で各タイヤの転がり半径が測定
されるため、基準タイヤに対する各タイヤの転がり半径
比が精度良く算出され、各タイヤの転がり半径比に基づ
いて各タイヤの空気圧状態を判定する空気圧状態判定手
段において、各タイヤの空気圧状態の判定を正確に行う
ことができる。
【0063】また、請求項2の車両用タイヤ空気圧検出
装置によれば、請求項1の構成に加えて、車両の走行状
態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手
段からの走行状態検出値に基づいてパルス数の積算を行
わないパルス数積算中止手段とを備えているから、走行
状態が不安定な場合にはパルス数の積算が行われないた
め、信頼性の高いデータによりタイヤ半径比の算出が行
われ、タイヤの空気圧状態の判定をよりいっそう正確に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の概略構成を示す基本構成図で
ある。
【図2】請求項2の発明の概略構成を示す基本構成図で
ある。
【図3】請求項1および2の発明に関する一実施例の概
略構成を示す概要図である。
【図4】実施例において使用された車輪速センサの構造
を示す概要図である。
【図5】実施例においてタイヤ空気圧検出装置に併設さ
れたアンチスキッド制御装置を構成するアクチュエータ
の構成図である。
【図6】実施例の基本原理において、パルス数カウント
の測定誤差を説明するための図であり、(a)は基準タ
イヤの車輪速センサから出力されたパルス信号を、
(b)検出対象タイヤの車輪速センサから出力されたパ
ルス信号を示している。
【図7】実施例の基本原理において、パルス数カウント
の測定誤差を説明するための図であり、(a)は基準タ
イヤの車輪速センサから出力されたパルス信号を、
(b)検出対象タイヤの車輪速センサから出力されたパ
ルス信号を示している。
【図8】実施例において行われる、マイクロコンピュー
タによる演算処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4 タイヤ空気圧警告灯 9FL〜9RR車輪 11FL〜11RR車輪速センサ 12 前後加速度センサ 13 ブレーキランプスイッチ 15 コントローラ 31 アクセル開度センサ 33 操舵角センサ 34 トランスミッションギヤセレクトスイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪の回転数に応じたパルス信号を出
    力するパルス信号出力手段と、前記パルス信号出力手段
    から出力されたパルス信号のパルス数を積算するパルス
    数積算手段と、前記パルス数積算手段からのパルス数積
    算値に基づいて、基準タイヤに対する各タイヤの転がり
    半径比を算出するタイヤ半径比算出手段と、前記タイヤ
    半径比算出手段で算出された各タイヤの転がり半径比に
    基づいて各タイヤの空気圧状態を判定する空気圧状態判
    定手段とを備えたことを特徴とする車両用タイヤ空気圧
    検出装置。
  2. 【請求項2】 車両の走行状態を検出する走行状態検出
    手段を備えるとともに、前記パルス数積算手段は、前記
    走行状態検出手段からの走行状態検出値に基づいてパル
    ス数の積算を行わないパルス数積算中止手段を含むもの
    であることを特徴とする請求項1記載の車両用タイヤ空
    気圧検出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020524780A (ja) * 2017-06-08 2020-08-20 ルノー エス.ア.エス.Renault S.A.S. 車両用タイヤの膨張状態を診断するための方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020524780A (ja) * 2017-06-08 2020-08-20 ルノー エス.ア.エス.Renault S.A.S. 車両用タイヤの膨張状態を診断するための方法

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