JPH07276425A - 樹脂製品の成形方法及び成形用金型装置 - Google Patents

樹脂製品の成形方法及び成形用金型装置

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JPH07276425A
JPH07276425A JP7116494A JP7116494A JPH07276425A JP H07276425 A JPH07276425 A JP H07276425A JP 7116494 A JP7116494 A JP 7116494A JP 7116494 A JP7116494 A JP 7116494A JP H07276425 A JPH07276425 A JP H07276425A
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molding
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泰男 茂利
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和也 石川
Nobuyoshi Baba
宣芳 馬場
Tadamasa Kidera
忠正 木寺
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】成形の際、樹脂製品の形状にかかわらずシート
材を確実にセットして良好な成形性を得るとともに、不
完全なセットによる不具合の発生を防止する。 【構成】インストルメントパネルは、基材本体と弾性シ
ート材3とを備える。成形に際し、予め製造された弾性
シート材3を、可動型12、固定型を開いた状態でセッ
ト面15に当接させてセットする。この際、真空ポンプ
23を駆動するとともに、吸引通路21,22内のピー
ス24,25のセット面15側と弾性シート材3との間
に空間が形成されるようアクチュエータ26を駆動す
る。型締め後、樹脂材料をキャビティ内に射出充填す
る。弾性シート材のセット時において、真空ポンプ23
にて吸引通路21,22内が減圧状態とされる場合に、
空間内も減圧状態が維持されるため、弾性シート材3は
強力に引っ張られるため、弾性シート材3がずれたり脱
落したりすることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用インストルメ
ントパネル等に代表される、基材本体表面に部分的にシ
ート材が熱融着されてなる樹脂製品の成形方法及びその
成形用金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、インストルメントパネル(以
下、「インパネ」という)は、硬質樹脂よりなる基材及
びその表面に取着された弾性シート材よりなっている。
インパネは、その構造上、表面全体に弾性シート材の設
けられた「フルパッドタイプ」、基材の一部が剥き出し
になった「ハーフパッドタイプ」、基材のみから構成さ
れる「パッドレスタイプ」の3種類に大別される。
【0003】例えば、図9に示すように、大衆車に多く
採用される「ハーフパッドタイプ」のインパネ51の基
材52は、所定の剛性及び成形性等が要求されることか
ら、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)やPP(ポリプロピレン)等を主材として形成され
ている。また、弾性シート材53は、例えば、軟質ポリ
ウレタンフォームよりなるクッション層、PVC(ポリ
塩化ビニル)よりなる表皮層等を備えている。
【0004】上記インパネ51は、例えば次にようにし
て形成される。すなわち、予め公知の真空成形等により
弾性シート材53を所定の形状としておく。次に、弾性
シート材53を基材52を成形するための金型装置内の
所定の位置に密着させた状態でセットする。そして、金
型装置内のキャビティの内部に可塑化された樹脂材料を
射出充填する。すると、該樹脂材料により、基材52が
形成されるとともに、その表面には、弾性シート材53
が熱融着される。
【0005】さて、従来では、上記の成形に際し、弾性
シート材53をセットする方法として次の2つの方法が
あった。すなわち、第1の方法は、図10に示すよう
に、一方の金型54に、弾性シート材53の両端を湾曲
又は屈曲させて密着させるとともに、アンダーカット形
状を有する一対のスライドコア55,56を中心方向へ
スライドさせるものである。この方法によれば、スライ
ドコア55,56のアンダーカット形状により、弾性シ
ート部材53が保持され、その脱落が防止されうる。
【0006】また、第2の方法は、図11に示されてい
る。すなわち、一方の金型57に、その成形面58に開
口する吸引通路59を形成する。また、その開口部分に
は、例えば多孔質の焼結合金よりなるピース60,61
を固定せしめる。そして、図示しない真空ポンプ等を用
いて吸引通路59内の空気を吸引することにより、弾性
シート材53が引っ張られることとなり、金型57の成
形面58に密着する。この方法によっても、弾性シート
材53をセットすることが理論上は可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の第1の方法においては、アンダーカット形状を
有する樹脂製品には、適用することができるものの、そ
うでない樹脂製品には、適用することができなかった。
このため、得られる樹脂製品の形状が限定されてしまう
という制約を解消することができなかった。
【0008】また、第2の方法においては、アンダーカ
ット形状を有しない製品にも適用することができるもの
の、弾性シート材53を成形面58に吸着させる際の吸
着力が著しく弱く、製品の形状、大きさによっては、金
型57に対し確実にセットできない場合があった。さら
に、金型57にセットできないまま成形を行った場合に
は、前記ピース60,61の微細な孔の内部に樹脂が付
着してしまうおそれがあった。その結果、金型57に故
障が生じてしまい、次回以降の成形が困難なものとなっ
てしまうおそれがあった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、基材本体及びその表面
に熱融着されたシート材を備えた樹脂製品を成形するに
際し、樹脂製品の形状にかかわりなく、シート材を確実
にセットすることができ、良好な成形性が得られるとと
もに、不完全なセットによる不具合の発生を防止するこ
とのできる樹脂製品の成形方法及びその成形用金型装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、樹脂材料よりな
る基材本体と、その表面の一部に対し熱融着されたシー
ト材とからなる樹脂製品の成形方法であって、前記シー
ト材を、真空成形法により成形し、所定の形状とする工
程と、一部に前記シート材がセットされるセット面を有
し、前記基材本体の一部を形成するための第1の成形面
を備えるとともに、外部に設けられた吸引手段と前記セ
ット面とを連通するべく形成された吸引通路及び該吸引
通路の前記セット面側に設けられた多孔質体よりなるピ
ースを有する第1の金型と、該第1の金型に対し相対的
に接離可能に配設され、前記基材本体の残りの部分を形
成するための第2の成形面を備えた第2の金型とからな
る金型装置を用意する工程と、前記シート材の表面を前
記第1の金型のセット面にほぼ当接させた状態で、前記
吸引手段を駆動させ、前記吸引通路内を減圧状態とする
ことにより、前記シート材を前記セット面にセットする
工程と、前記第1の成形面及び第2の成形面の整合によ
ってキャビティを構成する工程と、可塑化された樹脂材
料を前記第2の金型に設けられた少なくとも1つのゲー
トより前記キャビティ内に射出し、充填する工程と、表
面の一部に対し前記シート材が熱融着された基材本体を
前記金型装置から取り出す工程とを備え、かつ、前記第
1の金型には、前記ピースの前記吸引通路内におけるス
ライドを可能とするアクチュエータを設け、前記シート
材のセット工程時においては、前記ピースの先端面と前
記シート材との間に所定の空間が形成されるようにし、
前記樹脂材料の射出工程時においては、前記ピースの先
端面と前記シート材との間を密接させるように前記アク
チュエータを駆動制御するようにしたことをその要旨と
している。
【0011】また、請求項2に記載の発明においては、
樹脂材料によって構成される基材本体と、該基材本体表
面の一部に対し熱融着されてなるシート材とを備えた樹
脂製品を成形するための金型装置であって、一部に前記
シート材がセットされるセット面を有し、前記基材本体
の一部を形成するための第1の成形面を備えるととも
に、外部に設けられた吸引手段と前記セット面とを連通
するべく形成された吸引通路及び該吸引通路の前記セッ
ト面側に設けられた多孔質体よりなるピースを有する第
1の金型と、前記第1の金型に対し相対的に接離可能に
配設され、前記基材本体の残りの部分を形成するための
第2の成形面を備えた第2の金型とを備え、さらに、前
記第1の金型には、前記ピースを前記吸引通路内におけ
るスライドを可能とするためのアクチュエータと、前記
シート材がセットされる際には、前記ピースの先端面と
前記シート材との間に所定の空間が形成され、前記樹脂
材料が射出される際には、前記ピースの先端面と前記シ
ート材との間が密接するように前記アクチュエータを駆
動制御する制御手段とを設けたことをその要旨としてい
る。
【0012】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、まず、シ
ート材が、真空成形法により成形され、所定の形状とさ
れる。また、一部にシート材がセットされるセット面を
有し、第1の成形面を備えた第1の金型と、該第1の金
型に対し相対的に接離可能に配設され、第2の成形面を
備えた第2の金型とからなる金型装置が用意される。次
に、シート材の表面がセット面にほぼ当接された状態
で、第1の金型の外部に設けられた吸引手段が駆動され
る。この駆動により、セット面に開口する吸引通路内が
減圧状態となり、その減圧状態が吸引通路のセット面側
に設けられた多孔質体よりなるピースを介してシート材
に伝播され、該シート材がセット面にセットされる。さ
らに、第1の成形面及び第2の成形面の整合によってキ
ャビティが構成される。
【0013】そして、可塑化された樹脂材料が第2の金
型に設けられた少なくとも1つのゲートよりキャビティ
内に射出され、充填される。その後、樹脂材料により基
材が形成されるとともに、その表面の一部に対し、シー
ト材が熱融着される。このシート材が熱融着された基材
本体が金型装置から取り出され、樹脂製品が得られる。
【0014】さらに、本発明によれば、第1の金型に
は、吸引通路内におけるピースのスライドを可能とする
アクチュエータが設けられ、このアクチュエータは、前
記シート材のセット工程時においては、ピースの先端面
とシート材との間に所定の空間が形成されるように駆動
制御される。このため、空間が確保されることにより、
この空間内の減圧状態が確保され、シート材は、ピース
の孔から強力に引っ張られることとなる。従って、シー
ト材がずれたり脱落したりすることがない。また、樹脂
製品がアンダーカット形状を有していなくとも、シート
材はセットされうる。
【0015】さらに、樹脂材料の射出工程時において
は、制御手段によって、ピースの先端面とシート材との
間を密接させるようにアクチュエータが駆動制御され
る。このため、シート材が前記空間の存在により樹脂材
料の圧力によって押されたりせず、シート材が膨出して
形成されることがない。すなわち、第1の成形面及び第
2の成形面に則し、特に、シート材の部分においては、
セット面に則した形状の樹脂製品が得られる。
【0016】また、請求項2に記載の発明によれば、第
1の金型のセット面に、シート材がセットされる。この
とき、第1の金型の外部に設けられた吸引手段により、
吸引通路内が減圧状態となり、吸引通路のセット面側に
設けられた多孔質体よりなるピースを介してシート材の
一部が吸引される。この吸引により、シート材のセット
面へのセット状態が維持される。
【0017】また、第1の金型の第1の成形面と、第2
の金型の第2の成形面とにより、基材本体が射出された
樹脂材料によって成形される。そして、基材本体と、該
基材本体表面の一部に対し熱融着されてなるシート材と
を備えた樹脂製品が成形される。
【0018】本発明によれば、第1の金型に設けられた
アクチュエータが制御手段により、駆動制御される。す
なわち、シート材がセットされる際には、アクチュエー
タが駆動制御され、ピースの先端面とシート材との間に
所定の空間が形成される。このため、第1の発明と同
様、空間が確保されることにより、空間内の減圧状態が
確保され、シート材は、ピースの孔から強力に引っ張ら
れることとなる。従って、シート材がずれたり脱落した
りすることがない。また、樹脂製品がアンダーカット形
状を有していなくとも、シート材はセットされうる。
【0019】さらに、樹脂材料が射出される際には、ピ
ースの先端面とシート材との間が密接するようにアクチ
ュエータが駆動制御される。このため、シート材が前記
空間の存在により樹脂材料の圧力によって押されたりせ
ず、シート材が膨出して形成されてしまうことがない。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
8に基づいて説明する。自動車の運転席及び助手席の前
側には、図2,3に示すように、計器板周りの樹脂製品
としてのインストルメントパネル(以下、「インパネ」
という)1が配設される。このインパネ1は、基材本体
2と、その上面(図2では斜線を付した箇所)に取着さ
れた弾性シート材3とを備えている。すなわち、本実施
例のインパネ1は、大衆車に多く採用される「ハーフパ
ッドタイプ」のものであって、基材本体2の一部が剥き
出しになっている。
【0021】図4に示すように、前記基材本体2は、フ
ィラーの混入されたポリプロピレン(フィラー入りP
P)よりなり、所定の剛性が確保されている。また、弾
性シート材3は、内層側(図の下側)から順に、PPよ
りなる熱融着層4、該熱融着層4の外側(図の上側)に
位置し、PPフォームよりなるクッション層5及び該ク
ッション層5の外側に位置し、ポリ塩化ビニル(PV
C)よりなるソリッド表皮層6が一体となることにより
構成されている。そして、本実施例では、弾性シート材
3の熱融着層4が、基材本体2の上面に対し熱融着によ
り接合されることにより、弾性シート材3と基材本体2
との間の密着性が確保されている。
【0022】次に、上記のインパネ1の基材本体2を成
形するための金型装置11について説明する。図1に示
すように、金型装置11は、第1の金型を構成する可動
型12及び第2の金型を構成する固定型13を備えてい
る。可動型12は、固定型13に対し接離可能に配設さ
れている。また、可動型12は、基材本体2の一部を形
成するための第1の成形面14を備えているとともに、
前記弾性シート材3がセットされるセット面15を有し
ている。さらに、固定型13は、第2の成形面16を備
えている。そして、可動型12及び固定型13が相互に
当接し、第1の成形面14と第2の成形面16とが整合
することにより、前記基材本体2を形成するためのキャ
ビティ17が構成される。なお、本実施例では、前記固
定型13には、キャビティ17に開口する複数の図示し
ないゲートが形成されている。
【0023】さて、本実施例では、前記可動型12に
は、可動型12の外部と前記セット面15とを連通する
吸引通路21,22が形成されている。また、可動型1
2の外部において、吸引通路21,22の一端側は、図
示しないホースを介して吸引手段としての真空ポンプ2
3に接続されている。さらに、吸引通路21,22のセ
ット面15側の部分には、ピース24,25が吸引通路
21,22内を摺動可能に配設されている。併せて、吸
引通路21,22は、途中で分岐形成された分岐路21
a,22aを有している。該分岐路21a,22a内に
は、前記ピース24,25を摺動させるための例えば油
圧駆動式のアクチュエータ26,27が配設されてい
る。
【0024】前記ピース24,25は、前記アクチュエ
ータ26,27にロッド28,29を介して接続された
ピース本体30,31と、該ピース本体30,31に断
面L字状に形成され、吸引通路21,22のセット面1
5側及び真空ポンプ23側を連通するための連通路3
2,33と、該連通路32,33内のセット面15側に
配設固定された多孔ピース34,35とを備えている。
図5に示すように、これら多孔ピース34,35は、円
柱状の焼結合金よりなっており、該多孔ピース34,3
5には、その長さ方向に、空気の移動を許容する微細な
孔34a,35aが無数に形成されている。
【0025】なお、前記アクチュエータ26,27は、
図示しない制御手段により、所定のタイミングを見計ら
って適宜に駆動制御されるようになっている。次に、本
実施例における、上記インパネ1の製造方法について説
明する。
【0026】まず、予め、弾性シート材3を製造する。
すなわち、上記の3層構造よりなる平面状のシートを得
る。次いで、公知の真空成形法により、インパネ1の上
面の形状に則した形状に成形する。その後、余分な箇所
をトリミングにより切断除去する。これら一連の工程を
経ることにより、弾性シート材3が得られる。
【0027】そして、図6,7に示すように、前記金型
装置11のキャビティ17内の所定の箇所に、予め形成
された前記弾性シート材3をセットする。より詳しく
は、両型12,13を型開きした状態で、前記可動型1
2のセット面15に弾性シート材3を当接させた状態と
する。但し、弾性シート材3は、そのソリッド表皮層6
がセット面15に当接した状態でセットされる。このと
き、前記アクチュエータ26,27を駆動させることに
より、ピース24,25のセット面15側と弾性シート
材3との間に空間が形成されるようにする。また、真空
ポンプ23を駆動させることにより、吸引通路21,2
2内を減圧状態とする。すると、吸引通路21,22内
はもとより、前記空間内も減圧状態が維持される。これ
ら空間の減圧作用により、弾性シート材3は、強力に引
っ張られ、ずれたり、脱落したりすることはなく、セッ
ト面15への密着状態が保持される。
【0028】その後、可動型12を固定型13に当接さ
せる。この当接により、第1の成形面14と第2の成形
面16とが整合され、基材本体2を成形するためのキャ
ビティ17が形成される(図1参考)。
【0029】続いて、図8に示すように、前記真空ポン
プ23による吸引を継続しつつ、前記アクチュエータ2
6,27を駆動させ、ピース24,25を押し出す。す
ると、ピース24,25の先端面は、弾性シート材3に
当接し、前記空間は消滅する。
【0030】そして、このピース24,25のスライド
とほぼ同時に、図1に示すように、図示しない射出成形
機を用いて、可塑化されたフィラー入りPP(樹脂材
料)を、前記ゲートを介してキャビティ17内に射出す
る。すると、樹脂材料がキャビティ17内に充填され
る。このとき、樹脂材料の持つ熱により、熱融着層4が
軟化する。その後、樹脂材料が冷却固化することによ
り、熱融着層4が樹脂材料と融着する。この融着によ
り、弾性シート材3と樹脂材料(基材本体2)とが接合
される。そして、両型12,13が型開きされ、弾性シ
ート材3が取着された基材本体2が取り出されることに
より、上記インパネ1が得られる。
【0031】このようにして得られたインパネ1におい
ては、フィラー入りPPよりなる基材本体2により所定
の剛性が確保される。また、基材本体2の一部に取着さ
れた弾性シート材3のクッション層5により、触れたと
きのソフト感が確保され、ソリッド表皮層6により、防
眩性、耐候性、耐熱性、外観品質等が確保される。さら
に、熱融着層4により、弾性シート材3と基材本体2と
の密着性が確保される。
【0032】また、本実施例によれば、インパネ1の形
状に制約を受けることがない。すなわち、インパネ1が
アンダーカット形状を有していなくとも、弾性シート材
3を確実にセットすることができる。
【0033】さらに、本実施例では、可動型12のセッ
ト面15に弾性シート材3を当接するに際し、ピース2
4,25のセット面15側と弾性シート材3との間に空
間が形成されるようにした。このため、真空ポンプ23
により、吸引通路21,22内が減圧状態とされる場合
に、前記空間内も減圧状態が維持される。このため、弾
性シート材3は、多孔ピース34,35の孔34a,3
5aから強力に引っ張られることとなる。従って、弾性
シート材3がずれたり脱落したりすることがなく、該シ
ート材3を確実にセット面15にセットすることができ
る。その結果、可動型12の故障が発生する等、不完全
なセットによる不具合の発生を確実に防止することがで
きる。
【0034】併せて、本実施例における、樹脂材料の射
出時においては、真空ポンプ23による吸引が継続され
つつ、ピース24,25が押し出され、ピース24,2
5の先端面は、弾性シート材3に当接した状態となる。
このため、弾性シート材3が前記空間の存在により樹脂
材料の圧力によって押されたりせず、弾性シート材3が
膨出形成されてしまうのを防止することができる。従っ
て、得られたインパネ1は、キャビティ17に則した形
状、特に、弾性シート材1の部分においては、セット面
15に則した形状を確実に得ることができ、もって良好
な成形性を得ることができる。
【0035】尚、本発明は構成の一部を適宜に変更して
次のように実施してもよい。 (1)前記実施例では、基材本体2をフィラー入りPP
により構成したが、PPのみにより構成されていてもよ
い。また、固化時に所定の剛性を有するその外の熱可塑
性樹脂(例えばABS樹脂等)により構成されていても
よい。
【0036】さらに、前記実施例では、弾性シート材3
を熱融着層4、クッション層5及びソリッド表皮層6に
より構成したが、表皮として採用されうる素材よりなれ
ば、何層からなっていてもよいし、また、その素材も何
ら限定されるものではない。従って、クッション層5を
有しない表皮層のみからなるシート材を用いてもよい。
【0037】(2)前記実施例における固定型13と可
動型12とを図面上、上下逆にしても差し支えない。 (3)前記実施例では、樹脂製品としてインパネ1を採
用したが、その外にもドアトリム、サイドガーニッシ
ュ、ピラーガーニッシュ等の樹脂製品に具体化してもよ
い。
【0038】(4)前記実施例では、吸引通路21,2
2を2箇所に設ける構成としたが、少なくとも一箇所に
設けれる構成であればよい。従って、1箇所であっても
3箇所以上に設ける構成としても何ら差し支えない。
【0039】(5)前記実施例では、多孔ピース34,
35を焼結合金により構成したが、多孔質体よりなるも
のであれば、その素材は何ら限定されるものではない。 特許請求の範囲の各請求項に記載されないものであっ
て、上記実施例から把握できる技術的思想について以下
にその効果とともに記載する。
【0040】(a)請求項1又は2に記載の樹脂製品の
製造方法又は成形用金型装置において、前記吸引通路
は、所定間隔を隔てて複数箇所に設けられていることを
特徴とする。この構成とすることにより、シート材のセ
ットをより確実なものとすることができる。
【0041】(b)請求項1、2又は上記付記(a)に
記載の樹脂製品の製造方法又は成形用金型装置におい
て、前記基材本体と、前記シート材のうち前記基材本体
に当接する部分とは、共に同一の素材を主成分としてい
ることを特徴とする。このような構成とすることによ
り、両者間での接合力の向上を図ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1又は2に
記載の樹脂製品の成形方法又は成形用金型装置によれ
ば、基材本体及びその表面に熱融着されたシート材を備
えた樹脂製品を成形するに際し、樹脂製品の形状にかか
わりなく、シート材を確実にセットすることができ、良
好な成形性が得られるとともに、不完全なセットによる
不具合の発生を防止することができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例においてキャビテ
ィ内に樹脂材料が充填されてなる金型装置を示す断面図
である。
【図2】一実施例におけるインパネの斜視図である。
【図3】一実施例におけるインパネの断面図である。
【図4】一実施例におけるインパネの拡大断面図であ
る。
【図5】一実施例における多孔ピースを示す拡大斜視図
である。
【図6】一実施例において、可動型の所定箇所に弾性シ
ート材をセットした状態を示す断面図である。
【図7】一実施例において、図6の要部を示す拡大断面
図である。
【図8】一実施例において、図7の状態からピースをス
ライドさせたときの状態を示す拡大断面図である。
【図9】従来技術におけるインパネを示す拡大断面図で
ある。
【図10】従来技術におけるインパネ成形用の金型装置
の一部を示す断面図である。
【図11】従来技術におけるインパネ成形用の金型装置
の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂製品としてのインストルメントパネル(インパ
ネ)、2…基材本体、3…シート材としての弾性シート
材、11…金型装置、12…第1の金型をとしての可動
型、13…第2の金型としての固定型、14…第1の成
形面、15…セット面、16…第2の成形面、17…キ
ャビティ、21,22…吸引通路、23…吸引手段とし
ての真空ポンプ、24,25…ピース、26,27…ア
クチュエータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 宣芳 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 木寺 忠正 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料よりなる基材本体(2)と、そ
    の表面の一部に対し熱融着されたシート材(3)とから
    なる樹脂製品の成形方法であって、 前記シート材(3)を、真空成形法により成形し、所定
    の形状とする工程と、 一部に前記シート材(3)がセットされるセット面(1
    5)を有し、前記基材本体(2)の一部を形成するため
    の第1の成形面(14)を備えるとともに、外部に設け
    られた吸引手段(23)と前記セット面(15)とを連
    通するべく形成された吸引通路(21,22)及び該吸
    引通路(21,22)の前記セット面(15)側に設け
    られた多孔質体よりなるピース(24,25)を有する
    第1の金型(12)と、該第1の金型(12)に対し相
    対的に接離可能に配設され、前記基材本体(2)の残り
    の部分を形成するための第2の成形面(16)を備えた
    第2の金型(13)とからなる金型装置(11)を用意
    する工程と、 前記シート材(3)の表面を前記第1の金型(12)の
    セット面(15)にほぼ当接させた状態で、前記吸引手
    段(23)を駆動させ、前記吸引通路(21,22)内
    を減圧状態とすることにより、前記シート材(3)を前
    記セット面(15)にセットする工程と、 前記第1の成形面(14)及び第2の成形面(16)の
    整合によってキャビティ(17)を構成する工程と、 可塑化された樹脂材料を前記第2の金型(13)に設け
    られた少なくとも1つのゲートより前記キャビティ(1
    7)内に射出し、充填する工程と、 表面の一部に対し前記シート材(3)が熱融着された基
    材本体(2)を前記金型装置(11)から取り出す工程
    とを備え、かつ、前記第1の金型(12)には、前記ピ
    ース(24,25)の前記吸引通路(21,22)内に
    おけるスライドを可能とするアクチュエータ(26,2
    7)を設け、前記シート材(3)のセット工程時におい
    ては、前記ピース(24,25)の先端面と前記シート
    材(3)との間に所定の空間が形成されるようにし、前
    記樹脂材料の射出工程時においては、前記ピース(2
    4,25)の先端面と前記シート材(3)との間を密接
    させるように前記アクチュエータ(26,27)を駆動
    制御するようにしたことを特徴とする樹脂製品の成形方
    法。
  2. 【請求項2】 樹脂材料によって構成される基材本体
    (2)と、該基材本体(2)表面の一部に対し熱融着さ
    れてなるシート材(3)とを備えた樹脂製品(1)を成
    形するための金型装置であって、 一部に前記シート材(3)がセットされるセット面(1
    5)を有し、前記基材本体(2)の一部を形成するため
    の第1の成形面(14)を備えるとともに、外部に設け
    られた吸引手段(23)と前記セット面(15)とを連
    通するべく形成された吸引通路(21,22)及び該吸
    引通路(21,22)の前記セット面(15)側に設け
    られた多孔質体よりなるピース(24,25)を有する
    第1の金型(12)と、 前記第1の金型(12)に対し相対的に接離可能に配設
    され、前記基材本体(2)の残りの部分を形成するため
    の第2の成形面(16)を備えた第2の金型(13)と
    を備え、さらに、前記第1の金型(12)には、前記ピ
    ース(24,25)を前記吸引通路(21,22)内に
    おけるスライドを可能とするためのアクチュエータ(2
    6,27)と、前記シート材(3)がセットされる際に
    は、前記ピース(24,25)の先端面と前記シート材
    (3)との間に所定の空間が形成され、前記樹脂材料が
    射出される際には、前記ピース(24,25)の先端面
    と前記シート材(3)との間が密接するように前記アク
    チュエータ(26,27)を駆動制御する制御手段とを
    設けたことを特徴とする樹脂製品の成形用金型装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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