JPH07276213A - 熱間圧延鋼板のベルト研削方法 - Google Patents

熱間圧延鋼板のベルト研削方法

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JPH07276213A
JPH07276213A JP6629494A JP6629494A JPH07276213A JP H07276213 A JPH07276213 A JP H07276213A JP 6629494 A JP6629494 A JP 6629494A JP 6629494 A JP6629494 A JP 6629494A JP H07276213 A JPH07276213 A JP H07276213A
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JP
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belt
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constant
steel plate
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JP6629494A
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Tsutomu Komichiyo
勉 小道世
Tetsuro Inomata
哲朗 猪又
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化皮膜付きの熱間圧延鋼板のベルト研削に
際して、オンラインで、特にベルト寿命後期の研削ベル
トの研削特性の劣化に伴い発生する設定研削深さ精度の
悪い研削をなくし、研削精度の高い研削結果を得るとと
もに、研削ベルトのランニングコストの低減、研削作業
効率の向上ができる熱間圧延鋼板のベルト研削方法を提
供する。 【構成】 複数のプーリにより張設され無端状に回転す
る研削ベルトの研削面を被研削物に押し付けて揺動する
ベルト式研削方法を用い、パワープログラムを設定し研
削回数を制御して酸化皮膜付きの熱間圧延鋼板の部分研
削を行うに際して、各研削回数毎に研削ベルト駆動電動
機の電流を検出して、これを制御指令電流値と比較する
ことにより酸化皮膜除去のための一定研削性がない研削
回数を判別してこの研削回数を除き、一定研削性のある
研削回数を所定研削回数とする補正を行い研削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化皮膜付き熱間圧延
鋼板の研削に適用されるベルト研削方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば鉄鋼の分野では、厚鋼
板の製造過程でその表面疵を除去することが行われてい
る。例えば素材となる鋼片の表面疵は、一般には、砥石
研削、ホットスカーファ−により除去することが多い
が、特に最終製品として出荷される厚鋼板の疵手入れ作
業においては、段差、焼け、びびり等のない滑らかな研
削面を得るため、柔軟性と研削の制御性の面から、ベル
ト式の研削装置の採用が試みられている。この厚鋼板を
対象としたベルト研削装置においては、厚鋼板は最終製
品となるため、圧延素材となる鋼片などとは違い、研削
深さ精度はもとより研削面が美麗であることが要求され
る。
【0003】この要求に応えるためには、研削ベルトの
研削特性を安定維持する必要があり、ベルトの寿命判定
を的確に行い、適時交換またはベルト劣化に応じた研削
制御を行う必要がある。従来、このような研削ベルトの
劣化対策として、例えば、特開平54−89393号公
報に開示される発明がある。この発明では、研削ベルト
の劣化に伴う研削特性の変化(低下)を予め十分調べて
おき、研削量が一定になるように、研削電動機の馬力
(コンタクトローラの押し付け力)をベルトの劣化に伴
い、徐々に増加させるプログラム、即ち、パワープログ
ラムを設定し、研削回数を変えることで、所定の研削深
さを確保するようにしている。しかし、この方法は、熱
間圧延により成形されたままの酸化皮膜付きの鋼板の研
削には適用し難い面がある。即ち酸化皮膜は緻密で硬
く、特にベルト寿命後半では研削ベルト駆動馬力を増加
させるだけでは、所定の研削量の確保が困難になる。
【0004】ベルト寿命ベルト後半では、研削材砥粒の
摩滅、目詰まりが進行しており、緻密で硬い酸化皮膜に
対しては十分な研削量を確保する配慮は見られず、所定
の研削回数では、狙いの研削深さが得られず、一定研削
性のある精度のよい研削特性が得られない。このような
酸化皮膜付き鋼板の疵の深さは、一般的に数百μmあ
り、研削効率を上げるために大きい押し付け力で研削一
回あたりの研削量を大きくすることが試みられおり、自
動化を図るためにも研削一回当たりの狙い研削深さの精
度向上の重要性が増しつつある。研削一回当たりの研削
量を一定量確保する一定研削性を回復させるためには、
ベルト交換を頻繁にする必要があり、ベルト原単位の増
加、研削の生産性の低下があり好ましくない。ベルト交
換頻度を下げようとすると、研削後、検査により疵残り
の確認後、再研削を行う必要があり、研削の生産性が低
下するという問題がある。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化皮膜
付き熱間圧延鋼板のベルト研削に際して、オンライン
で、特にベルト寿命後期の酸化皮膜を除去するためにだ
けに費やされる、一定研削性のない研削回数を判別し、
研削回数を補正することで、精度のよい研削深さを得る
ことのできる熱間圧延鋼板のベルト研削方法を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のプーリ
により張設され無端状に回転する研削ベルトの研削面を
被研削物に押し付けて揺動するベルト式研削方法を用
い、パワープログラムを設定し研削回数を制御して、酸
化皮膜付きの鋼板の部分研削を行うに際して、各研削回
数毎に研削ベルト駆動電動機の電流値を検出してこれを
パワープログラム制御での指令電流値と比較することに
より酸化皮膜除去のための一定研削性がない研削回数を
判別し、この研削回数を除く一定研削性のある研削回数
を所定研削回数とする補正を行い研削することを特徴と
する熱間圧延鋼板のベルト研削方法。
【0007】
【作用】本発明においては、酸化皮膜付きの熱間圧延鋼
板のベルト研削に際して、特に研削ベルトの寿命後期に
おいて、酸化皮膜を除去するための研削量の少ない一定
研削性のない研削回数を判別、除外して一定研削性のあ
る所定の研削回数で研削することにより、研削精度を向
上するとともに、研削ベルトの交換時期を的確にしてベ
ルト原単位の低減、研削の生産性の向上を実現できる。
以下に本発明をその実施例に基づき説明する。
【0008】
【実施例】この実施例は、本発明を酸化皮膜付き熱間圧
延厚鋼板の表面疵の研削除去に適用した場合のものであ
る。図1は、この厚鋼板のベルト研削ラインの概略説明
図である。同図において、1は本発明を実施するための
ベルト研削装置例で、無端状で外側表面に研削材を配し
た研削ベルト2と、この研削ベルトの内側面を一方の側
で保持し研削ベルト駆動電動機Maにより回転し研削ベ
ルト2を無端状に回転させる駆動プ−リ3と、研削ベル
ト2の内側面を他方側で保持する従動プ−リ4と、この
2つのプ−リ間で研削ベルト2を厚鋼板6の被研削面に
押し付けるコンタクトロ−ル5とを備えており、研削ベ
ルト駆動電動機Maの給電部には、酸化皮膜研削のため
の一定研削性のない研削回数を判別するための電流検出
器8が設けられている。
【0009】このベルト研削装置1は、厚鋼板6の搬送
路に沿って駆動装置Mbにより軌道9上を移動自在な架
台10に、横行自在に懸吊されており、駆動装置Mcに
より回転するネジ付きシャフト11と係合し、このネジ
付きシャフトの回転により横行移動する。研削される厚
鋼板6は、搬送ロ−ラ12により、ベルト研削装置の下
方に搬入し、ストッパ−13で位置決めした後、ベルト
研削装置を所定の位置に移動(架台10の移動、ベルト
研削装置の横行、昇降等)する。そして、コンタクトロ
−ル5により、研削ベルト2の研削面を厚鋼板6の表面
に所定の押付力で押し付け、駆動装置Maにより駆動プ
−リ3を駆動して、研削ベルトを無端状に回転し厚鋼板
6の表面疵を研削・除去する。
【0010】コンタクトロ−ル5の回転軸はエアシリン
ダ−機構7を介して支持体14に昇降自在に支持されて
おり、コンタクトロール5による研削ベルト2の押し付
け力は、このエアシリンダー機構を作動して制御する。
このエアシリンダー機構7による研削ベルト2の押し付
け力の制御については、この研削装置において予め調べ
た研削ベルトの劣化を考慮した研削特性に基づき、積算
研削量に応じた研削ベルト駆動馬力を制御するためのパ
ワープログラムが設定されており、一定研削性のある研
削を行うことにより、一定の研削性能を確保し一定の研
削精度を確保できるようになっている。
【0011】図2は、パワープログラムを設定した場合
の各研削回数毎の電指令値と、実電流値の比の変化率例
を示したものである。研削(1)は研削ベルト寿命初期
で、研削ベルトの劣化がないため、厚鋼板の酸化皮膜が
あっても一定研削性がある。研削(2)は研削ベルト寿
命後半で、電流値比が小さい研削が1回表れている。ま
た、研削(3)は積算研削量がさらに進んだ状態であ
り、電流値比が小さい研削が2回になっている。したが
って、研削(2)、(3)では、一定研削性のない研削
回数が含まれているため、研削回数1回および2回増加
する補正を行ったものである。即ち研削(3)を例にと
ると、最初の2回が酸化皮膜を除去するための一定研削
のない研削であり、この研削回数をカウントすると、実
質3回分の研削しかできないことになり、研削が不十分
になる。
【0012】そこで、本発明では、研削ベルト寿命後半
期で発生する、この一定研削性のないこの2回の研削回
数を判別してこの研削回数を、設定された疵深さを研削
1回当たりの研削量の狙い値で除して得られる研削回数
から除外する補正を行い、ついで最初に設定された所定
研削回数で研削することにより、研削ベルト寿命前半期
に近い研削精度を確保する。ここで、研削回数補正の仕
組みについてその概要を説明する。図3において、パワ
ープログラム制御は以下のようにして行われる。設定器
17で設定された研削ベルト駆動電動機Maの指令電流
値は、演算装置18に入力される。
【0013】研削ボタンを押すと同時に、電流検出器8
により、検出された研削ベルト駆動電動機Maの実電流
値が演算装置18に入力される。ここで、指令電流値と
現状研削ベルト駆動電動機Maの実電流値を比較処理
し、実電流値を指令電流値に近付ける方向に、予め決め
られた空気圧制御量を変化させるべく電空減圧弁に指令
を出す。指令電流値と実電流値が一致するまでこれを繰
り返すことで、研削ベルト駆動電動機Maの電流値を制
御する。しかしながら、電流値を一定の状態にして研削
を行うと、ベルトの劣化が進むにしたがって、研削1回
当たりの研削量が、減少するため、ベルトが劣化しても
研削1回当たりの研削量が等しくなるように、研削ベル
ト駆動電動機の電流値を一定の割合で増加させるプログ
ラムをパワープログラムで制御する。これがここでいう
パワープログラム制御である。
【0014】ここでの1回当たりの研削量、電流値の増
加割合は、研削対象材料の材料特性、研削ベルト特性、
ベルト研削装置の運転条件等により決まり、予め十分な
実験により調査して得られる。またベルト劣化時の酸化
皮膜研削における研削量が少なく一定研削のない研削
は、この研削が緻密で硬い酸化皮膜上を研削ベルとが滑
る現象に近く、ベルと研削装置仕様上限の押し付け力を
得るためエアシリンダーの空気圧を上げても研削ベルト
駆動電動機Maの実電流値がパワープログラムで制御さ
れた指令電流値に至らない現象であり、この研削の実電
流値を、パワープログラムで制御された指令電流値と比
較することによって、判別できる。
【0015】より具体的には、電流検出器8で検出され
た研削時の研削ベルト駆動電動機Maの電流値を研削時
間で積分し、研削時間で除す処理を行うことで、、当該
研削の平均電流値を求め、この値とパワープログラムで
制御された指令電流値と比較して、指令電流値に至らな
い場合は、一定研削のない研削と見做すことができる。
したがって、研削開始前に設定されている疵深さと、研
削1回当たりの研削量により算出される研削回数に対
し、この研削量が少なく一定研削性のない研削回数を、
算出された所定の回数にカウントしない補正を行うこと
により、精度のよい研削深さが確保される。なお、研削
量が少なく一定研削性のない研削を解消する対策の一つ
として、エアシリンダーの径を上げる等により、研削装
置仕様上限の押し付け力を増大することも考えられる
が、研削時の押し付け力による、鋼板の撓みに起因する
研削品質の悪化が懸念されることから好ましくない。
【0016】コンタクトロール5をエアシリンダー機構
7を介して支持する支持体14は、ベルト研削装置1の
基部1aの溝部15に係合して水平移動自在であり、駆
動装置Mdにより回転するネジ付きシャフト16と係合
して、このシャフトの回転により、水平移動し研削ベル
トの押し付け位置を変えることができる。そのために、
従動プ−リ4の回転軸は、コンタクトロール5の水平移
動に追従して位置可変になっている。即ち従動プーリ4
は、基部1aの溝部19で水平移動自在に支持され駆動
装置Meにより回転するネジ付きシャフト21に係合す
る移動子22に取り付けられており、水平移動できるよ
うになっている。この従動プ−リ4の水平移動量は、前
記コンタクトロール5の移動量(水平移動量+垂直移動
量)に応じて制御され、従動プーリ4はこのコンタクト
ロ−ル5の変位(水平移動+垂直移動)に追従して水平
移動する。
【0017】コンタクトロール5と従動プーリ4の位置
関係は、予め数値計算で求めておくことができ、自動制
御することができる。このためのコンタクトロールの移
動量の検出には、移動位置検出センサーSa、垂直位置
検出センサーSbが用いられる。厚鋼板6の表面疵の研
削範囲が、研削ベルト2の幅より広い場合は、ベルト研
削装置1を駆動装置Mcにより横行させて所定の位置に
移動し、前記と同様にして厚鋼板6の表面疵を研削・除
去する。
【0018】なお、厚鋼板6の表面疵が前記ベルト研削
装置1の横行方向と直交する方向に延びている場合は、
架台10を移動したり厚鋼板6を移動しても良いが、こ
れらのものは、かなりの重量物であり、慣性が大きく、
その移動、移動量の制御にはかなりの困難を伴うことか
ら、この例では前記のように、コンタクトロ−ル5と従
動プーリ4を変位させて、コンタクトロ−ル5を表面疵
が延びている方向に平行移動し、研削位置を移動しなが
ら研削するようにしている。
【0019】この方向の研削範囲がコンタクトロ−ル5
の移動許容範囲を越える場合は、例えば厚鋼板6の搬送
路にストッパ−13を複数設けて、一枚の厚鋼板6を複
数回に別けて停止させて研削することも考慮する。この
ようにして厚鋼板6の表面疵を研削後は、ストッパ−1
3を下げ、搬送ロ−ラ12でヤードあるいは次工程に搬
送する。研削・除去する厚鋼板6の表面疵の検出は、予
め目視あるいは検出装置を用いて行い、研削する範囲、
深さをマ−キングして置き、このマ−キングされた研削
範囲、深さに対応して、ベルト研削装置1の横行、パワ
ープログラム、移動範囲、移動速度、研削(移動)回
数、従動プーリの変位量等が設定、制御される。これら
の設定、制御のための条件は、予め設定器17あるいは
随時演算装置18で演算処理され、研削装置1の横行、
コンタクトロール5の昇降、水平移動、駆動プーリ3の
回転、従動プーリ4の水平移動等は、演算装置18によ
りそれぞれの駆動制御装置Ca,Cc,Cd、Ce,C
fを介して駆動制御される。
【0020】
【実験例】熱間圧延して得られた幅2m,長さ5m,厚
さ16mmの酸化皮膜が25〜30μmの熱間圧延厚鋼
板(以下、単に「厚鋼板」という。)の表面疵を、図1
に示すようなベルト研削装置を用いて研削・除去した。
この例では、研削ベルト2の幅250mm,長さ13
m、移動速度(回転周速)1200m/minとした。
【0021】厚鋼板6の表面疵の分布と研削範囲は予め
目視で検査し、研削範囲、深さはこの検査結果に応じて
定められたもので、この範囲、深さは、マ−キング表示
されている。研削1回あたりの研削量(研削深さ)は4
5〜55μmの範囲になるようにパワープログラムを設
定し、研削ベルトの交換時期の判定条件等を設定する。
このような研削条件の下で厚鋼板6を搬送ロ−ラ12で
ベルト研削装置1の下方に導き、ストッパ−13で位置
決めし、ベルト研削装置の横行および昇降を制御して、
厚鋼板6表面のマ−キングされた研削範囲の幅の端部に
研削ベルトの幅の端部を合わせ、コンタクトロ−ル5の
位置を研削範囲始端側に寄せ、研削ベルト2の研削面を
厚鋼板6の被研削面開始位置に押し付ける。
【0022】ここで、研削開始座標ボタンを押し、研削
開始座標を設定して、さらに同様にして研削終了位置に
コンタクトロールを移動し、研削終了座標、疵深さを設
定して、起動ボタンを押し駆動制御装置を介して制御さ
れる研削ベルト駆動電動機Maにより駆動プーリ3を駆
動し、研削ベルト2を無端状に移動(回転)し、所定の
研削回数で厚鋼板の表面疵を研削、除去する。この間、
研削ベルト駆動電動機Maに設けた電流検出器8で電流
をを検出し、この検出により酸化皮膜除去のための一定
研削性がない研削回数を判別し、この研削回数を設定研
削回数としてカウントせず、一定研削性のある研削回数
のみを所定研削回数として研削するよう研削回数を補正
できるようにした。
【0023】研削ベルト駆動電動機Maの電流値は、厚
鋼板の材料特性と表面疵深さ、研削ベルトの回転速度、
コンタクトロールの移動速度等の運転条件、研削ベルト
の劣化に応じて予めパワープログラム設定しており、駆
動プ−リ3を駆動して研削ベルト2を移動(回転)し、
コンタクトロール5を厚鋼板6の被研削面に押し付ける
ことにより、厚鋼板6の表面疵を研削することができ
る。この実験例では、研削開始時の研削ベルト駆動電動
機の電流値を28A,研削回数を5回相当に設定し、厚
鋼板の被研削面に沿ってその後端側に5m/minの速
度で平行移動し、この厚鋼板の被研削範囲を研削した。
【0024】この間、電流検出器8で検出された各研削
回数毎の電流値はパワープログラム設定された許容範囲
内にあり、一定研削性があることを示しており、研削回
数は演算研削回数と同じ5回で研削できた。しかし、4
0枚目の厚鋼板について研削を開始した時は、電流検出
器8で検出した電流値は制御指令値に制御されておら
ず、制御指令値40Aに対し、8〜16A低く、一定研
削性のない2回の研削と判別したため、この研削回数を
設定された所定研削回数外にする補正を行い、ついで所
定研削回数である5回の研削を行った。それから10枚
目の研削が進んだところで、電流検出器8で検出した電
流値は、最初設定したベルと寿命判別基準である一定研
削性がない研削回数が3回となり、研削効率が低下した
ため、研削ベルトの寿命と判断し、研削ベルトの交換を
行った。
【0025】研削後の厚鋼板の研削表面を調べたとこ
ろ、表面性状は良好であった。また研削ベルトの交換時
期も的確であった。この実施例において、本発明により
補正を行った研削ベルト寿命後半の研削深さ精度範囲
を、補正を行わない場合と比較した結果を表1に示す。
【0026】
【表1】★
【0027】表1に示す通り、本発明による補正実施時
の精度範囲は、許容精度範囲に収まっているのに対し
て、補正未実施時では、許容精度範囲から外れる場合が
あり、かつその頻度も研削ベルトの劣化とともに増加
し、狙い研削量が確保されないことから、研削ベルトの
交換頻度を高くする必要がある。
【0028】本発明によれば、研削ベルト交換頻度を減
少し、2割のランニングコストの低減ができ、生産性の
向上もできた。また、本発明によれば、本発明を適用し
ない場合の研削深さ不足による再研削頻度も大幅に減少
でき、生産性の向上を図ることができる。なお、この実
施例では、一定研削性のない研削回数を除外したが、酸
化皮膜の厚み、研削一回当たりの研削狙い深さによって
は除外はせず、一回の研削を0.5回分とすること等の
補正が好ましい場合もあり、その場合は、制御を変える
ことで容易に対応が可能である。
【0029】なお、本発明は、研削ベルトの損耗も考慮
して、研削性を安定確保し、研削量を一定にして効率的
に研削を行うことを主目的とするものであり、この目的
達成のために必要なコンタクトロール、プーリ等の構
造、機構(含制御)等については、上記実施例および実
験例に限定するものではない。また、研削対象物(被研
削面)に対するベルト研削装置の移動(横行、昇降、旋
回)構造、機構(含制御)等についても同様である。
【0030】
【発明の効果】本発明においては、酸化皮膜の厚い熱間
圧延鋼板のベルト研削に際して、特に研削ベルトの寿命
後期において、酸化皮膜を除去するための一定研削性の
ない研削回数を判別、除外して一定研削性のある所定の
研削回数で研削することができ、研削精度を確保すると
ともに、研削ベルトの交換頻度を減少して、ベルト原単
位の低減、研削の生産性向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概要説明図で、(a)図
は一部切り欠き断面正面説明図、(b)図は(a)図の
Aa−Ab矢視断面説明図。
【図2】本発明においてパワープログラムを設定した場
合の各研削回数毎の研削ベルト駆動電動機の指令電流値
と実電流値の比の変化率例を示す概要説明図。
【図3】本発明におけるコンタクトロール押し付けによ
るパワープログラム設定と研削回数補正の仕組みを示す
概要説明図。
【符号の説明】
1 ベルト研削装置 1a 基部 2 研削ベルト 3 駆動プ−リ 4 従動プ−リ 5 コンタクトロ−ル 6 厚鋼板 7 エアシリンダー機構 8 電流検出器 9 軌道 10 架台 11 ネジ付きシャフト 12 搬送ロ−ラ 13 ストッパ− 14 支持体 15 溝部 16 ネジ付きシャフト 17 設定器 18 演算装置 19 溝部 20 ネジ付きシャフト 21 移動子 Ca,Cb,Cc,Cd,Ce、cf 駆動制御装置 Ma 研削ベルト駆動電動機 Mb,Mc,Md,Me 駆動装置 Sa 移動位置検出センサー Sb 垂直位置検出センサー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】この要求に応えるためには、研削ベルトの
研削特性を安定維持する必要があり、ベルトの寿命判定
を的確に行い、適時交換またはベルト劣化に応じた研削
制御を行う必要がある。従来、このような研削ベルトの
劣化対策として、例えば、特開平54−89393号公
報に開示される発明がある。この発明では、研削ベルト
の劣化に伴う研削特性の変化(低下)を予め十分調べて
おき、研削量が一定になるように、研削電動機の馬力
(コンタクトローの押し付け力)をベルトの劣化に伴
い、徐々に増加させるプログラム、即ち、パワープログ
ラムを設定し、研削回数を変えることで、所定の研削深
さを確保するようにしている。しかし、この方法は、熱
間圧延により成形されたままの酸化皮膜付きの鋼板の研
削には適用し難い面がある。即ち酸化皮膜は緻密で硬
く、特にベルト寿命後半では研削ベルト駆動馬力を増加
させるだけでは、所定の研削量の確保が困難になる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】ベルト寿命後半では、研削材砥粒の摩
滅、目詰まりが進行しており、緻密で硬い酸化皮膜に対
しては十分な研削量を確保する配慮は見られず、所定の
研削回数では、狙いの研削深さが得られず、一定研削性
のある精度のよい研削特性が得られない。このような酸
化皮膜付き鋼板の疵の深さは、一般的に数百μmあり、
研削効率を上げるために大きい押し付け力で研削一回あ
たりの研削量を大きくすることが試みられおり、自動化
を図るためにも研削一回当たりの狙い研削深さの精度向
上の重要性が増しつつある。研削一回当たりの研削量を
一定量確保する一定研削性を回復させるためには、ベル
ト交換を頻繁にする必要があり、ベルト原単位の増加、
研削の生産性の低下があり好ましくない。ベルト交換頻
度を下げようとすると、研削後、検査により疵残りの確
認後、再研削を行う必要があり、研削の生産性が低下す
るという問題がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ここでの1回当たりの研削量、電流値の増
加割合は、研削対象材料の材料特性、研削ベルト特性、
ベルト研削装置の運転条件等により決まり、予め十分な
実験により調査して得られる。またベルト劣化時の酸化
皮膜研削における研削量が少なく一定研削のない研削
は、この研削が緻密で硬い酸化皮膜上を研削ベルが滑
る現象に近く、ベル研削装置仕様上限の押し付け力を
得るためエアシリンダーの空気圧を上げても研削ベルト
駆動電動機Maの実電流値がパワープログラムで制御さ
れた指令電流値に至らない現象であり、この研削の実電
流値を、パワープログラムで制御された指令電流値と比
較することによって、判別できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のプーリにより張設され無端状に回
    転する研削ベルトの研削面を被研削物に押し付けて揺動
    するベルト式研削方法を用い、パワープログラムを設定
    し研削回数を制御して、酸化皮膜付きの鋼板の部分研削
    を行うに際して、各研削回数毎に研削ベルト駆動電動機
    の電流値を検出してこれをパワープログラム制御での指
    令電流値と比較することにより酸化皮膜除去のための一
    定研削性がない研削回数を判別し、この研削回数を除く
    一定研削性のある研削回数を所定研削回数とする補正を
    行い研削することを特徴とする熱間圧延鋼板のベルト研
    削方法。
JP6629494A 1994-04-04 1994-04-04 熱間圧延鋼板のベルト研削方法 Withdrawn JPH07276213A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110465873A (zh) * 2019-08-06 2019-11-19 徐州市茗尧机械制造有限公司 适用于钢板除漆的工程机械
CN112589618A (zh) * 2020-12-24 2021-04-02 石家庄闻索科技有限公司 一种针对角钢内侧的除锈装置
CN112894586A (zh) * 2021-01-31 2021-06-04 重庆电子工程职业学院 一种集成电路板用覆铜板双面光亮处理装置

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CN112894586B (zh) * 2021-01-31 2022-02-08 重庆电子工程职业学院 一种集成电路板用覆铜板双面光亮处理装置

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