JPH07275710A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒

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JPH07275710A
JPH07275710A JP6075631A JP7563194A JPH07275710A JP H07275710 A JPH07275710 A JP H07275710A JP 6075631 A JP6075631 A JP 6075631A JP 7563194 A JP7563194 A JP 7563194A JP H07275710 A JPH07275710 A JP H07275710A
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誠 京極
Tomoji Ichikawa
智士 市川
Takashi Takemoto
崇 竹本
Akihide Takami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Ptを活性種として母材に担持させたNOx浄
化用触媒の高温活性を高めるとともに、該触媒の耐熱性
の向上を図る。 【構成】上記母材にさらにNiを活性種として担持させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス浄化用触媒に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの排気ガス浄化用触媒に関し、
特開平1−135541号公報には、酸素過剰の希薄燃
焼排気ガス雰囲気下においてもNOxを高率に浄化する
ことができるものにするために、活性種担持母材として
のゼオライトにPt,Pd,Rh,Ir,Ruから選択
される1種以上の金属をイオン交換によって担持させる
ことが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、Pt
を活性種とする排気ガス浄化用触媒において、そのNO
x浄化活性温度を高いものにすること、また、その耐熱
性を高いものにすることにある。
【0004】すなわち、上記触媒によって排気ガス中の
NOxが分解されるのは、まず、排気ガス中のHCがP
t触媒の働きによって酸化され、該HC酸化物が母材等
に捕捉されているNOxを攻撃しこれを還元するためで
あると考えられる。しかし、上記Ptは、排気ガス温度
が比較的低い低温域からNOxの分解に寄与するもの
の、そのHC酸化能が高いことから、排気ガス温度が高
くなるとHCの酸化が進み過ぎてNOxの分解に有効な
HC酸化物が得られなくなり、NOx浄化率が低下す
る、という問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明者
は、上記Pt系の触媒についてその活性温度域を高温側
に拡大させるという観点から研究・検討を進めた結果、
一般には有機化合物の水素化のための触媒として使用さ
れているNiがこれを比較的多量に用いると、今までに
は知られていなかった特異な作用を呈することを見出だ
し、本発明を完成するに至ったものである。以下、上記
課題を解決する各請求項に係る発明を説明する。
【0006】<請求項1に係る発明>この発明は、活性
種担持母材にPtとNiとが活性種として担持されてい
ることを特徴とする排気ガス浄化用触媒である。
【0007】この発明においては、後述する実施例で明
らかになるように、Ptのみを活性種として有する触媒
よりも高温でのNOx浄化率が高くなる。その理由の一
つは、上記NiがPtと排気ガス中のHCとの反応(酸
化触媒反応)を抑制する立体障害として働き、その結
果、排気ガス温度が比較的高い場合でもPtによるHC
の過度の酸化が防止され、排気ガス中のNOxを還元分
解するに適したHC酸化物が得られるためである、と考
えられる。
【0008】また、他の理由は、NiがNOxを吸着す
る温度がPt等よりも高く、そのために排気ガス温度が
比較的高い場合でも、NOxが還元分解され易くなって
いるものと考えられる。
【0009】また、上記Niは、Pt同士の高温での凝
集、つまりはシンタリングを防止する立体障害としても
働き、例えば800℃前後の高温の排気ガスに当該触媒
がさらされた後であっても、NOx浄化率が大きく低下
することがない(この点は後述する実施例で明らかにな
る)。
【0010】従って、以上の説明から明らかなように、
本発明の作用効果を効率良く発揮させるためには、Ni
を活性種担持母材上において分散させて担持させるこ
と、つまりはPtとNiとを相互作用が生ずるよう互い
に近接させて活性種担持母材に担持させることが好適な
手段となる。
【0011】その具体的な手段としては、Ptを活性種
担持母材にイオン交換、含浸、蒸発乾固、スプレードラ
イ等の方法によって担持させた後、これにNi溶液を含
浸させて乾燥する方法、あるいはPt及びNiを混合し
た溶液に活性種担持母材を加え、得られたスラリーを蒸
発乾固する方法若しくはスプレードライする方法があ
る。また、上記含浸法においては、Ptを活性種担持母
材に担持させてなる触媒粉を担体にウォッシュコートに
よって担持させた後、該担体をNi溶液に浸漬して引上
げ乾燥させる方法を採用することができる。
【0012】また、本発明において、上記活性種担持母
材としては、ゼオライト(アルミノシリケート)に代表
される多孔質の結晶性金属含有シリケート、γ−アルミ
ナ等種々の無機多孔質体を用いることができる。さら
に、本発明は、活性種として上記Pt及びNiのみを用
いることを意図するものではなく、それ以外の他の活性
種、例えばIr,Rh,Pd,Co等を上記Pt及びN
iと併せて使用することができる。
【0013】<請求項2に係る発明>この発明は、上記
請求項1に記載されている排気ガス浄化用触媒におい
て、上記活性種担持母材に、さらにIrが活性種として
担持されていることを特徴とする。
【0014】この発明においては、高温でのNOx浄化
率の向上が図れるが、それはIrが排気ガス中のNOx
を捕捉する作用を呈し、NOxの分解に有効に寄与する
ためと考えられる。また、この発明においては、触媒の
耐熱性に関しても後述する実施例で好結果を得ている
が、それはIrがPtのシンタリング防止にも寄与して
いるためと考えられる。
【0015】<請求項3に係る発明>この発明は、上記
請求項1に記載されている排気ガス浄化用触媒におい
て、上記活性種担持母材に、さらにRhが活性種として
担持されていることを特徴とする。
【0016】この発明の場合も、後述する実施例で明ら
かになるように高温でのNOx浄化率の向上が図れる
が、RhがPtとの間で有効な相互作用を奏しているも
のと考えられる。
【0017】<請求項4に係る発明>この発明は、上記
請求項1に記載されている排気ガス浄化用触媒におい
て、上記活性種担持母材に、さらにIrとRhとが活性
種として担持されていることを特徴とする。
【0018】この発明においては、上記請求項2に係る
発明と同様に高いNOx浄化率を得ることができるとと
もに、触媒の耐熱性がさらに高くなる。
【0019】<請求項5に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載されている排
気ガス浄化用触媒において、上記Ni以外の活性種は、
上記母材に担持され、該母材及びバインダと共に担体に
対しウォッシュコートによって担持され、上記Niは、
上記担体のウォッシュコート層に対し当該Ni溶液を含
浸させることによって担持されていることを特徴とす
る。
【0020】すなわち、上記Ni及び該Ni以外の活性
種(Pt等)は、母材に直接担持させることもできる
が、Niに関しては当該発明のようにNi以外の活性種
を担持させた母材とバインダとのウォッシュコート層に
含浸によって担持させても、結果的には母材に分散させ
て担持させることができ、請求項1乃至請求項4の各々
に記載された発明と同様の作用効果を奏する。
【0021】<請求項6に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されている排
気ガス浄化用触媒において、上記PtとNiとの重量比
がNi:Pt=3〜40:3であることを特徴とする。
【0022】この発明において、PtとNiとの重量比
を上記の通りとするのは、これによりNiが母材に担持
されていない場合に比べてNOx浄化率が向上するとい
う有意差が認められるからである。
【0023】<請求項7に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されている排
気ガス浄化用触媒において、上記PtとNiとの重量比
がNi:Pt=10〜30:3であることを特徴とす
る。
【0024】この発明において、上記重量比に関し、P
tが3のときにNiを10以上とする(Ni/Pt≧1
0/3とする)のは、これにより高温でのNOx浄化率
の向上が顕著に認められるからである。また、Ptが3
のときにNiを30以下とする(Ni/Pt≦10)と
するのは、これよりもNiが多いとPtの酸化触媒反応
を抑制し過ぎてNOx浄化率が低下するからであり、ま
た、母材に対してPtを所期の量、例えば3wt%担持
させようとすれば、Niを30wt%以上担持させる必
要があり、その担持が難しくなるからである。さらに
は、Ni以外の活性種を母材に担持させ、これをハニカ
ム担体にウォッシュコートした後に該ウォッシュコート
層に上記Niを含浸によって担持させる場合において
も、多量のNiを含浸担持させようとすれば該ハニカム
担体の目詰りを招き易くなるからである。
【0025】<請求項8に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載されている排
気ガス浄化用触媒において、上記活性種担持母材が多孔
質の結晶性金属含有シリケートであることを特徴とす
る。
【0026】この発明の場合、NOxの選択的吸着性に
優れた多孔質の結晶性金属含有シリケートを母材とする
から、NOxの分解に有利になる。
【0027】このような金属含有シリケートとしては、
先に述べたゼオライト(アルミノシリケート)が好適で
あるが、Alに代えて、あるいはAlと共にGa,C
e、Mn、Tbなど他の金属を結晶の骨格を形成する材
料としたものであってもよい。また、ゼオライトとして
は、A型、X型、Y型、ZSM5等が好適である。
【0028】<請求項9に係る発明>この発明は、担体
上に互いに上下に接する下側の第1触媒層と上側の第2
触媒層とを備えている排気ガス浄化用触媒であって、上
記第1触媒層が、活性種担持母材にPtが活性種として
担持されてなる貴金属触媒によって形成され、上記第2
触媒層が、NiO触媒によって形成されていることを特
徴とする。
【0029】この発明の場合、第1触媒層と第2触媒層
との界面において、NiOがPtの酸化触媒反応の抑制
及びシンタリングの防止に有効な立体障害として、ま
た、高温でのNOxの吸着材として働き、請求項1に係
る発明と同様の作用効果が得られる。その上、NiO自
体が耐熱性の高いものであるため、Ptを活性種として
有する第1触媒層が高温の排気ガスにさらされて劣化を
することを第2触媒層が効果的に防止する。
【0030】<請求項10に係る発明>この発明は、上
記請求項9に記載されている排気ガス浄化用触媒におい
て、上記活性種担持母材が多孔質の結晶性金属含有シリ
ケートであることを特徴とする。従って、この発明の場
合も請求項6に係る発明と同様にNOxの分解に有利に
なる。
【0031】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、活性種担
持母材にPtとNiとが活性種として担持されているか
ら、当該触媒の耐熱性を高めながら、そのNOx浄化の
活性温度を高めることができる。
【0032】請求項2に係る発明によれば、上記活性種
担持母材に、Pt及びNiの他にIrが活性種として担
持されているから、当該触媒の耐熱性及び高温活性が向
上する。
【0033】請求項3に係る発明によれば、上記活性種
担持母材に、Pt及びNiの他にRhが活性種として担
持されているから、高温でのNOx浄化率が向上する。
【0034】請求項4に係る発明によれば、上記活性種
担持母材に、Pt及びNiの他にIrとRhとが活性種
として担持されているから、当該触媒の耐熱性及び高温
活性がより一層向上する。
【0035】請求項5に係る発明によれば、上記請求項
1乃至請求項4の各発明において、Ni以外の活性種を
上記母材に担持させて該母材及びバインダと共に担体に
対しウォッシュコートによって担持させ、Niについて
は、上記担体のウォッシュコート層に対し当該Ni溶液
を含浸させることによって担持させるようにしたから、
請求項1乃至請求項4の各々に記載された発明と同様の
作用効果を得ることができる。
【0036】請求項6に係る発明によれば、上記請求項
1乃至請求項5の各発明において、PtとNiとの重量
比がNi:Pt=3〜40:3であるから、高温でのN
Ox浄化率が高くなる。
【0037】請求項7に係る発明によれば、上記請求項
1乃至請求項5の各発明において、PtとNiとの重量
比がNi:Pt=10〜30:3であるから、触媒の製
造を難しいものにすることなく、高温でのNOx浄化率
を飛躍的に高めることができる。
【0038】請求項8に係る発明によれば、上記請求項
1乃至請求項7の各発明において、上記活性種担持母材
に多孔質の結晶性金属含有シリケートを用いたから、N
Oxの分解に有利になる。
【0039】請求項9に係る発明によれば、下側の第1
触媒層が、活性種担持母材にPtが活性種として担持さ
れてなる貴金属触媒によって形成され、上側の第2触媒
層がNiO触媒によって形成されているから、請求項1
に係る発明と同様の作用効果が得られるとともに、耐熱
性の向上に有利になる。
【0040】請求項10に係る発明によれば、上記請求
項9に係る発明において、上記活性種担持母材に多孔質
の結晶性金属含有シリケートを用いたから、NOxの分
解に有利になる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を基づいて説明する。
【0042】<実施例1,比較例1> −触媒の調製− 2価白金アンミン結晶(テトラアンミン白金(II)塩化
物)を活性種担持母材に担持させた場合にPtの重量が
該母材重量の2%となるように秤量し、イオン交換水に
溶かした。そして、この溶液を活性種担持母材としての
結晶性アルミノシリケート(ケイバン比80のH型ZS
M5)の粉末に加え、室温で充分に撹拌した後、スプレ
ードライ法により瞬間的に乾燥させ、さらに200℃で
充分に乾燥させることによって触媒粉を得た。
【0043】上記触媒粉にバインダーとして水和アルミ
ナを触媒粉に対して20wt%となるように加え、さら
に適量の水を加えることによってスラリーを得た。そし
て、このスラリーをコーディライト製のハニカム担体
(400セル/inch2 )にウォッシュコートした。すな
わち、上記スラリーにハニカム担体を浸漬して引上げ、
余分なスラリーをエアブローによって吹き飛ばし、乾燥
させた後に大気中で500℃×2時間の焼成を行なうこ
とによってハニカム触媒を得た。このハニカム触媒にお
いてはウォッシュコート層(上記触媒粉とバインダとを
合わせた総量)が約30wt%となるようにした。
【0044】一方、硝酸ニッケルをNiの重量が上記ウ
ォッシュコート層に担持させた場合に母材重量の1%に
なるように秤量し、これに純水を加えることによって硝
酸ニッケル水溶液を調製した。そして、この硝酸ニッケ
ル水溶液に上記ハニカム触媒を浸漬し、引き上げて乾燥
させ、さらに大気中で500℃×2時間の焼成を行なう
ことによって求める実施例1の排気ガス浄化用触媒を得
た。
【0045】また、別に上記ハニカム触媒にNiの含浸
処理を行なわなかったものを比較例1として準備した。
【0046】−触媒の評価− 上記実施例1及び比較例1の各触媒に対して、次の組成
の模擬排気ガスを空間速度SV=55000hr-1、触
媒入口ガス温度300℃の条件で流し、各々のフレッシ
ュ状態(熱処理なし)でのNOx浄化率と、大気中で8
00℃×6時間の熱処理後のNOx浄化率とを測定し
た。
【0047】(模擬排気ガス) HC;4000ppmC,NOx;500ppm,C
O;0.15%,O2 ;7.5%,CO2 ;10%,残
部N2
【0048】その結果(NOx浄化率)は次の通りであ
る。
【0049】上記結果から、Niを添加した場合にはN
Ox浄化率が高くなること、そして触媒の耐熱性も向上
することがわかる。
【0050】<実施例2〜9,比較例2〜5>実施例2
では、上記Pt重量が母材重量の3%、Ni重量が母材
重量の1%となるようにする他は実施例1と同様の方法
によって触媒を調製した。
【0051】実施例3では、上記Pt重量が母材重量の
3%、Ni重量が母材重量の10%となるようにする他
は実施例1と同様の方法によって触媒を調製した。
【0052】実施例4では、Ni以外の活性種としてP
tとRhとを用い、Pt重量が母材重量の2.2%、R
h重量が同0.8%、Ni重量が同10%となるように
する他は実施例1と同様の方法によって触媒を調製し
た。
【0053】ここに、上記Pt及びRhの母材への担持
にあたっては、2価白金アンミン結晶及び硝酸ロジウム
を、それらの金属の重量比がPt:Rh=11:4とな
り母材に担持した状態での金属の総重量が母材重量の3
%となるように秤量し、これらを共にイオン交換水に溶
かした。そして、この溶液を用い実施例1と同様にして
触媒粉を得た。
【0054】実施例5では、Ni以外の活性種としてP
tとIrとを用い、Pt重量が母材重量の2.2%、I
r重量が同0.8%、Ni重量が同10%となるように
する他は実施例1と同様の方法によって触媒を調製し
た。ここに、Irについては、三塩化イリジウムを用
い、これをプロパノールに溶かした。そして、Pt溶液
と当該Ir溶液とを混合してスプレードライに供した。
【0055】実施例6では、Ni以外の活性種としてP
tとIrとRhとを用い、Pt重量が母材重量の2.0
%、Ir重量が同0.8%、Rh重量が同0.2%、N
i重量が同10%となるようにする他は実施例1と同様
の方法によって触媒を調製した。Pt、Ir及びRhの
各溶液は先の実施例と同様にして調製した。
【0056】実施例7では、母材として上記H型ZSM
5に代えてγ−アルミナを用いて触媒を調製した。活性
種の組成及び触媒の調製方法は実施例3と同じである。
【0057】実施例8では、Ni重量をγ−アルミナ母
材重量の20%とする他は実施例7と同様にして触媒を
調製した。
【0058】実施例9では、Pt重量をγ−アルミナ母
材重量の2%、Rh重量を同1%、Ni重量を同20%
とする他は実施例7と同様にして触媒を調製した。
【0059】また、実施例4〜7の各々においてNiを
担持させていないものを比較例2〜5の触媒として調製
した。
【0060】以上の各触媒について、実施例1及び比較
例1の場合と同じ条件でNOx浄化率を測定した。これ
らの結果は実施例1及び比較例1のものと併せて表1に
示されている。
【0061】
【表1】
【0062】実施例3〜6からNi量を多くすると、フ
レッシュ時のNOx浄化率が飛躍的に高くなることがわ
かる。さらに、IrやRhの担持が該NOx浄化率の向
上に有効であることもわかる。また、熱処理後のNOx
浄化率をみると、Irを担持させた実施例5、並びにI
r及びRhを担持させた実施例6において向上が認めら
れ、これらが触媒の耐熱性の向上に有効であることがわ
かる。
【0063】次に母材をγ−アルミナとした実施例7〜
9及び比較例5をみると、実施例は比較例に比べてNi
の耐熱性向上効果が認められ、母材がγ−アルミナであ
っても本発明が有効であることがわかる。
【0064】<Ni量がNOx浄化率に与える影響>N
i以外の活性種をPtのみとし、該Pt重量をH型ZS
M5母材重量の3%に固定して、Ni重量を変化させた
各触媒を調製し、そのフレッシュ時のNOx浄化率を触
媒入口ガス温度300℃において先の場合と同じ条件で
測定したところ、図1に示す結果が得られた。
【0065】同図から、Niはその担持量が少量であっ
てもNOx浄化率の向上に有効であること、その担持量
が10%以上でNOx浄化率の向上効果が顕著になるこ
と、さらに、該10%を大きく越えてもNOx浄化率の
向上はそれほど図れないことがわかる。
【0066】また、同様の触媒についてフレッシュ時の
NOx浄化率を触媒入口ガス温度250℃において先の
場合と同じ条件で測定したところ、図2に示す結果が得
られた。同図も図1の場合と略同じ傾向を示している。
【0067】また、熱処理後(大気中,800℃×6時
間)のNOx浄化率(触媒入口ガス温度300℃)を先
の場合と同じ条件で調べたところ、図3に示す結果が得
られた。同図から、上記Ni量が10%以上になると、
耐熱性向上の効果が顕著なものになること、但し、10
%を大きく越えても耐熱性の向上はそれほど図れないこ
と、また、Ni重量が40%になると、NOx浄化率が
低下していることがわかる。
【0068】従って、以上から、Ni量を10〜30%
とすれば、高温時のNOx浄化率を確実に高いものにす
ることができ且つ耐熱性の向上も図れる、ということが
できる。
【0069】<Ir又はRhの量がフレッシュ時のNO
x浄化率に与える影響>Pt重量をH型ZSM5母材重
量の3%、Ni重量を同母材重量の10%に固定し、I
r又はRh重量を変化させてなる各触媒を調製し、その
フレッシュ時のNOx浄化率(触媒入口ガス温度300
℃)を先の場合と同じ条件で測定したところ、図4に示
すようになった。
【0070】同図から、IrやRhはその量が多くなる
と、NOx浄化率を低下させてしまうこと、従って、I
r重量又はRh重量を母材重量の0〜5%(Ir/Ni
又はRh/Niの比が0〜0.5)とすることが好適で
あることがわかる。
【0071】<Niの担持による触媒活性温度の高温側
へのシフトについて>実施例6のようにNi以外の活性
種としてPt、Ir及びRhを用い、Ni重量をH型Z
SM5母材重量の10%とした触媒、25%とした触媒
及び0%とした触媒を調製し、触媒入口ガス温度を変化
させて、これらのフレッシュ時のNOx浄化率を先の場
合と同じ条件で測定した。結果は図5に示されている。
【0072】同図によれば、Niを担持させた実施例の
各触媒(Ni10%のものと25%のもの)は共に20
0℃以上の温度でのNOx浄化率がNi0%の比較例よ
りも高くなっており、実施例の各触媒はその活性温度が
比較例のものに比べて高温側にシフトしていることがわ
かる。また、Ni25%の触媒の場合は、最高NOx浄
化率も比較例略同じものになっている。
【0073】<NiO触媒を用いた2層コート構造につ
いて>2価白金アンミン結晶、三塩化イリジウム及び硝
酸ロジウムを、金属重量比でPt:Ir:Rh=30:
6:1、活性種担持母材に担持させた場合のPt、Ir
及びRhの総重量が該母材重量の2〜4%となるように
秤量し、2価白金アンミン結晶及び硝酸ロジウムについ
てはイオン交換水に溶かし、三塩化イリジウムについて
はプロパノールに溶かした。そして、これらの溶液を活
性種担持母材としてのH型ZSM5(ケイバン比70)
の粉末に加え、室温で充分に撹拌した後、スプレードラ
イ法により瞬間的に乾燥させ、さらに200℃で充分に
乾燥させることによって触媒粉を得た。
【0074】上記触媒粉にバインダーとして水和アルミ
ナを触媒粉に対して20wt%となるように加え、さら
に適量の水を加えることによってスラリーを得た。そし
て、このスラリーをコーディライト製のハニカム担体
(400セル/inch2 )にウォッシュコートした。すな
わち、上記スラリーにハニカム担体を浸漬して引上げ、
余分なスラリーをエアブローによって吹き飛ばし、乾燥
させた後に大気中で500℃×2時間の焼成を行なうこ
とによって、貴金属触媒による第1触媒層を形成した。
この第1触媒層は当該ハニカム担体(触媒を担持させて
いないもの)の約30wt%となるようにした。
【0075】一方、酸化ニッケルNiO粉末と水和アル
ミナ粉末とを後者が前者の20wt%となるように秤量
して混合し、これを適当量の水に分散させることによっ
てスラリーを得た。そして、このスラリーを上記第1触
媒層を形成したハニカムにウォッシュコートし、乾燥後
に大気中で500℃×2時間の焼成を行なうことによ
り、上記第1触媒層の上にNiO触媒による第2触媒層
を形成した。この第2触媒層の量は当該ハニカム担体の
6wt%となるように調節した。
【0076】以上の如くして得られた実施例触媒と上記
第1触媒層のみを形成した比較例触媒とについて、次の
組成の模擬排気ガスを空間速度SV=55000h
-1、触媒入口ガス温度250℃の条件で流し、各々の
フレッシュ状態(熱処理なし)でのNOx浄化率と、大
気中で800℃×6時間の熱処理後のNOx浄化率とを
測定した。
【0077】(模擬排気ガス) HC(C3 6 );1500ppmC,NO;300p
pm,CO;0.2%,O2 ;8%,CO2 ;10%,
残部N2
【0078】その結果(NOx浄化率)は次の通りであ
る。
【0079】上記結果から、第2触媒層(NiO触媒)
を第1触媒層(貴金属触媒)の上に設けた場合でも、N
Ox浄化率が高くなること、そして触媒の耐熱性も得ら
れることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ni量とフレッシュ時のNOx浄化率(触媒入
口ガス温度300℃)との関係を示すグラフ図
【図2】Ni量とフレッシュ時のNOx浄化率(触媒入
口ガス温度250℃)との関係を示すグラフ図
【図3】Ni量と熱処理後のNOx浄化率(触媒入口ガ
ス温度300℃)との関係を示すグラフ図
【図4】Ir量又はRh量とフレッシュ時のNOx浄化
率(触媒入口ガス温度300℃)との関係を示すグラフ
【図5】Ni量と触媒活性温度との関係を示すグラフ図
【符号の説明】
なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/36 102 H (72)発明者 高見 明秀 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性種担持母材にPtとNiとが活性種
    として担持されていることを特徴とする排気ガス浄化用
    触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    用触媒において、 上記活性種担持母材に、さらにIrが活性種として担持
    されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    用触媒において、 上記活性種担持母材に、さらにRhが活性種として担持
    されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    用触媒において、 上記活性種担持母材に、さらにIrとRhとが活性種と
    して担持されていることを特徴とする排気ガス浄化用触
    媒。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載されている排気ガス浄化用触媒において、 上記Ni以外の活性種は、上記母材に担持され、該母材
    及びバインダと共に担体に対しウォッシュコートによっ
    て担持され、 上記Niは、上記担体のウォッシュコート層に対し当該
    Ni溶液を含浸させることによって担持されていること
    を特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
    載されている排気ガス浄化用触媒において、 上記PtとNiとの重量比がNi:Pt=3〜40:3
    であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
    載されている排気ガス浄化用触媒において、 上記PtとNiとの重量比がNi:Pt=10〜30:
    3であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に記
    載されている排気ガス浄化用触媒において、 上記活性種担持母材が多孔質の結晶性金属含有シリケー
    トであることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  9. 【請求項9】 担体上に互いに上下に接する下側の第1
    触媒層と上側の第2触媒層とを備えている排気ガス浄化
    用触媒であって、 上記第1触媒層が、活性種担持母材にPtが活性種とし
    て担持されてなる貴金属触媒によって形成され、上記第
    2触媒層がNiO触媒によって形成されていることを特
    徴とする排気ガス浄化用触媒。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載されている排気ガス浄
    化用触媒において、 上記活性種担持母材が多孔質の結晶性金属含有シリケー
    トであることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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