JP3332441B2 - 排気ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の製造方法

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JP3332441B2 JP01527793A JP1527793A JP3332441B2 JP 3332441 B2 JP3332441 B2 JP 3332441B2 JP 01527793 A JP01527793 A JP 01527793A JP 1527793 A JP1527793 A JP 1527793A JP 3332441 B2 JP3332441 B2 JP 3332441B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス浄化用触媒の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの排気ガス浄化用触媒として、
CO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の酸化と、N
Ox(窒素酸化物)の還元とを同時に行う三元触媒が知
られている。この三元触媒は、例えばγ−アルミナにP
t(白金)やPd(パラジウム)等を担持させてなるも
ので、エンジンの空燃比(A/F)が理論空燃比である
14.7付近である場合に高い浄化効率が得られる。
【0003】排気ガスの中でもNOxは、人体及び生態
系に悪影響を及ぼす懸念が大きいため大気中へ排出され
ることは極力防止されなければならない。その排出防止
対策にはいくつかの方法があるが、移動式エンジンの場
合エンジン排気系に設置した触媒によって浄化すること
が現実的である。
【0004】一方、自動車の分野ではエンジンに関して
の燃料規制に対応するため、希薄燃焼エンジン、いわゆ
るリーンバーンエンジンが実用化されている。しかし、
上記希薄燃焼エンジンの場合には空燃比が高いことによ
り排気ガスは酸素過剰雰囲気となっているため、上記し
たような三元触媒ではCO及びHCは酸化浄化すること
ができても、NOxの還元浄化性能は低くなっている。
【0005】そこで、排気ガスの酸素過剰雰囲気下にお
いても、NOxを直接、或いは還元剤(例えば、CO,
HC等)の存在によってN2 とO2 とに接触分解させる
ことができる触媒として、遷移金属であるCuを例えば
イオン交換によって担持させたゼオライトよりなる触媒
が有望視されている。
【0006】同時に、上記Cuイオン交換ゼオライト触
媒のようなNOx浄化用の触媒については、排気ガスの
多様な状態に対応した優れたNOx浄化特性を有する触
媒とするために、ゼオライト並びに当該ゼオライトに担
持される活性種について種々の対策が検討されている。
【0007】そして、NOx浄化用の触媒として有効な
種々の活性種をゼオライトに担持させるには、特開平3
−202157号公報に記載されているように、イオン
交換法や含浸法が採用されており、活性種としての金属
は酢酸塩や硝酸塩等の水溶性の塩として用いられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、概し
て、活性種をゼオライトのような金属含有シリケートに
均一に分散担持させることは難しい。特に、上記ゼオラ
イトに担持される活性種に複数の金属が用いられ、しか
も当該金属の塩が水溶性以外のものを含むときには、上
記各金属の塩が含有される溶液は、水と共に上記水溶性
でない塩を溶かす(溶解及び分散を含む。以下同じ)た
めの、例えば有機溶媒を使用しなければならない。
【0009】本発明者は、先に、金属含有シリケートに
Pt−Ir系及びPt−Ir−Rh系等の貴金属活性種
が担持されてなり、低温域において高活性が得られるよ
うなNOx浄化性能の優れた触媒を開発した。その際、
上記Pt及びIrを金属含有シリケートに担持させるの
に、当該Ptの塩としての二価白金アンミン結晶を溶解
させた水と、Irの塩としての塩化イリジウムを分散さ
せたエタノールとからなる活性種溶液を調製し、当該活
性種溶液と上記金属含有シリケートとを混合した後蒸発
乾固することによって、母材としての金属含有シリケー
ト上に上記PtとIrとを担持させるようにした。
【0010】ところが、水の沸点が100℃であるのに
対しエタノールの沸点は80℃未満であるため、上記蒸
発乾固に際して沸点の低いエタノールが先に蒸発するの
でIrが先ず金属含有シリケート上に析出し、このIr
の析出の後にPtの析出が始まるという現象が避けられ
ない。その結果、IrとPtとが相互に偏在したり、或
いはPtとIrとが層状の担持状態となり、PtとIr
とが均一に分散した担持状態が得られないので、NOx
の浄化にPtとIrとの相乗効果を利用し難くなり、そ
のために所期の触媒性能を得ることが困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその作用】ここにおい
て、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究に
努めた結果、水溶性でないIrの塩(塩化イリジウム
等)を分散させた溶媒とIr以外の貴金属の塩(例えば
二価白金アンミン結晶等)を溶解させた水とからなるよ
うな活性種溶液を調製するときに、上記Irの塩の溶媒
として水の沸点に近似した沸点を持つ有機溶媒を使用す
ることにすれば、上記活性種溶液と金属含有シリケート
との混合物の蒸発乾固に際して、上記活性種溶液におけ
る有機溶媒と水とはほぼ同じ温度で蒸発するのでIrと
例えばPtとはほぼ同時に析出されるようになるであろ
うと想到した。
【0012】そして、上記例えばIrとPtとを上記金
属含有シリケート上にほぼ同時に析出させることにより
当該IrとPtとは、上記金属含有シリケート上にて層
状になったり、或いは互いに偏在するようなことはなく
なり、上記金属含有シリケート上におけるPtとIrと
の担持状態は均一で分散性の高いものとなし得るとの知
見を得た。
【0013】さらに、上記有機溶媒中のIrの塩の分散
を高めるようにすれば、上記金属含有シリケートに担持
されるときのIrの分散性は向上し、これにより、当該
金属含有シリケート上におけるIrとIr以外のPt等
の貴金属との一層均一で且つ分散性に富む担持状態が得
られるようになるとの知見を得た。
【0014】本発明は、上記知見に基づいて完成された
ものであって、金属含有シリケート上におけるIrを必
須とする貴金属活性種の担持が高い分散性のもとに行わ
れることを可能とするものである。
【0015】具体的に請求項1の発明の講じた解決手段
は、金属含有シリケートにIrを包含する貴金属活性種
が担持されてなる排気ガス浄化用触媒の製造方法を対象
とし、上記金属含有シリケートと、Irの塩と、Ir以
外の貴金属の塩と、沸点80〜120℃のIrの塩用の
有機溶媒と、上記Ir以外の貴金属の塩用の水溶媒との
混合物を得る工程と、上記混合物を蒸発乾固させて上記
金属含有シリケートに上記IrとIr以外の貴金属とを
担持させる工程とを有してなる構成とするものである。
【0016】また、請求項2の発明は、上記混合物を得
る工程における操作段階の選択を可能とするものであっ
て、具体的には、請求項1の構成において、上記混合物
を得る工程は、上記Irの塩用の有機溶媒と水溶媒とを
混合し、該混合溶媒にIrの塩とIr以外の貴金属の塩
とを加えて撹拌した後に上記金属含有シリケートを加え
て撹拌するという構成とするものである。
【0017】また、請求項3の発明は、金属含有シリケ
ートに、活性種としてのIrとIr以外の貴金属とが均
一に分散して担持されるに際し、当該活性種の担持状態
を一層均一で且つ分散性に富むものにしようとするもの
であって、具体的には、請求項1又は2の構成に、上記
混合物を得る工程は、アセトンを加えて当該混合物を得
るという構成を付加するものである。
【0018】−金属含有シリケートについて− 本発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法において使
用される金属含有シリケートは、ミクロの細孔を有する
結晶質の多孔体であって、結晶の骨格を形成する金属と
してAlを用いたアルミノシリケート(ゼオライト)が
好適であり、必要に応じて上記Alに代えて或いは上記
Alと共にGa,Ce,Mn,Tb等の金属を骨格形成
材料として用いた金属含有シリケートも使用することが
できる。上記金属含有シリケートとしてはA型,X型,
Y型,ZSM−5,モルデナイト等が好ましく用いられ
る。
【0019】また、上記金属含有シリケートにおけるカ
チオン種はNaとなされたNa型及びプロトンとなされ
たH型等に限定されるものではない。さらに、上記金属
含有シリケートがアルミノシリケートである場合のケイ
バン比は任意であるが、触媒における耐熱性を良好なも
のにするには、ケイバン比の大きな例えば、ケイバン比
144のH型アルミノシリケート及びケイバン比200
のNa型アルミノシリケート等を使用することが有利で
ある。
【0020】−活性種について− 排気ガスが酸素過剰雰囲気となるリーン条件下でNOx
を浄化する触媒として、上記金属含有シリケートに担持
される活性種は貴金属が用いられ、中でも排気ガス中の
NOxを捕捉するIrと、当該Irに捕捉されたNOx
をアタックしてN2 とO2 とに分解することができるよ
うにHCをラジカル化するPtとを含むPt−Ir系及
びPt−Ir−Rh系等の活性種が用いられることは有
効である。
【0021】−Irの塩の溶媒について− 本発明において、Irの塩を溶かすための有機溶媒は、
上記Ir以外の貴金属(Pt等)の塩を溶解させる水の
沸点に近似した沸点を持つものであることを基準にし
て、80〜120℃の範囲内の沸点を持つ有機溶媒が好
ましく用いられる。
【0022】すなわち、アルコール系のものとしては、
沸点約97℃のn−プロパノール,沸点約117℃のn
−ブタノール,沸点82.4℃のイソプロパノール,沸
点約108℃の第1ブタノール,沸点約100℃の第2
ブタノール等が好適である。芳香族系のものとしては、
沸点111℃のトルエン,沸点80.1℃のベンゼン等
が好適である。
【0023】本発明において使用されるIrの塩の溶媒
は、その沸点が上記80〜120℃の範囲外のものであ
るときには上記PtとIrとが母材としての金属含有シ
リケート上にほぼ同時に析出する効果が得られ難い。す
なわち、上記沸点が80℃を下まわる溶媒であればPt
よりもIrが先に析出する傾向が著しくなり、逆に12
0℃を上まわる沸点を持つ溶媒であればIrよりもPt
が先に析出する傾向が著しくなり共にPt−Ir系貴金
属が均一に分散した担持状態が得られない。
【0024】−分散性向上剤について− 本発明における分散性向上剤は、Irの塩の溶媒(結果
的には活性種溶液)におけるIrの塩の分散性を向上さ
せることにより、金属含有シリケート上でのIrの均一
な高分散を得るために用いられるものである。
【0025】このような観点から、上記Irの塩の溶媒
に添加されたときに当該溶媒と相溶性を有すると共に、
それ自体に上記Irの塩、例えば三塩化イリジウムが溶
かされたときに当該三塩化イリジウムを充分に分散さ
せ、拡散状態にするアセトンは本発明における分散性向
上剤として好適なものである。
【0026】また、上記分散性向上剤としては、誘電率
が低いものか或いは非極性であると考えられる溶媒も好
ましく用いられる。
【0027】上記非極性と考えられる溶媒としては、誘
電率が2.238である四塩化炭素(CCl4 )があ
り、当該四塩化炭素の他にも上記四塩化炭素の誘電率に
近い誘電率を持つヘキサン,トルエン等も四塩化炭素と
同様に上記分散性向上剤として用い得る。
【0028】本発明におけるIrの塩としての塩化イリ
ジウム、中でも三塩化イリジウムを溶かすには、極性溶
媒でない方が当該溶媒への分散性が良く拡散し易い。こ
のような現象がみられる理由は、三塩化イリジウムの極
性が低いため、非極性の溶媒を用いることにより当該溶
媒中に上記三塩化イリジウムを充分に分散させることが
可能になるものであると推測される。
【0029】また、上記分散性向上剤として好適なアセ
トン等の有機溶媒は、当該有機溶媒自体がIrの塩を充
分に分散させる特性を有するので、Irの塩の溶媒とし
て使用することもできる。したがって、上記Irの塩が
充分に分散されたアセトンや四塩化炭素等の有機溶媒も
Ir以外のPt等の塩の水溶液と混合されることによ
り、活性種溶液に調製されることが可能である。そし
て、当該活性種溶液は金属含有シリケートと混合され、
しかる後当該混合体が蒸発乾固されるときには、Pt及
びIrが均一に分散して上記金属含有シリケートに担持
されている状態を得ることが可能となるのである。
【0030】−作用− 請求項1又は2の発明の構成により、Irの塩の溶媒と
しての沸点80〜120℃の有機溶媒とIr以外の貴金
属の塩の溶媒としての水とからなる混合溶媒に、上記I
rの塩とIr以外の貴金属の塩と金属含有シリケートと
が混合され、或いはIrの塩が分散された溶媒とIr以
外の貴金属の塩の水溶媒との混合溶媒に対して上記金属
含有シリケートが加えられることによって混合物が得ら
れ、当該混合物を蒸発乾固させるため、蒸発乾固させる
ときに上記有機触媒と水とはほぼ同時に蒸発するので上
記IrとIr以外の貴金属とはほぼ同時に析出し、これ
により、当該IrとIr以外の貴金属は上記金属シリケ
ート上に均一に分散される。
【0031】請求項3の発明の構成により、混合物にお
ける溶媒は、アセトンが添加された80〜120℃沸点
を持つ有機溶媒と水とからなるためIrの塩の分散は充
分に行われるので、金属含有シリケート上における活性
種としてのIrとIr以外の貴金属とは一層均一に分散
される。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0033】本発明における多様な実施例を下記のよう
な各グループごとに行った。
【0034】(1)Irを包含する二元系の貴金属の塩
を、80〜120℃の沸点を持つ有機溶媒と水との混合
溶液に加えて活性種溶液を得るものであって、これらを
第1グループの実施例とした。
【0035】(2)Irを包含する三元系の貴金属を活
性種として有する活性種溶液を使用するものであって、
これらを第2グループの実施例とした。
【0036】(3)活性種溶液と金属含有シリケートと
を混合して混合物となし、当該混合物の蒸発乾固を減圧
雰囲気下で行ったものであって、これらを第3グループ
の実施例とした。
【0037】(4)予めIrの塩を有機溶媒に拡散させ
た溶媒と予めIr以外の貴金属の塩を溶解させた水溶液
とを混合、撹拌して活性種溶液を得るものであって、こ
れらを第4グループの実施例とした。
【0038】(5)80〜120℃の沸点を持つ有機溶
媒に、分散性向上剤としてアセトンが添加されることに
よって、活性種の均一な分散が高められたものであっ
て、これらを第5グループの実施例とした。
【0039】また、Irの塩の溶媒としての有機溶媒
に、非極性の有機溶媒からなる分散性向上剤が添加され
ることにより、活性種が均一且つ高分散状態で担持され
るものを参考例とした。
【0040】次に、上記(1)〜(5)の各グループご
との実施例につき詳説する。
【0041】(1)第1グループの実施例 −各触媒装置の製造− <実施例1>活性種としてのPtとIrとがモル比で
3:1になるように、Ptの塩としての二価白金アンミ
ン結晶を0.32g、Irの塩としての三塩化イリジウ
ムを0.09gそれぞれ秤量した。各秤量体を、Ir以
外の貴金属(Pt)の塩を溶解するための水(イオン交
換水)20mlとIrの塩(三塩化イリジウム)を分散
させるための有機溶媒としてのn−プロパノール(沸点
は97℃)20mlとを混合した溶媒に加えて充分に撹
拌し、上記Irの塩とPtの塩とを溶質として有し、n
−プロパノールと水との混合液を上記溶質に対する溶媒
として有する活性種溶液を調製した。
【0042】当該活性種溶液にケイバン比144のH型
金属含有シリケートを10g加えて混合し、さらに室温
で2時間撹拌した後得られた混合物を約80℃で3時間
程度加熱し液体分を蒸発させた。
【0043】さらに、上記混合物を150℃に保った恒
温器で約6時間乾燥しPt−Ir担持H型金属含有シリ
ケート触媒を得た。
【0044】当該触媒は色むらがなく、上記液体分の蒸
発に際して水とn−プロパノールとは同時に蒸発するこ
とにより、金属含有シリケート上にPtとIrとは同時
に析出し均一に分散していることが目視によっても認め
られた。
【0045】次に、上記Pt−Ir担持H型金属含有シ
リケート触媒に、バインダーとして水和アルミナを重量
比で20%となるように添加し、適量のイオン交換水を
加えてウオッシュコート用スラリーを準備し、このスラ
リーにコージェライト製ハニカム担体(1平方インチ当
り400セル)を浸漬し、余分のスラリーをエアブロー
で吹き飛ばし、乾燥後、500℃×2時間大気中で焼成
することによってウオッシュコート(ウオッシュコート
量はハニカム担体の30重量%)し、Pt−Ir担持H
型金属含有シリケート触媒装置を製造した。この触媒装
置を実施例1の触媒装置とした。
【0046】<実施例2>上記実施例1において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのn−
プロパノールに代えて、イソプロパノール(沸点は8
2.4℃)を用いること以外は上記実施例1と同様にし
てPt−Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製
造した。この触媒装置を実施例2の触媒装置とした。
【0047】<実施例3>上記実施例1において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのn−
プロパノールに代えて、第2ブタノール(沸点は100
℃)を用いること以外は上記実施例1と同様にしてPt
−Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造し
た。この触媒装置を実施例3の触媒装置とした。
【0048】<比較例1>上記実施例1において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのn−
プロパノールに代えて、アセトン(沸点は56.3℃)
を用いること以外は上記実施例1と同様にしてPt−I
r担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造した。こ
の触媒装置を比較例1の触媒装置とした。
【0049】特に、この比較例1における活性種溶液に
色むらは認められず、Irの塩の分散が充分に行われて
いることが確認された。
【0050】<比較例2>Ptの塩としての二価白金ア
ンミン結晶を0.32g、Irの塩としての三塩化イリ
ジウムを0.09gそれぞれ秤量し、イオン交換水20
mlとエタノール(沸点は78.3℃)20mlとを混
合した溶液に加えて充分に撹拌し、上記二価白金アンミ
ンと三塩化イリジウムとを溶質とし、水とエタノールと
の混合溶媒を上記溶質に対する溶媒とする活性種溶液を
調製した。
【0051】当該活性種溶液は黄土色を呈しており、上
記活性種溶液にケイバン比144のH型金属含有シリケ
ートを10g加えて混合しさらに室温で2時間撹拌した
後、得られた混合物を約80℃で3時間程度乾燥し液体
分を蒸発させた。
【0052】この液体分の蒸発途中においてIrの塩
(三塩化イリジウム)の膜が溶液表面に発生したがその
まま乾燥を続けたため、液体分が蒸発した後の上記混合
物上には濃い黄土色の皮膜が形成された。
【0053】次に、上記混合物を150℃に保った恒温
器で約6時間乾燥した後粉砕し、Pt−Ir担持H型金
属含有シリケート触媒を得た。
【0054】以後は、上記実施例1における触媒装置の
製造と同様にしてPt−Ir担持H型金属含有シリケー
ト触媒装置を得た。この触媒装置を比較例2の触媒装置
とした。
【0055】−各触媒装置のNOx浄化活性の評価− この第1グループの実施例における実施例1〜3並びに
比較例1及び2の各触媒装置について、フレッシュ状態
及び大気下で800℃×8時間加熱した後の各最高NO
x浄化率とフレッシュ状態時に対する加熱後の最高NO
x浄化率の劣化率とを測定し上記各触媒装置のNOx浄
化特性及び耐熱性を評価した。
【0056】上記測定は、実施例1〜3及び比較例1,
2の各触媒装置について常圧固定床流通式反応装置によ
り、A/F=22のリーンバーン条件の排気ガスにほぼ
相当するモデルガスを使用して行った。尚、上記モデル
ガスの組成はNOx:2000ppm,HC:5500
ppmC,O2 :8%,H2 :650ppm,CO:
0.2%,CO2 :10%,N2 :バランスとし、また
SV=55000h-1とした。
【0057】上記実施例1〜3及び比較例1,2の各触
媒装置の測定結果を表1にそれぞれ示した。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示される評価結果によれば、Irの
塩の溶媒の沸点と水の沸点とが近似していることによ
り、金属含有シリケートにおけるIrを包含する活性種
の分散性が向上した実施例1〜3の触媒装置は、いずれ
も加熱後のNOx浄化率は実用的な浄化活性が確保され
ている。
【0060】したがって、金属含有シリケート上におい
て活性種が均一に分散された状態で担持されることは、
フレッシュ状態時のNOx浄化活性を向上させることは
勿論のこと、特に加熱後の触媒性能を高めることに貢献
していることが分かる。
【0061】また、Irの塩の溶媒としてアセトンが用
いられた比較例1では、アセトンを溶媒することによっ
てIrの分散が充分に行われ且つ活性種が高分散で担持
されているため、加熱後のNOx浄化率は実用的な浄化
活性が確保されている。
【0062】これらの評価に徴しても、活性種としての
PtとIrとが互いに均一な高分散状態で担持されてい
る触媒装置は優れた耐熱性を有していることが明らかで
ある。
【0063】(2)第2グループの実施例 −各触媒装置の製造− <実施例4>活性種としてのPtとIrとRhとがモル
比で30:10:1になると共に上記PtとIrとRh
との担持合計量が触媒容量1リットル当り6gとなるよ
うに、二価白金アンミン結晶,三塩化イリジウム及び硝
酸ロジウムをそれぞれ秤量した。各秤量体を、二価白金
アンミン結晶及び硝酸ロジウムを溶解させるための水
(イオン交換水)20mlと三塩化イリジウムを分散さ
せるためのイソプロパノール20mlとを混合した溶媒
に加え、室温で充分混合して活性種溶液を調製した。
【0064】当該活性種溶液に所要量のケイバン比14
4のH型金属含有シリケートを加えて混合し、さらに室
温で2時間撹拌した後得られた混合物を約80℃で3時
間程度加熱し液体分を蒸発させた。
【0065】さらに、上記混合物を150℃に保った恒
温器で約6時間乾燥し、Pt−Ir−Rh担持H型金属
含有シリケート触媒を得た。
【0066】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir−Rh担持H型金属含有シリケート触媒を製造し
た。この触媒装置を実施例4の触媒装置とした。
【0067】<実施例5>上記実施例4において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのイソ
プロパノールに代えて、第2ブタノールを用いること以
外は上記実施例4と同様にしてPt−Ir−Rh担持H
型金属含有シリケート触媒を得た。以後は、上記実施例
1と同様にしてPt−Ir−Rh担持H型金属含有シリ
ケート触媒装置を製造した。この触媒装置を実施例5の
触媒装置とした。
【0068】<比較例3>上記実施例4において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのイソ
プロパノールに代えて、エタノールを用いること以外は
上記実施例4と同様にしてPt−Ir−Rh担持H型金
属含有シリケート触媒を得た。以後は、上記実施例1と
同様にしてPt−Ir−Rh担持H型金属含有シリケー
ト触媒装置を製造した。この触媒装置を比較例3の触媒
装置とした。
【0069】−各触媒装置のNOx浄化活性の評価− この第2グループの実施例における実施例4及び5並び
に比較例3の各触媒装置について、フレッシュ状態時及
び大気下で800℃×8時間加熱した後の各最高NOx
浄化率とフレッシュ状態時に対する加熱後の最高NOx
浄化率の劣化率とを測定し、上記各触媒装置のNOx浄
化特性及び耐熱性を評価した。
【0070】上記測定は、上記第1のグループの実施例
における測定方法と同様にして行った。
【0071】上記実施例4及び5並びに比較例3の各触
媒装置の測定結果を表2にそれぞれ示した。
【0072】
【表2】
【0073】表2に示される評価結果によれば、Irの
塩の溶媒と水の沸点とが近似していることにより、金属
含有シリケート上におけるIrを含む活性種の分散性が
向上した実施例4及び5の触媒装置は、いずれも加熱後
に優れたNOx浄化率が確保されていることが分かる。
【0074】したがって、活性種としてのPtとIrと
Rhとが互いに均一な高分散状態で担持されている上記
各実施例の触媒装置は、Rhの添加された効果が顕著に
表れて優れた耐熱性を有していることが明らかである。
【0075】(3)第3グループの実施例 −各触媒装置の製造− <実施例6>活性種としてのPtとIrとがモル比で
3:1になると共に上記PtとIrとの担持合計量が触
媒容量1リットル当り3gとなるように、二価白金アン
ミン結晶及び三塩化イリジウムをそれぞれ秤量した。各
秤量体を、二価白金アンミン結晶を溶解させるための水
(イオン交換水)20mlと三塩化イリジウムを分散さ
せるためのイソプロパノール20mlとを混合した溶媒
に加え、室温で充分混合して活性種溶液を調製した。
【0076】当該活性種溶液に所要量のケイバン比14
4のH型金属含有シリケートを加えて混合し、さらに室
温で2時間撹拌を続け、上記活性種溶液と金属含有シリ
ケートとの混合物スラリーを得た。
【0077】当該混合物スラリーを丸型フラスコに入
れ、オイルバス中にて105℃に加熱すると共に上記丸
型フラスコ内を真空エバポレータに連結して吸引し、減
圧雰囲気下で蒸発乾固を行って、Pt−Ir担持H型金
属含有シリケート触媒を得た。
【0078】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造した。
この触媒装置を実施例6の触媒装置とした。
【0079】<実施例7>上記実施例6において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのイソ
プロパノールに代えて、n−プロパノールを用いること
以外は上記実施例6と同様にしてPt−Ir担持H型金
属含有シリケート触媒を得た。以後は、上記実施例1と
同様にしてPt−Ir担持H型金属含有シリケート触媒
装置を製造した。この触媒装置を実施例7の触媒装置と
した。
【0080】<比較例4>上記実施例6において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としてのイソ
プロパノールに代えて、エタノールを用いること以外は
上記実施例6と同様にしてPt−Ir担持H型金属含有
シリケート触媒を得た。尚、Irの塩の溶媒としてエタ
ノールを用いたこの比較例4では、上記活性種溶液と金
属含有シリケートとの混合物の表面に黄土色の被膜が形
成された(上記実施例6及び7ではこのような現象はみ
られなかった)。
【0081】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造した。
この触媒装置を比較例4の触媒装置とした。
【0082】−各触媒装置のNOx浄化活性の評価− この第3グループの実施例における実施例6及び7並び
に比較例4の各触媒装置について、フレッシュ状態時及
び大気下で800℃×8時間加熱した後の各最高NOx
浄化率とフレッシュ状態時に対する加熱後の最高NOx
浄化率の劣化率とを測定し、上記各触媒装置のNOx浄
化特性及び耐熱性を評価した。
【0083】上記測定は、上記第1のグループの実施例
における測定方法と同様にして行った。
【0084】上記実施例6及び7並びに比較例4の各触
媒装置の測定結果を表3にそれぞれ示した。
【0085】
【表3】
【0086】表3に示される評価結果によれば、Irの
塩の溶媒と水の沸点とが近似していることにより、金属
含有シリケート上におけるIrを含む活性種の分散性が
向上した実施例6及び7の触媒装置は、いずれも加熱後
に優れたNOx浄化率が確保されていることが分かる。
【0087】(4)第4グループの実施例 −各触媒装置の製造− <実施例8>活性種としてのPtとIrとがモル比で
3:1になると共に上記PtとIrとの担持合計量が触
媒容量1リットル当り3gとなるように、二価白金アン
ミン結晶及び三塩化イリジウムをそれぞれ秤量した。秤
量された二価白金アンミン結晶は水(イオン交換水)に
溶解させて水溶液とし、三塩化イリジウムはIrの塩を
分散させるための有機溶媒としての第1ブタノール(沸
点は108℃)に分散させた。
【0088】これらの二価白金アンミンの水溶液及び三
塩化イリジウムを溶かした第1ブタノールをそれぞれス
ターラを用いて充分に攪拌した後、上記両液を混合し充
分に撹拌することによって活性種溶液を調製した。
【0089】当該活性種溶液に所要量のケイバン比20
0のNa型金属含有シリケートを加えて混合し、さらに
室温で2時間撹拌した後得られた混合物を約80℃で3
時間程度加熱し液体分を蒸発させた。
【0090】さらに、上記混合物を150℃に保った恒
温器で約6時間乾燥し、Pt−Ir担持Na型金属含有
シリケート触媒を得た。
【0091】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir担持Na型金属含有シリケート触媒装置を製造し
た。この触媒装置を実施例8の触媒装置とした。
【0092】<比較例5>上記実施例8において、三塩
化イリジウムを分散させるための有機溶媒としての第1
ブタノールに代えて、エタノールを用いること以外は上
記実施例8と同様にしてPt−Ir担持Na型金属含有
シリケート触媒を得た。以後は、上記実施例1と同様に
してPt−Ir担持Na型金属含有シリケート触媒装置
を製造した。この触媒装置を比較例5の触媒装置とし
た。
【0093】−各触媒装置のNOx浄化活性の評価− この第4グループの実施例における実施例8及び比較例
5の各触媒装置について、フレッシュ状態時及び大気下
で800℃×8時間加熱した後の各最高NOx浄化率と
フレッシュ状態時に対する加熱後の最高NOx浄化率の
劣化率とを測定し、上記各触媒装置のNOx浄化特性及
び耐熱性を評価した。
【0094】上記測定は、上記第1のグループの実施例
における測定方法と同様にして行った。
【0095】上記実施例8及び比較例5の各触媒装置の
測定結果を表4にそれぞれ示した。
【0096】
【表4】
【0097】表4に示される評価結果によれば、Irの
塩の溶媒と水の沸点とが近似していることにより、金属
含有シリケート上におけるIrを含む活性種の分散性が
向上した実施例8の触媒装置は、加熱後に優れたNOx
浄化率が確保されていることが分かる。
【0098】(5)第5グループの実施例 −各触媒装置の製造− <実施例9>活性種としてのPtとIrとがモル比で
3:1になると共に上記PtとIrとの担持合計量が触
媒容量1リットル当り3gとなるように、二価白金アン
ミン結晶及び三塩化イリジウムをそれぞれ秤量した。各
秤量体を、二価白金アンミン結晶を溶解させるための水
(イオン交換水)20mlと三塩化イリジウムを分散さ
せるためのイソプロパノール10mlと分散性向上剤と
してのアセトン10mlとを混合した溶媒に加え、しか
る後室温で充分混合して活性種溶液を調製した。当該活
性種溶液に所要量のケイバン比144のH型金属含有シ
リケートを加えて混合し、さらに室温で2時間撹拌した
後得られた混合物を約80℃で3時間程度加熱し液体分
を蒸発させた。
【0099】さらに、上記混合物を150℃に保った恒
温器で約6時間乾燥し、Pt−Ir担持H型金属含有シ
リケート触媒を得た。
【0100】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造した。
この触媒装置を実施例9の触媒装置とした。
【0101】−触媒装置のNOx浄化活性の評価− この第5グループの実施例における実施例9の触媒装置
について、フレッシュ状態時及び大気下で800℃×8
時間加熱した後の各最高NOx浄化率をフレッシュ状態
時に対する加熱後の最高NOx浄化率の劣化率とを測定
し、上記触媒装置のNOx浄化特性及び耐熱性を評価し
た。
【0102】上記測定は、上記第1のグループの実施例
における測定方法と同様にして行った。
【0103】上記実施例9の触媒装置の測定結果を表5
に示した。尚、参考にIrの塩の溶媒としてエタノール
が用いられている上記第1グループの比較例2における
各測定値を併せ示した。
【0104】
【表5】
【0105】表5に示される評価結果によれば、Irの
塩の溶媒と水の沸点とが近似していることと、分散性向
上剤の添加とにより、金属含有シリケート上におけるI
rを含む活性種の分散性が向上した実施例9の触媒装置
は、加熱後に優れたNOx浄化率が確保されていること
が分かる。
【0106】参考例: −各触媒装置の製造− <参考例1>活性種としてのPtとIrとがモル比で
3:1になるように二価白金アンミン結晶と三塩化イリ
ジウムとをそれぞれ秤量し、各秤量体を分散性向上剤と
してのCCl4 (四塩化炭素)20ml中に加え充分に
撹拌した。当該CCl4 溶液に、二価白金アンミン結晶
を溶解させるための水(イオン交換水)と三塩化イリジ
ウムを分散させるためのエタノールとを各々5mlずつ
加え、混合することによって活性種溶液を調製した。
【0107】このような活性種溶液は、初期には上層に
CCl4 層が形成され下層に水とエタノールとの混合層
が形成されて透明であったが、撹拌を充分に行うことに
より上記混合溶液は一様に白濁化した。これにより、上
記CCl4 は分散性向上剤としての機能を発揮し、当該
活性種溶液にはIrの塩としての三塩化イリジウムが充
分に分散されていることが確認された。
【0108】上記活性種溶液にケイバン比144のH型
金属含有シリケートを10g加えて混合した。得られた
混合物を150℃で6時間加熱し、内部にマクロポアが
分布したPt−Ir担持H型金属含有シリケート触媒を
得た。
【0109】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造した。
この触媒装置を参考例1の触媒装置とした。
【0110】<参考例2>上記参考例1において、分散
性向上剤として用いられたCCl4 に代えて、ヘキサン
を用いること以外は上記参考例1と同様にしてPt−I
r担持H型金属含有シリケート触媒を得た。以後は、上
記実施例1と同様にしてPt−Ir担持H型金属含有シ
リケート触媒装置を製造した。この触媒装置を参考例2
の触媒装置とした。
【0111】<参考例3>上記参考例1において、分散
性向上剤として用いられたCCl4 に代えて、ベンゼン
を用いること以外は上記参考例1と同様にしてPt−I
r担持H型金属含有シリケート触媒を得た。以後は、上
記実施例1と同様にしてPt−Ir担持H型金属含有シ
リケート触媒装置を製造した。この触媒装置を参考例3
の触媒装置とした。
【0112】<参考例4>上記参考例1において、分散
性向上剤として用いられたCCl4 に代えて、トルエン
を用いること以外は上記参考例1と同様にしてPt−I
r担持H型金属含有シリケート触媒を得た。以後は、上
記実施例1と同様にしてPt−Ir担持H型金属含有シ
リケート触媒装置を製造した。この触媒装置を参考例4
の触媒装置とした。
【0113】<参考例5>上記参考例1におけると同様
に二価白金アンミン結晶と三塩化イリジウムとをそれぞ
れ秤量し、各秤量体をエタノール25mlと水5mlと
からなる混合溶媒に加え、充分撹拌することによって活
性種溶液を調製した。
【0114】当該活性種溶液にケイバン比144のH型
金属含有シリケートを10g加えて混合した。得られた
混合物を150℃で6時間加熱してPt−Ir担持H型
金属含有シリケート触媒を得た。
【0115】以後は、上記実施例1と同様にしてPt−
Ir担持H型金属含有シリケート触媒装置を製造した。
この触媒装置を参考例5の触媒装置とした。
【0116】−各触媒装置のNOx浄化活性の評価− この参考例における参考例1〜5の各触媒装置につい
て、フレッシュ状態時及び大気下で加熱した後の各最高
NOx浄化率を測定し、上記触媒装置のNOx浄化特性
及び耐熱性を評価した。
【0117】特に、上記加熱後のNOx浄化率について
は、上記各触媒装置の加熱による触媒性能の変化、いわ
ゆる耐熱性の評価を確実にするため、800℃×8時間
の加熱後と800℃×16時間の加熱後との二段階につ
き測定した。
【0118】上記測定は、上記第1のグループの実施例
における測定方法と同様にして行った。
【0119】上記参考例1〜5の各触媒装置の測定結果
を表6にそれぞれ示した。
【0120】
【表6】
【0121】表6に示される評価結果によれば、Irの
塩の溶媒とPtの塩を溶かす水との混合溶媒に上記分散
性向上剤を添加するステップを包含して得られる参考例
1〜4の各触媒装置は、加熱が長時間にわたってもいず
れもNOx浄化率の劣化は僅少であり、優れた耐熱性を
有していることが分かる。これにより、Irを包含する
貴金属を活性種とする触媒において、非極性の有機溶媒
からなる分散性向上剤が含有されてなる活性種溶液が用
いられるときは、得られる触媒における活性種の偏析が
効果的に阻止されていることは明らかである。
【0122】上記第1グループないし第5グループの各
実施例ではIrを包含する貴金属活性種としてPtとI
r,PtとIrとRh等の組合わせについて説明した
が、Ir以外の貴金属は、必要に応じて上記Pt,Rh
に代えて或いはPt,Rhと共にPd等を上記Irに組
合わせて使用することが可能であることはいうまでもな
い。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は2の
発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法によると、活
性種としてのIrの塩の溶媒の沸点とIr以外の貴金属
の塩の溶媒である水の沸点とが近似しているため、上記
IrとIr以外の貴金属とは金属含有シリケート上にほ
ぼ同時に析出し均一で且つ分散性に富む活性種の担持状
態が得られるので、触媒におけるNOx浄化性能及び耐
熱性は向上する。
【0124】また、請求項3の発明によると、活性種と
してのIrの塩の溶媒とIr以外の貴金属の塩の溶媒で
ある水との混合溶媒にアセトンが添加されるため、金属
含有シリケート上での上記活性種の担持は一層高分散状
態で行われるので、触媒におけるNOx浄化性能及び耐
熱性は一層向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 繁田 えい子 (56)参考文献 特開 平6−39292(JP,A) 特開 平4−63140(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 B01D 53/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属含有シリケートにIrを包含する貴
    金属活性種が担持されてなる排気ガス浄化用触媒の製造
    方法であって、 上記金属含有シリケートと、Irの塩と、Ir以外の貴
    金属の塩と、沸点80〜120℃のIrの塩用の有機溶
    媒と、上記Ir以外の貴金属の塩用の水溶媒との混合物
    を得る工程と、 上記混合物を蒸発乾固させて上記金属含有シリケートに
    上記IrとIr以外の貴金属とを担持させる工程とを有
    してなることを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記混合物を得る工程は、上記Irの塩
    用の有機溶媒と水溶媒とを混合し、該混合溶媒にIrの
    塩とIr以外の貴金属の塩とを加えて撹拌した後に上記
    金属含有シリケートを加えて撹拌する請求項1に記載の
    排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記混合物を得る工程は、アセトンを加
    えて当該混合物を得る請求項1又は請求項2に記載の排
    気ガス浄化用触媒の製造方法。
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