JPH07275626A - 空調機用フィルタ自動清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人手によるフィルタの清掃作業を不要にし、
構成が簡単で低コストの空調機用フィルタ自動清掃装置
を得る。 【構成】 空調機の空気取り入れ口に配置される帯状の
フィルタ５と、フィルタ５が掛けられ、回転することに
よりフィルタを移動させる回転ドラム３，４と、フィル
タ５に接触し、回転することによりフィルタ５に付着し
ている塵埃を払い落す塵埃除去手段８とを有する。フィ
ルタ５、回転ドラム３，４、塵埃除去手段８は枠体に組
み込み、空調機の空気取り入れ口に枠体を装着するアタ
ッチメント式としてもよい。回転ドラム３，４と塵埃除
去手段８は共通の駆動源９で駆動してもよい。塵埃除去
手段で除去された塵埃を溜めるケース１５を取付けても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷房機、暖房機、送風
機、空気清浄機等の空調機に用いられるフィルタの自動
清掃装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】空調機の空気取り入れ口には、取り入れ
た空気中に浮遊している塵埃を除去して空調機内部の熱
交換器等が汚れるのを防止し、また、空気吹き出し口か
ら吹き出される空気中に含まれる塵埃を低減するための
フィルタが取付けられている。この空調機用フィルタに
は空調機の使用に伴って塵埃が付着し、空調機の機能が
低下するので、定期的にあるいは必要に応じてフィルタ
を掃除し、付着した塵埃を除去する必要がある。

【０００３】従来一般の空調機では、空調機からフィル
タを取外してフィルタを清掃していた。しかし、その都
度フィルタを取外して清掃することは面倒である。そこ
で、例えば空気取り入れ口が下面側にある空調機におい
て、フィルタの四隅をそれぞれワイヤでつり下げ、これ
らのワイヤを一つ一つのモータで巻き上げあるいは巻戻
すことによってフィルタを上昇降下させるようにし、フ
ィルタを清掃しようとするときは、フィルタを手元まで
降下させて手で清掃するようにしたものが提案されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の空調機によれば、フィルタを清掃しようとすると
きは、モータを駆動してフィルタを手元まで降下させ、
面倒な人手による清掃作業を必要とする。また、多くの
モータを必要とするし、フィルタの姿勢が崩れないよう
に各モータによるワイヤの巻き上げ巻戻しは同期させて
行う必要があるため、同期モータを使用するなど同期手
段を採用する必要があり、構成が複雑でコスト高になる
という難点がある。

【０００５】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、人手によるフィルタの清掃作業
を不要にすると共に、構成が簡単で低コストの空調機用
フィルタ自動清掃装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、空調機の空気取り入れ口に配置されるべき
帯状のフィルタと、フィルタが掛けられ、回転駆動され
ることによりフィルタを移動させる回転ドラムと、フィ
ルタに付着している塵埃を除去する塵埃除去手段とによ
って空調機用フィルタ自動清掃装置を構成した。

【０００７】フィルタ、回転ドラム、塵埃除去手段は枠
体に組み込み、空調機の空気取り入れ口に枠体を装着す
るアタッチメント式としてもよい。塵埃除去手段はブラ
シとしてもよい。その場合、ブラシと回転ドラムの駆動
源は共通の駆動源としてもよい。塵埃除去手段の下方
に、ブラシで払い落された塵埃を溜めるケースを取付け
てもよい。

【０００８】

【作用】帯状のフィルタを通して空調機に空気が取り入
れられ、空気中に浮遊している塵埃はフィルタに付着
し、取り入れられる空気が清浄化される。回転ドラムが
回転駆動されることによりフィルタが移動し、塵埃除去
手段が駆動されることにより、フィルタに付着している
塵埃が除去される。フィルタは回転ドラムの回転駆動に
より移動し、塵埃が除去された部分は空調機の空気取り
入れ口に至って再び取り入れ空気の清浄化に供される。

【０００９】アタッチメント式の場合は、枠体を空調機
の空気取り入れ口に装着することによりフィルタ自動清
掃機を空調機に装着することができる。塵埃除去手段と
してのブラシと回転ドラムを共通の駆動源で回転駆動す
る場合、回転ドラムとブラシとの間に増速又は減速伝動
手段を介在させれば、フィルタの移動速度とブラシの周
速との間に差をつけることができ、フィルタに付着した
塵埃を効果的に払い落すことができる。塵埃除去手段の
下方にケースを取付けておけば、塵埃除去手段で除去さ
れた塵埃をケースに溜めることができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明にかかる空
調機用フィルタの自動清掃装置の実施例について説明す
る。図２、図３において、符号１は、アタッチメント式
に空調機に取付けるための枠体を示す。枠体１は、空調
機の空気取り入れ口に重なる窓孔２を有している。図
１、図２は枠体１の内部構造を示す。

【００１１】図１ないし図３において、枠体１の一側部
上面には駆動源としてのモータ９が取付けられている。
モータ９は交流モータでも直流モータでもよく、また減
速機構付きでもよいし、減速機構のないものでもよい。
枠体１の内部には上記一側部に上下方向に軸１８が回転
自在に支持されている。この軸１８はモータ９の出力軸
そのものであってもよいし、モータ９の出力軸に直結さ
れていてもよい。軸１８にはブラシドラム１９が一体に
取付けられ、ブラシドラム１９にはブラシ８が植えつけ
られている。ブラシ８は図示の例ではブラシドラム１９
の外周に螺旋状に植えつけられているが、ブラシドラム
１９の外周全面に植えつけられていてもよい。

【００１２】上記軸１８にはその上端近くにおいて小径
歯車１１が一体に設けられている。歯車１１には減速用
大径歯車１２が噛み合っている。歯車１２は減速用小径
歯車１３と一体に形成されており、歯車１３には大径歯
車１４が噛み合っている。歯車１４は軸を介して回転ド
ラム３と一体に設けられている。回転ドラム３は上記ブ
ラシドラム１９と並行に上下方向に支持されている。従
って、モータ９が回転駆動されると、ブラシドラム１９
と共にブラシ８が回転駆動され、また、減速歯車列１
１，１２，１３，１４を介して回転ドラム３がブラシ８
の回転速度よりも遅い速度で回転駆動される。

【００１３】前記枠体１の内部にはまた、枠体１の他方
の側部において回転ドラム４が回転自在に支持されてい
る。回転ドラム４は上記回転ドラム３と対をなし、回転
ドラム３とほぼ同径に形成され、回転ドラム３と並行に
支持されている。この一対の回転ドラム３，４には帯状
の無端の空調機用フィルタ５が掛けわたされている。フ
ィルタ５は各回転ドラム３，４の外周に沿って折り返さ
れ、二重に重合している。各回転ドラム３，４に隣接
し、かつ各回転ドラム３，４と並行に押さえドラム６，
７が配置されている。各押さえドラム６，７は回転自在
に支持されると共に、重合したフィルタ５を背面側から
前面側に向かって押さえることにより、フィルタ５の重
合間隔を狭くしている。回転ドラム３の外周に沿ったフ
ィルタ５の部分円筒形の折り返し部にはブラシ８が接触
している。ブラシドラム１９とブラシ８は、フィルタ５
に付着した塵埃を払い落す塵埃除去手段を構成してお
り、ブラシドラム１９の回転駆動によりブラシ８の先端
部がフィルタ５に接触する。

【００１４】以上説明したモータ９を除く他の部材は枠
体１内に配置され、フィルタ５の重合部分は枠体１の窓
孔２から露出している。枠体１は窓孔２形成部分が薄肉
で両側の回転ドラム３，４やブラシ８等が収納された部
分が厚肉に形成されることにより、窓孔２に対応する部
分に凹陥部１ａが形成されている。枠体１は上記凹陥部
１ａを空調機２０の空気取り入れ口２１側に嵌めること
により、アタッチメント式に空調機２０に取付けること
ができ、このときフィルタ５の重合部が上記空気取り入
れ口２１に重なって配置されるようになっている。

【００１５】上記枠体１の一側部下面側には、ケース１
５が取付けられている。ケース１５は、ブラシ８で払い
落された塵埃を溜めるためのもので、ブラシ８の下方に
取付けられている。ケース１５は、溜った塵埃の量を目
視できるように透明な材料で作るのが望ましく、また、
溜った塵埃を適宜捨てることができるように枠体１に対
して着脱自在とするのが望ましい。

【００１６】次に上記実施例の使用態様及び動作を説明
する。枠体１は上記のように、また、図４にも示すよう
に、空調機２０の空気取り入れ口２１側に取付ける。空
調機２０が運転されることによりフィルタ５と空気取り
入れ口２１を通して空調機２０内に空気が取り入れら
れ、空気中に浮遊する塵埃はフィルタ５に付着し空気が
浄化される。浄化された空気は空調機２０内の熱交換器
２２によって冷却又は加熱され、空気吹き出し口２３か
ら吹き出される。

【００１７】一方、前記モータ９は常時又は必要に応じ
て駆動される。モータ９の駆動によってブラシドラム１
９と共にブラシ８が回転駆動される。ブラシ８はその先
端部がフィルタ５の回転ドラム３による折り返し部に接
触する。モータ９の回転力は減速歯車列１１，１２，１
３，１４を介して回転ドラム３に伝達され、回転ドラム
３を上記ブラシ８の回転速度よりも遅い速度、例えば、
ブラシ８の回転速度の数分の１から数十分の１程度の速
度で回転駆動される。回転ドラム３の回転駆動により無
端のフィルタ５が移動し、フィルタ５の移動に従動して
他方の回転ドラム４、押さえドラム６，７も回転する。

【００１８】このようにしてフィルタ５が移動すること
により、フィルタ５の空気浄化に供した部分がブラシ８
の位置に達し、ブラシ８の先端部がフィルタ５に接触す
る。フィルタ５は上記減速歯車列を介して駆動されるた
めその移動速度は遅く、これに対してブラシ８は比較的
高速で回転駆動されるため、フィルタ５に付着している
塵埃が効果的に払い落され、ケース１５に溜められる。
ケース１５に溜められた塵埃がある程度の量に達した場
合は、ケース１５を枠体１から取外して塵埃を捨て、ケ
ース１５を再び枠体１に取付ければよい。付着した塵埃
が払い落されて浄化されたフィルタ５は回転ドラム３の
回転に伴って移動し、再び空気の浄化に供される。

【００１９】以上説明した実施例によれば、フィルタ５
がブラシ８によって自動的に清掃されるため、人手によ
る面倒な清掃作業が不要になるという効果を奏する。ま
た、フィルタ５を常に清浄化した状態で使用するため、
フィルタ５の目詰まりがなくなり、空調効果が悪化した
り空調機に余分な負荷が掛るというような問題を解消す
ることができる。さらに、一つのモータ９をブラシ８の
駆動源と回転ドラム３，４の駆動源として共通に用いて
いることができるため、多くのモータを用いたり同期を
とったりする必要がなく、構成が簡単で低コストの空調
機用フィルタ自動清掃装置を得ることができる。

【００２０】なお、本発明にかかる空調機用フィルタ自
動清掃装置は、図示の実施例のようにアタッチメント形
式で空調機に取付けるものに限られるものではなく、空
調機内に組み込んでも差し支えない。空調機によって
は、空気取り入れ口が下面側に設けられているものがあ
り、このような空調機に対しては、本発明にかかる空調
機用フィルタ自動清掃装置を空調機の下面側の空気取り
入れ口に重ねて取付けることになる。この場合、フィル
タから除去された塵埃を溜めるためのケースは細長い形
になり、これをブラシと並行にかつブラシの下方に配置
することになる。モータ９は空調機の運転中常時駆動し
てもよいし、空調機の運転時間が所定の運転時間に達す
るたびに一定時間だけ駆動するようにしてもよく、ま
た、フィルタに付着した塵埃の量を適宜のセンサ、例え
ば空気を吸引するモータにかかる負荷の変動を検出する
センサ、フィルタの色の変化を検出するセンサなどで検
出してモータ９を駆動するようにしてもよい。

【００２１】図示の実施例では、駆動源としてのモータ
９はブラシドラム１９の軸上に設けられていたが、回転
ドラム３の軸上に設けて回転ドラム３を直接駆動するよ
うにし、適宜の動力伝達手段を介してブラシドラム１９
に回転力を伝達するようにしてもよい。また、ブラシド
ラム１９の駆動源と回転ドラム３の駆動源とを独立に設
けても差し支えない。ブラシ８の先端部はフィルタ５に
接触するだけでなく、枠体１の内壁の一部その他適宜の
部材にも接触するようにし、ブラシ８自体に付着した塵
埃を振り落すようにしてもよい。さらに、ファンなどを
用いてブラシ８からケース１５に向かって空気を吸引す
るようにし、フィルタ５から払い落した塵埃をケース１
５に効果的に溜めるようにしてもよい。

【００２２】塵埃除去手段としては、図示の実施例のブ
ラシに変えて空気吸引式の塵埃除去手段を用いてもよ
い。また、図示の実施例のようにフィルタを無端にする
と、フィルタの内側面にも塵埃が付着するため、この内
側面の塵埃を除去するための例えば空気吸引式塵埃除去
手段を付加することが望ましい。もっとも、本発明はフ
ィルタを無端にすることに限定されるわけではなく、一
方の回転ドラムと他方の回転ドラムとの間でフィルタを
交互に供給しかつ巻取るようにして、フィルタを一重の
状態で使用するようにしてもよい。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、フィルタ
が塵埃除去手段によって自動的に清掃されるため、人手
による面倒な清掃作業が不要になるという効果を奏す
る。また、フィルタを常に清浄化した状態で使用するた
め、フィルタの目詰まりがなくなり、空調効果が悪化し
たり空調機に余分な負荷が掛るというような問題を解消
することができる。

【００２４】請求項２記載の発明によれば、空調機用フ
ィルタ自動清掃装置をアタッチメント式にしたため、必
要に応じて既存の空調機に任意に取付けることができ
る。

【００２５】請求項４記載の発明によれば、一つの駆動
源を塵埃除去手段としてのブラシの駆動源とフィルタを
駆動するための回転ドラムの駆動源として共通に用いる
ため、多くのモータを用いたり同期をとったりする必要
がなく、構成が簡単で低コストの空調機用フィルタ自動
清掃装置を得ることができる。

【００２６】請求項５記載の発明によれば、フィルタか
ら除去された塵埃をケースに溜めることができるため、
フィルタから除去された塵埃が空気中に浮遊してしまう
ことはないし、ケースに溜った塵埃は捨てればよく、塵
埃の処理は極めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる空調機用フィルタ自動清掃装置
の実施例を示す斜視図である。

【図２】同上実施例にかかる装置を空調機に取付けた状
態の概要を示す平面図である。

【図３】上記実施例の外観を示す斜視図である。

【図４】上記実施例にかかる装置を空調機に取付けた状
態の概要を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ３ 回転ドラム ４ 回転ドラム ５ フィルタ ８ 塵埃除去手段としてのブラシ ９ 駆動源としてのモータ １５ ケース ２０ 空調機 ２１ 空気取り入れ口

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空調機の空気取り入れ口に配置されるべ
   き帯状のフィルタと、 フィルタが掛けられ、回転駆動されることによりフィル
   タを移動させる回転ドラムと、 フィルタに付着している塵埃を除去する塵埃除去手段と
   を有してなる空調機用フィルタ自動清掃装置。
2. 【請求項２】 フィルタ、回転ドラム、塵埃除去手段は
   枠体に組み込まれ、空調機の空気取り入れ口に枠体を装
   着するアタッチメント式である請求項１記載の空調機用
   フィルタ自動清掃装置。
3. 【請求項３】 塵埃除去手段はブラシである請求項１記
   載の空調機用フィルタ自動清掃装置。
4. 【請求項４】 ブラシと回転ドラムの駆動源は共通の駆
   動源である請求項３記載の空調機用フィルタ自動清掃装
   置。
5. 【請求項５】 塵埃除去手段の下方には、塵埃除去手段
   で除去された塵埃を溜めるケースが取付けられている請
   求項１記載の空調機用フィルタ自動清掃装置。