JPH072751B2 - 新規なセフアロスポリン類およびその塩 - Google Patents

新規なセフアロスポリン類およびその塩

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JPH072751B2
JPH072751B2 JP60220144A JP22014485A JPH072751B2 JP H072751 B2 JPH072751 B2 JP H072751B2 JP 60220144 A JP60220144 A JP 60220144A JP 22014485 A JP22014485 A JP 22014485A JP H072751 B2 JPH072751 B2 JP H072751B2
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寿美子 岸本
泰雄 渡辺
賢 田井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セファロスポリン類、さらに詳細には、次の
一般式 「式中、R1は、保護されていてもよいカルボキシル保護
基またはカルボキシラト基を;R2は、ヒドロキシル基、
アシルオキシ基または4級化さていてもよいピリジル基
で置換された1,3−チアゾール−4−イル基を;R3は保
護されていてもよいアミノ基を;Xは、水素原子または−
NHR4(式中、R4は水素原子またはセファロスポリン分野
のα−アミノ置換基を示す。)で表わされる基を;およ
びnは、0または1を、それぞれ示す。
で表わされる新規なセファロスポリン類およびその塩に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来、セファロスポリン類の7位にα−置換又は非置換
チアゾールアセチルアミノ基を有する化合物はいくつか
知られており、さらに広範囲な抗菌スペクトルを有する
優れた化合物を開発すべく研究が行われているが、3位
に置換基を有する1,3−チアゾール−4−イル基を有す
る該化合物については知られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、広範囲な抗菌スペクトル、すなわち、
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して優れた抗菌活
性を示し、特に従来のペニシリンおよびセファロスポリ
ンによる耐性菌にも優れた抗菌活性を発揮するとともに
低毒性で、人および動物に対する医薬として有用な新規
化合物を提供することにある。さらには、その中間体と
して有用な化合物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、セフェム環の3位に置換基を有する1,3−チアゾー
ル−4−イル基を、また7α位に式 (式中、R3およびXは前記の意味を有する。)で表わさ
れる基を有するところに構造上の特徴がある一般式
〔I〕で表わされる化合物およびその塩が本発明の目的
に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において特にことわらない限り、低級ア
ルキルとは、直鎖または分枝鎖状C14アルキル、たと
えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチ
ル;低級アルコキシとは、−O−低級アルキル;低級ア
ルコキシカルボニルとは、−OCO−低級アルキル;アリ
ールとは、たとえば、フエニル、トリル、ナフチル、イ
ンダニルなど;アシルとは、C112アシル、たとえば、
ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロ
イル、ベンゾイル、ナフトイル、シクロペンタンカルボ
ニル、シクロヘキサンカルボニル、フロイル、テノイル
など;アシルオキシとは、−O−アシル;およびハロゲ
ン原子とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子など
をそれぞれ意味する。
そして、種々の用語中に、たとえば、低級アルキル、ア
リール、アシル、アシルオキシなどの用語を有する場合
も、特にことわらない限り上述した意味を示す。
以下、一般式〔I〕で表わされる化合物を詳細に説明す
る。
R1における保護されていてもよいカルボキシル基の保護
基およびR3における保護されていてもよいアミノ基の保
護基としては、当該分野で知られている保護基が挙げら
れ、具体的には、プロテクティブ・グループス・イン・
オーガニック・シンセシス〔Protective Groups in Org
anic Synthesis〕(セオドラ・ダブリュー・グリーン
〔Theodora W. Green〕;ジョン・ウィリー・アンド・
サンズ,インコーポレイティッド〔John Wiley & Son
s,Inc.〕)および特開昭50−13787号などに記載された
各保護基が挙げられる。
また、これら保護基のうち、好ましいカルボキシル保護
基としては、tert.−ブチル、フェニル、4−ニトロフ
ェニル、インダニル、ベンジル、ジフェニルメチル、ト
リチル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、
ベンゾイルメチル、アセチルメチル、4−ニトロベンゾ
イルメチル、2,2,2−トリクロロエチル、アセトキシメ
チル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメ
チル、1−アセチルエチル、1−ピバロイルオキシエチ
ル、メトキシメチル、メトキシカルボニルオキシメチ
ル、tert.−ブトキシカルボニルオキシメチル、フタリ
ジル、2−フタリジリデンエチル、2−(5−フルオロ
フタリジリデン)エチル、(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、メチルチオメ
チル、フエニルチオメチル、ジメチルアミノメチルなど
の基が挙げられ、好ましいアミノ基の保護基としては、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブ
ロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、
4−ニトロベンジルオキシカルボニル、(モノ−,ジ
−,トリ−)クロロアセチル、トリフルオロアセチル、
フエニルアセチル、ホルミル、tert.−アミルオキシカ
ルボニル、メトキシカルボニル、2−シアノエトキシカ
ルボニル、tert.−ブトキシカルボニル、アセチルメチ
ルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカル
ボニル、フエノキシカルボニル、3,4−ジメトキシベン
ジルオキシカルボニル、ジフエニルメトキシカルボニ
ル、ベンゾイルなどの脱離しやすいアシル基;トリチ
ル、ジフエニルメチル、ベンジル、3,5−ジ−tert.−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル、4−ニトロベンジル、
4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、ベ
ンジルオキシメチル、2−ニトロフエニルチオ、2,4−
ジニトロフエニルチオ、ピバロイルオキシメチル、ベン
ジリデンなどの脱離しやすい基;ジ−もしくはトリ−ア
ルキルシリル基などが挙げられる。
R2は、置換基を有する1,3−チアゾール−4−イル基を
示すが、その置換基としては、アシルオキシ基、ヒドロ
キシル基または4級化されていてもよいピリジル基が挙
げられる。上記置換基は、さらに置換されていてもよ
く、これらの置換基としては、アリール基で置換されて
いてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子または異項原
子が窒素原子である複素環式基などが挙げられる。ここ
で異項原子が窒素原子である複素環式基としては、たと
えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾ
リル、テトラゾリル、ピリジル、キノリルなどが挙げら
れ、これらの複素環式基は低級アルキル基などで置換も
しくは4級化されていてもよい。
Xは水素原子または式−NHR4(式中、R4は水素原子また
はセファロスポリン分野のα−アミノ置換基を示す。)
で表わされる基を示すが、R4のセファロスポリン分野の
α−アミノ置換基としては、たとえば、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイルなどのC1
5アルカノイル基;3,4−ジヒドロベンゾイルなどの置換
されていてもよいアロイル基;(4−ヒドロキシ−1,5
−ナフチリジン−3−イル)カルボニル、(4−ヒドロ
キシ−6−メチル−ピリジン−3−イル)カルボニル、
(6,7−ジヒドロキシクロモン−3−イル)カルボニ
ル、(7,8−ジヒドロキシクロモン−3−イル)カルボ
ニルなどの置換されていてもよい複素環カルボニル基;
カルバモイル、(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イ
ル)カルボニル、(2−オキソ−3−メチルスルホニル
−イミダゾリジン−1−イル)カルボニル、(2−オキ
ソ−3−フルフリリデンアミノイミダゾリジン−1−イ
ル)カルボニル、(4−低級アルキル−2,3−ジオキソ
−ピペラジン−1−イル)カルボニルなどの置換されて
いてもよいカルバモイル基などが挙げられる。上記した
基のうち、ヒドロキシル基で置換されている基のヒドロ
キシル基は保護されていてもよく、その保護基として
は、当該分野で知られている保護基が挙げられ、具体的
には、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニッ
ク・シンセシス〔Protective Groups in Organic Synth
esis〕(セオドラ・ダブリュー・グリーン〔Theodora
W. Green〕;ジョン・ウィリー・アンド・サンズ,イン
コーポレイテッド〔John Wiley & Sons,Inc.〕)およ
び特開昭50−13787号などに記載された各保護基が挙げ
られる。
また、これらの保護基のうち、好ましいヒドロキシル保
護基としては、具体的には、ベンジルオキシカルボニ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−メトキ
シベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジ
ルオキシカルボニル、tert.−ブトキシカルボニル、ジ
フエニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニル、トリフルオロアセチル、ジクロロアセ
チル、モノクロロアセチル、アセチル、ベンゾイルなど
の脱離しやすいアシル基;ベンゼンスルホニル基;トシ
ル基;ベンジル基;トリチル基;メトキシメチル基;2−
ニトロフエニルチオ基;2,4−ジニトロフエニルチオ基;
テトラヒドロフラン−2−イル基;テトラヒドロピラン
−2−イル基;トリメチルシリル基;tert.−ブチルジメ
チルシリル基などが挙げられる。
また、一般式〔I〕の化合物の塩としては、塩基性基ま
たは酸性基における塩を挙げることができる。塩基性基
における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫
酸などの鉱酸との塩;ギ酸;トリクロロ酢酸、トリフル
オロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン−4−スルホン酸、
メシチレンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、
ナフタレン−1,5−ジスルホン酸などのスルホン酸類と
の塩を、また酸性基における塩としては、たとえば、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩;トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピ
リジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジ
ン、N−メチルモルホリンなどの含窒素有機塩基との塩
を挙げることができる。さらには、分子内にピリジニ
オ,キノリニオ基などのオニウム基を有する場合、該オ
ニウム基は、通常、前述のR1におけるカルボキシラト基
と分子内塩を形成していてもよく、ハロゲンアニオン、
低級アルキルスルホニルオキシアニオンまたは低級アル
キル基、ハロゲン原子などで置換されていてもよいアレ
ーンスルホニルオキシアニオンなどと4級塩を形成して
いてもよい。
本発明は、一般式〔I〕の化合物またはその塩の水和物
並びに種々の結晶形をも包含するものである。
なお、一般式〔I〕の本発明化合物において、好ましい
ものとしては、R2が置換基を有していてもよい4級化さ
れたピリジル基で置換された1,3−チアゾール−4−イ
ル基で、かつR3がアミノ基であるものが挙げられる。
つぎに、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、たとえば、つぎの製造ルートに従って
製造することができる。
R1aのカルボキシル保護基としては、R1のところで説明
した保護されていてもよいカルボキシル基の保護基が挙
げられる。
一般式〔Ia〕、〔Ib〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VI
I〕、〔VIII〕、〔IX〕、〔X〕、〔XI」および〔XIV〕
の化合物の塩としては、一般式〔1〕の化合物の塩とし
て説明したと同様の塩が挙げられる。
(1)ハロゲン化 一般式〔II〕の化合物を溶媒の存在下ハロゲン化するこ
とにより、一般式〔III〕の化合物を得ることができ
る。ハロゲン化剤としては、通常、ケトンのα位のハロ
ゲン化に用いられるハロゲン化剤が用いられ、具体的に
は、塩素、臭素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロ
モスクシンイミド、N−ブロモアセトアミド、スルフリ
ルクロリド、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化ベンゼン
ジクロリド、2−ピロリドンハイドロトリブロミド、5,
5−ジブロモ−2,2−ジメチル−4,6−ジオキソ−1,3−ジ
オキサン、ピリジンハイドロトリブロミド、テトラメチ
ルアンモニウムトリブロミド、2−カルボキシエチルト
リフエニルホスホニウム・パーブロミドなどが挙げられ
る。
この反応に用いられる溶媒としては、反応に不活性な溶
媒であれば特に限定されることなく使用でき、たとえ
ば、テトラヒドロフラン、エタノール、ジオキサン、1,
2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、4塩化炭素、トルエン、酢酸などが
挙げられる。ハロゲン化剤の使用量は、一般式〔II〕の
化合物に対して通常1〜10倍モルである。このハロゲン
化反応は、通常−20〜80℃、好ましくは10〜60℃で、10
分〜120時間実施すればよい。また、反応の際、反応を
円滑に進行させるために、必要に応じ、適当な酸、塩基
を加えることもできる。
また、本発明で用いられる一般式〔II〕の化合物は、た
とえば、特開昭51−82291号などに記載の方法またはそ
れに準ずる方法で製造することができる。
(2)閉環 一般式〔III〕、〔XII〕または〔XIII〕の化合物に溶媒
の存在下、一般式〔XV〕で表わされる化合物を反応させ
ることにより、それぞれ一般式〔IV〕、〔V〕または
〔VI〕の化合物を得ることができる。
この反応に使用される溶媒としては、反応に不活性な溶
媒であれば特に限定されることなく使用でき、たとえ
ば、水;テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン
などのエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2
−ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、tert.−ブタノ
ール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメ
チルエーテルなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
アセトニトリルなどのニトリル類;ベンゼン、トルエン
などの芳香族炭化水素類;ニトロメタンなどのニトロア
ルカン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトン,メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。上記
した溶媒は二種以上を混合して用いることもできる。こ
の反応は塩基の存在下に行うことができる。ここで用い
ることのできる塩基としては、たとえば、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素アルカリ;炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ、酢酸
ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸アルカリなどの無
機塩基;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−
ジエチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、
N−メチルモルホリン、ルチジン、コリジン、1,5−ジ
アザビシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン、1,4−ジアザビ
シクロ〔2,2,2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセ−7−エンなどの第三級アミン類が挙げら
れる。また、この反応は、プロピレンオキシド、ブチレ
ンオキシドなどのアルキレンオキシドの存在下に行うこ
とができる。
さらに、この反応は、脱水剤の存在下に行うこともでき
る。ここで用いられる脱水剤としては、たとえば、モレ
キュラーシーブ、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、
塩化カルシウムなどが挙げられる。
この閉環反応は、通常0〜80℃で、5分〜30時間実施す
ればよい。一般式〔XV〕で表わされる化合物の使用量
は、一般式〔III〕、〔XII〕または〔XIII〕の化合物に
対してそれぞれ等モル以上、好ましくは1〜2倍モルで
ある。
(3)酸化および還元 一般式〔III〕、〔IV〕または〔VIII〕の化合物をセフ
ァロスポリン分野で通常用いられる酸化反応に付すこと
により、それぞれ一般式〔XII〕、〔V〕または〔IX〕
の化合物を得ることができる。また、一般式〔XII〕、
〔V〕または〔IX〕の化合物をセファロスポリン分野で
通常用いられる還元反応に付すことにより、それぞれ一
般式〔XIII〕、〔VI〕または〔X〕の化合物を得ること
ができる。
これらの反応は、ジャーナル・オブ・ジ・オーガニック
・ケミストリー(J.Org.Chem.)第34巻、第2430頁(197
0年),ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ
(J.Chem.Soc.)第1142頁(1966年)、特開昭52−48683
号などに記載の方法またはそれに準じた方法によって行
うことができる。
(4)脱アシル化 一般式〔VI〕または〔X〕の化合物を脱アシル化反応に
付すことにより、それぞれ一般式〔VII〕または〔XI〕
の化合物を得ることができる。具体的には、一般式〔V
I〕または〔X〕の化合物を五塩化リンなどのハロゲン
化剤と反応させてイミノハライド化し、ついで、アルコ
ールと反応させてイミノエーテルとし、つぎにこれを加
水分解することにより、それぞれ一般式〔VII〕または
〔XI〕の7−アミノ体へ誘導することができる。さら
に、具体的には、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソ
サエティ(J.Chem.Soc.)第83巻、第320頁(1903年)、
カナダ特許第770125号、英国特許第1041985号、特公昭4
5−40899号および特公昭49−40479号などに記載の方法
またはそれに準じた方法によって一般式〔VII〕または
〔XI〕の7−アミノ体を得ることができる。
(5)アシル化 一般式〔VII〕または〔XI〕の化合物もしくはそれらの
塩あるいはそれらの反応性誘導体に溶媒の存在下、一般
式〔XIV〕の化合物またはその塩もしくはそれらの反応
性誘導体を反応させることにより、それぞれ一般式〔I
b〕または〔Ia〕の化合物を得ることができる。一般式
〔XIV〕の化合物の反応性誘導体としては、特開昭59−9
3085号などに記載の酸ハロゲン化物、酸無水物、混合酸
無水物、活性酸アミド、活性エステル、活性チオロエス
テル、酸アジドおよび一般式〔XIV〕の化合物とビルス
マイヤー試薬との反応性誘導体などが挙げられる。
また、一般式〔XI〕または〔VII〕の化合物の反応性誘
導体としては、たとえば、(CH3)3Si−、(CH3)2Si、(C
H3)2〔(CH3)2CH〕Si−、(CH3O)3Si−、CH3(CH3O)2Si
−、(CH3)2(CH3O)Si−などの有機シリル基、または などの有機リン基が反応部位であるH2N−に結合した化
合物などが挙げられる。
このアシル化に用いられる溶媒としては、閉環反応で説
明したと同様の溶媒が用いられる。
また、この反応は塩基の存在下に行うことができる。使
用される塩基としては、閉環反応で説明したと同様の塩
基が挙げられる。
一般式〔XIV〕の化合物を遊離酸または含窒素有機塩基
との塩の状態で使用する場合は、適当な縮合剤を用い
る。このような縮合剤としては、たとえば、N,N−ジシ
クロヘキシルカルボジイミドなどのN,N−ジ置換カルボ
ジイミドが用いられる。このアシル化反応は、通常−50
〜80℃で、5分〜30時間実施すればよい。
そして、一般式〔XIV〕の化合物もしくはその塩または
その反応性誘導体の使用量は、一般式〔VII〕または〔X
I〕の化合物もしくはそれらの塩あるいはそれらの反応
性誘導体に対してそれぞれ0.9倍モル以上、好ましくは
0.9〜1.5倍モルである。
(6)4級化 一般式〔IV〕、〔V〕、〔VI〕または〔Ib〕の化合物も
しくはそれらの塩を、溶媒の存在下、一般式〔XVI〕で
表わされる化合物を用い、4級化反応に付すことによ
り、それぞれ一般式〔VIII〕、〔IX〕、〔X〕または
〔Ia〕の化合物を得ることができる。zで表わされる脱
離基としては、ハロゲン原子、低級アルカンスルホニル
オキシ基または低級アルキル、ハロゲン原子などで置換
されていてもよいアレーンスルホニルオキシ基が挙げら
れる。この4級化反応に用いられる溶媒としては、閉環
反応で説明したと同様の溶媒が挙げられる。
この4級化反応は、通常0〜100℃で、30分〜120時間実
施すればよい。一般式〔XVI〕の化合物の使用量は、一
般式〔IV〕、〔V〕、〔VI〕または〔Ib〕の化合物に対
してそれぞれ等モル以上、好ましくは1〜10倍モルであ
る。
なお、一般式〔Ia〕の化合物を得るために、R3がアミノ
基である一般式〔Ib〕の化合物は、そのアミノ基を保護
しておくのが好ましい。
以上説明した各工程において得られる一般式〔Ia〕、
〔Ib〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VII〕、
〔VIII〕、〔IX〕、〔X〕、〔XI〕、〔XII〕および〔X
III〕の化合物に異性体などが存在する場合、通常の方
法で、分離および精製することができ、さらに、通常の
方法で保護基の導入、脱離さらに塩への変換などを行う
ことができる。
また、酸化および還元反応を行わずにΔ2体からΔ3体へ
異性化を行う場合、Δ2体に有機溶媒の存在下、閉環反
応で説明したと同様の塩基を作用させることにより平衡
反応を利用しΔ3体へ変換することができる。
さらに、一般式〔I〕、〔Ia〕および〔Ib〕のS−オキ
シド体は、スルフィド体を前記した酸化反応に付すこと
により得ることができる。
本発明の一般式〔I〕の化合物またはその塩は、人およ
び動物に経口的または非経口的に供しうる。人および動
物に投与する場合、通常ペニシリンおよびセファロスポ
リン系薬剤に適用されている剤形、たとえば、錠剤、カ
プセル剤、シロップ剤、注射剤、坐剤などの形に調製さ
れ、経口的または非経口的投与方法が適用される。その
投与量は患者の症状に応じて適宜選択されるが、一般に
成人において1mg〜200mg/kg/日(好ましくは約2mg〜100
mg/kg/日)の量を1回〜数回に分けて投与すればよい。
〔発明の効果〕
つぎに本発明における代表的化合物の薬理効果を説明す
る。
1.抗菌力 グラム陽性菌およびグラム陰性菌の代表的細菌に対する
最少発育阻止濃度(MIC:μg/ml)について、日本化学療
法学会標準法〔ケモセラピー(CHEMOTHERAPY)第29巻、
第1号、第76〜79頁(1981年)〕に基づいて実験を行っ
た。ペプトン ブロス(Peptone broth)(栄研化学社
製)で37℃、20時間培養した菌液を薬剤を含むハート
インフュージョンアガー(Heart Infusion agar)培地
(栄研化学社製)に接種し、37℃で20時間培養した後、
菌の発育の有無を観察し、菌の発育が阻止された最少濃
度をもってMIC:μg/ml)とした。ただし、接種菌量は10
4個/プレート(105個/ml)とした。
その結果を表−1に示す。
試験化合物 7−〔2−(DL)−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2−ホルムアミドアセトアミド〕−3−〔2−
(1−メチル−4−ピリジニオ)チアゾール−4−イ
ル〕−3−セフエム−4−カルボキシラート(化合物
A) 〔実施例〕 つぎに、本発明を参考例および実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
参考例および実施例で使用する略語はつぎの意味を有す
る。
Ac;アセチル基、φ;フエニル基、Tr;トリチル基、Boc;
tert−ブトキシカルボニル基、 DPC;4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボ
ニル基、TFA;トリフルオロ酢酸 参考例1 3−アセチル−7−フエニルアセトアミド−2−セフエ
ム−4−カルボン酸ジフエニルメチルエステル14.9gを
テトラヒドロフラン150mlに溶解させ、2−ピロリドン
ハイドロトリブロミド16.9gを加えて40〜45℃で12時間
反応させる。反応液を酢酸エチル300mlおよび水300mlの
混合液の中へ投入した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液でpH2.0に調整する。有機層を分取し、水200mlおよび
飽和食塩水200mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去し、残留物に酢酸
エチル60mlを加え、析出晶を取する。得られた粗結晶
を塩化メチレン300mlに溶解させ、減圧下に溶媒を留去
し、残留物に再び酢酸エチル60mlを加え、析出晶を取
し、酢酸エチル20mlで洗浄すれば、3−ブロモアセチル
−7−フエニルアセトアミド−2−セフエム−4−カル
ボン酸ジフエニルメチルエステル10.5g(収率61.2%)
を得る。また、得られた液を先の液と合わせ、カラ
ムクロマトグラフィー〔和光シリカゲルC−200、溶離
液;トルエン;酢酸エチル=10:1(容量比)〕で精製す
れば、さらに3−ブロモアセチル−7−フエニルアセト
アミド−2−セフエム−4−カルボン酸ジフエニルメチ
ルエステル1.3gを得る。
融点;182.5〜184℃ IR(KBr)cm-1;νc=o 1790,1735,1680,1660 (CH2Cl2)cm-1;νc=o 1780,1740,1680,1655 NMR(CDCl3)δ値; 3.54(2H,s),4.00(2H,s),4.95(1H,d,J=5Hz),5.35
(1H,dd,J=5Hz),J=8Hz),5.55(1H,s),6.70〜6.85
(2H,m),7.25(15H,s),7.57(1H,s) 参考例2 イソチオニコチンアミド2.4gおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド60mlの溶液に、氷冷下、30%の臭化水素酸−酢
酸溶液3.71mlおよび3−ブロモアセチル−7−フエニル
アセトアミド−2−セフエム−4−カルボン酸ジフエニ
ルメチルエステル10.0gを加え、室温で12時間反応させ
る。ついで、反応液を酢酸エチル100mlおよび水350mlの
混合液に投入し、炭酸水素ナトリウム3.0gを加えた後、
室温で15分間攪拌する。析出晶を取し、水30mlずつで
3回および酢酸エチル20mlずつで2回洗浄した後、乾燥
すれば、融点188〜190℃(分解)を示す7−フエニルア
セトアミド−3−〔2−(ピリジン−4−イル)チアゾ
ール−4−イル〕2−セフエム−4−カルボン酸ジフエ
ニルメチルエステル5.3g(収率49.8%)を得る。
さらに、先の液および洗浄液合わせ、酢酸エチル200m
lで抽出し、水100mlおよび飽和食塩水100mlで順次洗浄
する。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下に
溶媒を留去する。得られた残留物をカラムクロマトグラ
フィー〔キーゼルゲル60;メルク社製〕、溶離液;トル
エン;酢酸エチル=5:1(容量比)〕で精製すれば、上
記化合物0.7g(収率6.6%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1770,1725,1665 NMR(CDCl3)δ値; 3.67(2H,s),5.25(1H,d,J=4.5Hz),5.49〜5.71(2H,
m),6.76(1H,s),6.99(1H,s),7.15〜7.28(16H,m),
7.49〜7.73(3H,m),8.50〜8.61(2H,m) 参考例3 3−ブロモアセチル−7−フエニルアセトアミド−2−
セフエム−4−カルボン酸ジフエニルメチルエステル2.
6g、チオカルバミン酸エチル0.56gおよびエタノール30m
lの溶液を還流下、1.5時間反応させる。ついで、減圧下
に溶媒を留去し、得られた残留物に酢酸エチル100mlお
よび水100mlを加え、有機層を分取する。有機層を水50m
lおよび飽和食塩水50mlで順次洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得ら
れた残留物をカラムクロマトグラフィー〔キーゼルゲル
60;メルク社製、溶離液;トルエン:酢酸エチル=5:1
(容量比)〕で精製すれば、融点130〜140℃を示す3−
(2−ヒドロキシチアゾール−4−イル)−7−フエニ
ルアセトアミド−2−セフエム−4−カルボン酸ジフエ
ニルメチルエステル1.5g(収率51.9%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1775,1740,1685 NMR(d6−DMSO)δ値; 3.35(2H,s),5.12(1H,d,J=5Hz),5.38(1H,dd,J=5H
z,J=8Hz),5.68(1H,s),6.23(1H,s),6.77(1H,s),
6,90(1H,s),7.23(15H,s),9.00(1H,d,J=8Hz),11.
40(1H,s) 参考例4 7−フエニルアセトアミド−3−〔2−(ピリジン−4
−イル)チアゾール−4−イル〕−2−セフエム−4−
カルボン酸ジフエニルメチルエステル6.0gを塩化メチレ
ン100mlに溶解させ、m−クロロ過安息香酸(純度80
%)2.2gおよび塩化メチレン30mlの溶液を、−10〜−5
℃で10分間を要して滴下し、同温度で10分間、氷冷下で
30分間攪拌する。ついで、反応液に5%−チオ硫酸ナト
リウム水溶液50mlおよび水50mlを加え、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液でpH7.5に調整する。析出晶を取し、
水10mlずつで3回、塩化メチレン10mlずつで2回、順次
洗浄した後、乾燥すれば、融点190〜193℃(分解)を示
す7−フエニルアセトアミド−3−〔2−(ピリジン−
4−イル)チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4
−カルボン酸ジフエニルメチルエステル−1−オキシド
5.0g(収率81.3%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1785,1720,1650 NMR(d6−DMSO)δ値; 3.42〜3.76(3H,m),4.75(1H,d,J=18Hz),5.01(1H,
d,J=5Hz),5.96(1H,dd,J=5Hz,J=8Hz),6.97(6H,
s),7.32〜7.60(12H,m),8.00(1H,s),8.53〜8.74(3
H,m) 同様にして、つぎの化合物を得る。
3−(2−ヒドロキシチアゾール−4−イル)−7−
フエニルアセトアミド−3−セフエム−4−カルボン酸
ジフエニルメチルエステル−1−オキシド 融点;190〜195℃(分解) IR(KBr)cm-1;νc=o 1780,1760,1735,1685,1660 NMR(d6−DMSO)δ値; 3.61(2H,s),3.77(1H,d,J=20Hz),4.06(1H,d,J=20
Hz),4.90(1H,d,J=5Hz),5.91(1H,dd,J=5Hz,J=8H
z),6.10(1H,s),6.80(1H,s),7.27(15H,s),8.43
(1H,d,J=8Hz),11.60(1H,bs) 参考例5 7−フエニルアセトアミド−3−〔2−(ピリジン−4
−イル)チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4−
カルボン酸ジフエニルメチルエステル−1−オキシド5.
5gを無水N,N−ジメチルホルムアミド55mlに懸濁させ、
−30℃で三塩化リン3.6mlを10分間を要して滴下し、さ
らに、同温度で10分間、−10℃で1時間攪拌する。つい
で、反応液を酢酸エチル60mlおよび水180mlの混合液中
へ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH6〜7を保ちな
がら、投入する。析出晶を取し、水10mlずつで3回、
および酢酸エチル5mlずつで2回洗浄した後、乾燥すれ
ば、融点186〜190℃(分解)を示す7−フエニルアセト
アミド−3−〔2−(ピリジン−4−イル)チアゾール
−4−イル〕−3−セフエム−4−カルボン酸ジフエニ
ルメチルエステル4.6g(収率85.7%)を得る。
IR(KBr)cm-1;1775,1715,1650 NMR(d6−DMSO)δ値; 3.59(2H,s),3.81(1H,d,J=18Hz),4.21(1H,d,J=18
Hz),5.23(1H,d,J=5Hz),5.83(1H,dd,J=5Hz,J=8H
z),6.91(6H,s),7.11〜7.72(12H,m),7.97(1H,s),
8.80(2H,m),9.21(1H,d,J=8Hz) 同様にして、つぎの化合物を得る。
3−(2−ヒドロキシチアゾール−4−イル)−7−
フエニルアセトアミド−3−セフエム−4−カルボン酸
ジフエニルメチルエステル 融点;175〜178℃(分解) IR(KBr)cm-1;νc=o 1780,1730,1680(sh),1660 NMR(d6−DMSO)δ値; 3.38〜3.56(3H,m),3.70(1H,d,J=10Hz),3.15(1H,
d,J=5Hz),5.83(1H,dd,J=5Hz,J=9Hz),6.00(1H,
s),6.86(1H,s),7.31(15H,s),9.16(1H,d,J=9H
z),11.60(1H,s) 参考例6 7−フエニルアセトアミド−3−〔2−(ピリジン−4
−イル)チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4−
カルボン酸ジフエニルメチルエステル4.6g、ピリジン0.
92mlおよび塩化メチレン80mlの混合液に−30℃で五塩化
リン2.08gを添加し、−30〜−25℃で15分間、さらに、
−10℃で1時間攪拌する。ついで、反応液に−30℃でメ
タノール20mlを加え、15分間を要して室温まで昇温し、
同温度で1時間攪拌する。反応液を氷水100ml中へ投入
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.0に調整した
後、有機層を分取する。水層を塩化メチレン50mlで抽出
し、先の有機層と合わせ、水30mlおよび飽和食塩水30ml
で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
る。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムク
ロマトグラフィー〔キーゼルゲル60;メルク社製、溶離
液;クロロホルム:アセトン=10:1(容量比)〕で精製
すれば、融点140〜145℃(分解)を示す7−アミノ−3
−〔2−(ピリジン−4−イル)チアゾール−4−イ
ル〕−3−セフエム−4−カルボン酸ジフエニルメチル
エステル3.2g(収率85.2%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1770,1730 NMR(CDCl3)δ値; 1.97(2H,d,J=8Hz),3.62(1H,d,J=18Hz),4.01(1H,
d,J=18Hz),4.80(1H,d,J=5Hz),5.02(1H,d,J=5H
z),7.02(7H,m)7.27(5H,s),7.56(2H,m),8.64(2
H,m) 同様にして、つぎの化合物を得る。
7−アミノ−3−(2−ヒドロキシチアゾール−4−
イル)−3−セフエム−4−カルボン酸ジフエニルメチ
ルエステル 融点;180〜183℃(分解) IR(KBr)cm-1;νc=o 1770,1720,1680 NMR(d6−DMSO)δ値; 2.80(2H,bs),3.48(1H,d,J=19Hz),3.73(1H,d,J=1
9Hz),4.87(1H,d,J=6Hz),5.00(1H,d,J=6Hz),5.68
(1H,s),6.87(1H,s),7.30(5H,s),7.34(5H,s) 実施例1 (1)7−アミノ−3−〔2−(ピリジン−4−イル)
チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4−カルボン
酸ジフエニルメチルエステル500mgを無水テトラヒドロ
フラン5mlに溶解させ、室温で(DL)−2−(2−tert.
−ブトキシカルボニルアミノチアゾール)−2−ホルム
アミド酢酸340mgおよびN,N′−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド230mgを加え、同温度で一夜反応させる。つい
で、不溶物を去し、液に酢酸エチル20mlおよび水20
mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.0に調
整する。有機層を分取し、水10mlおよび飽和食塩水10ml
で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
る。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラムク
ロマトグラフィー〔和光シリカゲルC−200,溶離液;ト
ルエン:酢酸エチル=1:1(容量比)〕で精製すれば、
融点158〜161℃(分解)を示す7−〔2−(DL)−(2
−tert.−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−
イル)−2−ホルムアミドアセトアミド−3−〔2−
(ピリジン−4−イル)チアゾール−4−イル〕−3−
セフエム−4−カルボン酸ジフエニルメチルエステル52
0mg(収率71.6%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1785,1730,1670,1655 NMR(d6−DMSO)δ値; 1.50(9H,s),3.83(1H,d,J=12Hz),4.06(1H,dd,J=1
2Hz,5.28(1H,d,J=5Hz),5.63〜5.94(2H,m),6.92(6
H,m),7.27(6H,m),7.40〜7.70(2H,m),7.86〜8.23
(3H,m),8.50〜8.79(2H,m),9..37(1H,d,J=8Hz),1
1.57(1H,bs) 同様にして表−2の化合物を得る。
(2)7−〔2−(DL)−(2−tert.−ブトキシカル
ボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ホルムアミ
ドアセトアミド〕−3−〔2−(ピリジン−4−イル)
チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4−カルボン
酸ジフエニルメチルエステル200mgをN,N−ジメチルホル
ムアミド1mlに溶解させ、ヨウ化メチル0.16mlを加え
て、室温で3時間反応させる。減圧下に溶媒を留去し、
得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和光シリ
カゲルC−200、溶離液;クロロホルム:アセトン=5:1
(容量比)〕で精製すれば、融点215〜219℃(分解)を
示す7−〔2−(DL)−(2−tert.−ブトキシカルボ
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ホルムアミド
アセトアミド〕−3−〔2−(1−メチル−4−ピリジ
ニオ)チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4−カ
ルボン酸ジフエニルメチルエステルヨージド160mg(収
率67.5%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1775,1725,1670 NMR(d6−DMSO)δ値; 1.47(9H,s),3.48(1H,d,J=17Hz),3.90(1H,d,J=17
Hz),4.42(3H,s),5.24(1H,m),5.55〜6.10(2H,m),
6.74(1H,s),6.81〜7.38(11H,m),8.07(2H,m),8.33
(1H,s),8.40〜8.79(2H,m),8.98(2H,m),9.36(1H,
m),11.48(1H,bs) 同様にして表−3の化合物を得る。
(3)7−〔2−(DL)−(2−tert.−ブトキシカル
ボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ホルムアミ
ドアセトアミド〕−3−〔2−(1−メチル−4−ピリ
ジニオ)チアゾール−4−イル〕−3−セフエム−4−
カルボン酸ジフエニルメチルエステルヨージド100mgを
アニソール1.1mlに懸濁させ、氷冷下でトリフルオロ酢
酸1.1mlを加えて同温度で30分間反応させる。減圧下に
溶媒を留去し、得られた残留物に塩化メチレン1mlおよ
びトリフルオロ酢酸0.5mlを加え、室温で1.5時間反応さ
せる。ついで、減圧下に溶媒を留去し、酢酸エチル3ml
を加え、固形物を取する。この固形物を水15mlおよび
酢酸エチル5mlに懸濁させ、炭酸水素ナトリウム20mgを
加えて溶解させる。水層を分取し、減圧下に約5mlまで
濃縮した後、カラムクロマトグラフィー〔XAD−2000,ロ
ームアンドハース社製、溶離液;水〜水:アセトン=5:
1(容量比)〕で精製すれば、融点240℃以上を示す7−
〔2−(DL)−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2−ホルムアミドアセトアミド〕−3−〔2−(1−メ
チル−4−ピリジニオ)チアゾール−4−イル〕−3−
セフエム−4−カルボキシラート60mg(収率90.6%)を
得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1760,1685(sh),1670,1605 NMR(d6−DMSO)δ値; 3.24〜4.33(5H,m),5.11(1H,d,J=5Hz),5.27〜5.70
(2H,m),6.42(1H,s),7.01(2H,bs),8.11(1H,s),
8.18〜9.42(7H,m) 同様にして表−4に示す化合物を得る。
(4)7−〔2−(DL)−(2−tert.−ブトキシカル
ボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(3,4−ジ
アセトキシベンズアミド)アセトアミド〕−3−〔2−
(1−メチル−4−ピリジニオ)チアゾール−4−イ
ル〕−3−セフエム−4−カルボン酸ジフエニルメチル
エステルヨージド330mgをアニソール3mlに懸濁させ、氷
冷下トリフルオロ酢酸3mlを加え、同温度で30分攪拌す
る。ついで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を
無水塩化メチレン3mlに溶解させ、氷冷下トリフルオロ
酢酸3mlを加え、室温で2時間反応させる。減圧下に溶
媒を留去し、得られた残留物に酢酸エチル5mlを加えた
後、析出物を取する。これをN−炭酸水素ナトリウム
水溶液3mlに溶解させ、室温で3時間攪拌する。ついで2
N−塩酸でpH6.5に調整し、減圧下に液量を約3mlまで濃
縮した後、カラムクロマトグラフィー〔XAD−2000,ロー
ムアンドハース社製、溶離液;20%アセトン水溶液で精
製すれば、融点250℃以上(分解)を示す7−〔2−(D
L)−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(3,4
−ジヒドロキシベンズアミド)アセトアミド〕−3−
〔2−(1−メチル−4−ピリジニオ)チアゾール−4
−イル〕−3−セフエム−4−カルボキシラート50mg
(収率70.5%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=o 1760,1690(sh),1660(s
h),1640,1620(sh) NMR(d6−DMSO)δ値; 2.85〜4.33(6H,m),4.48(3H,s),5.05(1H,m),5.37
〜5.79(2H,m),6.52(1H,s),6.76(1H,m),7.05〜7.3
6(2H,m),7.95〜8.48(4H,m),8.66〜9.10(3H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 才川 勇 富山県富山市大泉中町7―52 審査官 佐伯 とも子 (56)参考文献 特開 昭49−133391(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 「式中、R1は、保護されていてもよいカルボキシル保護
    基またはカルボキシラト基を;R2は、ヒドロキシル基、
    アシルオキシ基または4級化されていてもよいピリジル
    基で置換された1,3−チアゾール−4−イル基を;R3
    保護されていてもよいアミノ基を;Xは、水素原子または
    −NHR4(式中、R4は、水素原子またはセファロスポリン
    分野のα−アミノ置換基を示す。)で表わされる基を;
    およびnは、0または1を、それぞれ示す。」 で表わされるセファロスポリン類およびその塩。
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