JPH072747A - N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の精製法 - Google Patents
N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の精製法Info
- Publication number
- JPH072747A JPH072747A JP40223790A JP40223790A JPH072747A JP H072747 A JPH072747 A JP H072747A JP 40223790 A JP40223790 A JP 40223790A JP 40223790 A JP40223790 A JP 40223790A JP H072747 A JPH072747 A JP H072747A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amino acid
- acidic amino
- acid salt
- long
- acyl acidic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 水と親水性有機溶媒の混合溶媒を用いて合成
されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の合成液から該ア
ミノ酸塩を高純度で精製すること。 【構成】 上記合成液を膜分離プロセスに通すことによ
って高純度の上記アミノ酸塩を得る。
されるN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の合成液から該ア
ミノ酸塩を高純度で精製すること。 【構成】 上記合成液を膜分離プロセスに通すことによ
って高純度の上記アミノ酸塩を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水と親水性有機溶媒の
混合溶媒を用いて合成されるN-長鎖アシル酸性アミノ酸
塩の合成反応液から該アミノ酸塩を高純度で精製する方
法に関する。
混合溶媒を用いて合成されるN-長鎖アシル酸性アミノ酸
塩の合成反応液から該アミノ酸塩を高純度で精製する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】N-長鎖アシル酸性アミノ酸の各種無機塩
または有機塩は界面活性作用、殺菌作用を有し、生分解
性も良いために、洗浄剤、分散剤、殺菌剤等に使用され
ているが、特に化粧品、トイレタリー分野でよく使われ
ている。
または有機塩は界面活性作用、殺菌作用を有し、生分解
性も良いために、洗浄剤、分散剤、殺菌剤等に使用され
ているが、特に化粧品、トイレタリー分野でよく使われ
ている。
【0003】N-長鎖アシル酸性アミノ酸の一般的に用い
られている既知の合成法は、水と親水性有機溶媒中でア
ルカリの存在下に酸性アミノ酸と長鎖脂肪酸ハライドを
反応させるものである (特公昭46-8685 号公報、特公昭
51-38681号公報および特公昭48-35058号公報参照) 。
られている既知の合成法は、水と親水性有機溶媒中でア
ルカリの存在下に酸性アミノ酸と長鎖脂肪酸ハライドを
反応させるものである (特公昭46-8685 号公報、特公昭
51-38681号公報および特公昭48-35058号公報参照) 。
【0004】上記合成法によって合成される該アミノ酸
塩は以下の二つの精製法によって精製されている: 1) その一つは、上記合成法により合成された反応液に
水を加え希釈し、鉱酸でpHを強酸性にしてN-長鎖アシル
酸性アミノ酸を晶析させるものである。しかし実際にこ
の方法で分離されたN-長鎖アシル酸性アミノ酸は、含水
率が高く、その水に含まれる無機塩等の不純物を除去す
ることが困難である。
塩は以下の二つの精製法によって精製されている: 1) その一つは、上記合成法により合成された反応液に
水を加え希釈し、鉱酸でpHを強酸性にしてN-長鎖アシル
酸性アミノ酸を晶析させるものである。しかし実際にこ
の方法で分離されたN-長鎖アシル酸性アミノ酸は、含水
率が高く、その水に含まれる無機塩等の不純物を除去す
ることが困難である。
【0005】また、晶析したN-長鎖アシル酸性アミノ酸
を常法により水で洗浄し、その不純物を除去しようとし
ても、含水率がさらに高まり、ペースト状になるだけで
不純物は除去できない。
を常法により水で洗浄し、その不純物を除去しようとし
ても、含水率がさらに高まり、ペースト状になるだけで
不純物は除去できない。
【0006】このように晶析して得られたN-長鎖アシル
酸性アミノ酸塩をアルカリで中和し、目的とするN-長鎖
アシル酸性アミノ酸塩を得ても、無機塩等の副生成物が
多く含まれ純度の高いものの製造は困難である。 2) もう一つの精製法は、上記の合成法による反応液を
水と親水性有機溶媒の混合溶媒になるように調整した
後、加温し、親水性有機溶媒の沸点付近において、鉱酸
を加え、pHを酸性に調整することにより、水層と該アミ
ノ酸を含む有機層とに分離し、得られた有機層から溶媒
を除去し、得られたN-長鎖アシル酸性アミノ酸をアルカ
リで中和しするか、または溶媒を除去する前の有機層を
アルカリで中和後溶媒を除去して、目的とするN-アシル
酸性アミノ酸塩を得るものである。
酸性アミノ酸塩をアルカリで中和し、目的とするN-長鎖
アシル酸性アミノ酸塩を得ても、無機塩等の副生成物が
多く含まれ純度の高いものの製造は困難である。 2) もう一つの精製法は、上記の合成法による反応液を
水と親水性有機溶媒の混合溶媒になるように調整した
後、加温し、親水性有機溶媒の沸点付近において、鉱酸
を加え、pHを酸性に調整することにより、水層と該アミ
ノ酸を含む有機層とに分離し、得られた有機層から溶媒
を除去し、得られたN-長鎖アシル酸性アミノ酸をアルカ
リで中和しするか、または溶媒を除去する前の有機層を
アルカリで中和後溶媒を除去して、目的とするN-アシル
酸性アミノ酸塩を得るものである。
【0007】この方法によれば、1)の精製法より高い純
度のN-長鎖アシル酸性アミノ酸塩を得ることができる
が、上記水層/ 有機層分離時に用いた溶媒を完全に除去
することは困難である。その為、中和して得られたN-長
鎖アシル酸性アミノ酸塩水溶液を加熱し、水とその溶媒
を共沸除去する工程を何度も行うか、その水溶液を加熱
乾燥させ完全に揮発成分を除去するかして、溶媒を除去
しなければならない。
度のN-長鎖アシル酸性アミノ酸塩を得ることができる
が、上記水層/ 有機層分離時に用いた溶媒を完全に除去
することは困難である。その為、中和して得られたN-長
鎖アシル酸性アミノ酸塩水溶液を加熱し、水とその溶媒
を共沸除去する工程を何度も行うか、その水溶液を加熱
乾燥させ完全に揮発成分を除去するかして、溶媒を除去
しなければならない。
【0008】しかしながら、上記のような溶媒除去工程
を経ても、臭気の強い親水性溶媒を用いた時には、製品
中にその溶媒が微量残留すれば、化粧品用原料の洗浄
剤、分散剤、乳化剤として使用できないほどの臭気を有
する製品ができてしまう。また化粧品分野以外でもこの
N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩を配合する抗菌剤、洗剤等
の最終製品の香りに強い影響を及ぼす。例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノン等の臭気の強い親水性溶媒は、注意深く除去
しなければならない。
を経ても、臭気の強い親水性溶媒を用いた時には、製品
中にその溶媒が微量残留すれば、化粧品用原料の洗浄
剤、分散剤、乳化剤として使用できないほどの臭気を有
する製品ができてしまう。また化粧品分野以外でもこの
N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩を配合する抗菌剤、洗剤等
の最終製品の香りに強い影響を及ぼす。例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノン等の臭気の強い親水性溶媒は、注意深く除去
しなければならない。
【0009】このように上記の精製方法は、水層/ 有機
層分離工程や、溶媒除去工程で、多量の熱量を消費する
という点と、臭気の強い溶媒を用いた時に、脱臭管理が
困難であるという点において、工業的に問題点が多い。 3) 後者の方法の場合には、親水性有機溶媒として、メ
タノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプ
ロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等の
アルコール性の親水性有機溶媒を用いることもできる。
化粧品、家庭用洗剤の中には、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコールを含む製品も多く、においの面で
はアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン等の臭気の強い非アルコール性の
親水性有機溶媒より、上記アルコール性の親水性溶媒の
方が使用し易く、製品中に微量残留していてもにおいが
弱いため、におい管理が容易である。しかしアルコール
性の親水性有機溶媒を用い、2)の精製法で述べたよう
に、pHを酸性にし、水層/ 有機層分離を行うと、使用し
たアルコール性有機溶媒と分離生成したN-長鎖アシル酸
性アミノ酸が脱水縮合反応を起こし、N-長鎖アシル酸性
アミノ酸アルコールエステルや未反応の長鎖脂肪酸ハラ
イド由来の遊離脂肪酸のアルコールエステルが生成し、
精製困難な不純物が生成することがわかった。これらの
不純物は製品を乾燥し、石油エーテル可溶分を測定する
ことにより検出される。 4) 今までは、アルコール性親水性有機溶媒を用いれ
ば、臭気が低い製品ができることが分かっているにもか
かわらず、3)で述べた問題の為、2)の方法でしかN-長鎖
アシル酸性アミノ酸塩は精製されていない。
層分離工程や、溶媒除去工程で、多量の熱量を消費する
という点と、臭気の強い溶媒を用いた時に、脱臭管理が
困難であるという点において、工業的に問題点が多い。 3) 後者の方法の場合には、親水性有機溶媒として、メ
タノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプ
ロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等の
アルコール性の親水性有機溶媒を用いることもできる。
化粧品、家庭用洗剤の中には、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコールを含む製品も多く、においの面で
はアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン等の臭気の強い非アルコール性の
親水性有機溶媒より、上記アルコール性の親水性溶媒の
方が使用し易く、製品中に微量残留していてもにおいが
弱いため、におい管理が容易である。しかしアルコール
性の親水性有機溶媒を用い、2)の精製法で述べたよう
に、pHを酸性にし、水層/ 有機層分離を行うと、使用し
たアルコール性有機溶媒と分離生成したN-長鎖アシル酸
性アミノ酸が脱水縮合反応を起こし、N-長鎖アシル酸性
アミノ酸アルコールエステルや未反応の長鎖脂肪酸ハラ
イド由来の遊離脂肪酸のアルコールエステルが生成し、
精製困難な不純物が生成することがわかった。これらの
不純物は製品を乾燥し、石油エーテル可溶分を測定する
ことにより検出される。 4) 今までは、アルコール性親水性有機溶媒を用いれ
ば、臭気が低い製品ができることが分かっているにもか
かわらず、3)で述べた問題の為、2)の方法でしかN-長鎖
アシル酸性アミノ酸塩は精製されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、水と親水性有機溶媒の混合溶媒を用いて合成される
N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩の合成反応液からN-長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩を高純度で簡単に分離精製すること
ができ且つ上記の従来技術の欠点を有さない方法を提供
することである。
は、水と親水性有機溶媒の混合溶媒を用いて合成される
N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩の合成反応液からN-長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩を高純度で簡単に分離精製すること
ができ且つ上記の従来技術の欠点を有さない方法を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のN-長
鎖アシル酸性アミノ酸塩の合成反応液から膜分離プロセ
スを用いることにより、簡単な工程で高純度のN-長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩を得ることを見出した。
鎖アシル酸性アミノ酸塩の合成反応液から膜分離プロセ
スを用いることにより、簡単な工程で高純度のN-長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩を得ることを見出した。
【0012】従って本発明の対象は、水と親水性有機溶
媒を任意の割合で混合した溶液中で、酸性アミノ酸と炭
素原子数 8〜22の飽和または不飽和アシル基を持つ長鎖
脂肪酸ハライドとをアルカリの存在下でpH 8〜13.5で縮
合させて得られるN-長鎖アシル酸性アミノ酸塩の反応液
を膜分離プロセスを用いることにより、上記反応の際に
生成する塩、未反応物および反応媒体、更に場合により
低分子副反応物を除去し、高純度のN-長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩を得ることを特徴とする、N-長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩の精製法に関する。
媒を任意の割合で混合した溶液中で、酸性アミノ酸と炭
素原子数 8〜22の飽和または不飽和アシル基を持つ長鎖
脂肪酸ハライドとをアルカリの存在下でpH 8〜13.5で縮
合させて得られるN-長鎖アシル酸性アミノ酸塩の反応液
を膜分離プロセスを用いることにより、上記反応の際に
生成する塩、未反応物および反応媒体、更に場合により
低分子副反応物を除去し、高純度のN-長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩を得ることを特徴とする、N-長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩の精製法に関する。
【0013】本発明で行う膜分離プロセスは、電気透析
や限外濾過法である。すなわち、本発明においては、ポ
リアミド、ポリスルホン、改質ポリスルホン、酢酸セル
ロース等の素材からなる膜モジュール、例えば中空糸
膜、スパイラル膜、ファインチューブ膜やチューブ膜等
のモジュールを用い限外濾過法により、精製を行うか、
またはイオン交換膜電気透析法により精製を行う。
や限外濾過法である。すなわち、本発明においては、ポ
リアミド、ポリスルホン、改質ポリスルホン、酢酸セル
ロース等の素材からなる膜モジュール、例えば中空糸
膜、スパイラル膜、ファインチューブ膜やチューブ膜等
のモジュールを用い限外濾過法により、精製を行うか、
またはイオン交換膜電気透析法により精製を行う。
【0014】限外濾過法を用いる場合には、例えば操作
圧力5〜45kg/cm2、温度0〜60度で操作することが
できる。
圧力5〜45kg/cm2、温度0〜60度で操作することが
できる。
【0015】上記の本発明の方法で精製したN−長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩は、不純物含有量の指標となる石油
エーテル可溶分は、0〜6% (固形分に対して)であ
り、2)で述べたような水槽/有機層分離による精製方
法の6〜15% と比較するとかなり低い値であり、純度
の高いものである。
シル酸性アミノ酸塩は、不純物含有量の指標となる石油
エーテル可溶分は、0〜6% (固形分に対して)であ
り、2)で述べたような水槽/有機層分離による精製方
法の6〜15% と比較するとかなり低い値であり、純度
の高いものである。
【0016】本発明で用いる長鎖脂肪酸ハライドは、炭
素原子数 8〜22の飽和- または不飽和アシル基を持つも
のであり、例えばオレイルクロリド、ラウロイルクロリ
ド、パルミトイルクロリド、ステアロイルクロリド等の
単一組成の脂肪酸クロリド等の他、ヤシ油脂肪酸クロリ
ド、牛脂肪酸クロリド等の混和脂肪酸クロリドも同様に
使用することができる。
素原子数 8〜22の飽和- または不飽和アシル基を持つも
のであり、例えばオレイルクロリド、ラウロイルクロリ
ド、パルミトイルクロリド、ステアロイルクロリド等の
単一組成の脂肪酸クロリド等の他、ヤシ油脂肪酸クロリ
ド、牛脂肪酸クロリド等の混和脂肪酸クロリドも同様に
使用することができる。
【0017】原料であるアミノ酸はα- アミノ酸、β-
アミノ酸、ω- アミノ酸等の各種アミノ酸が用いられ
る。
アミノ酸、ω- アミノ酸等の各種アミノ酸が用いられ
る。
【0018】アルカリとしては例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0019】本発明で使用する親水性有機溶媒には、メ
タノール、エタノール、ノルマルプロパノール、、イソ
プロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等
のアルコール性親水性溶媒並びにアセトン、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の
非アルコール性親水性有機溶媒がある。
タノール、エタノール、ノルマルプロパノール、、イソ
プロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等
のアルコール性親水性溶媒並びにアセトン、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の
非アルコール性親水性有機溶媒がある。
【0020】これらの有機溶媒と水との混合溶媒は任意
の割合であり、13〜87% の有機溶媒と87〜13%
の水との混合比が好ましい。
の割合であり、13〜87% の有機溶媒と87〜13%
の水との混合比が好ましい。
【0021】本発明の方法は、親水性有機溶媒の中で
も、特にメタノール、エタノール、ノルマルプロパノー
ル、イソプロパノール等の前述の3)にあるように、水層
/ 有機層分離を行うと不純物が多く生成するアルコール
性の親水性溶媒を用いた場合に特に有用である。
も、特にメタノール、エタノール、ノルマルプロパノー
ル、イソプロパノール等の前述の3)にあるように、水層
/ 有機層分離を行うと不純物が多く生成するアルコール
性の親水性溶媒を用いた場合に特に有用である。
【0022】本発明の有利な実施形態の一つは、水と親
水性有機溶媒を任意の割合で混合した溶液の中で酸性ア
ミノ酸と長鎖脂肪酸ハライドとをアルカリの存在下でpH
8〜13.5で縮合反応させて得られるN-長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩の反応液をpH 6〜10に調整し、水で希釈した後
10℃から60℃の間で、適切な膜を用い電気透析または限
外濾過等で分離を行う。
水性有機溶媒を任意の割合で混合した溶液の中で酸性ア
ミノ酸と長鎖脂肪酸ハライドとをアルカリの存在下でpH
8〜13.5で縮合反応させて得られるN-長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩の反応液をpH 6〜10に調整し、水で希釈した後
10℃から60℃の間で、適切な膜を用い電気透析または限
外濾過等で分離を行う。
【0023】
【実施例】本発明を実施例および比較例によって更に詳
細に説明する。
細に説明する。
【0024】実施例 1 L-グルタミン酸モノナトリウム塩199g (1.18mo
l)をイソプロパノール120mlと水574mlの混合溶媒
に溶解し、これに135g の47.5% 濃度水酸化ナト
リウム (1.60mol)を加えて得たpH13.5の溶液に
0℃〜35℃以内で冷却しながらラウロイルクロリド2
19g (1.00 mol)と47.5% 濃度水酸化ナトリウム1
25g (1.48 mol)を同時に 1時間かけて滴下する。その
間反応液のpHは、13.0〜13.5に保つ。さらに 2
時間攪拌し、反応熟成後、濃塩酸110g を加え中和
し、pHを7.0〜8.0に調整する。
l)をイソプロパノール120mlと水574mlの混合溶媒
に溶解し、これに135g の47.5% 濃度水酸化ナト
リウム (1.60mol)を加えて得たpH13.5の溶液に
0℃〜35℃以内で冷却しながらラウロイルクロリド2
19g (1.00 mol)と47.5% 濃度水酸化ナトリウム1
25g (1.48 mol)を同時に 1時間かけて滴下する。その
間反応液のpHは、13.0〜13.5に保つ。さらに 2
時間攪拌し、反応熟成後、濃塩酸110g を加え中和
し、pHを7.0〜8.0に調整する。
【0025】この反応液に2200mlの水を加え、主要
分画分子量200〜500のポリアミド系限外濾過膜を
用い操作圧力10〜20kg/ cm2 、温度20〜30℃、
給水流量13〜15リットル/ m2・時間で2時間不純物
除去を行う。
分画分子量200〜500のポリアミド系限外濾過膜を
用い操作圧力10〜20kg/ cm2 、温度20〜30℃、
給水流量13〜15リットル/ m2・時間で2時間不純物
除去を行う。
【0026】給水を止め、全体の溶液量が1484mlに成る
まで濃縮する。この溶液中に含まれるイソプロパノール
は、0.2% だが、においはほとんどしない。
まで濃縮する。この溶液中に含まれるイソプロパノール
は、0.2% だが、においはほとんどしない。
【0027】この溶液を乾燥して得られた355g のN-
ラウロイル-L- グルタミン酸ジナトリウムの白色粉末の
中の無機塩は0.1% 以下であり、石油エーテル可溶分
は 3.7% であった。
ラウロイル-L- グルタミン酸ジナトリウムの白色粉末の
中の無機塩は0.1% 以下であり、石油エーテル可溶分
は 3.7% であった。
【0028】比較例 1 上記の7.0〜8.0にpH調整されている反応終了溶液
にさらに濃塩酸を約130g 加え、pHを 1以下にした
後、温度70℃で1時間静置し、有機層を分離する。そ
の有機層を減圧下に加熱 (80℃、150mm Hg)し、イ
ソプロパノールを除去し、残渣の中より145g を取り
出し、230mlの水を加え、攪拌しながら約50g の3
2% 濃度水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH7〜8に調
整する。この水溶液に含まれているイソプロパノール
は、1.6% であり、強いにおいがする。
にさらに濃塩酸を約130g 加え、pHを 1以下にした
後、温度70℃で1時間静置し、有機層を分離する。そ
の有機層を減圧下に加熱 (80℃、150mm Hg)し、イ
ソプロパノールを除去し、残渣の中より145g を取り
出し、230mlの水を加え、攪拌しながら約50g の3
2% 濃度水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH7〜8に調
整する。この水溶液に含まれているイソプロパノール
は、1.6% であり、強いにおいがする。
【0029】またこの溶液を乾燥して得られた白色粉末
の中の無機塩は、1.6% であり、石油エーテル可溶分
は10.2% であった。
の中の無機塩は、1.6% であり、石油エーテル可溶分
は10.2% であった。
【0030】実施例 2 L-グルタミン酸モノナトリウム199g (1.18mol)
をアセトン 180mlと水574mlの混合溶媒に溶解し、こ
れに135g の47.5% の水酸化ナトリウム(1.6
0ml) を加えて得たpH13.5の溶液に0℃〜35℃以
内で冷却しながらラウロイルクロリド219g (1.00 mo
l)と47.5% 濃度水酸化ナトリウム125g(1.48mol)
を同時に 1時間かけて滴下する。その間反応液のpHは1
3.0〜13.5に保つ。
をアセトン 180mlと水574mlの混合溶媒に溶解し、こ
れに135g の47.5% の水酸化ナトリウム(1.6
0ml) を加えて得たpH13.5の溶液に0℃〜35℃以
内で冷却しながらラウロイルクロリド219g (1.00 mo
l)と47.5% 濃度水酸化ナトリウム125g(1.48mol)
を同時に 1時間かけて滴下する。その間反応液のpHは1
3.0〜13.5に保つ。
【0031】さらに2時間攪拌し、反応熟成後、濃塩酸
110g を加え中和し、pHを7.0〜8.0に調整する。
この反応液に2200mlの水を加え実施例 1と同様に不
純物の除去を行う。給水を止め、全体の溶液量が148
4mlになるまで濃縮する。
110g を加え中和し、pHを7.0〜8.0に調整する。
この反応液に2200mlの水を加え実施例 1と同様に不
純物の除去を行う。給水を止め、全体の溶液量が148
4mlになるまで濃縮する。
【0032】この溶液中に含まれる無機塩は0.1% 以
下であり、アセトンは0.1% だが、かなりアセトン臭
がする。
下であり、アセトンは0.1% だが、かなりアセトン臭
がする。
【0033】比較例 2 上記の7.0〜8.0にpH調整されている反応終了溶液
に、エタノール30ml、濃塩酸約125g を加えてpHを 1
以下にした後、温度70℃で 1時間静置し、有機層を分
離する。その有機層を減圧下加熱 (80℃、150 mmHg)
し、エタノールを除去し、これに1100mlの水を加え
攪拌しながらpHが7〜8になるように32% 濃度水酸化
ナトリウムを加える。
に、エタノール30ml、濃塩酸約125g を加えてpHを 1
以下にした後、温度70℃で 1時間静置し、有機層を分
離する。その有機層を減圧下加熱 (80℃、150 mmHg)
し、エタノールを除去し、これに1100mlの水を加え
攪拌しながらpHが7〜8になるように32% 濃度水酸化
ナトリウムを加える。
【0034】この溶液に含まれているエタノールは1.
4% であり、かなりエタノール臭が残っている。
4% であり、かなりエタノール臭が残っている。
【0035】またこの溶液を乾燥して得られた白色粉末
中の無機塩は1.5% であり、石油エーテル可溶分は
9.8% であった。
中の無機塩は1.5% であり、石油エーテル可溶分は
9.8% であった。
【0036】実施例 3 DL- アスパラギン酸157g(1.18mol)をアセトン180
mlと水530mlの混合溶媒に懸濁し、227g の47.
5% 濃度水酸化ナトリウム(2.70 mol)を加えて得られた
pH13.5の溶液に 0〜35℃以内で冷却しながら塩化
ココイル(=ヤシ油脂肪酸クロリド) 227g(1.00mol)
と47.5% 濃度水酸化ナトリウム125(1.48mol) を
同時に 1時間かけてゆっくりと滴下する。その間、反応
液のpHは13.0〜13.5に保つ。
mlと水530mlの混合溶媒に懸濁し、227g の47.
5% 濃度水酸化ナトリウム(2.70 mol)を加えて得られた
pH13.5の溶液に 0〜35℃以内で冷却しながら塩化
ココイル(=ヤシ油脂肪酸クロリド) 227g(1.00mol)
と47.5% 濃度水酸化ナトリウム125(1.48mol) を
同時に 1時間かけてゆっくりと滴下する。その間、反応
液のpHは13.0〜13.5に保つ。
【0037】さらに2時間攪拌し、反応熟成後、濃塩酸
110g を加え中和し、pHを7.0〜8.0に調整す
る。
110g を加え中和し、pHを7.0〜8.0に調整す
る。
【0038】この反応液に2200mlの水を加え、実施
例 1と同様に、不純物の除去を行う。給水を止め、全体
の溶液量が1484mlになるまで濃縮する。
例 1と同様に、不純物の除去を行う。給水を止め、全体
の溶液量が1484mlになるまで濃縮する。
【0039】この溶液の中に含まれるアセトンは 0.1%
以下であるが、かなりアセトン臭がのこっている。
以下であるが、かなりアセトン臭がのこっている。
【0040】この溶液を乾燥して得られたN-ココイル-D
L-アスパラギン酸ジナトリウムの白色粉末中の無機塩は
0.1% 以下であり、石油エーテル可溶分は 2. 8 % で
あった。
L-アスパラギン酸ジナトリウムの白色粉末中の無機塩は
0.1% 以下であり、石油エーテル可溶分は 2. 8 % で
あった。
【0041】
【発明の効果】本発明の精製法は、簡単であるだけでな
く、従来の晶析による精製法や水層/有機層分離による
精製法の場合に達成できなかった不純物または有機溶媒
の充分な除去を初めて達成し、その結果として高純度の
N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩をもたらした点で、産業へ
の貢献は顕著である。
く、従来の晶析による精製法や水層/有機層分離による
精製法の場合に達成できなかった不純物または有機溶媒
の充分な除去を初めて達成し、その結果として高純度の
N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩をもたらした点で、産業へ
の貢献は顕著である。
Claims (1)
- 【請求項1】 水と親水性有機溶媒を任意の割合で混合
した溶液中で、酸性アミノ酸と炭素原子数 8〜22の飽和
または不飽和アシル基を持つ長鎖脂肪酸ハライドとをア
ルカリの存在下でpH 8〜13.5で縮合させて得られるN-長
鎖アシル酸性アミノ酸塩の反応液を膜分離プロセスを用
いることにより、高純度のN-長鎖アシル酸性アミノ酸塩
を得ることを特徴とする、N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩
の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40223790A JPH072747A (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40223790A JPH072747A (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の精製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH072747A true JPH072747A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=18512064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP40223790A Withdrawn JPH072747A (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH072747A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0827950A1 (en) * | 1996-09-06 | 1998-03-11 | Ajinomoto Co., Inc. | Process for producing N-long-chain acyl acidic amino acids or salts thereof |
US6569829B1 (en) | 1998-12-28 | 2003-05-27 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Process for producing long chain N-acyl acidic amino acid |
WO2015064678A1 (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 味の素株式会社 | N-長鎖アシル酸性アミノ酸および/またはその塩を含む水溶液、並びにその製造方法 |
CN113024401A (zh) * | 2021-02-07 | 2021-06-25 | 广州花语精细化工有限公司 | 一种降低副产物的氨基酸表面活性剂的制备工艺 |
EP4414360A1 (en) | 2023-02-10 | 2024-08-14 | Basf Se | Method for purification of amino acid surfactants |
-
1990
- 1990-12-14 JP JP40223790A patent/JPH072747A/ja not_active Withdrawn
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0827950A1 (en) * | 1996-09-06 | 1998-03-11 | Ajinomoto Co., Inc. | Process for producing N-long-chain acyl acidic amino acids or salts thereof |
US6569829B1 (en) | 1998-12-28 | 2003-05-27 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Process for producing long chain N-acyl acidic amino acid |
WO2015064678A1 (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 味の素株式会社 | N-長鎖アシル酸性アミノ酸および/またはその塩を含む水溶液、並びにその製造方法 |
CN105683151A (zh) * | 2013-10-31 | 2016-06-15 | 味之素株式会社 | 包含n-长链酰基酸性氨基酸和/或其盐的水溶液及其制造方法 |
US20160235850A1 (en) * | 2013-10-31 | 2016-08-18 | Ajinomoto Co., Inc. | Aqueous solution containing n-long-chain acyl acidic amino acid and/or salt thereof, and method for producing same |
JPWO2015064678A1 (ja) * | 2013-10-31 | 2017-03-09 | 味の素株式会社 | N−長鎖アシル酸性アミノ酸および/またはその塩を含む水溶液、並びにその製造方法 |
EP3064487A4 (en) * | 2013-10-31 | 2017-07-26 | Ajinomoto Co., Inc. | Aqueous solution containing n-long-chain acyl acidic amino acid and/or salt thereof, and method for producing same |
US10220094B2 (en) | 2013-10-31 | 2019-03-05 | Ajinomoto Co., Inc. | Aqueous solution containing N-long-chain acyl acidic amino acid and/or salt thereof, and method for producing same |
US10780167B2 (en) | 2013-10-31 | 2020-09-22 | Ajinomoto Co., Inc. | Aqueous solution containing n-long-chain acyl acidic amino acid and/or salt thereof, and method for producing same |
CN113024401A (zh) * | 2021-02-07 | 2021-06-25 | 广州花语精细化工有限公司 | 一种降低副产物的氨基酸表面活性剂的制备工艺 |
EP4414360A1 (en) | 2023-02-10 | 2024-08-14 | Basf Se | Method for purification of amino acid surfactants |
WO2024165426A1 (en) | 2023-02-10 | 2024-08-15 | Basf Se | Method for purification of amino acid surfactants |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE2015075C3 (de) | Verfahren zur Herstellung von N-Acyl-monoamino-dicarbonsäuren | |
JPH072747A (ja) | N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の精製法 | |
CN113651721A (zh) | 3-(叔丁氧羰基甲氨基)丙酸的制备方法 | |
JP2923101B2 (ja) | N−長鎖アシルアミノ酸型界面活性剤の製造方法 | |
JPH07285919A (ja) | アスパラギン酸アンモニウムからl−アスパラギン酸を製造する方法 | |
JP3261833B2 (ja) | 洗浄剤組成物の製造法 | |
JP2003096038A (ja) | 高純度n−長鎖アシルアミノ酸またはその塩の製造方法 | |
JP2531501B2 (ja) | N−クロロアセチルグルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩 | |
JPH04321656A (ja) | N−長鎖アシルアミノカルボン酸又はアミノスルホン酸型界面活性剤の製造方法及び該活性剤を含有する洗浄剤組成物 | |
JPH0717941A (ja) | N−アルコキシカルボニルアミノ酸の製造方法 | |
JPH08143585A (ja) | O,s−ジメチル n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法 | |
JP2777455B2 (ja) | N―長鎖アシル酸性アミノ酸の製造方法 | |
KR102550765B1 (ko) | 염기성 아미노산 기반 양이온성 계면활성제의 탈염법 및 결정화 정제 방법 | |
US3183263A (en) | Method for changing the crystal habit of mono-sodium glutamate | |
JPH08268955A (ja) | 結晶化グリコール酸の製造方法 | |
JPH03284658A (ja) | 膜処理によるn―長鎖アシルアミノ酸塩の濃縮及び精製法 | |
JPS59110656A (ja) | 光学活性な1―フェニル―2―(パラ―トリル)エチルアミンの製造方法 | |
JP3397905B2 (ja) | グアニジン誘導体及びその製造法 | |
JPH0812645A (ja) | 光学活性スルホン酸誘導体およびその製法 | |
JP2003096039A (ja) | 高純度n−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法 | |
JP3550515B2 (ja) | アミノ酸化合物の製造法 | |
US4375543A (en) | N-[3-(1'-3"-Oxapentamethylene-amino-ethylideneamino)-2,4,6-triiodobenzoyl]-β-amino-α- methylpropionitrile in process to make corresponding acid | |
JP3544454B2 (ja) | N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法 | |
CN116240034A (zh) | 一种甘草次酸生物基氨基酸表面活性剂及其制备方法与应用 | |
SU857133A1 (ru) | Способ получени 4-замещенных-4-карбэтокси-5-метиленпентанолидов-5 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980312 |