JP2531501B2 - N−クロロアセチルグルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩 - Google Patents

N−クロロアセチルグルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩

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JP2531501B2
JP2531501B2 JP6122150A JP12215094A JP2531501B2 JP 2531501 B2 JP2531501 B2 JP 2531501B2 JP 6122150 A JP6122150 A JP 6122150A JP 12215094 A JP12215094 A JP 12215094A JP 2531501 B2 JP2531501 B2 JP 2531501B2
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chloroacetyl
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alkyl ester
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルタミン誘導体、詳
しくはグリシル−グルタミンの製造方法に使用する新規
N−クロロアセチルグルタミン酸γ−低級アルキルエス
テルアンモニウム塩に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例え
ば、グリシル−L−グルタミンの製造方法は、従来L−
グルタミンをクロロアセチル化して、N−クロロアセチ
ル−L−グルタミンを得て、次いでこれをアンモニア水
で処理してグリシル−L−グルタミンを得ていた。しか
し、この方法では、中間体のN−クロロアセチル−L−
グルタミンが水溶性であり、熱に対して鋭敏なため精製
が困難で、特に工業的に精製するのは、極めて困難であ
った。また、中間体のN−クロロアセチル−L−グルタ
ミンを精製しないでアンモニア水で処理し、グリシル−
L−グルタミンとした場合には、副生物のグリシンなど
の分離が困難なために、高純度のグリシル−L−グルタ
ミンを得ることができなかった。
【0003】本発明者らは、高純度のグリシル−グルタ
ミンを安価に製造するために種々検討した結果、グルタ
ミン酸γ−低級アルキルエステルをクロロアセチル化
し、得られたN−クロロアセチル−グルタミン酸γ−低
級アルキルエステルをアンモニア水で処理して、グリシ
ル−グルタミンを得る方法に到達した。しかし、N−ク
ロロアセチル−グルタミン酸γ−低級アルキルエステル
は、有機溶剤可溶性で結晶化が困難なため、副生したモ
ノクロロ酢酸との分離が困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらにN
−クロロアセチル−グルタミン酸γ−低級アルキルエス
テルの精製法を種々検討した結果、新規N−クロロアセ
チル−グルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニ
ウム塩の合成に成功し、かつこれをアルカリ性水溶液と
反応せしめることにより目的を達成できることを見いだ
し、この発見に基づき本発明を完成した。
【0005】例えば、アルコール性溶媒中、N−クロロ
アセチル−グルタミン酸γ−低級アルキルエステルにア
ンモニア水を加えて中和して、N−クロロアセチル−グ
ルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩の
結晶を単離して精製すればよい。
【0006】このようにして調製されたN−クロロアセ
チル−グルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニ
ウム塩は、アンモニア水で処理するだけで、容易に高純
度のグリシル−グルタミンを得ることができる。
【0007】本発明において、N−クロロアセチル−グ
ルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩の
調製に使用するグルタミン酸γ−低級アルキルエステル
は、グルタミン酸から従来法により容易に合成できる。
また、グルタミン酸は、L体、D体、DL体いずれの光
学異性体も使用することができる。
【0008】グルタミン酸γ−低級アルキルエステルの
クロロアセチル化は、クロロアセチルクロリドを用いる
ショッテンバウマン法等クロロアセチル化方法として慣
用方法が採用される。N−クロロアセチル−グルタミン
酸γ−低級アルキルエステルは、結晶化し難く、油状物
として得られる。これをアルコールに溶解し、アンモニ
ア水を加えてpH7〜8に調整すると結晶が析出する。
副生したモノクロロ酢酸のアンモニウム塩は、溶媒に溶
けるため、純度の高いN−クロロアセチル−グルタミン
酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩が得られ
る。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0010】実施例1 N−クロロアセチル−L−グルタミン酸γ−メチルエス
テルアンモニウム塩 L−グルタミン酸γ−メチルエステル80.5g(0.
5モル)を水500mlに溶解し、水酸化カリウム34
g(0.6モル)と炭酸カリウム83g(0.6モル)
を水150mlに溶解した溶液と、クロロアセチルクロ
リド72.8g(0.65モル)を3℃以下でpH7〜
8に保ち、攪拌下に滴下する。滴下終了後、さらに30
分攪拌し、酢酸エチル50mlを加え、濃硫酸140m
lでpH1に調整する。これに、食塩100gを溶か
し、酢酸エチル250mlで1回、150mlで2回抽
出する。酢酸エチル層を合わせて、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後濃縮して、油状のN−クロロアセチル−L−グ
ルタミン酸γ−メチルエステル131gを得た。この油
状物をアルコール400mlに溶かし、28%アンモニ
ア水40mlを40℃以下で加えてpH7〜8とする。
析出したN−クロロアセチル−L−グルタミン酸γ−メ
チルエステルアンモニウム塩の結晶を濾取した。 89.6g(収率70.4%)、融点220℃(分解) 比旋光度〔α〕19 D=+8.6(c=2,水)
【0011】参考例 グリシル−L−グルタミン N−クロロアセチル−L−グルタミン酸γ−メチルエス
テルアンモニウム塩50gを28%アンモニア水220
mlに溶解し、一夜放置した。減圧にてアンモニアを留
去後、塩酸を加えてpH6とし、イオン交換樹脂を用い
て脱塩した。脱塩液を濃縮し、140mlのメタノール
を加えてグリシル−L−グルタミンを析晶させ、濾取し
た。 27.4g(収率68.7%)、融点195℃(分解) 比旋光度〔α〕20 D=−1.2(c=1,水)
【0012】実施例2 N−クロロアセチル−L−グルタミン酸γ−エチルエス
テルアンモニウム塩実施例1と同様にして、出発物質L
−グルタミン酸γ−エチルエステル17.5g(0.1
モル)を使用し標題物質を製造することができる。 18.3g(収率68%)、融点220℃(分解) 比旋光度〔α〕25 D=+9.2(c=2,水)
【0013】実施例3 N−クロロアセチル−D−グルタミン酸γ−メチルエス
テルアンモニウム塩実施例1と同様にして、出発物質D
−グルタミン酸γ−エチルエステル3.2g(0.02
モル)を使用し標題物質3.5g(収率68.7%)を
製造することができる。 融点220℃(分解) 比旋光度〔α〕19 D=−8.6(c=2,水)
【0014】
【発明の効果】前記から明らかなごとく、本発明によれ
ば工業上安価にかつ高純度のグリシル−グルタミンを製
造することができ、故に本発明は産業上極めて有用であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−クロロアセチルグルタミン酸γ−低級
    アルキルエステルアンモニウム塩。
JP6122150A 1994-06-03 1994-06-03 N−クロロアセチルグルタミン酸γ−低級アルキルエステルアンモニウム塩 Expired - Lifetime JP2531501B2 (ja)

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