JPH07274031A - 水平偏向高圧発生回路 - Google Patents

水平偏向高圧発生回路

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JPH07274031A
JPH07274031A JP8604594A JP8604594A JPH07274031A JP H07274031 A JPH07274031 A JP H07274031A JP 8604594 A JP8604594 A JP 8604594A JP 8604594 A JP8604594 A JP 8604594A JP H07274031 A JPH07274031 A JP H07274031A
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Shigeru Kashiwagi
茂 柏木
Nobuyoshi Yamagishi
信義 山岸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧負荷電流の変化に対して、高圧と水平偏
向電流を同時に一定に保つことができる水平偏向高圧発
生回路を提供する。 【構成】 高圧負荷電流Iaの変動に対して、高圧HV
を一定に保つために、電子スイッチ17の出力波形Vo
のデューティサイクル、即ち波形発生回路16の励振波
形Vdを制御する。さらに、この励振波形Vdは、LP
F19により平均化された直流電圧Eomとなり、この電
圧Eomは反転増幅器20で、第2の基準電圧Es2と比較
され、その出力が電圧Eomに応じて変化する電圧Eiと
なる。この反転増幅器20の出力電圧Eiは変調回路1
2に加えられ、電圧Eiの値に応じて、変調コンデンサ
11の両端電圧Emod の値を動かして、出力波形Eomの
平均電圧Vomの動きを相殺し、水平偏向電流Iyを安定
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機等
における受像管の電子ビームを水平方向に偏向すると共
に、同時に受像管の陽極に供給する高圧を発生する水平
偏向高圧発生回路に関する。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】図8に従来の水平偏向高圧発生回路の一
例を示す。ここで、1は水平出力トランジスタ、2,3
はダンパーダイオード、4,5は帰線共振コンデンサ、
6は水平偏向コイル、7はS字補正コンデンサ、8はフ
ライバックトランス、9は高圧整流ダイオード、10は
チョークコイル、11は変調コンデンサ、12は変調回
路である。
【0005】
【0003】図8に示す水平偏向高圧発生回路はダイオ
ードモジュレータ回路と呼ばれ、フライバックトランス
8の一次巻線8aの一端に直流電源電圧Ebを加える
と、図示しない前段からの水平偏向周期の励振波形V1
に応じて、トランジスタ1がスイッチング動作を行い、
そのコレクタには正弦半波のパルスVcが生じる。この
パルスVcはフライバックトランス8の二次巻線8bに
昇圧された後、高圧整流ダイオード9で整流されて直流
高圧HVとなり、図示しない受像管の陽極に供給され
る。
【0006】
【0004】一方、水平偏向コイル6には水平周期のノ
コギリ波偏向電流Iyが流れて、受像管の電子ビームを
水平方向に偏向する。そして、この偏向電流Iyの値
は、変調コンデンサ11の電圧Emod の値によって変化
する。即ち、ここから引き出される直流電流Iwの値が
増えて、変調コンデンサ11の電荷を引き出すことによ
り、この点の電圧Emod が低下すると、その分S字補正
コンデンサ7の電圧が増加し、走査期間中の偏向コイル
電流Iyを増加させる。
【0007】12はこの電圧Emod の値を制御する変調
回路である。従って、この変調回路12により電圧Emo
d の値を変えてやれば、電流Iyの値が変わり、画像の
水平振幅が自在に変えられることになる。さらに、この
変調回路12に外部から垂直偏向周期で変化するパラボ
ラ状の波形Vpbを加えて、この波形に応じて偏向電流I
yの値を変調することも可能であり、これによって画像
の上下部分の水平振幅を中央部に比べて縮めるサイドピ
ンクッション歪み補正が可能となる。
【0008】
【0005】ところで、図8に示す回路において、明る
い画像を受像して受像管の陽極電流、即ち、高圧負荷電
流Iaが増大すると、フライバックトランス8の内部イ
ンピーダンスのためにその高圧値HVが低下する。これ
を図示すると、図9の実線のようになるが、勿論理想的
には同図の破線で示すように、高圧HVは負荷電流Ia
に無関係に一定であった方が良い。
【0009】もし、この実線のように高圧負荷電流Ia
の増加と共に高圧HVが低下した場合、ダイオードモジ
ュレータ回路の特性により、同時に水平偏向コイル電流
Iyの値もそれに合わせて低下させ、結果として、画像
の水平振幅が動かないようにすることはできる。しか
し、垂直振幅のほうは、高圧HVが低下すれば偏向能率
が上がるために増加し、結局画像振幅はその明るさによ
って変化し、不安定な画像となってしまう。
【0010】また、この高圧HVの低下は、当然画像の
ピーク時の明るさを制限し、また受像管のフォーカス特
性も悪化させることになり、画像の品位を著しく低下さ
せ、問題点の一つであった。
【0011】
【0006】図10はこれを改良した別の従来例であ
り、上記した高圧低下の問題の解決を図ったものであ
る。ここで、符号1から12までは、先の図8の同一符
号部分と同様の動作を行うので、その詳細な説明は省略
する。ここで、新たに付加されたのは、高圧分圧抵抗1
3,14、演算増幅器15、波形発生回路16、電子ス
イッチ(チョッパーレギュレータ回路)17、フライホ
イールダイオード(チョッパーレギュレータ回路)18
である。
【0012】
【0007】この図10に示す回路の各部の動作は次の
ようになる。即ち、まず良く知られた水平偏向回路の基
本動作により、図11(A)に示すように、帰線時間t
rのパルス幅を持つパルスVcが水平出力トランジスタ
1のコレクタに発生しているものとする。これに対し
て、電子スイッチ17は、図11(B)に示すように、
帰線時間trより前の一部期間toff の間だけ遮断し、
他のton期間は導通する。その結果、フライバックトラ
ンスの一次巻線8aの一端に加えられる出力電圧Vo
は、toff でゼロにボトミングし、tonで電源電圧Eb
に等しくなる方形波となる。
【0013】
【0008】この方形波Voのtoff 期間の前縁時刻T
は、外部からの制御で前後できるものとし、後縁は帰線
時間trのスタート時刻にほぼ一致させる。すると、こ
のときのフライバックトランスの一次巻線8aの電流I
tは、図11(C)のようになる。即ち、電子スイッチ
17が導通するton期間では、電流は電源Ebから一次
巻線8aを通して、出力トランジスタ1またはダンパー
ダイオード2,3を還流するので、この電流Itは直線
的に増加する傾斜電流となる。しかし、toff期間に入
ると、電流はフライホイールダイオード18を通して、
一次巻線8a及び出力トランジスタ1に流れるようにな
る。すると、この電流ループには先の電圧Ebのような
電圧源がないので、電流値はtonでの最終の値をそのま
ま保ち続けて流れ、結局電流Itの波形はtoff の期間
が平坦になったノコギリ波となる。
【0014】
【0009】ここで、toff の始まりの時点Tの位置を
前後した場合を考える。もし、Tがより後ろの方に位置
したとすると、図11(C)の破線で示したように平坦
区間が短くなり、その結果、帰線時間tr直前のItの
値Itoは増加する。逆に同図の一点鎖線で示したよう
に、Tの位置がより前のほうに位置すると、Itの平坦
部分が長くなり、tr直前の電流値Itoが減少する。
【0015】
【0010】この電流Itoは一度巻線に電磁エネルギー
として蓄えられた後、次の帰線時間trに静電エネルギ
ーとしてコレクタパルスVcに変換される。従って、前
述したように、toff の始点Tを後ろに移動させてIto
の値を増加させると、図11(A)の破線のように、コ
レクタパルスVcが増加し、逆にTを前にしてtoffを
長くし、Itoを減少させるとVcも減少する。即ち、T
を加減することによって、コレクタパルスVcの大きさ
が制御できる。この時、フライバックトランスの一次巻
線8aの両端間に加わる電圧Vtは、図11(D)のよ
うになるので、これが二次巻線8bに昇圧された後、ダ
イオード9で整流されて得た高圧HVもTの時間位置に
よって制御できることになる。
【0016】
【0011】また、図10において、分圧抵抗13,1
4によって得られた電圧Erfは、演算増幅器15によっ
て基準電圧(第1の基準電圧)Es1と比較され、その出
力Eoが波形発生回路16に加えられる。すると、波形
発生回路16からは水平偏向に関した外部からのパルス
Vhを時間的基準として、Eoの値に応じてパルス幅の
変わるスイッチ制御パルスVdが生じる。電子スイッチ
17の開閉は、このパルスVdに応じて行われる。そこ
で、もし高圧HVが上昇して、電圧Erfが基準電圧Es1
を越えそうになると、その比較結果の電圧Eoは波形発
生回路16に作用して、Vdのパルス幅ひいてはスイッ
チ出力Voのパルス立ち下がり時刻Tがより前に移動す
るように各部の極性を定める。
【0017】
【0012】このようにすると、ドリフトその他の理由
により、高圧HVが変動しそうになっても、ただちにT
の時間位置がそれを打ち消すように働くので、結局高圧
はそれを分圧した電圧Erfが基準電圧Es1に常に一致す
る形で安定し、電源電圧Ebの変動やその他のドリフト
に左右されないばかりでなく、高圧負荷電流Iaの変化
に対しても一定で、図9の破線に示したような理想に近
い特性が得られる。
【0018】
【0013】
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の改良された高圧発生回路にも問題がある。それ
は負荷電流Iaの変化に伴う高圧HVの変動の補償を行
うために、スイッチ出力波形Voのパルス幅を変えてい
ることに起因する。即ち、図11から分かるように、時
刻Tを動かすと、当然波形Voのデューティサイクルが
変わって、その平均電圧Vomも動いてしまう。
【0020】一方、偏向コイル6を流れる電流Iyのピ
ーク−ピーク(p−p)値はS字補正コンデンサの両端
電圧Esに比例する。そして、この電圧Esは、先の電
圧Vomが増加すると同時に増加してしまう。従って、高
圧負荷電流Iaが増加すると、前述したように、これに
よる高圧低下を補償するために、Tの位置が後ろのほう
に移動して電圧Vomが増加してしまうので、結局偏向コ
イル電流Iyも図12に示すように増加してしまうこと
になる。
【0021】
【0014】従って、この改良された従来例の図10に
おいても、高圧HVは一定化されたものの、水平振幅が
明るさによって変動してしまうという欠点は残り、さら
に改良の必要があった。本発明ではこの点について、ど
の様な手段を講じれば電源電圧変動や各種のドリフトに
も影響されないことは勿論、高圧負荷の大小に無関係に
安定な高圧と水平振幅が得られるかについて考察し、そ
の結果に基づいて新規な回路を提供するものである。
【0022】
【0015】
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、(1) 水平偏向周期に同期
したパルスに応じてスイッチング動作を行う水平出力ト
ランジスタと、前記水平出力トランジスタに並列に接続
され、且つ各々に共振コンデンサを並列に接続した複数
個のダンパーダイオードの直列回路と、一方の端子を前
記水平出力トランジスタのコレクタ端子に接続し、他方
の端子を前記ダンパーダイオード間の接続端子に接続し
た水平偏向コイルとS字補正コンデンサとの直列回路
と、一次巻線の一方の端子を前記水平出力トランジスタ
のコレクタ端子に接続し、二次巻線に受像管の陽極用高
圧を生成する高圧整流ダイオードを接続したフライバッ
クトランスと、電源と接地との間に、電子スイッチとフ
ライホイールダイオードとの直列回路を接続し、前記電
子スイッチより出力される方形波電圧もしくはこの平均
値電圧を、前記フライバックトランスの一次巻線の他方
の端子に供給するチョッパーレギュレータ回路と、前記
複数個のダンパーダイオードの接続点と接地との間に接
続されたチョークコイルと変調コンデンサとの直列回路
と、前記電子スイッチより出力される方形波電圧と逆の
極性を有し、前記電子スイッチのオン・オフ制御を行う
励振波形を出力する波形発生回路とからなる水平偏向高
圧発生回路において、前記陽極用高圧を分圧した電圧と
第1の基準電圧を比較して、陽極用高圧が一定となるよ
うに、前記波形発生回路より出力される励振波形のデュ
ーティサイクルを制御する第1の制御回路と、前記波形
発生回路より出力される励振波形を平均化した電圧と第
2の基準電圧を比較して、前記水平偏向コイルを流れる
電流が一定となるように、前記変調コンデンサの両端電
圧を制御する第2の制御回路を備えたことを特徴とする
水平偏向高圧発生回路を提供し、
【0024】
【0016】(2) 前記第2の制御回路は、前記励振波形
を平均化した電圧にするローパスフィルタと、反転端子
に前記平均化した電圧を入力し、非反転端子に基準電圧
を入力する反転増幅器とを備え、前記反転増幅器の出力
電圧に比例して、前記変調コンデンサの両端電圧を制御
し、前記水平偏向コイルを流れる電流が一定となるよう
にしたことを特徴とする(1) 記載の水平偏向高圧発生回
路を提供し、(3) 前記反転増幅器の非反転端子に入力す
る基準電圧に垂直偏向周期の波形を重畳することによ
り、画像の左右端に発生する歪みを補正することを特徴
とする(2) 記載の水平偏向高圧発生回路を提供し、(4)
前記反転増幅器の非反転端子に入力する基準電圧の値
を、水平偏向周波数に応じて変化させることを特徴とす
る(2) 記載の水平偏向高圧発生回路を提供するものであ
る。
【0025】
【0017】
【0026】
【実施例】以下、本発明の水平偏向高圧発生回路につい
て、添付図面を参照して説明する。
【0027】図1は本発明の一実施例を示す回路図であ
る。なお、図1において、先に説明した図8あるいは図
10と同じ動作をする部分には同一符号を付け、その詳
細な説明は省略する。特に、符号1から18までは、図
10に示す回路と基本的に同一原理の動作を行い、高圧
HVの安定化の働きをすることに変わりはない。
【0028】
【0018】図1に示す回路で、新たに追加されたの
は、ローパスフィルタ(以下、LPFと略記する)(第
2の制御回路)19及び反転増幅器(第2の制御回路)
20である。このようにすると、波形発生回路16で得
られた励振波形Vdの平均化された直流電圧Eomが、L
PF19の出力に生じる。そして、この電圧Eomは次の
反転増幅器20で、第2の基準電圧Es2と比較され、そ
の出力が電圧Eomに応じて変化する電圧Eiとなる。こ
の反転増幅器20の出力電圧Eiは、さらに変調回路
(第2の制御回路)12に加えられ、Eiの値に応じて
電圧Emod を変調し、水平偏向電流Iyのp−p値を制
御する。
【0029】ところで、図1に示す回路では、高圧負荷
電流Iaの変動に対して、高圧HVを一定に保つため
に、電子スイッチ17の出力波形Voのデューティサイ
クル、換言すれば、その平均電圧値Vomを変化させて対
応している。しかし、電圧Vomが変化すると、本来なら
ば、当然水平偏向電流Iyの値も変わってしまう。そこ
で、変調コンデンサ11の両端電圧Emod の値を動かし
て、電圧Vomの動きを相殺し、水平偏向電流Iyを安定
化する方法を考える。
【0030】
【0019】これを図1の一部を抜き出した図2で説明
する。まず、図2に示すように、電源Voから一次巻線
8a、偏向コイル6、S字補正コンデンサ7、チョーク
コイル10、及び変調コンデンサ11の電気ループを考
える。すると、このループの中の直流電圧の和はゼロに
なるから、方形波Voの平均値がVomであるならば、
【0031】
【0020】
【0032】
【数1】
【0033】
【0021】となる。従って、この式から、もし高圧負
荷電流Iaが増加した結果、前述したような演算増幅器
(第1の制御回路)15、波形発生回路16、電子スイ
ッチ17等による高圧HVを一定化するための制御作用
により電圧Vomが増加しても、その分だけ電圧Emod が
増加すれば、S字補正コンデンサの両端電圧Vsは動か
ない。そして、偏向電流Iyはこの電圧Vsによって定
まるから、これも一定となり水平振幅は動かないことに
なる。
【0034】このことから、電圧Vomの変化分と同じだ
け、電圧Emod の垂直パラボラ分を除いた平均値が動け
ば良いということになり、この条件に合致するように図
1に示す反転増幅器20と変調回路12を定めれば、偏
向コイル電流が安定し、しかも高圧の安定度も保たれる
ことになる。
【0035】
【0022】図3は図1に示す反転増幅器20の周辺回
路についての具体的な例を示したものであり、図3にお
いて、21は演算増幅器、22,23は増幅度を決定す
るための帰還抵抗、24はポテンシオメータ、25はフ
ィルタコンデンサである。
【0036】この反転増幅器20に前述した電子スイッ
チ17のための励振波形Vdが加わるわけであるが、L
PF19については抵抗23にフィルタコンデンサ25
を付加するだけで済ませている。また、非反転端子には
直流電源Eよりポテンシオメータ24で分圧して得た第
2の基準電圧Es2が加わる。
【0037】
【0023】図4は電子スイッチ17の出力波形Voと
励振波形Vdとの関係を示す波形図である。即ち、出力
波形Voは、図4(A)に示すように、全周期1に対し
てaのデューティーサイクルを持つ方形波である。従っ
て、電源電圧をEbとすれば、その平均値Vomはa・E
bとなる。また、これと逆特性の励振波形Vdは、図4
(B)に示すようになる。ここで、波形発生回路の電源
電圧をEbより低電圧のEとすると、励振波形Vdはゼ
ロとEとの間をスイングする方形波となり、その平均値
はE1は(1−a)Eに等しい。一方、基準電圧Es2は
ポテンシオメータ24によって電源電圧Eがbの比率で
分圧されたb・Eであるものとする。
【0038】以上の条件のもとに、図3の各部の電圧値
を考えてみる。まず、入力E1と出力Eiとの関係は、
抵抗22,23の抵抗値をそれぞれR1,R2として、
【0039】
【0024】
【0040】
【数2】
【0041】
【0025】これから、変調回路12の電圧増幅度をα
とすれば、変調電圧Emod は、
【0042】
【0026】
【0043】
【数3】
【0044】
【0027】となる。ここで、この第1項を出力電圧V
oの平均値Vomに等しくすると、
【0045】
【0028】
【0046】
【数4】
【0047】
【0029】即ち、α(R2/R1)=Eb/Eとなる
ように、α,R1,R2を定める。すると、当然平均電
圧Vomが動いたのと同じ量だけ変調電圧Emod が動くこ
とになり、前述の偏向電流Iyの振幅一定の条件が満た
される。
【0048】また、数3の第2項は、電圧Vom、換言す
ればデューティーサイクルaに左右されない固定項であ
る。従って、ここでポテンシオメータ24によってbの
値を動かせば、電圧Emod の値を独立に動かすことがで
き、これによって水平の振幅調整ができることになる。
【0049】
【0030】また、これまでは図1に示すように、電子
スイッチ17の出力方形波Voを直接フライバックトラ
ンス8の一次巻線8aの一端に加える方式で説明した。
しかし、これは勿論図5に示すように、電源チョークコ
イル26と平滑コンデンサ27によって直流値Vomを得
てから一次巻線8aに加える通常のチョッパー方式にも
応用できる。
【0050】いずれの場合でも、本発明では演算増幅器
15,波形発生回路16,LPF19,及び反転増幅器
20の制御回路を構成する部分が、EbやVomに比べて
遥かに低い電圧だけで動作するので、電力的に有利であ
り、かつIC化の際も有利である。
【0051】
【0031】また、図3に示す演算増幅器21の非反転
端子の電圧値によって水平振幅が変えられるということ
は、この電圧を垂直周期の波形でダイナミックに変動さ
せれば、画像の左右端の歪みが補正できることを意味す
る。即ち、図6に示すように、演算増幅器21の非反転
端子に、結合コンデンサ28を通して垂直周期の波形V
pbを加えれば良い。例えば、図6に示すように、この波
形Vpbが垂直周期中央部で水平振幅を広げるいわゆるサ
イドピンクッション歪補正がなされる。
【0052】また、さらに、多種の水平偏向周波数に対
応する場合、各周波数モードに合わせて水平振幅を変え
てやる必要がある場合が多い。その場合はやはり図6に
示すように、非反転端子に加える第2の基準電圧Es2を
得るのに、ポテンシオメータで直流電圧Eを分圧するの
ではなく、それぞれの周波数モードに合わせたプリセッ
ト値を生成する回路29を設け、周波数制御信号fに応
じて最適なEs2を加えるようにすれば良い。
【0053】
【0032】図7は本発明の具体的な回路の一例を示す
図である。ここで、図1での電子スイッチ17はp型の
MOSFET30であり、このゲートがソースに対して
負になると、ソース・ドレイン間が導通する。従って、
ここでは図示しない波形発生回路からの励振パルスVd
は、この条件に合致してtoff 期間でソース電圧、即ち
電源Ebに等しいか、若干正で、ton期間でこれより適
宜負になるように設定されているものとする。
【0054】LPF19はここでは抵抗23とコンデン
サ25で構成される。抵抗22は帰還抵抗であり、これ
と抵抗23の値の設定によって反転増幅器20の増幅度
を設定でき、演算増幅器21の出力には前述したような
電圧Eiが得られる。
【0055】さらに、変調回路12は第1のトランジス
タ31と第2のトランジスタ32からなる。ここで、3
6は第1のトランジスタ31のベース入力抵抗、33は
コレクタ抵抗、34,35は帰還用抵抗、37は電流制
限抵抗、Eは直流電源電圧である。
【0056】
【0033】このようにして、結合コンデンサ28の一
端に垂直周期のパラボラ状波形Vpbを加えると、第2の
トランジスタ32のコレクタ電圧はVpbに応じて変動
し、コンデンサ11の電圧Emod は垂直パラボラ波形で
変調される。従って、先に説明したように水平振幅は画
像の上下端で縮み、中央部で伸びるような補正、即ちサ
イドピンクッション歪の補正がなされる。
【0057】また、電圧Eiは、前述したように負荷電
流Iaの変動に合わせて増減し、この変化によって、コ
ンデンサ11の直流電圧レベルも増減する。従って、先
の説明から明らかなように、増幅器20の増幅度を適宜
設定すれば、電圧Vomが上昇してもそれに合わせてコン
デンサ11の電圧Emod の直流分が上昇し、その結果、
図5で説明したS字補正コンデンサ7の電圧Vsの値は
変わらず、水平振幅が一定に保たれることになる。
【0058】
【0034】
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1及
び請求項2に示す本発明の水平偏向高圧発生回路は、高
圧負荷電流の変化に対して高圧を一定に保つと同時に、
水平偏向電流も一定に保つことができ、画像の明るさと
無関係に画像の大きさが一定化される。また、電源電圧
変動やその他のドリフトに対しても、高圧出力及び水平
振幅が安定化される。さらに、その制御を行う回路は低
電力で構成でき、IC化にも好適である。
【0060】また、請求項3に示す本発明の水平偏向高
圧発生回路は、さらに容易に画像の左右端に発生するサ
イドピンクッション歪みを補正することができる。ま
た、請求項4に示す本発明の水平偏向高圧発生回路は、
さらに多種の水平周波数に対応したディスプレイ機器に
おいて、各周波数モードに合わせて水平振幅を変えるこ
とができるという実用上極めて優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水平偏向高圧発生回路の一実施例を示
す回路図である。
【図2】図1に示す回路の一部を示す回路図である。
【図3】ローパスフィルタ及び反転増幅器の具体的な回
路図である。
【図4】電子スイッチの出力波形Voと励振波形Vdと
の関係を示す波形図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す回路図である。
【図6】図1に示す回路の動作を説明するための回路図
である。
【図7】本発明の具体的な回路の一例を示す図である。
【図8】従来の水平偏向高圧発生回路を示す回路図であ
る。
【図9】図8に示す回路の動作を説明するための波形図
である。
【図10】従来の水平偏向高圧発生回路を示す回路図で
ある。
【図11】図10に示す回路の動作を説明するための波
形図である。
【図12】図10に示す回路の動作を説明するための波
形図である。
【符号の説明】
1 水平出力トランジスタ 2,3 ダンパーダイオード 4,5 共振コンデンサ 6 水平偏向コイル 7 S字補正コンデンサ 8 フライバックトランス 9 高圧整流ダイオード 10 チョークコイル 11 変調コンデンサ 12 変調回路(第2の制御回路) 15 演算増幅器(第1の制御回路) 16 波形発生回路 17 電子スイッチ 18 フライホイールダイオード 19 ローパスフィルタ(LPF)(第2の制御回路) 20 反転増幅器(第2の制御回路)
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機等
における受像管の電子ビームを水平方向に偏向すると共
に、同時に受像管の陽極に供給する高圧を発生する水平
偏向高圧発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に従来の水平偏向高圧発生回路の一
例を示す。ここで、1は水平出力トランジスタ、2,3
はダンパーダイオード、4,5は帰線共振コンデンサ、
6は水平偏向コイル、7はS字補正コンデンサ、8はフ
ライバックトランス、9は高圧整流ダイオード、10は
チョークコイル、11は変調コンデンサ、12は変調回
路である。
【0003】図8に示す水平偏向高圧発生回路はダイオ
ードモジュレータ回路と呼ばれ、フライバックトランス
8の一次巻線8aの一端に直流電源電圧Ebを加える
と、図示しない前段からの水平偏向周期の励振波形V1
に応じて、トランジスタ1がスイッチング動作を行い、
そのコレクタには正弦半波のパルスVcが生じる。この
パルスVcはフライバックトランス8の二次巻線8bに
昇圧された後、高圧整流ダイオード9で整流されて直流
高圧HVとなり、図示しない受像管の陽極に供給され
る。
【0004】一方、水平偏向コイル6には水平周期のノ
コギリ波偏向電流Iyが流れて、受像管の電子ビームを
水平方向に偏向する。そして、この偏向電流Iyの値
は、変調コンデンサ11の電圧Emodの値によって変
化する。即ち、ここから引き出される直流電流Iwの値
が増えて、変調コンデンサ11の電荷を引き出すことに
より、この点の電圧Emodが低下すると、その分S字
補正コンデンサ7の電圧が増加し、走査期間中の偏向コ
イル電流Iyを増加させる。12はこの電圧Emodの
値を制御する変調回路である。従って、この変調回路1
2により電圧Emodの値を変えてやれば、電流Iyの
値が変わり、画像の水平振幅が自在に変えられることに
なる。さらに、この変調回路12に外部から垂直偏向周
期で変化するパラボラ状の波形Vpbを加えて、この波
形に応じて偏向電流Iyの値を変調することも可能であ
り、これによって画像の上下部分の水平振幅を中央部に
比べて縮めるサイドピンクッション歪み補正が可能とな
る。
【0005】ところで、図8に示す回路において、明る
い画像を受像して受像管の陽極電流、即ち、高圧負荷電
流Iaが増大すると、フライバックトランス8の内部イ
ンピーダンスのためにその高圧値HVが低下する。これ
を図示すると、図9の実線のようになるが、勿論理想的
には同図の破線で示すように、高圧HVは負荷電流Ia
に無関係に一定であった方が良い。もし、この実線のよ
うに高圧負荷電流1aの増加と共に高圧HVが低下した
場合、ダイオードモジュレータ回路の特性により、同時
に水平偏向コイル電流Iyの値もそれに合わせて低下さ
せ、結果として、画像の水平振幅が動かないようにする
ことはできる。しかし、垂直振幅のほうは、高圧HVが
低下すれば偏向能率が上がるために増加し、結局画像振
幅はその明るさによって変化し、不安定な画像となって
しまう。また、この高圧HVの低下は、当然画像のピー
ク時の明るさを制限し、また受像管のフォーカス特性も
悪化させることになり、画像の品位を著しく低下させ、
問題点の一つであった。
【0006】図10はこれを改良した別の従来例であ
り、上記した高圧低下の問題の解決を図ったものであ
る。ここで、符号1から12までは、先の図8の同一符
号部分と同様の動作を行うので、その詳細な説明は省略
する。ここで、新たに付加されたのは、高圧分圧抵抗1
3,14、演算増幅器15、波形発生回路16、電子ス
イッチ(チョッパーレギュレータ回路)17、フライホ
イールダイオード(チョッパーレギュレータ回路)18
である。
【0007】この図10に示す回路の各部の動作は次の
ようになる。即ち、まず良く知られた水平偏向回路の基
本動作により、図11(A)に示すように、帰線時間t
rのパルス幅を持つパルスVcが水平出力トランジスタ
1のコレクタに発生しているものとする。これに対し
て、電子スイッチ17は、図11(B)に示すように、
帰線時間trより前の一部期間toffの間だけ遮断
し、他のton期間は導通する。その結果、フライバッ
クトランスの一次巻線8aの一端に加えられる出力電圧
Voは、toffでゼロにボトミングし、tonで電源
電圧Ebに等しくなる方形波となる。
【0008】この方形波Voのtoff期間の前縁時刻
Tは、外部からの制御で前後できるものとし、後縁は帰
線時間trのスタート時刻にほぼ一致させる。すると、
このときのフライバックトランスの一次巻線8aの電流
Itは、図11(C)のようになる。即ち、電子スイッ
チ17が導通するton期間では、電流は電源Ebから
一次巻線8aを通して、出力トランジスタ1またはダン
パーダイオード2,3を還流するので、この電流Itは
直線的に増加する傾斜電流となる。しかし、toff期
間に入ると、電流はフライホイールダイオード18を通
して、一次巻線8a及び出力トランジスタ1に流れるよ
うになる。すると、この電流ループには先の電圧Ebの
ような電圧源がないので、電流値はtonでの最終の値
をそのまま保ち続けて流れ、結局電流Itの波形はto
ffの期間が平坦になったノコギリ波となる。
【0009】ここで、toffの始まりの時点Tの位置
を前後した場合を考える。もし、Tがより後ろの方に位
置したとすると、図11(C)の破線で示したように平
坦区間が短くなり、その結果、帰線時間tr直前のIt
の値Itoは増加する。逆に同図の一点鎖線で示したよ
うに、Tの位置がより前のほうに位置すると、Itの平
坦部分が長くなり、tr直前の電流値Itoが減少す
る。
【0010】この電流Itoは一度巻線に電磁エネルギ
ーとして蓄えられた後、次の帰線時間trに静電エネル
ギーとしてコレクタパルスVcに変換される。従って、
前述したように、toffの始点Tを後ろに移動させて
Itoの値を増加させると、図11(A)の破線のよう
に、コレクタパルスVcが増加し、逆にTを前にしてt
offを長くし、Itoを減少させるとVcも減少す
る。即ち、Tを加減することによって、コレクタパルス
Vcの大きさが制御できる。この時、フライバックトラ
ンスの一次巻線8aの両端間に加わる電圧Vtは、図1
1(D)のようになるので、これが二次巻線8bに昇圧
された後、ダイオード9で整流されて得た高圧HVもT
の時間位置によって制御できることになる。
【0011】また、図10において、分圧抵抗13,1
4によって得られた電圧Erfは、演算増幅器15によ
って基準電圧(第1の基準電圧)Eslと比較され、そ
の出力Eoが波形発生回路16に加えられる。すると、
波形発生回路16からは水平偏向に関した外部からのパ
ルスVhを時間的基準として、Eoの値に応じてパルス
幅の変わるスイッチ制御パルスVdが生じる。電子スイ
ッチ17の開閉は、このパルスVdに応じて行われる。
そこで、もし高圧HVが上昇して、電圧Erfが基準電
圧Eslを越えそうになると、その比較結果の電圧Eo
は波形発生回路16に作用して、Vdのパルス幅ひいて
はスイッチ出力Voのパルス立ち下がり時刻Tがより前
に移動するように各部の極性を定める。
【0012】このようにすると、ドリフトその他の理由
により、高圧HVが変動しそうになっても、ただちにT
の時間位置がそれを打ち消すように働くので、結局高圧
はそれを分圧した電圧Erfが基準電圧Eslに常に一
致する形で安定し、電源電圧Ebの変動やその他のドリ
フトに左右されないばかりでなく、高圧負荷電流Iaの
変化に対しても一定で、図9の破線に示したような理想
に近い特性が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の改良された高圧発生回路にも問題がある。それ
は負荷電流Iaの変化に伴う高圧HVの変動の補償を行
うために、スイッチ出力波形Voのパルス幅を変えてい
ることに起因する。即ち、図11から分かるように、時
刻Tを動かすと、当然波形Voのデューティサイクルが
変わって、その平均電圧Vomも動いてしまう。一方、
偏向コイル6を流れる電流Iyのピークーピーク(pー
p)値はS字補正コンデンサの両端電圧Esに比例す
る。そして、この電圧Esは、先の電圧Vomが増加す
ると同時に増加してしまう。従って、高圧負荷電流Ia
が増加すると、前述したように、これによる高圧低下を
補償するために、Tの位置が後ろのほうに移動して電圧
Vomが増加してしまうので、結局偏向コイル電流Iy
も図12に示すように増加してしまうことになる。
【0014】従って、この改良された従来例の図10に
おいても、高圧HVは一定化されたものの、水平振幅が
明るさによって変動してしまうという欠点は残り、さら
に改良の必要があった。本発明ではこの点について、ど
の様な手段を講じれば電源電圧変動や各種のドリフトに
も影響されないことは勿論、高圧負荷の大小に無関係に
安定な高圧と水平振幅が得られるかについて考察し、そ
の結果に基づいて新規な回路を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、(1)水平偏向周期に同
期したパルスに応じてスイッチング動作を行う水平出力
トランジスタと、前記水平出力トランジスタに並列に接
続され、且つ各々に共振コンデンサを並列に接続した複
数個のダンパーダイオードの直列回路と、一方の端子を
前記水平出力トランジスタのコレクタ端子に接続し、他
方の端子を前記ダンパーダイオード間の接続端子に接続
した水平偏向コイルとS字補正コンデンサとの直列回路
と、一次巻線の一方の端子を前記水平出力トランジスタ
のコレクタ端子に接続し、二次巻線に受像管の陽極用高
圧を生成する高圧整流ダイオードを接続したフライバッ
クトランスと、電源と接地との間に、電子スイッチとフ
ライホイールダイオードとの直列回路を接続し、前記電
子スイッチより出力される方形波電圧もしくはこの平均
値電圧を、前記フライバックトランスの一次巻線の他方
の端子に供給するチョッパーレギュレータ回路と、前記
複数個のダンパーダイオードの接続点と接地との間に接
続されたチョークコイルと変調コンデンサとの直列回路
と、前記電子スイッチより出力される方形波電圧と逆の
極性を有し、前記電子スイッチのオン・オフ制御を行う
励振波形を出力する波形発生回路とからなる水平偏向高
圧発生回路において、前記陽極用高圧を分圧した電圧と
第1の基準電圧を比較して、陽極用高圧が一定となるよ
うに、前記波形発生回路より出力される励振波形のデュ
ーティサイクルを制御する第1の制御回路と、前記波形
発生回路より出力される励振波形を平均化した電圧と第
2の基準電圧を比較して、前記水平偏向コイルを流れる
電流が一定となるように、前記変調コンデンサの両端電
圧を制御する第2の制御回路を備えたことを特徴とする
水平偏向高圧発生回路を提供し、
【0016】(2)前記第2の制御回路は、前記励振波
形を平均化した電圧にするローパスフィルタと、反転端
子に前記平均化した電圧を入力し、非反転端子に基準電
圧を入力する反転増幅器とを備え、前記反転増幅器の出
力電圧に比例して、前記変調コンデンサの両端電圧を制
御し、前記水平偏向コイルを流れる電流が一定となるよ
うにしたことを特徴とする(1)記載の水平偏向高圧発
生回路を提供し、(3)前記反転増幅器の非反転端子に
入力する基準電圧に垂直偏向周期の波形を重畳すること
により、画像の左右端に発生する歪みを補正することを
特徴とする(2)記載の水平偏向高圧発生回路を提供
し、(4)前記反転増幅器の非反転端子に入力する基準
電圧の値を、水平偏向周波数に応じて変化させることを
特徴とする(2)記載の水平偏向高圧発生回路を提供す
るものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の水平偏向高圧発生回路につい
て、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実
施例を示す回路図である。なお、図1において、先に説
明した図8あるいは図10と同じ動作をする部分には同
一符号を付け、その詳細な説明は省略する。特に、符号
1から18までは、図10に示す回路と基本的に同一原
理の動作を行い、高圧HVの安定化の働きをすることに
変わりはない。
【0018】図1に示す回路で、新たに追加されたの
は、ローパスフィルタ(以下、LPFと略記する)(第
2の制御回路)19及び反転増幅器(第2の制御回路)
20である。このようにすると、波形発生回路16で得
られた励振波形Vdの平均化された直流電圧Eomが、
LPF19の出力に生じる。そして、この電圧Eomは
次の反転増幅器20で、第2の基準電圧Es2と比較さ
れ、その出力が電圧Eomに応じて変化する電圧Eiと
なる。この反転増幅器20の出力電圧Eiは、さらに変
調回路(第2の制御回路)12に加えられ、Eiの値に
応じて電圧Emodを変調し、水平偏向電流Iyのp−
p値を制御する。ところで、図1に示す回路では、高圧
負荷電流Iaの変動に対して、高圧HVを一定に保つた
めに、電子スイッチ17の出力波形Voのデューティサ
イクル、換言すれば、その平均電圧値Vomを変化させ
て対応している。しかし、電圧Vomが変化すると、本
来ならば、当然水平偏向電流Iyの値も変わってしま
う。そこで、変調コンデンサ11の両端電圧Emodの
値を動かして、電圧Vomの動きを相殺し、水平偏向電
流Iyを安定化する方法を考える。
【0019】これを図1の一部を抜き出した図2で説明
する。まず、図2に示すように、電源Voから一次巻線
8a、偏向コイル6、S字補正コンデンサ7、チョーク
コイル10、及び変調コンデンサ11の電気ループを考
える。すると、このループの中の直流電圧の和はゼロに
なるから、方形波Voの平均値がVomであるならば、
【0020】
【数1】
【0021】となる。従って、この式から、もし高圧負
荷電流Iaが増加した結果、前述したような演算増幅器
(第1の制御回路)15、波形発生回路16、電子スイ
ッチ17等による高圧HVを一定化するための制御作用
により電圧Vomが増加しても、その分だけ電圧Emo
dが増加すれば、S字補正コンデンサの両端電圧Vsは
動かない。そして、偏向電流Iyはこの電圧Vsによっ
て定まるから、これも一定となり水平振幅は動かないこ
とになる。このことから、電圧Vomの変化分と同じだ
け、電圧Emodの垂直パラボラ分を除いた平均値が動
けば良いということになり、この条件に合致するように
図1に示す反転増幅器20と変調回路12を定めれば、
偏向コイル電流が安定し、しかも高圧の安定度も保たれ
ることになる。
【0022】図3は図1に示す反転増幅器20の周辺回
路についての具体的な例を示したものであり、図3にお
いて、21は演算増幅器、22,23は増幅度を決定す
るための帰還抵抗、24はポテンシオメータ、25はフ
ィルタコンデンサである。この反転増幅器20に前述し
た電子スイッチ17のための励振波形Vdが加わるわけ
であるが、LPF19については抵抗23にフィルタコ
ンデンサ25を付加するだけで済ませている。また、非
反転端子には直流電源Eよりポテンシオメータ24で分
圧して得た第2の基準電圧Es2が加わる。
【0023】図4は電子スイッチ17の出力波形Voと
励振波形Vdとの関係を示す波形図である。即ち、出力
波形Voは、図4(A)に示すように、全周期1に対し
てaのデューティーサイクルを持つ方形波である。従っ
て、電源電圧をEbとすれば、その平均値Vomはa・
Ebとなる。また、これと逆極性の励振波形Vdは、図
4(B)に示すようになる。ここで、波形発生回路の電
源電圧をEbより低電圧のEとすると、励振波形Vdは
ゼロとEとの間をスイングする方形波となり、その平均
値はE1は(1−a)Eに等しい。一方、基準電圧Es
2はポテンシオメータ24によって電源電圧Eがbの比
率で分圧されたb・Eであるものとする。以上の条件の
もとに、図3の各部の電圧値を考えてみる。まず、入力
E1と出力Eiとの関係は、抵抗22,23の抵抗値を
それぞれR1,R2として、
【0024】
【数2】
【0025】これから、変調回路12の電圧増幅度をα
とすれば、変調電圧Emodは、
【0026】
【数3】
【0027】となる。ここで、この第1項を出力電圧V
oの平均値Vomに等しくすると、
【0028】
【数4】
【0029】即ち、α(R2/R1)=Eb/Eとなる
ように、α,R1,R2を定める。すると、当然平均電
圧Vomが動いたのと同じ量だけ変調電圧Emodが動
くことになり、前述の偏向電流Iyの振幅一定の条件が
満たされる。また、数3の第2項は、電圧Vom、換言
すればデューティーサイクルaに左右されない固定項で
ある。従って、ここでポテンシオメータ24によってb
の値を動かせば、電圧Emodの値を独立に動かすこと
ができ、これによって水平の振幅調整ができることにな
る。
【0030】また、これまでは図1に示すように、電子
スイッチ17の出力方形波Voを直接フライバックトラ
ンス8の一次巻線8aの一端に加える方式で説明した。
しかし、これは勿論図5に示すように、電源チョークコ
イル26と平滑コンデンサ27によって直流値Vomを
得てから一次巻線8aに加える通常のチョッパー方式に
も応用できる。いずれの場合でも、本発明では演算増幅
器15,波形発生回路16,LPF19,及び反転増幅
器20の制御回路を構成する部分が、EbやVomに比
べて遥かに低い電圧だけで動作するので、電力的に有利
であり、かつIC化の際も有利である。
【0031】また、図3に示す演算増幅器21の非反転
端子の電圧値によって水平振幅が変えられるということ
は、この電圧を垂直周期の波形でダイナミックに変動さ
せれば、画像の左右端の歪みが補正できることを意味す
る。即ち、図6に示すように、演算増幅器21の非反転
端子に、結合コンデンサ28を通して垂直周期の波形V
pbを加えれば良い。例えば、図6に示すように、この
波形Vpbが垂直周期中央部で水平振幅を広げるいわゆ
るサイドピンクッション歪補正がなされる。また、さら
に、多種の水平偏向周波数に対応する場合、各周波数モ
ードに合わせて水平振幅を変えてやる必要がある場合が
多い。その場合はやはり図6に示すように、非反転端子
に加える第2の基準電圧Es2を得るのに、ポテンシオ
メータで直流電圧Eを分圧するのではなく、それぞれの
周波数モードに合わせたプリセット値を生成する回路2
9を設け、周波数制御信号fに応じて最適なEs2を加
えるようにすれば良い。
【0032】図7は本発明の具体的な回路の一例を示す
図である。ここで、図1での電子スイッチ17はD型の
MOSFET30であり、このゲートがソースに対して
負になると、ソース・ドレイン間が導通する。従って、
ここでは図示しない波形発生回路からの励振パルスVd
は、この条件に合致してtoff期間でソース電圧、即
ち電源Ebに等しいか、若干正で、ton期間でこれよ
り適宜負になるように設定されているものとする。LP
F19はここでは抵抗23とコンデンサ25で構成され
る。抵抗22は帰還抵抗であり、これと抵抗23の値の
設定によって反転増幅器20の増幅度を設定でき、演算
増幅器21の出力には前述したような電圧Eiが得られ
る。さらに、変調回路12は第1のトランジスタ31と
第2のトランジスタ32からなる。ここで、36は第1
のトランジスタ31のベース入力抵抗、33はコレクタ
抵抗、34,35は帰還用抵抗、37は電流制限抵抗、
Eは直流電源電圧である。
【0033】このようにして、結合コンデンサ28の一
端に垂直周期のパラポラ状波形Vpbを加えると、第2
のトランジスタ32のコレクタ電圧はVpbに応じて変
動し、コンデンサ11の電圧Emodは垂直パラボラ波
形で変調される。従って、先に説明したように水平振幅
は画像の上下端で縮み、中央部で伸びるような補正、即
ちサイドピンクッション歪の補正がなされる。また、電
圧Eiは、前述したように負荷電流Iaの変動に合わせ
て増減し、この変化によって、コンデンサ11の直流電
圧レベルも増減する。従って、先の説明から明らかなよ
うに、増幅器20の増幅度を適宜設定すれば、電圧Vo
mが上昇してもそれに合わせてコンデンサ11の電圧E
modの直流分が上昇し、その結果、図5で説明したS
字補正コンデンサ7の電圧Vsの値は変わらず、水平振
幅が一定に保たれることになる。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1及
び請求項2に示す本発明の水平偏向高圧発生回路は、高
圧負荷電流の変化に対して高圧を一定に保つと同時に、
水平偏向電流も一定に保つことができ、画像の明るさと
無関係に画像の大きさが一定化される。また、電源電圧
変動やその他のドリフトに対しても、高圧出力及び水平
振幅が安定化される。さらに、その制御を行う回路は低
電力で構成でき、IC化にも好適である.また、請求項
3に示す本発明の水平偏向高圧発生回路は、さらに容易
に画像の左右端に発生するサイドピンクッション歪みを
補正することができる。また、請求項4に示す本発明の
水平偏向高圧発生回路は、さらに多種の水平周波数に対
応したディスプレイ機器において、各周波数モードに合
わせて水平振幅を変えることができるという実用上極め
て優れた効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平偏向周期に同期したパルスに応じてス
    イッチング動作を行う水平出力トランジスタと、 前記水平出力トランジスタに並列に接続され、且つ各々
    に共振コンデンサを並列に接続した複数個のダンパーダ
    イオードの直列回路と、 一方の端子を前記水平出力トランジスタのコレクタ端子
    に接続し、他方の端子を前記ダンパーダイオード間の接
    続端子に接続した水平偏向コイルとS字補正コンデンサ
    との直列回路と、 一次巻線の一方の端子を前記水平出力トランジスタのコ
    レクタ端子に接続し、二次巻線に受像管の陽極用高圧を
    生成する高圧整流ダイオードを接続したフライバックト
    ランスと、 電源と接地との間に、電子スイッチとフライホイールダ
    イオードとの直列回路を接続し、前記電子スイッチより
    出力される方形波電圧もしくはこの平均値電圧を、前記
    フライバックトランスの一次巻線の他方の端子に供給す
    るチョッパーレギュレータ回路と、 前記複数個のダンパーダイオードの接続点と接地との間
    に接続されたチョークコイルと変調コンデンサとの直列
    回路と、 前記電子スイッチより出力される方形波電圧と逆の極性
    を有し、前記電子スイッチのオン・オフ制御を行う励振
    波形を出力する波形発生回路とからなる水平偏向高圧発
    生回路において、 前記陽極用高圧を分圧した電圧と第1の基準電圧を比較
    して、陽極用高圧が一定となるように、前記波形発生回
    路より出力される励振波形のデューティサイクルを制御
    する第1の制御回路と、 前記波形発生回路より出力される励振波形を平均化した
    電圧と第2の基準電圧を比較して、前記水平偏向コイル
    を流れる電流が一定となるように、前記変調コンデンサ
    の両端電圧を制御する第2の制御回路とを備えたことを
    特徴とする水平偏向高圧発生回路。
  2. 【請求項2】前記第2の制御回路は、 前記励振波形を平均化した電圧にするローパスフィルタ
    と、 反転端子に前記平均化した電圧を入力し、非反転端子に
    基準電圧を入力する反転増幅器とを備え、 前記反転増幅器の出力電圧に比例して、前記変調コンデ
    ンサの両端電圧を制御し、前記水平偏向コイルを流れる
    電流が一定となるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の水平偏向高圧発生回路。
  3. 【請求項3】前記反転増幅器の非反転端子に入力する基
    準電圧に垂直偏向周期の波形を重畳することにより、画
    像の左右端に発生する歪みを補正することを特徴とする
    請求項2記載の水平偏向高圧発生回路。
  4. 【請求項4】前記反転増幅器の非反転端子に入力する基
    準電圧の値を、水平偏向周波数に応じて変化させること
    を特徴とする請求項2記載の水平偏向高圧発生回路。
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