JPH0727143U - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ

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JPH0727143U
JPH0727143U JP5979193U JP5979193U JPH0727143U JP H0727143 U JPH0727143 U JP H0727143U JP 5979193 U JP5979193 U JP 5979193U JP 5979193 U JP5979193 U JP 5979193U JP H0727143 U JPH0727143 U JP H0727143U
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anode
terminal
cathode
capacitor element
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JP5979193U
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Inventor
伸一 大橋
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マルコン電子株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動用電解液の蒸発状態で発生する凝縮液に
よって引き起こされる陽・陰極間での回路形成による腐
食断線不良をなくしたアルミニウム電解コンデンサの提
供。 【構成】 コンデンサ素子1の一方端面から導出した陽
極引出端子2及び陰極引出端子3の内、陽極引出端子2
のコンデンサ素子1導出根元部をコーティング材4で包
囲した後、陽極引出端子2及び陰極引出端子3の先端部
を、封口体5に固着したそれぞれ陽極外部端子6及び陰
極外部端子7にリベット8を介して接続した状態で金属
ケース10に収納し、金属ケース10の開口部を封口体
5にて密閉する。また他に陽極引出端子2及びリベット
部をコーティング材4で包囲した構造としたものも含
む。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、腐食防止上有効な構造を有するアルミニウム電解コンデンサ、特に 高圧級で大形のアルミニウム電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般化しているアルミニウム非固体電解コンデンサは、図3に示すように 一対の陽極・陰極箔相互間にクラフト紙又はマニラ紙からなるスペーサを介在し て巻回し、駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子21の一方端面から導出した 陽極引出端子22及び陰極引出端子23先端部を、封口体24に固着したそれぞ れ陽極外部端子25及び陰極外部端子26にリベット27を介して接続した状態 で、前記コンデンサ素子21を例えばアタックチックポリプロピレン又はピッチ 等からなる防振材28を介して円筒状のアルミニウムからなる金属ケース29に 収納され、前記金属ケース29の開口部を前記封口体24にて密閉したものから なっている。
【0003】 上記構成になるアルミニウム電解コンデンサは、種々の電子・電気機器に組込 み使用される訳であるが、中でも平滑作用に利用され、交流を整流して平滑な直 流とする場合、アルミニウム電解コンデンサにはリプル電流が流れ、その過程で コンデンサの内部損失によって発熱し、発熱が大きくなるコンデンサ素子21に 含浸した駆動用電解液が蒸発することになる。
【0004】 しかして、この駆動用電解液の蒸発現象は、上記構成になるアルミニウム電解 コンデンサのようにコンデンサ素子21の一方端面が、そのまま露出されている ため顕著であり、駆動用電解液成分の蒸発物が封口体24内面に結露状態で付着 することになる。
【0005】 この結露状態で付着した液、すなわち凝縮液の組成は、コンデンサ素子21に 含浸した駆動用電解液の組成とは大きく異なり薄いアンモニア溶液である。した がって、この薄いアンモニア溶液からなる凝縮液同志が繋がった場合、陽・陰極 間で回路を形成し電流が流れ、陽極引出端子22の材質であるアルミニウム及び リベット27部が溶解し、腐食断線に至る危険性を有し実用上大きな問題を抱え る結果となっていた。
【0006】 なお、腐食発生箇所は使用する駆動用電解液の種類で異なる。例えば駆動用電 解液がエチレングリコール(以下EGと称する)−有機酸塩系の場合、PHが1 0程度で腐食性が比較的強いため、凝縮液がリベット27部に付着した状態で凝 縮液を介して陽極と陰極間に回路を形成して電流が流れ、リベット27部が優先 的に腐食状態となり、この腐食の進行によって陽極引出端子22をも腐食に至ら しめる。また、例えば駆動用電解液としてEG−(有機酸塩+硝酸塩)系の場合 、PHが8程度で腐食性が比較的弱いため、凝縮液がリベット27部に付着した 状態でリベット27部の腐食は起こらず、凝縮液はリベット27部を通過して陽 極引出端子22を伝わり陽極引出端子22のコンデンサ素子21導出根元部に集 中し、その部分が腐食する。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
以上のように前述した従来技術によるアルミニウム電解コンデンサは、リプル 電流により発熱が大きくなった場合、封口体内面に発生した駆動用電解液の凝縮 液により陽極引出端子やリベットを構成するアルミニウムが腐食し、断線に至る 致命的な問題を誘発する結果となっていた。
【0008】 本考案は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は、リプル 電流による発熱大に伴う駆動用電解液の凝縮液発生となったとしても、陽極引出 端子やリベットの腐食を防止し、断線不良に至る問題を解消できる信頼性の高い アルミニウム電解コンデンサを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本考案によるアルミニウム電解コンデンサは、任意な箇所に陽極引出端子を取 着した陽極箔と任意な箇所に陰極引出端子を取着した陰極箔間にスペーサを介在 し巻回し駆動用電解液含浸してなるコンデンサ素子を防振材と共に金属ケースに 収納し、この金属ケース開口部を前記陽極引出端子及び陰極引出端子をそれぞれ リベットを介して接続した陽極外部端子及び陰極外部端子を固着した封口体にて 密閉してなるアルミニウム電解コンデンサにおいて、少なくとも前記陽極引出端 子のコンデンサ素子根元部分が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂 等のコーティング材で包囲されていることを特徴とするものである。
【0010】 また、前記陽極引出端子のコンデンサ素子根元部から前記陽極外部端子との接 続となるリベット部までを、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の コーティング材で包囲されていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
以上のような構成になるアルミニウム電解コンデンサよれば、リプル電流によ る発熱大に伴う駆動用電解液の凝縮液発生となったとしても、凝縮液が集中する 陽極引出端子のコンデンサ素子導出根元部が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、 エポキシ樹脂等のコーティング材で包囲されているため、陽極引出端子のコンデ ンサ素子導出根元部を腐食することはない。また、他の構造として、凝縮液付着 によって回路形成となり電流が流れる一方極の陽極引出端子接続部となるリベッ トから陽極引出端子のコンデンサ素子根元部が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂 、エポキシ樹脂等のコーティング材で包囲されているため、リベット部からの腐 食発生はない。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の実施例につき図面を参照して説明する。すなわち、図1に示す ように、一対の陽極・陰極箔相互間にクラフト紙又はマニラ紙からなるスペーサ を介在して巻回し、例えばEG−(有機酸塩+硝酸塩)系からなる駆動用電解液 を含浸したコンデンサ素子1を形成し、次にこのコンデンサ素子1の一方端面か ら導出した陽極引出端子2及び陰極引出端子3の内、陽極引出端子2のコンデン サ素子1導出根元部を、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のコー ティング材4で包囲した後、前記陽極引出端子2及び陰極引出端子3の先端部を 、封口体5に固着したそれぞれ陽極外部端子6及び陰極外部端子7にリベット8 を介して接続した状態で、前記コンデンサ素子1を例えばアタックチックポリプ ロピレン又はピッチ等からなる防振材9を介して円筒状のアルミニウムからなる 金属ケース10に収納され、前記金属ケース10の開口部を前記封口体5にて密 閉してなるものである。
【0013】 以上のように構成してなるアルミニウム電解コンデンサの使用中において、リ プル電流が流れ発熱し、この発熱が大きくなりコンデンサ素子1に含浸した駆動 用電解液が蒸発し、凝縮液発生となったとしても、結果として凝縮液が集中する 陽極引出端子2のコンデンサ素子1導出根元部は、シリコーン樹脂、ウレタン樹 脂、エポキシ樹脂等のコーティング材で包囲されているため、陽極引出端子2の コンデンサ素子1導出根元部が腐食することはなく、この部分の断線の危険性は 解消される。
【0014】 なお、上記実施例では、駆動用電解液としてEG−(有機酸塩+硝酸塩)系の ものを用いたため、コーティング材での包囲箇所として、陽極引出端子2のコン デンサ素子1導出根元部としたものを例示して説明したが、駆動用電解液として エチレングリコール−有機酸塩系のものの場合は、EG−(有機酸塩+硝酸塩) 系からなる駆動用電解液と比較して腐食性が強いため、図2に示すように、図1 を例示して説明した上記実施例と駆動用電解液の組成を除き同様の手段で形成し たコンデンサ素子1の一方端面から導出した陽極引出端子2及び陰極引出端子3 の内、陽極引出端子2全体を封口体5に固着した陽極外部端子6との接続箇所と なるリベット8部を含めてシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のコ ーティング材4で包囲することによって、使用中リプル電流が流れ発熱し、この 発熱が大きくなりコンデンサ素子1に含浸した駆動用電解液が蒸発し、凝縮液発 生となったとしても、腐食断線の危険性は解消される。
【0015】 次に、本考案に基づく実施例と、参考例及び従来例との特性比較について述べ る。すなわち、アルミニウム陽極箔と陰極箔を用い、公知の手段で形成したコン デンサ素子を用い、表1に示すコーティング構成及び駆動用電解液構成とした実 施例A、実施例B、参考例C、従来例D、従来例Eそれぞれのアルミニウム電解 コンデンサの85℃、50Hz、リプル電流3Aの条件下での2000h寿命試 験後における腐食状況を調査した結果、表2に示す通りであった。
【0016】 なお、コーティング材は、シリコーン樹脂(東芝シリコーン製 TSE322 )を用い、試料それぞれ10個で定格はいずれも450V−220μFである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】 表2から明らかなように、従来例Dのもは全数、従来例Eのものは4/10個 腐食断線に至る致命的な欠点の誘発となったのに対して、実施例A及び実施例B のものは、腐食断線は皆無で、高い凝縮液発生による腐食防止効果を実証した。
【0020】 なお、上記実験例では、コーティング材としてシリコーン樹脂に限定して説明 したが、シリコーン樹脂に代え、ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂を用いたもので も同様の効果を奏する。
【0021】
【考案の効果】
本考案によれば、少なくとも陽極引出端子のコンデンサ素子導出根元部、又は 陽極引出端子及びリベット部がコーティング材で包囲されているため、リプル電 流が流れ、その過程でコンデンサの内部損失により発熱し、駆動用電解液成分が 蒸発して凝縮液発生となったとしても、陽・陰極間に回路が形成されることなく 、腐食断線の危険性のない実用的価値の高いアルミニウム電解コンデンサを得る ことができる。
【提出日】平成6年7月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】 なお、腐食発生箇所は使用する駆動用電解液の種類で異なる。例えば駆動用電 解液がエチレングリコール(以下EGと称する)−有機酸塩系の場合、PHが1 0程度で腐食性が比較的強いため、凝縮液がリベット27部に付着した状態で凝 縮液を介して陽極と陰極間に回路を形成して電流が流れ、リベット27部が優先 的に腐食状態となり、この腐食の進行によって陽極引出端子22をも腐食に至ら しめる。また、例えば駆動用電解液としてEG−(有機酸塩+硼酸塩)系の場合 、PHが8程度で腐食性が比較的弱いため、凝縮液がリベット27部に付着した 状態でリベット27部の腐食は起こらず、凝縮液はリベット27部を通過して陽 極引出端子22を伝わり陽極引出端子22のコンデンサ素子21導出根元部に集 中し、その部分が腐食する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【実施例】
以下、本考案の実施例につき図面を参照して説明する。すなわち、図1に示す ように、一対の陽極・陰極箔相互間にクラフト紙又はマニラ紙からなるスペーサ を介在して巻回し、例えばEG−(有機酸塩+硼酸塩)系からなる駆動用電解液 を含浸したコンデンサ素子1を形成し、次にこのコンデンサ素子1の一方端面か ら導出した陽極引出端子2及び陰極引出端子3の内、陽極引出端子2のコンデン サ素子1導出根元部を、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のコー ティング材4で包囲した後、前記陽極引出端子2及び陰極引出端子3の先端部を 、封口体5に固着したそれぞれ陽極外部端子6及び陰極外部端子7にリベット8 を介して接続した状態で、前記コンデンサ素子1を例えばアタックチックポリプ ロピレン又はピッチ等からなる防振材9を介して円筒状のアルミニウムからなる 金属ケース10に収納され、前記金属ケース10の開口部を前記封口体5にて密 閉してなるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 なお、上記実施例では、駆動用電解液としてEG−(有機酸塩+硼酸塩)系の ものを用いたため、コーティング材での包囲箇所として、陽極引出端子2のコン デンサ素子1導出根元部としたものを例示して説明したが、駆動用電解液として エチレングリコール−有機酸塩系のものの場合は、EG−(有機酸塩+硼酸塩) 系からなる駆動用電解液と比較して腐食性が強いため、図2に示すように、図1 を例示して説明した上記実施例と駆動用電解液の組成を除き同様の手段で形成し たコンデンサ素子1の一方端面から導出した陽極引出端子2及び陰極引出端子3 の内、陽極引出端子2全体を封口体5に固着した陽極外部端子6との接続箇所と なるリベット8部を含めてシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のコ ーティング材4で包囲することによって、使用中リプル電流が流れ発熱し、この 発熱が大きくなりコンデンサ素子1に含浸した駆動用電解液が蒸発し、凝縮液発 生となったとしても、腐食断線の危険性は解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係わる電解コンデンサを示
す正断面図。
【図2】本考案の他の実施例に係わる電解コンデンサを
示す正断面図。
【図3】従来例に係わる電解コンデンサを示す正断面
図。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 陽極引出端子 3 陰極引出端子 4 コーティング材 5 封口体 6 陽極外部端子 7 陰極外部端子 8 リベット 9 防振材 10 金属ケース

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意な箇所に陽極引出端子を取着した陽
    極箔と任意な箇所に陰極引出端子を取着した陰極箔間に
    スペーサを介在し巻回し駆動用電解液含浸してなるコン
    デンサ素子を防振材と共に金属ケースに収納し、この金
    属ケース開口部を前記陽極引出端子及び陰極引出端子を
    それぞれリベットを介して接続した陽極外部端子及び陰
    極外部端子を固着した封口体にて密閉してなるアルミニ
    ウム電解コンデンサにおいて、少なくとも前記陽極引出
    端子のコンデンサ素子根元部分が、シリコーン樹脂、ウ
    レタン樹脂、エポキシ樹脂等のコーティング材で包囲さ
    れていることを特徴とするアルミニウム電解コンデン
    サ。
  2. 【請求項2】 任意な箇所に陽極引出端子を取着した陽
    極箔と任意な箇所に陰極引出端子を取着した陰極箔間に
    スペーサを介在し巻回し駆動用電解液含浸してなるコン
    デンサ素子を防振材と共に金属ケースに収納し、この金
    属ケース開口部を前記陽極引出端子及び陰極引出端子を
    それぞれリベットを介して接続した陽極外部端子及び陰
    極外部端子を固着した封口体にて密閉してなるアルミニ
    ウム電解コンデンサにおいて、前記陽極引出端子のコン
    デンサ素子根元部から前記陽極外部端子との接続となる
    リベット部までを、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エ
    ポキシ樹脂等のコーティング材で包囲されていることを
    特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
JP5979193U 1993-10-07 1993-10-07 アルミニウム電解コンデンサ Pending JPH0727143U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006120808A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Nichicon Corp 電解コンデンサ
JP2013058507A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Hitachi Aic Inc アルミニウム電解コンデンサ
WO2018079358A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサ

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