JPH072705A - フルオレンの精製方法 - Google Patents

フルオレンの精製方法

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JPH072705A
JPH072705A JP20268191A JP20268191A JPH072705A JP H072705 A JPH072705 A JP H072705A JP 20268191 A JP20268191 A JP 20268191A JP 20268191 A JP20268191 A JP 20268191A JP H072705 A JPH072705 A JP H072705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorene
fraction
methanol
content
dibenzofuran
Prior art date
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Pending
Application number
JP20268191A
Other languages
English (en)
Inventor
Masafumi Sekino
雅史 関野
Yumi Nakai
由美 中居
Ryozo Shimizu
良三 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ADO KEMUKO KK
Original Assignee
ADO KEMUKO KK
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Publication of JPH072705A publication Critical patent/JPH072705A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フルオレンを含有するコールタール留分を蒸
留して、フルオレン含有量が60wt%以上でかつジベンゾ
フラン含有量が3wt%以下のフルオレン画分を得、該フ
ルオレン画分にメタノールを加え、その後固液分離する
ことを特徴とするフルオレンの精製方法。 【効果】 不純物のうち、ジベンゾフランは晶析により
除去し、その他のものはメタノールへの溶解度が大きい
ことを利用してフルオレンの高純度品を得ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タール留分からフルオ
レンを高純度かつ高収率で取得する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】コールタールにはナフタレン等の各種有
用物質が含まれており、これらが分離されて有効利用さ
れている。フルオレンも93〜95%の純度の製品が樹脂や
農薬等の原料に利用されている。フルオレンはb.p293
℃、m.p115℃の白色結晶でタール留分では吸収油中に比
較的多く含まれている。吸収油を蒸留すると、容易にフ
ルオレン60wt%以上の留分が得られるが、沸点の近いメ
チルビフェニルやメチルジベンゾフランが多量に含まれ
るため、蒸留のみで高純度のフルオレンを製造するのは
困難である。そこで、蒸留により純度を高めたフルオレ
ンを溶剤を使用しない連続晶析により精製する方法が開
発されている(特開昭57−98220号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来法において
は、製品の経時着色や窒素、硫黄含有量が高い、固液分
離が困難、回収率が低い等の問題があった。すなわち、
極力下げることが望ましい窒素、硫黄に対する検討がな
されていないばかりでなく、蒸留により純度を高めた留
分を通常行われる晶析遠心分離法で処理する方法は母液
の粘度が高いため分離が困難である。この方法で不純物
を適当に溶解する溶媒で結晶を洗浄する方法もあるが、
これは収率が低いとされてきた。
【0004】本発明は、これらの問題を解決して高回収
率で低窒素、低硫黄のフルオレンを容易に得る方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するべくなされたものであり、コールタール留分を蒸
留してフルオレン含有量とジベンゾフラン含有量を指標
としてフルオレン画分を分画し、このフルオレン画分を
メタノール晶析することによって、上記目的を達成しう
ることを見出してなされたものである。
【0006】すなわち、本発明はフルオレンを含有する
コールタール留分を蒸留して、フルオレン含有量が60wt
%以上でかつジベンゾフラン含有量が3wt%以下のフル
オレン画分を得、該フルオレン画分にメタノールを加
え、その後固液分離することを特徴とするフルオレンの
精製方法に関するものである。
【0007】フルオレン画分はフルオレンを含有するコ
ールタール留分を蒸留して得られるものであり、フルオ
レン含有量が60重量%以上、通常60〜90重量%程度、特
に70〜80重量%程度であり、ジベンゾフラン含有量が3
重量%以下、通常3〜0.5重量%程度、特に1〜0.5重量
%程度である。ジベンゾフランが3重量%を越えると本
発明の方法で精製してもジベンゾフランの残留量が問題
になるからである。その他の成分としてはメチルビフェ
ニル、メチルジベンゾフラン等であり、着色成分となる
硫黄分、窒素分等も含まれている。
【0008】メタノールの添加量は、フルオレン画分10
0重量部に対し50〜300重量部程度、特に100〜200重量部
程度が適当である。メタノールの添加時期はフルオレン
画分が固体でも溶融状態でも良い。添加方法は特に困難
は無く、通常は適宜攪拌しながら一気に添加すれば良
い。フルオレンは低温ではメタノールにほとんど溶けな
いが、加熱すると溶解するようになる。しかしながら、
溶解度はそれ程大きくはならず、従って本発明の方法に
おいてはメタノール層とフルオレン画分の分層状態にな
り、フルオレン結晶は下層であるフルオレン画分に沈殿
する。精製効果を高めるために、加熱するのがよい。加
熱温度は40℃〜沸点が適当である。固液分離前に混合物
を冷却することにより、フルオレンの回収率を高めるこ
とができるが、冷却しすぎると純度が低下するので冷却
する場合にも室温までにとどめるのがよい。
【0009】固液分離は遠心分離、濾過等の公知の手段
で行えばよい。分離した結晶は、メタノール等で洗浄す
ることが望ましい。一方、母液及び結晶洗浄液は蒸留等
によりメタノールを回収し、残渣はその純度に応じて製
造工程の適宜部位にリサイクルする。リサイクルを行う
ことが適当でない純度のもの、あるいは母液を一定割合
で引抜くことによって製造工程における純度悪化を防止
することはいうまでもない。
【0010】分離した結晶は、固形物純度で93%以上、
通常95%以上であり、乾燥してそのまま製品結晶とする
ことができる。
【0011】
【作用】フルオレン画分に含まれるジベンゾフラン以外
の不純物はフルオレンに比較して低融点の化合物やヘテ
ロ化合物のため、メタノールに対する溶解度がフルオレ
ンのそれより大きいものと推定される。従って、ジベン
ゾフランの含有率を管理するとともにメタノールの存在
下で晶析を行うことにより、これら不純物の結晶への取
り込みを無くし、また結晶に付着する母液の不純物濃度
を低下させて、結晶純度の向上に付与している。
【0012】
【実施例】
実施例1 タール留分から蒸留により得た吸収油をさらに蒸留して
表1に記載した組成のフルオレン濃度を高めた原料を作
成した。この原料100重量部にメタノール100重量部を加
え、60℃に加熱し一部を溶解した。その後、吸引ろ過器
により固液分離して60℃に予熱したメタノール200重量
部で結晶を洗浄した。固相のメタノールを除いた残りは
66重量部であり、その分析結果を表1に掲げた。このよ
うに、簡単な操作で高純度で窒素および硫黄含有量が低
いフルオレンが得られた。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2 実施例1と同様の操作で固液分離および結晶の洗浄温度
を45℃で行った結果を表2に掲げた。実施例1と比較し
て、純度は同程度でフルオレン回収率は高い。
【0015】
【表2】
【0016】比較例1 実施例1と同じ原料を使用して、溶剤を添加しないで原
料を融解させた後冷却したところ、母液の粘度が高いた
め固液分離が困難であった。 比較例2 原料のジベンゾフラン濃度が14.3%のものを使用して実
施例1、2と同様な方法で試験した結果を表3に掲げ
た。原料中のジベンゾフランが処理後も残るためフルオ
レンの純度が向上しない。
【0017】
【表3】
【0018】比較例3 原料のジベンゾフラン濃度が7.6%のものを使用して実
施例1、2と同様な方法で試験した結果を表4に掲げ
た。比較例2と同様、原料中のジベンゾフランが処理後
も残るためフルオレンの純度が向上しない。
【0019】
【表4】
【0020】比較例4 溶剤をn-ヘプタンに変えて実施例1、2と同様な方法で
試験した結果を表5に掲げた。実施例1、2と比較して
純度は高いものの十分なフルオレン回収率が得られてい
ない。
【0021】
【表5】
【0022】
【発明の効果】以上の様に、この発明によればジベンゾ
フラン含有量を1wt%以下に調整したフルオレンを含む
結晶にメタノールを加え固液分離することにより、従来
の晶析法では得られなかった高回収率で高純度のフルオ
レンを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオレンを含有するコールタール留分
    を蒸留して、フルオレン含有量が60wt%以上でかつジベ
    ンゾフラン含有量が3wt%以下のフルオレン画分を得、
    該フルオレン画分にメタノールを加え、その後固液分離
    することを特徴とするフルオレンの精製方法。
JP20268191A 1991-08-13 1991-08-13 フルオレンの精製方法 Pending JPH072705A (ja)

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JP20268191A JPH072705A (ja) 1991-08-13 1991-08-13 フルオレンの精製方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012114144A1 (en) * 2011-02-25 2012-08-30 Litwin Method for obtaining fluorene by crystallization from the melt

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012114144A1 (en) * 2011-02-25 2012-08-30 Litwin Method for obtaining fluorene by crystallization from the melt
CN103732565A (zh) * 2011-02-25 2014-04-16 索里奥斯化学公司 用于通过从熔体中结晶获得芴的方法

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