JPH07270165A - 振動ジャイロ装置 - Google Patents

振動ジャイロ装置

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Publication number
JPH07270165A
JPH07270165A JP6064069A JP6406994A JPH07270165A JP H07270165 A JPH07270165 A JP H07270165A JP 6064069 A JP6064069 A JP 6064069A JP 6406994 A JP6406994 A JP 6406994A JP H07270165 A JPH07270165 A JP H07270165A
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JP
Japan
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transducers
transducer
output
angular velocity
signal
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Withdrawn
Application number
JP6064069A
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English (en)
Inventor
Shigeki Sano
茂樹 佐野
Takayuki Kobayashi
隆幸 小林
Takeo Yokoyama
武男 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
Application filed by Showa Electric Wire and Cable Co filed Critical Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度変動などの環境変化があっても振動ジャイ
ロの感度を一定にしてジャイロ特性を向上させる。 【構成】振動子に少なくとも一対のトランスデューサ
2、3からx軸方向に振動を加え、z軸回りに角速度Ω
を受けたときにy軸方向に発生するコリオリの力により
起きる振動をトランスデューサから検知することによ
り、角速度を測定する振動ジャイロ装置であって、トラ
ンスデューサに入力抵抗R1、R2をそれぞれ直列接続
し、駆動信号を入力抵抗を介してトランスデューサに印
加し、トランスデューサに現われる電圧を差動増幅して
角速度の検出信号を生成する差動増幅器A2と、トラン
スデューサに現われる電圧に応じて増幅度を調整するゲ
イン調整増幅器A4とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動ジャイロ装置に関
し、特に、温度変動などの環境変化があっても振動ジャ
イロの感度を一定にしてジャイロ特性を向上させた振動
ジャイロ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来から、カメラの手振れ防止、飛行
体、船舶、車両、ロボット等の各種運動体の位置、姿勢
制御、カーナビゲーション等に適した角速度を測定する
振動ジャイロとして、図9(a)、(b)に示すよう
に、x0軸方向に運動している物体にz0軸回りに角速度
Ωが加わるとy0軸方向にコリオリFcの力が発生するこ
とが知られている。
【0003】この原理を利用して、支持ピン20で支持
された屈曲振動子21をx0軸面21x0に貼着された駆
動用トランスデューサ22によりx0軸方向に屈曲振動
を起こさせて速度を与え、z0軸回りに角速度Ωを受け
たときにy0軸方向に発生するコリオリの力Fcにより起
きる屈曲振動をy0軸面21y0に貼着された検出用トラ
ンスデューサ23により検知することにより、この角速
度Ωを測定する技術が提案されている。
【0004】振動ジャイロをその振動子に着目すれば音
叉型や図示のような音片型等色々の種類があるが、何れ
も振動子21に駆動用トランスデューサ22によりx0
軸方向に屈曲運動の振動を起こさせ、z0軸回りに角速
度Ωを受けたときにy0軸方向に発生するコリオリの力
Fcにより起きる振動を検出用トランスデューサ23に
より検知し、角速度Ωを測定するものである。
【0005】この振動ジャイロ装置において、トランス
デューサの駆動信号および角速度の検出信号を生成する
駆動・検出回路が図10に示すように提案されている。
この振動ジャイロ装置の駆動・検出回路は、振動子21
(図9(a)、(b))に一対のトランスデューサ2
2、23からx0軸方向に振動を加え、z0軸回りに角速
度Ωを受けたときにy0軸方向に発生するコリオリの力
により起きる振動を一対のトランスデューサ22、23
から検知することにより、角速度を測定するものであ
る。
【0006】これらの一対のトランスデューサ22、2
3には駆動信号Vinが印加される入力抵抗R21、R22
それぞれ直列接続されている。トランスデューサ22お
よび入力抵抗R21の接続点とトランスデューサ23およ
び入力抵抗R22の接続点との間にはポテンショメータ抵
抗R23が接続されている。ポテンショメータ抵抗R23
摺動端子は入力抵抗R24を介して演算増幅器A6の+端
子に接続され、駆動信号Vinが印加される入力抵抗
21、R22の接続点は抵抗R27を介して演算増幅器A6
の−端子に接続されている。演算増幅器A6の+端子は
抵抗R25により基準電圧が設定され、演算増幅器A6
出力側は抵抗R26を介して入力側に帰還されている。演
算増幅器A6の出力側はローパスフイルタ又はバンドパ
スフイルタF、移相器Sを介して入力抵抗R21、R22
駆動信号Vinとして正帰還する自励発振ループ回路LP
が形成されている。なお、この移相器7は必ずしも必要
ではなく、位相条件が合うようにフイルタを付加するこ
とにより位相を調整して正帰還させるようにしてもよ
い。
【0007】一方、トランスデューサ22および入力抵
抗R21の接続点とトランスデューサ23および入力抵抗
22の接続点とはそれぞれ抵抗R28、R29を介して差動
増幅器A7の+端子、−端子に接続されている。差動増
幅器A7の+端子は、抵抗R30により基準電圧が設定さ
れ、演算増幅器A7の出力側は抵抗R31を介して入力側
に帰還されている。
【0008】この構成の振動ジャイロ装置において、駆
動時におけるトランスデューサ22、33に現われる電
圧をVm、角速度Ωが加わったときコリオリの力により
発生する電圧をVcとすれば、両入力抵抗R21、R22
らの出力信号V1、V2は V1=Vm+Vc V2=Vm−Vc となる。この両トランスデューサ22、23に現われる
出力信号V1、V2は、ポテンショメータ抵抗R23の摺動
端子で出力信号V1、V2の和の平均値信号(V1+V2
/2=Vmが得られる。この平均値信号Vmと抵抗R27
介して印加される駆動信号Vinは差信号として差動増幅
器A6で増幅される。なお、差動増幅器A6はその出力が
一定レベルになるような飽和特性を有している。この差
動増幅器A6からの一定レベルの出力はローパスフイル
タ又はバンドパスフイルタFで振動子21の直列共振点
の基本波だけを振動させオーバートーンが振動しないよ
うにし、移相器Sで位相を調整して入力抵抗R21、R22
に駆動信号Vinとして正帰還させる。この自励発振ルー
プ回路LPにより振動子21が実質的に直列共振する共
振周波数で振動子1を駆動する駆動回路を構成すること
ができる。このようにしてトランスデューサ2、3の駆
動信号を得ることができる。
【0009】一方、両トランスデューサ22、23に現
われる出力信号V1、V2は、差動増幅器A7で差動増幅
され差信号、即ち V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成され、出力端子Mで
表示される。このようにして角速度の検出信号を測定す
ることができる。
【0010】また、トランスデューサの駆動信号および
角速度の検出信号を生成する他の振動ジャイロ装置の駆
動・検出回路の変形例が図11に示すように提案されて
いる。一対のトランスデューサ22、23には、駆動信
号Vinが印加される入力抵抗R21、R22がそれぞれ直列
接続されている。トランスデューサ22および入力抵抗
21の接続点とトランスデューサ23および入力抵抗R
22の接続点との間にはポテンショメータ抵抗R23が接続
されている。ポテンショメータ抵抗R23の摺動端子は入
力抵抗R24を介して演算増幅器A8の−端子に接続さ
れ、演算増幅器A7の+端子は抵抗R25により基準電圧
が設定され、演算増幅器A8の出力側は抵抗R26を介し
て入力側に帰還されている。演算増幅器A8の出力側は
ローパスフイルタ又はバンドパスフイルタF、移相器S
を介して入力抵抗R21、R22に駆動信号Vinとして正帰
還する自励発振ループ回路LPが形成されている。な
お、この移相器7は必ずしも必要ではなく、位相条件が
合うようにフイルタを付加することにより位相を調整し
て正帰還させるようにしてもよい。
【0011】一方、トランスデューサ22および入力抵
抗R21の接続点とトランスデューサ23および入力抵抗
22の接続点とは、それぞれ抵抗R28、R29を介して差
動増幅器A7の+端子、−端子に接続されている。差動
増幅器A7の+端子は抵抗R30により基準電圧が設定さ
れ、演算増幅器A7の出力側は抵抗R31を介して入力側
に帰還されている。
【0012】このように構成された振動ジャイロ装置に
おいて、駆動時におけるトランスデューサ2、3の駆動
時の電圧をVm、角速度Ωが加わったときコリオリの力
により発生する電圧をVcとすれば、両トランスデュー
サ2、3に現われる出力信号V1、V2は前述したように V1=Vm+Vc V2=Vm−Vc となる。この両トランスデューサ22、23に現われる
出力信号V1、V2はポテンショメータ抵抗R23の摺動端
子で出力信号V1、V2の和の平均値信号(V1+V2)/
2=Vmが得られる。この平均値信号Vmは演算増幅器A
8で増幅される。なお、演算増幅器A8はその出力が一定
レベルになるような飽和特性を有している。演算増幅器
8からの一定レベルの出力は、ローパスフイルタ又は
バンドパスフイルタFで振動子21の並列共振点の基本
波だけを振動させオーバートーンが振動しないように
し、移相器Sで位相を調整して入力抵抗R21、R22に駆
動信号Vinとして正帰還させる。この自励発振ループ回
路LPにより振動子21が実質的に並列共振する共振周
波数で振動子21を駆動する駆動回路を構成することが
できる。このようにしてトランスデューサ22、23の
駆動信号を得ることができる。
【0013】一方、両トランスデューサに現われる出力
信号V1、V2は差動増幅器A7で差動増幅され差信号、
即ち V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成され、出力端子Mで
表示される。このようにして角速度の検出信号を測定す
ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような駆動・検出
回路を備えた振動ジャイロを使用する上での諸特性のな
かで、振動ジャイロの温度ドリフト、即ち温度変動によ
って無回転時の出力が変動すると共に、回転時の感度も
大幅に低下するという問題がある。これらの原因は温度
変動によって振動ジャイロの共振周波数やメカニカルQ
が変化することによるものである。
【0015】従来から、温度特性を改善する試みとし
て、屈曲振動子の材料である恒弾性金属や接着剤、
振動を駆動、検出する圧電素子等の振動ジャイロを構成
する各種材料自体の温度特性を向上させることや、これ
らの材料間の組合せ等を適宜選択して全体として温度特
性を向上させる手法が用いられている。しかしながら、
これらの手法では次のような難点がある。
【0016】(a)充分な温度特性を呈する振動ジャイ
ロを構成する材料を得ることは困難である。 (b)同一材料を使用しても個体間のばらつきやロット
間のばらつきが存在し、これらのばらつきを抑制するこ
とは困難である。 (c)図12に例示するように、使用環境の多様な変化
に亘る温度範囲により温度特性の良否に差があることが
多く、これらを補正するのが困難である。
【0017】(d)材料の温度特性は経時的に変化する
傾向があり、これらを抑制することが困難である。
【0018】
【目的】本発明は叙上の難点に鑑みなされたもので、そ
の目的は、温度変動などの環境変化があっても振動ジャ
イロの出力や感度を一定にしてジャイロ特性を向上させ
た振動ジャイロ装置を提供せんとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の振動ジャイロ装置は、振動子に少なくとも一
対のトランスデューサからx軸方向に振動を加え、z軸
回りに角速度Ωを受けたときにy軸方向に発生するコリ
オリの力により起きる振動を一対のトランスデューサか
ら検知することにより、角速度を測定する振動ジャイロ
装置であって、トランスデューサに入力抵抗を直列接続
して駆動信号を当該入力抵抗を介して印加し、各トラン
スデューサの出力側に当該トランスデューサからの出力
信号を差動増幅して角速度検出信号を形成する差動増幅
器と、この差動増幅器の出力側に設けられ各トランスデ
ューサからの出力信号の和の平均値信号に応じて角速度
検出信号を可変増幅制御するゲイン調整増幅器とを備え
たものである。
【0020】また、本発明の振動ジャイロ装置は、振動
子に少なくとも一対のトランスデューサからx軸方向に
振動を加え、z軸回りに角速度Ωを受けたときにy軸方
向に発生するコリオリの力により起きる振動を一対のト
ランスデューサから検知することにより、角速度を測定
する振動ジャイロ装置であって、トランスデューサに入
力抵抗を直列接続して駆動信号を当該入力抵抗を介して
印加し、各トランスデューサの出力側に当該トランスデ
ューサからの出力信号を入力すると共に、各出力信号の
電圧値を可変増幅制御するゲイン調整増幅器をそれぞれ
設け、その出力側に出力信号をそれぞれ入力して角速度
検出信号を形成する差動増幅器を設けたものである。
【0021】
【作用】この振動ジャイロ装置によれば、トランスデュ
ーサから振動子にx軸方向に振動を加え、z軸回りに角
速度Ωを受けたときにy軸方向に発生するコリオリの力
により起きる振動をトランスデューサから検知すること
により、角速度が測定される。
【0022】トランスデューサに入力抵抗が直列接続さ
れ、駆動信号が入力抵抗を介してトランスデューサに印
加される。トランスデューサに現われる出力信号は差動
増幅器により差動増幅されて角速度の検出信号が生成さ
れる。差動増幅器からの検出信号はゲイン調整増幅器に
印加される。このゲイン調整増幅器は、温度変動などの
環境変化によってトランスデューサ間に現われるメカニ
カルQに対応した電圧変化に応じて増幅度を調整し、振
動ジャイロの出力や感度を一定にして温度特性補償を行
なう。
【0023】また他の実施例では、トランスデューサに
現われる出力信号はゲイン調整増幅器に印加される。こ
のゲイン調整増幅器は、温度変動などの環境変化によっ
て一対のトランスデューサ間に現われるメカニカルQに
対応した電圧変化に応じて増幅度を調整し、振動ジャイ
ロの出力や感度を一定にして温度特性補償を行なう。ゲ
イン調整増幅器からの出力信号は差動増幅器により差動
増幅されて角速度の検出信号を生成する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の振動ジャイロ装置を音片型に
適用した一実施例につき図面を参照して説明する。
【0025】
【動作原理】図1(a)、(b)、(c)に示すよう
に、本発明の振動ジャイロ装置は、この実施例において
横断面4角形の直方体の音片で構成された振動子1の直
交して隣り合う2面1a、1bに一対のトランスデュー
サ2、3が貼着されている。この配置により、振動子1
の振動方向は対角モードに設定される。
【0026】この振動子1は温度特性を考慮して一般的
には恒弾性のNi−SPAN−Cまたはエリンバなどの
金属で構成される。また、特殊な例として石英、水晶、
セラミックなどの電気絶縁物で構成されることもある。
恒弾性の電気絶縁物としてはヤング率の温度係数が小さ
く線膨張係数が小さい絶縁物で、ガラスが好適に採用さ
れる。ガラスは恒弾性である他、メカニカルQが大きく
等方的であり、振動子として必要な特性を備えている。
【0027】トランスデューサ2、3としては、PZT
系、ZnO系、BaTiO3系などのセラミック圧電素子が
使用される。この振動ジャイロ装置は、一対のトランス
デューサ2、3に電気信号を同時に印加し、これらのト
ランスデューサ2、3から振動子1に対角方向であるx
軸方向に振動を加え、z軸回りに角速度Ωを受けたとき
に、この対角方向と直交する対角方向であるy軸方向に
発生するコリオリの力Fcにより起きる振動をこれらの
一対のトランスデューサ2、3から検知することによ
り、この角速度Ωを測定するものである。
【0028】図1(b)に示すように、一対のトランス
デューサ2、3を振動子1の直交して隣り合う2面1
a、1bに貼着して振動子1の振動方向(x方向)を対
角モードに設定すれば、駆動時においてトランスデュー
サ2、3に現われる電圧Vmはトランスデューサ2、3
ではそれぞれ等しい。即ち、電圧Vmはそれぞれ Vm1=Vm2 である。なお、4aは中立線を示している。
【0029】一方、図1(c)に示すように、振動子1
に角速度Ωが加わったときコリオリの力Fc(y方向)
により発生する電圧Vcはトランスデューサ2、3で極
性が逆である。即ち、 Vc1=−Vc2 である。なお、4bは中立線を示している。したがっ
て、振動子1に角速度Ωが加わったときトランスデュー
サ2、3に現われる出力信号V1、V2はそれぞれ V1=Vm+Vc V2=Vm−Vc となり、(V1+V2)/2=Vmで一定であり、振動子
1に角速度Ωが加わったときでもトランスデューサ2、
3に現われる出力信号V1、V2の和の平均値信号Vmは
変化しないので、従来のように振動子に角速度が加わっ
たとき出力側の電圧、位相が変化して励起レベルが不安
定になったり、また外部振動に対しても不安定となるこ
とは回避される。
【0030】一方、振動子1に貼着されたトランスデュ
ーサ2(3)に電気信号を印加すれば、そのトランスデ
ューサ2(3)を含む振動子1のインピーダンス変化は
電気信号の周波数に応じて図2に示すような特性を呈す
る。即ち、振動子1は抵抗、容量、誘導成分を有してい
るので、インピーダンスは直列共振点で極小、並列共振
点で極大になる。さらに、両共振点においては容量、誘
導成分はなく、純抵抗である。
【0031】図3に示すように、トランスデューサ2
(3)に入力抵抗Rを直列接続して、入力抵抗R側から
駆動信号Vinを印加すれば、トランスデューサ2(3)
に現われる電圧Vmは並列共振点で極大となり、入力抵
抗Rの電圧降下は極小となり、直列共振点で極小とな
り、入力抵抗Rの電圧降下は極大となり、インピーダン
スは純抵抗のみとなるから位相も駆動信号Vinと同相で
ある。
【0032】図4に示すように、トランスデューサ2
(3)に直列接続した入力抵抗Rから駆動信号Vinが印
加され、トランスデューサ2(3)に現われる電圧の平
均値(V1+V2)/2である平均値信号Vmと駆動信号
Vinを差信号として増幅器5で差動増幅し、ローパスフ
イルタ又はバンドパスフイルタ6で振動子1の共振点の
基本波だけを振動させオーバートーンが振動しないよう
にし、移相器7で位相を調整して正帰還させる自励発振
ループ回路を形成することにより振動子1が実質的に直
列共振する共振周波数で振動子1を駆動する駆動回路を
構成することができる。このようにしてトランスデュー
サ2(3)の駆動信号を得ることができる。
【0033】なお、ループゲインは直列共振のとき1よ
り大とされる。また、この移相器7は必ずしも必要では
なく、位相条件が合うようにフイルタを付加することに
より位相を調整して正帰還させるようにしてもよい。ま
た、両トランスデューサ2(3)に現われる出力信号V
1、V2を差動増幅して差信号をとれば、 V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成される。
【0034】この場合、回転角速度をΩ1、回転時出力
電圧をV2mとすると、振動ジャイロの感度Sは、S=V
2m/Ω1で表され、
【0035】
【数1】
【0036】(但し、Ax、Ayは駆動側、検出側の力係
数、ω0xは駆動側の共振角周波数、rは検出側の容量
比、Qx Qyは駆動側、検出側のメカニカルQ、Vinは
入力電圧である)となる。このため、振動ジャイロの感
度Sは、振動子のメカニカルQによって大きく変化す
る。したがって、温度変化等によるメカニカルQの変化
を検出して、この検出信号により増幅度を調整して角速
度検出信号の温度特性補償を行ない、これによって振動
ジャイロの出力や感度を一定に保つものである。
【0037】
【第1実施例】このようなトランスデューサの駆動信号
および角速度の検出信号を生成する振動ジャイロ装置の
駆動・検出回路を図5に示す。この振動ジャイロ装置
は、振動子1(図1)に一対のトランスデューサ2、3
からx軸方向に振動を加え、z軸回りに角速度Ωを受け
たときにy軸方向に発生するコリオリの力により起きる
振動を一対のトランスデューサ2、3から検知すること
により、角速度を測定するものである。
【0038】これらの一対のトランスデューサ2、3に
は、正弦波または三角波の駆動信号Vinが印加される入
力抵抗R1、R2がそれぞれ直列接続されている。トラン
スデューサ2および入力抵抗R1の接続点とトランスデ
ューサ3および入力抵抗R2の接続点との間にはポテン
ショメータ抵抗R3が接続されている。ポテンショメー
タ抵抗R3の中間点の摺動端子は入力抵抗R4を介して演
算増幅器A1の+端子に接続され、駆動信号Vinが印加
される入力抵抗R1、R2の接続点は抵抗R7を介して演
算増幅器A1の−端子に接続されている。演算増幅器A1
の+端子に接続された抵抗R5は基準電圧設定用の抵抗
で、演算増幅器A1の出力側には抵抗R6を介して入力側
に帰還されている。演算増幅器A1の出力側はローパス
フイルタ又はバンドパスフイルタF、移相器Sが設けら
れ入力抵抗R1、R2に正弦波または三角波の駆動信号V
inとして正帰還する自励発振ループ回路LPが形成され
ている。なお、この移相器7は必ずしも必要ではなく、
位相条件が合うようにフイルタを付加することにより位
相を調整して正帰還させるようにしてもよい。
【0039】一方、トランスデューサ2および入力抵抗
1の接続点とトランスデューサ3および入力抵抗R2
接続点とは、それぞれ抵抗R8、R9を介して差動増幅器
2の+端子、−端子に接続されている。抵抗R10は差
動増幅器A2の+端子の基準電圧を設定するものであ
り、演算増幅器A2の出力側は抵抗R11を介して入力側
に帰還されている。
【0040】差動増幅器A2にはゲイン調整増幅器A4
接続され、一対のトランスデューサ2、3間に現われる
出力信号の和の平均値信号Vmが整流器Re1により整流
され、この平均値信号に応じて出力信号を可変増幅制御
する。ゲイン調整増幅器A4は半波整流器Re2、平滑器
1を介して出力端子Mから角速度検出信号として出力
される。ゲイン調整増幅器A4としては電圧制御増幅器
(VCA)が使用できる。半波整流器Re2、平滑器F1
は省略することもできる。なお、一対のトランスデュー
サ2、3にはそれぞれ終端抵抗R12、R13が並列接続さ
れ、振動子1を安定化させる。
【0041】このように構成された振動ジャイロ装置に
おいて、駆動時におけるトランスデューサ2、3に現わ
れる電圧をVm、角速度Ωが加わったときコリオリの力
により発生する電圧をVcとすれば、両入力抵抗R1
2からの出力信号V1、V2は前述したように V1=Vm+Vc V2=Vm−Vc となる。この両トランスデューサ2、3に現われる出力
信号V1、V2はポテンショメータ抵抗R3の摺動端子で
和の平均値信号(V1+V2)/2=Vmが得られる。こ
の平均値信号Vmと抵抗R7を介して印加される駆動信号
Vinは差信号として差動増幅器A1で増幅される。な
お、差動増幅器A1はその出力が一定レベルになるよう
な飽和特性を有している。この差動増幅器A1からの一
定レベルの出力はローパスフイルタ又はバンドパスフイ
ルタFで振動子1の直列共振点の基本波だけを振動させ
オーバートーンが振動しないようにし、移相器Sで位相
を調整して入力抵抗R1、R2に駆動信号Vinとして正帰
還させる。この自励発振ループ回路LPにより振動子1
が実質的に直列共振する共振周波数で振動子1を駆動す
る駆動回路を構成することができる。このようにしてト
ランスデューサ2、3の駆動信号を得ることができる。
【0042】一方、振動子1は、等価回路上で考える
と、トランスデューサ2、3の容量成分C0と、振動子
自体(音片)の容量成分C1、誘導成分L1、抵抗成分R
1との直並列回路として考えられ、共振周波数は機械的
容量成分C0と、容量成分C1、誘導成分L1に依存し、
さほど温度特性に影響を及ぼさないが、メカニカルQは
ωL1/R1に依存し、温度変化により抵抗成分R1の値
は変動し、この結果振動ジャイロの出力や感度は変動
し、温度特性に大きく影響を及ぼす。このように振動子
1は、温度が変化することにより特性が変化するが、特
に感度に大きく影響しており、温度による変化量の大き
いものはそのメカニカルQの変化である。温度変化によ
りメカニカルQが低下すると、直列共振時の等価的イン
ピーダンスが上昇する(図2)。図5において、両トラ
ンスデューサ2、3にそれぞれ現われる出力信号V1
2、ポテンショメータ抵抗R3の中間点の摺動端子から
得られる平均値信号Vm(=V1+V2)/2の振幅はメ
カニカルQの低下に伴い大きくなる。メカニカルQが低
下し、出力信号V1、V2、平均値信号Vmの電圧振幅が
大きくなると、振動ジャイロの感度が低下することは理
論、実験により確認できる。
【0043】そこで、図5において、両トランスデュー
サ2、3に現われる出力信号V1、V2は差動増幅器A2
で差動増幅され差信号、即ち V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成される。差動増幅器
2からの検出信号はゲイン調整増幅器A4に印加され
る。このゲイン調整増幅器A4は、温度変動などの環境
変化によって一対のトランスデューサ2、3間に現われ
るメカニカルQに対応した出力信号の和の平均値信号V
m(=(V1+V2)/2)が整流器Re1により整流さ
れ、この平均値信号に応じて出力信号V1、V2を可変増
幅制御する。即ち、平均値信号Vmの振幅が上昇したと
きはゲイン調整増幅器A4の増幅度を増大させ、平均値
信号Vmの振幅が減少したときはゲイン調整増幅器A4
増幅度を低下させるように制御する。なお、実施にあた
り電圧Vmの振幅とゲイン調整増幅器A4の増幅度との比
例関係は適宜その傾きを選択することが必要である。ゲ
イン調整増幅器A4は半波整流器Re2、平滑器F1を介し
て出力端子Mで角速度検出信号として出力される。この
ようにしてトランスデューサ2、3間に現われるメカニ
カルQに対応した電圧変化に応じて増幅度を調整し、振
動ジャイロの出力や感度を一定にして温度特性補償を行
なうことができる。
【0044】図8に示すように、本発明の振動ジャイロ
装置によれば、メカニカルQが変化したとき、温度特性
補償を行なった結果、感度は点線で示すように一定に制
御することができた。このような温度特性補償を行なわ
ない場合、感度は実線で示すような変動してジャイロ特
性が悪化した。さらに、図3に示すように、トランスデ
ューサ2(3)に入力抵抗Rを直列接続して、入力抵抗
R側から駆動信号Vinを印加すれば、トランスデューサ
2(3)に現われる平均値信号Vmは並列共振点で極大
となり、インピーダンスは純抵抗のみとなるから位相も
駆動信号Vinと同相である。したがって、図4に示すよ
うに、トランスデューサ2(3)に現われる出力信号の
和の平均値信号(V1+V2)/2であるVmを増幅器5
で増幅し、ローパスフイルタ又はバンドパスフイルタ6
で振動子1の並列共振点の基本波だけを振動させオーバ
ートーンが振動しないようにし、移相器7で位相を調整
して正帰還させる自励発振ループ回路LPを形成するこ
とにより振動子1が実質的に並列共振する共振周波数で
振動子1を駆動する駆動回路を構成することができる。
このようにしてトランスデューサ2(3)の駆動信号を
得ることができる。なお、ループゲインは並列共振のと
き1より大とされる。
【0045】また、両トランスデューサに現われる出力
信号V1、V2を差動増幅して差信号をとれば、 V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成される。トランスデ
ューサの駆動信号および角速度の検出信号を生成する振
動ジャイロ装置の駆動・検出回路の他の例を図6に示
す。
【0046】一対のトランスデューサ2、3には正弦波
または三角波の駆動信号Vinが印加される入力抵抗
1、R2がそれぞれ直列接続されている。トランスデュ
ーサ2および入力抵抗R1の接続点とトランスデューサ
3および入力抵抗R2の接続点との間にはポテンショメ
ータ抵抗R3が接続されている。ポテンショメータ抵抗
3の摺動端子は入力抵抗R4を介して演算増幅器A3
−端子に接続され、演算増幅器A3の+端子は抵抗R5
用いて基準電圧が設定され、演算増幅器A3の出力側は
抵抗R6を介して入力側に帰還されている。演算増幅器
1の出力側はローパスフイルタ又はバンドパスフイル
タF、移相器Sを介して入力抵抗R1、R2に正弦波また
は三角波の駆動信号Vinとして正帰還する自励発振ルー
プ回路LPが形成されている。なお、この移相器7は必
ずしも必要ではなく、位相条件が合うようにフイルタを
付加することにより位相を調整して正帰還させるように
してもよい。
【0047】一方、トランスデューサ2および入力抵抗
1の接続点とトランスデューサ3および入力抵抗R2
接続点とは、それぞれ抵抗R8、R9を介して差動増幅器
2の+端子、−端子に接続されている。差動増幅器A2
の+端子は抵抗R10を用いて基準電圧が設定され、演算
増幅器A2の出力側は抵抗R11を介して入力側に帰還さ
れている。
【0048】差動増幅器A2にはゲイン調整増幅器A4
接続され、一対のトランスデューサ2、3間に現われる
出力信号V1、V2の和の平均値信号Vmが整流器Re1
より整流され、この平均値信号に応じて出力信号V1
2を可変増幅制御する。ゲイン調整増幅器A4は半波整
流器Re2、平滑器F1を介して出力端子Mで角速度検出
信号として出力される。
【0049】ゲイン調整増幅器A4としては電圧制御増
幅器(VCA)が使用できる。半波整流器Re2、平滑器
1は省略することもできる。なお、一対のトランスデ
ューサ2、3にはそれぞれ終端抵抗R12、R13が並列接
続され、振動子1を安定化させる。このように構成され
た振動ジャイロ装置において、駆動時におけるトランス
デューサ2、3に現われる電圧をVm、角速度Ωが加わ
ったときコリオリの力により発生する電圧をVcとすれ
ば、両トランスデューサ2、3に現われる出力信号
1、V2は前述したように V1=Vm+Vc V2=Vm−Vc となる。この両トランスデューサ2、3に現われる出力
信号V1、V2はポテンショメータ抵抗R3の摺動端子で
出力信号の和の平均値信号(V1+V2)/2=Vmが得
られる。この平均値信号Vmは演算増幅器A3で増幅され
る。なお、演算増幅器A3はその出力が一定レベルにな
るような飽和特性を有している。この演算増幅器A3
らの一定レベルの出力は、ローパスフイルタ又はバンド
パスフイルタFで振動子1の並列共振点の基本波だけを
振動させオーバートーンが振動しないようにし、移相器
Sで位相を調整して入力抵抗R1、R2に駆動信号Vinと
して正帰還させる。この自励発振ループ回路LPにより
振動子1が実質的に並列共振する共振周波数で振動子1
を駆動する駆動回路を構成することができる。このよう
にしてトランスデューサ2、3の駆動信号を得ることが
できる。
【0050】一方、図6において、両トランスデューサ
2、3に現われる出力信号V1、V2は差動増幅器A2
差動増幅され差信号、即ち V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成される。差動増幅器
2からの検出信号はゲイン調整増幅器A4に印加され
る。このゲイン調整増幅器A4は、温度変動などの環境
変化によって一対のトランスデューサ2、3間に現われ
るメカニカルQに対応した各トランスデューサからの出
力信号の和の平均値信号Vm(=(V1+V2)/2)が
整流器Re1により整流され、この平均値信号に応じて検
出信号を可変増幅制御する。即ち、電圧Vmの振幅が上
昇したときはゲイン調整増幅器A4の増幅度を増大さ
せ、電圧Vmの振幅が減少したときはゲイン調整増幅器
4の増幅度を低下させるように制御する。なお、実施
にあたり電圧Vmの振幅とゲイン調整増幅器A4の増幅度
との比例関係は適宜その傾きを選択することが必要であ
る。ゲイン調整増幅器A4は半波整流器Re2、平滑器F1
を介して出力端子Mで角速度検出信号として出力され
る。このようにしてトランスデューサ2、3間に現われ
るメカニカルQに対応した電圧変化に応じて増幅度を調
整し、振動ジャイロの出力や感度を一定にして温度特性
補償を行なうことができる。
【0051】
【第2実施例】トランスデューサの駆動信号および角速
度の検出信号を生成する振動ジャイロ装置の駆動・検出
回路の他の実施例を図7に示す。一対のトランスデュー
サ2、3には、正弦波または三角波の駆動信号Vinが印
加される入力抵抗R1、R2がそれぞれ直列接続されてい
る。トランスデューサ2および入力抵抗R1の接続点と
トランスデューサ3および入力抵抗R2の接続点との間
にはポテンショメータ抵抗R3が接続されている。ポテ
ンショメータ抵抗R3の中間点の摺動端子は入力抵抗R4
を介して演算増幅器A1の+端子に接続され、駆動信号
Vinが印加される入力抵抗R1、R2の接続点は、抵抗R
7を介して演算増幅器A1の−端子に接続されている。演
算増幅器A1の+端子に接続された抵抗R5は基準電圧設
定用の抵抗で、演算増幅器A1の出力側には抵抗R6を介
して入力側に帰還されている。演算増幅器A1の出力側
はローパスフイルタ又はバンドパスフイルタF、移相器
Sが設けられ入力抵抗R1、R2に正弦波または三角波の
駆動信号Vinとして正帰還する自励発振ループ回路LP
が形成されている。なお、この移相器7は必ずしも必要
ではなく、位相条件が合うようにフイルタを付加するこ
とにより位相を調整して正帰還させるようにしてもよ
い。一方、トランスデューサ2およびトランスデューサ
3の出力側(トランスデューサ2と入力抵抗R1の接続
点、トランスデューサ3と入力抵抗R2の接続点)に
は、一対のトランスデューサ2、3からの出力信号
1、V2が入力されると共に、各出力信号の電圧値を可
変増幅制御するゲイン調整増幅器A5、A6がそれぞれ設
けられている。トランスデューサ2、3からの各出力信
号V1、V2は半波整流器Re5、Re6を介してゲイン調整
増幅器A5、A6に制御信号として印加されトランスデュ
ーサ2、3からの各出力信号V1、V2の電圧値を可変増
幅制御する。
【0052】ゲイン調整増幅器A5、A6の出力側は、そ
の出力信号がそれぞれ入力され角速度検出信号を形成す
る差動増幅器A9の+端子、−端子に抵抗R8、R9を介
して接続されている。抵抗R10は差動増幅器A9の+端
子の基準電圧を設定するものであり、演算増幅器A9
出力側は抵抗R11を介して入力側に帰還されている。演
算増幅器A9は半波整流器Re2、平滑器F1を介して出力
端子Mから角速度検出信号として出力される。ゲイン調
整増幅器A5、A6としては電圧制御増幅器(VCA)が
使用できる。半波整流器Re2、平滑器F1は省略するこ
ともできる。なお、一対のトランスデューサ2、3には
それぞれ終端抵抗R12、R13が並列接続され、振動子1
を安定化させる。
【0053】このように構成された振動ジャイロ装置に
おいて、駆動時におけるトランスデューサ2、3に現わ
れる電圧をVm、角速度Ωが加わったときコリオリの力
により発生する電圧をVcとすれば、両入力抵抗R1
2からの出力信号V1、V2は前述したように V1=Vm+Vc V2=Vm−Vc となる。この両トランスデューサ2、3に現われる出力
信号V1、V2はポテンショメータ抵抗R3の摺動端子で
和の平均値信号(V1+V2)/2=Vmが得られる。こ
の平均値信号Vmと抵抗R7を介して印加される駆動信号
Vinは差信号として差動増幅器A1で増幅される。な
お、差動増幅器A1はその出力が一定レベルになるよう
な飽和特性を有している。この差動増幅器A1からの一
定レベルの出力はローパスフイルタ又はバンドパスフイ
ルタFで振動子1の直列共振点の基本波だけを振動させ
オーバートーンが振動しないようにし、移相器Sで位相
を調整して入力抵抗R1、R2に駆動信号Vinとして正帰
還させる。この自励発振ループ回路LPにより振動子1
が実質的に直列共振する共振周波数で振動子1を駆動す
る駆動回路を構成することができる。このようにしてト
ランスデューサ2、3の駆動信号を得ることができる。
【0054】一方、トランスデューサ2およびトランス
デューサ3の各出力信号V1、V2はゲイン調整増幅器A
5、A6に入力されると共に、この各出力信号V1、V2
半波整流器Re5、Re6を介して制御信号としてゲイン調
整増幅器A5、A6に印加され各出力信号V1、V2の電圧
値を可変増幅制御する。可変増幅制御された出力信号は
抵抗R8、R9を介して差動増幅器A9の+端子、−端子
に入力される。各出力信号は差動増幅器A9で差動増幅
され差信号、即ち V1−V2=2Vc となり、角速度Ωの検出信号が生成される。
【0055】演算増幅器A9の出力信号は半波整流器Re
2、平滑器F1を介して出力端子Mから角速度検出信号
(Ω)として出力される。この場合、ゲイン調整増幅器
5、A6には温度変動などの環境変化によって一対のト
ランスデューサ2、3間に現われるメカニカルQに対応
した出力信号V1、V2が入力されるが、この出力信号V
1、V2は、半波整流器Re5、Re6を介して制御信号とし
てゲイン調整増幅器A5、A6に印加されるので、ゲイン
調整増幅器A5、A6は増幅度を可変増幅制御する。即
ち、トランスデューサ2、3の出力信号V1、V2の振幅
が上昇したときはゲイン調整増幅器A5、A6の増幅度を
増大させ、出力信号V1、V2の振幅が減少したときはゲ
イン調整増幅器A5、A6の増幅度を低下させるように制
御する。なお、実施にあたりトランスデューサ2、3の
出力信号V1、V2の振幅とゲイン調整増幅器A5、A6
増幅度との比例関係は適宜その傾きを選択することが必
要である。
【0056】このようにしてトランスデューサ2、3間
に現われるメカニカルQに対応した電圧変化に応じて増
幅度を調整し、振動ジャイロの出力や感度を一定にして
温度特性補償を行なうことができる。以上の実施例では
温度変化によるメカニカルQに応じて発生する電圧変化
を検出し出力感度を一定に保持する機能をもたせたが、
この機能は他の原因によるメカニカルQの変化をも抑制
することが可能である。また、振動子によって温度特性
自体は異なっているが、そのような変化に係わりなく出
力感度を一定に調整することができる。さらに、以上の
実施例ではメカニカルQの変化による回路上の交流電圧
の極小点または極大点の変化を利用しているが、本来一
定であるべき回路上の動作点がその温度変化等により変
動するような現象を呈する場合にも同様の考え方を適用
して実施できる。
【0057】なお、以上の実施例では振動ジャイロ装置
を4角形の直方体振動子を使用した音片型に適用した例
について説明したが、本発明の振動ジャイロ装置は横断
面n角形(nは3または5以上)の多辺体の音片型にも
適用でき、音叉型等に応用する場合についても等しく適
用できる。この場合、x軸方向、y軸方向とはその横断
面n角形のx軸方向、y軸方向成分をいうものとする。
また、以上の実施例では横断面4角形の直方体の音片で
構成された振動子の直交して隣り合う2面に一対のトラ
ンスデューサを貼着したが、3以上のトランスデューサ
を貼着して駆動・検出を行なうこともできる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の振動ジャイロ装置によれば、温度変動などの環境変
化に伴うメカニカルQの変化をトランスデューサに現わ
れる電圧変動として検出して感度を調整し、温度特性補
償を行なう機能を有するため、振動子による個体差やロ
ット間の差、経時的な変化の影響を受けることがない。
したがって、従来のように材料の特性追及という手法で
はなし得なかった安定した温度補償が実現できジャイロ
特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明における振動ジャイロ装置
の振動子、トランスデューサの概略斜視図、図1(b)
は図1(a)に示す振動ジャイロ装置の駆動時のトラン
スデューサの振動方向、電圧を示す説明図、図1(c)
は図1(a)に示す振動ジャイロ装置の角速度発生時の
コリオリの力の発生方向、電圧を示す説明図。
【図2】振動ジャイロ装置に使用されるトランスデュー
サを含む振動子のインピーダンス変化と励起信号の周波
数との関係を示す特性図。
【図3】本発明の振動ジャイロ装置の駆動・角速度検出
の概念を示す回路図。
【図4】本発明の振動ジャイロ装置の駆動回路の原理を
示す回路図。
【図5】本発明の第1実施例における振動ジャイロ装置
の駆動・検出回路図。
【図6】本発明の他の実施例における振動ジャイロ装置
の駆動・検出回路図。
【図7】本発明の第2実施例における振動ジャイロ装置
の駆動・検出回路図。
【図8】本発明の振動ジャイロ装置により得られる温度
−感度の特性図。
【図9】図9(a)は従来の振動ジャイロ装置の振動
子、トランスデューサの概略斜視図、図9(b)はその
平面説明図。
【図10】従来の振動ジャイロ装置の駆動・検出回路
図。
【図11】従来の振動ジャイロ装置の他の駆動・検出回
路図。
【図12】従来の振動ジャイロ装置の温度特性図。
【符号の説明】
1……振動子 2、3……一対のトランスデューサ R、R1、R2……入力抵抗 V1、V2……出力信号 Vm……平均値信号 A2、A9……差動増幅器 A4、A5、A6……ゲイン調整増幅器 Ω……角速度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動子に少なくとも一対のトランスデュー
    サからx軸方向に振動を加え、z軸回りに角速度Ωを受
    けたときにy軸方向に発生するコリオリの力により起き
    る振動を前記一対のトランスデューサから検知すること
    により、前記角速度を測定する振動ジャイロ装置であっ
    て、前記トランスデューサに入力抵抗を直列接続して駆
    動信号を当該入力抵抗を介して印加し、各トランスデュ
    ーサの出力側に当該トランスデューサからの出力信号を
    差動増幅して角速度検出信号を形成する差動増幅器と、
    この差動増幅器の出力側に設けられ前記各トランスデュ
    ーサからの出力信号の和の平均値信号に応じて前記角速
    度検出信号を可変増幅制御するゲイン調整増幅器とを備
    えたことを特徴とする振動ジャイロ装置。
  2. 【請求項2】振動子に少なくとも一対のトランスデュー
    サからx軸方向に振動を加え、z軸回りに角速度Ωを受
    けたときにy軸方向に発生するコリオリの力により起き
    る振動を前記一対のトランスデューサから検知すること
    により、前記角速度を測定する振動ジャイロ装置であっ
    て、前記トランスデューサに入力抵抗を直列接続して駆
    動信号を当該入力抵抗を介して印加し、各トランスデュ
    ーサの出力側に当該トランスデューサからの出力信号を
    入力すると共に、各出力信号の電圧値を可変増幅制御す
    るゲイン調整増幅器をそれぞれ設け、その出力側に出力
    信号をそれぞれ入力して前記角速度検出信号を形成する
    差動増幅器を設けたことを特徴とする振動ジャイロ装
    置。
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