JPH0726995A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

Info

Publication number
JPH0726995A
JPH0726995A JP16817093A JP16817093A JPH0726995A JP H0726995 A JPH0726995 A JP H0726995A JP 16817093 A JP16817093 A JP 16817093A JP 16817093 A JP16817093 A JP 16817093A JP H0726995 A JPH0726995 A JP H0726995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
torque
shift signal
amount
intake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16817093A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshinori Azuma
俊典 東
Toshio Nishikawa
俊雄 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP16817093A priority Critical patent/JPH0726995A/ja
Publication of JPH0726995A publication Critical patent/JPH0726995A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダウンシフト時に走行性を低下させることな
く変速ショック及び加速ショックの発生を防止すること
ができる自動変速機の制御装置を提供する。 【構成】 過給機付エンジンEと自動変速機Tとを備え
たパワートレインPTにおいては、ダウンシフト時に
は、コントロールユニットCによって、変速段に応じて
過給圧が低下させられてトルクダウンが行われ、シフト
ショック及び加速ショックの発生が防止される。ここ
で、トルク比の小さい高速段でのダウンシフト時には過
給圧の低下量が小さく設定され走行性及び加速性を低下
させることなくシフトショック及び加速ショックの発生
が防止される。トルク比の大きい低速段でのダウンシフ
ト時には過給圧の低下量が大きく設定され、シフトショ
ック及び加速ショックの発生が有効に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダウンシフト時にエン
ジンの出力トルクを抑制してシフトショックあるいは加
速ショックの発生を防止するようにした自動変速機の制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと変速歯車機構とが直列に配設され、トル
クコンバータはエンジン出力軸のトルクを変速してター
ビンシャフトに伝達し、変速歯車機構は上記タービンシ
ャフトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝達するよ
うになっている。ここで、変速歯車機構は、通常、サン
ギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ等の複数のギヤを備え
た遊星歯車機構とされ、かかる変速歯車機構には所定の
ギヤへのトルクの伝達をオン・オフするクラッチ、ある
いは所定のギヤを固定(ブレーキオン)・解放(ブレーキ
オフ)するブレーキ等の各種油圧式摩擦要素が設けられ
る。そして、これらの各摩擦要素に対して作動油(作動
油圧)を給排する油圧機構が設けられ、この油圧機構に
よって各摩擦要素のオン・オフパターンが切り替えられ
て変速が行われるようになっている。
【0003】そして、例えば電子制御式の自動変速機に
おいては、マイクロコンピュータを備えたコントロール
ユニットによって、所定の変速マップに従って各種ソレ
ノイドバルブを介して油圧機構が制御され、これによっ
て変速段が切り替えられるようになっている。例えば、
前進4段の自動変速機の場合は、変速マップに、1速→
2速、2速→3速、3速→4速の3つのアップシフトラ
インと、2速→1速、3速→2速、4速→3速の3つの
ダウンシフトラインとが設定され、運転状態がかかるア
ップシフトライン又はダウンシフトラインに対応する状
態に達したときにアップシフト又はダウンシフトが行わ
れるようになっている。
【0004】ところで、かかる自動変速機を備えた車両
において、アクセルペダルの踏み込みに伴ってダウンシ
フトが行われるときすなわちキックダウン時には、エン
ジンの出力トルクが急上昇し、かつ変速比(トルク比)が
大きくなるので、シフトショックが生じるととともに、
変速直後に車体が急激に加速されて加速ショックが生じ
るといった問題がある。とくにエンジンに対して過給機
が設けられている場合は、アクセルペダルの踏み込みに
伴ってエンジンの出力トルクが大幅に高められるので、
シフトショックあるいは加速ショックが一層強くなる。
【0005】そこで、自動変速機に対してタービンセン
サが設けられている車両では、普通、タービン回転数の
変化からシフトショックの発生を検出し、かかるシフト
ショックが検出された時点から点火時期をリタードさせ
てエンジンの出力トルクを抑制し(トルクダウン)、シフ
トショックあるいは加速ショックの発生を防止するなど
といった対応がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
手法は、タービンセンサが設けられていない車両では用
いることができないといった問題がある。また、点火時
期のリタードによって変化させられる出力トルク幅は比
較的狭いので、ダウンシフト時にエンジンの出力トルク
を十分には抑制することができないといった問題があ
る。
【0007】また、過給機付エンジンと自動変速機とを
備えた車両において、ダウンシフト時には過給機の作動
を停止させ、エンジンの出力トルクの上昇を抑制してシ
フトショックあるいは加速ショックの発生を防止するよ
うにしたものが提案されている(例えば、特開平4−1
87820号公報参照)。しかしながら、このようにダ
ウンシフト時に過給機の作動を停止させてしまうと、変
速ショックあるいは加速ショックは抑制されるものの、
強い加速を必要とする場合、例えば追い越し時等におい
ては十分な加速が得られず、走行性が悪くなるといった
問題がある。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するため
になされたものであって、ダウンシフト時に走行性を低
下させることなく変速ショックあるいは加速ショックの
発生を有効に防止することができる自動変速機の制御装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、吸気量を制御する吸気量制御手段
と、変速機の変速信号を検出する変速信号検出手段と、
該変速信号検出手段によって変速信号が検出されたとき
には吸気量制御手段を介して吸気量を変化させることに
よってトルクダウンを行わせる変速時トルクダウン制御
手段とが設けられている車両の自動変速機の制御装置に
おいて、車両に過給機が設けられていて、吸気量制御手
段が過給圧を変化させることによって吸気量を制御する
ことができるようになっており、変速時トルクダウン制
御手段が、変速時トルクダウンを行わせるための過給圧
変化量を変速段に応じて設定するようになっていること
を特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0010】第2の発明は、吸気量を制御する吸気量制
御手段と、変速機の変速信号を検出する変速信号検出手
段と、該変速信号検出手段によって変速信号が検出され
たときには吸気量制御手段を介して吸気量を変化させる
ことによってトルクダウンを行わせる変速時トルクダウ
ン制御手段とが設けられている車両の自動変速機の制御
装置において、変速時トルクダウン制御手段が、変速時
トルクダウンが行われていないときに変速信号検出手段
によって第1の変速信号が検出された場合は吸気量を変
化させることによって変速時トルクダウンを行わせるよ
うになっていて、該変速時トルクダウン実行中に、変速
信号検出手段によってさらに第2の変速信号が検出され
たときには、第1の変速信号に起因する変速時トルクダ
ウンが終了するまでは第2の変速信号に対応する変速を
禁止する変速禁止手段が設けられていることを特徴とす
る自動変速機の制御装置を提供する。
【0011】第3の発明は、吸気量を制御する吸気量制
御手段と、変速機の変速信号を検出する変速信号検出手
段と、該変速信号検出手段によって変速信号が検出され
た場合は吸気量制御手段を介して吸気量を変化させるこ
とによってトルクダウンを行わせる変速時トルクダウン
制御手段とが設けられている車両の自動変速機の制御装
置において、車両に過給機が設けられていて、吸気量制
御手段が過給圧を変化させることによって吸気量を制御
することができるようになっており、変速時トルクダウ
ン制御手段が、変速時トルクダウンを行わせるための過
給圧変化量を変速段に応じて設定する一方、変速時トル
クダウンが行われていないときに変速信号検出手段によ
って第1の変速信号が検出された場合は、過給圧を変化
させることによって変速時トルクダウンを行わせるよう
になっていて、 該変速時トルクダウン実行中に、変速
信号検出手段によってさらに第2の変速信号が検出され
たときには、第1の変速信号に起因する変速時トルクダ
ウンが終了するまでは第2の変速信号に対応する変速を
禁止する変速禁止手段が設けられていることを特徴とす
る自動変速機の制御装置を提供する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、自動車用のパワートレインPTに
は、機械式過給機付エンジンEと、自動変速機Tとが設
けられている。詳しくは図示していないが、自動変速機
Tには、エンジンEの出力トルクを作動油を介して変速
するトルクコンバータと、トルクコンバータの出力トル
クをさらに変速する変速歯車機構とが設けられている。
ここで、変速歯車機構は、前進4段・後退1段の変速段
を有する遊星歯車機構であって、この変速歯車機構には
所定のギヤへのトルクの伝達をオン・オフするクラッチ
あるいは所定のギヤを固定(ブレーキオン)・解放(ブレ
ーキオフ)するブレーキ等の各種油圧式摩擦要素が設け
られ、油圧機構によってこれらの各摩擦要素のオン・オ
フパターンが切り替えられ、これによって変速(アップ
シフト、ダウンシフト)が行われるようになっている。
【0013】そして、自動変速機Tにおいては、マイク
ロコンピュータを備えたコントロールユニットCによっ
て、所定の変速マップに従って、運転状態(車速、スロ
ットル開度等)に応じて各種ソレノイドバルブを介して
油圧機構が制御され、これによって運転状態に最も適し
た変速段が自動的にセットされるようになっている。な
お、変速マップには、1速→2速、2速→3速、3速→
4速の3つのアップシフトラインと、2速→1速、3速
→2速、4速→3速の3つのダウンシフトラインとが設
定され、運転状態がかかるアップシフトライン又はダウ
ンシフトラインに対応する状態に達したときにアップシ
フト又はダウンシフトが行われるようになっている。
【0014】エンジンEの各気筒(1つだけ図示)におい
ては、吸気弁1が開かれたときに吸気ポート2から燃焼
室3内に混合気が吸入され、この混合気がピストン4に
よって圧縮された後、点火プラグ(図示せず)によって着
火・燃焼させられ、排気弁5が開かれたときに、燃焼ガ
ス(排気ガス)が排気ポート6から外部に排出されるとい
ったプロセスが繰り返されるようになっている。なお、
混合気は、吸気ポート2内のエア中にインジェクタ11
から燃料を噴射することによって形成されるようになっ
ている。
【0015】これに伴って、ピストン4が気筒軸線方向
に往復運動し、このピストン4の往復運動が、コンロッ
ド7とクランクピン8とによって回転運動に変換されて
クランク軸9に伝達されるようになっている。このクラ
ンク軸9の回転運動すなわちエンジンEの出力トルク
が、自動変速機Tに入力されて運転状態に応じて自動的
に変速され、駆動輪側に出力されるようになっている。
【0016】そして、エンジンEにエアを供給するため
に吸気装置Aが設けられている。吸気装置Aには共通吸
気通路12が設けられ、この共通吸気通路12には吸気
流れ方向にみて上流側から順に、エア中のダストを除去
するエアクリーナ13と、吸入エア量を検出するエアフ
ローセンサ14と、アクセルペダルの操作量に応じて開
閉されるスロットル弁15と、クランク軸9によって駆
動されるリショルム式の機械式過給機16と、加圧によ
って温度が上昇したエアを冷却するインタクーラ17と
が設けられている。共通吸気通路12の下流端は、エア
の流れを安定化させるサージタンク18に接続されてい
る。そして、サージタンク18には下流端が吸気ポート
2に接続された各気筒の独立吸気通路19が接続されて
いる。なお、インタクーラ下流の共通吸気通路12には
吸気圧センサ20が設けられている。
【0017】共通吸気通路12の、過給機下流のB1
置と、過給機上流のB2位置とを接続するバイパス吸気
通路21が設けられ、このバイパス吸気通路21には過
給圧を制御するための過給圧制御弁22が介設されてい
る。ここで過給圧制御弁22が開かれたときには、過給
機下流の加圧エアがバイパス吸気通路21を介して過給
機上流に還流させられ、これによって過給圧が低下する
ようになっている。そして、かかる過給圧の低下量は、
過給圧制御弁22の開度が大きいときほど大きくなる。
したがって、過給圧制御弁22の開度を調節することに
よって過給圧を制御できるわけである。
【0018】過給圧制御弁22は、ダイヤフラム式のア
クチュエータ23によって駆動されるようになってい
る。このアクチュエータ23は、基本的には、圧力室2
5に負圧が導入されたときには過給圧制御弁22を開弁
させ、圧力室25に大気圧が導入されたときにはリター
ンスプリング26の付勢力によって過給圧制御弁22を
閉弁させるようになっている。かつ、圧力室25にかけ
られる負圧の大きさに応じて過給圧制御弁22の開度を
調節することができるようになっている。なお、過給圧
制御弁22は、特許請求の範囲に記載された「吸気量制
御手段」に相当する。
【0019】アクチュエータ23の圧力室25へは、所
定の負圧源から負圧供給通路24を介して負圧が供給さ
れるようになっている。そして、負圧供給通路24には
ソレノイド式の負圧制御弁27が介設され、この負圧制
御弁27にはさらに大気導入通路28が接続されてい
る。ここで、負圧制御弁27は、コントロールユニット
Cによって制御され、圧力室25に供給する負圧を自在
に調節することができるようになっている。
【0020】つまり、コントロールユニットCは、負圧
制御弁27とアクチュエータ23とを介して過給圧制御
弁22の開度を変化させることによって、過給圧を運転
状態に応じて自在に制御することができるようになって
いる。なお、過給圧制御弁22は、所定の低負荷時には
全開され、この場合は過給が行われないことになる。
【0021】ところで、コントロールユニットCは、特
許請求の範囲に記載された「変速時トルクダウン制御手
段」と「変速禁止手段」とを含む、パワートレインPTの
総合的な制御装置であって、吸入エア量、スロットル開
度、車速、吸気圧力(過給圧)、変速信号等の各種情報に
基づいて所定の制御を行うようになっている。しかしな
がら、パワートレインPTの一般的な制御はよく知られ
ており、また本願発明の要旨とするところでもないので
その説明を省略し、以下では本願発明にかかる変速時ト
ルクダウン制御についてのみ説明する。
【0022】コントロールユニットCは、変速信号検出
手段30によって自動変速機Tのダウンシフト信号が検
出されたとき、すなわちダウンシフトが行われる際に
は、負圧制御弁27にトルクダウン信号を印加して過給
圧を所定量だけ低下させ、これによってエンジンEの出
力トルクを低下させてシフトショック及び加速ショック
の発生を防止するといった変速時トルクダウン制御を行
うようになっている。
【0023】より具体的には、かかる変速時トルクダウ
ンが行われていないときにダウンシフト信号(例えば、
3速→2速)が検出されたときには、ダウンシフト前(ダ
ウンシフト後でもよい)の変速段に応じて過給圧を低下
させてトルクダウンを行わせるようにしている。さら
に、該変速時トルクダウン実行中に第2のダウンシフト
信号(例えば、2速→1速)が検出されたときには、最初
のダウンシフト信号に起因する変速時トルクダウンが終
了するまでは第2のダウンシフト信号に対応する変速
(例えば、2速→1速変速)を禁止するようにしている。
そして、該ダウンシフトがちょうど終了するタイミング
に同期させて過給圧を通常過給圧に戻すようにしてい
る。
【0024】このように、ダウンシフト時に、変速段に
応じて過給圧の低下量すなわちトルクダウン量を設定す
るのは、次の理由による。すなわち、低速段でのダウン
シフト、例えば2速から1速へのダウンシフトの場合
は、変速歯車機構の変速比(トルク比)が大きいので、ダ
ウンシフト前に自動変速機Tから出力されるトルクと、
ダウンシフト後に自動変速機Tから出力されるトルクと
の差が非常大きくなり、したがってシフトショック及び
加速ショックが非常に強くなる。そこで、かかる低速段
でのダウンシフトの場合は過給圧の低下量すなわちトル
クダウン量を大きくしてシフトショックあるいは加速シ
ョックの発生を有効に防止ないしは抑制できるようにし
ている。
【0025】他方、高速段でのダウンシフト、例えば4
速から3速へのダウンシフトの場合は、変速歯車機構の
変速比(トルク比)が比較的小さいので、シフトショック
及び加速ショックは比較的小さい。そして、かかる高速
段におけるダウンシフトは、例えば高速で他車を追い越
すような場合に生じるので、十分な加速力が必要とされ
る。そこで、かかる高速段でのダウンシフトの場合は、
過給圧の低下量すなわちトルクダウン量を小さくして、
十分な加速力を確保できるようにしている。このように
して、走行性及び加速性を確保しつつシフトショック及
び加速ショックの発生を防止することができる。
【0026】また、最初のダウンシフト信号に起因する
変速時トルクダウンの実行中に、さらに第2のダウンシ
フト信号が検出されたときには、該変速時トルクダウン
が終了するまでは第2のダウンシフト信号に対応する変
速を禁止するのは、次の理由による。すなわち、過給圧
を低下させることによってトルクダウンを行う場合は、
点火時期のリタードによる場合に比べて応答性が悪く、
かつ変化させることができるトルク幅が大きい。このた
め、例えば3速から2速へのダウンシフトに対応して変
速時トルクダウンを実行しているときに、2速から1速
へのダウンシフト信号が検出された場合、直ちに2速か
ら1速への変速を行うとともにこれに対応して2速から
1速への変速に対応する変速時トルクダウン(過給圧低
下)を実行しても、すぐにはトルク(過給圧)が低下しな
いのでシフトショックあるいは加速ショックが生じてし
まうからである。
【0027】なお、ダウンシフトがちょうど終了するタ
イミングに同期させて過給圧を通常過給圧に戻すのは、
次の理由による。すなわち、過給圧を通常過給圧に戻す
のがこれより早いとシフトショック及び加速ショックを
十分には抑制することができず、逆にこれより遅いと加
速力が不足して走行性及び加速性が悪くなるからであ
る。つまり、このようなタイミングで過給圧を通常過給
圧に戻すことによって、走行性及び加速性を損なうこと
なくシフトショック及び加速ショックの発生を有効に防
止することができるわけである。
【0028】図2に、かかる変速時トルクダウン制御に
おいて、3速から2速へのダウンシフト信号が検出され
た後、短時間で2速から1速へのダウンシフト信号が検
出された場合の、変速信号(G1)、トルクダウン信号(G
2)、スロットル開度(G3)、吸気圧力すなわち過給圧(G
4)及び車体前後加速度(G5)の時間に対する変化特性を
示す。なお、図2においては、時刻t1でアクセルペダル
が踏み込まれてスロットル弁15が開かれ、時刻t2で3
速から2速へのダウンシフト信号が検出され、時刻t3
トルクダウン信号がオンされてトルクダウン(過給圧低
下)が開始され、時刻t4で2速から1速へのダウンシフ
ト信号が検出され、時刻t5で3速から2速へのダウンシ
フトに対応するためのトルクダウンが終了し、時刻t6
2速から1速へのダウンシフトに対応するためにトルク
ダウン信号がオンされ、時刻t7で2速から1速へのダウ
ンシフトに対応するためのトルクダウンが終了してい
る。なお、2速から1速への変速は、3速から2速への
ダウンシフトに対応するためのトルクダウンが終了した
時点t4よりは後で概ね時刻t5付近で開始される。
【0029】図2からわかるように、かかる変速時トル
クダウン制御によれば、概ねt2〜t7のダウンシフト実行
時には吸気圧力(過給圧)が変速段に応じて低下させられ
てトルクダウンが行われるので、シフトショックの発生
が防止される。また、図2から明らかなとおり、ダウン
シフト直後、すなわち時刻t7以降には車体前後加速度が
急上昇せず、したがって加速ショックが生じない。な
お、破線G4'で示すように吸気圧力(過給圧)を低下させ
ず、したがってトルクダウンを行わない場合は、破線G
5'で示すように車体前後加速度がパルス状に急上昇し、
強い加速ショックが生じることななる。
【0030】以下、図3〜図5に示すフローチャートに
従って、コントロールユニットCによる、3速からのダ
ウンシフトの場合について、さらに具体的な変速時トル
クダウン制御の制御方法を説明する。制御が開始される
と、ステップ#1で各種信号が読み込まれ、ステップ#
2で3速から2速への変速信号(以下、3→2変速信号
という)が出力されたか否かが判定され、3→2変速信
号が出力されていないと判定された場合は(NO)、変速
及びトルクダウンを行う必要がないので、ステップ#1
に復帰して制御が続行される。
【0031】ステップ#2で、3→2変速信号が出力さ
れていると判定された場合は(YES)、ステップ#3で
第1タイマC1と第2タイマC2とがセットされる。図6
に示すように、第1タイマC1は、3−2変速信号が出
力された時点θ1後において、これに対応するトルクダ
ウン(以下、3−2トルクダウンという)を開始させる時
点θ2を決定するためのタイマである。第2タイマC
2は、3−2変速信号が出力された後、さらに2速から
1速への変速信号(以下、2−1変速信号という)が出力
されなかった場合において、3−2トルクダウンを終了
すべき時点θ3を決定するためのタイマである。
【0032】ステップ#4では、第1タイマC1が1だ
けデクリメントされ、続いてステップ#5第2タイマC
2が1だけデクリメントされる。次に、ステップ#6で
第1タイマC1が0であるか否かが判定され、C1≠0で
あると判定された場合は(NO)、まだ3−2トルクダウ
ンを開始すべき時点θ2に達していないので、ステップ
#4に戻される。他方、ステップ#6で、C1=0であ
ると判定された場合は(YES)、3−2トルクダウンを
開始すべき時点θ2に達しているので、ステップ#7で
3→2トルクダウンが実行される。
【0033】次に、ステップ#8でC2が0であるか否
かが判定され、C2=0であると判定された場合は(YE
S)、3−2トルクダウンを終了すべき時点θ3に達して
いるので、ステップ#11で3→2トルクダウンが終了
される。ステップ#8でC2≠0であると判定された場
合は(NO)、ステップ#9で2→1変速信号が出力され
たか否かが判定される。ここで、2→1変速信号が出力
されていないと判定された場合は(NO)、3−2トルク
ダウンを終了すべき時点θ3を決定するための第2タイ
マC2のカウントを続行するためにステップ#5に戻さ
れる。
【0034】ステップ#9で、2→1変速信号が出力さ
れたと判定された場合は(YES)、ステップ#10でフ
ラグFに1がたてられる。このフラグFは、3→2トル
クダウンを実行中にさらに2→1変速信号が出力された
ときに1がたてられるフラグである。つまり、3→2ト
ルクダウンが終了するまでは2→1変速及び2−1変速
に対応するトルクダウン(以下、2−1トルクダウンと
いう)を禁止しているので、2−1変速信号が出力され
ていることを3−2トルクダウンが終了するまで記憶し
ておくためのフラグである。なお、F=1の場合は、後
で説明するように、3−2トルクダウンの終了後直ちに
2−1変速及び2−1トルクダウンが開始される。ステ
ップ#10が実行された後はステップ#5に戻される。
【0035】ところで、前記のステップ#11が実行さ
れた後は、ステップ#12でフラグFが1であるか否か
が判定され、F1=1であると判定された場合は(YE
S)、直ちに2−1変速及び2→1トルクダウンを行う
ために、後で説明するステップ#21〜ステップ#26
が実行される。他方、ステップ#12でF≠1であると
判定された場合は(NO)、さらにステップ#13で2−
1変速信号が出力されているか否かが判定され、2−1
変速信号が出力されていないと判定された場合は(N
O)、ステップ#1に復帰して制御が続行される。
【0036】他方、ステップ#13で、2−1変速信号
が出力されたと判定された場合は(YES)、ステップ#
14〜ステップ#20で2−1トルクダウンが行なわれ
る。すなわち、ステップ#14で第3タイマC3と第4
タイマC4とがセットされる。第3タイマC3は2−1変
速信号が出力された後、2−1トルクダウンを開始させ
る時点を決定するためのタイマである。第4タイマC4
は、2−1変速信号が出力された後、2−1トルクダウ
ンを終了すべき時点を決定するためのタイマである。な
お、図示していないが、C3,C4は、図6に示すC1,C2
と同様の特性で設定される。
【0037】ステップ#15では、第3タイマC3が1
だけデクリメントされ、続いてステップ#16で第4タ
イマC4が1だけデクリメントされる。次に、ステップ
#17で、第3タイマC3が0であるか否かが判定さ
れ、C3≠0であると判定された場合は(NO)、まだ2
−1トルクダウンを開始すべき時点に達していないの
で、ステップ#15に戻される。他方、ステップ#17
で、C3=0であると判定された場合は(YES)、トル
クダウンを開始すべき時点に達しているので、ステップ
#18で2→1トルクダウンが実行される。
【0038】次に、ステップ#19で第4タイマC4
0であるか否かが判定され、C4=0であると判定され
た場合は(YES)、2−1トルクダウンを終了すべき時
点に達しているので、ステップ#20で2→1トルクダ
ウンが終了され、この後ステップ#1に復帰する。ステ
ップ#19でC4≠0であると判定された場合は(N
O)、2−1トルクダウンを終了すべき時点を決定する
ための第4タイマC4のカウントを続行するためにステ
ップ#16に戻される。
【0039】ところで、ステップ#12で、F=1であ
ると判定された場合は(YES)、3−2トルクダウンの
終了後直ちに2−1トルクダウンが実行される。具体的
には、まずステップ#21で前記の第4タイマC4がセ
ットされ、続いてステップ#22で第4タイマC4が1
だけデクリメントされる次に、ステップ#23で2−1
トルクダウンが実行され、続いてステップ#24で第4
タイマC4が0であるか否かが判定され、C4=0である
と判定された場合は(YES)、2−1トルクダウンを終
了すべき時点に達しているので、ステップ#25で2→
1トルクダウンが終了され、この後ステップ#26でフ
ラグFが0に戻された(リセット)、ステップ#1に復帰
する。ステップ#24でC4≠0であると判定された場
合は(NO)、2−1トルクダウンを終了すべき時点を決
定するための第4タイマC4のカウントを続行するため
にステップ#22に戻される。
【0040】かかる、変速時トルクダウン制御において
は、2−1トルクダウン量が3−2トルクダウン量より
も大きく設定されているのはもちろんである。かかる変
速時トルクダウン制御を行うことにより、ダウンシフト
時には、走行性及び加速性を損なうことなくシフトショ
ック及び加速ショックの発生を防止することができる。
【0041】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、変速時には
変速段に応じて過給圧の低下量すなわちトルクダウン量
を設定することができる。このため、変速比(トルク比)
の大きい低速段での変速時には、過給圧の低下量すなわ
ちトルクダウン量を大きく設定することにより、シフト
ショック及び加速ショックの発生を有効に防止すること
ができる。他方、変速比の小さい高速段での変速時に
は、過給圧の低下量を小さく設定することにより、シフ
トショック及び加速ショックの発生を防止しつつ走行性
及び加速性を高めることができる。
【0042】第2の発明によれば、第1の変速信号に起
因する変速時トルクダウンの実行中に第2の変速信号が
検出されたときには、上記変速時トルクダウンが終了す
るまでは第2の変速信号に対応する変速が禁止されるの
で、連続的に変速信号が出された場合でもトルクダウン
制御(過給圧制御)が乱れず、トルクダウン量が適正値に
保持され、シフトショック及び加速ショックの発生が有
効に防止される。
【0043】第3の発明によれば、変速時には変速段に
応じて過給圧の低下量すなわちトルクダウン量を設定す
ることができるので、変速比(トルク比)の大きい低速段
での変速時には過給圧の低下量すなわちトルクダウン量
を大きく設定することによりシフトショック及び加速シ
ョックの発生を有効に防止することができる。他方、変
速比の小さい高速段での変速時には、過給圧の低下量を
小さく設定することによりシフトショック及び加速ショ
ックの発生を防止しつつ走行性及び加速性を高めること
ができる。さらに、第1の変速信号に起因する変速時ト
ルクダウンの実行中に第2の変速信号が検出されたとき
には、上記変速時トルクダウンが終了するまでは第2の
変速信号に対応する変速が禁止されるので、連続的に変
速信号が出された場合でもトルクダウン制御(過給圧制
御)が乱れず、トルクダウン量が適正値に保持され、シ
フトショック及び加速ショックの発生が一層有効に防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す自動変速機を備えたパ
ワートレインの模式図である。
【図2】 3速から2速へのダウンシフト信号が検出さ
れた後、短時間で2速から1速へのダウンシフト信号が
検出された場合の、変速信号、トルクダウン信号、スロ
ットル開度、吸気圧力及び車体前後加速度の時間に対す
る変化特性を示す図である。
【図3】 変速時トルクダウン制御の制御方法を示すフ
ローチャートの一部である。
【図4】 変速時トルクダウン制御の制御方法を示すフ
ローチャートの一部である。
【図5】 変速時トルクダウン制御の制御方法を示すフ
ローチャートの一部である。
【図6】 3−2変速時における、変速信号とトルクダ
ウン信号の変化特性を示す図である。
【符号の説明】
PT…パワートレイン E…エンジン T…自動変速機 C…コントロールユニット 16…過給機 22…過給圧制御弁 27…負圧制御弁 30…変速信号検出手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気量を制御する吸気量制御手段と、変
    速機の変速信号を検出する変速信号検出手段と、該変速
    信号検出手段によって変速信号が検出されたときには吸
    気量制御手段を介して吸気量を変化させることによって
    トルクダウンを行わせる変速時トルクダウン制御手段と
    が設けられている車両の自動変速機の制御装置におい
    て、 車両に過給機が設けられていて、吸気量制御手段が過給
    圧を変化させることによって吸気量を制御することがで
    きるようになっており、 変速時トルクダウン制御手段が、変速時トルクダウンを
    行わせるための過給圧変化量を変速段に応じて設定する
    ようになっていることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 吸気量を制御する吸気量制御手段と、変
    速機の変速信号を検出する変速信号検出手段と、該変速
    信号検出手段によって変速信号が検出されたときには吸
    気量制御手段を介して吸気量を変化させることによって
    トルクダウンを行わせる変速時トルクダウン制御手段と
    が設けられている車両の自動変速機の制御装置におい
    て、 変速時トルクダウン制御手段が、変速時トルクダウンが
    行われていないときに変速信号検出手段によって第1の
    変速信号が検出された場合は吸気量を変化させることに
    よって変速時トルクダウンを行わせるようになってい
    て、 該変速時トルクダウン実行中に、変速信号検出手段によ
    ってさらに第2の変速信号が検出されたときには、第1
    の変速信号に起因する変速時トルクダウンが終了するま
    では第2の変速信号に対応する変速を禁止する変速禁止
    手段が設けられていることを特徴とする自動変速機の制
    御装置。
  3. 【請求項3】 吸気量を制御する吸気量制御手段と、変
    速機の変速信号を検出する変速信号検出手段と、該変速
    信号検出手段によって変速信号が検出された場合は吸気
    量制御手段を介して吸気量を変化させることによってト
    ルクダウンを行わせる変速時トルクダウン制御手段とが
    設けられている車両の自動変速機の制御装置において、 車両に過給機が設けられていて、吸気量制御手段が過給
    圧を変化させることによって吸気量を制御することがで
    きるようになっており、 変速時トルクダウン制御手段が、変速時トルクダウンを
    行わせるための過給圧変化量を変速段に応じて設定する
    一方、変速時トルクダウンが行われていないときに変速
    信号検出手段によって第1の変速信号が検出された場合
    は、過給圧を変化させることによって変速時トルクダウ
    ンを行わせるようになっていて、 該変速時トルクダウン実行中に、変速信号検出手段によ
    ってさらに第2の変速信号が検出されたときには、第1
    の変速信号に起因する変速時トルクダウンが終了するま
    では第2の変速信号に対応する変速を禁止する変速禁止
    手段が設けられていることを特徴とする自動変速機の制
    御装置。
JP16817093A 1993-07-07 1993-07-07 自動変速機の制御装置 Pending JPH0726995A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16817093A JPH0726995A (ja) 1993-07-07 1993-07-07 自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16817093A JPH0726995A (ja) 1993-07-07 1993-07-07 自動変速機の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0726995A true JPH0726995A (ja) 1995-01-27

Family

ID=15863104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16817093A Pending JPH0726995A (ja) 1993-07-07 1993-07-07 自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0726995A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075239A1 (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Isuzu Motors Limited 車両用動力伝達装置のエンジン制御装置
JP2013185558A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Toyota Motor Corp 車両用駆動制御装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075239A1 (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Isuzu Motors Limited 車両用動力伝達装置のエンジン制御装置
CN100436891C (zh) * 2004-02-06 2008-11-26 五十铃自动车株式会社 车辆用动力传递装置的发动机控制装置
US7524264B2 (en) 2004-02-06 2009-04-28 Isuzu Motors Limited Vehicle controller of a vehicle power transmission device
JP2013185558A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Toyota Motor Corp 車両用駆動制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4765914B2 (ja) 車両用パワートレーンの制御装置
US5490815A (en) Fuel-cut control system for automobiles with lock-up type automatic transmission
US7695405B2 (en) Shift shock reducing apparatus for power train
JPH0659791B2 (ja) 車両のエンジントルク制御装置
JPS61268536A (ja) 自動変速機の変速制御方法
JP2595661B2 (ja) 変速制御装置
US5827151A (en) Control system for internal combustion engines for vehicles
JPH0726995A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2006200444A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2884892B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3352781B2 (ja) エンジン及び自動変速機の制御装置
JPS61282135A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3493987B2 (ja) 車両の制御装置
US10099698B2 (en) Control apparatus for vehicle and control method
JPS6298057A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2933730B2 (ja) エンジンの制御装置
JPH0784851B2 (ja) 自動変速機付車両におけるエンジン制御装置
JP3010653B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3621302B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH11350999A (ja) 自動変速機付車両のアイドリング制御装置
JPH05256157A (ja) 自動変速機の変速制御方法
JP2602283B2 (ja) 自動変速機付車両におけるエンジン制御装置
JPH0716925Y2 (ja) 車輌用自動変速機の変速制御装置
JP3051205B2 (ja) エンジン及び自動変速機の制御装置
JPS62275848A (ja) 自動変速機の制御方法