JPH07269884A - オーブン皿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温調理の際に被調理物を誤ってオーブン皿
に載せて調理しても、発煙したり、引火したりするおそ
れのないオーブン皿を提供する。 【構成】 オーブン皿Ａの底部に油脂分を排出するため
の排出孔Ｂを形成し、高温調理の際に被調理物から摘出
される油脂分を排出孔Ｂから下方に排出して水皿で受け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、熱気により調理庫内の
被調理物を調理するガス調理装置において用いられるオ
ーブン皿に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から調理庫の外に加熱部を設け、加
熱部により加熱した熱気を調理庫内に吹き込んで調理庫
内に入れた被調理物を調理するものが知られている。そ
して、本出願人は熱気で調理庫内を加熱して調理するに
当たり、高温（例えば３００℃以上）で調理するガス調
理装置を特願平５ー１５０６６９号等によりすでに出願
している。

【０００３】上記のように高温で調理した場合、肉類な
どの被調理物は摘出する油脂分が溜まると２５０℃以上
になると発煙し、３００℃以上になると引火する恐れが
ある。このため、高温調理の場合には肉類などの被調理
物は焼網の上に載せ、肉類などの被調理物から摘出する
油脂分は網目を通して下方に落下させ、調理庫内の底部
に配置している水皿内の水に滴下させるようにし、この
ことにより油脂分の発煙や、引火を防止するようにして
いる。

【０００４】一方、上記ガス調理装置では２５０℃以下
で調理する際にオーブン皿に被調理物を載せて調理する
場合がある。例えばクッキー、ケーキ、鳥のもも肉の照
焼等の調理がこれに該当する。したがって、高温調理を
可能にしたガス調理装置においては、被調理物を載せる
ための備品として焼網とオーブン皿との２種類をセット
として備える必要がある。

【０００５】ところが、このように焼網とオーブン皿と
の２種類がセットとして備わっているため、使用者は焼
網又はオーブン皿のどちらかを用いて被調理物を載置し
て調理庫内に入れて調理するのであるが、３００℃以上
の高温調理をする際に、本来なら焼網を用いて被調理物
を載置して調理するべきであるにもかかわらず、誤って
オーブン皿に肉類などを載せて３００℃以上の高温で調
理するおそれがある。この場合には、肉類から摘出した
油脂分がオーブン皿内に溜まり、これが、２５０℃以上
になると発煙し、３００℃以上になると引火するおそれ
があって危険である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来例
の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とす
るところは、高温調理の際に被調理物を誤ってオーブン
皿に載せて調理しても、発煙したり、引火したりするお
それのないオーブン皿を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決して本発明の目的を達成するため、本発明において
は、オーブン皿Ａの底部に油脂分を排出するための排出
孔Ｂを形成して成ることを特徴とするものである。ま
た、オーブン皿Ａの底部の外周の各辺に油脂分を排出す
るための排出孔Ｂを形成することも好ましい。

【０００８】

【作用】上記のような構成の本発明によれば、オーブン
皿Ａに油脂分を排出するための排出孔Ｂを形成したこと
で、高温調理の場合にあやまってオーブン皿Ａに肉類な
どの被調理物を載せて調理しても、肉類などから摘出す
る油脂分はオーブン皿Ａの排出孔Ｂから排出し、調理庫
１内の底部に配置した水皿３６の水内に滴下でき、高温
で油脂分が発煙したり、引火したりするおそれがなくな
ったものである。

【０００９】そして、オーブン皿Ａの底部の外周の各辺
に油脂分を排出するための排出孔Ｂを形成することで、
オーブン皿Ａを調理庫１内に配設した場合にオーブン皿
Ａが少し傾いて設置されてもオーブン皿Ａの傾きの方向
に関係なく、いずれかの辺の排出孔Ｂから確実に油脂分
を排出できるものである。

【００１０】

【実施例】以下本発明を添付図面に示す実施例に基づい
て詳述する。図１には本発明に係るオーブン皿Ａが示し
てある。オーブン皿Ａは上方が開口した皿状をしていて
上縁外周部にフランジ部Ｃが形成してある。オーブン皿
Ａの底部には油脂分を排出するための排出孔Ｂを形成し
てあり、図１に示す実施例ではオーブン皿Ａの底部の外
周の各辺にそって油脂分を排出するための複数個の排出
孔Ｂが形成してある。排出孔Ｂの形状は添付図面におい
ては細長孔となっているが、丸孔であってもよい。

【００１１】上記のような構成のオーブン皿Ａはガス調
理装置の調理庫１内に配設されて使用される。次に、ガ
ス調理装置につき説明する。図２乃至図８には本発明の
オーブン皿Ａを使用するガス調理装置の一実施例が示し
てある。調理庫１の前面部は開口となっており、この開
口を開閉自在な扉２５により密閉的に閉じることができ
るようになっている。調理庫１の後方の略中央部に加熱
部２を構成するバーナ１１と燃焼用ファン１５とを前後
に位置をずらせて配置してある。バーナ１１は調理庫１
の後方に設けた燃焼室４内に配置してあり、燃焼用ファ
ン１５は燃焼室４の後方に設けた燃焼用ファン収納室５
内に配置してある。ここで、燃焼室４と燃焼用ファン収
納室５との間には仕切り板６で仕切られた通路室７が設
けてあり、仕切り板６の上方が熱気の通る通路となって
いる。調理庫１の左右両側面部の上部と下部とにそれぞ
れ熱気入口９が前後方向に複数設けてある。燃焼用ファ
ン収納室５の両側から調理庫１の両側の熱気入口９に連
通するためのダクト８が左右に設けてある。調理庫１の
後面部の上部に燃焼室４に連通する熱気出口１０を設け
てあり、熱気出口１０から燃焼室４に入った熱気は更に
仕切り板６の上方の通路から通路室７に流れるようにな
っている。燃焼室４には燃焼空気が供給される燃焼用空
気供給口１９が設けてある。また、燃焼用ファン収納室
５の後壁１２には排気口１３が設けてあり、この排気口
１３は先端が外部に開口する排気路２１に連通してい
る。燃焼用ファン収納室５の後方には冷却用ファン収納
室１４が配置してあり、燃焼用ファン収納室５と冷却用
ファン収納室１４とは防熱板２２により仕切ってあっ
て、防熱板２２により排気室２０の熱が冷却用ファン収
納室１４よりも後方に配置したモータ１８に影響を与え
ないようにしてある。冷却用ファン収納室１４の一部は
上記排気路２１に連通しており、冷却用ファン収納室１
４には冷却用空気吸入口２８が設けてある。燃焼用ファ
ン１５の出力軸１６には更に冷却用ファン１７が固着し
てあり、この冷却用ファン１７が冷却用ファン収納室１
４に配置してあり、出力軸１６は冷却用ファン収納室１
４よりも後方に配置したモータ１８により回転されるよ
うになっている。

【００１２】調理庫１内の底には水皿３６が載置される
ようになっており、また、調理庫１内の中程にはオーブ
ン皿Ａや焼網３７が配設されるようになっている。そし
て、上記ガス調理装置は通常の調理温度である２５０℃
以下の調理及び３００℃以上の高温調理のいずれの調理
もできるようになっており、このため、ガス調理装置に
水皿３６、オーブン皿Ａ、焼網３７がセットとして販売
される。

【００１３】ところで、調理庫１の両側部の上部と下部
とにそれぞれ前後方向に複数設けた上下の熱気入口９の
うち下部の熱気入口９は吹き出される熱気が調理庫１内
に斜め上方に傾斜して吹き出されるように斜め上方を向
いており、このため、下部の熱気入口９から吹き出され
た熱気が調理庫１内の底部に配置した水皿３６内の水に
直接吹き付けて温度低下をきたすことがなく、高温を保
ったままオーブン皿や焼網に載置した被調理物を下方か
ら加熱調理するようになっている。

【００１４】上記のような構成において、バーナ１１に
よりガスを燃焼させると共に燃焼用ファン１５を回転さ
せると、バーナ１１の燃焼により生成された熱気が燃焼
用ファン１５によりダクト８を通じて調理庫１の両側面
部に設けた熱気入口９から調理庫１内に強制的に流入さ
せられ、調理庫１内を加熱して調理庫１の後面部の上部
に設けた熱気出口１０から再び燃焼室４内に戻り、燃焼
室４内においてバーナ１１の火炎により再度加熱され、
燃焼用ファン１５により再度ダクト８を通じて調理庫１
内に流入させられるというように熱気を再加熱循環しな
がら調理庫１内を加熱するものである。したがって、バ
ーナ１１や燃焼用ファン１５よりなる加熱部２、ダクト
８、熱気入口９、調理庫１、熱気出口１０等により熱気
循環路２９が構成されることになる。上記循環する熱気
のうち一部の熱気は排気口１３から排気室２０、排気路
２１を経て外部に排気される。この場合、冷却用ファン
１７により外部空気が吸入されて排気路２１に流れ込
み、排気路２１から排気される排気の温度を低下させる
と共に、該冷却用ファン１７による外気の吸い込み作用
による冷却でモータ１８の加熱を防止するようになって
いる。

【００１５】ところで、本発明においては加熱部２は庫
内温度を３００℃以上に加熱して調理できるようにバー
ナ１１の能力や燃焼用ファン１５の能力等を設定してあ
る。このため、庫内温度が２５０℃以下の従来の調理が
できるのはもちろん、必要に応じて庫内温度が３００℃
以上の高温調理もできるのである。しかして、本発明の
ガス調理装置は、扉２５を開いて調理庫１内に被調理物
Ｃを入れて種々の調理を行うものである。図５には調理
庫１内にオーブン皿Ａを配置して調理する例が示してあ
り、図６乃至図８には調理庫１内に焼き焼網３７を配置
して調理する例が示してある。調理に当たっては、バー
ナ１１によりガスを燃焼させると共に燃焼用ファン１５
を回転させ、加熱部２で生成された熱気をダクト８を通
じて熱気入口９から調理庫１内に強制的に流入させて熱
気により被調理物Ｃを調理するものである。ここで、熱
気入口９から調理庫１内を加熱した熱気は燃焼用ファン
１５の作用により熱気出口１０から再び加熱部２に戻
り、加熱部２で再度加熱されてダクト８を通じて調理庫
１内に流入させられるというように熱気が循環しながら
調理庫１内を加熱するものである。この場合、上記熱気
の循環の際、煙や油分を含んだ熱気は加熱部２の燃焼室
４を通過する時、バーナ１１の燃焼炎により熱気中に含
まれる煙や油分が焼き切られる。この場合、調理庫１の
後面部の上部に設けた熱気出口１０から燃焼室４に流入
した熱気は仕切り板６の上方の通路から通路室７に流れ
るのであるが、この熱気出口１０から仕切り板６の上方
の通路に流れる熱気がちょうどバーナ１１の上方位置に
おいてバーナ１１の火炎の上端部付近を流れるように設
定してあり、このことにより、効率的にバーナ１１の火
炎で熱気が焼かれ、熱気中に含まれている油脂分や煙や
臭いが効果的に焼き切られることになる。上記調理は庫
内温度が約２５０℃以下の従来と同じ調理ができるのは
もちろんであるが、庫内温度３００℃以上の高温調理と
することもできる。この高温調理においては、上記のよ
うに循環する熱気中に含まれている煙や油分が焼き切ら
れる。

【００１６】調理庫１内の温度を３００℃以上にした高
温調理する場合、水皿３６内に水を入れて調理すること
で、被調理物Ｃから摘出した油脂分を水皿３６内の水に
受けることができて発煙、発火を防止するようになって
いる。そして、水皿３６内に水を入れて３００℃以上の
高温調理を行うと、調理庫１内の庫内温度が３００℃以
上となるため、水皿３６に入れた水が沸騰し、スチーム
が発生して高温スチーム調理がなされる。そして、この
ように調理庫１内の庫内温度が３００℃以上の高温で調
理を行うと被調理物が外面部が香ばしく且つ中身まで柔
らかに調理できるものであり、しかも３００℃以上の高
温でスチーム調理を行うことになり、同一温度の場合水
蒸気を含んだ熱風の方が水蒸気を含まない熱風よりも熱
量が大きくて被調理物に与える熱量が多くなり（比熱が
空気と水蒸気とでは２倍程度違う）、この結果、被調理
物の表面温度の立ち上がりが早くなってタンパク質の熱
変成が促進され、この点でも外面が素早く焼けて中身を
柔らかく焼くことができることになる。また、スチーム
により表面の水分蒸発を抑制し、乾燥を防ぐことにより
激しい炭化を押さえてまろやかに調理されることにな
る。また、このような３００℃以上の高温調理を行う場
合、下部の熱気入口９から調理庫１内に吹き込まれた熱
気は前述の低温（２５０℃以下）調理の場合に述べたよ
うに、下部の熱気入口９から吹き出される熱気が調理庫
１内に斜め上方に傾斜して吹き出されるように下部の熱
気入口９からの吹き出し方向を設定してあることで、水
皿３６内の水に直接吹き付けて熱気の温度を低下するこ
とがなくて、被調理物の下面部を上面部と同じように均
一に調理できるものである。

【００１７】ここで、調理庫１内の温度を３００℃以上
にした高温調理を行うに当たり、水皿３６を配設して上
記のように調理する際、通常は焼網３７の上に肉類のよ
うな被調理物を載置して調理するのであるが、この場
合、肉類等の被調理物Ｃから摘出する油脂分は網目から
下方に滴下して水皿３６内に入れた水に落下し、油脂分
が発煙したり引火したりしないようになっている。ここ
で、調理庫１内の温度を３００℃以上にした高温調理を
行うに当たり、本発明のオーブン皿Ａを用いて調理する
ことがあるが、この場合、肉類などの被調理物Ｃから摘
出する油脂分はオーブン皿Ａの底に溜まることなく、オ
ーブン皿Ａの底に設けた排出孔Ｂから図５の矢印に示す
ように下方に滴下して水皿３６内に入れた水に落下し、
油脂分が発煙したり引火したりしないようになってい
る。このように、本発明のオーブン皿Ａは高温調理に使
用しても発煙、引火等が発生しないようになっている。

【００１８】ここで、オーブン皿Ａを調理庫１内に配設
した場合、製造誤差等によりいずれかの辺が下となるよ
うに少し傾いて配置されるおそれがあるが、このような
場合であっても、オーブン皿Ａの底部の外周の各辺に油
脂分を排出するための排出孔Ｂを形成することで、オー
ブン皿Ａを調理庫内に配設した場合にオーブン皿Ａが少
し傾いて設置されてもオーブン皿Ａの傾きの方向に関係
なく、いずれかの辺の排出孔Ｂから確実に油脂分を排出
できるのである。

【００１９】もちろん、２５０℃以下の調理において、
オーブン皿Ａ内に被調理物を載置して調理することもで
きる。この場合でもオーブン皿Ａであるので、クッキー
やケーキ等を焼成したりするに当たり、生地を安定して
載せることができ、またオーブン皿Ａ内にグラタン皿な
どを載置して調理する際も安定して調理できる。なお、
２５０℃以下の調理では水皿３６を用いない場合もあ
る。

【００２０】

【発明の効果】本発明にあっては、上述のように、オー
ブン皿の底部に油脂分を排出するための排出孔を形成し
てあるので、２５０℃以下の普通の調理においてオーブ
ン皿内に被調理物を載せて調理できるのはもちろん、高
温調理の場合にあやまってオーブン皿に肉類などの被調
理物を載せて調理しても、肉類などから摘出する油脂分
はオーブン皿の排出孔から排出して、調理庫内の底部に
配置した水皿の水内に滴下でき、この結果、高温で油脂
分が発煙したり、引火したりするおそれがなくなく、安
全に使用できるものである。

【００２１】また、請求項２記載の発明にあっては、オ
ーブン皿の底部の外周の各辺に油脂分を排出するための
排出孔を形成してあるので、上記請求項１記載の発明の
効果に加えて、オーブン皿を調理庫内に配設した場合に
オーブン皿が少し傾いて設置されてもオーブン皿の傾き
の方向に関係なく、下となった方のいずれかの辺の排出
孔から確実に油脂分を排出できるものであって、よりい
っそう安全に使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のオーブン皿を示し、（ａ）は平面図で
あり、（ｂ）は断面図である。

【図２】本発明の概略側面断面図である。

【図３】同上の概略正面断面図である。

【図４】同上の概略平面断面図である。

【図５】同上のオーブン皿を使用した場合の正面断面図
である。

【図６】同上の水皿を使用した場合における概略正面断
面図である。

【図７】同上の概略側面断面図である。

【図８】同上の概略平面断面図である。

【符号の説明】

Ａ オーブン皿 Ｂ 排出孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 隆 大阪市港区南市岡１丁目１番52号株式会社 ハーマン内 (72)発明者 松原 秀樹 大阪市中央区平野町四丁目１番２号大阪瓦 斯株式会社内 (72)発明者 北本 朋宏 大阪市中央区平野町四丁目１番２号大阪瓦 斯株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オーブン皿の底部に油脂分を排出するた
   めの排出孔を形成して成ることを特徴とするオーブン
   皿。
2. 【請求項２】 オーブン皿の底部の外周の各辺に油脂分
   を排出するための排出孔を形成して成ることを特徴とす
   るオーブン皿。