JPH07268520A - 逆分配ニッケル基超合金単結晶製品 - Google Patents

逆分配ニッケル基超合金単結晶製品

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JPH07268520A
JPH07268520A JP6337513A JP33751394A JPH07268520A JP H07268520 A JPH07268520 A JP H07268520A JP 6337513 A JP6337513 A JP 6337513A JP 33751394 A JP33751394 A JP 33751394A JP H07268520 A JPH07268520 A JP H07268520A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温下で十分な強度を有するばかりでなく、
特に高温暴露後において被膜−基材界面に望ましくない
TCP相が生成する傾向を低減することのできる逆分配
ニッケル基超合金単結晶製品を提供する。 【構成】 本発明に係るニッケル基超合金単結晶製品の
特徴の1つは、1.3原子%(約4.0重量%)を超え
る高い含量のレニウムを含有しているニッケル基超合金
内において、Mo、Cr及びCbから成っている第1の
元素群の含量の和によって定義された第1の含量範囲内
にある第1の元素群と、Al、Ti及びWから成ってい
る第2の元素群の含量の和によって定義された第2の含
量範囲内にある第2の元素群と共に、特定含量のルテニ
ウム(Ru)及びタンタル(Ta)が存在している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願の記述】本発明は、いずれも本願の場合と同
じ譲受人に譲渡された、1993年12月14日付けの
米国特許番号第5270123号及び1993年7月2
9日付けの米国特許出願番号第08/100010号と
関連している。このような同時係属出願の開示内容は、
引用によってここに参照されるべきものである。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル基超合金に関
し、更に詳しく言えば、約2000°F以上の高温で単
結晶製品として使用するためのニッケル基超合金に関す
る。
【0003】
【従来の技術】苛酷な負荷条件下において高温で単結晶
製品として使用するため、各種の高温用ニッケル基超合
金が開発され且つ報告されている。例えば、このような
条件は最新の航空機用ガスタービンエンジンのタービン
部に存在している。上述のような単結晶製品は、これら
のタービン部においてエアフォイルとして有用である。
【0004】一般的に述べれば、このような高温及び苛
酷な負荷条件の下で有用な単結晶製品に関する最近の合
金強度の進歩は、原子拡散過程を阻止する「重い」高融
点元素を製品内に混入することによって達成されてき
た。このような高融点元素としては、レニウム(R
e)、タングステン(W)、タンタル(Ta)及びモリ
ブデン(Mo)が挙げられる。しかし残念ながら、上述
のようなニッケル基超合金製品を強化するためにこれら
のレニウム、タングステン、モリブデン及びタンタルを
添加した場合には、合金内に望ましくない相の析出が起
こり易くなることが避けられない。特に有害なのは位相
幾何学的最密充填相(TCP相)として知られている相
であって、これらの相は約1800°Fよりも高い温度
への暴露後において生成する。TCP相は脆いばかりで
なく、それらの生成は合金の固溶体強化ポテンシャルを
低下させる。即ち、TCP相の生成は溶質元素を所望の
合金相から除去し、そしてそれらを脆い相内に濃縮する
結果、目標とされる強度及び寿命が達成されないのであ
る。
【0005】一般に、タービン装置において高温下で長
期間にわたり使用される予定の製品は、使用中に苛酷な
酸化条件に暴露されるために環境保護被膜で被覆されて
いる。このような被膜内にしばしば含有されている元素
の1つはアルミニウムであって、これは場合によって他
の元素(例えば白金)と併用若しくは合金化されてい
る。ところで、ある種の報告されたニッケル基超合金
は、このような苛酷な条件下で使用するための単結晶製
品として十分な強度を有しているが、上述のような保護
被膜が製品の表面と相互拡散して被膜−基材界面又はそ
の近傍に望ましくないTCP相を析出させる場合のある
ことが認められている。このような被膜−基材反応は
又、エンジンの運転中に機械的性質の低下をもたらすこ
とがあり、従って、極めて望ましくないと考えられてい
る。
【0006】ディン(Dinh)の米国特許番号第49350
72号明細書中に記載されている通り、合金内にルテニ
ウムが存在する場合には、この合金内に望ましくないσ
相が生成する傾向が少ない。σ相は望ましくないTCP
族の組織の1つに過ぎない。ディンによって開示された
狭い範囲の合金は、3.5重量%未満のレニウム含量を
有しており、且つ好ましくはルテニウムを使用していな
い合金のみに限定されている。ディンは、最適量のルテ
ニウムを使用した場合、ルテニウムがレニウムを置換す
ることを述べている。ディンの特許明細書中には、σ相
のみが観察されるような狭い範囲の合金が開示されてい
る。より高いレニウム含量を有している超合金において
は、より複雑な安定性関係が認められ、そしてP相、μ
相及び(より少ない程度で)σ相を含んでいる複数のT
CP相が存在している。ディンによって開示された範囲
よりも高い含量でレニウムを含有している合金内におけ
るこれらのTCP相は、ディンによって観察されたσ相
のレニウム含量に比べて高いレニウム含量を示す。ディ
ンによって開示された範囲よりも高いレニウム含量にお
いては、TCP相に対して追加のレニウム分配が起こる
ものと思われる。これはTCP相の性質に影響を及ぼ
し、そしてより高いレニウム含量を有している合金にお
いて認められる異なった安定性挙動の原因となる。尚、
ディンによって開示された合金は、より低いレニウム含
量を有している。
【0007】ドゥール(Duhl)等の米国特許番号第47
19080号明細書中には、レニウム及びルテニウムを
随意の元素として含有しているニッケル基超合金が開示
されている。ドゥール等は、σ相、P相又はμ相のよう
ないずれかの観察形態でTCP相が生成されることを開
示していない。それ故、ドゥール等は望ましくないTC
P相の生成に関するレニウムの決定的な役割を認識する
ことができなかったばかりでなく、このような認識され
ない問題を解決するための示唆を提示することもできな
かった。
【0008】オースチン(Austin)等の米国特許番号第5
151249号明細書中には、レニウム及び所望に応じ
てルテニウムを含有しているニッケル基超合金が記載さ
れている。オースチン等は、ドゥール等と同じく、レニ
ウムが強力な固溶体強化元素であることを認識してい
た。オースチン等は又、約8重量%を超える高いレニウ
ム含量の下では高温暴露時におけるTCP相の生成傾向
が増大することをも認識していた。しかしながら、オー
スチン等は、ドゥール等と同じく、TCP相生成の防止
に関するルテニウムの役割を正しく評価せず、従って、
この元素を随意の添加剤としてしか記載しなかった。要
するに、高温下でのTCP相生成を抑制するために他の
元素と共にルテニウムを使用することの重要性の記載が
欠けている。
【0009】このように、高温下で十分な強度を有する
ばかりでなく、特に高温暴露後において被膜−基材界面
に望ましくないTCP相が生成する傾向の低減を示すよ
うなニッケル基超合金が要望されているのである。
【0010】
【発明の概要】本発明の一側面に従えば、改善された組
合せの応力破断寿命及びTCP相の生成に関するミクロ
組織安定性を有するニッケル基超合金が提供される。わ
ずかな公称含量を超える量の望ましくない位相幾何学的
最密充填相(TCP相)の生成は合金の組成及び熱履歴
によって左右され、そしてひとたび生成すれば合金の破
断寿命性能を必ず低下させる。本発明のニッケル基超合
金の特徴の1つは、1.3原子%(約4.0重量%)を
超える高い含量のレニウムを含有しているニッケル基超
合金内において、Mo、Cr及びCbから成っている第
1の元素群の含量の和によって定義された第1の含量範
囲内で存在している第1の元素群、並びにAl、Ti及
びWから成っている第2の元素群の含量の和によって定
義された第2の含量範囲内で存在している第2の元素群
と共に、特定含量のルテニウム(Ru)及びタンタル
(Ta)が含有されている結果、TCP相の生成傾向が
低減し、従って、この合金が高温下でより安定となるこ
とである。又、Ruが残りの元素と作用し合って高融点
元素相の分配状態を変化させることは、本発明のニッケ
ル基超合金にこれまで知られていなかった特異な性能を
付与するのであって、それにより、Ni基超合金内にお
いて通常見られるのとは反対の方向に沿って元素がγ相
又はγ’相内に分配されることになる。このようなNi
基超合金は、Ru含有逆分配Ni基超合金と呼ばれる。
このような逆分配Ni基超合金の一実施例を成すγ相及
びγ’相を有している逆分配Ni基超合金単結晶製品
は、1.3〜3原子%のRe、2.0〜3.7原子%の
Ta、4.0〜18.0原子%のCo、0〜0.2原子
%のHf、0〜0.3原子%のC、0〜0.05原子%
のB、0〜0.03原子%のY、0〜2.0原子%のM
o、1.5〜7.2原子%のCr、0〜0.7原子%の
Cb、12.0〜15.0原子%のAl、0〜1.3原
子%のTi及び1.0〜2.5原子%のWと共に、0.
25〜4.0原子%のRuを含有しており、且つ残部が
Ni及び偶発不純物から成っているような組成を有して
いる。このようなNi基超合金製品においては、Ruは
γ’相内においてAl及び随意のTiを実質的に置換し
ながらAl及び随意のTiをγ相内に分配する。Ruは
又、W、Cr及びReをγ’相内に分配させる。その結
果、このようなNi基超合金製品は、改善された組合せ
の応力破断寿命及びミクロ組織安定性を有すると共に、
超合金のミクロ組織内における高温下での(γ相析出物
である)有害な位相幾何学的最密充填相の生成が抑制さ
れることを特徴とする。これは、ルテニウムの存在下に
おいてTCP相生成元素がγ’相内に移動するという逆
分配効果に実質的に由来するものである。
【0011】本発明の他の側面に従えば、Mo、Cr及
びCbから成っている第1の元素群の原子パーセントの
和によって定義される第1の含量範囲内で存在している
第1の元素群、並びにAl、Ti及びWから成っている
第2の元素群の原子パーセントの和によって定義される
第2の含量範囲内で存在している第2の元素群と共に、
特定含量のRuが含有されている結果、改善された組合
せの応力破断寿命及びミクロ組織安定性を有すると共
に、超合金のミクロ組織内における高温下での有害な位
相幾何学的最密充填相の生成が抑制されるようなニッケ
ル基超合金単結晶製品であって、1.3〜2.6原子%
(約3.9〜7.8重量%)のRe、2.0〜3.7原
子%(約5.8〜10.7重量%)のTa、4.0〜1
6.0原子%(約4.25〜17.0重量%)のCo、
0〜0.16原子%(約0〜0.5重量%)のHf、0
〜0.3原子%(約0〜0.06重量%)のC、0〜
0.05原子%(約0〜0.01重量%)のB、0〜
0.03原子%(約0〜0.02重量%)のY、0〜
2.0原子%(約0〜3.0重量%)のMo、1.5〜
7.2原子%(約1.25〜6.0重量%)のCr、0
〜0.7原子%(約0〜1.0重量%)のCb、12.
0〜15.0原子%(約5.0〜6.6重量%)のA
l、0〜1.3原子%(約0〜1.0重量%)のTi及
び1.0〜2.3原子%(約3.0〜6.9重量%)の
Wと共に、0.25〜4.0原子%(約0.4〜6.5
重量%)のRuを含有しており、第1の元素群の原子パ
ーセントの和によって定義される第1の含量範囲は、
1.5〜8.0原子%であり、第2の元素群の原子パー
セントの和によって定義される第2の含量範囲は、1
3.5〜17.2原子%であり、且つ残部がNi及び偶
発不純物から成っている組成を有していることを特徴と
するニッケル基超合金単結晶製品が提供される。
【0012】本発明の更に他の側面に従えば、Mo、C
r及びCbから成っている第1の元素群の原子パーセン
トの和によって定義される第1の含量範囲内で存在して
いる第1の元素群、並びにAl、Ti及びWから成って
いる第2の元素群の原子パーセントの和によって定義さ
れる第2の含量範囲内で存在している第2の元素群と共
に、特定含量のRuが含有されている結果、改善された
組合せの応力破壊寿命及びミクロ組織安定性を有すると
共に、超合金のミクロ組織内における高温下での有害な
位相幾何学的最密充填相の生成を抑制するようなニッケ
ル基超合金単結晶製品であって、1.3〜2.6原子%
のRe、2.0〜3.7原子%のTa、4.0〜16.
0原子%のCo、0〜0.16原子%のHf、0〜0.
3原子%のC、0〜0.05原子%のB、0〜0.03
原子%のY、0〜2.0原子%のMo、1.5〜7.2
原子%のCr、0〜0.7原子%のCb、12.0〜1
5.0原子%のAl、0〜1.3原子%のTi及び1.
0〜2.3原子%のWと共に、0.25〜4.0原子%
のRuを含有しており、第1の元素群の原子パーセント
の和によって定義される第1の含量範囲は、1.5〜
8.0原子%であり、第2の元素群の原子パーセントの
和によって定義される第2の含量範囲は、13.5〜1
7.2原子%であり、且つ残部がNi及び偶発不純物か
ら成っている組成を有していると共に、2000°F〜
2100°Fの範囲内の温度下で少なくとも約11〜1
8ksiの範囲内の応力を受けた場合に少なくとも約3
60時間の応力破断寿命を有していることを特徴とする
ニッケル基超合金単結晶製品が提供される。好ましく
は、このような製品の応力破断寿命は、少なくとも約2
100°Fの温度下で少なくとも約12ksiの応力を
受けた場合に少なくとも600時間である。本発明の合
金は、TCP相を生成する傾向を示さないという点で安
定である。本発明に従えば、TCP相の生成傾向はTC
P数によって定量化されるのであって、TCP数が大き
いほど望ましくないTCP相の生成傾向が大きいことを
意味する。本発明の合金に関して許容し得るTCP数は
3以下である。本発明の超合金製品は、ガスタービンエ
ンジン用のエアフォイルとして最も有用である。このよ
うなエアフォイルは被膜−基材界面に二次反応帯域(S
RZ)を生成する傾向を有しているAl合金、Pt合金
及びそれらの組合せによって被覆されるので、本発明の
製品を構成している合金組成物は、例えばエアフォイル
として使用される現行の超合金製品に比べてSRZの生
成を阻止する傾向をも示すことが好ましい。
【0013】本明細書中において用いられる「偶発不純
物」という用語は、性質及び(又は)量の点から見て超
合金の有利な特性に悪影響を及ぼさない少量の不純物及
び付随元素を意味する。本発明の更に他の側面に従え
ば、上に定義されたような本発明の合金から製造された
結果として改善された組合せの応力破壊寿命及びミクロ
組織安定性を有する強固で且つ安定なニッケル基超合金
単結晶製品が提供される。このような製品は、約15k
si(103 ポンド/平方インチ)の応力下で約100
0時間にわたり約2000°Fの温度に暴露された後に
おいても製品の内部に二次反応帯域が実質的に存在しな
いと共に、約2100°Fの温度下で約11ksiの応
力を受けた場合に少なくとも約600時間の応力破断寿
命を有しながら約3.0以下のTCP数を示すことを特
徴とする。TCP数は、TCP相の析出を予測するため
に使用される合金組成物に基づく分析値である。大きい
TCP数はTCP相の生成傾向が大きいことを表す。許
容し得る応力破断寿命を得るためには3以下のTCP数
が必要である。化学組成及び相生成の研究は原子レベル
の考察及び原子組成の使用に基づいており、且つニッケ
ル基超合金内のTCP相に関する文献においても原子組
成が使用されているので、本発明の発見につながる実験
結果の大部分は原子パーセントを基準として分析された
ものであり、従って、本明細書中でもそのまま提示され
る。尚、一部の先行技術においては重量パーセントによ
る組成が報告されているので、本明細書中では可能な限
り原子パーセントの後に概略の重量パーセントを括弧に
入れて提示することにする。
【0014】本発明の内容は、特許請求の範囲に詳細に
且つ明確に記載されている。とは言え、本発明の構成及
び実施方法、並びに追加の目的及び利点は、図面を参照
しながら以下の説明を読むことによって最も良く理解さ
れよう。
【0015】
【好適な実施例の詳細な説明】ニッケル基単結晶超合金
の報告例である合金R’162は、本発明の譲受人に譲
渡された前述のような1992年9月29日付けのオー
スチン等の米国特許番号第5151249号明細書中に
記載されている。この特許の合金は非常に強度の大きい
単結晶超合金である。しかしながら、ある種の環境保護
被膜(特に、アルミニウムを含有しているもの)で被覆
された場合、それは望ましくないミクロ組織不安定性を
示すことが判明した。
【0016】特に単結晶製品として使用するために開発
された他のニッケル基超合金は、やはり前述のような1
993年12月14日付けの米国特許番号第52701
23号明細書中に記載されている。この合金は、ある種
の特定用途に関し、特に被膜に隣接した合金本体内にお
ける二次反応帯域(SRZ)と呼ばれる成分についての
ミクロ組織安定性を顕著に向上させるために多少の応力
破断性能を犠牲にしたものである。これは、主としてC
o、W及びNiから成っている基材内に特定含量範囲の
Al、Cr、Ta及びMoと共にReを存在させるとい
う特異な組合せによって達成された。しかしながら、こ
の合金においては、RuがReを制御してTCP相内へ
のそれの優先的な分配を防止することの意義は認識され
ていなかった。
【0017】SRZと呼ばれる成分は、ある種のニッケ
ル基超合金、特に単結晶構造物の製造用として設計され
たニッケル基超合金内において生成することが認められ
ている。通例、SRZは1800°F以上の温度への暴
露後において保護被膜と基材合金との間の界面に生成す
る。SRZの生成は、機械的性質とりわけ応力破断特性
の低下をもたらす。SRZ成分はタイプIIの位相幾何学
的最密充填相(TCP相)である斜方晶系のP相、及び
γ相から主として成っており、それらはいずれもγ’相
母体内に分散している。尚、このようなTCP相及びγ
相は、塊状のγ’相母体内において針状の構造物を形成
している。時折、SRZは高温下での応力破断試験中に
おいてミクロ組織の偏析領域内に生成し、そしてやはり
性質の低下をもたらすことが認められている。
【0018】高温下で単結晶製品として使用するための
この種の合金を継続的に評価したところ、ミクロ組織安
定性と応力破壊性能との間に緊密な関係のあることが判
明した。これは、レニウムに富むTCP相が析出する約
2000°F以上での用途にとって特に重要である。こ
のような評価に際し、ミクロ組織安定性と改善された応
力破断寿命との組合せを得るために、Ruの含有が極め
て重要であることが認められた。下記の表1〜表4に
は、評価された代表的な合金の公称組成が示されてい
る。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】特定の性質を達成するために、各種の合金
元素が特定の含量でニッケル基超合金組成物に添加され
ている。これらの合金元素の効果は公知である。クロム
は、主として高温耐食性及び耐酸化性に対する有益な効
果を有するために添加される。クロムは又、γ相内にお
ける強力な固溶体強化元素である。クロムの含量が少な
過ぎると、高温耐食性が許容し得ないほど低いレベルに
まで低下する。先行技術(例えば、米国特許番号第51
51249号)によれば、約5重量%よりも高いクロム
含量においては高温ミクロ組織不安定性が生じることも
示されている。その理由は、クロムがTCP相の生成傾
向を助長することにある。
【0024】コバルトは、長期の高温運転に際し、TC
P相の生成に対して合金を安定化するために添加され
る。しかしながら、Coは合金の破断強さ及び耐酸化性
を低下させる。タングステン(W)はγ相及びγ’相に
分配され、そして固溶体強化により各相を強化するため
に役立つ。タングステンは、それの高い密度が合金の総
合密度を増大させるため航空機用途において使用される
エアフォイルにとっては望ましくないが、強化に役立つ
点から見て必要である。更に又、高含量のWは、合金の
耐酸化性及び耐食性を低下させるように思われると共
に、TCP相の生成を促進する傾向がある。
【0025】タンタル(Ta)はγ’強化剤であって、
これは又、高温耐食性を与えると共に、鋳造品の表面上
にフレックルとして知られる等軸結晶粒が生成するのを
抑制する。最小含量よりも低ければ合金の強度は低くな
り、又、約10重量%よりも高ければ合金の密度が増大
するので望ましくない。アルミニウムはγ’相の生成に
とって重要な合金元素であると共に、表面の酸化アルミ
ニウムにアルミニウムを提供することによって耐酸化性
を付与する。アルミニウム含量が低過ぎると、γ’相の
生成が不十分となり、従って、合金のクリープ破断強さ
及び耐酸化性が許容し得ないほどに低くなる。とは言
え、アルミニウム含量の増加は、長期の高温暴露に際し
て脆いTCP相が生成する傾向を増大させる原因とな
る。更に又、Alの増加に伴って合金の溶体化処理が困
難になるため、溶体化処理に際して融解の開始が起こる
という問題が見られることがある。
【0026】チタンは強力なγ’相生成剤である。これ
はγ’相内において容易にAlを置換する。レニウム
(Re)はγ相内における強力な固溶体強化元素であっ
て、高温強度を達成するために重要であるが、密度が比
較的高い。Reはそれほど強力でない固溶体強化元素
(例えば、Mo及びCr)の代わりに使用されてきた。
Reの含量が約3重量%を超えると、長期の高温暴露に
際してTCP相が生成する傾向が増大する。レニウムは
密度が高いばかりでなく高価でもある。
【0027】少量のイットリウム(Y)は耐酸化性を改
善する。しかしながら、低含量のYは機械的性質に対し
て全く効果を有しないように思われる。表1〜表4内の
合金を試験することにより、多くの添加元素が望ましく
ないTCP相を生成する傾向を示すことが確認された。
試験された元素のうちで、Ruは高温暴露後において望
ましくない位相幾何学的最密充填相(TCP相)の生成
に寄与しない唯一の高融点元素であることが判明した。
実際、Ruの添加は安定性を促進することが証明されて
いる。評価方法は、2000°F及び2100°Fでの
試験において破壊した破断試験片を金属組織学的に検査
することから成っていた。試験後、試験片を縦方向及び
横方向方位に固定し、そして村上試薬(ASTM98)
を用いてエッチングを施した。TCP相の量を0〜10
の評点を有する1組の写真標準と比較した。0はTCP
相が存在しないことを意味する一方、10はTCP相で
飽和した顕微鏡写真を表す。図1〜図3には、試験後に
おける顕微鏡写真の若干の実例及びそれらのTCP評点
が示されている。
【0028】このようにして、43のルテニウム含有合
金組成物を含めた98の互いに独立した合金組成物が評
価された。前述のように、化学組成及び相生成の研究は
原子レベルの考察及び原子組成の使用に基づいているの
で、TCP相生成の統計的分析は原子パーセント処方を
用いて実施された。ニッケル基超合金内でのTCP相生
成に関する既知文献においても、原子パーセント処方が
用いられている。
【0029】TCP数(Nz )の平方根変換値を独立変
数として用いながら、このようなデータセットについて
多重線形回帰分析として知られる分析技術を実施した。
TCP生成に対するルテニウムの定量的効果を一層明確
に理解するため、このようなデータセットから4つの独
立したモデルが開発された。下記の表5には、元素係数
(係数)、t因子確率(確率)、及び式から得られた統
計が示されている。すべての式は因子との優れた統計的
相関を示している。
【0030】
【表5】
【0031】表5について説明すれば、モデル1はすべ
てのデータを含んでいる。モデル1によれば、検討の範
囲内においてはTCP相生成を促進する点で最も強力な
のはRe、次いでTaであることが示される。Ruは大
きい負の係数を有しているのに対し、Coはわずかに負
である。モデル2においては、データセットはRuを含
有している43の合金のみに限定されている。この場
合、Ruは小さい正の係数を示すが、他の高融点溶質よ
りはかなり小さい。モデル3は、Ruを含有していない
合金のみを用いてデータを考察したものである。モデル
2とモデル3との間における元素係数の変化を比較する
ことにより、Ruの存在がAl、W、Cb及びTiの係
数を劇的に低下させることが明らかとなる。モデル4
は、統計的に類似した係数を有している元素同士を加算
して新しい独立変数を得ることによってモデル1を単純
化したものである。これが可能である理由は、それらの
類似した元素係数同士が統計的に異なるものとして証明
し得ないことにある。図4はモデル4から得られた式を
単純化したものを横軸上に取って示すグラフであって、
z に対するRuの効果を容易に認めることができる。
即ち、添加された溶質の量が一定であれば、Ru合金は
より少ないTCP生成量を示している。尚、一層注目す
べきことは、このような原子対原子方式の置換に基づく
Ruの含有がNiを犠牲として実施されていることが認
識された点にある。
【0032】Ruの効果を更に探求するため、Re、M
o、Cr及びRuを様々に変化させ且つTaとTiとの
和を2段階に変化させた17個の合金を用いて部分因子
実験を行った。Al、Co、W、並びに微量添加剤であ
るC、B及びHfは、一定に保たれた。更に又、原子パ
ーセントで表されたTaとTiとの和は一定に保たれた
ので、γ’相生成剤の総量は一定であった。これら17
個の合金には、表1〜表4において5〜21の番号が付
けられている。TCP相の析出の重要性は、このような
管理された実験に関し、2000°F/18ksi及び
2100°F/12ksiの条件下における破断寿命を
TCP数に対してプロットした図5によって強調的に示
されている。明らかに、長い破断寿命とTCP相の析出
とは互いに排他的である。図5が示している通り、最良
の破断寿命を得るためには3以下のTCP数が必要であ
る。
【0033】上述のように設計された実験は、Ruと各
々の元素因子との比較を可能にする。この実験によれ
ば、Ruの含有がTCP相の生成傾向を低減させながら
強度を維持又は改善することが明確に示される。以下に
若干の実施例を示すことにするが、対応する原子パーセ
ント処方については表1〜表4を参照されたい。 (実施例1) 元素組成(重量%) 破断寿命(時間) 合金 Re Ru Mo Cr Ta Ti 2000°F 2100°F 10 5.40 0.80 1.55 5.00 6.40 0.40 543.6 402.2 11 4.50 1.60 1.55 5.00 6.40 0.40 618.2 858.2 図6〜図9は、破壊した試験片のゲージ部から採取され
たミクロ組織を示している。図6及び図7は、それぞれ
2000°F/18ksi及び2100°F/12ks
iの条件下で試験された合金11のミクロ組織である。
図8及び図9は、それぞれ2000°F/18ksi及
び2100°F/12ksiの条件下で試験された合金
10のミクロ組織である。合金11は合金10よりも少
ないTCP相生成量を示している。これらの合金はいず
れも0.05重量%のCを含有しているので、各々の顕
微鏡写真中には一定分率の炭化物が存在している。Ru
含量の増加はReを犠牲にして達成されたが、その他の
元素の含量は実質的に一定に保たれた。 (実施例2) 元素組成(重量%) 破断寿命(時間) 合金 Re Ru Mo Cr Ta Ti 2000°F 2100°F 7 4.50 1.60 0.95 5.00 7.90 0.0 503.9 755.5 9 4.50 0.80 1.55 5.00 7.90 0.0 556.2 497.9 図10〜図13は、破壊した試験片のゲージ部から採取
されたミクロ組織を示している。図10及び図11は、
それぞれ2000°F/18ksiの条件下で503.
9時間後、及び2100°F/12ksiの条件下で7
55.5時間後における合金7のミクロ組織である。図
12及び図13は、それぞれ2000°F/18ksi
の条件下で556.2時間後、及び2100°F/12
ksiの条件下で497.9時間後における合金9のミ
クロ組織である。合金7は合金9よりも少ないTCP相
生成量を示している。これらの合金はいずれも0.05
重量%のCを含有しており、従って、各々の顕微鏡写真
中には一定分率の炭化物が存在している。Ru含量の増
加はMoを犠牲にして達成されたが、その他の元素の含
量は実質的に一定に保たれた。 (実施例3) 元素組成(重量%) 破断寿命(時間) 合金 Re Ru Mo Cr Ta Ti 2000°F 2100°F 7 4.50 1.60 0.95 5.00 7.90 0.0 503.9 755.5 13 4.50 0.80 0.95 5.90 7.90 0.0 374.1 299.7 図14〜図17は、破壊した試験片のゲージ部から採取
されたミクロ組織を示している。図14及び図15は、
それぞれ2000°F/18ksiの条件下で503.
9時間後、及び2100°F/12ksiの条件下で7
55.5時間後における合金7のミクロ組織である。図
16及び図17は、それぞれ2000°F/18ksi
の条件下で374.1時間後、及び2100°F/12
ksiの条件下で299.7時間後における合金13の
ミクロ組織である。合金13は合金7よりも多いTCP
相生成量を示している。これらの合金はいずれも0.0
5重量%のCを含有しており、従って、各々の顕微鏡写
真中には一定分率の炭化物が存在している。Ru含量の
増加はCrを犠牲にして達成されたが、その他の元素の
含量は実質的に一定に保たれた。 (実施例4) 元素組成(重量%) 破断寿命(時間) 合金 Re Ru Mo Cr Ta Ti 2000°F 2100°F 11 4.50 1.60 0.95 5.00 7.90 0.0 618.2 858.2 9 4.50 0.80 1.55 5.00 7.90 0.0 556.2 497.9 図18〜図21は、破壊した試験片のゲージ部から採取
されたミクロ組織を示している。図18及び図19は、
それぞれ2000°F/18ksiの条件下で618.
2時間後、及び2100°F/12ksiの条件下で8
58.2時間後における合金11のミクロ組織である。
図20及び図21は、それぞれ2000°F/18ks
iの条件下で556.2時間後、及び2100°F/1
2ksiの条件下で497.9時間後における合金9の
ミクロ組織である。合金11は合金9よりも少ないTC
P相生成量を示している。これらの合金はいずれも0.
05重量%のCを含有しており、従って、各々の顕微鏡
写真中には一定分率の炭化物が存在している。Ru含量
の増加はMoを犠牲にして達成されたが、その他の元素
の含量は実質的に一定に保たれた。
【0034】本発明の合金に対するルテニウム添加の効
果を十分に理解するためには、ニッケル基超合金内にお
いて決定元素の原子パーセントを変化させながら各々の
決定元素の分配機構及び決定元素同士の相互作用を知る
必要がある。先行技術によれば、添加されたReの多く
はγ相内に分配されて固溶体強化剤として作用すると同
時に、γ’相内へのAl、Cr及びWの分配をわずかに
減少させることが示されている。とは言え、通常の添加
量の範囲内では、γ’相の全量は一定に保たれる。
【0035】先行技術によれば又、添加されたMoは、
原子/原子基準(即ち、γ’相内のMoをγ相内のMo
で割った値)で表せば、約1/3の分配比でγ’相内に
分配されることが示されている。Moは、γ相内におけ
るAlの溶解度を低下させることによってγ’相の量を
増加させる。Moはγ’相内のCrを特異的に置換する
が、γ’相内のAl又はTiを置換することはない。
【0036】先行技術によれば、添加されたWはγ相内
及びγ’相内に分配されるが、γ’相内におけるそれの
分配比は、合金に応じて約0.5〜2.5であることが
示されている。Wの量が増加した場合、それはγ’相内
に分配されるAl又はTiの比率に影響を及ぼさない
が、γ’相内におけるCr及びMoの比率をわずかに低
下させる。それは又、γ’相の量をわずかに増加させ
る。
【0037】Taはほぼ完全にγ’相内に分配され、そ
してγ’相の分率を増大させる。Taを添加した場合、
γ相内及びγ’相内におけるAl、Ti、W及びCrの
濃度は影響を受けない。即ち、いずれの相においてもそ
れらの元素の濃度は一定に保たれる。しかしながら、M
oはγ’相内においてわずかに減少する。ニッケル基超
合金内の相の化学組成に対するRuの影響を更に探求す
るために、文献及び経験に基づいて2種のモデル合金が
選択された。これらの合金は金属工学的に不安定なもの
であって、2000°Fの温度への暴露後には容易にT
CP相を生成する。各々の合金に対し、Niを犠牲にし
て1.5重量%及び3.0重量%のRuが添加された。
1444+4Reと呼ばれる第1の基礎合金は、表1〜
表4内に合金26として示されている。1.5重量%及
び3.0重量%のRuを添加した2種の変性組成物は、
それぞれ合金27及び28として示されている。第2の
基礎合金は米国特許番号第5151249号の範囲内に
含まれるものであって、R’162+0.5Al(表1
〜表4内の合金29)と呼ばれる。それと共に、1.5
原子%及び3.0原子%のRuをそれぞれ添加して成っ
ている2種の合金も調製した。これらは合金30及び3
1である。標準的な溶体化及び時効熱処理を施したとこ
ろ、R’162+0.5Alの化学組成はTCP相を示
したが、それの量はRuの増加と共に増加した。144
4+4Reに基づく3種の合金は、このような合金に通
例施される標準的な溶体化及び時効熱処理の後にもTC
P相を示さなかった。
【0038】確立された公知の技術によって化学的相抽
出を行った後、上述のような6種の合金のγ相及びγ’
相組成を分析した。その結果を下記の表6に示す。
【0039】
【表6】
【0040】Ruを添加した場合でも、各々の合金内に
おけるγ’相の量は、下記の表7のように比較的一定に
保たれた。 表7 合 金 重量分率(%) 合 金 重量分率(%) (γ’相) (γ’相) 1444+4Re+0Ru 57.3 R'162+0.5Al+0Ru 70.0 1444+4Re+1.5Ru 55.9 R'162+0.5Al+1.5Ru 69.5 1444+4Re+3.0Ru 59.2 R'162+0.5Al+3.0Ru 69.8 しかしながら、本発明のNi基超合金にRuが添加され
た場合には、いくつかの意外な現象が起こる。通常、N
i基超合金においてはAl及びTiはγ’相内に分配さ
れることが認められている。このような分配傾向は極め
て強いものである。又、Cbはγ’相内に分配される。
しかしながら、本発明の含量で合金にRuが添加される
と、γ相内へのAl及びTiの分配が起こる一方、γ’
相内におけるRe、W及びCrの濃度が増加する。又、
Ruを添加すると、γ’相内におけるRuの濃度が増加
するが、γ’相の体積分率は比較的一定に保たれる。特
定の理論に固執することは望まないが、合金に(Niを
犠牲にして)Ruを添加することは相の化学組成を顕著
に変化させる。R’162+0.5Al合金系において
は、RuはNiをγ’相から離脱させると共に、Cr及
びRuが標準的なニッケルの面心部位において原子対原
子方式でNiを置換する。同時に、Alはγ’相から離
脱し、そしてAlのコーナ部位において原子対原子方式
でW、Re及びTaにより置換される。正味の結果は、
TCP相が生成されるγ相母体からTCP相の主要元素
成分が除去されることである。1444+4Re合金に
おいても同様な結果が認められる。但し、この合金内に
Tiが存在する場合にのみ、Crがγ’相内のAl部位
を占めることになる。それ故、1444+4Re合金に
Ruが添加された場合、それはNiを置換すると共に、
Al、Ti及びCbをγ相に移行させる。これらの元素
は、Al部位を占めるW、Re及びCrによって原子対
原子方式で置換されることになる。尚、Crの優先的な
コーナ部位占拠に対するTiの効果は、文献によって裏
付けられている。正味の結果は、γ相母体からW、Re
及びCrが欠如し、そのためにTCP相の生成が阻止さ
れることである。TCP相の化学組成は、公称的に50
〜75%のこのような高融点元素と、残部のNi及びC
oとから成っている。これらの相がγ相母体内に生成す
ることは一般に認められている。従って、Ruの添加
は、TCP相生成の原因となる元素の分配状態に影響を
及ぼすことにより、有害なTCP相の生成を制限して本
発明の合金のミクロ組織安定性を改善する。これは高温
下における応力破断寿命の向上をもたらす。TCP相を
完全に排除することはできないが、Ruの添加はTCP
数を3以下に保つことができる(図1〜図3及び図5を
参照)。経験的に見れば、3以下のTCP数を有してい
る合金は、多少のTCP相を含有しているが、合金の応
力破断特性を顕著に低下させるほどではない。本発明の
合金は、高温下において満足すべき応力破断寿命を有し
ていると共に、3以下のTCP数を有している。
【0041】化学的抽出によって分析された2種の合金
に関し、引き続いて2000°Fにおける応力破断試験
を行った。その結果を下記の表8に示す。興味深いこと
には、Ruの添加は1444系列の合金をわずかだけ強
化したのに対し、R’162系列の合金を弱化した。破
壊した試験片のミクロ組織はいずれも、TCP相の存在
を示した。図22〜図24において認められるように、
TCP相の量は1444基礎合金に添加されるRuの量
の増加に伴って減少した。図22、図23及び図24
は、3種のRu含量(即ち、それぞれ+0Ru、+1.
5Ru及び+3.0Ru)を有している1444+4R
e合金について2000°F及び16ksiの条件下で
応力破断試験を行った後の顕微鏡写真である。興味深い
ことには、R’162系列においてはRuの増加に伴っ
てTCP相の増加が認められた(図25〜27)。図2
5、図26及び図27は、3種のRu含量(即ち、それ
ぞれ+0Ru、+1.5Ru及び+3.0Ru)を有し
ているR’162+0.5Al合金について2000°
F及び18ksiの条件下で応力破断試験を行った後の
顕微鏡写真である。これは各々の合金に関して計算され
た空孔数(Nv )に反している。ところで、表8におい
て、これらの合金は本発明の組成範囲内に含まれないこ
とに注意されたい。即ち、1444系列は(Cr+Mo
+Cb)含量が高く、又、R’162系列は(Al+T
i+W)含量が高い。このように、超合金に対するRu
の有益な効果は、本発明の組成のみに制限されるように
思われるのである。
【0042】
【表8】
【0043】本発明のRu含有合金に関する追加の評価
項目の中には、高温暴露時における環境保護のために使
用される(RT22G被膜として知られている)Pt−
Al被膜に隣接したSRZの生成にRuが及ぼす影響の
考察が含まれていた。前述のように、ガスタービンエン
ジンの高温動作部においては、このような保護のために
Al又はAl合金がしばしば使用されている。残念なが
ら、少なくとも約1800°Fの温度に暴露された場
合、たとえ荷重が加わっていなくてもこのような被膜内
のAlは被膜直下にSRZの生成を引き起こすことがあ
る。
【0044】本発明の評価に際しては、合金の組成とS
RZの生成との間において多数例の比較が行われた。こ
のような比較は、当業者にとって公知の方法に従い、試
験片をPt−Al被膜で被覆してから無荷重下で400
時間にわたり2000°Fの温度に暴露することによっ
て行った。このような評価の結果を統計的に分析したと
ころ、合金内に生成するSRZの量を予測する方法にお
いて使用するために役立つ下記のような関係式が得られ
た。この関係式は、多重回帰分析技術によって得られた
ものであって、式中の元素の含量は原子パーセントで表
されている。
【0045】[SRZ]1/2 =−7.59+14.41
(%Re)+1.88(%W)+1.65(%Ru)−
3.52(%Cr)−2.33(%Mo) Reは、SRZの生成に関して大きな正の係数を有して
いる。SRZの生成に対するRuの寄与は、(正ではあ
るが)Reに比べて1桁小さいことが判明したが、これ
はReがRuよりも強力なSRZ生成促進剤であること
を示している。従って、本発明に係わる種類の合金の安
定性は、Reと共にRuを(場合によっては、原子対原
子方式に基づくReの置換元素として)添加することに
よって向上させ得ることが認められたのである。
【0046】表1〜表4内の合金の大部分に関し、20
00°F及び2100°Fで応力破断試験を行った。い
くつかの合金について得られたデータを図28及び図2
9に示す。本発明の合金の破断寿命は、R’N6合金
(1993年12月14日付けの米国特許番号第527
0123号)に比べ、2000°Fでは最高2倍も長
く、又、2100°Fでは最高3倍も長いことがわか
る。この2100°F破断寿命データを先進F110軍
用エンジン系列において高圧タービン(HPT)羽根と
して使用されているR’N5合金の対応した2100°
F破断寿命と比較したところ、本発明の温度性能向上は
ほぼ100°Fであって、これは顕著な性能向上を表し
ている。このような強度の向上は、他の強化元素(例え
ば、Re、Mo及びW)と共にRuを添加することによ
って達成されるものと判断される。更に又、Ruがミク
ロ組織安定性を向上させる結果、Mo、W及びReのよ
うなより強力な強化剤は、有害なTCP相内に束縛され
ることがなくなり、従って、より多量のこのような強化
剤が合金の強化に関与することになる。
【0047】従来の合金を検討すれば、随意の元素とし
てRuが記載されてはいるが、本発明の合金とは異なっ
て組成内にRuを必要とする合金は皆無であることがわ
かる。従来の合金においては、Re、Ta、W、Al、
Ti、Mo、Cb、Co及びCrの存在下でミクロ組織
安定性と高い応力破断強さとの組合せを得るために、本
発明が必要とする厳密な元素含量範囲は規定されていな
い。更に又、先行技術において合金が論議される際、T
i及びAlをγ相内に移行させ且つRe、Cr及びWを
γ’相内に移行させるというRuの逆分配効果は認識さ
れていない。Ruを含有しており、且つこのような挙動
を示すNi基超合金は、ルテニウム含有逆分配Ni基超
合金又は簡単に逆分配Ni基超合金と呼ばれる。
【0048】本発明の好適な一実施例に従えば、改善さ
れた組合せの応力破断寿命及びミクロ組織安定性を有す
ると共に、超合金のミクロ組織内における高温下での有
害な位相幾何学的最密充填相の生成が抑制されるような
ニッケル基超合金単結晶製品が提供される。このような
超合金単結晶製品は、Mo、Cr及びCbから成ってい
る第1の元素群の原子パーセントの和によって定義され
る第1の含量範囲内で存在している第1の元素群、並び
にAl、Ti及びWから成っている第2の元素群の原子
パーセントの和によって定義される第2の含量範囲内で
存在している第2の元素群と共に、特定含量のRuが含
有されていることを特徴とするものであって、0.25
〜2.0原子%(約0.6〜3.0重量%)のRu、
1.4〜2.0原子%(約4.2〜6.0重量%)のR
e、0.4〜1.5原子%(約0.6〜2.4重量%)
のMo、2.2〜3.0原子%(約6.3〜8.7重量
%)のTa、4.0〜16.0原子%のCo、0〜0.
16原子%のHf、0〜0.3原子%のC、0〜0.0
5原子%のB、0〜0.03原子%のY、1.5〜7.
2原子%のCr、0〜0.3原子%のCb、12.0〜
15.0原子%のAl、0〜1.3原子%のTi及び
1.0〜2.3原子%のWを含有しており、第1の含量
範囲が1.9〜7.5原子%であり、第2の含量範囲が
13.5〜17.2原子%であり、且つ残部がニッケル
及び偶発不純物から成っているような組成を有してい
る。
【0049】本発明の一層好適な実施例に従えば、やは
り改善された組合せの応力破断寿命及びミクロ組織安定
性を有すると共に、超合金のミクロ組織内における高温
下での有害な位相幾何学的最密充填相の生成が抑制され
るようなニッケル基超合金単結晶製品が提供される。こ
のような超合金単結晶製品は、Mo、Cr及びCbから
成っている第1の元素群の原子パーセントの和によって
定義される第1の含量範囲内で存在している第1の元素
群、並びにAl、Ti及びWから成っている第2の元素
群の原子パーセントの和によって定義される第2の含量
範囲内で存在している第2の元素群と共に、特定含量の
Ruが含有されていることを特徴とするものであって、
0.4〜2.0原子%(約0.6〜3.0重量%)のR
u、1.5〜1.95原子%(約4.5〜5.75重量
%)のRe、0.4〜1.5原子%(約0.5〜2.4
重量%)のMo、2.4〜2.9原子%(約6.9〜
8.5重量%)のTa、4.0〜16.0原子%のC
o、0〜0.16原子%のHf、0〜0.3原子%の
C、0〜0.05原子%のB、0〜0.03原子%の
Y、2.0〜7.0原子%のCr、0〜0.3原子%の
Cb、12.75〜14.2原子%のAl、0〜1.3
原子%のTi及び1.0〜2.3原子%のWを含有して
おり、第1の含量範囲が2.25〜7.25原子%であ
り、第2の含量範囲が14.0〜16.25原子%であ
り、且つ残部がニッケル及び偶発不純物から成っている
ような組成を有している。
【0050】更に他の好適な実施例に従えば、やはり改
善された組合せの応力破断寿命及びミクロ組織安定性を
有すると共に、超合金のミクロ組織内における高温下で
の有害な位相幾何学的最密充填相の生成が抑制されるよ
うなニッケル基超合金単結晶製品が提供される。このよ
うな超合金単結晶製品は、Mo、Cr及びCbから成っ
ている第1の元素群の原子パーセントの和によって定義
される第1の含量範囲内で存在している第1の元素群、
並びにAl、Ti及びWから成っている第2の元素群の
原子パーセントの和によって定義される第2の含量範囲
内で存在している第2の元素群と共に、特定含量のRu
が含有されていることを特徴とするものであって、0.
5〜2.0原子%(約0.8〜3.0重量%)のRu、
1.5〜1.95原子%(約4.5〜5.75重量%)
のRe、0.6〜1.25原子%(約0.9〜2.0重
量%)のMo、2.2〜2.75原子%(約6.4〜
8.1重量%)のTa、4.0〜16.0原子%のC
o、0〜0.16原子%のHf、0〜0.3原子%の
C、0〜0.05原子%のB、0〜0.03原子%の
Y、2.4〜6.0原子%のCr、0〜0.3原子%の
Cb、12.9〜14.0原子%のAl、0〜1.3原
子%のTi及び1.0〜2.3原子%のWを含有してお
り、第1の含量範囲が4.0〜7.2原子%であり、第
2の含量範囲が15.0〜16.25原子%であり、且
つ残部がニッケル及び偶発不純物から成っているような
組成を有している。
【0051】C、B及びHfは、特定の性質を発現させ
るために意図的に添加される少量の無視できない元素で
ある。Cは、より清浄な溶融合金を得ると共に、耐食性
を促進するために添加される。Hfは、合金の耐酸化性
を改善すると共に、被膜の適合性及び寿命を改善するた
めに添加される。ホウ素は、低角結晶粒界欠陥に対する
合金の耐性を改善する。
【0052】上述の試験及びデータによれば、(1) Ru
は高温暴露後におけるTCP相の生成を遅らせること、
(2) RuはReに比べてSRZの生成に関する有害性が
1桁小さいこと、並びに(3) 例えば約0.25〜2.0
原子%の特に好適な含量範囲内でRuを添加したR’N
6合金に類似の合金は応力破断性能が約25°Fだけ向
上させることが確認された。 (実施例5)超合金製品を製造した。この製品の公称組
成は、約0.5原子%のRu、約0.6原子%のMo、
約1.8原子%のRe、約13.8原子%のAl、約
6.0原子%のCr、約2.7原子%のTa、約13.
3原子%のCo、約1.9原子%のW、約0.26原子
%のC、約0.05原子%のHf、約0.02原子%の
B、約0.0004原子%のY、並びに残部のNi及び
偶発不純物から成っていると共に、第1の含量範囲は
6.5〜6.7原子%であり、且つ第2の含量範囲は1
5.6〜15.8原子%である。この製品の組成は表1
〜表4内の合金5に対応している。図29に示されるよ
うに、この合金は高温下において改善された応力破断性
能を示すと共に、長時間の高温暴露後にも有害なTCP
相を生成しない。 (実施例6)超合金製品を製造した。この製品の公称組
成は、約1.0原子%のRu、約1.0原子%のMo、
約1.5原子%のRe、約13.8原子%のAl、約
6.0原子%のCr、約2.2原子%のTa、約13.
3原子%のCo、約1.9原子%のW、約0.26原子
%のC、約0.05原子%のHf、約0.02原子%の
B、約0.0004原子%のY、並びに残部のNi及び
偶発不純物から成っていると共に、第1の含量範囲は
6.9〜7.1原子%であり、且つ第2の含量範囲は1
5.6〜15.8原子%である。この製品の組成は表1
〜表4内の合金11に対応している。図28及び図29
に示されるように、この合金は高温下において改善され
た応力破断性能を示すと共に、長時間の高温暴露後にも
有害なTCP相を生成しない。 (実施例7)超合金製品を製造した。この製品の公称組
成は、約0.75原子%のRu、約0.9原子%のM
o、約1.95原子%のRe、約13.8原子%のA
l、約4.75原子%のCr、約2.7原子%のTa、
約13.3原子%のCo、約2.15原子%のW、約
0.26原子%のC、約0.05原子%のHf、約0.
02原子%のB、約0.0004原子%のY、並びに残
部のNi及び偶発不純物から成っていると共に、第1の
含量範囲は5.5〜5.8原子%であり、且つ第2の含
量範囲は15.8〜16.1原子%である。この製品の
組成は表1〜表4内の合金22に対応している。この合
金は高温下において改善された応力破断性能を示すと共
に、長時間の高温暴露後にも有害なTCP相を生成しな
い。
【0053】γ相内及びγ’相内への元素の分配状態を
制御し、それによって望ましくないTCP相の生成を防
止するために、Ni基超合金にRuを添加してγ相及び
γ’相の化学組成を変化させる技術は、以前には知られ
ていなかったものであって、本発明の重要な特徴を成し
ている。Ruは、本発明のNi基超合金に添加した場合
にTCP相の生成に原因する不安定性を引き起こさない
唯一の高融点元素である。更に又、本発明の組成範囲内
においてNi基超合金にRuを添加した場合には、Al
及び随意のTiがγ’相から離脱して、γ相内に分配さ
れることになる。普通ならばγ相内に分配されるRe
は、本発明の合金においてはγ’相内に分配される。
又、γ相内及び(小部分は)γ’相内に分配されるCr
及びWは、本発明の合金においてはγ相からγ’相内に
分配される。このような挙動は、Ni基超合金内におけ
るそれらの元素の挙動に関する従来の知識のいずれにも
反している。このような挙動のため、本発明の合金は、
逆分配Ni基超合金と呼ばれるのである。
【0054】本明細書中において使用される合金の公称
組成は、マスタ合金溶融業者により目標組成として特別
に定義された化学組成を意味するものであって、この目
標組成を再現する際に溶融物許容差として認められるこ
の組成の変異例も含んでいることを理解すべきである。
以上、特定の実施の態様及び実施例に関連して本発明を
説明したが、本発明の要旨の範囲内においてその他の変
更例が可能であることは当業者にとって自明であろう。
上述のような実施の態様及び実施例は、本発明の実施を
例示するものであって、特許請求の範囲によって規定さ
れた本発明の範囲を決して制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】応力下での高温暴露後における合金内のTCP
相生成量を評価するためのミクロ金属組織標準の1つを
示す顕微鏡写真を模写した図であって、TCP評点が0
の場合を示している図である。
【図2】応力下での高温暴露後における合金内のTCP
相生成量を評価するためのミクロ金属組織標準の1つを
示す顕微鏡写真を模写した図であって、TCP評点が5
の場合を示している図である。
【図3】応力下での高温暴露後における合金内のTCP
相生成量を評価するためのミクロ金属組織標準の1つを
示す顕微鏡写真を模写した図であって、TCP評点が1
0の場合を示している図である。
【図4】組成に対してNz をプロットしたグラフであっ
て、TCP相生成量と組成との相関関係及び組成に対す
るルテニウムの有益な効果を示しているグラフである。
【図5】数種の合金に関しTCP数に対して高強度破断
寿命をプロットしたグラフである。
【図6】2000°F/18ksiの条件下で応力破断
試験を受けた後における合金11の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図7】2100°F/12ksiの条件下で応力破断
試験を受けた後における合金11の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図8】2000°F/18ksiの条件下で応力破断
試験を受けた後における合金10の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図9】2100°F/12ksiの条件下で応力破断
試験を受けた後における合金10の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図10】2000°F/18ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金7の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図11】2100°F/12ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金7の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図12】2000°F/18ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金9の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図13】2100°F/12ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金9の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図14】2000°F/18ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金7の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図15】2100°F/12ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金7の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図16】2000°F/18ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金13の金属組織を示す顕
微鏡写真を模写した図である。
【図17】2100°F/12ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金13の金属組織を示す顕
微鏡写真を模写した図である。
【図18】2000°F/18ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金11の金属組織を示す顕
微鏡写真を模写した図である。
【図19】2100°F/12ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金11の金属組織を示す顕
微鏡写真を模写した図である。
【図20】2000°F/18ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金9の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図21】2100°F/12ksiの条件下で応力破
断試験を受けた後における合金9の金属組織を示す顕微
鏡写真を模写した図である。
【図22】応力破断試験を受けた後における合金26
(1444/4重量%Re+0重量%Ru)のミクロ金
属組織を示す顕微鏡写真を模写した図である。
【図23】応力破断試験を受けた後における合金27
(1444/4重量%Re+1.5重量%Ru)のミク
ロ金属組織を示す顕微鏡写真を模写した図である。
【図24】応力破断試験を受けた後における合金28
(1444/4重量%Re+3.0重量%Ru)のミク
ロ金属組織を示す顕微鏡写真を模写した図である。
【図25】応力破断試験を受けた後における合金29
(R’162/+0.5重量%Al+0重量%Ru)の
ミクロ金属組織を示す顕微鏡写真を模写した図である。
【図26】応力破断試験を受けた後における合金30
(R’162/+0.5重量%Al+1.5重量%R
u)のミクロ金属組織を示す顕微鏡写真を模写した図で
ある。
【図27】応力破断試験を受けた後における合金31
(R’162/+0.5重量%Al+3.0重量%R
u)のミクロ金属組織を示す顕微鏡写真を模写した図で
ある。
【図28】各種合金の2000°F応力破断寿命を比較
するための棒グラフである。
【図29】各種合金の2100°F応力破断寿命を比較
するための棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウイリアム・スコット・ワルストン アメリカ合衆国、オハイオ州、メインビ ル、ハント・コート、2210番 (72)発明者 アール・ウォーレン・ロス アメリカ合衆国、オハイオ州、シンシナテ ィ、ベツラ・アベニュー、730番 (72)発明者 ラムゴパル・ダロリア アメリカ合衆国、オハイオ州、ウエスト・ チェスター、オーバーランド・パーク・コ ート、7377番

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ相及びγ’相を有している逆分配ニッ
    ケル基超合金単結晶製品であって、 1.3〜3原子%(約3.9〜9.0重量%)のRe、
    2.0〜3.7原子%(約5.8〜10.7重量%)の
    Ta、4.0〜18.0原子%(約4.25〜19.0
    重量%)のCo、0〜0.2原子%(約0〜0.6重量
    %)のHf、0〜0.3原子%(約0〜0.06重量
    %)のC、0〜0.05原子%(約0〜0.01重量
    %)のB、0〜0.03原子%(約0〜0.04重量
    %)のY、0〜2.0原子%(約0〜3.2重量%)の
    Mo、1.5〜7.2原子%(約1.25〜6.0重量
    %)のCr、0〜0.7原子%(約0〜1.0重量%)
    のCb、12.0〜15.0原子%(約5.0〜6.6
    重量%)のAl、0〜1.3原子%(約0〜1.0重量
    %)のTi及び1.0〜2.5原子%(約3.0〜7.
    5重量%)のWと共に、0.25〜4.0原子%(約
    0.4〜6.5重量%)のRuと、Ni及び偶発不純物
    の残部とを含んでおり、 Ruは、γ’相内においてAl及び随意のTiを実質的
    に置換しながらAl及び随意のTiをγ相内に分配して
    おり、W、Cr及びReは、Ruの存在下でγ’相内に
    分配されており、 改善された組合せの応力破断寿命及びミクロ組織安定性
    を有すると共に、超合金のミクロ組織内における高温下
    での有害な位相幾何学的最密充填相の生成が抑制される
    逆分配ニッケル基超合金単結晶製品。
  2. 【請求項2】 改善された組合せの応力破断寿命及びミ
    クロ組織安定性を有すると共に、超合金のミクロ組織内
    における高温下での有害な位相幾何学的最密充填相の生
    成が抑制されるニッケル基超合金単結晶製品であって、
    該超合金単結晶製品は、Mo、Cr及びCbから成って
    いる当該第1の元素群の原子パーセントの和により定義
    される第1の含量範囲内で存在している第1の元素群
    と、Al、Ti及びWから成っている当該第2の元素群
    の原子パーセントの和により定義される第2の含量範囲
    内で存在している第2の元素群と、特定含量のRuとの
    組合せを含んでおり、前記超合金製品の組成は、 1.3〜2.6原子%(約3.9〜7.8重量%)のR
    e、2.0〜3.7原子%(約5.8〜10.7重量
    %)のTa、4.0〜16.0原子%(約4.25〜1
    7.0重量%)のCo、0〜0.16原子%(約0〜
    0.5重量%)のHf、0〜0.3原子%(約0〜0.
    06重量%)のC、0〜0.05原子%(約0〜0.0
    1重量%)のB、0〜0.03原子%(約0〜0.02
    重量%)のY、0〜2.0原子%(約0〜3.0重量
    %)のMo、1.5〜7.2原子%(約1.25〜6.
    0重量%)のCr、0〜0.7原子%(約0〜1.0重
    量%)のCb、12.0〜15.0原子%(約5.0〜
    6.6重量%)のAl、0〜1.3原子%(約0〜1.
    0重量%)のTi及び1.0〜2.3原子%(約3.0
    〜6.9重量%)のWと共に、0.25〜4.0原子%
    (約0.4〜6.5重量%)のRuと、Ni及び偶発不
    純物の残部とから本質的に成っており、 Mo、Cr及びCbから成っている第1の元素群により
    定義される前記第1の含量範囲は、1.5〜8.0原子
    %であり、Al、Ti及びWから成っている第2の元素
    群により定義される前記第2の含量範囲は、13.5〜
    17.2原子%であるニッケル基超合金単結晶製品。
  3. 【請求項3】 Ruは、0.25〜2.0原子%(約
    0.6〜3.0重量%)であり、Reは、1.4〜2.
    0原子%(約4.2〜6.0重量%)であり、Moは、
    0.4〜1.5原子%(約0.6〜2.4重量%)であ
    り、Taは、2.2〜3.0原子%(約6.3〜8.7
    重量%)であり、前記第1の含量範囲は、1.9〜7.
    5原子%である請求項2に記載のニッケル基超合金単結
    晶製品。
  4. 【請求項4】 Reは、1.5〜1.95原子%(約
    4.5〜5.75重量%)であり、Alは、12.75
    〜14.2原子%(約5.45〜6.2重量%)であ
    り、Crは、2.0〜7.0原子%(約1.7〜5.9
    重量%)であり、Taは、2.4〜2.9原子%(約
    6.9〜8.5重量%)であり、前記第1の含量範囲
    は、2.25〜7.25原子%であり、前記第2の含量
    範囲は、14.0〜16.5原子%である請求項3に記
    載のニッケル基超合金単結晶製品。
  5. 【請求項5】 Ruは、0.5〜2.0原子%(約0.
    8〜3.0重量%)であり、Moは、0.6〜1.25
    原子%(約0.9〜2.0重量%)であり、Reは、
    1.5〜1.95原子%(約4.5〜5.75重量%)
    であり、Alは、12.9〜14.0原子%(約5.5
    〜6.1重量%)であり、Crは、2.4〜6.0原子
    %(約2.0〜5.0重量%)であり、Taは、2.2
    〜2.75原子%(約6.4〜8.1重量%)であり、
    前記第1の含量範囲は、4.0〜7.2原子%であり、
    前記第2の含量範囲は、15.0〜16.25原子%で
    ある請求項2に記載のニッケル基超合金単結晶製品。
  6. 【請求項6】 公称組成は、約0.5原子%(約0.8
    重量%)のRu、約0.6原子%(約0.95重量%)
    のMo、約1.8原子%(約5.4重量%)のRe、約
    13.8原子%(約6.0重量%)のAl、約6.0原
    子%(約5.0重量%)のCr、約2.7原子%(約
    7.9重量%)のTa、約13.3原子%(約12.6
    重量%)のCo、約1.9原子%(約5.65重量%)
    のW、約0.26原子%(約0.05重量%)のC、約
    0.05原子%(約0.15重量%)のHf、約0.0
    2原子%(約0.004重量%)のB、約0.0004
    原子%(約0.0005重量%)のYと、Ni及び偶発
    不純物の残部とであり、前記第1の含量範囲は、6.5
    〜6.7原子%であり、前記第2の含量範囲は、15.
    6〜15.8原子%である請求項5に記載のニッケル基
    超合金単結晶製品。
  7. 【請求項7】 公称組成は、約1.0原子%(約1.6
    重量%)のRu、約1.0原子%(約1.55重量%)
    のMo、約1.5原子%(約4.5重量%)のRe、約
    13.8原子%(約6.0重量%)のAl、約6.0原
    子%(約5.0重量%)のCr、約2.2原子%(約
    6.4重量%)のTa、約13.3原子%(約12.6
    重量%)のCo、約1.9原子%(約5.65重量%)
    のW、約0.26原子%(約0.05重量%)のC、約
    0.05原子%(約0.15重量%)のHf、約0.0
    2原子%(約0.004重量%)のB、約0.0004
    原子%(約0.0005重量%)のYと、Ni及び偶発
    不純物の残部とであり、前記第1の含量範囲は、6.9
    〜7.1原子%であり、前記第2の含量範囲は、15.
    6〜15.8原子%である請求項5に記載のニッケル基
    超合金単結晶製品。
  8. 【請求項8】 公称組成は、約0.75原子%(約1.
    2重量%)のRu、約0.9原子%(約1.4重量%)
    のMo、約1.95原子%(約5.75重量%)のR
    e、約13.8原子%(約6.0重量%)のAl、約
    4.75原子%(約3.9重量%)のCr、約2.7原
    子%(約7.75重量%)のTa、約13.3原子%
    (約12.6重量%)のCo、約2.15原子%(約
    6.3重量%)のW、約0.26原子%(約0.05重
    量%)のC、約0.05原子%(約0.15重量%)の
    Hf、約0.02原子%(約0.004重量%)のB、
    約0.0004原子%(約0.0005重量%)のY
    と、Ni及び偶発不純物の残部とであり、前記第1の含
    量範囲は、5.5〜5.8原子%であり、前記第2の含
    量範囲は、15.8〜16.1原子%である請求項5に
    記載のニッケル基超合金単結晶製品。
  9. 【請求項9】 改善された組合せの応力破壊寿命及びミ
    クロ組織安定性を有すると共に、超合金のミクロ組織内
    における高温下での有害な位相幾何学的最密充填相の生
    成を抑制するニッケル基超合金単結晶製品であって、該
    超合金単結晶製品は、Mo、Cr及びCbから成ってい
    る当該第1の元素群の原子パーセントの和により定義さ
    れる第1の含量範囲内で存在している第1の元素群と、
    Al、Ti及びWから成っている当該第2の元素群の原
    子パーセントの和により定義される第2の含量範囲内で
    存在している第2の元素群と、特定含量のRuとの組合
    せを含んでおり、前記超合金製品の組成は、 1.3〜2.6原子%のRe、2.0〜3.7原子%の
    Ta、4.0〜16.0原子%のCo、0〜0.16原
    子%のHf、0〜0.3原子%のC、0〜0.05原子
    %のB、0〜0.03原子%のY、0〜2.0原子%の
    Mo、1.5〜7.2原子%のCr、0〜0.3原子%
    のCb、12.0〜15.0原子%のAl、0〜1.3
    原子%のTi及び1.0〜2.3原子%のWと共に、
    0.25〜4.0原子%のRuと、Ni及び偶発不純物
    の残部とから本質的に成っており、 Mo、Cr及びCbから成っている第1の元素群により
    定義される前記第1の含量範囲は、1.5〜8.0原子
    %であり、Al、Ti及びWから成っている第2の元素
    群により定義される前記第2の含量範囲は、13.5〜
    17.2原子%であり、 前記合金は、2000〜2100°Fの範囲内の温度下
    で少なくとも約11〜18ksiの範囲内の応力を受け
    た場合に少なくとも約360時間の応力破断寿命を有し
    ているニッケル基超合金単結晶製品。
  10. 【請求項10】 前記合金は、少なくとも約2100°
    Fの温度下で少なくとも約12ksiの応力を受けた場
    合に少なくとも約600時間の応力破断寿命を有してお
    り、3以下のTCP数を更に有している請求項9に記載
    のニッケル基超合金単結晶製品。
  11. 【請求項11】 前記製品は、ガスタービンエンジン用
    のエアフォイルである請求項9に記載のニッケル基超合
    金単結晶製品。
  12. 【請求項12】 Alと、Ptと、Al及びPtの合金
    とから成っている群より選択された金属で被覆されてい
    る表面を更に含んでおり、前記合金は、SRZを形成す
    る傾向を低減させており、SRZ形成量と組成との関係
    は、 [SRZ]1/2 =−7.59+14.41(%Re)+
    1.88(%W)+1.65(%Ru)−3.52(%
    Cr)−2.33(%Mo) である請求項11に記載のニッケル基超合金単結晶製
    品。
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