JPH07268083A - エステル置換されたポリ3−アルキルチオフェン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

エステル置換されたポリ3−アルキルチオフェン誘導体およびその製造方法

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JPH07268083A
JPH07268083A JP26501594A JP26501594A JPH07268083A JP H07268083 A JPH07268083 A JP H07268083A JP 26501594 A JP26501594 A JP 26501594A JP 26501594 A JP26501594 A JP 26501594A JP H07268083 A JPH07268083 A JP H07268083A
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thiophene
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Suh Bong Rhee
瑞鳳 李
Chang-Jin Lee
昌珍 李
Kyung-Joong Kim
京仲 金
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KANKOKU KAGAKU KENKYUSHO
Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
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KANKOKU KAGAKU KENKYUSHO
Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 窒素雰囲気下で無水塩化第二鉄を溶解させた
アセトニトリルの溶液に下記構造式(I)の単量体を添加
するかまたは構造式(I)の単量体と下記構造式(II)の
3−アルキルチオフェンを適切な比率で混合して添加し
て沈澱を生成させた後、濾過させ、メタノールで洗浄し
た後、真空乾燥させて製造される下記構造式(III)ま
たは(IV)のエステル基置換されたポリアルキルチオフ
ェンの誘導体およびその製造方法。 【化1】 【効果】 本発明により製造されたポリアルキルチオフ
ェン誘導体はフォトダイオード、センサー、電界効果ト
ランジスターまたは発光ダイオードなどの素材として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエステル基で置換された
3−アルキルチオフェン誘導体、この誘導体から重合さ
れた新規のポリ3−アルキルチオフェン誘導体およびそ
の製造方法に関する。より詳しくは、本発明はチオフェ
ン側鎖にエステル基を導入することにより、その加工性
と物性とが優秀である新規のポリチオフェン誘導体およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、二十年余り間研究されてきた導電
性高分子化合物などは固体の電解コンデンサー、二次電
池、発光ダイオードおよびセンサーなどにこれらの応用
が発表されながら、その研究が爆発的に増加されてい
る。しかし、かかる導電性高分子化合物はその電気伝導
度が他の高分子物質より優秀であるので、大変興味を引
いているが、その加工性において、一般的な他の高分子
物質より大変劣るので、その実用性が半減されている。
【0003】このような問題点を解決するためいろいろ
な方法が提案されている。その中の一つの方法として導
電性高分子化合物の側鎖に鎖の長いアルキル基を置換さ
せ、この化合物の加工性を増加させる方法がある。その
代表的な例として、ポリ(3−アルキルチオフェン)が挙
げられる。アルキル鎖の炭素原子数が4個以上であるポ
リ(3−アルキルチオフェン)はクロロホルム、トルエ
ン、ヘキサンおよびテトラヒドロフランなどの一般的な
有機溶媒に良く溶解されるだけでなく、熱による溶融加
工が可能であり、その力学的な性質が優秀であるので、
今後の実用性が大変期待される導電性高分子化合物であ
る。(Polym.Mater.Sci.Eng.,53,79(198
3);Chem.Express,,635(1985))。かかる溶
媒に溶解されるポリ(3−アルキルチオフェン)の応用と
しては二次電池(J.Electroch.Soc.,137,37
93(1990))、電界効果トランジスター(Synth.M
at.,58,187(1993))および発光ダイオード
(J.Appl.Phys.,72,564(1992))などがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、導電性高分
子化合物は電気伝導度が他の高分子物質より優秀である
が、その加工性が大変劣るのでその実用性が半減されて
いる。かかる問題点を解決するため、導電性高分子化合
物の側鎖に鎖の長いアルキル基を置換させ、この化合物
の加工性を増大させる方法などが提案されてきた。しか
し、炭化水素だけになるアルキル鎖の導入は導電性高分
子化合物の性質を非極性化させ、また、炭化水素だけに
なるアルキル鎖は反応性が殆どないので、他の置換基へ
の転換が大変難しい欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる従来技
術の欠点を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ポリ
チオフェンの側鎖にアルキル鎖の代わりにエステル基を
有する鎖を導入することにより、ポリ(3−アルキルチ
オフェン)の優秀な加工性が得られ、これと同時にその
物性が若干の極性を有することにより物性の向上が可能
であり、また継続的な反応により他の置換基への転換が
容易であることを発見し、本発明を完成することに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は導電性高分子化合物の単量
体として、エステル基が導入された新たなチオフェン単
量体を合成し、この単量体を化学的または電気化学的の
方法により重合してその加工性および物性が優秀な導電
性高分子重合体を提供することを目的にしている。
【0007】本発明に使われる単量体(I−A〜I−J)
は下記構造式(I)で示される。
【化5】
【0008】本発明に使われるアルキルチオフェン誘導
体(II−A'〜II−C')は下記の構造式(II)で示さ
れる。
【化6】
【0009】本発明をより詳しく説明すれば、上記単量
体(I−A〜I−J)を製造してこれから下記構造式(I
II)の単一重合体(III−A〜III−J)を合成
し、あるいは上記構造式(I)の単量体と上記構造式(I
I)の3−アルキルチオフェン誘導体(II−A'〜II
−C')との共重合体である下記構造式(IV)のポリ(3
−アルキルチオフェン)誘導体(IV−A−A'〜IV−
J−C')を製造する方法に関するものである。
【化7】 [上記式で、Rは構造式(I)での定義のとおりであ
る。]
【化8】 [上記式で、Rは構造式(I)での定義のとおりであり、
R'は構造式(II)での定義のとおりであり、Xは0.1
〜0.9のいずれかの値を有する。]
【0010】構造式(I)で示されたチオフェン誘導体は
下記の二種類の方法を使用して製造できる。方法A 3−チエニルエタノールと相当する有機酸とをベンゼン
溶液に溶解させた後、若干の酸存在下で還流させ、この
反応中で生成される水はディーン−スターク(Dean−S
tark)装置を利用して除去する。生成された反応物を減
圧蒸留して純粋なチオフェンエステルを得る。方法B 3−チエニルエタノールとトリエチルアミンを塩化メチ
レンに溶解させた後、この溶液に0℃で相当する有機酸
塩化物を塩化メチレンに溶解させて滴下する。生成され
た反応物を減圧蒸留して純粋なチオフェンエステルを得
る。
【0011】このようにして製造された構造式(I)の単
量体を酸化化学重合法および電気化学重合法を使って構
造式(III)の高分子化合物を合成するか、あるいは構
造式(I)の単量体と構造式(II)の3−アルキルチオフ
ェンを適切な比率で混合して酸化重合法および電気重合
法により構造式(IV)のポリチオフェン共重合体を合成
する。
【0012】化学重合法は次のように行う。無水塩化第
二鉄が溶解されているアセトニトリル溶液に精製された
チオフェン誘導体の単量体を滴下する。この混合物を3
〜24時間撹拌下で反応させた後、メタノールに注いで
沈澱を生成させた後、濾過して溶解されない黒色の固体
を得る。重合温度は、通常−10〜80℃、好ましくは
−10〜10℃である。この固体をメタノールを使っ
て、塩化第二鉄の黄色の溶液が溶出されなくなるまで、
ソックスレー(Soxhlet)装置を利用して洗浄する。残っ
ている固体を40℃で24時間真空乾燥させ、40〜5
0%のポリチオフェン誘導体を赤褐色の固体で得た。
【0013】電気化学的重合は次のように行なう。0.
02〜0.2M濃度の電解質が溶解されているアセトニ
トリル溶液に0.05〜2.0M濃度のチオフェン誘導体
を溶解させた後、白金またはステンレススチール板を作
業電極および負電極に使用して定電流または定電圧方式
として製造する。定電流を利用して製造する場合、電流
密度は0.1〜1A/cm2にする。電極表面に生成したポ
リチオフェン誘導体フィルムを電極から剥離して精製す
る。ここで、電解質としては、パークロレート、ヘキサ
フルオロフホスフェート、トルエンスルホネートまたは
テトラフルオロボレートなどを使用できる。
【0014】上記構造式(IV)の共重合体は構造式(I)
の単量体と構造式(II)の3−アルキルチオフェンを適
切な比率で混合して上記酸化重合または電気重合法によ
り製造した。ここで、使われた3−アルキルチオフェン
の中で、3−ヘキシルチオフェンまたは3−オクチルチ
オフェンが最もいい共重合体を生成した。また、この共
重合体の中で、アルキルチオフェンと構造式(I)のチオ
フェンの比率は重合時の単量体の比率などを変更させる
ことにより調節できる。
【0015】本発明の重合体の重量平均分子量は、通常
1000〜500000、好ましくは10000〜20
0000である。このようにして生成されたポリアルキ
ルチオフェンの電気伝導度がドーピングにより増加する
ことを確認するため、いろいろ合成されたポリチオフェ
ンをキャスティングして得たフィルムを塩化第二鉄でド
ーピングして電気伝導度を測定した。その結果を下記表
1に示す。
【0016】
【表1】 ポリチオフェンフィルムの電気伝導度 高分子化合物 電気伝導度 高分子化合物 電気伝導度 (S/cm) (S/cm) POT* 5.1 III−A 1.8×10-3 III−D 2.1×10-4 III−F 2.0×10-3 III−H 1.2×10-1 III−I 4.7×10-2 III−J 3.1×10-3 IV−A−B' 8.8×10-2 IV−I−B' 3.2×10-1 IV−J−B' 5.9×10-3 *POT:ポリオクチルチオフェン 数々合成されたポリチオフェンをガラス板にスピンコー
ティングした後、水に対する親和力を比較するため、接
触角を測定した。その結果からエステル基が置換された
ポリチオフェンの水に対する親和力の変化がどれほどか
が分かる。水に対する接触角の測定結果を下記表2に示
す。
【0017】
【表2】ポリチオフェンフィルムの接触角の測定高分子化合物 接触角(°) POT 100 III−A 72 III−I 79 III−J 87 IV−A−B' 97IV−I−B' 102
【0018】上記表から分かるように、共重合体IV−
A−B'とIV−I−B'はポリオクチルチオフェンと同
じくらいの水に対する疎水性を有しているし、単一重合
体III−A,III−IおよびIII−Jはかなり親
水性がよくなった表面を有していることが分かる。よっ
て、エステル基の置換により水に対する親水性の向上さ
れたことが分かる。
【0019】そして、エステル置換された構造式(II
I)および構造式(IV)のポリチオフェンをガラス、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよびポリ
エチレン(PE)フィルムの上にキャスティングした場
合、アルキル鎖だけあるポリオクチルチオフェンよりコ
ーティングがもっとよくできることが観察できる。これ
は凝集力の強いアルキル基より極性を帯びたエステル基
が共重合体に混入されているので、ガラスとかポリエチ
レンフィルムの上にキャスティングさせた場合、溶媒が
蒸発されながら、アルキル基間の凝集が起こらないし、
均等に広がってコーティングがよくできるからである。
ポリオクチルチオフェン、III−A、IV−A−B'
とIV−I−B'をテトラヒドロフランに溶解させた
後、可視光線領域の吸光スペクトルを測定した。その結
果を下記表3に示す。
【0020】
【表3】ポリオクチルチオフェン、III−A,IV−
A−B'およびIV−I−B'の吸収スペクトル特性高分子化合物 λmax ε POT 432 9181 III−A 412 4620 IV−A−B' 428 6937IV−I−B' 434 10560
【0021】上記表から分かるように、アルキル基だけ
を置換体として有するポリオクチルチオフェンよりエス
テル基が置換体であるIII−A、IV−A−B'、I
V−I−B'の最大吸光波長が約10〜20nm位短波長
側に移動していることを観測した。このことはエステル
基の置換により二重結合の連結が短くなったことを意味
する。この結果により、エステル基が置換されたポリチ
オフェンのバンドギャップが減少したことが分かる。
【0022】かかる極性基を有するエステル基が置換さ
れたポリチオフェンはポリメチルメタクリレートのよう
な極性基を有する高分子化合物とのブレンディングでポ
リオクチルチオフェンより優秀であることが分かる。す
なわち、極性基を有する高分子化合物間のブレンディン
グで相分離が少なく起こるようになるのである。図1に
は、ポリオクチルチオフェンとポリメチルメタクリレー
トをクロロホルムに溶解させた後、キャスティングした
フィルムの表面を100倍拡大した写真を示す。図2に
は、III−Aとポリメチルメタクリレートをクロロホ
ルムに溶解させ、キャスティングしたフィルムの表面を
100倍拡大した写真を示す。エステル基の導入でアル
キル基だけを有するポリオクチルチオフェンより相分離
はずっと小さく、そして均一性が観測され、ブレンディ
ングの時、ずっと優秀である物性を有する。
【0023】本発明ではエステル基含有基が置換された
ポリチオフェン誘導体を合成したし、これらの酸化還元
および電気光学的特性は既存のポリアルキルチオフェン
と類似するが、極性であるので、ポリメチルメタクリレ
ートのような高分子化合物とよく混合されるし、ガラス
のような表面にコーティングがよくできる物性の改良さ
れた物質の合成が可能である。
【0024】本発明を下記の非制限実施例でより詳しく
説明する。実施例1: 構造式(I)のチオフェンエステルの一般
的な合成 1 2−(3−チエニル)エタノール15gを精製されたジク
ロロメタン70ml中で溶解し、この溶液にトリエチルア
ミン32.5mlを添加した後、0℃でよく撹拌した。こ
の溶液を、相当するカルボン酸アシルクロライドをジク
ロロメタン37mlで希釈させた溶液にゆっくり添加し
た。この反応物を0℃で2時間撹拌し、次いで室温で1
2時間くらい反応した後、蒸留水100mlに注いだ。分
液ロートを使ってジクロロメタン層を分離し、この有機
物層を5%塩酸溶液、蒸留水の順に洗浄した。分離した
有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過
し、濾液を減圧下で濃縮した。残っている黄色オイルを
真空蒸留してチオフェンエステル(I−A〜I−J)を得
た(収率:約80〜95%)。
【0025】実施例2: 構造式(I)のチオフェンエス
テルの一般的な合成 2 2−(3−チエニル)エタノール(0.1M)、有機カルボ
ン酸(0.11M)およびトルエンスルホン酸(0.001
M)をベンゼン150ml中に溶解した後、ディーンスタ
ーク装置を通じて還流させながら生成水を除去した。約
10時間ほど反応させた後、この反応において水が生成
されなくなった時、この反応物の温度を常温に冷却した
後、蒸留水および飽和された重炭酸ナトリウム(NaHC
3)の水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。反応物を濾過した後、濾液を回転蒸発機を使っ
て低い沸点を有する物質を除去した後、残ったオイルを
真空蒸留してチオフェンエステルを得た(収率:約80〜
95%)。
【0026】実施例3: 構造式(III)のポリチオフ
ェン誘導体の一般的な製法 三口フラスコに無水塩化第二鉄(24mM)を入れ、窒素
雰囲気下でアセトニトリル40mlを添加して溶解させた
溶液に0℃で精製チオフェン誘導体の単量体(6mM)を
ゆっくり滴下した。この混合物を24時間撹拌した後、
メタノール500mlに注いで沈澱させ、次いで濾過して
黒色固体を得た。この黒色固体をメタノールを使用し
て、塩化第二鉄の黄色溶液が溶出されなくなる時までソ
ックスレー装置を用いて洗浄した。残っている固体を4
0℃で24時間くらい真空オーブンで乾燥させてポリチ
オフェンを得た(収率:40〜50%)。
【0027】実施例3.1〜3.10 実施例3.1 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−プ
ロピオニルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):78,000 − (C9102S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 58.67 6.56 17.40 測定値 58.80 6.48 17.50 − 収率=47%
【0028】実施例3.2 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−ブ
チリルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):74,000 − (C10122S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 60.08 7.11 16.17 測定値 60.42 7.49 16.02 − 収率=46%
【0029】実施例3.3 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−ペ
ンタノイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):72,000 − (C11142S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 62.23 7.59 15.10 測定値 62.00 7.72 14.90 − 収率=45%
【0030】実施例3.4 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−ヘ
キサノイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):70,000 − (C12162S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 63.68 8.01 14.17 測定値 63.80 7.82 14.02 − 収率=42%
【0031】実施例3.5 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−ヘ
プタノイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):77,000 − (C13182S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 64.97 8.38 13.34 測定値 64.50 8.20 13.31 − 収率=47%
【0032】実施例3.6 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−オ
クタノイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):68,000 − (C14202S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 66.11 8.71 12.61 測定値 66.01 8.30 12.42 − 収率=47%
【0033】実施例3.7 − 上記実施例3の方法を使用してポリ(3−(2−ノ
ナノイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):67,000 − (C15222S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 67.13 9.00 11.95 測定値 68.89 8.23 11.72 − 収率=47%
【0034】実施例3.8 − 上記実施例3の方法を使ってポリ(3−(2−デカ
ノイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):75,000 − (C16262S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 68.05 9.27 11.35 測定値 67.82 8.85 11.24 − 収率=48%
【0035】実施例3.9 − 上記実施例3の方法を使ってポリ(3−(2−アク
リルオイルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):40,000 − (C982S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 59.32 5.53 17.60 測定値 59.50 4.39 17.91 − 収率=45%
【0036】実施例3.10 − 上記実施例3の方法を使ってポリ(3−(2−イソ
バレリルオキシエチル)チオフェン)を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):71,000 − (C11142S)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 63.68 8.01 14.17 測定値 63.24 7.82 13.92 − 収率=47%
【0037】実施例4: 構造式(IV)のポリチオフェ
ン共重合体の一般的な製法 実施例3と同様の方法を用いるが、構造式(I)と構造式
(II)の単量体を適切な比率で添加して構造式(IV)の
ポリチオフェン共重合体を合成した。この共重合体の収
率は50〜70%であり、重合体中の単量体の比率は各
単量体の反応性と重合時の濃度とにより調節できる。即
ち、構造式(IV)でXは0.1から0.9の間で所望どお
りに調節できる。下記実施例ではXが0.5である共重
合体の合成方法を記載したものである。
【0038】実施例4.1〜4.10 実施例4.1 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−プ
ロピオニルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):54,000 − (C212822)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 66.98 7.49 17.03 測定値 66.53 7.12 16.82 − 収率=54%
【0039】実施例4.2 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−ア
クリロイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):55,000 − (C212622)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 67.34 6.99 17.12 測定値 67.12 7.12 16.92 − 収率=52%
【0040】実施例4.3 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−イ
ソバレリルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):40,000 − (C233222)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 68.45 7.73 15.89 測定値 68.22 7.82 15.70 − 収率=50%
【0041】実施例4.4 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−ブ
チリルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチルチ
オフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):50,000 − (C223022)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 67.65 7.73 16.42 測定値 67.24 7.82 16.10 − 収率=50%
【0042】実施例4.5 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−ペ
ンタノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):51,000 − (C233222)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 68.28 7.96 15.85 測定値 67.92 8.01 15.72 − 収率=53%
【0043】実施例4.6 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−ヘ
キサノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):50,000 − (C243422)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 68.86 8.18 15.32 測定値 68.40 7.93 15.12 − 収率=50%
【0044】実施例4.7 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−ヘ
プタノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):52,000 − (C253622)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 69.40 8.38 14.82 測定値 69.12 8.42 14.74 − 収率=50%
【0045】実施例4.8 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−オ
クタノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
ルチオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):54,000 − (C263822)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 69.91 8.57 14.36 測定値 69.52 8.72 14.12 − 収率=52%
【0046】実施例4.9 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−ノ
ナノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチル
チオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):57,000 − (C274022)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 70.39 8.74 13.92 測定値 70.10 8.62 13.82 − 収率=55%
【0047】実施例4.10 − 上記実施例4の方法を使用してポリ[3−(2−デ
カノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチル
チオフェン)]を合成した。 − 重量平均分子量(Mw):50,000 − (C284222)nに対する元素分析; 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%) 計算値 70.84 8.91 13.51 測定値 70.62 8.72 13.24 − 収率=50%
【0048】実施例5: 構造式(IV)のポリチオフェ
ン共重合体の電気化学的合成 チオフェン単量体を支持電解質(0.1M)が溶解されて
いるアセトニトリル溶液に溶解した後、定電流方式(0.
1mA〜1A/cm2)または定電圧方式(カロメル基準電極
に対して1.6V)によりポリチオフェンを生成させた。
フィルムを生成した後、同じ電解液の中で完全に還元さ
せ、メタノールで洗浄した後、電極から剥離し、再度メ
タノールで洗浄した。洗浄後、フィルムを真空乾燥して
精製されたポリチオフェンを得た。このようにして製造
されたポリチオフェンは上記実施例3で製造されたポリ
チオフェンとほとんど同じ性質を示した。
【0049】
【発明の効果】本発明により製造されたエステル置換さ
れたポリチオフェン誘導体は次のような優れた性質を示
した。第一に、可視光線領域の吸光スペクトルからエス
テル基の置換によりポリアルキルチオフェンの最大吸光
波長が短い波長に移動し、このことは二重結合の連結が
短くなったことを意味する。その結果、ポリチオフェン
のバンドギャップが減少したことが分かる。
【0050】第二に、極性を有するエステル基の導入に
よってポリアルキルチオフェンが極性を有するように変
形されたので、かかる重合体は炭化水素だけで置換され
た従来のポリアルキルチオフェンより接着力およびコー
ティングにおいて優秀な性質を現した。第三に、極性を
有するエステル基の導入によりポリメチルメタクリレー
トのような極性を有する高分子化合物とのブレンディン
グが容易である。かかる特徴は本発明で新たに合成され
たエステルで置換されたポリチオフェンをフォトダイオ
ード、センサー、電界効果トランジスターまたは発光ダ
イオードなどの素材で大変有用に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリオクチルチオフェンとポリメチルメタク
リレートとのブレンディング後のキャストフィルムの表
面を示す顕微鏡写真である。
【図2】 本発明で製造されたポリ(3−(2−プロピオ
ニルオキシエチル)チオフェン)とポリメチルメタクリレ
ートとのブレンディング後、キャストフィルムの表面を
示す顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素雰囲気下で無水塩化第二鉄を溶解さ
    せたアセトニトリル溶液に下記構造式(I)の単量体を添
    加するかまたは構造式(I)の単量体と下記構造式(II)
    の3−アルキルチオフェンとを適切な比率で混合してか
    ら、添加し、沈澱を生成させた後、濾過し、メタノール
    で洗浄した後、真空乾燥させることを特徴とする下記構
    造式(III)または(IV)のエステルで置換されたポリ
    アルキルチオフェン誘導体の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 [上記式で、Rは構造式(I)での定義のとおりであ
    る。] 【化4】 [上記式で、Rは構造式(I)での定義のとおりであり、 R'は構造式(II)での定義のとおりであり、 Xは0.1〜0.9のいずれかの値を有する。]
  2. 【請求項2】 構造式(III)のポリアルキルチオフェ
    ン誘導体が、ポリ(3−(2−プロピオニルオキシエチ
    ル)チオフェン)、ポリ(3−(2−ブチリルオキシエチ
    ル)チオフェン)、ポリ(3−(2−ペンタノイルオキシ
    エチル)チオフェン)、ポリ(3−(2−ヘキサノイルオ
    キシエチル)チオフェン)、ポリ(3−(2−ヘプタノイ
    ルオキシエチル)チオフェン)、ポリ(3−(2−オクタノ
    イルオキシエチル)チオフェン)、ポリ(3−(2−ノナノ
    イルオキシエチル)チオフェン)、ポリ(3−(2−デカノ
    イルオキシエチル)チオフェン)、ポリ(3−(2−アクリ
    ロイルオキシエチル)チオフェン)、またはポリ(3−(2
    −イソバレリルオキシエチル)チオフェン)である請求項
    1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 構造式(IV)のポリアルキルチオフェン
    誘導体がポリ[3−(2−プロピオニルオキシエチル)チ
    オフェン−共−(3−オクチルチオフェン)]、ポリ[3−
    (2−アクリロイルオキシエチル)チオフェン−共−(3
    −オクチルチオフェン)]、ポリ[3−(2−イソバレリル
    オキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチルチオフェ
    ン)]、ポリ[3−(2−ブチリルオキシエチル)チオフェ
    ン−共−(3−オクチルチオフェン)]、ポリ[3−(2−
    ペンタノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オク
    チルチオフェン)]、ポリ[3−(2−ヘキサノイルオキシ
    エチル)チオフェン−共−(3−オクチルチオフェン)]、
    ポリ[3−(2−ヘプタノイルオキシエチル)チオフェン
    −共−(3−オクチルチオフェン)]、ポリ[3−(2−オ
    クタノイルオキシエチル)チオフェン−共−(3−オクチ
    ルチオフェン)]、ポリ[3−(2−ノナノイルオキシエチ
    ル)チオフェン−共−(3−オクチルチオフェン)]または
    ポリ[3−(2−デカノイルオキシエチル)チオフェン−
    共−(3−オクチルチオフェン)]である請求項1に記載
    の化合物。
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