JPH07267626A - 耐アルカリ性及び耐水性シリカゲル - Google Patents

耐アルカリ性及び耐水性シリカゲル

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JPH07267626A
JPH07267626A JP5895394A JP5895394A JPH07267626A JP H07267626 A JPH07267626 A JP H07267626A JP 5895394 A JP5895394 A JP 5895394A JP 5895394 A JP5895394 A JP 5895394A JP H07267626 A JPH07267626 A JP H07267626A
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silica gel
water
resistant
polybutyral
alkali
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JP5895394A
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English (en)
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Kazuhiko Yaguchi
和彦 矢口
Naoko Umenobe
尚子 梅延
Kazutaka Nobuhara
一敬 信原
Toumi Ishizaka
滕實 石坂
Minoru Fujisaki
稔 藤崎
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Fuji Silysia Chemical Ltd
Original Assignee
Fuji Silysia Chemical Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリカゲルのアルカリ水及び水への溶出量を
抑制しうる耐アルカリ性及び耐水性シリカゲルの提供を
目的とする。 【構成】 シリカゲル(富士シリシア化学(株)製、B
W300S)10gとポリブチラール(和光純薬工業
(株)製、重合度約700)1gとをクロロホルム20
0mlに加え攪拌し、得られるスラリー中のクロロホル
ムをロータリーエバポレータで留去することにより、シ
リカゲル表面にポリブチラールを主成分とする層が形成
された耐アルカリ性及び耐水性シリカゲルを得た。得ら
れたシリカゲルのアルカリ水へのSiO2 溶出量は通常
に比べ約1/15であり、優れた耐アルカリ性を示し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐アルカリ性及び耐水
性シリカゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリカゲルは、例えばフィルムに
混入させることによりシリカゲルの微粒子がフィルム表
面に微細な凹凸を形成してフィルム同士が密着しないよ
うに作用するアンチブロック材として用いられていた。
また、例えば、ウレタン系やアクリル系などの樹脂塗料
に混入させることによりシリカゲルの微粒子が塗膜表面
に凹凸を形成して乱反射を起こさせるように作用する艶
消し材としても用いられていた。
【0003】これらの場合、シリカゲルの屈折率が1.
46前後であり、フィルムや樹脂塗料と同程度の屈折率
であることから、高い透明性を維持することができ、こ
れらの商品価値を損なうことがなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
シリカゲルの構造はその表面にシラノール基を有してい
るため、アルカリ水や水とのなじみはよいが有機溶媒や
樹脂とのなじみがよくないという問題があった。かかる
問題はフィルムに用いられる樹脂や樹脂塗料に分散した
ときの分散性の低下を招くため、成形したフィルムや塗
膜にシリカゲルを均質化させることが困難な場合があっ
た。
【0005】また、樹脂塗料に混入させて塗膜を形成し
た場合には、この塗膜に水特にアルカリ水がかかると塗
膜表面に凹凸を形成しているシリカゲルが溶出し、その
結果グロス値が減少し艶消し効果が低下するという問題
があった。本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、シリカゲルのアルカリ水及び水への溶出量を抑制し
うる耐アルカリ性及び耐水性シリカゲルの提供を目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために、本発明の耐アルカリ性及び耐水性シリカゲ
ルは、シリカゲルの表面にポリブチラールを主成分とす
る層(以下「ポリブチラール層」という)を設けたこと
を特徴とする。
【0007】本発明の耐アルカリ性及び耐水性シリカゲ
ルはシリカゲルの表面にポリブチラール層を設けたた
め、アルカリ水及び水に溶出しにくく、有機溶媒や樹
脂、塗料となじみ易い性質を有する。このポリブチラー
ル層中のポリブチラールがシリカゲルに対して1重量%
以下の場合アルカリ水及び水への溶出を抑制する効果が
十分でないことがあり、一方、20重量%以上の場合ポ
リブチラール層を設けたシリカゲルの粒子同士が密着し
有機溶媒や樹脂、塗料中での分散性が低下するおそれが
ある。このため、ポリブチラールはシリカゲルに対して
1〜20重量%の範囲で定めるのが好ましい。尚、ポリ
ブチラール層はシリカゲル表面に部分的に形成してもよ
いし、シリカゲル表面全体に均一に形成してもよい。
【0008】本発明で使用するシリカゲルの製造方法に
は特に限定はなく、気相法、湿式法など公知の方法で製
造可能である。その粒径は特に限定されず、使用目的に
応じて、適宜の粒径のものを選択して使用できる。ま
た、ポリブチラールは、例えば、ポリビニルアルコール
を酸触媒でn−ブチルアルデヒドによりアセタール化す
ることによって製造され、次のような構造をしている。
【0009】
【化1】
【0010】このうち、フリーの水酸基のいくつかは出
発ポリビニルアルコール中にてアセチル化されている場
合がある。実用的に用いられるポリブチラールの組成は
ブチラール化度57〜70モル%、アセチル化度0〜5
モル%であり、またその重合度は200〜1500であ
る。一般に、ポリブチラールはポリビニルアルコールが
有している無色透明性、強じん性、耐衝撃性などのすぐ
れた性質を示すほかに、非常に極性な水酸基と疎水性の
ブチル基が高分子鎖中に共存している結果、ポリビニル
アルコールより優れた接着性、柔軟性、低い吸水性、更
に、フェノール樹脂やユリア樹脂などと広い相溶性を示
す。
【0011】本発明の耐アルカリ性及び耐水性シリカゲ
ルを得る方法としては、例えば、シリカゲルとポリブチ
ラールとを適当な有機溶媒中で混合してスラリーとした
後溶媒を留去する方法がある。また、ポリブチラールを
そのままあるいは適当な有機溶媒にて希釈したものをシ
リカゲルに噴霧しその後乾燥させてもよい。更に、ポリ
ブチラール自身を用いる代わりに、ポリブチラールの前
駆体、具体的にはポリビニルアルコール、n−ブチルア
ルデヒド及びアセタール化触媒としての酸触媒を用いて
もよい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について説明す
る。 [実施例1]シリカゲル(富士シリシア化学(株)製、
BW300S)10gとポリブチラール(和光純薬工業
(株)製、重合度約700)1gとをクロロホルム20
0mlに加え攪拌し、スラリーを得た。このとき、ポリ
ブチラールはクロロホルムに溶解している。その後、こ
のスラリー中のクロロホルムをロータリーエバポレータ
により蒸発留去し、シリカゲル表面にポリブチラールを
主成分とする層(以下「ポリブチラール層」という)が
形成されたシリカゲル(以下「実施例1のシリカゲル」
という)を得た。尚、この実施例1のシリカゲルはエバ
ポレータによる乾燥工程においてブロック化することな
く粉状として得られた。 [ポリブチラール層の厚さ]実施例1のシリカゲルの断
面をEPMAを用いて面分析したところ、ポリブチラー
ル層の厚さは、約2〜3μmであった。 [耐アルカリ性及び耐水性試験]実施例1のシリカゲル
1gをイオン交換水10g中にて攪拌したところ、水和
することなくすべてイオン交換水の表面に浮上した。こ
の結果は、実施例1のシリカゲルの耐水性を示すもので
ある。
【0013】また、試料として実施例1のシリカゲル、
及び、市販のシリカゲル(富士シリシア化学(株)製、
BW300S)を用いて、以下の耐アルカリ性試験を行
った。即ち、まず、試料を内径3mm、長さ23cmの
ステンレス製パイプに充填し、これを蒸留水中で減圧脱
泡した後、pH9の水酸化ナトリウム水溶液を25℃の
温度において6g/minの流速で90分間、上向流に
より通液した。次いで、この溶液90mlを採取しイオ
ン交換水5ml、炭酸水素ナトリウム0.1gを加え、
沸騰水浴中で20分間加熱し、その後冷却して塩酸(N
/10)でpH5に調整し、100mlにし、ろ過し
た。このろ液50mlを採取し、周知のモリブデン黄法
により吸光度(420nm)を測定し、予め作成した検
量線からSiO2 濃度を求めた。結果を表1に示す。
【0014】表1から明らかなように、実施例1のシリ
カゲルは市販のシリカゲル(富士シリシア化学(株)
製、BW300S)と比較して、アルカリ水溶液へのS
iO2溶出量は通常に比べ約1/15であり、耐アルカ
リ性に優れていることがわかる。
【0015】
【表1】
【0016】更に、実施例1のシリカゲルの含有量が1
%となるようにPP樹脂に混合してプレート(2×3c
m、厚さ2mm程度)を作製し、水酸化ナトリウム水溶
液(pH10)100mlに1日もしくは7日間接触さ
せた後、この溶液についてモリブデン黄法によりSiO
2 濃度を調べたところ、いずれも検出限界濃度以下(<
30ppm)でありほとんど溶出しなかった。このこと
からも、実施例1のシリカゲルは、耐アルカリ性に優れ
ていることがわかる。 [フィルム形成試験]実施例1のシリカゲルを用いてポ
リエチレンフィルムを成形したところ、そのアンチブロ
ック性能は従来のシリカゲルと同等であった。このフィ
ルム成形の際、従来のシリカゲルに比べてポリエチレン
とのなじみに優れ、ポリエチレン全体に容易かつ均一に
分散し、フィルムにシリカゲルを均質化させることがで
きた。 [ポリブチラール層の耐熱性]実施例1のシリカゲルを
熱重量分析したところ、約300℃までは重量減少がみ
られなかった。このことはシリカゲル表面に設けたポリ
ブチラール層は約300℃まで耐熱性があることを示し
ている。かかる耐熱性により、実施例1のシリカゲルを
樹脂と混合させてプレートなどの成形品を作る場合、プ
レートを成形する段階では熱可塑性樹脂を使用するため
200〜250℃に加熱する必要があるが、ポリブチラ
ール層が劣化してシリカゲルがむき出しになるおそれは
ない。また、シリカゲルを樹脂塗料と混合し加熱する場
合にも同様のことがいえる。従って、プレート中の実施
例1のシリカゲルの耐アルカリ性及び耐水性能はプレー
トの成形前後及び樹脂塗料への混合加熱の前後におい
て、ほぼ同等に保持される。 [実施例2]実施例1で用いたシリカゲル(富士シリシ
ア化学(株)製、BW300S)の代わりにシリカゲル
(富士シリシア化学(株)製、サイリシア#350)を
用いた以外は実施例1と同様にして、耐アルカリ性及び
耐水性シリカゲル(以下「実施例2のシリカゲル」とい
う)を得た。 [塗膜耐久試験]試料として実施例2のシリカゲル、及
び、市販のシリカゲル(富士シリシア化学(株)製、サ
イリシア#350)を用いて、以下の塗膜耐久試験を行
った。即ち、樹脂塗料としての建築用ウレタン樹脂エナ
メル100gに試料6gを加え、羽根径3.5cmの高
速ディスパーで回転速度4000rpmにて5分間分散
後、専用シンナーで薄めてエアスプレー塗をし、自然乾
燥をした。得られた塗膜を50℃の一定温度にした10
%水酸化ナトリウム水溶液に漬け、3、6、24時間後
に取り出し、水洗し乾燥させた後GLOSS値(傾斜角
度60゜)を測定した。結果を表2及び3に示す。
【0017】表2及び3から明らかなように、実施例2
のシリカゲルは市販のシリカゲル((富士シリシア化学
(株)製、サイリシア#350)と比較して、3、6、
24時間後でもGLOSS値の変化量が僅かであり、外
観からみた状態の変化もなく、塗膜がふくれたりはがれ
たりすることもなかった。また、実施例2のシリカゲル
は樹脂塗料に容易かつ均一に分散し、塗膜にシリカゲル
を均質化させることができた。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】同様の試験を10%水酸化ナトリウム水溶
液に替えてpH7の水を用いて行ったところ、同様の傾
向が見られた。但し、GLOSS値の変化量、外観から
みた状態の変化等は、10%水酸化ナトリウム水溶液を
用いた場合に比べて小さかった。 [実施例3]ポリブチラール樹脂の代わりに、ポリビニ
ルアルコール100g、メタノール80g、4規定硫酸
0.3g、水820gの混合物を攪拌しながら、ブチル
アルデヒド80gを加え、70℃で1時間攪拌した。こ
の溶液100gを採取し、シリカゲル10gを加え、エ
バポレータにより溶媒を留去することにより、実施例1
と同様の耐アルカリ性及び耐水性シリカゲル(以下「実
施例3のシリカゲル」という)を得た。 [実施例4]実施例1で用いたシリカゲル(富士シリシ
ア化学(株)製、BW300S)の代わりに抗菌材A
(富士シリシア化学(株)製、商品名シルウェル)10
gを使用した以外は実施例1と同様にして耐アルカリ性
及び耐水性シリカゲル抗菌材(以下「実施例4のシリカ
ゲル抗菌材」という)を得た。
【0021】尚、抗菌材Aは、通常のシリカゲルに抗菌
活性を有する銀錯塩を担持した後、更にテトラエトキシ
シラン(TEOS)で処理したものである。このTEO
Sは加水分解してSiO2 となるため、実質的には最外
殻にシリカゲルをコーティングしたことになる。この処
理は、銀錯塩の水への溶出性をコントロールし徐放性を
狙ったものである。 [ポリブチラール層の耐熱性]実施例4のシリカゲル抗
菌材について、実施例1のシリカゲルと同様、ポリブチ
ラール層の耐熱性を調べたところ、約300℃まで耐熱
性を有していた。従って、プレート中の実施例4のシリ
カゲルの耐アルカリ性及び耐水性能はプレート成形前後
及び樹脂塗料への混合加熱の前後においてほぼ同等に保
持され、銀錯塩の徐放性能も保持される。 [ポリブチラール以外の樹脂]上記実施例4とは別に、
ポリブチラールに替えてポリエチレン、ポリスチレンな
どによるコーティングやPMMAによるコーティングも
試みた。しかし、これらは水及び蒸気に接触させた場合
に粉体及び水の変色が見られた。これに対して、実施例
4のシリカゲルは同様の処理を施しても粉体及び水の変
色は見られなかった。 [実施例5]実施例1のシリカゲルの代わりに抗菌材B
10gを使用した以外は実施例1と同様にして耐アルカ
リ性及び耐水性シリカゲル抗菌材(以下「実施例5のシ
リカゲル抗菌材」という)を得た。
【0022】尚、抗菌材Bは、通常のシリカゲルに銀抗
菌材を担持した後、TEOS処理を施さなかったもので
ある。即ち、抗菌材Bは上記抗菌材A(商品名シルウェ
ル)と比べて最外殻にSiO2 がコーティングされてい
ない点が異なる。 [MIC(最小発育阻止濃度)の測定]実施例4及び5
のシリカゲル抗菌材、並びに、実施例1のシリカゲル及
び抗菌材Aを試料として、MIC(最小発育阻止濃度)
の測定を行った。即ち、任意濃度にて試料を添加した複
数のミューラー−ヒントン ブロス(Mueller−
Hinton Broth、DIFCO社製)に接種用
菌液を接種し培養し、菌が発育を阻止された際の、試料
の最低濃度を最小発育阻止濃度とした。
【0023】ミューラー−ヒントン ブロスの調製、接
種用菌液の調整及び培養は、以下のようになされた。 ・ミューラー−ヒントン ブロスの調製 培地ミューラー−ヒントン ブロスに、試料濃度が12
800ppm、6400ppm、3200ppm、16
00ppm、800ppm、400ppm、200pp
m、100ppmとなるように調整した。 ・接種用菌液の調製 増菌用培地[ミューラー−ヒントン アガー(Muel
ler−HintonAgar)(DIFCO社製)]
にて、37℃で一夜培養した試験菌株の菌液をミューラ
ー−ヒントン ブロスにて更に37℃で一夜培養した。
この菌液を、リン酸緩衝生理食塩水でし、1ml当りの
菌数が約104 になるように調製した。
【0024】このMIC測定試験は、菌の分裂・増殖を
阻止するために必要な抗菌材の最小濃度を確認するもの
である。結果を表4に示す。使用した試験菌株は以下の
とおりである。尚、銀溶出量は、試料を1g採取しこれ
をイオン交換水100g中にて24時間攪拌した後ろ過
したときのろ液を原子吸光法を用いることにより求め
た。
【0025】大腸菌:エスケリチャ コーライ(Esc
herichia coli) IFO 3301 黄色ブドウ球菌:スタフィロコッカス オーレオス(S
taphylococcus aureus) IFO
12732 ・培養 接種用菌液をミューラー−ヒントン ブロスに、0.1
ml添加し、37℃で1日間培養した。
【0026】
【表4】
【0027】表4は、実施例4及び5のシリカゲル抗菌
材は抗菌材Aと比較して同等の抗菌活性を有すると共に
銀溶出量が1/10、1/5となっていることから、抗
菌活性を発揮しうる期間が長くなることが示唆される。
実施例4の方が実施例5に比べて溶出量が抑制されたの
は、前者はTEOS処理により最外殻にSiO2 をコー
ティングしたためこれによる水への溶出性の抑制効果が
発現したものである。尚、実施例1のシリカゲルは抗菌
活性を示さなかったが、これはシリカゲル及びポリブチ
ラールだけでは抗菌活性はないことを示している。ま
た、実施例4及び5のシリカゲル抗菌材は、抗菌スペク
トルが広く、グラム陽性菌、グラム陰性菌等多くの菌類
に活性を示した。 [徐放期間(抗菌効果維持期間)に関する試験]実施例
4のシリカゲル抗菌材の含有量が1%となるようにPP
樹脂に混合してプレート(2×3cm、厚さ2mm程
度)を作製し、水酸化ナトリウム水溶液(pH10)1
00mlに1日、3日、7日間接触させた後、銀の溶出
量を原子吸光法により求めたところ、すべて検出限界濃
度以下(<0.48ppm)であった。このとき、プレ
ートの表面の変色、ふくらみ、はがれ等も見られなかっ
た。
【0028】以上詳述したように、上記実施例1、2も
しくは3のシリカゲル又は実施例4もしくは5のシリカ
ゲル抗菌材によれば、シリカゲルのアルカリ水及び水へ
の溶出量を抑制することができるという効果を有する。
また、例えば実施例4のように銀錯塩を担持したシリカ
ゲルに対してポリブチラール層を設けることにより、銀
錯塩の水への溶出をコントロールすることができ、徐放
期間すなわち抗菌効果維持期間を長くすることができ
る。即ち、従来、抗菌材Aではシリカゲルの水への溶出
性を抑制する効果的な処理が見いだされていなかったた
め銀錯塩もシリカゲルと共に水へ溶出し抗菌効果維持期
間を十分長くすることができなかったが、本発明によれ
ばこの点が解決された。尚、使用可能な銀錯塩の形態は
特に限定するものではなく、ジアミン錯塩、ジアミノ錯
塩、チオスルファト錯塩などの形態を用いることができ
る。
【0029】尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様
で実施できることはいうまでもない。例えば、本発明の
耐アルカリ性及び耐水性シリカゲルを合成樹脂に混合す
る場合を考慮すれば、シリカゲルの平均粒子径は約0.
1〜100μmの範囲が好ましい。この粒径範囲である
と合成樹脂との混合効率が特に良好となる。細孔容積、
平均細孔径も、用途に応じて適宜の範囲を選択し得る。
【0030】また、実施例1では溶媒としてクロロホル
ムを使用したが、ポリブチラールを溶解しうる有機溶媒
であればこれに限定されない。例えば、メタノール、エ
タノール、ブタノール、アセトン、トルエン、ヘキサ
ン、ベンゼン等を使用することができる。
【0031】更に、実施例4では銀錯塩を担持したシリ
カゲルを用いてポリブチラール層を設けたが、銀錯塩以
外に、チーグラーナッタ触媒に代表される触媒やカルシ
ウム、亜鉛等を担持させたシリカゲルを用いてもよい。
例えばチーグラーナッタ触媒を担持したシリカゲルにポ
リブチラール層を設けた場合、水蒸気や水、アルカリ水
と接触したとしても触媒の溶出を抑制するため、触媒反
応を持続的に行うことができる。また、カルシウムを担
持したシリカゲルにポリブチラール層を設けた場合、塗
料に混合し防錆塗料として使用しうるが、塗膜からのカ
ルシウムの溶出を抑制するため、防錆効果を持続的に発
揮しうる。
【0032】更にまた、シリカゲル表面に設けたポリブ
チラール層の厚さは、被膜形成方法やその際の反応条件
等によって調節可能であるが、耐アルカリ性及び耐水性
を考慮すればシリカゲルの平均粒子直径の約1/100
〜1/5程度の範囲であることが好ましい。ポリブチラ
ール層がシリカゲルの平均粒子直径の約1/100以下
であると、耐アルカリ性及び耐水性が低下し、例えばシ
リカゲルが含有した塗膜ではアルカリ水溶液と接触する
とグロス値が低下したり塗膜が膨らんだりする。また、
銀錯塩を担持させた場合には経時放出速度が大きくな
り、徐放期間すなわち抗菌効果維持期間が短くなると共
に抗菌材が変色しやすくなる。またポリブチラール層が
シリカゲルの平均粒子直径の約1/5を越えると、シリ
カ粒子同士の凝集が起こり易く、また銀錯塩を担持させ
た場合には銀錯塩の放出が過剰に制限されることがあ
る。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐アルカ
リ性及び耐水性シリカゲルによれば、シリカゲルのアル
カリ水及び水への溶出量を抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石坂 滕實 愛知県春日井市高蔵寺町2丁目1846番地 富士シリシア化学株式会社内 (72)発明者 藤崎 稔 愛知県春日井市高蔵寺町2丁目1846番地 富士シリシア化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカゲルの表面にポリブチラールを主
    成分とする層を設けたことを特徴とする耐アルカリ性及
    び耐水性シリカゲル。
JP5895394A 1994-03-29 1994-03-29 耐アルカリ性及び耐水性シリカゲル Pending JPH07267626A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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