JPH07265954A - 長尺材の歪矯正装置 - Google Patents

長尺材の歪矯正装置

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JPH07265954A
JPH07265954A JP6096694A JP6096694A JPH07265954A JP H07265954 A JPH07265954 A JP H07265954A JP 6096694 A JP6096694 A JP 6096694A JP 6096694 A JP6096694 A JP 6096694A JP H07265954 A JPH07265954 A JP H07265954A
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JP6096694A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nagai
雅浩 永井
Ichiro Ishimaru
伊知郎 石丸
Hideki Saito
英樹 斉藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺材の歪を、最少の矯正回数で、短時間
で、高精度に歪矯正を行なう長尺材矯正装置を提供す
る。 【構成】 長尺材12の長さ方向の歪量を測定する計測
装置27と歪矯正を行う矯正装置28と機器の制御や演
算を行う制御装置11とを備えた長尺材歪矯正装置にお
いて、矯正前後の歪データから定形型を作成する定形型
作成部31とスプリングバック曲線を記憶するスプリン
グバック記憶部39と矯正データの過不足分を記憶する
過不足データ記憶部38と演算処理を行う演算処理部3
3とを設け、歪矯正後の状態を予測して歪矯正を行うよ
うにした長尺材歪矯正装置。 【効果】 定形型を歪データと照合し、演算処理を行な
うことにより、最少の矯正回数で歪矯正を終了するよう
に制御するため、短時間で高精度の長尺材の歪矯正を行
なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエレベーター用
ガイドレール等の長尺材の歪を矯正する歪矯正装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エレベーター用ガイドレール等
の長尺材を切削加工して使用する場合、ある一定量以上
の歪があると黒皮が残って不良品となったり、残留応力
による変形等が生じ、エレベーターの運転に悪影響を及
ぼすことがある。そのため切削加工前に歪を矯正するよ
うにしている。このような歪矯正装置の1つに特開平1
−309724号公報に開示されたものが知られてい
る。
【0003】この歪矯正装置は、長尺形鋼の曲がりを測
定する曲がり測定機と、長尺形鋼の曲がりを矯正する曲
がり矯正機と、曲がり測定機から測定結果を取り込み、
その測定結果に基づいて長尺形鋼の矯正すべき箇所と矯
正順次並びに矯正量と矯正方向を演算し、その演算結果
により曲がり矯正機を制御する制御部とを備えた構成に
なっている。そして、この構成により長尺形鋼を曲がり
矯正機に載置したとき、その長尺形鋼について曲がりが
存在するか否かが検出され、曲がりが存在すると、その
存在する箇所並びに曲がり量が測定され、その測定信号
が制御部に送られる。制御部では、前記測定信号に基づ
いて長尺形鋼の矯正すべき箇所とその矯正順序並びに矯
正量および矯正方向が演算される。
【0004】また、曲がり測定機により曲がりが検出さ
れた長尺形鋼は、曲がり矯正機に搬送され、制御部の演
算結果に基づいて曲がりが矯正される。この場合、長尺
形鋼は曲がり量の大きい箇所から小さい箇所へ順次矯正
されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成された従来例にあっては、曲がりの大きな箇所から
小さな箇所へと順次曲がりの矯正が行われるようになっ
ているが、曲げ動作には塑性変形と弾性変形とが付随し
ているので、塑性変形の場合の荷重と変形量との関係を
把握して曲がりの矯正を行わないと、矯正のために荷重
をかけても荷重を取り除いたときに変形が若干戻ってし
まう。しかし、この変形の戻り、言い換えればスプリン
グバック量を考慮にいれてまでの矯正は、実施されては
いなかった。したがって、矯正の精度をさらに高めるた
めには、再度、曲がりの矯正を行なう必要があった。こ
の曲がりの矯正の精度については、高速型のエレベータ
になればなるほど振動の点でも問題が生じるので高精度
である必要がある。また、矯正工程に時間がかかり過ぎ
ると、当然コストが高くなることから、短時間でより精
度の高い曲がり矯正を行なうことができる歪矯正装置が
望まれていた。
【0006】この発明は、このような背景に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、短時間で長尺材の歪の矯正が
精度良く行える歪矯正装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、長尺材の任
意の位置の歪量を測定する計測手段と、長尺材の歪を矯
正する矯正手段とを備えた長尺材の歪矯正装置におい
て、前記計測手段によって得られた計測位置とその計測
位置における歪量とからなる歪に関するデータを記憶す
る歪データ記憶手段と、この歪データ記憶手段に記憶さ
れた歪に関するデータに基づいて長尺材を矯正したとき
の矯正に関するデータを記憶する矯正データ記憶手段
と、矯正前の歪に関するデータと矯正後の歪に関するデ
ータとから得られた歪の実質的な矯正量をパターン化す
る定形型作成手段と、この定形型作成手段によって作成
された複数の定形型をそれぞれ記憶する定形型記憶手段
と、前記歪データ記憶手段に記憶された歪に関するデー
タに基づいて歪量の大きな位置を探し出し、その歪量に
応じて前記定形型記憶手段に記憶された定形型を選択
し、矯正位置および矯正量を演算する演算処理手段と、
この演算処理手段によって演算された矯正位置および矯
正量に基づいて前記歪矯正手段に指示し、矯正作業を実
行させる制御手段とを備えることによって達成される。
【0008】この場合、矯正に関するデータは、長尺材
に対する加圧力、加圧した位置、および加圧後の長尺材
の変位を含み、演算処理手段は、この矯正に関するデー
タに基づいて定形型を更新する。演算処理手段は、矯正
中の変位および荷重を逐次測定し、除荷後のスプリング
バック量を考慮した直線との交点で除荷し、目標の矯正
量を得る。スプリングバックの考慮に際しては、荷重変
位曲線の除荷始点と除荷終点とを通る直線によって除荷
後の変位を近似すればよい。また、矯正手段によって矯
正した後の矯正量の過不足分、および矯正点のずれの少
なくともいずれかを含む過不足データを記憶する過不足
データ記憶手段をさらに設け、演算処理手段が、前記歪
データ記憶手段に記憶された歪に関するデータと過不足
データ記憶手段に記憶された過不足データとに基づいて
矯正位置および矯正量を演算するように構成してもよ
い。さらに、最適加圧点、矯正方向、および矯正順序を
表示するモニタ装置を設け、選択された矯正パターンに
基づいて、最適加圧点、矯正方向、および矯正順序を演
算処理手段によって演算し、その結果をモニタ装置に表
示させるようにすることもできる。また、歪に関するデ
ータを長尺材の長手方向を基準とする座標データから矯
正点を基準とした座標データに変換する座標変換手段を
さらに設けることもできる。
【0009】この装置では、測定された歪に関するデー
タ、矯正時の矯正に関するデータ、および矯正後の歪に
関するデータに基づいて、矯正すべき長尺材の加圧点、
矯正量などの矯正に必要な要素をあらかじめ演算し、こ
の演算結果に基づいて矯正した後の長尺材の形状を予測
して長尺材の矯正を行う。作業者は、この予測された矯
正結果をモニタ装置によって確認する。
【0010】
【作用】歪データ記憶手段は計測手段によって測定され
た長尺材の歪量を測定した長尺材の位置と対応付けて記
憶する。矯正データ記憶手段は歪データ記憶手段に記憶
された歪に関するデータに基づいて矯正手段が矯正した
ときの矯正に関するデータを記憶する。矯正に関するデ
ータとは、矯正時の長尺材に対する加圧力、加圧した矯
正位置、および矯正作業実施後の長尺材の変位、言い換
えれば矯正後の長尺材の測定点での状態である。
【0011】定形型作成部は、歪データ記憶手段と矯正
データ記憶手段にそれぞれ記憶された矯正前の歪に関す
るデータと矯正後の歪に関するデータとを比較し、矯正
点における歪矯正前後の歪量の差、すなわち実質矯正量
を求める。そして、この実質矯正量をパターン化して定
形型とする。この定形型は長尺材の矯正量に応じて複数
作成され、定形型記憶部はこれらの複数の定形型を記憶
する。
【0012】演算処理手段は、歪データ記憶手段に記憶
された歪に関するデータに基づいて歪量の大きな位置に
定形型記憶手段に記憶された定形型から最適な定形型を
選択し、選択された定形型に基づいて矯正位置と矯正量
を演算し、長尺材の矯正後の状態を予測する。制御手段
は、この決定に基づいて矯正手段に指示し、決定された
矯正位置および矯正量により矯正中の変位および荷重を
逐次測定し、除荷後のスプリングバック量を考慮した直
線との交点で除荷し、目標の矯正量を得ることで矯正作
業を実行させる。これによって、長尺材は必要最低限の
時間で精度良く矯正される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の一実施例につ
いて説明する。図2は長尺材歪矯正装置の全体構成を示
す一部を省略した斜視図、図3はその要部を示す斜視
図、図4は図3の平面図である。これらの図において、
長尺材矯正装置は、長尺材12の任意の位置における歪
量を測定する計測手段としての計測装置27と、長尺材
12の歪を矯正する矯正手段としての矯正装置28と、
これらの制御を司る制御装置11とから基本的に構成さ
れている。すなわち、計測装置27は歪矯正を行なう長
尺材12の歪矯正前後の歪に関するデータを測定し、矯
正装置28は長尺材12の歪矯正を行なうとともに矯正
時の条件および矯正後の長尺材12の状態を測定する。
制御装置11は、計測装置27と矯正装置28とで測定
された歪に関するデータと矯正に関するデータの記憶、
演算処理、および矯正装置28の制御等を行なう。
【0014】計測装置27は、測定ベース15と案内レ
ール26と基準ベース18とから主になり、測定ベース
15の上面の長手方向に案内レール26が精度良く固定
されている。案内レール26上には、案内レール26に
沿って移動する移動装置19が設置されている。この移
動装置19には、長尺材12の長手方向の変位を測定す
る変位検出器としての変位センサ2と、移動装置19の
移動距離を検出する位置検出器38とが搭載され、高い
位置精度および送り精度をもってモータ23によって移
動する。この移動速度は一定になるように設定されてい
る。基準ベース18は、測定ベース15の長手方向の同
側の側面に2ヵ所設置されている。
【0015】基準ベース18の上部の測定ベース15の
側面には、長尺材12の位置決めのための基準ブロック
20がそれぞれ設けられ、これらの基準ブロック20に
対向してそれぞれプッシャ21が設置されている。プッ
シャ21は、基準ベース18の上面に測定ベース15の
側面に対して垂直に設けられた案内レール25に沿って
スライド移動可能に設けられ、反測定ベース側に設けら
れたエアシリダ24によって駆動される。また、基準ベ
ース18上には、基準ベース18上で長尺材12の方向
を変えるための姿勢変換装置22が設置され、長尺材1
2の変位量を2方向から測定できるようになっている。
【0016】図5は矯正装置の使用状態を示す斜視図、
図6は矯正装置の平面図である。これらの図において、
矯正装置28は、長尺材12の下方に位置するフレーム
16と、このフレーム16の上面に設置された矯正基準
部50および矯正駆動部51と、搬送装置9とからな
り、矯正基準部50は、フレーム16の一端側、図にお
いては手前側に設けられ、矯正駆動部51は搬送装置9
を挟んで図において奥側に設けられている。
【0017】矯正基準部50は、搬送装置9上に載置さ
れて搬送される長尺材12に平行にフレーム16に対し
て強固に固定されたサポート14と、このサポート14
の中央に設けられた基準ヘッド8と、この基準ヘッド8
の両側に所定の間隔をおいて設置された固定ヘッド7
c,7dと、これらのヘッド8,7c,7dに隣接する
箇所などのあらかじめ設定された箇所に設けられた変位
測定器としての変位センサ10とからなる。基準ヘッド
8は、サポート14の上部側に設けられた油圧シリンダ
3bによって昇降可能に設置され、長尺材12への当接
または離間が自由に選択できるようになっている。な
お、固定ヘッド7c,7dは、矯正時に支点として機能
する。
【0018】矯正駆動部51は、スライダ13と、スラ
イダ13を駆動する加圧力発生装置としての油圧シリン
ダ1と、スライダ13と油圧シリンダ1との間にあって
矯正中の加圧力を検出するための加圧力検出器としての
ロードセル4と、スライダ13の搬送装置9側の面に設
けられた加圧ヘッド6と、この加圧ヘッド6の両側に所
定の間隔をおいて設置された固定ヘッド7a,7bとか
らなり、スライダ13はフレーム16の上面に固設され
た一対の案内レール5に沿ってスライド移動可能に設け
られている。案内レール5は搬送装置9に載置された長
尺材12の搬送方向に対して垂直な方向に設置される。
【0019】加圧ヘッド6は、基準ヘッド8に対向した
位置に設けられ、基準ヘッド8と同様に油圧シリンダ3
aによってフレーム16の上面に対して昇降可能であっ
て、長尺材12への当接または離間を自由に選択できる
ようになっている。なお、固定ヘッド7a,7bは、同
様に矯正時の支点として機能する。このように基準ヘッ
ド8、加圧ヘッド6、及び固定ヘッド7a,7b,7
c,7dを構成すると、長尺材12の曲がりの方向によ
り基準ヘッド8と固定ヘッド7a,7b、または加圧ヘ
ッド6と固定ヘッド7c,7dとの組合せが油圧シリン
ダ3a,3bにより任意に選択できる。また、油圧シリ
ンダ1はフレーム16の上面に設置され、ロードセル4
を介してスライダ13と連結されてスライダ13の進出
後退動作を行うようになっている。
【0020】なお、搬送装置9は長尺材12をその長手
方向に搬送できるように構成されている。変位センサ1
0は、この実施例では6個図示してあるが、変位点を測
定するために必要な検出データに応じた個数必要とな
る。また、サポート14とスライダ13との間には長尺
材12の移動距離を測定する位置測定器17が設置さ
れ、さらに図2から分かるように長尺材12の矯正中の
支え及び計測装置27との間を搬送するための搬送ロー
ラ37が矯正装置28の両側に複数個設けてある。
【0021】制御装置11は、図1のブロック図に示す
ように歪データ記憶手段としての歪データ記憶部29
と、矯正データ記憶手段としての矯正データ記憶部30
と、定形型作成手段としての定形型作成部31と、定形
型記憶手段としての定形型記憶部32と、荷重を加えて
塑性変形させる際、除荷時に弾性の影響で荷重を加えた
ときよりも変位が小さくなるいわゆるスプリングバック
の特性を示すスプリングバック曲線を記憶するスプリン
グバック曲線記憶部39と、これらから矯正すべき矯正
量や矯正点を演算する演算処理手段としての演算処理部
33と、演算処理部33からの指示出力によって矯正装
置28を駆動する制御手段としての制御部34と、矯正
装置28側から入力された歪量などの過不足データを記
憶する過不足データ記憶手段としての過不足データ記憶
部35とからなり、モニタ装置36によって歪データ記
憶部29、定形型記憶部32、スプリングバック曲線記
憶部39および演算処理部33からの出力が所定の形式
で表示される。
【0022】そこで、図6も参照しながら制御装置11
の動作について説明する。まず、計測装置27に設けら
れた変位センサ(変位検出器)2と位置検出器38とで
測定される歪矯正前後の歪データを歪データ記憶部29
に記憶し、その結果をモニタ装置36に表示させる。歪
データとは、前述の歪に関するデータのことで、歪量を
測定した測定位置に関するデータである。一方、矯正装
置28のロードセル(加圧力検出器)4と変位センサ
(変位測定器)10と位置測定器17とによって測定さ
れる矯正データを矯正データ記憶部30で記憶し蓄積す
る。矯正データとは、前述の矯正に関するデータのこと
で、矯正時に長尺材に加えた加圧力と、加圧による変位
と、加圧した位置に関するデータである。
【0023】定形型作成部31では、歪データ記憶部2
9に記憶された歪データを呼び出して歪矯正前後の歪量
を比較し、歪矯正前後の歪量の差(以下、「実質矯正
量」と称する。)を求めることにより定形型を作成す
る。この定形型とは、荷重を加えた位置とそのときの実
質矯正量との関係プロットして作成される図9に示すよ
うなパターンである。この例では、長尺材12の100
0に対応する位置に荷重を加えて50μm変形させると
きのパターンが示されている。なお、1000は無次元
数になっているが、例えば長尺材12の一端から100
0mmの位置を示す。定形型作成部31では、このよう
な定形型を実質矯正量に応じて複数個作成する。定形型
記憶部32では、このようにして作成された定形型を記
憶し蓄積する。
【0024】そして、新たに矯正する際に、矯正すべき
長尺材12の歪データを計測装置27によって測定し、
歪データ記憶部29に記憶させ、演算処理部33では、
この記憶された歪データから、歪量の大きな位置に定形
型記憶部32に記憶されている定形型を照合し、収束計
算させることにより矯正後の形状を予測した矯正量を決
定する。この決定要素には、熟練者のノウハウが含まれ
ており、経験的な要素も加味されている。このようにし
て最適加圧点、矯正方向、矯正順序が決定すると、演算
処理部33は、その結果をモニタ装置36に表示させ
る。
【0025】制御部34は演算処理部33で決定した歪
量にしたがって、矯正中の変位と荷重を逐次測定し、ス
プリングバック量を考慮した直線との交点で除荷し、目
標の矯正量を得ることで長尺材12の矯正作業を実行さ
せる。そして、歪矯正時、演算処理部33で演算により
得られたデータ(以下、「演算データ」と称する。)
と、矯正装置28に接続されたロードセル4、変位セン
サ10及び位置測定器17から得られた矯正データと
で、矯正量の過不足分及び矯正点のずれ等の過不足デー
タを過不足データ記憶部35に記憶させる。過不足デー
タ記憶部35に記憶された過不足データは、歪矯正作業
中に演算処理部33にフィードバックされ、矯正量の過
不足及び矯正点のずれによって長尺材12全体でどのよ
うな影響が出るのかを調べるために演算処理を行い、演
算データを変更させて矯正作業を行うのか、演算データ
を変更せずに矯正を行うのかが決定される。
【0026】ここで、前述の定形型についてさらに詳し
く説明する。図7は歪矯正前の長尺材12の長さ方向の
位置と歪量の関係を示す図であり、図8は矯正点を矯
正装置28で歪矯正を行った後の長尺材12の長さ方向
の位置と歪量の関係を示す図である。歪データは変位セ
ンサ2と位置検出器38により測定されたものであり、
歪量と長さ方向の位置とのデータを含む。これらの図の
座標X軸に長尺材12の長手方向の位置を、Y座標に長
手方向を基準としたときの歪量をとっている。以下、こ
の座標系をセンサ座標系と称する。これを矯正点を基
準とした固定ヘッド7a,7bまたは7c,7d間にお
ける長尺材12の歪量と位置との関係に変換する。以
下、これをワーク座標系と称する。そこで、まずワーク
座標系において、任意の点における実質矯正量を求め、
各位置と実質矯正量との関係を求める。例えば矯正前の
歪データのワーク座標系において1000mmの位置で
の歪量が60μmで、矯正後の歪データのワーク座標系
において歪量が10μmの場合、実質矯正量はー50μ
mとなる。この作業を複数の点について行い、矯正前の
歪量から矯正後の歪量を予測するための定形型が作成さ
れる。これが前述の図9に示したパターンである。
【0027】一方、前述のように図10に示すようなス
プリングバック曲線により除荷後の変位を予測すると共
に、加圧力を決定する。理論的には、加圧時の弾性限界
内での傾きと除荷後の傾きは一致するが、摩擦等の影響
を受けるため一致しない。そこで除荷始点と除荷終点
との2点を通る直線Lと考え、その他の値は無視して
除可後の変位を予測する。また別の方法として、除荷始
点と除荷終点との曲線を関数近似して、除荷後の変
位を予測するようにすることもできる。このスプリング
バック曲線は荷重と変位との関係の基準となるため、よ
り正確に得ることが必要となる。そこで、矯正作業中に
得られる歪データをスプリングバック曲線記憶部39に
フィードバックさせ、随時スプリングバック曲線を更新
して、より精度の高いスプリングバック曲線を作成す
る。
【0028】このように各部が構成された長尺材歪矯正
装置を使用して歪の矯正を行う場合には、まず、歪矯正
を行う長尺材12の矯正前の歪データを測定する。そこ
で、長尺材12は、図2ないし図4に示す計測装置27
にセットされる。すなわち、長尺材12は案内レール2
5上に載置され、プッシャ21により基準ブロック20
に押し当てられて位置決めされる。位置決めが完了した
らプッシャ21を長尺材12から離して元の位置に戻
す。その後、モータ23により移動装置19を案内レー
ル26に沿って移動させ、変位センサ2および位置検出
器38により長尺材12の歪量及び計測箇所の位置を測
定し、歪データ記憶部29に記憶させる。その結果はモ
ニタ装置36に表示される。
【0029】この歪データから最少の矯正回数で目標値
に達するために、演算処理部33は歪データを定形型と
照合し、矯正量、矯正方向、矯正位置、及び矯正順序を
決定する。そして、演算処理により得られた矯正点、矯
正量および矯正順序に基づいて、制御部34は矯正装置
28の制御を行い、演算処理部33で演算された結果を
基に、決定した歪量にしたがって矯正中の変位と荷重を
逐次測定し、スプリングバック量を考慮した直線の交点
で除荷し、長尺材12の歪矯正を行う。その際、矯正は
長尺材12を移動させながら行なわれる。矯正時の矯正
データは随時矯正データ記憶部30に記憶され、矯正デ
ータはスプリングバック曲線記憶部39にフィードバッ
クされてスプリングバック曲線は更新される。
【0030】また、任意の一点での矯正終了時の矯正デ
ータにより矯正量の過不足分及び矯正位置のずれが前述
のように過不足データ記憶部35に記憶され、演算処理
部33にフィードバックされて演算処理が行われ、演算
データを更新するのか、そのままの演算データを使用し
て矯正作業を行うのかが決定される。
【0031】さらに、矯正装置28での歪矯正動作が一
旦終了した後、長尺材12は、計測装置27で歪データ
を再測定され、目標値内の矯正が行われていない場合、
矯正データにより更新されたスプリングバック曲線を用
いて、もう一度演算処理が行なわれ、矯正装置28によ
って目標値内の矯正ができるまで繰り返す。しかし、矯
正後の形状をあらかじめ見込んで矯正量および矯正位置
を決定しているため、長尺材12の欠陥などがないかぎ
り、1回の作業で目標値内の矯正が終了する。
【0032】なお、この実施例においては、計測装置2
7を矯正装置28内に組込み、変位センサ2と変位測定
器10、および位置検出器36と位置測定器17とを同
一機器で構成してもよい。
【0033】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、この
発明によれば、以下のような効果がある。
【0034】すなわち、請求項1記載の発明によれば、
歪データ記憶手段に記憶された歪に関するデータに基づ
いて歪量の大きな位置を探し出し、その歪量に応じて定
形型記憶手段に記憶された定形型から最適な定形型を選
択し、選択された定形型に基づいて矯正位置と矯正量を
演算し、長尺材の矯正後の状態を予測して長尺材の矯正
が行われるので、長尺材は短時間で精度良く矯正され
る。
【0035】矯正に関するデータが、長尺材に対する加
圧力、加圧した位置、および加圧後の長尺材の変位を含
む請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の
効果に加えて、実質的な矯正量を求めるのに必要なデー
タを取り込むことができ、定形型の作成を精度良く行え
る。
【0036】演算処理手段が、矯正に関するデータに基
づいて前記定形型を更新することを特徴とする請求項3
記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え
て、定形型は取り込んだ矯正に関するデータに基づいて
更新されるので、より定形型の精度が向上し、ひいては
長尺材の矯正精度の向上および矯正作業時間の短縮を図
ることができる。
【0037】演算処理手段が、矯正中の変位および荷重
を逐次測定し、除荷後のスプリングバック量を考慮した
直線との交点で除荷し、目標の矯正量を得る請求項4記
載の発明によれば、請求項1記載の発明に比べ、矯正の
制御をより向上させることができる。
【0038】演算処理手段が、スプリングバックの考慮
に際して荷重変位曲線の除荷始点と除荷終点とを通る直
線によって除荷後の変位を近似する請求項5記載の発明
によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、直線に
よって近似するので、近似計算が簡単に行え、処理時間
の短縮化を図ることができる。
【0039】矯正手段によって矯正した後の矯正量の過
不足分、および矯正点のずれの少なくともいずれかを含
む過不足データを記憶する過不足データ記憶手段をさら
に備え、演算処理手段が、歪データ記憶手段に記憶され
た歪に関するデータと過不足データ記憶手段に記憶され
た過不足データに基づいて矯正位置および矯正量を演算
する請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明
の効果に加えて、矯正のためのデータをより細かく取り
込んで演算するので、矯正がより精度良く行える。
【0040】最適加圧点、矯正方向、および矯正順序を
表示するモニタ装置をさらに備え、演算処理手段が、選
択された矯正パターンに基づいて、最適加圧点、矯正方
向、および矯正順序を演算し、前記モニタ装置に表示さ
せる請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の発明
の効果に加えて、作業時に表示によって矯正の状態が把
握できるので、矯正作業の確認が作業と平行して行え、
作業上のロスを抑えることができる。
【0041】歪に関するデータを長尺材の長手方向を基
準とする座標データから矯正点を基準とした座標データ
に変換する座標変換手段をさらに備えた請求項8記載の
発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、定
形型の作成をより簡単に行え、処理時間の短縮化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る歪矯正装置の制御シス
テムを示すブロック図である。
【図2】実施例に係る長尺材歪矯正装置の全体を示す斜
視図である。
【図3】実施例に係る計測装置の概略を示す拡大斜視図
である。
【図4】実施例に係る計測装置の平面図である。
【図5】実施例に係る矯正装置の概略を示す拡大斜視図
である。
【図6】実施例に係る矯正装置の平面図である。
【図7】歪矯正前の長尺材の長さ方向と歪量との関係を
示す長さ方向−歪量線図である。
【図8】歪矯正後の長尺材の長さ方向と歪量との関係を
示す長さ方向−歪量線図である。
【図9】実質矯正量と長尺材の長さ方向の位置との関係
を示す定形型のパターン図である。
【図10】荷重と変位との関係の一例を示すスプリング
バック曲線である。
【符号の説明】
1 加圧力発生装置 2 変位検出器 4 加圧力検出器 6 加圧ヘッド 8 基準ヘッド 9 搬送装置 10 変位測定器 11 制御装置 15 測定ベース 16 基準ベース 17 位置測定器 19 移動装置 20 基準ブロック 23 動力発生機 27 計測装置 28 矯正装置 31 定形型作成部 32 定形型記憶部 33 演算処理部 35 過不足データ記憶部 38 位置検出器 39 スプリングバック曲線記憶部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺材の任意の位置の歪量を測定する計
    測手段と、長尺材の歪を矯正する矯正手段とを備えた長
    尺材の歪矯正装置において、 前記計測手段によって得られた計測位置とその計測位置
    における歪量とからなる歪に関するデータを記憶する歪
    データ記憶手段と、 この歪データ記憶手段に記憶された歪に関するデータに
    基づいて長尺材を矯正したときの矯正に関するデータを
    記憶する矯正データ記憶手段と、 矯正前の歪に関するデータと矯正後の歪に関するデータ
    とから得られた歪の実質的な矯正量をパターン化する定
    形型作成手段と、 この定形型作成手段によって作成された複数の定形型を
    それぞれ記憶する定形型記憶手段と、 前記歪データ記憶手段に記憶された歪に関するデータに
    基づいて歪量の大きな位置を探し出し、その歪量に応じ
    て前記定形型記憶手段に記憶された定形型を選択し、矯
    正位置および矯正量を演算する演算処理手段と、 この演算処理手段によって演算された矯正位置および矯
    正量に基づいて前記歪矯正手段に指示し、矯正作業を実
    行させる制御手段と、を備えていることを特徴とする長
    尺材の歪矯正装置。
  2. 【請求項2】 前記矯正に関するデータが、長尺材に対
    する加圧力、加圧した位置、および加圧後の長尺材の変
    位を含むことを特徴とする請求項1記載の長尺材の歪矯
    正装置。
  3. 【請求項3】 前記演算処理手段が、前記矯正に関する
    データに基づいて前記定形型を更新することを特徴とす
    る請求項1記載の長尺材の歪矯正装置。
  4. 【請求項4】 前記演算処理手段は、矯正中の変位およ
    び荷重を逐次測定し、除荷後のスプリングバック量を考
    慮した直線との交点で除荷し、目標の矯正量を得ること
    を特徴とする請求項1記載の長尺材の歪矯正装置。
  5. 【請求項5】 前記演算処理手段は、スプリングバック
    の考慮に際して変位−荷重曲線の除荷始点と除荷終点と
    を通る直線によって除荷後の変位を近似することを特徴
    とする請求項4記載の長尺材の歪矯正装置。
  6. 【請求項6】 前記矯正手段によって矯正した後の矯正
    量の過不足分、および矯正点のずれの少なくともいずれ
    かを含む過不足データを記憶する過不足データ記憶手段
    をさらに備え、前記演算処理手段は、前記歪データ記憶
    手段に記憶された歪に関するデータと過不足データ記憶
    手段に記憶された過不足データに基づいて矯正位置およ
    び矯正量を演算することを特徴とする請求項1記載の長
    尺材の歪矯正装置。
  7. 【請求項7】 最適加圧点、矯正方向、および矯正順序
    を表示するモニタ装置をさらに備え、前記演算処理手段
    が、選択された矯正パターンに基づいて、最適加圧点、
    矯正方向、および矯正順序を演算し、前記モニタ装置に
    表示させることを特徴とする請求項1記載の長尺材の歪
    矯正装置。
  8. 【請求項8】 前記歪に関するデータを長尺材の長手方
    向を基準とする座標データから矯正点を基準とした座標
    データに変換する座標変換手段をさらに備えていること
    を特徴とする請求項1記載の長尺材の歪矯正装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH105872A (ja) * 1996-06-26 1998-01-13 Nippon Seiko Kk 長尺部材の曲がり矯正方法
CN103811966A (zh) * 2012-11-07 2014-05-21 国家电网公司 正管器
CN106734385A (zh) * 2017-01-12 2017-05-31 山东送变电工程公司 一种用于调直耐张线夹和接续管的装置
CN113399500A (zh) * 2021-08-19 2021-09-17 马拉兹(江苏)电梯导轨有限公司 一种t型导轨矫直装置及方法

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