JPH07265816A - 洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents

洗浄方法および洗浄装置

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JPH07265816A
JPH07265816A JP8415894A JP8415894A JPH07265816A JP H07265816 A JPH07265816 A JP H07265816A JP 8415894 A JP8415894 A JP 8415894A JP 8415894 A JP8415894 A JP 8415894A JP H07265816 A JPH07265816 A JP H07265816A
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JP
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cleaning
tanks
water
ipa
siloxane
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Application number
JP8415894A
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English (en)
Inventor
Hajime Takimoto
肇 滝本
Takeshi Yanagisawa
剛 柳沢
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被洗浄物の最良な洗浄品質を得る。 【構成】 被洗浄物11を、水系洗浄剤2,3により脱
脂するかまたは親水性溶剤を主成分とする準水系洗浄剤
により脱脂する(第1工程)。次に、水または純水4で
洗浄・リンスする(第2工程)。その後、イソプロピル
アルコール5で脱水する(第3工程)。しかる後、イソ
プロピルアルコールをシロキサンで置換する(第4工
程)。最終的に、温風乾燥機20により150℃以下の
温風で乾燥する(第5工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学部品、電子部品等
の被洗浄物を洗浄する洗浄方法および洗浄装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば光学素子等の洗浄において
は、非水系溶剤〜洗剤〜親水性溶剤〜フロンベーパーと
いった洗浄系をとるのが一般的であった。しかし、フロ
ンは周知の通り環境に及ぼす影響が大きく、世界的に全
廃の方向に進んでいる。そこで近年、このフロンを用い
た洗浄系の代替え法が各種提案されている。そのうち、
一つの可能な代替え洗浄法として、特許国際公開番号W
O 91/13697号に開示された洗浄方法がある。
【0003】この洗浄方法は、第1の洗浄工程におい
て、水切りあるいは洗浄剤として、低分子量シロキサン
若しくはイソパラフィン等の非水系洗浄剤を基調とする
基礎洗浄剤またはこれらと界面活性剤や親水性溶剤の洗
浄性能向上剤との混合物を用い、これを第2の洗浄工程
で更に低分子量シロキサンまたはイソパラフィン等を基
調とする基礎洗浄剤に浸漬した後、乾燥させるという方
法をとっている。そして、乾燥方法としては、60℃以
下の温風乾燥またはパーフルオロカーボンのベーパー乾
燥を行い、付帯装置として、洗浄液中の水、オイルの比
重差分離、基礎洗浄剤のみの分離、再供給システムを提
案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、第1の工程(水切り・洗浄の工程)において、被洗
浄物を低分子量シロキサン若しくはイソパラフィン等の
非水系溶剤またはこれらと界面活性剤若しくは親水性溶
剤との混合物への浸漬を実施している。しかし、非水系
溶剤では第1工程前段の工程において被洗浄物に残留し
た水や界面活性剤をほとんど溶解しないため、水切り・
洗浄は効果的に行うことができず、第2の非水系の基礎
洗浄剤による洗浄工程に達した被洗浄物表面には水分等
が付着した状態になってしまう欠点があった。被洗浄物
表面に水分が残留した場合、次工程では化学的な溶解力
がないので、何らかの物理力を付与しないと水がきれな
い。しかし、化学的な溶解力に比べて物理力は比較的均
一性に欠けたり、ハードの使用条件に左右され易いた
め、精密な洗浄を達成させるためには問題があるのが現
状である。
【0005】また、第1工程において界面活性剤等の洗
浄性能向上剤を非水系溶剤に混入させたものを使用した
場合、界面活性剤をリンスすることが第2の非水系溶剤
のみの工程においてはたいへん困難である。すなわち、
結果的に両者の場合とも、被洗浄物表面に残渣が残り易
く、特に外観品質を問題とする分野の洗浄では従来方法
の使用は不適当であった。
【0006】さらに、上記従来技術においては、乾燥温
度が低いために、被洗浄物が温度に影響を受けやすいも
のの場合には有効である反面、一律に乾燥時間がかかる
という欠点があった。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、請求項1〜3に係る発明は、被洗浄物の
最良な洗浄品質を得ることができる洗浄方法を提供する
ことを目的とする。請求項2に係る発明は、上記目的に
加え、第1工程において準水系洗浄剤を使用した場合、
一工程を省略することができる洗浄方法を提供すること
を目的とする。請求項3に係る発明は、上記目的に加
え、最も良好な洗浄効果が得られる洗浄方法を提供する
ことを目的とする。請求項4および5に係る発明は、そ
れぞれ請求項1および2に係る発明の洗浄方法を実施す
ることができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、光学部品、電子部品等の被
洗浄物を洗浄するにあたり、水系洗浄剤により脱脂する
かまたは親水性溶剤を主成分とする準水系洗浄剤により
脱脂する第1工程と、水または純水で洗浄・リンスする
第2工程と、イソプロピルアルコールで脱水する第3工
程と、イソプロピルアルコールをシロキサンで置換する
第4工程と、150℃以下の温風で乾燥する第5工程と
を設けることとした。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に係る洗
浄方法において、準水系洗浄剤を使用した場合、水また
は純水で洗浄・リンスする第2工程を省略して、直接イ
ソプロピルアルコールにより洗浄・リンスする工程に移
行し、その後前記第4工程および第5工程(事実上第3
工程および第4工程)を行うこととした。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1または2
に係る洗浄方法において、シロキサンは直鎖状ポリジオ
ルガノシロキサンおよび環状ポリジオルガノシロキサン
から選択された少なくとも一種の低分子量ポリオルガノ
シロキサンであることを特徴とする。ここで、直鎖状ポ
リジオルガノシロキサンとしては、例えばオクタメチル
トリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチ
ルテトラシロキサンが好ましく、環状ポリジオルガノシ
ロキサンとしては、例えばオクタメチルシクロテトラシ
ロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンが好まし
い。
【0011】請求項4に係る発明は、水系洗浄剤により
脱脂するかまたは親水性溶剤を主成分とする準水系洗浄
剤により脱脂する処理手段と、水または純水で洗浄・リ
ンスする処理手段と、イソプロピルアルコールで脱水す
る処理手段と、イソプロピルアルコールをシロキサンで
置換する処理手段と、150℃以下の温風で乾燥する乾
燥手段とを備えて洗浄装置を構成した。
【0012】請求項5に係る発明は、親水性溶剤を主成
分とする準水系洗浄剤により脱脂する処理手段と、イソ
プロピルアルコールで洗浄・リンスする処理手段と、イ
ソプロピルアルコールをシロキサンで置換する処理手段
と、150℃以下の温風で乾燥する乾燥手段とを備えて
洗浄装置を構成した。
【0013】
【作用】すなわち、請求項1に係る発明においては、被
洗浄物は、まず水系あるいは準水系洗浄液による脱脂の
後、水または純水による前工程液の洗浄・リンスを行
い、次にイソプロピルアルコール(以下、単に「IP
A」という。)による水切りを行い、その後乾燥性の高
い非水系溶剤であるシロキサンに浸漬して、IPAをシ
ロキサンにより液置換し、最終的に温風乾燥する一連の
洗浄ラインにより処理が施される。
【0014】ここで、第1および第2工程は、通常の付
着オイルや指紋等を脱脂しあるいは研磨剤を除去した
後、その洗浄液を洗浄・リンスするものである。また、
第3の工程にIPAを用いることにより、本工程に被洗
浄物表面に付着して持ち込まれた水分はIPAにより速
やかに溶解され、溶剤液中に均一に溶解分散することと
なる。したがって、水または純水を用いる第2工程を経
た被洗浄物でも第3工程のIPA浸漬を行えば、被洗浄
面の水分の残留は皆無となるため、第4工程でシロキサ
ンに浸漬した場合、表面のIPAは完全にシロキサンで
置換され、均一に濡れることになる。この状態より、被
洗浄物を引き上げて温風乾燥処理すると、被洗浄面の水
分残りを原因とするシミの発生はなくなり、良好な洗浄
品質が得られる。
【0015】また、洗浄の目的で第3工程に着目する
と、IPAを用いることによりその極性故に充分な脱脂
力が発揮される。つまり、被洗浄物に付着した汚れや第
1工程の洗浄液が、たとえ第3工程に持ち込まれたとし
ても、IPAの場合、非水系溶剤のシロキサンやイソパ
ラフィンを用いた場合と比べてその洗浄力が大きいの
で、次の第4工程に持ち込む汚れを皆無にできる。した
がって、最終に用いる非水系溶剤の寿命を延ばすことが
でき、仕上がりの洗浄品質を長期的に良好に保つことが
できる。
【0016】例えば光学素子の洗浄に請求項1に係る発
明を適用する場合、第1工程(水系洗浄剤または準水系
洗浄剤による脱脂工程)で研磨剤、芯取り油、指紋等を
除去し、第2工程では水または純水による前記洗浄剤の
洗浄・リンスを行い、第3工程でIPAによる水の置換
(脱水)を行い、第4工程でシロキサンによるIPAの
置換を行い、第5工程で被洗浄物のダメージを考慮した
150℃以下の温度設定により温風乾燥を行うこととな
る。
【0017】なお、第3工程のIPAは、前述のように
水切りの目的で使用しているが、実際の洗浄ラインにお
いては水の持ち込みが多く、IPAの水分量の管理が必
要である。このため、生産量と持ち込み量よりIPAの
交換時期を規定して使用するとよい。一方、次の第4工
程の非水系溶剤は再生装置を設けて品質の維持を行うと
よい。
【0018】一方、請求項2に係る発明では、水または
純水による第2工程を省略することにより、IPAによ
る上記第3工程(事実上第2工程)は洗浄・リンスの工
程として作用することになる。それ以降の工程は請求項
1に係る発明と同様の作用である。
【0019】
【実施例1】図1に示すような洗浄工程を設定し、洗浄
を行った。図1において、A部は脱脂工程(第1工
程)、B部は洗浄・リンス工程(第2工程)、C部は脱
水工程(第3工程)、D部はIPAとシロキサンとの置
換工程(第4工程)である。本実施例の洗浄装置は、1
1槽の処理槽1と温風乾燥機20とから構成されてお
り、第1,2の処理槽1には界面活性剤2(オリンパス
ケミテック(株)製、水系洗浄液;EE−1110)、
第3,4の処理槽1にはアルカリ性界面活性剤3(オリ
ンパスケミテック(株)製、水系洗浄液;EE−112
0)を投入し、第5〜7の処理槽1では純水4の掛け流
し、第8,9の処理槽1にはIPA5、第10,11の
処理槽1には低分子量ポリシロキサン6(オリンパスケ
ミテック(株)製、水系洗浄液;EE−3110)を投
入した。
【0020】上記低分子量ポリシロキサン6はオクタメ
チルトリシロキサンを主成分としたものを使用した。第
1〜9の処理槽1の底部にはすべて超音波振動子7を配
設し、純水以外はクローズドなポンプ8によるオーバー
フローの循環槽を用いた。9で示すのはフィルターであ
る。特に、第10,11の処理槽1には、循環過程にI
PA分離機10を介装し、IPA5(下層)と低分子量
ポリシロキサン6(上層)とを分離し、低分子量ポリシ
ロキサン6のみを再生することとした。
【0021】超音波の周波数および出力は28KHZ お
よび600Wとし、オーバーフローの流量は10ml/
minとした。被洗浄物(洗浄サンプル)11として光
学レンズを用い、これを揺動アーム12の先端に取り付
けた三点支持のカゴにやとい洗浄を行った。三点支持の
カゴは図2および図3に示す。このカゴはロッド状のS
US枠13が被洗浄物11の外周に3箇所から当接する
ことにより被洗浄物11を支持するものであり、支持さ
れた被洗浄物11の横移動を防ぐため、鋸歯状の固定用
部材(テフロン爪)14が設けられている。本実施例に
おいて1カゴの洗浄レンズ数は60個とした。また、温
風乾燥機20は、図1に示すように、搬送ベルト21に
より乾燥室22内に被洗浄物11を搬送し、乾燥室22
の上下に設けたブロア23によりヒータ24で加熱した
温風を被洗浄物11に吹き付けるものである。この温風
乾燥機20には、温度制御装置を設け、温風を150℃
以下の所定温度となるように自動制御するとよい。
【0022】洗浄時間は各処理槽1において1minと
し、超音波振動子7により超音波をかけながら揺動アー
ム12で揺動を行った。揺動速度は、50mmストローク
のところを、1s/片道とした。各処理槽1における処
理を完了した後は、温風乾燥機20により乾燥処理を行
った。
【0023】上記第1〜5の洗浄工程により洗浄(乾
燥)し、その被洗浄物11について蛍光灯下で目視評価
を実施した。その結果を表1に示す。本実施例の洗浄方
法によれば、洗浄品質はコーティングの前後において、
良好なレベルであった。なお、低分子量ポリシロキサン
6にヘキサジメチルシロキサンを使用しても本実施例と
同様の作用、効果を奏した。
【0024】また、上記結果は市販のオクタメチルトリ
シロキサンのものであるが、更に純度を99.9%と精
製したものの結果も同表1に示すが、不良率は0%とさ
らに良好となった。
【0025】
【表1】
【0026】
【実施例2】図4に示すような洗浄工程を設定し、洗浄
を行った。図4において、E部は脱脂工程(第1工
程)、F部は準水系溶剤とIPAとの置換工程(第2工
程)、G部はIPAとシロキサンとの置換工程(第3工
程)であり、図1と同一構成部分については同一符号を
もって示し、その説明は省略する。本実施例の洗浄装置
は、6槽の処理槽1と温風乾燥機20とから構成されて
おり、第1,2の処理槽1には準水系洗浄液15(オリ
ンパスケミテック(株)製、水系洗浄液;EE−221
0)、第3,4の処理槽1にはIPA5、第5,6の処
理槽1には低分子量ポリシロキサン6(オリンパスケミ
テック(株)製、水系洗浄液;EE−3110)を投入
した。第1〜4の処理槽1には超音波振動子7を配設し
た。処理槽1の構造はすべての槽において、クローズド
でポンプ8によるフィルター9を介した液循環を行って
いる。実施例1と同様に、ポンプ8により処理槽1に送
られた処理液はオーバーフローしてポンプ8に戻るよう
になっている。
【0027】洗浄サンプルとして、10mm×10mmのア
ルミニウム、銅製のテストピースとスライドガラスを用
いた。洗浄時間は各槽共、1minとし、第1〜4の処
理層1のみ超音波をかけながら全槽で揺動を行い、実施
例1(実施例1の第2工程は除く)と同様にして、洗浄
(乾燥)した。
【0028】洗浄性評価は洗浄上がりのサンプルを蛍光
灯下で、目視および顕微鏡による観察を実施した。その
結果を表2に示す。また、洗浄度のバロメータである接
触角を表3に示す。外観の観察結果は、表2に示す通り
シミの発生はなく、良好であった。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】本発明の効果を前述の従来技術との比較に
おいて検証すべく、その従来技術を実施したところ、前
記従来技術にあってはほとんどのレンズ(被洗浄物)に
シミ等が発生してしまった。そこで、上記実施例で使用
した洗浄液等を使用して独自に従来技術を想定し、実験
を行った。 (比較例1)その従来技術を実施例1に対応させて検証
した結果を比較例1として図5に示す。洗浄装置は11
槽の構成であり、第1,2の処理槽1には界面活性剤2
(前記水系洗浄液EE−1110)、第3,4の処理槽
1にはアルカリ性界面活性剤3(前記水系洗浄液EE−
1120)を投入し、第5〜7の処理槽1は純水4の掛
け流し、第8〜11の処理槽1には低分子量ポリシロキ
サン6(前記非水系洗浄液EE−3110)を投入し
た。洗浄装置のA部は脱脂工程、B部は洗浄・リンス工
程、C部は水切り(脱水)工程である。第10,11の
処理槽1を除いて処理槽1にはすべて超音波振動子7を
配設し、クローズドなオーバーフローの循環槽を用い
た。図5中、16は水分離機である。上記低分子量ポリ
シロキサン6としてオクタメチルシロキサンを主成分と
したものを使用した。洗浄サンプルとして、光学レンズ
を三点支持のカゴにやとい洗浄を行った。洗浄時間は各
槽1minで超音波をかけながら、第1〜9槽において
揺動を行った。乾燥は温風乾燥とした。なお、その他、
詳細な実験条件は実施例1と同様である。
【0032】本比較例1で洗浄した被洗浄物について
も、実施例1と同様の評価を行い、その結果を実施例1
と共に表1に示した。本比較例1では、実施例1に比較
して不良品が多く発生した。
【0033】(比較例2)従来技術を実施例2に対応さ
せて検証した結果を比較例2として図6に示す。洗浄装
置は6槽の構成であり、第1,2の処理槽1には準水洗
浄液15(前記水系洗浄液EE−2210)、第3,4
の処理槽1にはイソパラフィン17、第5,6の処理槽
1には低分子量ポリシロキサン6(前記水系洗浄液EE
−3110)を投入した。洗浄装置のE部は脱脂工程、
F部は準水系溶剤の置換工程である。第1〜4までの処
理槽1には超音波振動子7を配設した。処理槽1の構造
はすべての槽において、クローズドでポンプ8によるフ
ィルター9を介した液循環を行うこととした。液の流れ
はオーバーフローの形式である。図6中、18は洗浄剤
分離機である。実験条件は全て実施例2に準ずる。洗浄
サンプルとして、10mm×10mmのアルミ、銅製のテス
トピースとスライドガラスを用いた。洗浄時間は各槽
共、1minとし、第1〜4槽のみ超音波をかけながら
全槽で揺動を行い洗浄した。
【0034】本比較例2で洗浄した被洗浄物について
も、実施例2と同様の評価を行い、その結果を実施例2
と共に表2および表3に示した。本比較例2では、実施
例2に比較して接触角が大きく、シミの発生が顕著であ
った。
【0035】(参考例)図7に示す3槽の簡易洗浄評価
装置を用いて、親水性溶剤と非水系溶剤の組み合わせに
より、水切り、乾燥性を調べた。第1の処理槽1は水の
掛け流しのオーバーフロー、第2の処理槽1は親水性溶
剤若しくは非水系溶剤またはそれらの組み合わせであ
り、クローズドなオーバーフローの循環系、第3の処理
槽1は非水系溶剤の再生装置付きのクローズドなオーバ
ーフロー槽である。第1,2槽には超音波振動子7を備
え付けた。洗浄サンプル(被洗浄物11)はスライドガ
ラスおよびアルミの平板状のテストピースとした。シロ
キサンとして、ヘキサジメチルシロキサン、オクタトリ
メチルシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサンを用い、イソパ
ラフィンとして、ノナンを主成分とするものを用いた。
各槽液温は常温、オーバーフロー流速は10ml/mi
n、揺動速度は50mmスクロークを1s/片道とし、各
槽浸漬時間は1minとした。
【0036】各槽、試験を行った液の組み合わせおよび
試験結果(外観目視評価)を表4に示す。この結果よ
り、水切りの効果は、IPAとシロキサンとの組み合わ
せの本発明の場合が良好であることがわかった。
【0037】
【表4】
【0038】以下に、非水系溶剤または準水系溶剤によ
る一次の脱脂である第1の工程を実施した後、水系洗浄
剤による二次の脱脂である第2の工程を実施し、その後
水または純水で洗浄・リンスをする第3工程を実施し、
次にイソプロピルアルコールで脱水する第4工程を実施
し、その後、イソプロピルアルコールをシロキサンで置
換する第5工程、最終的に被洗浄物を150℃以下の温
風で乾燥する第6工程よりなる洗浄方法および装置につ
いて説明する。
【0039】この洗浄方法は、光学素子研磨加工後に残
るピッチあるいはその後の工程のために塗布する樹脂系
保護膜を除去する場合の洗浄工程として、有効な方法で
ある。レンズ等に付着した固形のピッチ、樹脂等は、水
系の洗浄工程のみでは除去できず、非水系または準水系
溶剤による脱脂工程が不可欠となる。この洗浄プロセス
は乳化ではなく、溶解である。被洗浄物と同等の溶解パ
ラメータを持つ溶剤の性質を利用し相溶させるのであ
る。次の工程は、水系洗浄液による前記溶剤の乳化の工
程〜水による洗浄剤のリンス〜IPAによる水の置換〜
乾燥性の高い非水系溶剤によるIPAの置換〜温風によ
る乾燥といった一連の洗浄工程の流れをとる。つまり、
水系洗浄剤による二次の脱脂工程後の工程は請求項1に
係る発明の工程と同一であり、作用も同様である。この
工程を行うことにより、ピッチ等の固形付着物および指
紋、研磨剤、オイル等が一度に除去でき、仕上がり品質
もシミなく、良好にできる。
【0040】次に、この洗浄方法を実施した具体例を図
8に基づいて説明する。図8に示すような洗浄工程を設
定し、洗浄を行った。洗浄装置は、14槽の処理槽1と
温風乾燥機20とから構成されており、第1〜3の処理
槽1には有機溶剤19(オリンパスケミテック(株)
製、EE−4110)、第4〜7の処理槽1にはアルカ
リ性界面活性剤3(例えば前記EE−1120)、第8
〜10の処理槽1には純水4の掛け流し、第11,12
の処理槽1にはIPA5、第13,14の処理槽1には
低分子量ポリシロキサン6(例えば前記EE−311
0)を投入した。EE−4110とは非水系テルペン炭
化水素系溶剤である。図8において、H部は一次脱脂工
程、I部は二次脱脂工程、J部は水洗・リンス工程、K
部は水切り工程、L部はIPA置換工程である。
【0041】上記低分子量ポリシロキサン6としてヘキ
サジメチルシロキサンを主成分としたものを使用した。
第13,14槽を除く処理槽1にはすべて、超音波振動
子7を配設し、クローズドなオーバーフローの循環槽を
用いた。洗浄サンプルとして、研磨後のピッチ付きレン
ズを洗浄した。洗浄時間は各槽1minで超音波をかけ
ながら、第1〜13槽において揺動を行った。シロキサ
ンによるIPA置換工程の後は、150℃以下で温風乾
燥を行った。
【0042】本洗浄工程により洗浄し、洗浄上がりのレ
ンズに反射防止コートを施した。コート後のレンズを蛍
光灯下での目視による外観評価を実施したところ、外観
の評価においてシミの発生はなく、良好な結果であっ
た。
【0043】ここで、上記2段階の脱脂工程を行う洗浄
方法において、IPAで脱水した後、その置換液とし
て、直鎖のヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルト
リシロキサン、環状のオクタメチルシクロテトラシロキ
サン、デカメチルシクロペンタシロキサンを用いれば、
特に有効である。また、シロキサンの純度を上がること
により、更に最良の洗浄仕上げ面が得られる。
【0044】また、光学素子の芯取り加工等において、
付着した芯取り油を除去し、前記シロキサン浸漬の洗浄
レベルと同等の仕上がり品質を得る洗浄方法としては、
水系洗浄剤による脱脂または親水性溶剤を主成分といる
準水系洗浄剤による脱脂の第1工程の後、水または純水
で洗浄・リンスする第2工程を実施し、その後IPAで
脱水する第3工程を実施し、次にIPAをイソパラフィ
ンで置換する第4工程を実施し、最終的に被洗浄物を1
50℃以下の温風で乾燥する第5工程を実施する洗浄方
法がある。
【0045】この洗浄方法によれば、シロキサン浸漬引
上げの工程と同様に、水系あるいは準水系洗浄剤による
芯取り油等の除去が成され、その後前記工程液の水によ
る置換を行い、IPAによる水の置換を経てイソパラフ
ィンによる浸漬引上げ〜乾燥により最終仕上げを行う。
イソパラフィンは乾燥性が良好なため、比較的短時間の
乾燥が達成できる利点がある。
【0046】
【発明の効果】以上のように請求項1〜5に係る発明の
洗浄方法および洗浄装置によれば、水切り工程を充分に
し、被洗浄物の最終仕上がりが良好で安定した品質に仕
上げることができる。特に、請求項2に係る発明によれ
ば、一工程省略することができる。請求項3に係る発明
によれば、最も良好な洗浄効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の洗浄方法を示す工程図である。
【図2】同実施例1で用いたカゴを示す平面図である。
【図3】同実施例1で用いたカゴを示す側面図である。
【図4】実施例2の洗浄方法を示す工程図である。
【図5】比較例1の洗浄方法を示す工程図である。
【図6】比較例2の洗浄方法を示す工程図である。
【図7】簡易洗浄洗浄方法を示す工程図である。
【図8】本発明の変形例の洗浄方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1 処理槽 2 界面活性剤 3 アルカリ性界面活性剤 4 純水 5 IPA 6 低分子量ポリシロキサン 11 被洗浄物 15 準水系洗浄液

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系洗浄剤により脱脂するかまたは親水
    性溶剤を主成分とする準水系洗浄剤により脱脂する第1
    工程と、水または純水で洗浄・リンスする第2工程と、
    イソプロピルアルコールで脱水する第3工程と、イソプ
    ロピルアルコールをシロキサンで置換する第4工程と、
    150℃以下の温風で乾燥する第5工程とからなる洗浄
    方法。
  2. 【請求項2】 親水性溶剤を主成分とする準水系洗浄剤
    により脱脂する第1工程と、イソプロピルアルコールで
    洗浄・リンスする第2工程と、イソプロピルアルコール
    をシロキサンで置換する第3工程と、150℃以下の温
    風で乾燥する第4工程とからなる洗浄方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の洗浄方法にお
    いて、シロキサンは直鎖状ポリジオルガノシロキサンお
    よび環状ポリジオルガノシロキサンから選択された少な
    くとも一種の低分子量ポリオルガノシロキサンであるこ
    とを特徴とする洗浄方法。
  4. 【請求項4】 水系洗浄剤により脱脂するかまたは親水
    性溶剤を主成分とする準水系洗浄剤により脱脂する処理
    手段と、水または純水で洗浄・リンスする処理手段と、
    イソプロピルアルコールで脱水する処理手段と、イソプ
    ロピルアルコールをシロキサンで置換する処理手段と、
    150℃以下の温風で乾燥する乾燥手段とを備えたこと
    を特徴とする洗浄装置。
  5. 【請求項5】 親水性溶剤を主成分とする準水系洗浄剤
    により脱脂する処理手段と、イソプロピルアルコールで
    洗浄・リンスする処理手段と、イソプロピルアルコール
    をシロキサンで置換する処理手段と、150℃以下の温
    風で乾燥する乾燥手段とを備えたことを特徴とする洗浄
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100403999B1 (ko) * 2001-01-19 2003-11-01 석계술 캔류 표면처리후 잔류수분 건조방법
KR20150133986A (ko) * 2014-05-21 2015-12-01 한국화학융합시험연구원 인쇄회로기판 세정장치

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