JPH0726558U - 扉のロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ロッカーや家具などの扉のロック装置であっ
て、扉体の表面に略面一で突起物がなく、構成部材が少
なく、作動性に富んだ、扉のロック装置を提供する。 【構成】扉体ａの表面開口部ａ’にケーシング１の係止
片１７を押圧することにより、合成樹脂の弾性によって
係止片１７が撓み、該係止片１７の爪１８が開口部ａ’
に係合係止して固定されるが、ケーシング１の内壁１３
の両側に添って保持壁が突設成形され、該保持壁１４の
一方にはリベット５を介して蓋２が回動自在に軸着さ
れ、該蓋２の裏面２２には受け部２３が突設され、該受
け部２３はロック体３の押し部３３と略当接されて配さ
れ、ロック体３の軸３１に挿入されたバネ４の付勢力に
よってカム３２はキャビネット体ｂに係止されると共
に、前述の押し部３３を介して受け部２２を押している
ので、蓋２は常時ケーシング内面１２に当接嵌挿される
ようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえばロッカーや家具などの扉のロック装置にかんする。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ロッカーや家具などの扉のロック装置においては、扉体表面に突出した キーやハンドル部を回動せしめることにより扉体内側のカムを連動回動せしめて 、ロックを解除させるものがあった。

【０００３】 たとえば、実開昭５８−３７３６３号公報に示されているように、ハンドルに 連結されて、扉体の内側に取付けられたケーシングに回動自在に設けられたカム 体を回動して扉のロック解除を行なうカム駆動方式のロック装置である。

【０００４】 また、実開昭６１−１３７６９号公報に示されているように、扉体に固定しプ ッシュボタンのプッシュ操作によってスライドカムをスライドさせ、連結ロッド に取付けたピニオン付スリーブとラックのピニオンに噛合させてスライドラッチ と直交状態にスライドカムがスライド可能となるようにして受座に係止保持可能 なるようにしたプッシュ式ロックハンドル装置であった。

【０００５】 同様に、実開平３−７４７６９号公報に示されているように、扉体に取付けれ たケーシング内の摺動部材の押圧操作によってフック部材及びロック部材の側板 に対する同時係脱を行う扉のロック装置であって、摺動部材の突出位置でリンク 部材とアームとの連結軸が摺動部材とリンク部材との連結軸よりフック部材側に 偏位して設定されている扉のロック装置であった。

【０００６】 上記二点は何れも扉体表面にできるだけ突出部を無くしたプッシュボタン方式 の構造となっている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来の装置は、操作部材の動きを連結軸や摺動部材などの仲介部 材を介してカムなどに伝えるものであったり、操作部材の直線運動を回転運動に 置き換えるものであるため、部材点数が多くなり、構成も複雑であるため作動性 にも難があり、故障し易いなどの問題があった。

【０００８】 そこで本考案の目的は、部材点数が少ない構成とし、作動性の確実な扉のロッ ク装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、扉体ａの表面開口部ａ’にケーシング１ の係止片１７を押圧することにより合成樹脂の弾性によって係止片１７が撓み、 該係上片１７の爪１８が開口部ａ’に係合係止して固定される。

【００１０】 ケーシング１の内壁１３の両側に添って保持壁１４が突設され、該保持壁１４ の一方にはリベット５を介して蓋２が回動自在に軸着され、該蓋２はケーシング １の開口穴１１に嵌挿され、ケーシング内面１２に当接面２４が当接され回動方 向を規制されるが、このとき、ケーシング表面１９と蓋２の表面２１は面一とな り、扉体ａの表面と略面一になるように設定されている。

【００１１】 蓋２の裏面２２には、受け部２３が裏面２２より突出して設けられ、該受け部 ２３はロック体３の押し部３３と略当接して配されるが、ロック体３は保持壁１ ４ａ・１４ｂの他方の軸穴１５に軸芯３１によって軸支される。

【００１２】 ロック体３の軸芯３１に挿入されたバネ１４の付勢力によってカム３２はキャ ビネット体ｂに係合係止されると共に、前述の押し部３３を介して蓋２の受け部 ２３を押しているので、蓋２は常時ケーシング内面１２に当接嵌挿されて係止さ れている。

【００１３】

【作用】

本考案では、蓋２を押すことにより、キャビネット体ｂよりロック体３のカム ３２による係止状態を解除するが、蓋２を押すことを中止すれば、バネ４の付勢 力によって蓋２はケーシング１の開口穴１１に嵌挿係止され、ロック体３のカム ３２も元の位置に復帰する。

【００１４】 このとき、扉体ａを閉扉すると、ロック体３のカム３２はキャビネット体ｂの 側縁部に添ってロック体３頭部３３の斜面３４を滑り、バネ４の付勢力によって キャビネット体ｂを係止するが、蓋２とロック体３とは個々に軸着・軸支される ため双方が連動して動作するのは蓋２を押圧回動させたときだけである。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

【００１６】 第２図の分解斜視図において、ケーシング１は合成樹脂により一体成形されて おり、ケーシング１の一面には開口穴１１を有し、ケーシング１のほぼ中央寄り の内壁１３に添って保持壁１４ａ・１４ｂが突設され、開口部１１寄りの保持壁 １４ａ・１４ｂは肉厚に成形され、リベット穴１６が貫通して設けられており、 リベット５を介して蓋２が軸着される。

【００１７】 他方の保持壁１４ａ・１４ｂは肉薄に成形され、ロック体３の軸芯３１を嵌挿 するための軸穴１５が設けられ、保持壁１４ａ・１４ｂの間には背の低い保持壁 １４ｃが設けられている。

【００１８】 また、ケーシング内壁１３の上端には係止片１７が数ケ所に突設され、係止片 １７の上端部には外向きの爪１８を有し、係止片１７が扉体ａの開口部ａ’に押 圧されて、係止片１７は合成樹脂の弾性によって撓うことにより、開口部ａ’に 爪１８によって図４のように固定される。

【００１９】 蓋２の一方の両端にはアーム部２５を有し、該アーム部２５には各々リベット 穴２６が貫通され、リベット５を介してケーシング１の保持壁１４のリベット穴 １６と共に軸着される。

【００２０】 蓋２の裏面２２のアーム部２５寄りには受け部２３がロック体３の押し部３３ に当接するがごとくに突設され、他方には、ケーシング１の開口穴１１に嵌挿さ れ、ケーシング表面１９と面一になるよう表面２１は成形され、一段下った形で 当接面２４が設けられている。

【００２１】 ロック体３は略Ｌ字形で一方には押し部３３が、他方にはカム３２が設けられ 、略Ｌ字形のほぼ中央部の両側に軸３１が一体に突設成形され、軸３１からロッ ク体３頭部３５迄の立ち上りの背面にはバネ４の係止を確実に行なうためのバネ 溝３４が設けられており、頭部３５からカム３２にかけてはキャビネット体ｂの 側縁部に押圧されて当接係止されるため、頭部３５は半円状に成形されると共に 斜面３６を有し、キャビネット体ｂに押圧係止し易い形状をなしている。

【００２２】 なお、軸芯３１には三点ロック等にも使用される場合のためにロット棒穴３７ が設けられている。

【００２３】 バネ４の一端部４２は直線で他端部は折り曲げてロック体３のバネ溝３４に係 止され易いように引掛け部４１を設けている。尚、端部４２はケーシング１の保 持壁１４ｃに引掛けて付勢力を発生する。

【００２４】 なお、上記の説明では蓋２のアーム部２５が受け部２３の両端に突設されてい るが、アーム部２５のリベット穴２６の位置はロック体３のカム３２位置によっ て、各々の回動する軌跡が異なるため、それぞれの相関位置によっては、アーム 部２５の高さが受け部２３と同程度でも良い場合いがあり、この時には、リベッ ト５は一本としてもよいことになる。

【００２５】

【考案の効果】

以上に述べたように、本考案によれば、構成される蓋２、ロック体３、バネ４ の各部材がケーシング１内に集約して組み込むと共もに、扉体ａの表面の開口部 ａ’に係止片１７の撓いを利いてワンタッチで取付けることが可能であり、キャ ビネット体ｂの側縁部にロック体３のカム３２を嵌合係止するだけであるので、 キャビネット体ｂの内側にカム受けなどの他の部材を取付ける必要もないため、 部材構成も簡潔になし得るため、作動性に富み、かつ製造コストも安くし得る装 置を提供できる。

【００２６】 また、ロック体３の軸芯３１のロット棒穴３７にロット棒６を挿入し、該ロッ ト棒６の両先端にロック７を取付けることにより、三点ロックとしても使用する ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示すキャビネットの斜視
図。

【図２】 本考案の一実施例を示す分解斜視図。

【図３】 本考案の一実施例の取付方法を表面側から示
す斜視図。

【図４】 裏面から見た閉扉状態の取付斜視図。

【図５】 図４のＡ−Ａ’断面図。

【図６】 使用時の状態を示す断面図。

【図７】 三点ロックでの実施例を示す斜視図

【符号の説明】

１ ケーシング ２ 蓋 ３ ロック体 ４ バネ ５ リベット ６ ロット棒 ７ ロック １４ 保持壁 １７ 係止片 ２３ 受け部 ２５ アーム部 ３１ 軸 ３２ カム ３３ 押し部 ａ 扉体 ｂ キャビネット体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉体ａの外側から、扉体ａの表面に面一
   に押圧固定されるケーシング１と、該ケーシング１の内
   壁１３に添って突設された保持壁１４の一方にケーシン
   グ１の内面１２より回動自在に軸着された蓋２と、前記
   保持壁１４の他方に回動自在に軸支され、キャビネット
   体ｂに係合係止されるカム３２を有するロック体３と、
   該ロック体３の軸芯３１に挿入されるバネ４とからな
   り、扉体ａの外側より蓋２を扉体ａの内側方向に押すこ
   とにより、ロック体３のカム３２を回動させ、キャビネ
   ット体ｂより係上解除をおこなう扉のロック装置におい
   て、前記扉体ａの表面開口部ａ’にケーシング１の係止
   片１７によって押圧固定されたケーシング１の内面１４
   方向から嵌挿される蓋２は、ロック体３の軸芯３１に挿
   入されたバネ４の付勢力によってロック体３の押し部３
   ３と蓋２の受け部２３を介してケーシング内面１４に当
   接嵌挿されてなり、蓋２を扉体ａの内側方向に押すこと
   により受け部２３を介して押し部３３を回動し、ロック
   体３を回動せしめてカム３２をキャビネット体ｂより係
   止解除すると共に、扉体ａを同時に開扉せしめることを
   特徴とする扉のロック装置。