JPH0726394Y2 - テンタのピンニングローラ駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案はテンタのピンニングローラ駆動装置に関するも
のである。

【従来の技術】 一般に導布で連結された加工布を左右に拡張しながら搬
送するテンタにあっては、加工布の両端をピンチェーン
で突き刺しながら搬送している。 このピンチェーンの前端上部には、送られてくる加工布
をピンチェーン側に押圧するためのピンニングローラが
設けてある。 このピンニングローラの前方には、このピンニングロー
ラと連動して加工布をこのピンニングローラ側に送るフ
ィードローラが、また、このフィードローラ下部には加
工布をこのフィードローラとの間に挟みながら搬送する
補助ローラとが配設してあり、上記ピンチェーンの後方
側には加工布を乾燥する乾燥装置が配設してある。 上記加工布は駆動するフィードローラによって、ピンニ
ングローラに送りこまれ、駆動するこのピンニングロー
ラによってピンチェーンのピンに突き刺さるように押し
つけられる。 そして加工布は、このピンチェーンによって所定の幅と
なるように左右に拡張されながら乾燥装置に送り込まれ
る。加工布はこの乾燥装置によって乾燥される。 この乾燥工程によって上記加工布は長手方向に縮むこと
になるが、このことを考慮して制御装置により、前記フ
ィードローラの回転速度をピンニングローラの回転速度
及びピンチェーンの搬送速度より少し速くして、加工布
をやや弛む程度にピンチェーン側に送り込んでいる。

【発明が解決しようとする課題】

しかしながら、加工布によっては、フィードローラの回
転速度よりもピンニングローラの回転速度及びピンチェ
ーンの搬送速度を速くして、フィードローラとピンニン
グローラ（及びピンチェーン）との間で加工布を引き伸
ばして搬送する場合もある。このような場合には、フィ
ードローラの回転速度がピンニングローラの回転速度よ
り遅いため、また、ときとして乾燥温度や搬送速度斑や
布帛の伸縮変動等で、フィードローラの回転よりも速い
回転力（逆トルク）がフィードローラ及び図駆動モータ
の駆動軸に伝わったりすることがあり、その結果として
駆動モータが負荷の変動でハンチングをおこしてその耐
久性が低下するといった問題が生じていた。 そこで、本考案は上記のような点に鑑みて考案されたも
のであり、その目的とする処は、駆動モータへ負荷変動
が伝わらないようにしたテンタのピンニングローラ駆動
装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は上記目的を有効に達するために、次の
ような構成にしてある。すなわち、加工布を搬送するピ
ンチェーンの前端上部にピンニングローラを具備し、且
つ該駆動ローラの前方に上記加工布を送るフィードロー
ラを配設してなるテンタにおいて、一方向クラッチを介
してフィードローラとこれを駆動する駆動モータとを連
結し、加工布の張力による逆トルクがフィードローラに
作用した時に一方向クラッチが空転し、逆トルクが駆動
モータに作用しないように構成したものである。

【作用】

上記構成により、フィードローラの回転速度をピンニン
グ駆動ローラの回転速度より遅くして、加工布をこのピ
ンニング駆動ローラ側に送ったり、乾燥温度や搬送速度
斑や布帛の伸縮変動等で、このフィードローラに設定さ
れた回転よりも速い回転力が駆動モータの駆動軸側に伝
わるような状態となった場合が生じるが、この場合、フ
ィードローラと駆動モータとの間に設けた一方向クラッ
チの回転作動によってフィードローラが空転し、設定さ
れた回転よりも速く回転して吸収し、このトルク変動が
駆動モータ側に伝わるのを防止する。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を第１図〜第２図に基づいて説
明する。 図において、１はフィードローラ、２はフィードローラ
１の下方に設けられた補助ローラ、３は加工布Ａを左右
に拡張して搬送するピンチェーンであって、このピンチ
ェーン３の前端上部には、上記加工布Ａをピンチェーン
３側に押圧するためのピンニングローラ４が配設してあ
る。また、ピンチェーン３の前方には拡張されて搬送さ
れてくる加工布Ａをヒートセットする乾燥装置（図示省
略）が設けてある。 上記加工布Ａは、フィードローラ１によりピンニング駆
動ローラ４と補助ローラ２の間に送り込まれてくる。こ
の加工布Ａはピンニング駆動ローラ４に押圧されて、左
右のピンチェーン３に加工布Ａの両側端が順次突き刺さ
れながら搬送されていく。 また、この加工布Ａは、ピンチェーン３によって拡張さ
れながら搬送され、乾燥装置によってヒートセットされ
る。 そこで、本考案の要部である上記のフィードローラ１
は、中間歯車５を介して補助ローラ２が布帛Ａを前方に
搬送するようになっている。 中間歯車５は支軸６で回動自在に枢支され、またこの支
軸６の一端には一方向クラッチ７が嵌着してある。一方
向クラッチ７は例えばラチェット式であり、フィードロ
ーラ１に逆トルクが作用する時に空回転作動するように
なっている。 この一方向クラッチ７は、回動自在に枢支された伝達軸
８に歯車8aを介して歯合され、且つこの伝達軸８の一端
に嵌着した歯車8bを介して、駆動モータ９の駆動軸9aに
嵌着した歯車9bに歯合してある。 駆動モータ９が回転することにより駆動軸9a、歯車9b、
歯車8b、伝達軸８、歯車8a、一方向クラッチ７ 支軸
６、中間歯車５を介してフィードローラ１及び補助ロー
ラ２は加工布Ａをピンチェーン３側に送る方向に回転す
ることになる。 しかして、フィードローラ１の回転速度をピンニングロ
ーラ４の回転速度より遅くして、加工布Ａをこのピンニ
ングローラ４側に送ったり、乾燥温度や搬送速度斑や布
帛の伸縮変動等で、このフィードローラ１に設定された
回転よりも速い回転力が駆動モータ９の駆動軸9a側に伝
わるような場合が生じても、フィードローラ１と駆動モ
ータ９との間の設けた一方向クラッチ７の回転作動によ
ってフィードローラ１が空転し、設定された回転よりも
速つ回転して吸収し、このトルク変動が駆動モータ９側
に伝わるのを防止する。

【考案の効果】

このように本考案は以上に説明したように、フィードロ
ーラの回転速度をピンニングローラの回転速度より遅く
して、加工布をこのピンニングローラ４側に送ったり、
乾燥温度や搬送速度斑や布帛の伸縮変動等で、このフィ
ードローラに設定された回転よりも速い回転力が駆動モ
ータの駆動軸側に伝わるような逆トルクが生じても、一
方向クラッチを介してフィードローラと駆動モータとが
連結されているので、駆動軸にその逆トルクが伝達され
る前に、一方向クラッチの空回転によってこの回転力を
吸収し、駆動モータがハンチングをおこすことが無く、
駆動モータ寿命をより延ばすことができると言う利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はテンタの概略説明図、第２図は本考案に係る一
実施例の要部断面図である。 １……フィードローラ、３……ピンチェーン、４……ピ
ンニング駆動ローラ、７……一方向クラッチ、９……駆
動モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】加工布を搬送するピンチェーンの前端上部
   にピンニング駆動ローラを具備し、且つ該駆動ローラの
   前方に上記加工布を送るフィードローラを配設してなる
   テンタにおいて、一方向クラッチを介してフーィドロー
   ラとこれを駆動する駆動モータとを連結し、加工布の張
   力による逆トルクがフィードローラに作用した時に一方
   向クラッチが空転し、逆トルクが駆動モータに作用しな
   いように構成したことを特徴とするテンタのピンニング
   ローラ駆動装置。