JPH0726360A - 低表面粗度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

低表面粗度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH0726360A
JPH0726360A JP17048593A JP17048593A JPH0726360A JP H0726360 A JPH0726360 A JP H0726360A JP 17048593 A JP17048593 A JP 17048593A JP 17048593 A JP17048593 A JP 17048593A JP H0726360 A JPH0726360 A JP H0726360A
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JP
Japan
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steel sheet
concentration
plating
surface roughness
plating film
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JP17048593A
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English (en)
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Yasuyuki Tanno
恭行 丹野
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Al濃度が0.16〜0.25重量%の亜鉛めっき浴を用
い、めっきを施す直前の母材鋼板の温度を 490℃以上と
し、めっき付着量が45g/m2以上で、かつ、めっき皮膜中
におけるAl濃度(Alの平均濃度)が下記 (1)式を満たす
ように母材鋼板の表面にめっきを施す。 (めっき皮膜中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) ≧ 0.2重量%・・ (1) 【効果】表面粗度が小さく、平滑な合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を生産性を損なわず容易に製造することができ
る。この鋼板は塗装後の鮮映性に優れ、例えば自動車車
体の外板用などの用途に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車体等に用い
られる合金化溶融亜鉛めっき鋼板、特に、合金化処理後
の表面粗度が小さく、塗装後の鮮映性に優れた低表面粗
度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は優れた塗装
後耐食性や溶接性を有するため、近年、自動車用防錆鋼
板としてその需要が増加する傾向にある。
【0003】特に、自動車車体の外板用として使用され
る場合は、塗装仕上げ後の鋼板の表面が美麗で、鮮やか
に見える、いわゆる鮮映性に優れていることが要求され
るため、例えば、特開平2−175004号公報、特開平2−
274860号公報では、レーザー加工により表面にクレータ
を規則的に配列させたスキンパスロールによってその表
面模様を合金化溶融亜鉛めっきを施した表面上へ転写形
成させる方法、またはスキンパスロールによる調質圧延
を二度施す方法が、特開平2−274853号、特開平2−27
4854号、特開平2−274855号、特開平2−274856号、特
開平2−274857号、特開平2−274859号の各公報では、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面の形状(粗さ)を規定
する方法が、また、特開平4−285149号公報では、めっ
き前の母材鋼板の表面を特定の粗度にする方法が開示さ
れている。
【0004】さらに、特開平3−211264号公報には、溶
融亜鉛めっきの際に鋼板とめっき層との界面に形成され
るアルミニウム富化層の量と合金化処理の際の温度を規
定して表面粗度の小さい合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造する方法、特開平4− 83860号公報には、溶融亜鉛め
っき槽に浸入する鋼板の温度を調整して合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の表面粗度を調整する方法が開示されてい
る。
【0005】しかし、レーザー加工を施したスキンパス
ロールを用いる方法ではロールの加工費が高くなってコ
スト的に不利であり、スキンパスロールによる調質圧延
を二度施す方法では工程数が多くなり、やはりコスト高
になる。めっきを施す前の母材鋼板の表面の粗さを規定
しても、溶融亜鉛めっき後の鋼板に合金化処理を施すと
めっき表面の凹凸が激しくなり、表面粗度が非常に大き
くなるので、母材鋼板の表面粗さを規定するだけでは合
金化処理後のめっき層表面の平滑化には限界がある。ま
た、合金化処理後の表面の形状(粗さ)を規定するにし
ても、母材の材質によってはその劣化が大きいため十分
な圧延(調質圧延)が施せない場合もあり、管理が非常
に難しい。
【0006】Al富化層の量および合金化温度を規定する
方法 (特開平3−211264号公報) では表面粗度の十分低
いものが得られず、合金化温度が低いので生産性も良く
ない。また、溶融亜鉛めっき槽に浸入する鋼板の温度を
調整する方法(特開平4− 83860号公報)では、浸入鋼
板の温度を 460〜500 ℃としても後述するFe−Al合金層
の形成が不十分で、表面粗さの小さいめっき表面は得ら
れない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面粗度が
小さく、塗装後の鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板を生産性を損なわずに製造する方法を提供すること
を課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために研究を重ねた結果、溶融亜鉛めっき時
の初期に起こるFe(鉄)とAl(アルミニウム)との反応
を制御して安定なFe−Al層を母材鋼板とめっき皮膜の界
面に形成させることにより、めっき後の合金化反応を母
材鋼板の全表面で均一に進行させ、めっき層の表面粗度
を小さくすることが可能であることを確認し、そのため
の条件を見出して本発明を完成した。
【0009】本発明の要旨は、下記の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法にある。
【0010】Al濃度が0.16〜0.25重量%の亜鉛めっき浴
を用い、めっきを施す直前の母材鋼板の温度を 490℃以
上とし、めっき付着量が45g/m2以上で、かつ、めっき皮
膜中のAl濃度が下記 (1)式を満たすように母材鋼板の表
面にめっきを施すことを特徴とする低表面粗度合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0011】 (めっき皮膜中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) ≧ 0.2重量%・・ (1) 上記の (1)式における「めっき皮膜中Al濃度」とは、溶
融亜鉛めっきを施した後のめっき皮膜に含まれるAlのめ
っき皮膜中における平均濃度(重量%)であり、「亜鉛
めっき浴中Al濃度」とは亜鉛めっき浴に含まれる全Alの
濃度(重量%)である。
【0012】
【作用】以下に、本発明の構成要件とその作用効果につ
いて説明する。
【0013】本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法において、めっきを施す直前の母材鋼板の温度を 4
90℃以上とするのは、母材鋼板のFeとめっき浴中のAlと
の反応を促進させて鋼板の表面に安定した、すなわち、
Feの拡散を抑制する効果が安定して、しかも持続する、
均一なFe−Al合金層を形成させるためである。周知のよ
うに、Feと反応したAlは母材鋼板の表面に薄いFe−Al合
金層を形成するが、このFe−Al合金層が安定した層であ
れば、めっき後の合金化処理の際にFeはFe−Al層を介し
て拡散するので、例えば母材の結晶粒界からFeがZnめっ
き層へ直接拡散して反応するような局所的な合金化反応
が起こらず、合金化反応は母材鋼板の全表面で均一に進
行し、表面粗さの小さい合金化溶融亜鉛めっき鋼板とす
ることが可能となる。
【0014】亜鉛めっきを施す直前の母材鋼板の温度が
490℃より低いと母材鋼板の表面に安定したFe−Al層が
形成されない。母材鋼板の温度の上限は特に定めない
が、めっき浴の温度が上昇してZnの蒸気が発生し、作業
環境が悪化するので 550℃程度とするのが好ましい。
【0015】めっきを施す直前の母材鋼板の温度を 490
℃以上とすると、前記のようにFeとAlとの反応が促進さ
れて鋼板の表面に安定したFe−Al合金層が形成され、そ
の結果、めっき皮膜中のAl濃度が高められるが、このAl
の濃化は、前記 (1)式が満たされる程度であることが必
要である。すなわち、めっき皮膜におけるAlの平均濃度
(重量%)から亜鉛めっき浴中の全Alの濃度(重量%)
を差し引いた値が 0.2重量%以上であることが必要で、
0.2重量%未満では、母材鋼板の表面に安定したFe−Al
層が形成されず、合金化反応が不均一になって、以下に
述べるように合金化処理後のめっき層の表面粗さが大き
くなる。
【0016】図1および図2は、実施例で用いた母材鋼
板に対して下記の条件で溶融亜鉛めっきおよび合金化処
理を施し、合金化処理後のめっき表面の粗さ等を測定し
て得られた図で、めっきを施す直前の母材鋼板の温度
(以下、「めっき浴進入板温」という)と「 (めっき皮
膜中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) 」との関係
(図1)、ならびに「 (めっき皮膜中Al濃度) − (亜鉛
めっき浴中Al濃度) 」とめっき表面粗さとの関係(図
2)を示す。めっき目付け量は55±10g/m2、合金化度は
9〜11%である。めっき表面粗さ、めっき皮膜中のAl濃
度および亜鉛めっき浴中のAl濃度は実施例におけると同
じ方法で求めた。
【0017】〔溶融亜鉛めっき条件〕 めっき浴の温度 : 460℃ めっき浴中のAl濃度: 0.11重量% 目付量 : 45〜65g/m2 めっき浴進入板温 : 430〜520 ℃ 〔合金化処理条件〕 処理温度(板温) : 500〜550 ℃ 処理時間 : 10〜60秒 図1に示すように、めっき浴進入板温と「 (めっき皮膜
中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) 」との間には相
関性が認められ、進入板温が 490℃よりも低いと「 (め
っき皮膜中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) 」の値
が 0.2よりも小さくなり、前記の (1)式の条件が満たさ
れない。
【0018】また、図2の縦軸は合金化処理後のめっき
表面粗さで、塗装後の鮮映性を確保する上から中心線平
均粗さ(Ra )が 1.5以下であれば良好と見なし得る
が、この図から、「 (めっき皮膜中Al濃度) − (亜鉛め
っき浴中Al濃度) 」が 0.2以上であれば、めっき表面粗
さRa が 1.5以下と小さくなり、良好な表面状態が得ら
れることがわかる。
【0019】本発明方法において、亜鉛めっき浴のAl濃
度を0.16〜0.25重量%とするのは、0.16重量%よりも低
いと前記の (1)式を満たすことが不可能であり、一方、
0.25重量%を超えると合金化処理性が悪化するからであ
る。
【0020】また、めっき付着量は、母材鋼板の表面粗
さの影響を小さくするため45g/m2以上とする。めっき付
着量の上限は特に定めないが、美麗なめっき表面を確保
し、合金化ムラを防止するために、70g/m2とするのが好
ましい。
【0021】以上述べたように、本発明方法ではAl濃度
が0.16〜0.25重量%の亜鉛めっき浴を用い、めっき浴進
入板温を 490℃以上とし、めっき付着量および「 (めっ
き皮膜中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) 」が所定
の範囲になるようにめっきを行えばよく、合金化温度を
規定したり、合金化処理後に調質圧延を行う必要がな
い。従って、生産性を損なうことなく表面粗度の小さい
合金化溶融亜鉛めっき鋼板を容易に製造することができ
る。なお、めっき皮膜中Al濃度の調整はめっき浴進入板
温または亜鉛めっき浴中のAl濃度を調整することにより
行うことができ、例えば、進入板温を高め、あるいはめ
っき浴中のAl濃度を上昇させるとめっき皮膜中のAl濃度
が上昇する。
【0022】
【実施例】C:0.0022%、Si:0.02%、Mn:0.11%、
P: 0.012%、S: 0.005%、Ti:0.034%、Nb: 0.01
1%およびAl: 0.025%(「%」はいずれも「重量%」
を意味する)を含有し、残部がFeと不可避不純物からな
る冷延鋼板(厚さ: 0.8mm)を母材鋼板として用い、表
1に示すめっき条件および合金化処理条件で合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造試験を行い、合金化処理後のめっ
き表面の粗さを測定した。溶融亜鉛めっきは縦型溶融亜
鉛めっき装置を使用して行い、合金化処理は塩浴中で実
施した。
【0023】なお、めっき皮膜中におけるAl濃度は、溶
融亜鉛めっきに続いて合金化処理を施した後の鋼板をイ
ンヒビターを添加した10体積%の塩酸に浸漬してめっき
皮膜を溶解した後、原子吸光分析法により求め、亜鉛め
っき浴中のAl濃度は、浴を採取してインゴットとし、蛍
光X線分析法により測定した。また、めっき表面の粗さ
の測定は、三次元粗さ測定装置(サーフコム 550A、東
京精密製)により行った。
【0024】めっき表面の粗さの測定結果を表1に併せ
て示す。この結果から明らかなように、本発明例では表
面粗さはRa 1.5 以下で、良好であったが、本発明で定
める条件から外れる比較例では満足できる結果は得られ
なかった。
【0025】
【表1(1)】
【0026】
【表1(2)】
【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、表面粗度が小さ
い、平滑な合金化溶融亜鉛めっき鋼板を生産性を損なわ
ず容易に製造することができる。この鋼板は塗装後の鮮
映性に優れ、例えば自動車車体の外板用などの用途に好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき浴進入板温と「(めっき皮膜中Al濃度)
−(亜鉛めっき浴中Al濃度)」との関係を示す図であ
る。
【図2】「(めっき皮膜中Al濃度)−(亜鉛ポットAl濃
度)」と表面粗さとの関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al濃度が0.16〜0.25重量%の亜鉛めっき浴
    を用い、めっきを施す直前の母材鋼板の温度を 490℃以
    上とし、めっき付着量が45g/m2以上で、かつ、めっき皮
    膜中のAl濃度が下記 (1)式を満たすように母材鋼板の表
    面にめっきを施すことを特徴とする低表面粗度合金化溶
    融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (めっき皮膜中Al濃度) − (亜鉛めっき浴中Al濃度) ≧ 0.2重量%・・ (1)
JP17048593A 1993-07-09 1993-07-09 低表面粗度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Pending JPH0726360A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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