JPH072619U - 突張り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造物表面への突起の食い込み性がよく、材
料及び在庫管理の簡易化、製造コストの低減化を図り得
る突張り装置を提供すること。 【構成】 内外二重の筒体４、５を伸縮自在で且つ長手
方向任意の位置に固定自在とした支柱１の両端に、構造
物表面に当接する硬質合成樹脂製の支持体２、３をそれ
ぞれ備えて対向面間に突張り固定させる突張り装置にお
いて、前記支持体２の端部に反筒体側に突出し且つ円錐
状とされた多数の突起１１を支持体と共に一体成形す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、天井と床、壁と壁等の対向面間に突張り固定し、洋服掛け、又は、 パーティションや用具掛けの支柱等として用いる突張り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、突張り装置としては、図６に示すように、内外二重の筒体を伸縮自在で 且つ長手方向任意の位置に固定自在とされた支柱４１の両端に、構造物表面に当 接する支持体４２をそれぞれ設け、支持体４２の端面に浅底な凹部を形成し、こ の凹部に金属板から成るスパイク金具４３を嵌合保持させ、スパイク金具４３に 前記凹部より突出する複数の突起を板厚方向に折り曲げ形成し、構造物表面に突 起４４を食い込ませて大きな荷重や振動が加わった場合でも容易に外れることな く安定して取り付けできるようにしたものがあった（例えば、実公平４−２５０ ２７号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の突張り装置では、支持体４２の突起４４が金属によ り形成されていたので、被取付部以外の構造物表面に不用意に突起４４が接触し た場合、構造物表面に傷が付き易く、また、突起４４が金属板を折り曲げて形成 されていたので、図に示すように、突起４４が２つの平面４５、４５を山形状に 組み合わせた形状となり、構造物表面へ突起４４が食い込む際、山形状の２平面 ４５、４５が構造物に当接して埋入していくので抵抗が大きく、食い込み性に劣 っていた。

【０００４】 更に、支持体４２とスパイク金具４３とは、材質の異なる部品により形成され ていたので、材料及び在庫の管理が煩雑となり、製造コストも増大するという問 題があった。 そこで、本考案は、上記問題点に鑑み、構造物表面への突起の食い込み性がよ く、材料及び在庫管理の簡易化、製造コストの低減化を図り得る突張り装置を提 供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案では次の手段を講じた。即ち、本考案の特徴 とするところは、内外二重の筒体を伸縮自在で且つ長手方向任意の位置に固定自 在とした支柱の両端に、構造物表面に当接する硬質合成樹脂製の支持体をそれぞ れ備えて対向面間に突張り固定させる突張り装置において、前記支持体の端部に 反筒体側に突出し且つ円錐状とされた多数の突起を支持体と共に一体成形した点 にある。

【０００６】

【作用】

突張り装置を突張り固定させる対向面間の距離よりやや短くセットし、対向面 間に介装する。そして、筒体を伸出させて突起を構造物表面に食い込ませ、突張 り装置を対向面間に突張り固定させる。各突起は合成樹脂により形成されている ので、被取付部以外の構造物表面に不用意に突起が接触した場合でも、構造物表 面に傷が付くおそれが少なく、また、各突起が円錐状に形成されているので、突 起を構造物表面に食い込ませる際、抵抗が少なくスムーズに構造物表面に食い込 む。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図１において、本考案に係る突張り装置は、伸縮自在で且つ長手方向任意の位 置に固定自在とされた支柱１と、この支柱１の両端にそれぞれ備えられた支持体 ２、３とから主構成されている。

【０００８】 前記支柱１は、金属パイプに合成樹脂皮膜を施した２本の筒体４、５が内外二 重に嵌装され、外筒体４の内筒体側端部には内筒体５を任意の位置に固定するス トッパー６が設けられ、内筒体５の外方端部には内筒体５を軸心方向に伸縮させ る伸縮自在機構７が設けられて構成されている。 外筒体４の外方端部には、合成樹脂により形成されたスプリング受け８が内嵌 固着されており、このスプリング受け８の内部にコイルスプリング９が内装され 、外筒体４に装着された支持体２を外方へ付勢している。

【０００９】 外筒体４の支持体２は、硬質合成樹脂により形成されており、筒体側には外筒 体４の端部を挿入可能な開口が形成され、外方端部は軸心に対して直交方向両サ イドに突出するように形成されている。この外方端部には、図２に示すように、 外方に突出し且つ円錐状に形成された多数の突起１１が分散されて一体的に形成 されている。各突起１１の大きさは、高さが約２ミリ、円錐部の最大直径が約２ ミリとされているが、この数値に限定されるものではない。また、この突出部分 には貫通状にネジ孔１２がそれぞれ形成されており、構造物２３へのネジによる 固定が可能とされている。なお、２４は補強リブである。

【００１０】 前記ストッパー６は、合成樹脂により筒状に形成されており、外筒体４の端部 に接着剤等により固定されている。ストッパー６の先端部にはネジ孔が筒体の軸 心に対して直交方向に貫通するようナット１３がインサートされ、このナット１ ３に蝶ボルト１４が螺合されて内筒体５を任意の位置で固定できるように構成さ れている。

【００１１】 前記伸縮自在機構７は、内筒体５の外方端部に内嵌固定されたガイド体１６と 、両端に開口部を有するアジャスタ１７とから構成されている。前記ガイド体１ ６は接着剤、カシメ等により内筒体５に固定されており、ガイド体１６の軸心部 には内筒体５の長手方向に沿って通孔が設けられ、この通孔の中途部にナット１ ８がインサートされている。

【００１２】 アジャスタ１７の内筒体側の開口部は、内筒体５が挿入可能な大きさとされ、 開口部の内底部には内筒体５の軸心方向に沿って突出するボルト１９がインサー トされている。また、外方側開口部の内底部には、中央にネジ孔が形成され、ア ジャスタ１７の外周面には、滑り止め用の凹部２０が周方向に適宜間隔を開けて 設けられている。

【００１３】 アジャスタ１７の外方端部には、硬質合成樹脂により形成された支持体３がネ ジにより回動自在に連結されている。アジャスタ１７側の支持体３も、外方端部 が両サイドに突出するように形成されているが、突起は形成されておらず代わり にゴム板２１を取り付けるための取付部が形成されている。 次に、上記構成の突張り装置を所定間隔をおいて対向する構造物２３、２３の 固定面間に突張り固定する場合について説明する。

【００１４】 先ず、アジャスタ１７を回動して内筒体５の端部をアジャスタ１７内に十分埋 入させておく。次に、突張り装置の両端が対向面間の距離よりやや短くなるよう にストッパー６により長さを調整し、突張り装置を対向面間に介装する。そして 、アジャスタ１７から内筒体５が伸出する方向へアジャスタ１７を回動させて突 張り装置を対向面間に突張り固定する。この時、内筒体５の伸出量が多くなるに つれて外筒体側の支持体２の突起１１が、構造物表面に食い込み突張り装置が安 定して固定される。

【００１５】 各突起１１は合成樹脂により形成されているので、従来のように、金属により 形成されたものではなく、被取付部以外の構造物２３の表面に不用意に突起１１ が接触した場合でも、表面に傷が付くおそれが少なく、また、各突起１１が円錐 状に形成されているので、突起１１を構造物表面に食い込ませる際、抵抗が少な くスムーズに構造物表面に食い込み突張り装置を容易に取り付けることができる 。

【００１６】 更に、突起１１が支持体２に一体的に設けられているので、従来のように、材 質の異なる部品が生じることもなく、材料及び在庫管理の簡易化、製造コストの 低減化を図ることができる。 図３は、本考案の突張り装置をネットラック２４の支柱として用いたものを示 し、この場合には、２本の突張り装置を天井２５と床２６の対向面間に突張り固 定し、各突張り装置の支柱１に４個のネット固定具２７をそれぞれ挿通させて固 定し、このネット固定具２７にネット２８を取り付けたものである。

【００１７】 前記ネット固定具２７は、図４及び図５に示すように、筒状の固定具本体３０ の中途部に軸心に対してネジ孔が直交するようにナット３１がインサートされ、 このナット３１にツマミ付ネジ３２が螺合されて支柱１の任意の位置にネット固 定具２７を固定可能としている。また、ナット反対側の外表面にはフック３３が 形成され、ネット２８を係合可能としている。３４は補強リブである。

【００１８】 ネット２８の上部を支持するネット固定具２７は、フック３３の開口が上方を 向くように、また、ネット２８の下部に係合するネット固定具２７は、フック３ ３の開口が下方を向くように取り付けられており、ネット２８が確実に固定され ている。 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、アジャスタ１７側の支 持体３にも突起を一体的に形成してもよい。

【００１９】

【考案の効果】

本考案によれば、各突起が合成樹脂により形成されているので、被取付部以外 の構造物表面に不用意に突起が接触した場合でも、構造物表面に傷が付くおそれ が少なく、また、各突起が円錐状に形成されているので、突起を構造物表面に食 い込ませる際、構造物表面にスムーズに食い込み突張り装置を対向面間に容易に 取り付けることができる。

【００２０】 更に、突起が支持体に一体的に設けられているので、従来のように、材質の異 なる部品が生じることもなく、材料及び在庫管理の簡易化、製造コストの低減化 を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断面図である。

【図２】突起を有する支持体の背面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す正面図である。

【図４】ネットの取り付け部を示す外観斜視図である。

【図５】ネット固定具を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）
は側面図、（ｃ）は背面図、（ｄ）は平面図、（ｅ）は
底面図、（ｆ）は（ｄ）のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】従来例を示す外観斜視図である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 支持体 ３ 支持体 ４ 筒体 ５ 筒体 １１ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内外二重の筒体を伸縮自在で且つ長手方
   向任意の位置に固定自在とした支柱の両端に、構造物表
   面に当接する硬質合成樹脂製の支持体をそれぞれ備えて
   対向面間に突張り固定させる突張り装置において、 前記支持体の端部に反筒体側に突出し且つ円錐状とされ
   た多数の突起を支持体と共に一体成形したことを特徴と
   する突張り装置。