JPH07261434A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07261434A
JPH07261434A JP7023594A JP7023594A JPH07261434A JP H07261434 A JPH07261434 A JP H07261434A JP 7023594 A JP7023594 A JP 7023594A JP 7023594 A JP7023594 A JP 7023594A JP H07261434 A JPH07261434 A JP H07261434A
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JP
Japan
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layer
pigment
charge
wavelength
electrophotographic photoreceptor
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Application number
JP7023594A
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English (en)
Inventor
Kazuya Hongo
和哉 本郷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07261434A publication Critical patent/JPH07261434A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短波長域から長波長域まで幅広く高い感度を
有し、繰り返し使用時の電位安定性に優れた電子写真感
光体を提供する。 【構成】 基体上に感光層を有する電子写真感光体であ
って、感光層が、光導電物質として、(A)CuKα特
性X線に対するブラック角度(2θ±0.2゜)の少な
くとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.
3゜に強い回折ピークを有するハロゲン化ガリウムフタ
ロシアニンおよび(B)450〜650nmに最大吸収
波長を有する電荷発生材料を含有することを特徴とす
る。光導電物質(B)としては、アントアントロン系顔
料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、ペ
リレン顔料、三方晶セレン等が好ましく使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは短波長域から長波長域まで幅広く高い感度
を有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体における光導電物
質としては、種々の無機系および有機系の光導電物質が
知られている。有機系の光導電物質は、それを電子写真
感光体に使用した場合、膜の透明性、良好な性膜性、可
撓性を有し、コストが安くなる等の利点がある。また、
使用する染料や顔料等の増感剤の選択により、感色性を
自在にコントロールできる等の利点を有し、これまでに
幅広い検討がなされている。特に、最近では、有機光導
電顔料を電荷発生材料として用いた電荷発生層と、光導
電性ポリマー或いは低分子の有機光導電物質等を電荷輸
送材料として用いた電荷輸送層を積層した積層型電子写
真感光体の開発により、従来の電子写真感光体の欠点と
されいた感度や耐久性に著しく改善がなされ、実用に供
される様になってきている。感光層をこのような積層構
造とすることにより、電荷発生層材料と電荷輸送材料と
を個々に選択できるよう様になり、それぞれの材料の選
択基準を広くすることができる。そして、積層型電子写
真感光体に適応する各種の化合物および顔料が見出され
ている。特に、広い波長域にわたって高感度を有する感
光体を得るために、異なった感光波長域を持つ2種以上
の電荷発生材料を混合したり、或いは積層して感光層を
形成することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異なっ
た感光波長域を持つ2種以上の電荷発生材料を混合ある
いは積層する場合、感光層の吸収波長域は広がるもの
の、各々の電荷発生材料の特性が十分には発揮されず、
満足する感度が得られなかったり、逆に特性が悪化した
りするという問題があった。本発明は、従来技術の上記
のような問題点を解消することを目的としてなされたも
のである。すなわち本発明の目的は、広い波長域にわた
って高感度で良好な特性を有する電子写真感光体を提供
することにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】すなわち、本発明の電子
写真感光体は、基体上に感光層を有するものであって、
感光層が光導電物質として、(A)CuKα特性X線に
対するブラック角度(2θ±0.2゜)の少なくとも
7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に
強い回折ピークを有するハロゲン化ガリウムフタロシア
ニンおよび(B)450〜650nmに最大吸収波長を
有する電荷発生材料を含有することを特徴とする。本発
明において、感光層は電荷発生層と電荷輸送層とより構
成され、そして電荷発生層が前記光導電物質(A)およ
び(B)を含有するのが好ましい。また、電荷発生層
が、前記光導電物質(A)を含有する層と前記光導電物
質(B)を含有する層とより構成されていてもよい。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、光導電物質(A)として用いられるハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニンは、次の一般式(I)で
表されるものであって、600〜800nm付近の長波
長側に最大吸収波長を有する電荷発生材料である。
【化1】 (式中、X1 はハロゲン原子を表し、X2 、X3 、X4
およびX5 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基またはアリールオキシ基を表し、a、b、cおよ
びdは、それぞれ0〜4の整数を表す。)
【0006】本発明に用いるハロゲン化ガリウムフタロ
シアニンは、種々の方法によって合成することができる
が、一例としてクロロガリウムフタロシアニンの合成を
次に示す。クロロガリウムフタロシアニン顔料を合成す
る方法としては、先ず、1,3−ジイミノイソインドリ
ンと三塩化ガリウムをキノリン中で縮合することによ
り、CuKα特性X線に対するブラック角度(2θ±
0.2゜)の少なくとも11.0゜、13.5゜、およ
び27.1゜に強い回折ピークを有するクロロガリウム
フタロシアニンを得る。次に、このクロロガリウムフタ
ロシアニンを振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、アトラ
イター、ボールミル等の粉砕装置を用いて乾式粉砕した
後、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、シ
クロヘキサノン、トルエン、酢酸ブチル、ジメチルスル
ホキシド等の適当な溶剤中で、上記粉砕装置を用いて湿
式粉砕する。それにより、CuKα特性X線に対するブ
ラック角度(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、
16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピ
ークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料を得る
ことができる。
【0007】本発明で用いる光導電物質(B)として
は、多環キノン顔料、ペリレン顔料、ピリリウム系染
料、トリスアゾ顔料、ビスアゾ顔料、インジゴ顔料、お
よび三方晶セレン顔料等の中から450〜650nmに
最大吸収波長を有するものを選択して使用する。これら
の中で、多環キノン顔料、ペリレン顔料、三方晶セレン
顔料が特に良好な特性が得られるので好ましい。
【0008】具体例を示すと、多環キノン顔料として
は、下記一般式(II−1)で示されるアントアントロン
系顔料、下記一般式(II−2)で示されるジベンズピレ
ンキノン系顔料、下記一般式(II−3)で示されるピラ
ントロン系顔料があげられる。
【化2】 (式中、Xはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシ
ル基、またはカルボキシル基を表わし、nは0〜4の整
数を表わし、mは0〜6の整数を表わす。)これらの多
環キノン顔料の中では、特に一般式(II−1)で示され
るアントアントロン系顔料が好ましい。
【0009】前記一般式(II−1)で示されるアントア
ントロン系顔料の具体的化合物例をあげると次の通りで
ある。
【化3】
【0010】前記一般式(II−2)で示されるジベンズ
ピレキノン系顔料の具体的化合物例をあげると次の通り
である。
【化4】
【化5】
【0011】前記一般式(II−3)で示されるピラント
ロン系顔料の具体的化合物例をあげると次の通りであ
る。
【化6】
【化7】
【0012】本発明における前記多環キノン顔料は、4
50〜650nmの吸収波長域で高い感度を示し、帯電
電位、残留電位等についての繰り返し特性が安定である
という特徴を有する。
【0013】また、本発明におけるペリレン顔料として
は、特に下記一般式(III −1)および(III −2)で
表わされるペリレン顔料が感度や電位の安定性の点で好
ましい。
【化8】 (式中、Aは二価の芳香族炭化水素基または窒素原子を
環内に含む二価の複素環基を表わす。)
【0014】前記一般式(III −1)および(III −
2)で示されるペリレン顔料の具体的化合物例をあげる
と次の通りである。
【表1】
【0015】上記ペリレン顔料において、一般式(III
−1)で示されるものと、一般式(III −2)で示され
るものとが混合物の状態で含まれていてもよい。本発明
における前記ペリレン顔料は、約400から約700n
mの吸収波長域で分光感度を有しており、帯電電位、残
留電位等についての繰り返し特性が安定であるという特
徴を有する。
【0016】本発明における三方晶セレンは、例えば、
特開昭54−54038号公報および特開平1−124
862号公報に記載の三方晶セレンを使用することがで
きる。三方晶セレンは、700nm以下の短波長域で分
光感度を有しており、高効率でキャリアを生成するこ
と、化学的安定性に優れ、熱や光などにより劣化しにく
いこと等、電子写真感光体の電荷発生材料として優れた
特性を有している。
【0017】本発明において、光導電物質(B)とハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニンの配合比(重量比)は、
60:1〜1:1、好ましくは25:1〜3:1に設定
される。光導電物質(B)が60:1より多いと、長波
長域の感度が不十分になりやすく、光導電物質(B)が
1:1より少ないと、短波長域の感度が不十分になりや
すくなる。
【0018】感光層を形成するにあたって、光導電物質
(A)および(B)を混合する場合は、各光導電物質を
上記範囲の比率で適当な樹脂溶液と溶剤に分散するか、
あるいは個々に分散した液を所定の比率になるように混
合する。個々に分散する場合、結着樹脂や溶剤は別々の
ものでもさしつかえない。また、結着樹脂は使用しなく
てもよい。積層する場合は、個々に分散した液を、含ま
れる光導電物質の量が所定の比率になるような膜厚で各
々塗布する。この場合、光導電物質(B)を含む層が光
源に近くなるような順で積層するのが好ましい。
【0019】ここで使用される結着樹脂としては、周知
のもの、例えば、ポリーカーボネート、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エ
ステル重合体、酢酸ビニル重合体または共重合体、セル
ロースエステルまたはエーテル、ポリブタジエン、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂等が用いられる。光導電物質と
結着樹脂の配合比は、40:1〜1:4、好ましくは2
0:1〜1:2である。光導電物質の比率が高すぎる場
合には塗布溶液の安定性が低下し、低すぎる場合には感
度が低下するので、上記の範囲にするのが好ましい。分
散に使用される溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化
メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等の有機溶剤或いはこれらの混合溶剤をあ
げることができる。分散手段としてはサンドミル、コロ
イドミル、アトライター、ボールミル、ダイノミル、コ
ボールミル、ロールミル等が利用できる。塗布方法とし
ては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティ
ング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング
法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法等
の方法を用いることができる。
【0020】本発明の電子写真感光体における感光層の
層構成は、電荷発生層と電荷輸送層との積層型、あるい
は電荷発生材料と電荷輸送材料とが混在する単層型の両
者が適用される。さらに前者の場合、積層の順序が2通
りあるが、そのうち基体側から電荷発生層、電荷輸送層
の順で積層する構成が好ましい。電荷発生層の膜厚は、
0.01〜5μm、好ましくは0.03〜2μm程度で
ある。積層型電子写真感光体において、電荷発生層は、
前述の分散液を基体上に直接、あるいは下引層上に塗工
することによって形成できる。また、後述の電荷輸送層
の上に塗工することによっても形成してもよい。
【0021】本発明の電子写真感光体において基体とし
ては、電子写真感光体において使用されるものであれ
ば、如何なるものでも使用できる。また、必要に応じ
て、基体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理
を行うことができる。例えば、表面の陽極酸化処理、液
体ホーニング等による粗面化処理、薬品処理、着色処理
等を行うことができる。
【0022】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
より構成されるもので、電荷輸送材料としては、公知の
ものであれば如何なるものでも使用することができる。
成膜性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリスチレン、ポリエステル、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、ポリスルホン、ポリメタク
リル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、ポリオレフィン等があげられる。電荷輸送材料と
成膜性樹脂の配合比は、5:1〜1:5、好ましくは
3:1〜1:3である。電荷輸送材料の比率が高すぎる
場合には、電荷輸送層の機械的強度が低下し、低すぎる
場合には、感度は低下するので、上記の範囲にするのが
好ましい。また、電荷輸送材料が成膜性を有する場合に
は、上記成膜性樹脂を省くこともできる。電荷輸送層
は、上記電荷輸送材料と成膜性樹脂とを適当な溶剤に溶
解し、塗布することによって形成するが、膜厚は、5〜
50μm、好ましくは10〜40μmの範囲になるよう
に形成するのが好ましい。これらの感光層の塗布方法と
しては、前述のいずれかの方法を用いることができる。
【0023】本発明において、基体上には下引層を設け
てもよい。下引層を構成する材料としては、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジ
ン、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、ポ
リアミド、ポリウレタン、カゼイン、ゼラチン、ポリグ
ルタミン類、澱粉、スターチアセテート、アミノスター
チ、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等があげられ
る。また、上記高分子物質の代わりに、ジルコニウムキ
レート化合物、ジルコニウムアルコキシド等の有機ジル
コニウム化合物とシランカップリング剤を用いることも
できる。有機ジルコニウム化合物の代表的なものとして
は、ジルコニウムテトラブトキサイド、ジルコニウムテ
トラアセチルアセトネート、ジルコニウムジプロポキシ
ジアセチルアセトネート、トリブトキシジルコニウムア
セチルアセトネート等があげられる。シランカップリン
グ剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス−2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシ
ラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリ
メトキシシラン等をあげることができる。有機ジルコニ
ウム化合物とシランカップリング剤との混合割合は、Z
r/Siのモル比が、1/1〜5/1の範囲にあること
が好ましい。Zrの割合が上記の範囲よりも大きくなる
と、電荷発生層を塗布する際のヌレ性が劣化し、ムラの
ある塗膜が形成される。また、Siの割合が上記の範囲
よりも大きくなると、残留電位を増大するので好ましく
ない。一方、有機ジルコニウム化合物とシランカップリ
ングン剤と結着樹脂との混合物を使用することもでき
る。この場合の結着樹脂としては、前述のものを用いる
ことができる。結着樹脂の有機ジルコニウム化合物とシ
ンカップリング剤に対する混合割合は、必要に応じて適
宜設定され、下引層の膜厚を厚くすることが望まれる場
合には、結着樹脂の含有量を多くし、下引層の膜厚を薄
くすることが望まれる場合には少なくすればよい。
【0024】さらに、下引層には微粒子無機粉体を含有
させてもよい。その場合、微粒子無機粉体を前記結着樹
脂と混合、分散した溶液を塗布、乾燥させて形成させる
ことができる。微粒子無機粉体としては、酸化チタン、
酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、アルミナ、酸化
インジウム、酸化マグネシウム、シリカ、三酸化モリブ
デン、酸化第2銅等が使用される。本発明において、下
引層の膜厚は、一般に0.01〜5μm、好ましくは
0.05〜2μmに設定される。下引層を形成するため
には、塗布液を調製することが必要になるが、エタノー
ル、メタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、セロソルブアセテート等のエステル類を単独または
混合して使用することができる。塗布液を塗布する際に
は、前述のいずれかの方法を用いることができ、乾燥は
10〜200℃、好ましくは30℃〜180℃の範囲の
温度で、5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間の範
囲で送風乾燥または静止乾燥させることによって行うこ
とができる。下引層の膜厚は、0.01〜10μm、好
ましくは0.05〜3μmの範囲が適当である。
【0025】なお、下引層と電荷発生層との界面の電荷
注入性を改善するため、下引層に添加剤を混入させた
り、電荷発生層と電荷輸送層との界面の電荷注入性を改
善するため、電荷輸送層に添加剤を混入させることも有
効である。また、本発明における感光層には、オゾン劣
化防止の目的で酸化防止剤を添加することができる。酸
化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダード
アミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、
ヒドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよ
びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が
あげられる。さらに本発明の電子写真感光体は、耐刷性
を改善するために、感光体の表面に保護層を設けてもよ
い。
【0026】
【作用】本発明において用いる上記したCuKα特性X
線に対するブラック角度(2θ±0.2゜)の少なくと
も7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜
に強い回折ピークを有するハロゲン化ガリウムフタロシ
アニンは、600〜800nm付近の長波長側に最大吸
収波長を有する電荷発生材料である。ハロゲン化カリウ
ムフタロシアニンは、上記長波長域で高い感度を有する
ことが知られているが、多くの結晶形態の中でも、本発
明に用いられる上記の結晶型を有するハロゲン化ガリウ
ムフタロシアニンは、極めて高い感度を有する。したが
って、上記の結晶型を有するハロゲン化ガリウムフタロ
シアニンを用いた場合には、450〜650nmに最大
吸収波長を有する電荷発生材料(光導電物質(B))に
対する含有率が小さくても十分な感度が得られる。この
ことは、また、光導電物質(B)の含有率を高くするこ
とが可能であることを意味している。したがって、短波
長側の感度を阻害することなく光導電物質(B)の特性
を十分に生かすことができる。さらに、混合した場合、
光導電物質(B)とハロゲン化ガリウムフタロシアニン
の接触ポイントが少なくなるため、粒子界面バリアの存
在が少なくなり、メモリー特性、繰り返し特性等の悪化
を抑えることができる。一方、電荷発生層をハロゲン化
ガリウムフタロシアニンを含有する層と光導電物質
(B)を含有する層の積層構造にする場合においても、
ハロゲン化ガリウムフタロシアニンを含有する層を薄く
することができるので、総膜厚を薄くすることができ、
メモリー特性、繰り返し特性が良好になる。
【0027】本発明によれば、上記光導電物質(A)と
光導電物質(B)との組み合わせによって、長波長域の
広範囲の光波長域において高感度で、かつ、繰り返し使
用時の電位安定性に優れた特性を得ることができる。し
たがって本発明の電子写真感光体は、可視域で主たる分
光感度が必要な複写機(例えば、蛍光灯、ハロゲンラン
プ、キセノンランプ等の画像信号−アナログ信号)用感
光体として、好適であり、かつ、可視光領域中の長波長
域あるいは赤外域で主たる分光感度が必要なプリンター
(例えば発光ダイオード、He−Neレーザー等の気体
レーザー、半導体レーザー等の画像信号−デジタル信
号)用感光体としても好適である。したがって、本発明
によればアナログ/デジタルの両方式に対応可能な電子
写真感光体を実現することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例において、「部」は「重量部」を
意味する。 作製例(クロロガリウムフタロシアニンの作製) 作製例1 1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウ
ム9.1部をキノリン230部中に入れ、200℃にお
いて3時間反応させた後、生成物をろ別し、N,N−ジ
メチルホルムアミドおよびメタノールで洗浄し、次いで
湿ケーキを乾燥後、クロロガリウムフタロシアニンの結
晶28部を得た。得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶の粉末X線回折図を図1に示す。 作製例2 作製例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
28部を、自動乳鉢(商品名:Lab Mill UT
−21型、ヤマト科学(株)製)で3時間粉砕した。得
られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回
折図を図2に示す。 作製例3 作製例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
部3部を、1mmφのガラビーズ60部と共にベンジル
アルコール20部中で、室温において24時間ボールミ
リングし、メタノール3000部で洗浄した後、ろ別
し、クロロガリウムフタロシアニンの結晶を得た。得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折
図を図3に示す。なお、ここで得られたクロロガリウム
フタロシアニン結晶の最大吸収波長は780nmであ
る。
【0029】実施例1 まず、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM
−1、積水化学工業(株)製)8部をn−ブチルアルコ
ール152部に加え、攪拌溶解し、5wt%のポリビニ
ルブチラール溶液を作成した。次に、トリブトキシジル
コニウム・アセチルアセトネートの50%トルエン溶液
(商品名:ZC540、松本交商(株)製)100部、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A1
100、日本ユニカー(株)製)10部およびn−ブチ
ルアルコール130部を混合した溶液を、上記のポリビ
ニルブチラール溶液中に加え、スターラーで攪拌し、下
引層形成用の塗布液を作製した。この塗布液をアルミニ
ウム基体上に浸漬塗布し、160℃において10分間加
熱乾燥し、膜厚1.0μmの下引層を形成した。次に、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VHC
H、ユニオンカーバイド社製)3部を、予めn−ブチル
アルコール100部に溶解した溶液に、作製例3で得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶1部と、例示化
合物(II−1−3)6部を加え、24時間サンドミルで
分散し、n−ブチルアルコールで希釈し、固形分濃度
6.0重量部%の電荷発生層形成用塗布液を調製した。
得られた塗布液を、前記下引層の上にリング塗布液によ
り塗布し、100℃において10分間加熱乾燥して、膜
厚0.30μmの電荷発生層を形成した。なお、例示化
合物(II−1−3)の最大吸収波長は530nmであ
る。形成された電荷発生層の上に電荷輸送層を形成し
た。すなわち、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス
(3−メチルフェニル)[1,1′−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン4部を電荷輸送材料とし、ポリカー
ボネートZ樹脂6部と共に、モノクロロベンゼン40部
に溶解させ、得られた溶液を浸漬塗布装置によって、前
記電荷発生層上に塗布し、115℃で60分加熱乾燥し
て、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光
体を作製した。
【0030】実施例2 実施例1において、例示化合物(II−1−3)の代わり
に下記構造式(III −1−a)と(III −2−a)の配
合比1:1の混合物を用いた以外は、実施例1と全て同
様にして電子写真感光体を作製した。なお、下記構造式
(III −1−a)と(III −2−a)の配合比1:1混
合物の最大吸収波長は540nmである。
【0031】実施例3 実施例1において、例示化合物(II−1−3)の代わり
に、三方晶セレンを用いた以外は、実施例1とすべて同
様にして電子写真感光体を作製した。三方晶セレンの最
大吸収波長は450nmである。
【0032】比較例1 実施例1において、クロロガリウムフタロシアニンの代
わりにx型無金属フタロシアニンを用いた以外は、実施
例1と全て同様にして電子写真感光体を作製した。な
お、x型無金属フタロシアニンの最大吸収波長は780
nmである。 比較例2 実施例2において、クロロガリウムフタロシアニンの代
わりにx型無金属フタロシアニンを用いた以外は、実施
例2と全て同様にして電子写真感光体を作製した。 比較例3 実施例3において、クロロガリウムフタロシアニンの代
わりにx型無金属フタロシアニンを用いた以外は、実施
例3と全て同様にして電子写真感光体を作製した。
【0033】これらの電子写真感光体の特性評価試験を
以下のようにして行った。静電複写紙試験装置(商品
名:エレクトロスタティックアナライザーEPA810
0、川口電気(株)製)を用いて、20℃、50%RH
の環境下において、−6KVのコロナ放電により感光体
を帯電させた後、白色光に対して、感光体表面が初期電
位から半減するのに必要な露光量E1/2 (erg/cm
2 )を測定し、可視光感度を求めた。次に、長波長光感
度を求めるためのタングステンランプの光を、モノクロ
ーメーターを用いて780nmの単色光に分光し、感光
体表面上で1μW/cm2 になるように調整し照射し
た。そのときの初期の表面電位V0 (V)、V0 の1/
2になるまでの半減露光量E1/2 (erg/cm2 )を
測定し、その後、10ルックスのタングステン光を1秒
間感光体表面上に照射し、残留電位VR (V)を測定し
た。さらに、上記の帯電、露光を1000回繰り返した
後のV0 、E1/2 ,VR を測定した。その結果を表2に
示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、上記のよう
に光導電物質として、特定の結晶型を有するハロゲン化
ガリウムフタロシアニンと、450〜650nmに最大
吸収波長を有する電荷発生材料を含有する感光層を有す
るから、広い波長域にわたって高感度で良好な電子写真
特性を有し、繰り返し使用時の電位安定性に優れてい
る。したがって本発明の電子写真感光体は、可視域で主
たる分光感度が必要な複写機(例えば、蛍光灯、ハロゲ
ンランプ、キセノンランプ等の画像信号−アナログ信
号)用感光体として好適であり、かつ、可視光領域中の
長波長域あるいは赤外域で主たる分光感度が必要なプリ
ンター(例えば発光ダイオード、He−Neレーザー等
の気体レーザー、半導体レーザー等の画像信号−デジタ
ル信号)用感光体としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 作製例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図2】 作製例2で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図3】 作製例3で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に感光層を有する電子写真感光体
    において、感光層が、光導電物質として、(A)CuK
    α特性X線に対するブラック角度(2θ±0.2゜)の
    少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および2
    8.3゜に強い回折ピークを有するハロゲン化ガリウム
    フタロシアニンおよび(B)450〜650nmに最大
    吸収波長を有する電荷発生材料を含有することを特徴と
    する電子写真感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11184108A (ja) * 1997-12-25 1999-07-09 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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